JPH09540A - 手術用蛍光画像診断装置 - Google Patents

手術用蛍光画像診断装置

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Publication number
JPH09540A
JPH09540A JP7151513A JP15151395A JPH09540A JP H09540 A JPH09540 A JP H09540A JP 7151513 A JP7151513 A JP 7151513A JP 15151395 A JP15151395 A JP 15151395A JP H09540 A JPH09540 A JP H09540A
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JP
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light
fluorescent image
fluorescent
excitation
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Application number
JP7151513A
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English (en)
Inventor
Tomoo Sato
智夫 佐藤
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 明室で手術を受けて露出している生体部分
を、広範囲に亘って蛍光像として表示することができる
手術用蛍光画像診断装置を得る。 【構成】 蛍光を発する光感受性物質を吸収している生
体の露出部分17に対して、手術可能に照明光L1を照射
するとともに、該露出部分17のほぼ全域に対して光感受
性物質の励起波長領域にある励起光L2を照射し、露出
部分17のほぼ全域についての蛍光像を撮像部20により撮
像し、画像表示手段21に表示させる。そして、蛍光像の
撮像がなされるときは照明光制御部14により、照明光L
1の強度および/またはスペクトル特性を、蛍光像撮像
に影響が及ばない状態に切り換える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蛍光を発する光感受性
物質を吸収している生体に励起光を照射し、そのとき該
光感受性物質から発せられる蛍光による画像を撮像、表
示して、生体の診断に供する蛍光画像診断装置に関し、
さらに詳しくは、手術により露出した生体部分の蛍光像
を撮像、表示するようにした手術用蛍光画像診断装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、一般にPDD(Photodynamic
Diagnosis)と称される光力学診断についての研究が種
々なされている。このPDDとは、腫瘍親和性を有し、
光により励起されたとき蛍光を発する光感受性物質を予
め生体の腫瘍部分に吸収させておき、その部分に光感受
性物質の励起波長領域にある励起光を照射して蛍光を生
じさせ、この蛍光による画像を表示して腫瘍部分を診断
する技術である。
【0003】例えば特公昭63−9464号公報、特開
平1−136630号公報、特開平7−59783号公
報には、このPDDを行なうための蛍光画像診断装置が
開示されている。この種の蛍光画像診断装置は基本的
に、光感受性物質の励起波長領域にある励起光を生体に
対して照射する励起光照射手段と、光感受性物質が発す
る蛍光を検出して生体の蛍光像を撮像する手段と、この
撮像手段の出力を受けて上記蛍光像を表示する画像表示
手段とからなるものであり、多くの場合、体腔内部に挿
入される内視鏡や、手術用顕微鏡等に組み込まれた形に
構成される。
【0004】また、通常は上記各手段に加えて、蛍光像
が撮像されていないときに通常白色光である照明光を生
体に対して照射する手段と、生体において反射した照明
光を検出して生体の通常像を撮像する撮像手段と、この
撮像手段の出力を受けて上記通常像を表示する画像表示
手段(一般には蛍光像表示用のものと兼用される)とが
設けられ、この通常像で示される生体の状態を観察した
り、光照射および撮像手段の先端部分と生体との位置関
係を監視できるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、人体等の生
体に対しては、腫瘍摘出のために開腹、開胸等の手術が
施されることがある。この種の生体切開を伴なう手術
(Open Surgery)において、上述の蛍光画像診断装置を
適用できれば、腫瘍の位置や大きさを正確に把握可能と
なり、腫瘍摘出のための切除範囲を最小限に抑えられ
る、等の効果が期待できる。
【0006】しかし、前記特公昭63−9464号公
報、特開平1−136630号公報、特開平7−597
83号公報に示された蛍光画像診断装置は、いずれも内
視鏡に組み込まれたものであって、明室で行なわれる手
術に適用するための考慮はなされていない。
【0007】一方、手術用顕微鏡に組み込まれた形の蛍
光画像診断装置は、原理的には、明室で行なわれる手術
に適用可能であるが、この手術用顕微鏡の視野範囲は通
常たかだか10cm程度と非常に狭いものであり、した
がって、表示される蛍光像の範囲も非常に狭いものとな
ってしまう。表示される蛍光像の範囲が狭いと、手術実
施者や助手等が腫瘍を見落とす恐れがあり、また、その
ような不具合の発生を防止するために、露出している生
体部分をもれ無く観察できるように顕微鏡を操作してい
ると、手術に長時間を費やしてしまうことになる。
【0008】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、明室において手術を受けて露出している生体部
分を、広範囲に亘って蛍光像として表示することができ
る手術用蛍光画像診断装置を提供することを目的とする
ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による手術用蛍光
画像診断装置は、請求項1に記載の通り、蛍光を発する
光感受性物質を吸収している部位を含む、生体の切開さ
れて露出した部分に照明光を照射する無影灯等の照明光
照射手段と、上記露出した部分のほぼ全域に対して、光
感受性物質の励起波長領域にある励起光を照射する励起
光照射手段と、上記蛍光を検出して、上記露出した部分
のほぼ全域についての蛍光像を撮像する撮像手段と、こ
の撮像手段の出力を受けて、上記蛍光像を表示する画像
表示手段と、上記撮像手段による蛍光像の撮像がなされ
るとき、照明光の強度および/またはスペクトル特性
を、蛍光像撮像に影響が及ばない状態に切り換える照明
光制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0010】上記の構成において、好ましくは請求項2
に記載の通り、照明光照射手段は、ほぼ可視領域全域に
亘りかつ光感受性物質の励起波長領域の強度が特に高い
波長特性の光を発する光源と、この光の光路に配されて
光感受性物質の励起波長領域の光を低減させる第1のフ
ィルターとから構成され、励起光照射手段は、上記光源
と、上記光路に配されて主に光感受性物質の励起波長領
域の光のみを通す第2のフィルターとから構成され、そ
して照明光制御手段は、第1のフィルターに代えて第2
のフィルターを上記光路に配するフィルター切換え手段
とされる。
【0011】また照明光制御手段は上述のようなものに
限らず、請求項3に記載の通り、上記撮像手段による蛍
光像の撮像がなされるとき、照明光照射手段の出力を低
減(完全停止も含む)させるものであってもよい。
【0012】また本発明の手術用蛍光画像診断装置にお
いて、好ましくは請求項4に記載の通り、生体において
反射した照明光を検出して、生体の通常像を撮像する第
2の撮像手段と、この第2の撮像手段の出力を受けて、
上記通常像を表示する第2の画像表示手段とが設けられ
る。
【0013】そして上述の第2の撮像手段は、好ましく
は請求項5に記載の通り、生体の露出した部分のほぼ全
域についての通常像を撮像可能なものとされる。
【0014】また上記第2の画像表示手段は、好ましく
は請求項6に記載の通り、蛍光像を表示する画像表示手
段と共通のもので、蛍光像と通常像を併せて表示するよ
うに構成される。
【0015】また本発明の手術用蛍光画像診断装置にお
いて、好ましくは請求項7に記載の通り、光感受性物質
の励起波長領域が主に青色領域にあるとき、励起光照射
手段は、主に青色領域でかつ緑色領域も含む波長領域の
励起光を発するように構成される。
【0016】
【作用および発明の効果】以上のように本発明の手術用
蛍光画像診断装置によれば、切開されて露出した生体部
分に照明光照射手段から照明光が照射されるので、手術
実施者はこの部分を目視により直接観察し、また表示さ
れた蛍光像によって腫瘍の位置や大きさを確認しつつ、
病変部切除等の手術を施すことができる。
【0017】そして本発明の手術用蛍光画像診断装置
は、切開されて露出した生体部分のほぼ全域に対して励
起光を照射し、この露出した部分のほぼ全域についての
蛍光像を撮像するように構成されているので、露出して
いる生体部分を広範囲に亘って蛍光像化して表示するこ
とができる。そうであれば、手術実施者やその助手等
は、腫瘍を容易かつ確実に見付けることができるので、
適正な手術を迅速に行なうことができる。
【0018】また、手術を実施できるように、露出した
生体部分に照明光を照射していても、撮像手段による蛍
光像の撮像がなされるときは、照明光制御手段により照
明光の強度および/またはスペクトル特性が、蛍光像撮
像に影響が及ばない状態に切り換えられるので、通常極
めて微弱である蛍光も効率良く検出されて、明瞭な蛍光
像が撮像されるようになる。
【0019】なお、請求項2に記載のように、照明光照
射手段、励起光照射手段を構成する各光源を共通のもの
とすれば、コストダウンが可能となる。
【0020】一方、請求項3に記載のように、照明光照
射手段の出力を低減させる照明光制御手段は、照明光制
御のための構成が簡単で、信頼性が高いものとなる。
【0021】また、請求項4に記載のようにして生体の
通常像を撮像、表示できるようにしておけば、例えばカ
ラー画像とされるこの通常像を、生体観察のために供す
ることができる。
【0022】そして上述の第2の撮像手段を、請求項5
に記載のように、生体の露出した部分のほぼ全域につい
ての通常像を撮像可能なものとしておけば、この通常像
の観察も容易かつ迅速になされ得る。
【0023】また、請求項6に記載のように、蛍光像と
通常像を併せて共通の画像表示手段に表示させれば、こ
れら蛍光像と通常像を互いに重ね合わせたり、近くに並
べて表示させることができるので、蛍光像において示さ
れる腫瘍が生体のどの部分にあるかを、通常像を参照し
て容易かつ正確に確認可能となる。その上、このように
蛍光像と通常像を共通の画像表示手段に表示させれば、
装置構成が簡素化して、コストダウンも可能となる。
【0024】なお、光感受性物質の励起波長領域が主に
青色領域にあるとき、励起光照射手段は基本的には、主
に青色領域の光を発しさえすればよいものであるが、画
像の解像度は緑色領域の光に依存するので、請求項7に
記載のように励起光照射手段として緑色領域の光も発す
るものを適用すると、励起光反射像を撮像するような場
合はその解像度が向上する。
【0025】
【実施例】以下、図面に示す実施例に基づいて本発明を
詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施例による手
術用蛍光画像診断装置を示すものである。この手術用蛍
光画像診断装置は、無影灯を構成する複数の光源10と、
図7に詳細を示すように第1のフィルター11および第2
のフィルター12を保持して各光源10の光照射側(下方
側)に配されたフィルターホイル13と、このフィルター
ホイル13の回転位置を制御する照明光制御部14と、複数
の光源10の間に配された撮像部20と、この撮像部20の出
力を受けるCRT等からなる画像表示手段21と、コンピ
ュータ22と、このコンピュータ22に接続された術者用手
元スイッチ23とを有している。
【0026】開腹、開胸等の手術(Open Surgery)を受
ける患者15は、手術台16の上に載置される。上記複数の
光源10は、そこから発する光を、患者15の切開されて露
出した部分17の全域に照射できるように配設されてい
る。
【0027】また各光源10は図2に破線で示すように、
ほぼ可視領域全域に亘りかつ青色領域の強度が特に高い
波長特性の光を発するものであるが、第1のフィルター
11を透過後の光(照明光)L1の波長特性は同図に曲線
aで示すものとなり、また第2のフィルター12を透過後
の光(励起光)L2の波長特性は同図に曲線bで示すも
のとなる。すなわち第1のフィルター11は図3に示すよ
うに、青色領域の光を大きく低減させる分光透過率特性
を有するものであり、また第2のフィルター12は図4に
示すように、主に青色領域の光をのみを透過させる分光
透過率特性を有するものである。
【0028】図7に示されるようにフィルターホイル13
は、その中心軸13aを回転中心として回転可能であり、
図示しない駆動手段とこの駆動手段を制御する上記照明
光制御部14とにより、光源10からの光の光路に第1のフ
ィルター11を挿入する回転位置、あるいは第2のフィル
ター12を挿入する回転位置に設定される。以上説明の通
り、本実施例では光源10および第1のフィルター11が照
明光照射手段を構成し、光源10および第2のフィルター
12が励起光照射手段を構成している。
【0029】なお実施例では、手術実施者や助手等が手
元スイッチ23を操作することにより、コンピュータ22か
ら照明光制御部14にフィルター切換えの指令が与えられ
て、フィルターホイル13の回転位置が上記2つの位置の
一方に選択的に設定されるようになっている。
【0030】次に図6を参照して、上記撮像部20につい
て詳しく説明する。患者15の切開されて露出した部分
(診断部位)17には腫瘍18があり、この露出部分17に
は、腫瘍親和性を有し、光により励起されたとき蛍光を
発する光感受性物質が予め吸収されている。この光感受
性物質としては、例えばポルフィリン類が用いられる。
このポルフィリン類の一種であるATX-S10 の吸収スペク
トルおよび蛍光スペクトルを図5にそれぞれ実線、破線
で示す。
【0031】そして、前記照明光L1あるいは励起光L
2が露出部分17に照射されると、それらの光は露出部分
17で反射し、また特に励起光L2が照射された場合は、
上記光感受性物質から蛍光L3が発せられる。撮像部20
は、この蛍光L3あるいは反射した照明光L1を検出し
て撮像するものであって、露出部分17を全て視野に取り
込み得る撮像レンズ30、リレーレンズ31、通常感度のカ
ラーカメラ32、撮像レンズ30とリレーレンズ31との間に
配されたビームスプリッタ33を有している。また、上記
ビームスプリッタ33で反射した光の光路には、励起光カ
ットフィルター34、リレーレンズ35、および高感度カメ
ラ36が配されている。
【0032】撮像レンズ30に入射した光L3、L2(L
1)は平行光化され、ビームスプリッタ33において一部
が反射し、残余がそこを透過する。なおこのビームスプ
リッタ33の代わりに、蛍光L3の波長領域の光のみを反
射させ、その他の波長領域の光は透過させるダイクロイ
ックミラーが用いられてもよい。
【0033】ビームスプリッタ33で反射した光はリレー
レンズ35で集光され、高感度カメラ36に入射する。蛍光
像の撮像用に設けられたこの高感度カメラ36の出力は、
前述した画像表示手段21(図1参照)に入力される。一
方、ビームスプリッタ33を透過した光はリレーレンズ31
で集光されて、第2の撮像手段としてのカラーカメラ32
に入射する。通常像の撮像用に設けられたこのカラーカ
メラ32の出力も、上記画像表示手段21に入力される。
【0034】以下、上記構成の手術用蛍光画像診断装置
の作用について説明する。まず通常像、すなわち目視に
よるものと同様の像を撮像する場合について説明する。
この場合、複数の光源10は連続的に点灯される。そし
て、各光源10から発せられた光の光路には、手元スイッ
チ23の操作により、第1のフィルター11が挿入される。
そこで患者15の露出部分17には、図2に曲線aで波長特
性を示す白色光である照明光L1が照射される。
【0035】この照明光L1は露出部分17で反射し、撮
像レンズ30で集光されて、その一部がビームスプリッタ
33を透過する。ビームスプリッタ33を透過した照明光L
1は、リレーレンズ31により集光されてカラーカメラ32
に入射する。そこでこのカラーカメラ32により露出部分
17全域のカラー通常像が撮像され、このカラー通常像A
が画像表示手段21に表示される。
【0036】なお、手術実施者が患者15の露出部分17を
直接目視しながら手術する場合も、上述と同様に露出部
分17に対して照明光L1が照射される。
【0037】次に蛍光像を撮像する場合について説明す
る。この場合光源10は、連続的あるいはパルス状に点灯
される。そして各光源10から発せられた光の光路には、
手元スイッチ23の操作により、第2のフィルター12が挿
入される。そこで患者15の露出部分17には、図2に曲線
bで波長特性を示す励起光L2が照射される。
【0038】この励起光L2の照射を受けた露出部分17
からは、前述の光感受性物質による蛍光L3が発せられ
る。この蛍光L3は撮像レンズ30で集光され、ビームス
プリッタ33においてその一部が(ビームスプリッタ33に
代えて前述のダイクロイックミラーが用いられる場合
は、ほぼ全部が)反射する。ビームスプリッタ33で反射
した蛍光L3は、リレーレンズ35により集光されて高感
度カメラ36に入射する。そこでこの高感度カメラ36によ
り露出部分17全域についての蛍光像が撮像され、この蛍
光像Bが画像表示手段21に表示される。なお上記光感受
性物質は腫瘍親和性を有するので、基本的に腫瘍部分の
みが蛍光像として示される。
【0039】ここで、励起光L2は露出部分17において
反射し、蛍光L3と同じ光路を辿って、その一部が蛍光
L3とともにビームスプリッタ33で反射するが、この励
起光L2は励起光カットフィルター34によってカットさ
れる。
【0040】以上説明の通り本実施例の手術用蛍光画像
診断装置によれば、患者15の露出部分17に照明光L1が
照射されるので、手術実施者はこの露出部分17を目視に
より直接観察し、また表示された蛍光像Bによって腫瘍
の位置や大きさを確認しつつ、病変部切除等の手術を施
すことができる。
【0041】そして本実施例の手術用蛍光画像診断装置
は、露出部分17の全域に対して励起光L2を照射し、こ
の露出部分17の全域についての蛍光像Bを撮像するよう
に構成されているので、露出部分17を広範囲に亘って蛍
光像化して表示することができる。そうであれば、手術
実施者やその助手等は、腫瘍を容易かつ確実に見付ける
ことができるので、適正な手術を迅速に行なうことがで
きる。
【0042】また、手術のために露出部分17に照明光L
1を照射していても、蛍光像の撮像がなされるときは、
主に光感受性物質の励起波長領域にある励起光L2のみ
が照射されるようになっているので、通常極めて微弱で
ある蛍光L3も効率良く検出されて、明瞭な蛍光像Bが
撮像されるようになる。
【0043】なお本実施例では、光感受性物質を励起す
る青色領域の光のみならず、緑色領域の光も発する励起
光L2を使用しているので、励起光反射像を撮像するよ
うな場合は、前述した理由により励起光反射像の解像度
が高められる。
【0044】また本実施例では、照明光照射手段、励起
光照射手段を構成する各光源として、共通の光源10を用
いているので、コストダウンが可能となる。
【0045】さらに本実施例では、露出部分17のカラー
通常像Aも撮像、表示するように構成されているので、
このカラー通常像Aを患部の観察のために利用すること
ができる。またこのカラー通常像Aと蛍光像Bとを併せ
て共通の画像表示手段21に表示させているので、これら
両画像を互いに重ね合わせたり、近くに並べて表示させ
ることができ、よって、蛍光像Bにおいて示される腫瘍
がどの部位にあるかを、通常像Aを参照して容易かつ正
確に確認可能となる。その上、このように蛍光像Bと通
常像Aを共通の画像表示手段21に表示させれば、装置構
成が簡素化して、コストダウンも可能となる。
【0046】また本実施例では、通常像Aも露出部分17
の全域に亘って撮像、表示されるようになっているか
ら、通常像Aの観察も容易かつ迅速になされ得る。
【0047】次に図8、9および10を参照して、本発
明の第2実施例による手術用蛍光画像診断装置について
説明する。なおこれらの図において、第1実施例中の要
素と同等の要素には同番号を付し、それらについての説
明は特に必要の無い限り省略する。
【0048】図8に示される通り、この第2実施例の手
術用蛍光画像診断装置においては、手術用および通常像
撮像のための照明光照射手段として、専用の複数の白色
ランプ50が設けられている。これらの白色ランプ50は無
影灯を構成するもので、電源51に接続され、その駆動は
光源コントローラ52によって制御される。
【0049】一方、励起光照射手段としては、手に持っ
て動かすことができるハンディ励起光源53が用いられて
いる。このハンディ励起光源53は、図9に詳しく示す通
り、青色領域の光を多く含む励起光L2を発する例えば
水銀ランプ54をケース55内に収めてなるものである。そ
してケース55の前面には、青色領域の光のみを透過させ
る干渉フィルター56が取り付けられている。またケース
55には、グリップ56および、光源コントローラ52に接続
するスイッチ57が設けられている。図8に示される通
り、このハンディ励起光源53は電源60に接続され、その
駆動も上記の光源コントローラ52によって制御される。
【0050】以下、上記構成の手術用蛍光画像診断装置
の作用について説明する。まず通常像を撮像する場合に
ついて説明する。この場合、ハンディ励起光源53のスイ
ッチ57を操作することにより、光源コントローラ52を介
して電源60がOFF、電源51がONにされ、白色ランプ
50が連続的に点灯される。白色ランプ50から発せられた
白色光(照明光)L1は患者15の露出部分17を全域に亘
って照射する。このようにして照明された露出部分17の
通常像Aの撮像、表示は、第1実施例と同様にしてなさ
れる。また、このように露出部分17を照明していると
き、手術がなされ得る。
【0051】一方、蛍光像を撮像する場合は、ハンディ
励起光源53のスイッチ57を操作することにより、光源コ
ントローラ52を介して電源60がONにされる。そしてこ
の際、光源コントローラ52により電源51から白色ランプ
50への給電が制限され、白色ランプ50が減光する。上記
のように電源60がONにされることにより、水銀ランプ
54が連続的あるいはパルス状に点灯され、そこから発せ
られた励起光L2が患者15の露出部分17を全域に亘って
照射する。このときの蛍光像Bの撮像、表示も、第1実
施例と同様にしてなされる。
【0052】ここで、上記白色ランプ50の減光の様子
を、図10に示す。図中の実線aが通常像を撮像する際
の照明光L1の強度を示し、図中の実線bが蛍光像を撮
像する際の照明光L1の強度を示している。また同図中
の破線は、蛍光L3の発光スペクトルを示している。こ
こに示される通り、蛍光像撮像の際の照明光L1の強度
は、その全波長領域に亘って、蛍光L3の主たる波長域
における強度よりも十分低いものとされる。
【0053】このように、蛍光像を撮像する際に照明光
L1を減光させれば、極めて微弱な蛍光L3も効率良く
検出されて、明瞭な蛍光像Bを撮像可能となる。なお、
白色ランプ50を減光させる代わりに、完全に消灯させて
も構わない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による手術用蛍光画像診断
装置を示す概略図
【図2】上記第1実施例装置における励起光および照明
光の波長特性を示すグラフ
【図3】上記第1実施例装置に用いられた照明光用フィ
ルターの分光透過率特性を示すグラフ
【図4】上記第1実施例装置に用いられた励起光用フィ
ルターの分光透過率特性を示すグラフ
【図5】光感受性物質の励起光吸収スペクトルおよび蛍
光スペクトルを示すグラフ
【図6】上記第1実施例装置の撮像部を詳しく示す側面
【図7】上記第1実施例装置の照明光照射手段および励
起光照射手段を詳しく示す斜視図
【図8】本発明の第2実施例による手術用蛍光画像診断
装置を示す概略図
【図9】上記第2実施例装置の励起光照射手段を詳しく
示す側面図
【図10】上記第2実施例装置における照明光の強度調
節を説明するグラフ
【符号の説明】
10 光源 11 第1のフィルター 12 第2のフィルター 13 フィルターホイル 14 照明光制御部 15 患者 17 切開されて露出した部分 20 撮像部 21 画像表示手段 22 コンピュータ 23 術者用手元スイッチ 30 撮像レンズ 31、35 リレーレンズ 32 通常像撮像用カラーカメラ 33 ビームスプリッタ 34 励起光カットフィルター 35 蛍光像撮像用高感度カメラ 50 白色ランプ 51 白色ランプ電源 52 光源コントローラ 53 ハンディ励起光源 54 水銀ランプ 55 ケース 56 干渉フィルター 57 スイッチ L1 照明光 L2 励起光 L3 蛍光

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛍光を発する光感受性物質を吸収してい
    る部位を含む、生体の切開されて露出した部分に照明光
    を照射する照明光照射手段と、 前記露出した部分のほぼ全域に対して、前記光感受性物
    質の励起波長領域にある励起光を照射する励起光照射手
    段と、 前記蛍光を検出して、前記露出した部分のほぼ全域につ
    いての蛍光像を撮像する撮像手段と、 この撮像手段の出力を受けて、前記蛍光像を表示する画
    像表示手段と、 前記撮像手段による蛍光像の撮像がなされるとき、前記
    照明光の強度および/またはスペクトル特性を、蛍光像
    撮像に影響が及ばない状態に切り換える照明光制御手段
    とを備えたことを特徴とする手術用蛍光画像診断装置。
  2. 【請求項2】 前記照明光照射手段が、ほぼ可視領域全
    域に亘りかつ前記光感受性物質の励起波長領域の強度が
    特に高い波長特性の光を発する光源と、この光の光路に
    配されて前記光感受性物質の励起波長領域の光を低減さ
    せる第1のフィルターとから構成され、 前記励起光照射手段が、前記光源と、前記光路に配され
    て主に前記光感受性物質の励起波長領域の光のみを通す
    第2のフィルターとから構成され、 前記照明光制御手段が、前記第1のフィルターに代えて
    前記第2のフィルターを前記光路に配するフィルター切
    換え手段であることを特徴とする請求項1記載の手術用
    蛍光画像診断装置。
  3. 【請求項3】 前記照明光制御手段が、前記撮像手段に
    よる蛍光像の撮像がなされるとき、前記照明光照射手段
    の出力を低減させるものであることを特徴とする請求項
    1記載の手術用蛍光画像診断装置。
  4. 【請求項4】 前記生体において反射した照明光を検出
    して、生体の通常像を撮像する第2の撮像手段と、 この第2の撮像手段の出力を受けて、前記通常像を表示
    する第2の画像表示手段とを備えたことを特徴とする請
    求項1から3いずれか1項記載の手術用蛍光画像診断装
    置。
  5. 【請求項5】 前記第2の撮像手段が、前記露出した部
    分のほぼ全域についての通常像を撮像可能であることを
    特徴とする請求項4記載の手術用蛍光画像診断装置。
  6. 【請求項6】 前記第2の画像表示手段が、前記蛍光像
    を表示する画像表示手段と共通のもので、前記蛍光像と
    前記通常像を併せて表示することを特徴とする請求項4
    または5記載の手術用蛍光画像診断装置。
  7. 【請求項7】 前記光感受性物質の励起波長領域が主に
    青色領域にあるとき、前記励起光照射手段が、主に青色
    領域でかつ緑色領域も含む波長領域の励起光を発するよ
    うに構成されていることを特徴とする請求項1から6い
    ずれか1項記載の手術用蛍光画像診断装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007083437A1 (ja) * 2006-01-20 2007-07-26 Sumitomo Electric Industries, Ltd. 撮像システム
JP2015520624A (ja) * 2012-04-25 2015-07-23 フリュオプティクスFluoptics 手術室用の蛍光撮像システム
WO2018003169A1 (ja) * 2016-06-30 2018-01-04 株式会社島津製作所 イメージング装置

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