JPH0953835A - 空気調和装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 防虫、防カビ、消臭及び殺菌効果を十分に得
ることのできる空気調和装置を提供する。 【解決手段】 送風機２が断続的に作動して床下Ａに外
気が送風され、床下Ａ内の換気が行われる。その際、本
体ケーシング１の通風路１ｃ内には噴霧装置３によって
防虫剤が噴霧されることから、防虫剤が送風空気と共に
床下Ａ内に散布され、床下Ａ内の害虫（白アリ等）の発
生が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は住居の室内や床下の
換気、または室内の空気清浄を行う空気調和装置に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の空気調和装置としては、
住居の床下を換気する床下換気装置、住居の室内を換気
する熱交換型換気装置、室内の空気を浄化する空気清浄
機等が知られている。即ち、床下換気装置は、住居の床
下の壁面に取付けられた通風路と、床下内に通風路を介
して外気を取入れる送風機とを備え、床下内の換気によ
り害虫の発生を防止するようにしたものである。また、
熱交換型換気装置は、例えば実開平３−３７３４４号公
報に記載されているように、室内側の空気を屋外に排出
する排気側通風路と、外気を室内に取入れる給気側通風
路と、これら各通風路の空気を互いに熱交換させる熱交
換器を備え、排気と給気との熱交換により、冷房時また
は暖房時の室内側の熱的損失を軽減するように構成され
たものである。更に、空気清浄機は、例えば実開平３−
１１８７４７号公報に記載されているように、空気の吸
入口及び吐出口を備えた本体ケーシングと、吸入口及び
吐出口を連通する通風路内に設けられたフィルタと、空
気の吸入及び吐出を行う送風機とを備え、外部から吸入
した空気をフィルタに通して塵埃や煙等を除去し、空気
の浄化を行うようにしたものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記床
下換気装置においては、換気により床下の湿気を除去し
て害虫（白アリ等）の繁殖を抑制する作用があるが、除
湿だけでは害虫の発生を確実に防止することができず、
防虫剤等により別途害虫を駆除しなければならなかっ
た。また、前記熱交換型換気装置においては、室内の臭
気を排出する以外に湿気を除去してカビの発生を防止す
る作用があるが、換気ムラ等により湿気を完全に除去す
ることができず、往々にしてカビを発生させる場合があ
った。更に、前記空気清浄機においては、フィルタでは
空気の消臭や殺菌を行うことができないため、活性炭や
オゾンを用いて消臭及び殺菌を行っているが、活性炭や
オゾンを用いる場合はコストが高くなる上に十分な効果
が期待できなかった。このように、前述の各種空気調和
装置では、防虫、防カビ、消臭及び殺菌効果を十分に得
ることができないという問題点があった。

【０００４】本発明は前記問題点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、防虫、防カビ、消臭
及び殺菌効果を十分に得ることのできる空気調和装置を
提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために、請求項１では、空気を流通する通風路と、
通風路内の空気を所定の空調空間に送風する送風手段と
を備えた空気調和装置において、前記通風路内に所定の
薬剤を噴霧する噴霧手段を備えている。これにより、通
風路内の空気に薬剤が噴霧され、薬剤が送風空気と共に
空調空間に散布される。

【０００６】また、請求項２では、空気を流通する通風
路と、通風路内の空気を所定の空調空間に送風する送風
手段とを備えた空気調和装置において、前記通風路に所
定の薬剤を含有した通気性部材を設けている。これによ
り、通気性部材を通過する空気に薬剤が添加され、薬剤
が送風空気と共に空調空間に散布される。

【０００７】また、請求項３では、請求項１または２記
載の空気調和装置において、前記薬剤として防虫剤を用
いている。これにより、防虫剤が送風空気と共に空調空
間に散布され、害虫の発生が防止される。

【０００８】また、請求項４では、請求項１または２記
載の空気調和装置において、前記薬剤として防カビ剤を
用いている。これにより、防カビ剤が送風空気と共に空
調空間に散布され、カビの発生が防止される。

【０００９】また、請求項５では、請求項１または２記
載の空気調和装置において、前記薬剤として消臭剤を用
いている。これにより、消臭剤が送風空気と共に空調空
間に散布され、空調空気から臭気が除去される。

【００１０】また、請求項６では、請求項１または２記
載の空気調和装置において、前記薬剤として殺菌剤を用
いている。これにより、殺菌剤が送風空気と共に空調空
間に散布され、空調空気から雑菌が除去される。

【００１１】

【発明の実施の形態】図１乃至図４は本発明の第１の実
施形態を示すもので、図１は床下換気装置の側面断面
図、図２は制御系を示すブロック図、図３は制御部の動
作を示すフローチャート、図４は床下換気装置の設置例
を示す平面図である。

【００１２】本実施形態の空気調和装置として示す床下
換気装置は、内部に空気を流通する本体ケーシング１
と、住居の床下Ａに空気を送風する送風機２と、送風空
気に防虫剤を噴霧する噴霧装置３と、送風機２及び噴霧
装置３の動作を制御する制御部４とから構成されてい
る。

【００１３】本体ケーシング１は住居の壁Ｂに設けられ
た孔に挿入され、前面が壁Ｂの外側に臨むようにして設
置されている。即ち、本体ケーシング１の前面には空気
の吸入口１ａが設けられ、床下Ａに臨む背面には吐出口
１ｂが設けられている。また、本体ケーシング１内には
吸入口１ａ及び吐出口１ｂを連通する通風路１ｃが形成
されている。

【００１４】送風機２は本体ケーシング１内に設けら
れ、本体ケーシング１の吸入口１ａから外気を吸入し、
吐出口１ｂから床下Ａに送風するようになっている。

【００１５】噴霧装置３は、本体ケーシング１の通風路
１ｃに臨むノズル３ａと、液状の防虫剤を収容するタン
ク３ｂと、タンク３ｂ内の防虫剤をノズル３ａに送り出
すポンプ３ｃとからなり、ポンプ３ｃによってタンク３
ｂ内の防虫剤を吸引してノズル３ａから通風路１ｃに噴
霧するようになっている。

【００１６】制御部４はマイクロコンピュータによって
構成され、図２に示すようにタイマ４ａ、送風機２及び
噴霧装置３に接続されている。

【００１７】以上のように構成された床下換気装置にお
いては、送風機２が断続的に作動して床下Ａに外気が送
風され、床下Ａ内の換気が行われる。その際、本体ケー
シング１の通風路１ｃ内には噴霧装置３によって防虫剤
が噴霧されることから、防虫剤が送風空気と共に床下Ａ
内に散布され、床下Ａ内の害虫（白アリ等）の発生が防
止される。

【００１８】即ち、制御部４においては、図３のフロー
チャートに示すように、装置本体のスイッチがＯＮにな
ると（Ｓ１）、送風機２及び噴霧装置３を作動し（Ｓ
２，Ｓ３）、タイマ４ａの計時時間Ｔ1 が経過したなら
ば（Ｓ４）、噴霧装置３を停止する（Ｓ５）。次に、時
間Ｔ2 が経過したならば（Ｓ６）、送風機２を停止する
とともに（Ｓ７）、時間Ｔ3 が経過したならば（Ｓ
８）、ステップＳ１に戻って前記動作を繰り返す。尚、
前記各計時時間Ｔ1 ,Ｔ2 ,Ｔ3 の長さは、Ｔ1 ＜Ｔ2＜
Ｔ3 の関係になっている。

【００１９】一般的な住居においては、図４に示すよう
に壁Ｂの一面に複数台の床下換気装置５が間隔をおいて
設置されるとともに、壁Ｂの他方の面には同じく複数台
の排気装置６が設置され、各床下換気装置５で床下Ａ内
に吸入した空気を各排気装置６によって強制的に排気す
るようになっている。

【００２０】このように、本実施形態に示す床下換気装
置によれば、本体ケーシング１の通風路１ｃ内に防虫剤
を噴霧するようにしたので、防虫剤を送風空気と共に床
下Ａ内に散布することができ、害虫の発生を確実に防止
することができる。また、既に発生した害虫も駆除する
ことができるので、害虫による住居への損害を確実に防
止することができる。

【００２１】図５は噴霧装置の他の例を示す一部断面側
面図で、噴霧装置として超音波霧化装置を用いたもので
ある。即ち、同図に示す噴霧装置７は、高周波信号によ
って振動する振動管７ａと、振動管７ａを駆動する圧電
素子７ｂと、液状の防虫剤を収容するタンク７ｃと、タ
ンク７ｃ内の防虫剤を振動管７ａに送り出すポンプ７ｄ
とから構成され、ポンプ７ｄで吸引した防虫剤を振動管
７ａで霧化し、振動管７ａの先端から噴霧するようにな
っている。

【００２２】図６は噴霧装置の他の例を示す側面図で、
噴霧装置としてスプレーを用いたものである。即ち、同
図に示す噴霧装置８は、密閉容器に充填した防虫剤を高
圧ガスと共に噴出するスプレー８ａと、スプレー８ａか
ら防虫剤を噴出させる駆動機構８ｂとから構成され、駆
動機構８ｂはソレノイド、電磁弁またはモータ等からな
り、スプレー８ａの噴出ヘッド８ｃを押圧するようにな
っている。

【００２３】図７は床下換気装置の他の例を示すもの
で、同図は床下換気装置の側面断面図である。尚、前記
実施形態と同等の構成部分には同一の符号を付して示
す。即ち、本実施形態では噴霧装置の代わりに防虫剤を
含有した通気性部材、即ち防虫フィルタ９を本体ケーシ
ング１の前面に取付けている。これにより、防虫フィル
タ９を通過する空気に防虫剤が添加され、前記実施形態
と同様、防虫剤が送風空気と共に床下Ａ内に散布され
る。

【００２４】図８は本発明の第２の実施形態を示すもの
で、同図は熱交換型換気装置の平面断面図である。

【００２５】本実施形態の空気調和装置として示す熱交
換型換気装置は、内部に空気を流通する本体ケーシング
１０と、外気を吸入する給気側送風機１１と、室内空気
を排出する排気側送風機１２と、外気と室内側空気を熱
交換する熱交換器１３と、室内側への送風空気に防カビ
剤を噴霧する噴霧装置１４とから構成されている。

【００２６】本体ケーシング１０は住居の室内側に配置
され、天井内等に設置されている。本体ケーシング１０
の一端面には屋外に臨む吸入口１０ａ及び吐出口１０ｂ
が幅方向に間隔をおいて設けられ、他端面には室内側に
臨む吸入口１０ｃ及び吐出口１０ｄが同じく幅方向に間
隔をおいて設けられている。本体ケーシング１０内は計
４つの通風路１０ｅ，１０ｆ，１０ｇ，１０ｈが形成さ
れ、屋外側の吸入口１０ａに通ずる通風路１０ｅは室内
側の吐出口１０ｄに通ずる通風路１０ｆに熱交換器１３
を介して連通し、屋外側の吐出口１０ｂに通ずる通風路
１０ｇは室内側の吸入口１０ｃに通ずる通風路１０ｆに
熱交換器１３を介して連通している。また、屋外側の吸
入口１０ａ及び吐出口１０ｂには住居の壁Ｃを貫通して
屋外に通ずるダクト１５，１６が接続され、室内側の吸
入口１０ｃ及び吐出口１０ｄには天井面から室内側に通
ずるダクト１７，１８が接続されている。

【００２７】給気側送風機１１は本体ケーシング１０の
給気側通風路１０ｅ内に設けられ、ダクト１５から吸入
した外気を通風路１０ｅ、熱交換器１３、通風路１０ｆ
及びダクト１８を介して室内側に送風するようになって
いる。

【００２８】排気側送風機１２は本体ケーシング１０の
排気側通風路１０ｇ内に設けられ、ダクト１７から吸入
した室内側空気を通風路１０ｈ、熱交換器１３、通風路
１０ｇ及びダクト１６を介して屋外に排出するようにな
っている。

【００２９】熱交換器１３は本体ケーシング１０内の中
央に配置され、内部を流通する二流体（吸入した外気と
排出される室内側空気）とを熱的に接触させるようにな
っている。

【００３０】噴霧装置１４は第１の実施形態と同様、本
体ケーシング１０の給気側通風路１０ｆに臨むノズル１
４ａと、液状の防カビ剤を収容するタンク１４ｂと、タ
ンク１４ｂ内の防虫剤をノズル１４ａに送り出すポンプ
１４ｃとからなり、ポンプ１４ｃによってタンク１４ｂ
内の防カビ剤を吸引してノズル１４ａから通風路１０ｆ
に噴霧するようになっている。

【００３１】以上のように構成された熱交換型換気装置
においては、各送風機１１，１２の作動により外気が吸
入されて室内に吐出され、室内側の空気が屋外に排出さ
れる。これにより、室内の換気が行われるとともに、熱
交換器１３によって排出空気から吸入外気に熱が回収さ
れ、室内側の空調負荷が軽減される。その際、本体ケー
シング１０の給気側通風路１０ｆ内には噴霧装置１４に
よって防カビ剤が噴霧されることから、防カビ剤が送風
空気と共に室内に散布され、室内のカビの発生が防止さ
れる。

【００３２】このように、本実施形態に示す熱交換型換
気装置によれば、本体ケーシング１０の給気側通風路１
０ｆ内に防カビ剤を噴霧するようにしたので、防カビ剤
を送風空気と共に室内に散布することができ、室内にお
けるカビの発生を確実に防止することができる。また、
ダクト１８内におけるカビの発生も防止することができ
る。

【００３３】図９は本発明の第３の実施形態を示すもの
で、同図は空気清浄機の側面断面図である。

【００３４】本実施形態の空気調和装置として示す空気
清浄機は、内部に空気を流通する本体ケーシング２０
と、周囲の空気を本体ケーシング２０内に吸入し排出す
る送風機２１と、空気中の塵埃や煙を捕捉するフィルタ
ユニット２２と、送風空気に消臭剤及び殺菌剤を噴霧す
る噴霧装置２３とから構成されている。

【００３５】本体ケーシング２０は住居の室内に配置さ
れ、天井から吊り下げられて設置されている。即ち、本
体ケーシング２０の前面には空気の吸入口２０ａが設け
られ、背面には吐出口２０ｂが設けられている。また、
本体ケーシング２０内には吸入口２０ａ及び吐出口２０
ｂを連通する通風路２０ｃが形成され、吸入口２０ａ及
び吐出口２０ｂの内側にはそれぞれ集塵フィルタ２０
ｄ，２０ｅが設けられている。

【００３６】送風機２１は本体ケーシング２０内に設け
られ、本体ケーシング２０の吸入口２０ａから周囲の空
気を吸入し、吐出口１ｂから吐出するようになってい
る。

【００３７】フィルタユニット２２は複数種類のフィル
タ、例えば静電フィルタ、ろ過フィルタ及びＣｏ除去フ
ィルタ等を積層して備え、本体ケーシング２０内の吸入
口２０ａに臨んで配置されている。

【００３８】噴霧装置２３は、本体ケーシング２０の通
風路２０ｃに臨むノズル２３ａと、液状の消臭剤及び殺
菌剤を収容するタンク２３ｂと、タンク２３ｂ内の消臭
剤及び殺菌剤をノズル２３ａに送り出すポンプ２３ｃと
からなり、ポンプ２３ｃによってタンク２３ｂ内の消臭
剤及び殺菌剤を吸引してノズル２３ａから通風路２０ｃ
に噴霧するようになっている。

【００３９】以上のように構成された空気清浄機におい
ては、送風機２１の作動により周囲の空気が本体ケーシ
ング２０内に吸入され、各集塵フィルタ２０ｄ，２０ｅ
によって比較的大きい塵埃が除去されるとともに、フィ
ルタユニット２２によって微細な塵埃やたばこの煙等が
除去される。その際、本体ケーシング２０の通風路２０
ｃ内には噴霧装置２３によって消臭剤及び殺菌剤が噴霧
され、空気中に含まれる雑菌や臭気が除去される。

【００４０】このように、本実施形態に示す空気清浄機
によれば、本体ケーシング２０の通風路２０ｃ内に消臭
剤及び殺菌剤を噴霧するようにしたので、空気中に含ま
れる雑菌や臭気を速やかに除去することができ、しかも
コストが安く効果も大きいという利点がある。

【００４１】尚、前記第２及び第３の実施形態の熱交換
型換気装置においても、第１の実施形態と同様、図５に
示す超音波霧化装置や図６に示すスプレーからなる噴霧
装置を用いることも可能である。

【００４２】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１及び２の
空気調和装置によれば、所定の薬剤を送風空気と共に空
調空間に散布することができるので、薬剤による効果を
十分に得ることができる。

【００４３】また、請求項３の空気調和装置によれば、
請求項１または２の効果に加え、防虫剤により害虫の発
生を防止することができるので、例えば床下換気装置に
用いる場合には極めて有効である。

【００４４】また、請求項４の空気調和装置によれば、
請求項１または２の効果に加え、防カビ剤によりカビの
発生を防止することができるので、例えば熱交換型換気
装置に用いる場合には極めて有効である。

【００４５】また、請求項５の空気調和装置によれば、
請求項１または２の効果に加え、消臭剤により臭気を除
去することができるので、例えば空気清浄機に用いる場
合には極めて有効である。

【００４６】また、請求項６の空気調和装置によれば、
請求項１または２の効果に加え、殺菌剤により雑菌を除
去することができるので、例えば空気清浄機に用いる場
合には極めて有効である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施形態を示す床下換気装置の
側面断面図

【図２】制御系を示すブロック図

【図３】制御部の動作を示すフローチャート

【図４】床下換気装置の設置例を示す平面図

【図５】噴霧装置の他の例を示す一部断面側面図

【図６】噴霧装置の他の例を示す側面図

【図７】床下換気装置の他の例を示す側面断面図

【図８】本発明の第２の実施形態を示す熱交換型換気装
置の側面断面図

【図９】本発明の第３の実施形態を示す空気清浄機の側
面断面図

【符号の説明】

１ｃ…通風路、２…送風機、３…噴霧装置、９…防虫フ
ィルタ、１０ｆ…通風路、１１…給気側送風機、１２…
排気側送風機、１４…噴霧装置、２０ｃ…通風路、２１
…送風機、２３…噴霧装置。

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 空気を流通する通風路と、通風路内の空
   気を所定の空調空間に送風する送風手段とを備えた空気
   調和装置において、 前記通風路内に所定の薬剤を噴霧する噴霧手段を備えた
   ことを特徴とする空気調和装置。
2. 【請求項２】 空気を流通する通風路と、通風路内の空
   気を所定の空調空間に送風する送風手段とを備えた空気
   調和装置において、 前記通風路に所定の薬剤を含有した通気性部材を設けた
   ことを特徴とする空気調和装置。
3. 【請求項３】 前記薬剤として防虫剤を用いたことを特
   徴とする請求項１または２記載の空気調和装置。
4. 【請求項４】 前記薬剤として防カビ剤を用いたことを
   特徴とする請求項１または２記載の空気調和装置。
5. 【請求項５】 前記薬剤として消臭剤を用いたことを特
   徴とする請求項１または２記載の空気調和装置。
6. 【請求項６】 前記薬剤として殺菌剤を用いたことを特
   徴とする請求項１または２記載の空気調和装置。