JPH0953196A - 電極材料と、その製造方法 - Google Patents

電極材料と、その製造方法

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JPH0953196A
JPH0953196A JP7229692A JP22969295A JPH0953196A JP H0953196 A JPH0953196 A JP H0953196A JP 7229692 A JP7229692 A JP 7229692A JP 22969295 A JP22969295 A JP 22969295A JP H0953196 A JPH0953196 A JP H0953196A
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JP7229692A
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Yusuke Matsubayashi
雄輔 松林
Kazuyuki Monzen
和幸 門前
Susumu Wada
進 和田
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NIKKOSHI PROD KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】プラズマCVD処理やドライエッチング処理に
おける、 400℃の高温下やフッ素ガス系のプラズマ雰囲
気中でさえも、皮膜の剥離やパーティクルの発生を起こ
さない、強固な皮膜を有するアルミニウムまたはその合
金からなる電極材料と、その製造方法を提供する。 【解決手段】電極材料は表面に 1,500個/μm2以上の微
孔を備えた陽極酸化皮膜を有するアルミニウムまたはそ
の合金からなり、その製造方法はアルミニウムまたはそ
の合金を、硫酸水溶液中で電流密度を0.5A/dm2から 10A
/dm2まで、また電解電圧を6〜7Vから20〜25Vまで、
それぞれ段階的に上昇しながら反転電流法により陽極酸
化した後、pH3〜5の硝酸水溶液に浸漬するものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐熱性および耐薬品
性に優れた電極材料とその製造方法、特にはプラズマC
VD法(化学的蒸着法)やドライエッチング法等におけ
る、 400℃の高温下やフッ素ガス系のプラズマ雰囲気中
でさえも、クラックや皮膜剥離を起こさない陽極酸化皮
膜を有する、アルミニウムまたはその合金からなる電極
材料と、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、LSI等の半導体製造工程に
は、テトラエチルオルソシリケート等の有機シリコンと
N2O 、O2、N2等の各種反応ガスとのプラズマ分解によ
り、シリコン基盤上に酸化シリコン、チッ化シリコン、
ポリシリコン等の絶縁膜を析出させる、プラズマCVD
処理工程と、 CF4、C2F6、 NF3、F2等の各種エッチング
ガスをプラズマ分解し、イオン化し、電極のバイアス電
圧により加速して上記絶縁膜に衝突させ、絶縁膜を所定
のパターンにしたがってエッチング除去する、ドライエ
ッチング処理工程とがある。プラズマCVD処理工程で
は、近年、シリコン基盤上以外の装置内壁、上下電極等
に析出付着する酸化物によるパーティクル汚染が問題と
なり、この汚染防止のために、装置内部に付着した酸化
物を工程毎にクリーニング除去することが行われてい
る。
【0003】このクリーニングは、装置内にフロン−14
(CF4)、フロン−116 (C2F6)、三フッ化窒素(NF3)等
のフッ素を主体としたエッチングガスを流し、これらよ
りF-(フッ素イオン)、F*(フッ素ラジカル)等のプラ
ズマを発生させ、これを装置内部に付着しているSiO2
反応させて、SiF4、O2の蒸気圧の低い物質に変化させ、
気化させることによって行うもので、その際、電極温度
はハロゲンランプによる加熱とプラズマの衝突による加
熱とで 350〜 450℃に達する。従来の電極材料には、例
えば、展伸材アルミニウムを機械加工により所定の寸法
形状とし、表面を#100〜 320の粒度のホワイトアランダ
ムでブラスト加工して粗面化し、 410〜 430℃で完全焼
き鈍しを行って内部の残留応力を除去した後、温度15±
2℃の15%硫酸浴中で直流により陽極酸化処理を行い、
その後、表面の多孔質層に封孔処理を施したものが使用
されてきた。電極材料の陽極酸化皮膜は工程毎にエッチ
ングガスのプラズマ雰囲気下でプラズマ照射されるの
で、何回も使用する内には皮膜の剥離やその二次的産物
としてのパーティクルの発生をもたらすほか、剥離によ
り電極上の金属素材(アルミニウム)が露出するように
なる。金属素材が露出した場所は絶縁膜である陽極酸化
皮膜と異なり導体であるため、異常放電が発生したりプ
ラズマがその部分に集中して不均一な析出や不正確なエ
ッチングをもたらすようになり、プラズマ発生用電極と
しての寿命を終える。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】膜厚10μm の陽極酸化
皮膜の場合、通常のプラズマ密度での使用時間は 1,000
時間位であるが、中には10〜20時間の使用でパーティク
ルを多数発生させる等で寿命を来すものがあり、半導体
生産工程の管理上の問題となっている。このため、電解
液の種類を変えた陽極酸化処理法も検討されたが、クロ
ム酸の場合には膜質が緻密になるものの、陽極酸化後の
洗浄が不十分な場合、皮膜に重金属のクロムが残留しや
すく、プラズマCVD処理およびドライエッチング処理
においてシリコンウエハーの汚染の原因となり好ましく
ない。また蓚酸の場合には、電解電圧が高く、その分、
電解時に製品表面に発生するジュール熱が多くなり、そ
の結果、陽極酸化皮膜の表面溶解が発生しやすく、健全
かつ均一な陽極酸化皮膜の再現性に乏しい。したがっ
て、本発明の目的は、プラズマCVD処理やドライエッ
チング処理における、 400℃の高温下やフッ素ガス系の
プラズマ雰囲気中でさえも、皮膜の剥離やパーティクル
の発生を起こさない、強固な皮膜を有するアルミニウム
またはその合金からなる電極材料と、その製造方法を提
供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
の解決のため、従来の直流定電流による陽極酸化処理を
施して作製した電極について、プラズマCVD処理を何
回も施した皮膜の状態を観察したところ、陽極酸化皮膜
には幅数μm の微細なクラックが無数に発生し、各クラ
ックを挟む両側の陽極酸化皮膜には、図9の電子顕微鏡
写真(× 500)に示されるような剥離が生じていた。こ
の剥離した場所について、エネルギー分散型X線分光法
(EDS)を用いて表面の元素の定性分析を行ったとこ
ろ、図10に示すように、エッチングガスの分解により生
ずるフッ素成分の化合していることが分かった。さら
に、定性分析で判明した元素の分布を解析したマッピン
グデータが図11であり、その右上図はフッ素の分布を、
左下図は酸素の分布を、右下図はアルミニウムの分布を
それぞれ示している。これよりフッ素が皮膜剥離部に集
中して化合していることが明らかとなった。
【0006】これらの結果より、従来の電極では約 400
℃の温度でアルミニウムまたはその合金の地金と陽極酸
化皮膜との熱膨張係数の差により幅数μm のクラックが
発生し、そこでは皮膜の絶縁性が壊れ、フッ素等のハロ
ゲン性のプラズマが集中する。ここからプラズマ化した
クリーニングガスがアルミニウム等の地金と陽極酸化皮
膜との界面に侵入し、アルミニウム等の地金と反応して
フッ化アルミニウム等の化合物を生成し、体積を膨張さ
せる。これにより陽極酸化皮膜のクラックの発生を助長
すると共に多数の酸化皮膜の剥離を起していたものと考
えられる。本発明は、上記の実態を把握した上で、さら
に検討を重ねて達成されたもので、表面に 1,500個/μ
m2以上の微孔を備えた陽極酸化皮膜を有するアルミニウ
ムまたはその合金からなる電極材料、およびアルミニウ
ムまたはその合金を、硫酸水溶液中で電流密度を0.5A/d
m2から 10A/dm2まで、また電解電圧を6〜7Vから20〜
25Vまで、それぞれ段階的に上昇しながら反転電流法に
より陽極酸化した後、pH3〜5の硝酸水溶液に浸漬する
ことを特徴とする上記電極材料の製造方法に関する。前
記電極材料は表面に 2,000個/μm2以上、特には 2,300
〜 2,500個/μm2の微孔を有するアルミニウムまたはそ
の合金からなることを好適とする。また、前記電極材料
の製造方法は、アルミニウムまたはその合金が、その表
面をブラスト処理した後、陽極酸化処理に供することを
好適とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の態様を図1
〜図8に基づいて説明する。本発明の電極材料の製造に
当っては、まずアルミニウムまたはその合金を、好まし
くは表面をブラスト処理してから、硫酸水溶液中で電流
密度を0.5A/dm2から10A/dm2まで、また電解電圧を6〜
7Vから20〜25Vまで、それぞれ段階的に上昇しながら
反転電流法により陽極酸化処理を行う。反転電流法によ
る電流波形は、図1に示すように、従来用いられてきた
直流波形のものとは異なるもので、6相半波整流電源よ
り得られた直流を、サイリスタ制御によりスイッチング
し、アノード電圧:カソード電圧を1:1で極性変換さ
せる方式で得ることができる。周波数は10〜20Hzが好ま
しい。電流密度は、図2に示すように、0.5A/dm2から 1
0A/dm2まで、また電解電圧は、図3に示すように、6〜
7Vから20〜25Vまで、それぞれ制御しながら約30分間
で段階的に上昇させる。陽極酸化を行う電解浴には、従
来の方法と同様に、温度10〜20℃、好ましくは13±1
℃、濃度10〜20%、好ましくは15±1%の硫酸水溶液が
用いられる。
【0008】アルミニウムまたはその合金の陽極酸化に
よって表面に形成される皮膜は、通常多くのポア(微
孔)の密集体からなる多孔層と、そのポアの底から地金
までの緻密なバリアー層とから構成される。陽極酸化皮
膜中の多孔層を形成する、ポア(微孔)の数量、セル壁
の厚みは、電解電圧に比例し、電解電圧が低いほどポア
数が多く、セル壁の厚みは薄くなる。すなわち、電解初
期電圧が6〜7Vという比較的低い領域から電解する本
電極材料の製造方法では、得られるポア(微孔)の数量
が従来の 800個/μm2程度に比べて多く、セル壁の厚み
が薄いため、酸化皮膜に及ぶ応力を吸収しクラックの生
じにくい構造となる。ポア(微孔)の数量は通常 1,500
個/μm2以上、特には2,000個/μm2以上、より具体的
には 2,300〜 2,500個/μm2にも達する。図4に得られ
た電極材料の陽極酸化皮膜表面の電子顕微鏡写真(× 2
00,000)を示す。これによれば、ポアの直径は約10nm
( 100Å)であり、またポアの単位面積当りの数量は
2,300〜 2,500個/μm2という高い多孔度となってい
る。
【0009】他方、バリアー層の厚さは、ほぼ電解電圧
に比例する。電解電圧が高いほどバリアー層は厚くな
る。温度10℃の15%硫酸水溶液を用いて電圧16〜18V、
電流密度 3.5A/dm2の陽極酸化によって得られるバリア
ー層の厚さが 252Å/Vであったのに対し、本発明の電極
材料では最終の電解電圧を20〜25Vの高電圧領域にする
ことにより、陽極酸化皮膜のバリアー層が厚くなり、約
280〜 350Åとなる。プラズマCVD処理およびドライ
エッチング処理でのクリーニングガスのプラズマ雰囲気
下における、電極の陽極酸化皮膜でのバリアー層の厚さ
は、ポアからアルミニウム素地に侵入するフッ素等のハ
ロゲンガスを唯一遮蔽する役割を持つ。そのためバリア
ー層が厚いほど、電極の寿命が長くなる。なお、前述し
た陽極酸化処理前のアルミニウムまたはその合金表面の
ブラスト処理は、エッチングガスのプラズマ雰囲気下で
の皮膜の破壊を軽減し電極寿命をさらに延ばす利点があ
る。
【0010】陽極酸化したアルミニウムまたはその合金
は、次にpH3〜5の硝酸水溶液に、好ましくは5〜8
分、浸漬することにより、本発明の電極材料となる。そ
の理由は必ずしも明らかではないが、この浸漬により陽
極酸化皮膜は軟化しクラックが生じにくくなる。図5
に、陽極酸化したアルミニウムをpH3〜5の硝酸水溶液
に5分間浸漬する前後のHU硬さ(ユニバーサルビッカ
ース硬さ)を示す。HU硬さは段階的に荷重を加えなが
ら窪みの深さを高精度に測定し硬さを求める、新しい微
小硬さ試験方法である。グラフは横軸が測定深さ、縦軸
が硬さで、上側の線が浸漬前、下側の線が浸漬後の値で
ある。これより浸漬後の皮膜は表層の軟化が明らかであ
る。従来の電極材料では多孔層に 800個/μm2程度のポ
ア(微孔)しか存在しないが、バリアー層の厚さが薄い
ため、このポア(微孔)を封孔処理することで耐熱・耐
薬品性を保持していたが、本発明のものでは多孔層に
1,500個/μm2以上もの多数のポア(微孔)が存在する
が、バリアー層の厚さが厚いので、これにより耐熱・耐
薬品性を保持し、多孔層は封孔処理することなく、その
まま保持することで、クラックの発生防止に役立たせる
ことができる。
【0011】本発明の電極材料は、陽極酸化皮膜の耐熱
性、耐クリーニングガス性が極めて良好で、400 ℃の温
度でクリーニングガス雰囲気下、連続30時間プラズマ照
射加速試験を行った場合、皮膜のクラックおよび剥離は
従来のものに比べて著しく少なくなる。図6(a)は後
述する本発明の実施例で、また同(b)および(c)は
それぞれ比較例1および2で得られた電極材料につい
て、それぞれプラズマ照射加速試験後の表面状態を示す
電子顕微鏡写真(×25)である。また、通常のプラズマ
密度のプラズマCVD処理(プラズマクリーニングを含
む)で使用した場合の連続使用可能時間は、図7に示す
ように、約 4、000時間でバラツキも減少する。このため
半導体等の製造工程の管理が容易になる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の電極材料の製造方法につい
て、実施例および比較例を挙げて具体的に説明する。 実施例1 供試材として、Si+Fe:0.58%、Cu:0.15%、Mn:0.03
%を含有し、残部がA1からなる H24の展伸材アルミニウ
ム合金を用いた。供試材をφ 150mm、板厚4mmの円盤状
に機械加工した後、その片面のみを#240の粒度のホワイ
トアランダムでブラスト加工して粗面化した。次に、内
部応力除去のために温度 355℃で1時間完全焼き鈍しを
行った。その後、供試材に脱脂、化成浸漬、化学研磨処
理、硝酸浸漬という一連の前処理を行った後、温度15
℃、15%H2SO4 、溶存アルミニウム6.5g/lの水溶液中に
おいて陽極酸化処理を行った。陽極酸化処理条件として
反転電流法を用いた。このときの周波数は15Hz、反転比
率は95%、電流密度は 0.5〜8.5A/dm2とし、電解初期電
圧は7Vから開始し段階的に上昇させて21Vで終了し
た。その後、pH3〜5の硝酸水溶液に5分間浸漬し、洗
浄後、乾燥し、表面の微孔の数が 2,300個/μm2、陽極
酸化皮膜の膜厚が13μm 、バリアー層の厚さが 294Åで
ある本発明の電極材料を得た。
【0013】得られた電極材料を用いて電極を試作し、
これを図8に示すプラズマCVD装置に装着してプラズ
マクリーニング処理の加速試験を行った。使用したクリ
ーニングガスはフロン−14(CF4)と亜酸化窒素(N2O)の
混合ガスで、ガス供給口1から流量 700cc/分で機内に
送入し、ガス排気口2から真空ポンプ(図示せず)によ
り系外に排気した。途中、上部シャワー電極板3を通過
して、下部電極板4に吹きつけた。下部電極板4はハロ
ゲンランプ5により約 390℃に加熱させ、高周波電源6
により13.56MHzの高周波をかけてプラズマを発生させ
た。高周波電源の出力は下部電極板4の単位面積当たり
2W/cm2であり、この時の装置内の圧力は約1Torrであ
った。この状態で合計29時間のプラズマ照射を行ったと
ころ、得られた陽極酸化皮膜は極めて良好な耐熱性、耐
クリーニングガス性を示し、皮膜のクラックと剥離は従
来のものに比べて著しく減少した。このときの試料の表
面状態の操作型電子顕微鏡による観察結果を図6(a)
に示す。
【0014】この際、電極はハロゲンランプによる加熱
とプラズマの衝突による加熱とで、350〜 450℃とな
り、素地アルミニウムは熱膨張する。しかし、その上に
生成している陽極酸化皮膜の熱膨張係数は、アルミニウ
ムに比べて1/5 に過ぎないため引っ張り応力を受ける。
しかし、電極表面がブラスト処理により凹凸形状になっ
ていると、引っ張り応力が拡散するため、その分、陽極
酸化皮膜表面にはクラックが生じにくくなり皮膜剥離の
程度が軽減される。これは、逆の場合、すなわち冷却時
の圧縮においても同様の効果を示す。
【0015】比較例1 これに対し、実施例1で用いたのと同じ供試材につい
て、直流電流法により初期電圧14Vで開始し、電流密度
3.5A/dm2 の定電流密度で行ったほかは実施例1と同
様にして陽極酸化処理を行い、陽極酸化処理後のpH3〜
5の硝酸水溶液中への浸漬を行わなかったものを用いて
電極材料を作成した。この電極材料の表面の微孔の数は
800個/μm2で、陽極酸化皮膜中のバリアー層の厚さは
252Åであった。この電極材料より電極を試作し、実施
例1と同様にプラズマクリーニング処理の加速試験に供
した。試験後の表面状態は図6(b)に示す通りであ
り、このものは図6(a)に示したものに比べて皮膜剥
離が顕著であった。
【0016】比較例2 比較例1において供試材にブラスト処理を行わなかった
ほかは同じ方法で電極を作製し、同様の試験を行ったと
ころ、図6(c)に示す状態となった。この皮膜の剥離
状態は実施例および比較例1と比べて一層顕著であっ
た。また、上記実施例、比較例1および2の各電極にお
いて、通常のプラズマ密度でのプラズマCVD処理(プ
ラズマクリーニングを含む)で使用した場合の連続使用
可能時間(寿命)は、図7のグラフに示す通りであっ
た。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、多孔層に 1,500個/μ
m2以上もの多数のポア(微孔)が存在するが、バリアー
層が厚いため、これにより耐熱・耐薬品性を保持し、多
孔層は封孔処理することなく、そのまま保持することで
クラックの発生を防止できる電極材料が得られる。この
電極材料から得られた電極をプラズマCVD処理および
ドライエッチング処理装置に用いると、プラズマ雰囲気
下での耐クリーニングガス性が著しく向上する。また、
通常のプラズマCVD処理時、クラック発生部に生じる
アーキングやプラズマ集中という現象が防止できる。し
たがって、均一な密度のプラズマ発生により、プラズマ
CVD処理およびドライエッチング処理を効率的に行う
ことができる。さらに、製品寿命においてもクラックが
発生せず、その分アーキングやプラズマ集中が防止され
る結果、通常のプラズマ密度で使用した場合の連続使用
可能時間が著しく長大化し長寿命となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の陽極酸化処理に使用する反転電流法の
電圧・電流波形を示すグラフである。
【図2】本発明の陽極酸化処理における電解時の電流密
度と時間の関係を示すグラフである。
【図3】本発明の陽極酸化処理における電解時の電圧と
時間の関係を示すグラフである。
【図4】本発明の陽極酸化処理を施した電極表面のポア
(微孔)の状態を示す電子顕微鏡写真である。
【図5】陽極酸化処理が終了したアルミニウムを、pH3
〜5の硝酸水溶液に5分間浸漬した前後におけるHU硬
さを示すグラフであり、上側が浸漬前、下側が浸漬後の
値である。
【図6】(a)〜(c)はそれぞれ実施例、比較例1お
よび2における陽極酸化皮膜のプラズマ耐久試験後の状
態を示す電子顕微鏡写真である。
【図7】実施例、比較例1および2で得られた電極の寿
命を比較して示すグラフである。
【図8】実施例および比較例で使用したプラズマ処理装
置の概略を示す縦断面説明図である。
【図9】従来の陽極酸化処理による電極の表面状態を示
す電子顕微鏡写真である。
【図10】図9に示した陽極酸化処理による皮膜の剥離
部分においてエネルギー分散型X線分光法による元素の
定性分析の結果を示すグラフである。
【図11】図9に示した陽極酸化処理による皮膜の剥離
部分においてエネルギー分散型X線分光法による元素別
(右上図はフッ素の分布を、左下図は酸素の分布を、右
下図はアルミニウムの分布を示す)の分布状態を示す電
子顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1:ガス供給口、 2:ガス排気口、 3:
上部シャワー電極板、4:下部電極板、 5:ハロ
ゲンランプ、 6:高周波電源。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C23C 16/50 C23C 16/50

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面に 1,500個/μm2以上の微孔を備えた
    陽極酸化皮膜を有するアルミニウムまたはその合金から
    なる電極材料。
  2. 【請求項2】アルミニウムまたはその合金を、硫酸水溶
    液中で電流密度を0.5A/dm2から 10A/dm2まで、また電解
    電圧を6〜7Vから20〜25Vまで、それぞれ段階的に上
    昇しながら反転電流法により陽極酸化した後、pH3〜5
    の硝酸水溶液に浸漬することを特徴とする請求項1記載
    の電極材料の製造方法。
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