JPH0953191A - 金属の連続エッチング装置及び方法 - Google Patents

金属の連続エッチング装置及び方法

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JPH0953191A
JPH0953191A JP20971395A JP20971395A JPH0953191A JP H0953191 A JPH0953191 A JP H0953191A JP 20971395 A JP20971395 A JP 20971395A JP 20971395 A JP20971395 A JP 20971395A JP H0953191 A JPH0953191 A JP H0953191A
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etching
specific gravity
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etching solution
measuring
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JP20971395A
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Akimasa Yajima
明政 矢島
Yoshitsugu Ishizuka
義次 石塚
Masatoshi Tanaka
昌利 田中
Yoshikatsu Kubota
吉勝 久保田
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Adeka Corp
Original Assignee
Asahi Denka Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、気泡を含むエッチング液の
真の比重を測定し、この測定結果に基づいてエッチング
液の適切な比重管理を行うことができる金属の連続エッ
チング装置及び方法を提供することにある。 【解決手段】 本発明の金属の連続エッチング装置は、
エッチング槽、エッチング槽中のエッチング液中の薬液
濃度測定手段及びエッチング液の比重測定手段、該測定
手段による該薬液濃度及び該比重の測定結果に基づいて
エッチング液中の薬剤濃度を逐次調整する手段及びエッ
チング液の比重を逐次調整する手段とを備えてなる金属
の連続エッチング装置において、エッチング液の比重測
定手段が、エッチング槽からの循環するエッチング液に
浸漬するように設置された比重測定用容器であって、エ
ッチング液を所定期間静置してエッチング液中の気泡を
除去するための比重測定用容器と、該比重測定用容器内
に設置された比重検出器とから構成されていることを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属のエッチング
装置及び方法に関し、更に詳しくは、銅、鉄、ニッケル
並びにこれらの合金類のような金属の連続エッチング装
置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術・課題】塩化第二鉄水溶液による銅のエッ
チングは、エッチングが進行するに従って次式の反応に
よりエッチング液中の銅イオンおよび第一鉄イオンが増
加してエッチング速度が低下する:
【化1】2Fe++++Cu0−−−2Fe+++Cu++
【0003】他の金属のエッチングにおいても同様の現
象が見られ、従来の塩化第二鉄水溶液によるエッチング
では有効エッチング距離を長くすることでライン速度を
確保したり、保有エッチング液量を増やすことでエッチ
ング液組成の変化を小さくすることで対処してきた。し
かしながら、これらの方法は共に装置を大型としなけれ
ばならず、設備費が高くなり、薬液を多量に必要とする
ばかりでなく、エッチング液の組成が逐次変化する欠点
があった。
【0004】これらの欠点を解決する手段として新液を
逐次供給して塩化第二鉄濃度を一定に保つ方法、塩素を
用いて塩化第一鉄を塩化第二鉄に戻す方法などがあり、
更に、塩素酸塩と塩化水素をエッチング液に供給して塩
化第一鉄を塩化第二鉄に戻してエッチング性能を回復さ
せる方法が特開昭64−87788号公報及び特開平2−14968
号公報に示されている。また、塩酸濃度を調べて低濃度
に管理し、比重を測定して蒸発で失われる水を補給する
ことでエッチング液組成を一定に保つ等の努力が行われ
てきた。
【0005】しかしながら、これらの方法では、今日に
おけるプリント配線板の微細化、リードフレームの多ピ
ン化、精密機械部品の細密化の急速な進歩により、その
対応が困難となっている。この主な要因は、正確な比重
測定を行う手段がなく、精度の高いエッチング液の比重
管理ができないためであった。即ち、従来の比重測定方
法はエッチング液中の気泡を除去することなく行う方法
であり、比重の測定値は精度の低いものであった。一般
に行われているスプレー法のエッチング液においては気
泡の量は特に多くなり、例えばエッチング開始時には気
泡量が少ないため比重の測定値は真の値に近くなり、水
の供給が適切に行われるが、時間経過に従い気泡の含有
量が増え、それに伴って比重の測定値は真の比重よりも
低めとなり、水が供給が必要な場合にも、供給がなれな
いため、エッチング液の比重の管理は実質上高めとな
る。エッチング液の比重は、エッチング速度、エッチン
グ表面の粗さなどエッチング性能に大きく拘わるため、
エッチング液の真の比重と測定値との誤差はエッチング
精度が低くなる原因となっていた。
【0006】従って、本発明の目的は、気泡を含むエッ
チング液の真の比重を測定し、この測定結果に基づいて
エッチング液の適切な比重管理を行うことができる金属
の連続エッチング装置及び方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の金属の連
続エッチング装置は、エッチング槽、エッチング槽中の
エッチング液中の薬液濃度測定手段及びエッチング液の
比重測定手段、該測定手段による該薬液濃度及び該比重
の測定結果に基づいてエッチング液中の薬剤濃度を逐次
調整する手段及びエッチング液の比重を逐次調整する手
段とを備えてなる金属の連続エッチング装置において、
エッチング液の比重測定手段が、エッチング槽からの循
環するエッチング液に浸漬するように設置された比重測
定用容器であって、エッチング液を所定期間静置してエ
ッチング液中の気泡を除去するための比重測定用容器
と、該比重測定用容器内に設置された比重検出器とから
構成されていることを特徴とする。
【0008】更に、本発明の金属の連続エッチング方法
は、金属の連続エッチング装置を使用する金属の連続エ
ッチング方法において、エッチング液の比重測定が、エ
ッチング槽からのエッチング液を比重測定用容器に導入
して比重検出器をエッチング液に浸漬し、所定期間エッ
チング液を静置してエッチング液中の気泡を除去した後
に、エッチング液の比重を測定し、次に、比重測定用容
器内のエッチング液をエッチング槽からの新たなエッチ
ング液と置換し、所定期間エッチング液を静置してエッ
チング液中の気泡を除去した後に、エッチング液の比重
を測定することからなる操作を反復することにより行な
われることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の金属の連続エッチング装
置は、エッチング液の比重測定手段が、比重測定用容器
と、その中に設置された比重検出器とから構成されてお
り、比重測定用容器にエッチング液を採取して比重検出
器をエッチング液中に浸漬し、所定時間静置することに
よりエッチング液中の気泡を除去した後に比重の測定を
行い、この結果に基づいて水を供給することからなる比
重の制御手段を用いるものである。即ち、本発明の特徴
は、比重測定用容器中に所定期間エッチング液を静置す
ることによりエッチング液中の気泡を除去することにあ
る。このようにしてエッチング液中の気泡を完全に除い
た後に比重を測定することにより、エッチング液比重の
測定精度は極めて高いものとなる。
【0010】また、比重測定用容器自体は、エッチング
槽からの循環するエッチング液中に浸漬する構成となっ
ており、比重測定用容器中のエッチング液の温度と、エ
ッチング槽中のエッチング液の温度の差異がなくなり、
常にエッチング温度における比重測定が可能となる。こ
のような構成とすることにより、エッチング液の比重値
は精度が極めて高いものとなり、この比重の測定結果に
基づいて水を自動供給すれば、エッチング槽中のエッチ
ング液の比重管理の精度は従来法に比べて飛躍的に高い
ものとなる。
【0011】比重測定用容器の循環するエッチング液へ
の浸漬は、エッチング槽に付属した貯槽に比重測定用容
器を直接浸漬し、該比重測定用容器にエッチング液を取
り込み、所定時間静置した後に比重を測定する方式、二
重構造とした容器の外筒と内筒の間にエッチング槽から
の循環するエッチング液を取り込み、バルブの開閉によ
り内筒内にエッチング液を取り込み、所定時間放置した
後に比重を測定する方式などがあるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0012】比重測定用容器内には比重検出器が設置さ
れる。比重検出器は、浮き子式のもので浮力を電気信号
に変換してデジタル表示するものが通常多く使用されて
おり、本発明においてもこのタイプの比重検出器を使用
することができるが、比重が一定の浮き子を使用し、こ
の浮き子の上下により発生するオンオフ信号を利用する
こともでき、特に限定されるものではない。
【0013】本発明は、塩化第二鉄を使用する金属の連
続エッチング方法において、エッチング精度を高くする
ために極めて有効である。即ち、塩化第二鉄水溶液でエ
ッチングを行う対象金属は、銅、鉄、ニッケル並びにこ
れらの合金類等であるが、これらはエッチング液の比重
が変わるとエッチング速度が変わり、エッチング表面の
粗さ、エッチング形状が変化する。エッチング表面の粗
さを小さくし、エッチング形状を良くするためには比重
の高い塩化第二鉄水溶液を使用する必要があるが、比重
が上昇すると粘度も高くなり、エッチング液中の気泡が
抜けにくくなり、従来法ではエッチング液の真の比重を
計ることができなかった。このため、充分な比重制御を
行うことができず、エッチング速度を初めとするエッチ
ング性能が変化していた。特に、高比重の塩化第二鉄水
溶液を用いた場合のエッチング速度は僅かな比重変化で
大きく変わり、エッチング精度の低下を来していた。
【0014】上述のような構成を有する比重測定用容器
及び比重検出器を備えてなる本発明装置では、極めて精
度の高いエッチング液の比重測定を行うことができるた
め、上記の問題点は一挙に解決され、塩化第二鉄水溶液
を使用する微細エッチングでも仕上がり精度、表面粗さ
など充分満足のいく製品を得ることができる。
【0015】上述の塩化第二鉄水溶液を使用するエッチ
ング方法において、エッチング性能を左右する要因のう
ち、エッチング液に拘わるものは塩化第一鉄濃度、被エ
ッチング金属イオン濃度、塩化水素濃度、比重(塩化第
二鉄濃度)、添加剤の種類と濃度などが挙げられる。精
度の高いエッチングを行うためには、これらの数値を被
エッチング材に応じて最適値とし、常時この最適値で一
定に保つことが必要である。
【0016】本発明の基本となるエッチング方法は、エ
ッチング液中の金属のエッチングにより生成した塩化第
一鉄の量を酸化還元電位を測定することにより検知し、
この結果に基づき塩素酸塩水溶液、塩化水素水溶液、塩
化第二鉄水溶液を供給し、場合によってはエッチング液
中の塩化水素濃度を検知して塩化水素を含む水溶液を供
給し、更に、エッチング液の比重を測定し、この結果に
基づき水を供給することからなる連続エッチング方法で
ある。
【0017】該エッチング方法において、エッチング液
中の酸化還元電位の測定は通常のORP電極を使用して
行えば良く、塩化水素濃度の検知はガラス電極の発生電
位を測定することにより行うことができる。酸化還元電
位の測定結果により供給される塩素酸塩(例えば塩素酸
ナトリウム、塩素酸カリウム等)と塩化水素の供給比率
は塩素酸塩1モル当たり塩化水素6〜9モルとするのが
良いが、更に好ましくは6〜7モルとするのが良い。
【0018】塩化水素濃度の測定結果により行われる塩
化水素含有水溶液の供給は、エッチング液中の塩化第一
鉄が空気酸化により塩化第二鉄になる際に消費される塩
化水素の補給のために行うものであり、制御設定値を選
択することでエッチング液中の塩化水素濃度を3%以下
とすることが好ましい。
【0019】通常、レジストとしてドライフィルムを使
用してプリント配線板の銅箔をエッチングする場合は、
塩化水素濃度を1%前後とし、ニッケル、ニッケル合
金、クロム合金をエッチングする場合には0.2%以下
にすると好結果が得られる。
【0020】塩化第二鉄の供給は、エッチングにより増
加するエッチング液中の銅、ニッケルなどの金属濃度を
調整するために行うものであり、対象金属、要求される
エッチング性能により適宜供給量を変えれば良く、例え
ば鉄または鉄の含有量が高い鉄合金の場合には少なく
し、エッチング液中のクロムイオン含量が上がるとエッ
チング性能が低下するステンレス材が対象の場合は多く
供給すると良い。実用上は塩素酸塩1モルに対し、2.
5〜30モルとするのが好ましい。
【0021】本発明で使用する塩素酸塩は、水溶液とし
て供給されるが、その濃度は例えば塩素酸ナトリウムの
場合は30〜40%とするのが良い。また、塩化水素は
30〜35%溶液として供給し、塩化第二鉄は40〜5
0度ボーメの水溶液として供給することが好ましい。
【0022】なお、予め、塩化水素と塩化第二鉄の水溶
液を前記割合で混合して供給することが設備の保安上、
取り扱いの安全性からみて好ましい。
【0023】塩化水素濃度の測定結果による塩化水素の
供給は、金属溶解量を一定に保つために、前記した割合
で塩化第一鉄と同時に供給するのが良く、塩化第二鉄と
の混合液として供給するのがより好ましい。
【0024】また、エッチング性能を向上させる目的
で、各種添加剤例えばエッチング断面形状改質剤兼スラ
ッジ発生防止剤(例えばアミン塩、アンモニウム塩等)、
消泡剤(例えばエタノール、ブタノール、分子量100
0以下のポリアルキレングリコール等)を添加すること
もできる。
【0025】エッチング液比重の制御設定値は1.1〜
1.6、好ましくは1.3〜1.5とするのが良い。ま
た、エッチング温度は、通常行われているように30〜
70℃とするのが良く、硬質塩化ビニル製のエッチング
槽を使用する場合には30〜55℃程度が好ましい。
【0026】本発明は、浸漬法、スプレー法のいずれで
も実施できるが、スプレー法の場合は圧力を0.5〜5
kg/cm2とすると良い。
【0027】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明の金
属のエッチング方法を更に説明する。なお、以下の実施
例及び比較例において、原料混合比は重量比であり、百
分率は重量百分率である。
【0028】まず、図を用いて本発明の連続エッチング
装置を説明する。図1は、本発明を実施するためのエッ
チング装置の1実施態様を示すものである。図中、エッ
チング槽(1)のエッチング液は、液送り配管(12)を通っ
てエッチング液ポンプ(6)により酸化還元電位、塩化水
素濃度、比重及び温度を検出するための検出部(2)へ送
液される。また、検出部(2)からオーバーフローしたエ
ッチング液を、エッチング液送り配管(13)によりエッチ
ング槽(1)へ返却することによりエッチング液を循環さ
せる構成となっている。なお、このエッチング液の循環
は常時行われている。
【0029】検出部(2)において、エッチング液の温度
を測定し、測定結果が設定範囲から外れると、エッチン
グ液の温度調節手段(図示せず)が作動して所定の温度範
囲へ調節できるような構成となっている。
【0030】また、検出部(2)において、エッチング液
の酸化還元電位を測定し、測定結果が設定値未満となる
と、制御部(20)からの酸化還元電位に拘わる制御信号
(A)により、塩化第二鉄水溶液送りポンプ(7)を稼働さ
せ、塩化第二鉄水溶液貯槽(3)から塩化第二鉄水溶液を
塩化第二鉄水溶液供給配管(17)を介してエッチング槽
(1)へ供給する。また、酸化還元電位に拘わる制御信号
(A)により、塩化水素水溶液送りポンプ(8)を稼働さ
せ、塩化水素水溶液を塩化水素水溶液貯槽(4)から塩化
水素水溶液供給配管(18)を介してエッチング槽(1)に供
給する。更に、酸化還元電位に拘わる制御信号(A)によ
り、塩素酸塩水溶液供給配管(19)を介してエッチング槽
(1)に供給する。そして、酸化還元電位の測定値が設定
値以上となったら酸化還元電位に拘わる制御信号(A)に
より、各ポンプを停止させて各水溶液の供給を中止す
る。
【0031】更に、検出部(2)において、塩化水素濃度
を測定し、測定結果が設定値未満となると、制御部(20)
からの塩化水素濃度に拘わる制御信号(B)により、塩化
第二鉄水溶液送りポンプ(7)を稼働させ、塩化第二鉄水
溶液貯槽(3)から塩化第二鉄水溶液を塩化第二鉄水溶液
供給配管(17)を介してエッチング槽(1)へ供給する。ま
た、塩化水素濃度に拘わる制御信号(A)により、塩化水
素水溶液送りポンプ(8)を稼働させ、塩化水素水溶液を
塩化水素水溶液貯槽(4)から塩化水素水溶液供給配管(1
8)を介してエッチング槽(1)に供給する。そして、塩化
水素濃度の測定値が設定値以上となったら塩化水素濃度
に拘わる制御信号(B)により、各ポンプを停止させて各
水溶液の供給を中止する。
【0032】また、検出部(2)において、比重を測定
し、測定結果が設定値を超えると、制御部(20)からの比
重に拘わる制御信号(C)により、水供給配管電磁弁(11)
が開き、水供給配管(16)を介して水が供給される。そし
て、比重の測定値が設定値以下となったら比重に拘わる
制御信号(C)により、水供給電磁弁(11)を閉じて水の供
給を中止する。
【0033】なお、各水溶液、水の供給により増加した
エッチング槽(1)のエッチング液はオーバーフローによ
りエッチング槽(1)から排出される構成となっている。
【0034】次に、実施例において使用した検出部(2)
の動作の一例を図2を用いて以下に説明する。検出部
(2)は、エッチング液送り配管(21)を介してエッチング
槽からのエッチング液を導入し、オーバーフローしたエ
ッチング液をエッチング液戻り配管(22)を介してエッチ
ング槽へ返却する構成となっている。検出部(2)は、温
度計(23)、酸化還元電位検出電極(24)、塩化水素濃度検
出電極(25)により、エッチング液の温度、酸化還元電極
及び塩化水素濃度を常時検出することができる構成とな
っている。また、エッチング液取り込み用電磁弁(28)の
開閉により、検出部(2)内に設けられた比重測定用容器
(7)にエッチング液を取り込む。この比重測定用容器(2
7)の中に比重計(26)が設置されている。なお、比重測定
用容器(7)内のエッチング液は温度、酸化還元電位並び
に塩化水素濃度を検出するためにエッチング液送り配管
(21)を介して常時導入されるエッチング液とは隔離され
た構成となっており、エッチング液取り込み用電磁弁(2
8)の開閉により、適宜エッチング液を比重測定用容器(2
7)内に導入できる構成となっている。このような構成と
することにより、エッチング液中に存在する気泡が除去
されるまでエッチング液を所定時間放置した後に比重測
定を行うことができる。なお、エッチング液の導入時
間、放置時間、測定時間を予めそれぞれ設定し、比重測
定を自動的に反復することができる構成とすることがで
きる。
【0035】なお、図3は、比較例において使用したエ
ッチング槽に設置された検出部(2)の一例である。検出
部(2)は、エッチング液送り配管(31)を介してエッチン
グ槽からのエッチング液を導入し、オーバーフローした
エッチング液をエッチング液戻り配管(32)を介してエッ
チング槽へ返却する構成となっている。そして、エッチ
ング液が常時導入される中で、エッチング液の温度、酸
化還元電位、塩化水素濃度並びに比重をそれぞれ温度計
(33)、酸化還元電位検出電極(34)、塩化水素濃度検出電
極(35)及び比重計(36)により検出する構成となってい
る。
【0036】実施例1 エッチング槽(1)としてスプレー式エッチング槽(エッチ
ング有効距離2m×2、液保有量800リットル)を備
え、且つ検出部(2)として図2に示す構成を有するエッ
チング装置を用いてプリント配線板銅箔のエッチングを
行った。なお、制御設定値は以下の通りとした: 酸化還元電位:520mV 塩化水素濃度:470mV(ガラス電極からの発生電位
を電圧計で測定して制御する) 比重 :1.420 薬液として45度ボーメ塩化第二鉄水溶液100部と塩
化アンモニウム1部の混合液(これをA液とする)、35
%塩酸(これをB液とする)、38%塩素酸ナトリウム1
00部とジエチレントリアミン0.1部の混合液(これを
C液とする)を使用した。酸化還元電位の測定結果に従
い、A液、B液、C液を塩化第二鉄:塩化水素:塩素酸
ナトリウムの比が5.1:6.0:1.0になるように供
給し、塩化水素濃度の測定結果に従い、A液、B液を上
記と同じ比率で供給し、比重の測定結果に従い水を供給
した。エッチング温度は45℃、スプレー圧力1.8k
g/cm2、コンベア速度3.7m/分とし、銅箔厚さ4
5μmのプリント配線板(両面板)を8時間で100m2
処理した。この間、それぞれの制御設定値に従い各薬
剤、水が供給され、塩化第一鉄濃度は0.50〜0.52
モル/リットル、塩化水素濃度は0.19〜0.22%、
比重は1.419〜1.421に制御され、エッチングに
かかわる不良は発生しなかった。線幅80μm、線間1
00μm回路のエッチファクターは4.0となり、回路
幅のバラツキは±2μmとなった。なお、検出部(2)に
おいて、比重測定用容器(27)へのエッチング液の導入
は、サンプル取り込みを30秒間行い、5分間静置した
後、30秒間比重測定を行う操作を反復した。この結
果、比重測定精度が上がり、エッチング開始から終了時
まで上記のような精度の高い比重制御を行うことができ
た。
【0037】実施例2 実施例1と同様のエッチング装置を使用してエッチング
を実施した。なお、本例においては、後述のように塩化
第二鉄と塩化水素を混合液として使用するため、塩化第
二鉄水溶液貯槽(3)と塩化水素水溶液貯槽(4)うち、一方
の貯槽を使用した。御設定値は下記の通りとした: 酸化還元電位:600mV 塩化水素濃度:470mV 比重 :1.510 また、比重測定サイクルは下記の通りとした: サンプル取り込み:30秒間 静置時間 :7分間 測定時間 :30秒間 薬剤としては48度ボーメの塩化第二鉄水溶液と35%
塩酸水溶液を塩化第二鉄:塩化水素のモル比が16:6
になるように混合した(C)液、38%塩素酸ナトリウム
水溶液100部とトリエチレンテトラミン0.1部の混
合液(D液)を使用した。酸化還元電位の測定結果に従
い、C液、D液を塩化第二鉄、塩化水素:塩素酸ナトリ
ウムの比が16:6:1となるように供給し、塩化水素
濃度の測定結果に従いC液を供給した。エッチング温度
50℃、スプレー圧力2.0kg/cm2、コンベア速度
0.25m/分とし、リードフレーム(42アロイ、厚さ
0.15mm、インナーリード部ピッチ0.22mm)の
エッチングを行った。5時間の運転期間中のエッチング
液の分析結果は塩化第一鉄濃度0.22〜0.24モル/
リットル、塩化水素濃度0.10〜0.11%、比重1.
509〜1.511となった。製品の仕上がり寸法、エ
ッチングの直線性、エッチング面の平滑性はすべて良好
でエッチングにかかわる不良は発生しなかった。なお、
エッチング液組成の制御が完全に行われたため、コンベ
ア速度を変更する必要はなかった。
【0038】比較例1 検出部(2)が図3に示す構成である以外実施例1と同様
のエッチング装置を使用して実施例1と同一条件で同規
格のプリント配線板のエッチングを実施した。塩化第一
鉄、塩酸濃度は実施例1と同様に制御した。なお、比重
の測定値は1.418〜1.421の範囲であったが、4
5℃の制御された恒温槽内にエッチング液を分取して静
置した後に測定した比重は、エッチング開始時は1.4
19であったが、次第に上昇して2時間後には1.44
3となり、その後の変動幅も1.442〜1.453であ
った。これは、スプレーにより次第にエッチング液中に
気泡が蓄積し、見掛け比重が小さくなるためであり、金
属溶解または水の蒸発により比重が上がっても適切な水
の供給がなされないためである。また、エッチング液が
流動している状態で比重測定を行っているため、測定値
にバラツキが生ずることもある。この結果、エッチング
開始2時間後には、エッチング遅れによる回路の短絡が
観察され、コンベア速度を3.7m/分から3.2m/分
に変更する必要があった。また、エッチング開始後2時
間から8時間における回路幅のバラツキは±15μmと
なり、エッチング開始から終了時までに不良品が12%
発生した。
【0039】比較例2 比較例1と同様のエッチング装置を用い、実施例2と同
一条件で同規格のリードフレームのエッチングを行っ
た。塩化第一鉄濃度は0.22〜0.24モル/リット
ル、塩化水素濃度は0.09〜0.11%に制御された
が、50℃に制御された恒温槽内にエッチング液を分取
して静置した後に測定した比重は1時間後に1.510
から1.543に上がり、その後の変動幅も1.543〜
1.552となった。コンベア速度を調整しながらエッ
チングを実施したが、インナーリード部で抜け残りが起
こり、また、仕上がり寸法が規格外になるなどで不良品
が18%発生した。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、エッチング液中に浸漬
した比重測定用容器にエッチング液を採取し、所定時間
静置することによりエッチング液から気泡を除去した後
に比重を測定し、この測定結果に基づき水を供給するこ
とにより、精度の高い金属の連続エッチング方法を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属のエッチング方法を実施可能なエ
ッチング装置の1実施態様を示す図である。
【図2】実施例1及び2において使用した検出部(2)の
構成を示す図である。
【図3】比較例1及び2において使用した検出部(2)の
構成を示す図である。
【符号の説明】
1 エッチング槽 2 検出部 3 塩化第二鉄水溶液貯槽 4 塩化水素水溶液貯槽 5 塩素酸塩水溶液貯槽 6 エッチング液送りポンプ 7 塩化第二鉄水溶液送りポンプ 8 塩化水素水溶液送りポンプ 9 塩素酸塩水溶液送りポンプ 10 エッチング液循環ポンプ 11 水供給配管電磁弁 12 エッチング液送り配管 13 エッチング液戻り配管 14 スプレー用送り配管 15 エッチング液循環用配管 16 水供給配管 17 塩化第二鉄水溶液供給配管 18 塩化水素水溶液供給配管 19 塩素酸塩水溶液供給配管 20 制御部 21 エッチング液送り配管 22 エッチング液戻り配管 23 温度計 24 酸化還元電位検出電極 25 塩化水素濃度検出電極 26 比重計 27 比重測定用容器 28 エッチング液取り込み用電磁弁 A 酸化還元電位に拘わる制御信号 B 塩化水素濃度に拘わる制御信号 C 比重に拘わる制御信号
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年9月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】しかしながら、これらの方法では、今日に
おけるプリント配線板の微細化、リードフレームの多ピ
ン化、精密機械部品の細密化の急速な進歩により、その
対応が困難となっている。この主な要因は、正確な比重
測定を行う手段がなく、精度の高いエッチング液の比重
管理ができないためであった。即ち、従来の比重測定方
法はエッチング液中の気泡を除去することなく行う方法
であり、比重の測定値は精度の低いものであった。一般
に行われているスプレー法のエッチング液においては気
泡の量は特に多くなり、例えばエッチング開始時には気
泡量が少ないため比重の測定値は真の値に近くなり、水
の供給が適切に行われるが、時間経過に従い気泡の含有
量が増え、それに伴って比重の測定値は真の比重よりも
低めとなり、水が供給が必要な場合にも、供給がな
ないため、エッチング液の比重の管理は実質上高めとな
る。エッチング液の比重は、エッチング速度、エッチン
グ表面の粗さなどエッチング性能に大きく拘わるため、
エッチング液の真の比重と測定値との誤差はエッチング
精度が低くなる原因となっていた。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】塩化水素濃度の測定結果による塩化水素の
供給は、金属溶解量を一定に保つために、前記した割合
で塩化第鉄と同時に供給するのが良く、塩化第二鉄と
の混合液として供給するのがより好ましい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】更に、検出部(2)において、塩化水素濃度
を測定し、測定結果が設定値未満となると、制御部(20)
からの塩化水素濃度に拘わる制御信号(B)により、塩化
第二鉄水溶液送りポンプ(7)を稼働させ、塩化第二鉄水
溶液貯槽(3)から塩化第二鉄水溶液を塩化第二鉄水溶液
供給配管(17)を介してエッチング槽(1)へ供給する。ま
た、塩化水素濃度に拘わる制御信号()により、塩化水
素水溶液送りポンプ(8)を稼働させ、塩化水素水溶液を
塩化水素水溶液貯槽(4)から塩化水素水溶液供給配管(1
8)を介してエッチング槽(1)に供給する。そして、塩化
水素濃度の測定値が設定値以上となったら塩化水素濃度
に拘わる制御信号(B)により、各ポンプを停止させて各
水溶液の供給を中止する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保田 吉勝 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エッチング槽、エッチング槽中のエッチ
    ング液中の薬液濃度測定手段及びエッチング液の比重測
    定手段、該測定手段による該薬液濃度及び該比重の測定
    結果に基づいてエッチング液中の薬剤濃度を逐次調整す
    る手段及びエッチング液の比重を逐次調整する手段とを
    備えてなる金属の連続エッチング装置において、エッチ
    ング液の比重測定手段が、エッチング槽からの循環する
    エッチング液に浸漬するように設置された比重測定用容
    器であって、エッチング液を所定期間静置してエッチン
    グ液中の気泡を除去するための比重測定用容器と、該比
    重測定用容器内に設置された比重検出器とから構成され
    ていることを特徴とする金属の連続エッチング装置。
  2. 【請求項2】 エッチング装置が、塩素酸ナトリウム及
    び/または塩素酸カリウム1モルに対し、塩化水素6〜
    9モル、塩化第二鉄2.5〜30モルの割合でそれぞれ
    の水溶液を供給するに際して、エッチング液中の酸化還
    元電位を検知し、この結果に基づき上記各水溶液を供給
    し、場合によってはエッチング液中の塩化水素量を検知
    し、この結果に基づき塩化水素水溶液を供給する方式の
    ものである請求項1記載の金属の連続エッチング装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の金属の連続エッ
    チング装置を使用する金属の連続エッチング方法におい
    て、エッチング液の比重測定が、エッチング槽からのエ
    ッチング液を比重測定用容器に導入して比重検出器をエ
    ッチング液に浸漬し、所定期間エッチング液を静置して
    エッチング液中の気泡を除去した後に、エッチング液の
    比重を測定し、次に、比重測定用容器内のエッチング液
    をエッチング槽からの新たなエッチング液と置換し、所
    定期間エッチング液を静置してエッチング液中の気泡を
    除去した後に、エッチング液の比重を測定することから
    なる操作を反復しすることにより行なわれることを特徴
    とする金属の連続エッチング方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105648442A (zh) * 2016-03-07 2016-06-08 东莞市威力固电路板设备有限公司 蚀刻液再生系统

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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