JP2002235194A - アルミニウム又はアルミニウム合金の陽極酸化処理における処理液の管理方法 - Google Patents

アルミニウム又はアルミニウム合金の陽極酸化処理における処理液の管理方法

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JP2002235194A JP2001028045A JP2001028045A JP2002235194A JP 2002235194 A JP2002235194 A JP 2002235194A JP 2001028045 A JP2001028045 A JP 2001028045A JP 2001028045 A JP2001028045 A JP 2001028045A JP 2002235194 A JP2002235194 A JP 2002235194A
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    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23FNON-MECHANICAL REMOVAL OF METALLIC MATERIAL FROM SURFACE; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL; MULTI-STEP PROCESSES FOR SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL INVOLVING AT LEAST ONE PROCESS PROVIDED FOR IN CLASS C23 AND AT LEAST ONE PROCESS COVERED BY SUBCLASS C21D OR C22F OR CLASS C25
    • C23F1/00Etching metallic material by chemical means
    • C23F1/10Etching compositions
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミニウム又はアルミニウム合金を陽極酸
化する酸性電解液の電導度、比重、音速及び粘度のいず
れか2つ以上を間欠的又は連続的に測定すると共に、こ
れら2つ以上の物性の測定値から上記電解液中の酸濃度
及びこの電解液中に溶解しているアルミニウム濃度を算
出し、酸濃度が所定管理範囲以下に低下した場合、上記
電解液に酸を添加することにより酸濃度を該管理範囲内
に調整し、溶解アルミニウム濃度が所定管理範囲以上に
増加した場合、上記電解液に水を添加することにより溶
解アルミニウム濃度を該管理範囲内に調整することを特
徴とするアルミニウム又はアルミニウム合金の陽極酸化
用電解液の管理方法。 【解決手段】 本発明によれば、アルミニウム又はアル
ミニウム合金の陽極酸化処理を行うための処理液の濃度
を所定管理濃度に容易かつ確実に維持することができ、
従って液管理作業を合理化し得ると共に、品質管理面で
の向上をもたらすことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム又は
アルミニウム合金を陽極酸化する場合における処理液の
管理方法、特に陽極酸化用酸性電解液の管理方法及び管
理装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】アルミ
ニウム又はアルミニウム合金の陽極酸化用電解液は、主
に硫酸浴が用いられているが、陽極酸化処理により硫酸
濃度が低下すると共に、浴中にアルミニウムが溶解して
アルミニウム濃度が増大していく。従来は、硫酸及び溶
解アルミニウム濃度を定期的に(通常1〜2回/日)化
学分析し、その分析値に応じて硫酸及び溶解アルミニウ
ム濃度を調整するものであった。
【0003】しかし、従来のこのような化学分析による
電解液管理は、硫酸濃度や溶解アルミニウム濃度を調整
する前後の濃度差が大きく、いわゆるノコギリ型の管理
となっていた。このため、陽極酸化皮膜の性状のばらつ
きが大きく、特にその後に電解着色処理を行う場合、酸
化皮膜の性状のばらつきに応じて色合いのばらつきが生
じるものであった。
【0004】この場合、着色皮膜の色合いを一定にする
ためには、着色液の管理も重要であるが、特に一定性状
の陽極酸化皮膜を与えるべく、陽極酸化用電解液の濃度
管理を可及的に厳密に行うことが望まれる。かかる要望
を達成するためには、化学分析を頻繁に行えばよいが、
これは手分析によるため、非常に面倒であった。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みなされたもので
あるが、アルミニウム又はアルミニウム合金の陽極酸化
用電解液等の処理液の濃度管理を簡単かつ確実に、しか
も自動的かつ連続的に行うことが可能なアルミニウム又
はアルミニウム合金の陽極酸化処理における処理液の管
理方法及び管理装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するため鋭意検討を行った結果、アルミニウム又は
アルミニウム合金の陽極酸化用電解液、典型的には、硫
酸浴中の硫酸濃度及び溶解アルミニウム濃度が、この電
解液(硫酸浴)の電導度、比重、音速(超音波伝搬速度
m/sec)、粘度のうち2つ以上の物性を測定するこ
とにより求めることができることを知見した。即ち、電
解液中の硫酸濃度が増加するにつれて、液の電導度、比
重、音速、粘度も上昇し、また、溶解アルミニウム濃度
が増加するにつれて、液の電導度は低下し、比重、音
速、粘度は上昇するが、これら2つ以上の物性の測定値
により、硫酸及び溶解アルミニウム濃度が決まり、従っ
てこれら2つ以上の物性の測定値に基づいて硫酸の添加
或いは水の添加を行うことで、電解液濃度を所用の管理
範囲にコントロールし得、これによって一定品質の陽極
酸化皮膜を得ることができることを見出した。
【0007】また、上記のような電導度、比重、音速及
び粘度のいずれか2つ以上の物性値を測定して濃度管理
を行うという手法は、アルミニウム又はアルミニウム合
金の電解着色液や前処理液、例えばエッチング液、中和
液の濃度管理にも適用し得ることを知見し、本発明をな
すに至った。
【0008】従って、本発明は、下記のアルミニウム又
はアルミニウム合金の陽極酸化処理における処理液の管
理方法及び管理装置を提供する。 請求項1:アルミニウム又はアルミニウム合金を陽極酸
化する酸性電解液の電導度、比重、音速及び粘度のいず
れか2つ以上を間欠的又は連続的に測定すると共に、こ
れら2つ以上の物性の測定値から上記電解液中の酸濃度
及びこの電解液中に溶解しているアルミニウム濃度を算
出し、酸濃度が所定管理範囲以下に低下した場合、上記
電解液に酸を添加することにより酸濃度を該管理範囲内
に調整し、溶解アルミニウム濃度が所定管理範囲以上に
増加した場合、上記電解液に水を添加することにより溶
解アルミニウム濃度を該管理範囲内に調整することを特
徴とするアルミニウム又はアルミニウム合金の陽極酸化
用電解液の管理方法。 請求項2:金属塩及び緩衝剤を含むアルミニウム又はア
ルミニウム合金の陽極酸化皮膜の電解着色液の電導度、
比重、音速及び粘度のいずれか2つ以上を間欠的又は連
続的に測定すると共に、これら2つ以上の物性の測定値
から上記着色液中の金属塩濃度及び緩衝剤濃度を算出
し、金属塩濃度が所定管理範囲以下に低下した場合、上
記電解液に金属塩を添加することにより、金属塩濃度を
該管理範囲内に調整し、緩衝剤濃度が所定管理範囲以下
に低下した場合、上記電解液に緩衝剤を添加することに
より、緩衝剤濃度を該管理範囲内に調整することを特徴
とするアルミニウム又はアルミニウム合金の陽極酸化皮
膜の電解着色液の管理方法。 請求項3:アルミニウム又はアルミニウム合金を水酸化
ナトリウム水溶液からなるエッチング液でエッチングす
る工程、次いでアルミニウム又はアルミニウム合金を酸
で中和する工程、その後アルミニウム又はアルミニウム
合金を陽極酸化する工程を含むアルミニウム又はアルミ
ニウム合金の表面処理において、上記エッチング液及び
酸中和液の電導度、比重、音速及び粘度のいずれか2つ
以上をそれぞれ間欠的又は連続的に測定すると共に、こ
れら2つ以上の物性の測定値から上記エッチング液の水
酸化ナトリウム濃度及びこのエッチング液に溶解してい
るアルミニウム濃度並びに上記酸中和液の酸濃度及びこ
の酸中和液に溶解しているアルミニウムの濃度をそれぞ
れ算出し、上記水酸化ナトリウム濃度又は酸濃度がそれ
ぞれ所定管理以下に低下した場合、上記エッチング液に
水酸化ナトリウムを添加し又は上記酸中和液に酸を添加
することにより、それぞれ水酸化ナトリウム又は酸濃度
を該管理範囲内に調整し、溶解アルミニウム濃度が所定
管理範囲以上に増加した場合、上記エッチング液又は酸
中和液に水を添加することにより、溶解アルミニウム濃
度を該管理範囲内に調整することを特徴とするアルミニ
ウム又はアルミニウム合金の陽極酸化処理の前処理液の
管理方法。 請求項4:アルミニウム又はアルミニウム合金の陽極酸
化処理用の処理液が収容される処理槽と、上記処理液が
導入され、この処理液の電導度、比重、音速及び粘度の
いずれか2つ以上の物性を測定する測定槽と、上記処理
液の濃度と上記2つ以上の物性値との関係を与えるデー
タが予め入力され、上記測定槽で測定された2つ以上の
測定値が伝達されてこの測定値から上記処理液の濃度を
計算すると共に、この処理液の管理濃度値と対比し、上
記処理液の測定濃度値がこの管理濃度値外である場合、
所定成分の補給指令を発するコンピューターと、このコ
ンピューターからの補給指令により上記処理液に所定の
成分を補給する補給機構とを具備することを特徴とする
アルミニウム又はアルミニウム合金の陽極酸化処理用処
理液の管理装置。 請求項5:アルミニウム又はアルミニウム合金を陽極酸
化する酸性電解液が収容される電解槽と、上記電解液が
導入され、この電解液の電導度、比重、音速及び粘度の
いずれか2つ以上の物性を測定する測定槽と、上記電解
液中の硫酸濃度及びこの電解液中に溶解しているアルミ
ニウム濃度と上記2つ以上の物性との関係を与えるデー
タが予め入力され、上記測定槽で測定された2つ以上の
測定値が伝達されてこの測定値から上記電解液中の硫酸
濃度及び溶解アルミニウム濃度を計算すると共に、この
処理液の管理硫酸濃度値及び管理溶解アルミニウム濃度
値と対比し、上記電解液の硫酸測定濃度値が上記管理硫
酸濃度値以下である場合、硫酸補給指令を発し、上記電
解液の溶解アルミニウム濃度値が上記管理溶解アルミニ
ウム濃度値以上である場合、水補給指令を発するコンピ
ューターと、このコンピューターからの硫酸補給指令に
より上記電解液に硫酸を補給する硫酸補給機構及び上記
コンピューターからの水補給指令により上記電解液に水
を補給する水補給機構とを具備することを特徴とするア
ルミニウム又はアルミニウム合金の陽極酸化用酸性電解
液の管理装置。 請求項6:上記水の補給による電解液量の増加分を排出
する排出機構を有する請求項5記載の管理装置。
【0009】なお、上記請求項4の処理液としては、主
として請求項2,3記載の電解着色液及びエッチング
液、中和液が挙げられ、これら電解着色液、エッチング
液、中和液における成分及びその成分管理方法は請求項
2,3記載の通りである。
【0010】
【発明の実施の形態及び実施例】本発明に係るアルミニ
ウム又はアルミニウム合金の陽極酸化処理液の管理方法
は、その陽極酸化用酸性電解液の電導度、比重、音速及
び粘度のいずれか2つ以上の物性値を測定し、これに基
づいて電解液の酸濃度及び溶解アルミニウム濃度を調整
するものである。
【0011】この場合、酸性電解液としては、公知の硫
酸浴、シュウ酸浴、リン酸浴等が挙げられるが、硫酸浴
が一般的である。硫酸浴としては、公知の組成、濃度の
ものでよく、通常、硫酸100〜250g/L、特に1
50〜170g/Lのものが用いられ、またこれに溶解
しているアルミニウム濃度は、通常5〜25g/Lに調
整、管理される。
【0012】上記電解液(以下、代表例として硫酸浴を
指称するものとする)は、電解の進行により硫酸濃度が
低下し、溶解アルミニウム濃度が増加する。従って硫酸
濃度を調整(増大)させるためには電解液に硫酸を添加
し、一方、溶解アルミニウム濃度を調整(低下)させる
ためには電解液に水を添加し、電解液を希釈するもので
あるが、本発明においては、上記電解液の電導度、比
重、音速及び粘度のうちの2以上の物性値、例えば電導
度と比重又は電導度と音速を測定し、その測定値より硫
酸濃度及び溶解アルミニウム濃度を算出し、硫酸が所定
の管理範囲以下の場合、硫酸を添加し、溶解アルミニウ
ム濃度が所定の管理範囲以上の場合、水を添加し、これ
によって電解液を所定の最適管理域にコントロールする
ものである。
【0013】ここで、電解液が硫酸浴等の酸からなり、
これにアルミニウムが溶解した水を含む成分系のもので
あれば、上記物性測定については2つの物性を測定すれ
ば十分である。即ち、図1は、種々の硫酸濃度及び溶解
アルミニウム濃度における電導度と比重との関係を示
し、図2は、同音速と電導度との関係を示すものである
が、これらの図からわかるように、電導度と比重、或い
は電導度と音速といった2物性を測定すれば、硫酸濃度
及び溶解アルミニウム濃度が求められるものである。
【0014】この場合、このように各種硫酸濃度、アル
ミニウム溶解濃度の電解液について所定濃度において2
物性を測定し、図1,2のような相関式(検量線)を作
成し、これを基礎データとすることにより、最小自乗法
により2物性の測定値から硫酸濃度、溶解アルミニウム
濃度を算出することができるが、上記基礎データをコン
ピューターに入力し、2物性の測定値をコンピューター
に送って硫酸濃度、溶解アルミニウム濃度を計算するこ
とがよく、この際、上記基礎データ作成の電解液濃度と
管理対象の電解液の温度が相違する場合は、温度補償を
行うことが好ましい。なお、上記基礎データ作成に当り
種々の電解液の酸濃度、溶解アルミニウムの濃度は、本
発明の管理方法が適用される現場の化学分析法によるこ
とが好ましく、これにより従前の現場作業管理との一貫
性がとれ、実用的である。
【0015】また、上記物性測定は、公知のセンサー、
機器を用いればよいが、電導度の測定には、電極(セ
ル)のほか、インラインでの保守(電極の汚れ)の点か
ら電磁方式が好ましい。また、比重の測定には、安定し
た結果が得られる点より振動法が好ましい。音波の測定
には超音波方式が良好であり、スズキ株式会社製超音波
液体濃度計SDM−10、SDM−20等の市販の計測
器を用いることができる。更に、粘度の測定には、超音
波粘度計、振動式粘度計などが用いられ、例えば富士工
業株式会社製FUV−1、極東貿易株式会社性ソラトロ
ン7827型粘度計(振動式)などを用いることができ
る。
【0016】図3は、本発明に従った電解液管理システ
ムの一例を示すもので、図中1は、硫酸100〜250
g/Lの硫酸浴からなり、溶解アルミニウム濃度が5〜
25g/Lに管理された電解液が収容される電解槽であ
る。なお、電解(陽極酸化)は室温にて行うことができ
るが、一定の温度にコントロールすることが好ましい。
【0017】2は循環ポンプ3が介装された循環用導管
であり、必要により濾過機等が介装されるが、上記導管
2を流れる電解液の一部が取り出されて測定槽4に導入
される。この測定槽4には、例えば電導度計5及び比重
計6が設置されており、この測定槽4に導入された電解
液の電導度、比重がそれぞれ測定される。なお、比重計
は0.001まで測定し得るもの、電導度計は0〜10
00ms/cmを測定できるものが有効であるが、その
精度、測定範囲等は適宜選定される。また、測定液に応
じた温度補正ができるものが好ましい。上記測定槽4に
て電導度、比重が測定された電解液は、上記電解槽1に
戻される。
【0018】上記電導度計5及び比重計6で電解液の物
性を測定した結果は、コンピューター7に送られる。こ
のコンピューター7には、予め上述した基礎データが入
力されており、上記測定結果より電解液中の硫酸濃度及
び溶解アルミニウム濃度が計算され、予め設定、入力さ
れた電解液の硫酸濃度管理値、溶解アルミニウム濃度管
理値と対比される。そして、上記物性測定値から計算さ
れた硫酸濃度が上記管理値以下の場合、コンピューター
7からの指令により、硫酸濃度指示調節計8による指示
で定量ポンプ9を作動させ、硫酸補給槽10内の硫酸の
所定量を電解槽1に供給する。また、溶解アルミニウム
濃度が上記管理値以上の場合、コンピューター7からの
指令により、アルミニウム濃度指示調節計11による指
示で定量ポンプ12を作動させ、水槽13内の水の所定
量を電解槽1に供給する。なお、図中14,15はそれ
ぞれ必要により設置される記録計、PRである。
【0019】ここで、上記電解槽1は、オーバーフロー
方式になっており、例えば上記水の補給により電解液水
面が上昇し、設定水面を越えるような場合はオーバーフ
ローするようになっており、水を補給しても電解液水面
は設定水面に保持される。なお、オーバーフローした水
は、廃酸槽16に導入され、廃水処理後、系外に排出さ
れる。この場合、オーバーフロー方式の代りに、水の補
給等で電解液量が増加したら定量ポンプ等により所定量
の電解液を廃酸槽に廃棄するようにしてもよい。
【0020】上記のように、電解液の物性(電導度及び
比重)を連続的に測定することにより、硫酸濃度及び溶
解アルミニウム濃度を連続的に管理し得、これによって
電解液中の硫酸濃度及び溶解アルミニウム濃度をほぼ一
定に管理し得るので、一定の性状の陽極酸化皮膜を形成
し得たものである。なお、図3の例は、物性測定として
電導度及び比重測定を用いたが、これに限られず、電導
度、比重、音速、粘度のうちの2物性を組み合わせるよ
うにしてもよい。
【0021】本発明に係るシステムによれば、電解液の
上記2つの物性を連続計測することにより、硫酸及び溶
解アルミニウム濃度をリアルタイムで算出表示でき、ま
たこれにより硫酸濃度維持のための補給、溶解アルミニ
ウムの増加による電解液の抜出し作業や、廃酸槽16に
連結して設置された酸回収装置17(図4参照)等の運
転を自動化することができる。更に、本システムにより
硫酸及び溶解アルミニウム濃度は常に一定に維持できる
ため、上述したように、陽極酸化皮膜の品質が一定に安
定化され、これにより特にその後着色電解処理を行う場
合、発色の程度が一定化されて、着色度合いが一定の着
色電解膜を形成できる。
【0022】また、本システムによれば、ラインの稼動
率、処理量が変動しても、常に一定の液組成が維持され
るので、被処理物の面積算出システムの安定化に寄与
し、定電圧電解運転にも寄与できるものであり、処理量
や電流(電圧)コントロール等が簡略化され、消費電力
も安定化される。更には、作業場には、通常複数個の電
解槽が設置されているが、これら各電解槽をサブタンク
やパイプライン等で連結し、上記物性測定を1箇所で行
えば、同時に各電解槽の電解液を管理でき、各電解液組
成を同一にすることができるので、作業場全体の管理も
容易になる。
【0023】更に、本システムによれば、電解槽より排
出されて廃酸槽に廃棄される廃液は、その硫酸濃度及び
溶解アルミニウム濃度がほぼ一定であるため、廃液処理
及び酸回収装置の管理が容易になり、排出処理の安定化
にもつながるものである。
【0024】本システムは、以上のように、硫酸浴に代
表されるアルミニウム又はアルミニウム合金の陽極酸化
用酸性電解液のコントロールに有効に採用されるが、更
には、ニッケル塩等の金属塩及びホウ酸等の緩衝剤から
なる電解着色液の管理にも好適に用いられる。
【0025】即ち、かかる電解着色液中には、アルミニ
ウムは実質的に蓄積せず、従って金属塩、緩衝剤、水の
3成分系であるが、このような電解着色液の電導度、比
重、音速及び粘度のうち2つ以上の物性を測定すること
により、上記と同様に金属塩及び緩衝剤濃度が算出し得
るので、これに基づいてこれら成分の補給を連続的かつ
自動的に行うことができ、液濃度を管理することができ
る。
【0026】また、陽極酸化処理の前処理、特にエッチ
ング液や中和液の管理にも本システムを適用することが
できる。即ち、エッチング液は、水酸化ナトリウム水溶
液からなるもので、これは水酸化ナトリウム、溶解アル
ミニウム、水の3成分系であり、また中和液は、硝酸、
硫酸等の酸の水溶液からなるもので、酸、溶解アルミニ
ウム、水の3成分系である。従って、これらの液の電導
度、比重、音速及び粘度の2つ以上の物性の測定によ
り、水酸化ナトリウムと溶解アルミニウム、酸と溶解ア
ルミニウムの濃度を求めることができ、上記と同様にし
てこれらエッチング液、中和液の濃度管理を行うことが
できる。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、アルミニウム又はアル
ミニウム合金の陽極酸化処理を行うための処理液の濃度
を所定管理濃度に容易かつ確実に維持することができ、
従って液管理作業を合理化し得ると共に、品質管理面で
の向上をもたらすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】種々の硫酸濃度と溶解アルミニウム濃度におけ
る電導度と比重との関係を示すグラフである。
【図2】種々の硫酸濃度と溶解アルミニウム濃度におけ
る電導度と音速との関係を示すグラフである。
【図3】本発明に係るシステムの一例を示すフローシー
トである。
【図4】本発明に係るシステムの他の例を示すフローシ
ートである。
【符号の説明】
1 電解槽 4 測定槽 5 電導度計 6 比重計 7 コンピューター 8 硫酸濃度指示調節計 9 定量ポンプ 10 硫酸補給槽 11 溶解アルミニウム濃度指示調節計 12 定量ポンプ 13 水槽

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム又はアルミニウム合金を陽
    極酸化する酸性電解液の電導度、比重、音速及び粘度の
    いずれか2つ以上を間欠的又は連続的に測定すると共
    に、これら2つ以上の物性の測定値から上記電解液中の
    酸濃度及びこの電解液中に溶解しているアルミニウム濃
    度を算出し、酸濃度が所定管理範囲以下に低下した場
    合、上記電解液に酸を添加することにより酸濃度を該管
    理範囲内に調整し、溶解アルミニウム濃度が所定管理範
    囲以上に増加した場合、上記電解液に水を添加すること
    により溶解アルミニウム濃度を該管理範囲内に調整する
    ことを特徴とするアルミニウム又はアルミニウム合金の
    陽極酸化用電解液の管理方法。
  2. 【請求項2】 金属塩及び緩衝剤を含むアルミニウム又
    はアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の電解着色液の電導
    度、比重、音速及び粘度のいずれか2つ以上を間欠的又
    は連続的に測定すると共に、これら2つ以上の物性の測
    定値から上記着色液中の金属塩濃度及び緩衝剤濃度を算
    出し、金属塩濃度が所定管理範囲以下に低下した場合、
    上記電解液に金属塩を添加することにより、金属塩濃度
    を該管理範囲内に調整し、緩衝剤濃度が所定管理範囲以
    下に低下した場合、上記電解液に緩衝剤を添加すること
    により、緩衝剤濃度を該管理範囲内に調整することを特
    徴とするアルミニウム又はアルミニウム合金の陽極酸化
    皮膜の電解着色液の管理方法。
  3. 【請求項3】 アルミニウム又はアルミニウム合金を水
    酸化ナトリウム水溶液からなるエッチング液でエッチン
    グする工程、次いでアルミニウム又はアルミニウム合金
    を酸で中和する工程、その後アルミニウム又はアルミニ
    ウム合金を陽極酸化する工程を含むアルミニウム又はア
    ルミニウム合金の表面処理において、上記エッチング液
    及び酸中和液の電導度、比重、音速及び粘度のいずれか
    2つ以上をそれぞれ間欠的又は連続的に測定すると共
    に、これら2つ以上の物性の測定値から上記エッチング
    液の水酸化ナトリウム濃度及びこのエッチング液に溶解
    しているアルミニウム濃度並びに上記酸中和液の酸濃度
    及びこの酸中和液に溶解しているアルミニウムの濃度を
    それぞれ算出し、上記水酸化ナトリウム濃度又は酸濃度
    がそれぞれ所定管理以下に低下した場合、上記エッチン
    グ液に水酸化ナトリウムを添加し又は上記酸中和液に酸
    を添加することにより、それぞれ水酸化ナトリウム又は
    酸濃度を該管理範囲内に調整し、溶解アルミニウム濃度
    が所定管理範囲以上に増加した場合、上記エッチング液
    又は酸中和液に水を添加することにより、溶解アルミニ
    ウム濃度を該管理範囲内に調整することを特徴とするア
    ルミニウム又はアルミニウム合金の陽極酸化処理の前処
    理液の管理方法。
  4. 【請求項4】 アルミニウム又はアルミニウム合金の陽
    極酸化処理用の処理液が収容される処理槽と、上記処理
    液が導入され、この処理液の電導度、比重、音速及び粘
    度のいずれか2つ以上の物性を測定する測定槽と、上記
    処理液の濃度と上記2つ以上の物性値との関係を与える
    データが予め入力され、上記測定槽で測定された2つ以
    上の測定値が伝達されてこの測定値から上記処理液の濃
    度を計算すると共に、この処理液の管理濃度値と対比
    し、上記処理液の測定濃度値がこの管理濃度値外である
    場合、所定成分の補給指令を発するコンピューターと、
    このコンピューターからの補給指令により上記処理液に
    所定の成分を補給する補給機構とを具備することを特徴
    とするアルミニウム又はアルミニウム合金の陽極酸化処
    理用処理液の管理装置。
  5. 【請求項5】 アルミニウム又はアルミニウム合金を陽
    極酸化する酸性電解液が収容される電解槽と、上記電解
    液が導入され、この電解液の電導度、比重、音速及び粘
    度のいずれか2つ以上の物性を測定する測定槽と、上記
    電解液中の硫酸濃度及びこの電解液中に溶解しているア
    ルミニウム濃度と上記2つ以上の物性との関係を与える
    データが予め入力され、上記測定槽で測定された2つ以
    上の測定値が伝達されてこの測定値から上記電解液中の
    硫酸濃度及び溶解アルミニウム濃度を計算すると共に、
    この処理液の管理硫酸濃度値及び管理溶解アルミニウム
    濃度値と対比し、上記電解液の硫酸測定濃度値が上記管
    理硫酸濃度値以下である場合、硫酸補給指令を発し、上
    記電解液の溶解アルミニウム濃度値が上記管理溶解アル
    ミニウム濃度値以上である場合、水補給指令を発するコ
    ンピューターと、このコンピューターからの硫酸補給指
    令により上記電解液に硫酸を補給する硫酸補給機構及び
    上記コンピューターからの水補給指令により上記電解液
    に水を補給する水補給機構とを具備することを特徴とす
    るアルミニウム又はアルミニウム合金の陽極酸化用酸性
    電解液の管理装置。
  6. 【請求項6】 上記水の補給による電解液量の増加分を
    排出する排出機構を有する請求項5記載の管理装置。
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