JPH0953184A - 化成処理性、潤滑性、接着剤適合性に優れた冷延鋼板 - Google Patents
化成処理性、潤滑性、接着剤適合性に優れた冷延鋼板Info
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- JPH0953184A JPH0953184A JP20567695A JP20567695A JPH0953184A JP H0953184 A JPH0953184 A JP H0953184A JP 20567695 A JP20567695 A JP 20567695A JP 20567695 A JP20567695 A JP 20567695A JP H0953184 A JPH0953184 A JP H0953184A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、プレス性、化成処理性、接着剤適
合性に優れた冷延鋼板を提供する。 【解決手段】 鋼板表面にZn、P の酸化物と第３元素群
のMn、Ni、Mg、Fe、Co、Alの１種または２種以上の酸化
物からなる被膜を、Znとして１〜200 mg/m2 、Ｐとして
１〜200 mg/m2 、第３元素群の金属換算合計値が１〜20
0 mg/m2 を生成した化成処理性、潤滑性、接着剤適合性
に優れた冷延鋼板である。
合性に優れた冷延鋼板を提供する。 【解決手段】 鋼板表面にZn、P の酸化物と第３元素群
のMn、Ni、Mg、Fe、Co、Alの１種または２種以上の酸化
物からなる被膜を、Znとして１〜200 mg/m2 、Ｐとして
１〜200 mg/m2 、第３元素群の金属換算合計値が１〜20
0 mg/m2 を生成した化成処理性、潤滑性、接着剤適合性
に優れた冷延鋼板である。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、化成処理性、潤滑
性、接着剤適合性に優れた冷延鋼板に関するものであ
る。
性、接着剤適合性に優れた冷延鋼板に関するものであ
る。
【０００２】
【従来の技術】亜鉛系めっき鋼板等をプレス成形時に潤
滑性を向上して、成形性を高めるため鋼板表面にクロメ
ート皮膜（Cr2O3)を生成することが特開昭６２−１８５
８８３号公報に開示されている。また、冷延鋼板表面に
Fe2O3 とFe3O4 を主体とする酸化物皮膜を生成してプレ
ス成形性を向上することが特開平３−２８５０２４号公
報に開示されている。更には、鋼板表面に燐酸マンガン
等の化成処理結晶皮膜を形成し、潤滑性を改善すること
が知られている。その他、鋼板表面に有機潤滑皮膜ある
いは、潤滑油を塗布してプレス成形性を向上することが
特開平１−１３６９５２号公報に開示されている。
滑性を向上して、成形性を高めるため鋼板表面にクロメ
ート皮膜（Cr2O3)を生成することが特開昭６２−１８５
８８３号公報に開示されている。また、冷延鋼板表面に
Fe2O3 とFe3O4 を主体とする酸化物皮膜を生成してプレ
ス成形性を向上することが特開平３−２８５０２４号公
報に開示されている。更には、鋼板表面に燐酸マンガン
等の化成処理結晶皮膜を形成し、潤滑性を改善すること
が知られている。その他、鋼板表面に有機潤滑皮膜ある
いは、潤滑油を塗布してプレス成形性を向上することが
特開平１−１３６９５２号公報に開示されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】上記のごとき、クロメ
ート皮膜、Fe2O3 とFe3O4 を主体とする酸化皮膜、燐酸
マンガン等の化成処理結晶皮膜は、プレス成形性等の潤
滑性向上には効果があるが、プレス成形後に化成処理を
施す場合には、化成処理液でこれら皮膜が不十分にまる
ことがある。また、皮膜が溶解しないこともある。更
に、化成処理皮膜を均一に形成することができず、とき
として全く形成できないこともある。特に化成処理皮膜
は、プレス成形後に油面系接着剤を用いて接着すると、
接着強度を低下する等の課題がある。また、潤滑油によ
るプレス成形性の向上は、プレス成形後の脱脂工程の負
荷が多く、更に、プレス成形後に油面系接着剤を用いる
場合には、接着強度を低下する課題もある。本発明は、
このような課題を有利に解決するためなされたものであ
り、鋼板表面に酸化物皮膜を生成して潤滑性を向上しプ
レス成形性を高めるとともに、化成処理性、接着剤適合
性を向上し、しかも脱脂液、化成処理液の汚染を回避す
ることのできる冷延鋼板を提供することを目的とするも
のである。
ート皮膜、Fe2O3 とFe3O4 を主体とする酸化皮膜、燐酸
マンガン等の化成処理結晶皮膜は、プレス成形性等の潤
滑性向上には効果があるが、プレス成形後に化成処理を
施す場合には、化成処理液でこれら皮膜が不十分にまる
ことがある。また、皮膜が溶解しないこともある。更
に、化成処理皮膜を均一に形成することができず、とき
として全く形成できないこともある。特に化成処理皮膜
は、プレス成形後に油面系接着剤を用いて接着すると、
接着強度を低下する等の課題がある。また、潤滑油によ
るプレス成形性の向上は、プレス成形後の脱脂工程の負
荷が多く、更に、プレス成形後に油面系接着剤を用いる
場合には、接着強度を低下する課題もある。本発明は、
このような課題を有利に解決するためなされたものであ
り、鋼板表面に酸化物皮膜を生成して潤滑性を向上しプ
レス成形性を高めるとともに、化成処理性、接着剤適合
性を向上し、しかも脱脂液、化成処理液の汚染を回避す
ることのできる冷延鋼板を提供することを目的とするも
のである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明方法の特徴とする
ところは、鋼板表面にZn、P の酸化物と第３元素群のM
n、Ni、Mg、Fe、Co、Alの１種または２種以上の酸化物
からなる皮膜を、Znとして１〜200 mg/m2 、Ｐとして１
〜200 mg/m2 、第３元素群の金属換算合計値が１〜200
mg/m2 を生成したことを特徴とする化成処理性、潤滑
性、接着剤適合性に優れた冷延鋼板である。
ところは、鋼板表面にZn、P の酸化物と第３元素群のM
n、Ni、Mg、Fe、Co、Alの１種または２種以上の酸化物
からなる皮膜を、Znとして１〜200 mg/m2 、Ｐとして１
〜200 mg/m2 、第３元素群の金属換算合計値が１〜200
mg/m2 を生成したことを特徴とする化成処理性、潤滑
性、接着剤適合性に優れた冷延鋼板である。
【０００５】
【発明の実施の形態】上記のごとき酸化物を生成せしめ
る冷延鋼板としては、例えばC:0.001〜0.010％、Mn:0.1
〜0.4 ％、Si:0.004％以下、P:O.O1％以下、S:0.002 ％
以下、残り不回避的不純物及びFeからなり、このような
組成に必要に応じてTi、Nb、B 等の１種または２種以上
含有せしめて成形性を向上させる。またP 、Siの１種ま
たは２種以上を添加して上記P 、Si量より多量に含有せ
しめた高強度冷延鋼板等で、板厚としては0.6 〜1.2mm
の鋼板に下記のごとき酸化物を生成して潤滑性等を向上
するものである。
る冷延鋼板としては、例えばC:0.001〜0.010％、Mn:0.1
〜0.4 ％、Si:0.004％以下、P:O.O1％以下、S:0.002 ％
以下、残り不回避的不純物及びFeからなり、このような
組成に必要に応じてTi、Nb、B 等の１種または２種以上
含有せしめて成形性を向上させる。またP 、Siの１種ま
たは２種以上を添加して上記P 、Si量より多量に含有せ
しめた高強度冷延鋼板等で、板厚としては0.6 〜1.2mm
の鋼板に下記のごとき酸化物を生成して潤滑性等を向上
するものである。
【０００６】このような冷延鋼板の表面に生成する酸化
物としては、例えば、Zn、P の酸化物と第３元素群のM
n、Ni、Mg、Fe、Co、Alの内の１種または２種以上の酸
化物からなる皮膜である。第３元素群のMn、Ni、Mg、F
e、Co、Alの内の１種または２種以上の酸化物は、皮膜
中で鋼板表面にリッチし易く、プレス加工等の摺動時に
鋼板の金属と金型のカジリ、凝着を防止するとともに、
皮膜中でZn、P の酸化物と混在して、皮膜を非晶質化し
プレス成形後に油面接着剤を用い接着する場合の接着性
を向上する。また非晶質皮膜は、結晶質皮膜と比較して
化成処理時の化成処理液での皮膜の溶解が速く、化成処
理性を容易にする。非晶質皮膜が接着強度を向上するの
は、皮膜が均質となり接着剤の剥離じの破壊基点が生成
され難いと推定している。
物としては、例えば、Zn、P の酸化物と第３元素群のM
n、Ni、Mg、Fe、Co、Alの内の１種または２種以上の酸
化物からなる皮膜である。第３元素群のMn、Ni、Mg、F
e、Co、Alの内の１種または２種以上の酸化物は、皮膜
中で鋼板表面にリッチし易く、プレス加工等の摺動時に
鋼板の金属と金型のカジリ、凝着を防止するとともに、
皮膜中でZn、P の酸化物と混在して、皮膜を非晶質化し
プレス成形後に油面接着剤を用い接着する場合の接着性
を向上する。また非晶質皮膜は、結晶質皮膜と比較して
化成処理時の化成処理液での皮膜の溶解が速く、化成処
理性を容易にする。非晶質皮膜が接着強度を向上するの
は、皮膜が均質となり接着剤の剥離じの破壊基点が生成
され難いと推定している。
【０００７】Zn、P の酸化物は、皮膜の外層側にリッチ
し易く、プレス加工時に微細に破壊され、鋼板表面の塗
油層( 防錆油、洗浄油等) の境界潤滑層を強化して潤滑
性を向上する。このような酸化物皮膜の構造は、明確で
はないがMn-O、Zn-O、P-O 、-OH 、-Co3基等の結合から
なる巨大分子構造の非晶質皮膜であろうと推定してい
る。また、この皮膜は、無機系皮膜でありプレス前の洗
浄工程で溶解しないので、洗浄により潤滑性が低下する
こがなく、従って洗浄油を汚染することはない。更に、
この皮膜は、化成処理液でほぼ完全に溶解するので化成
処理皮膜が健全に形成でき、かつ皮膜成分は、化成処理
液成分と同じであり、化成処理液を汚染せず、他の工程
に負荷を及ぼすこがない。このような酸化物の鋼板表面
への生成は、例えば冷延鋼板を硫酸、塩酸等の酸に浸漬
接触または、還元雰囲気下に曝すことにより、表面の酸
化物を除去、還元して表面を活性化した後、亜鉛層を薄
く、例えば5 〜500 mg/m2形成した後、水溶液中に浸
漬、または散布する等によって確実に生成することがで
きる。このとき、鋼板の合金元素成分及び水溶液中の不
純物が、若干酸化物皮膜中に混入するが障害にはならな
い。
し易く、プレス加工時に微細に破壊され、鋼板表面の塗
油層( 防錆油、洗浄油等) の境界潤滑層を強化して潤滑
性を向上する。このような酸化物皮膜の構造は、明確で
はないがMn-O、Zn-O、P-O 、-OH 、-Co3基等の結合から
なる巨大分子構造の非晶質皮膜であろうと推定してい
る。また、この皮膜は、無機系皮膜でありプレス前の洗
浄工程で溶解しないので、洗浄により潤滑性が低下する
こがなく、従って洗浄油を汚染することはない。更に、
この皮膜は、化成処理液でほぼ完全に溶解するので化成
処理皮膜が健全に形成でき、かつ皮膜成分は、化成処理
液成分と同じであり、化成処理液を汚染せず、他の工程
に負荷を及ぼすこがない。このような酸化物の鋼板表面
への生成は、例えば冷延鋼板を硫酸、塩酸等の酸に浸漬
接触または、還元雰囲気下に曝すことにより、表面の酸
化物を除去、還元して表面を活性化した後、亜鉛層を薄
く、例えば5 〜500 mg/m2形成した後、水溶液中に浸
漬、または散布する等によって確実に生成することがで
きる。このとき、鋼板の合金元素成分及び水溶液中の不
純物が、若干酸化物皮膜中に混入するが障害にはならな
い。
【０００８】次に、酸化物皮膜の生成範囲としては、Zn
として１〜200 mg/m2、Ｐとして１〜200 mg/m2で、第３
元素群の金属換算合計値が１〜200 mg/m2である。皮膜
中のZn及びＰ酸化物量ともに１mg/m2以上でなければ、
潤滑性は殆ど向上せず、またZn、Ｐの何れかが200 mg/m
2を越えると、化成処理液での皮膜溶解が確実に行われ
ず化成処理性が悪化する。第３元素群（Mn、Ni、Mg、F
e、Co、Al）は、皮膜中のZn及びＰ酸化物量によって異
なるが、金属換算合計量が１mg/m2以上でなければ、プ
レス加工時に高面圧で金型と鋼板のカジリが発生し易
く、またZn及びＰ酸化物皮膜が結晶化し、接着時の接着
剤適合性が低下し、化成処理液での溶解が不均一となり
化成処理性が悪化する。これら元素が200 mg/m2を越え
ると、皮膜が厚くなりすぎて化成処理性を逆にかえって
悪化することになる。
として１〜200 mg/m2、Ｐとして１〜200 mg/m2で、第３
元素群の金属換算合計値が１〜200 mg/m2である。皮膜
中のZn及びＰ酸化物量ともに１mg/m2以上でなければ、
潤滑性は殆ど向上せず、またZn、Ｐの何れかが200 mg/m
2を越えると、化成処理液での皮膜溶解が確実に行われ
ず化成処理性が悪化する。第３元素群（Mn、Ni、Mg、F
e、Co、Al）は、皮膜中のZn及びＰ酸化物量によって異
なるが、金属換算合計量が１mg/m2以上でなければ、プ
レス加工時に高面圧で金型と鋼板のカジリが発生し易
く、またZn及びＰ酸化物皮膜が結晶化し、接着時の接着
剤適合性が低下し、化成処理液での溶解が不均一となり
化成処理性が悪化する。これら元素が200 mg/m2を越え
ると、皮膜が厚くなりすぎて化成処理性を逆にかえって
悪化することになる。
【０００９】上記のごとき、酸化物皮膜の生成方法とし
ては、前記のような水溶液として例えば、過マンガン酸
カリウム、ニッケル、マグネシウム、アルミニウムの燐
酸溶液を１ｇ／ｌ以上溶解限、更に反応促進または液調
整のため硫酸、硝酸等の酸、水酸化ナトリウムや水酸化
カリウム、亜鉛イオン等を添加した浴を用いることがで
きる。なお、前述の亜鉛層は、上記のごとき水溶液で処
理することにより、反応した大部分がZn、Ｐと第３元素
群からなる酸化物皮膜となり、亜鉛層の残存は痕跡程度
以下となり、プレス成形等の障害にはならない。
ては、前記のような水溶液として例えば、過マンガン酸
カリウム、ニッケル、マグネシウム、アルミニウムの燐
酸溶液を１ｇ／ｌ以上溶解限、更に反応促進または液調
整のため硫酸、硝酸等の酸、水酸化ナトリウムや水酸化
カリウム、亜鉛イオン等を添加した浴を用いることがで
きる。なお、前述の亜鉛層は、上記のごとき水溶液で処
理することにより、反応した大部分がZn、Ｐと第３元素
群からなる酸化物皮膜となり、亜鉛層の残存は痕跡程度
以下となり、プレス成形等の障害にはならない。
【００１０】このようにして、酸化物を生成した冷延鋼
板に例えば簡易防錆油を塗布して出荷することができ、
需要家で必要に応じて塵等を除去するため、洗浄を施し
ても酸化物皮膜は、剥離がほとんど無く従って、洗浄油
を汚染することなくプレス成形時に潤滑性を向上し、冷
延鋼板の絞り性を高めることができ、しかもプレス後の
接着においては、接着強度を向上することができ、更に
化成処理皮膜を均一に形成することができるとともに、
化成処理液も汚染することはない。る。
板に例えば簡易防錆油を塗布して出荷することができ、
需要家で必要に応じて塵等を除去するため、洗浄を施し
ても酸化物皮膜は、剥離がほとんど無く従って、洗浄油
を汚染することなくプレス成形時に潤滑性を向上し、冷
延鋼板の絞り性を高めることができ、しかもプレス後の
接着においては、接着強度を向上することができ、更に
化成処理皮膜を均一に形成することができるとともに、
化成処理液も汚染することはない。る。
【００１１】しかして、このような酸化物を生成せしめ
た冷延鋼板は、プレス成形性（潤滑性）に優れているこ
とから例えば、鋼板の絞り性を向上するにはTi、Nb、B
等を含有せしめることが通例であるが、用途によっては
Ti、Nb、B等の金属元素の含有を省略しても必要十分な
成形性を確保することができる。また上記本発明鋼板の
酸化物による高潤滑機能をベースとしてTi、Nb、B等の
金属元素含有量を調整することによって、精密に複数の
潤滑レベルを有する冷延鋼板の造り分けができることか
ら各種の用途に応じたプレス成形性に適合させることが
でき、極めて有意義である。
た冷延鋼板は、プレス成形性（潤滑性）に優れているこ
とから例えば、鋼板の絞り性を向上するにはTi、Nb、B
等を含有せしめることが通例であるが、用途によっては
Ti、Nb、B等の金属元素の含有を省略しても必要十分な
成形性を確保することができる。また上記本発明鋼板の
酸化物による高潤滑機能をベースとしてTi、Nb、B等の
金属元素含有量を調整することによって、精密に複数の
潤滑レベルを有する冷延鋼板の造り分けができることか
ら各種の用途に応じたプレス成形性に適合させることが
でき、極めて有意義である。
【００１２】
【実施例】次に、本発明の実施例を比較例とともに挙げ
る。
る。
【表１】 注１）処理鋼板 板圧1.6mm の通常冷延鋼板を酸洗してスケールを除去し
た後、10〜1000mg/m2の電気亜鉛フラッシュめっきを施
し、無機系酸化物を生成した。 注２) 無機系酸化物生成方法 ・Ｐ酸化物は、リン酸、またはリン酸ナリウム、リン酸
カリウム、リン酸アンモニウムを、 ・Ｍｎ酸化物は、過マンガン酸カリウムまたは炭酸マン
ガンを、 ・Ni酸化物は、硝酸ニッケル、炭酸ニッケルを、 ・Mg酸化物は、炭酸マグネシウム、硝酸マグネシウム
を、 ・Fe酸化物は、可溶性リン酸鉄、硝酸鉄、炭酸鉄を、 ・Co酸化物は、硝酸コバルト、炭酸コバルトを、 ・Al酸化物は、炭酸アルミニウム、硝酸アルミニウム
を、 元素濃度として、0.1 〜50g/l の範囲で混合して、浸漬
または塗布し、更にエアーナイフまたはロール絞りによ
り塗布量を調節して、酸化物を生成乾燥した。また、浸
漬あるいは塗布ご水洗、更には、電解も必要に応じて施
した。上記元素の溶解度確保のために、場合により硫
酸、硝酸や炭酸亜鉛、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ムでPH調整を施した。生成量は、何れも化学分析した測
定元素量である。 注３) 皮膜構造 Ｘ線回析を用いて結晶ピークの有無で判定した。 注４) Zn残量 無機系酸化物皮膜を形成した鋼板を、５％ＣｒＯ3 溶液
（７０℃）に１０分浸漬し、無機系酸化物皮膜を溶解し
た後、鋼板に残った金属Znを塩酸溶解して化学分析によ
り、金属Zn残量を測定した。 注５) プレス成形性 サンプルサイズ：１７ｍｍ×３００ｍｍ、引張速度：５
００ｍｍ／分、角ビードＲ：３．０／５．０ｍｍ、摺動
長さ：２００ｍｍ、塗油：ノックスラスト５３０Ｆ４０
（パーカー興産株式会社製）１g/m2の条件で、面圧を10
0 〜600Kgfの間で数点試験により、引抜き荷重を測定
し、面圧と引抜き荷重の傾きから摩擦係数を求めた。 注５) 化成処理性 化成処理液には、SD5000（日本ペイント株式会社製）を
用いて、処方どうり脱脂、表面調整した後化成処理を施
した。化成処理皮膜の判定は、ＳＥＭ（２次電子線像）
により、均一に皮膜が形成されたものは○、部分的に皮
膜形成されているものは△、皮膜が形成されていないも
のは×と判定した。 注６) 接着剤適合性 鋼板を２５ｍｍ幅の短冊状にして、防錆油（ノックスラ
スト３０Ｆ４０（パーカー興産株式会社製）を１g/m2塗
油した後、エポキシ系接着剤（ＥＰ１９０、セメダイン
社製、ヘミング用接着剤）をラップ代８ｍｍ、接着剤厚
み０．１５ｍｍで３枚重ねで接着し、１７０℃で２０分
焼付け硬化した後、引張試験機で剪断剥離力を求め、片
側１Cm2 の剪断力を計算した。
た後、10〜1000mg/m2の電気亜鉛フラッシュめっきを施
し、無機系酸化物を生成した。 注２) 無機系酸化物生成方法 ・Ｐ酸化物は、リン酸、またはリン酸ナリウム、リン酸
カリウム、リン酸アンモニウムを、 ・Ｍｎ酸化物は、過マンガン酸カリウムまたは炭酸マン
ガンを、 ・Ni酸化物は、硝酸ニッケル、炭酸ニッケルを、 ・Mg酸化物は、炭酸マグネシウム、硝酸マグネシウム
を、 ・Fe酸化物は、可溶性リン酸鉄、硝酸鉄、炭酸鉄を、 ・Co酸化物は、硝酸コバルト、炭酸コバルトを、 ・Al酸化物は、炭酸アルミニウム、硝酸アルミニウム
を、 元素濃度として、0.1 〜50g/l の範囲で混合して、浸漬
または塗布し、更にエアーナイフまたはロール絞りによ
り塗布量を調節して、酸化物を生成乾燥した。また、浸
漬あるいは塗布ご水洗、更には、電解も必要に応じて施
した。上記元素の溶解度確保のために、場合により硫
酸、硝酸や炭酸亜鉛、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ムでPH調整を施した。生成量は、何れも化学分析した測
定元素量である。 注３) 皮膜構造 Ｘ線回析を用いて結晶ピークの有無で判定した。 注４) Zn残量 無機系酸化物皮膜を形成した鋼板を、５％ＣｒＯ3 溶液
（７０℃）に１０分浸漬し、無機系酸化物皮膜を溶解し
た後、鋼板に残った金属Znを塩酸溶解して化学分析によ
り、金属Zn残量を測定した。 注５) プレス成形性 サンプルサイズ：１７ｍｍ×３００ｍｍ、引張速度：５
００ｍｍ／分、角ビードＲ：３．０／５．０ｍｍ、摺動
長さ：２００ｍｍ、塗油：ノックスラスト５３０Ｆ４０
（パーカー興産株式会社製）１g/m2の条件で、面圧を10
0 〜600Kgfの間で数点試験により、引抜き荷重を測定
し、面圧と引抜き荷重の傾きから摩擦係数を求めた。 注５) 化成処理性 化成処理液には、SD5000（日本ペイント株式会社製）を
用いて、処方どうり脱脂、表面調整した後化成処理を施
した。化成処理皮膜の判定は、ＳＥＭ（２次電子線像）
により、均一に皮膜が形成されたものは○、部分的に皮
膜形成されているものは△、皮膜が形成されていないも
のは×と判定した。 注６) 接着剤適合性 鋼板を２５ｍｍ幅の短冊状にして、防錆油（ノックスラ
スト３０Ｆ４０（パーカー興産株式会社製）を１g/m2塗
油した後、エポキシ系接着剤（ＥＰ１９０、セメダイン
社製、ヘミング用接着剤）をラップ代８ｍｍ、接着剤厚
み０．１５ｍｍで３枚重ねで接着し、１７０℃で２０分
焼付け硬化した後、引張試験機で剪断剥離力を求め、片
側１Cm2 の剪断力を計算した。
【００１３】
【発明の効果】本発明によれば、潤滑性（プレス性
等）、化成処理性、接着剤適合性を向上するとともに、
洗浄油、脱脂液や化成処理液の汚染を防止し、これらの
機能低下を回避することができ、処理液の寿命を縮める
ことなく、コストを低減することができる。また、酸化
物皮膜による高潤滑機能をベースとして、精密に複数の
潤滑レベルを有する冷延鋼板の造り分けができることか
ら、各種の用途に応じたプレス成形性に適合させること
ができる等工業的に極めて大きな効果をもたらすことが
できる。
等）、化成処理性、接着剤適合性を向上するとともに、
洗浄油、脱脂液や化成処理液の汚染を防止し、これらの
機能低下を回避することができ、処理液の寿命を縮める
ことなく、コストを低減することができる。また、酸化
物皮膜による高潤滑機能をベースとして、精密に複数の
潤滑レベルを有する冷延鋼板の造り分けができることか
ら、各種の用途に応じたプレス成形性に適合させること
ができる等工業的に極めて大きな効果をもたらすことが
できる。
フロントページの続き (72)発明者 宮坂 明博 愛知県東海市東海町５−３ 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内
Claims (1)
- 【請求項１】 鋼板表面にZn、P の酸化物と第３元素群
のMn、Ni、Mg、Fe、Co、Alの１種または２種以上の酸化
物からなる皮膜を、Znとして１〜200 mg/m2 、Ｐとして
１〜200 mg/m2 、第３元素群の金属換算合計値が１〜20
0 mg/m2 を生成したことを特徴とする化成処理性、潤滑
性、接着剤適合性に優れた冷延鋼板。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20567695A JPH0953184A (ja) | 1995-08-11 | 1995-08-11 | 化成処理性、潤滑性、接着剤適合性に優れた冷延鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20567695A JPH0953184A (ja) | 1995-08-11 | 1995-08-11 | 化成処理性、潤滑性、接着剤適合性に優れた冷延鋼板 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0953184A true JPH0953184A (ja) | 1997-02-25 |
Family
ID=16510856
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20567695A Withdrawn JPH0953184A (ja) | 1995-08-11 | 1995-08-11 | 化成処理性、潤滑性、接着剤適合性に優れた冷延鋼板 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0953184A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2016159300A1 (ja) * | 2015-03-31 | 2016-10-06 | 新日鐵住金株式会社 | 亜鉛系めっき鋼板 |
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1995
- 1995-08-11 JP JP20567695A patent/JPH0953184A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2016159300A1 (ja) * | 2015-03-31 | 2016-10-06 | 新日鐵住金株式会社 | 亜鉛系めっき鋼板 |
| CN107406958A (zh) * | 2015-03-31 | 2017-11-28 | 新日铁住金株式会社 | 锌系镀覆钢板 |
| CN107406958B (zh) * | 2015-03-31 | 2019-08-13 | 日本制铁株式会社 | 锌系镀覆钢板 |
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