JPH095302A - 欠陥検査方法及び装置 - Google Patents
欠陥検査方法及び装置Info
- Publication number
- JPH095302A JPH095302A JP15604995A JP15604995A JPH095302A JP H095302 A JPH095302 A JP H095302A JP 15604995 A JP15604995 A JP 15604995A JP 15604995 A JP15604995 A JP 15604995A JP H095302 A JPH095302 A JP H095302A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】電気絶縁性機能を検査し、電気的欠陥部位を特
定できる方法を提供する。 【構成】外観上の表面欠陥検査方法の検査過程の、前段
に電界を印加する過程を設け、電気絶縁物体である被検
査物内部に電気的弱点があった場合に、そこを起点とし
た絶縁破壊を生じせしめることによって潜在欠陥を可視
化又は拡大させてから、当該表面検査を行う。 【効果】従来の外観上の表面検査方法では検出されなか
った電気的絶縁欠陥部位を特定できた。
定できる方法を提供する。 【構成】外観上の表面欠陥検査方法の検査過程の、前段
に電界を印加する過程を設け、電気絶縁物体である被検
査物内部に電気的弱点があった場合に、そこを起点とし
た絶縁破壊を生じせしめることによって潜在欠陥を可視
化又は拡大させてから、当該表面検査を行う。 【効果】従来の外観上の表面検査方法では検出されなか
った電気的絶縁欠陥部位を特定できた。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、欠陥検査方法及びその
ための装置に関する。主としてシート状の電気絶縁物
体、電気絶縁性被覆物体、複写機及びプリンタなどに使
用される感光性塗布膜の欠陥検査方法及び装置に関す
る。
ための装置に関する。主としてシート状の電気絶縁物
体、電気絶縁性被覆物体、複写機及びプリンタなどに使
用される感光性塗布膜の欠陥検査方法及び装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の欠陥検査装置の大多数は、CCD
カメラなどの撮像手段によって、被検査物の外観表面
を、そのまま何の処理を行うことなしに電気信号に変換
し、かかる電気信号に各種画像処理を施すことにより、
外観上の欠陥を検査するものであった。
カメラなどの撮像手段によって、被検査物の外観表面
を、そのまま何の処理を行うことなしに電気信号に変換
し、かかる電気信号に各種画像処理を施すことにより、
外観上の欠陥を検査するものであった。
【0003】尚、特開昭64−59150号公報には、
絶縁破壊に基づいて流れる電流量を測定して欠陥の有無
を検査する装置が記載されているが、この装置では欠陥
有無はその位置を正確に特定できない。
絶縁破壊に基づいて流れる電流量を測定して欠陥の有無
を検査する装置が記載されているが、この装置では欠陥
有無はその位置を正確に特定できない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
な単なる外観上の表面検査装置では、被検査物が電気絶
縁性物体であって、かつ、その電気絶縁性機能が製品価
値に重要な影響を与えるような場合であっても、その絶
縁機能を検査することができなかった。
な単なる外観上の表面検査装置では、被検査物が電気絶
縁性物体であって、かつ、その電気絶縁性機能が製品価
値に重要な影響を与えるような場合であっても、その絶
縁機能を検査することができなかった。
【0005】特に、肉眼では確認できないほど小さなピ
ンホール欠陥の場合では、カメラ分解能上の制約が加わ
って、検出が困難なものとなっていた。本発明は、かか
る従来の欠陥検査装置の欠点を克服することを課題とす
る。
ンホール欠陥の場合では、カメラ分解能上の制約が加わ
って、検出が困難なものとなっていた。本発明は、かか
る従来の欠陥検査装置の欠点を克服することを課題とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、従来技術である外観表面を検査する過程以前に、被
検査物である電気絶縁性物体に電界を印加する過程を設
け、被検査物表面又は内部に電気的弱点が潜在していた
場合に、そこを起点する電気絶縁破壊或いは火花放電を
生じせしめ、その際に出現する拡大された表面欠陥を検
査することによって、従来の欠陥検査装置では実現でき
ない電気絶縁性検査機能を合わせ持った欠陥検査装置を
実現する。
め、従来技術である外観表面を検査する過程以前に、被
検査物である電気絶縁性物体に電界を印加する過程を設
け、被検査物表面又は内部に電気的弱点が潜在していた
場合に、そこを起点する電気絶縁破壊或いは火花放電を
生じせしめ、その際に出現する拡大された表面欠陥を検
査することによって、従来の欠陥検査装置では実現でき
ない電気絶縁性検査機能を合わせ持った欠陥検査装置を
実現する。
【0007】即ち本発明は、被検査物である電気絶縁性
物体(A)に電界を印加する手段(I)と、前記電界を
印加後、所定の時間経過後に、前記物体(A)の外観表
面を検査する手段(II)とを有し、前記物体(A)に
相対的に絶縁性が劣る部分(a)があった場合に、前記
手段(I)によって当該部分(a)を絶縁破壊せしめ、
その際に出現する拡大された欠陥を、前記手段(II)
によって検査することを特徴とする欠陥検査方法(以
下、第1発明という。)を提供する。
物体(A)に電界を印加する手段(I)と、前記電界を
印加後、所定の時間経過後に、前記物体(A)の外観表
面を検査する手段(II)とを有し、前記物体(A)に
相対的に絶縁性が劣る部分(a)があった場合に、前記
手段(I)によって当該部分(a)を絶縁破壊せしめ、
その際に出現する拡大された欠陥を、前記手段(II)
によって検査することを特徴とする欠陥検査方法(以
下、第1発明という。)を提供する。
【0008】また本発明は、被検査物である電気絶縁性
物体(A)に電界を印加する機構(i)と、前記電界を
印加後、所定の時間経過後に、前記物体(A)の外観表
面を検査する機構(ii)とを有し、前記物体(A)に
相対的に絶縁性が劣る部分(a)があった場合に、前記
機構(i)によって当該部分(a)を絶縁破壊せしめ、
その際に出現する拡大された欠陥を、前記機構(ii)
によって検査することを特徴とする欠陥検査装置(以
下、第2発明という。)を提供する。
物体(A)に電界を印加する機構(i)と、前記電界を
印加後、所定の時間経過後に、前記物体(A)の外観表
面を検査する機構(ii)とを有し、前記物体(A)に
相対的に絶縁性が劣る部分(a)があった場合に、前記
機構(i)によって当該部分(a)を絶縁破壊せしめ、
その際に出現する拡大された欠陥を、前記機構(ii)
によって検査することを特徴とする欠陥検査装置(以
下、第2発明という。)を提供する。
【0009】第1発明では、被検査物である電気絶縁性
物体(A)に電界を印加する手段(I)、第2発明では
同機構(i)を有している点に最大の特徴がある。
物体(A)に電界を印加する手段(I)、第2発明では
同機構(i)を有している点に最大の特徴がある。
【0010】本発明において、検査されるもの(被検査
物)は、電気絶縁性物体(A)である。物体(A)とし
ては、例えばその全体が全て電気絶縁性を有していても
よいし、導電性物体を絶縁性物質で被覆したものであっ
ても良い。形状もシート状、筒状等の任意形状のものが
検査できる。前者の例としては、例えば絶縁性フィル
ム、絶縁性ビニルテープ等が、後者の例としては、例え
ば絶縁被覆ケーブル、OPC感光体ドラム等が挙げられ
る。
物)は、電気絶縁性物体(A)である。物体(A)とし
ては、例えばその全体が全て電気絶縁性を有していても
よいし、導電性物体を絶縁性物質で被覆したものであっ
ても良い。形状もシート状、筒状等の任意形状のものが
検査できる。前者の例としては、例えば絶縁性フィル
ム、絶縁性ビニルテープ等が、後者の例としては、例え
ば絶縁被覆ケーブル、OPC感光体ドラム等が挙げられ
る。
【0011】後者の一例として示した、OPC感光体ド
ラムを例に説明するとすれば、近年のように小型、軽量
化を指向するプリンタでは、接触式帯電法が用いられる
ことが多く、かかる帯電方式では帯電過程において感光
体塗膜が電気的に絶縁破壊すると、その欠陥部分に放電
電流が集中し、ドラムの全幅方向に一様な帯電が行われ
なくなる。これは感光体ドラムの機能としては致命的な
ものとなる。従って、この分野における検査は極めて重
要である。
ラムを例に説明するとすれば、近年のように小型、軽量
化を指向するプリンタでは、接触式帯電法が用いられる
ことが多く、かかる帯電方式では帯電過程において感光
体塗膜が電気的に絶縁破壊すると、その欠陥部分に放電
電流が集中し、ドラムの全幅方向に一様な帯電が行われ
なくなる。これは感光体ドラムの機能としては致命的な
ものとなる。従って、この分野における検査は極めて重
要である。
【0012】物体(A)の検査が必要な部分全面が一様
に電気絶縁性を有している場合には、本発明の方法や装
置では欠陥がないと認定されるが、全面のうち電気絶縁
性が相対的に劣る部分(a)が物体(A)に存在する場
合には、本発明の方法や装置により有効にその欠陥を検
査することが出来る。
に電気絶縁性を有している場合には、本発明の方法や装
置では欠陥がないと認定されるが、全面のうち電気絶縁
性が相対的に劣る部分(a)が物体(A)に存在する場
合には、本発明の方法や装置により有効にその欠陥を検
査することが出来る。
【0013】本発明では、被検査物である電気絶縁性物
体(A)へ、所定時間、電界を印加することにより、前
記物体(A)に相対的に絶縁性が劣る部分(a)があっ
た場合に、当該部分(a)を絶縁破壊させ、容易には検
査できなかった微小な欠陥部分を、より容易に検査でき
る様に拡大させる。
体(A)へ、所定時間、電界を印加することにより、前
記物体(A)に相対的に絶縁性が劣る部分(a)があっ
た場合に、当該部分(a)を絶縁破壊させ、容易には検
査できなかった微小な欠陥部分を、より容易に検査でき
る様に拡大させる。
【0014】上記OPC感光体ドラムを例に、より具体
的に説明するとすると、当該部分(a)は、一般的に、
導電性支持体の平滑性及び/又は感光層塗布ムラに起因
する。導電性支持体に微小突起が存在すれば、いくら均
一に感光層を設けても、当該突起部分は、感光層膜厚が
正常部分に比べて薄くなるので、正常部分に比べれば導
電性が高くなり、絶縁破壊しやすくなる。これは特に感
光層膜厚が薄い程顕著である。
的に説明するとすると、当該部分(a)は、一般的に、
導電性支持体の平滑性及び/又は感光層塗布ムラに起因
する。導電性支持体に微小突起が存在すれば、いくら均
一に感光層を設けても、当該突起部分は、感光層膜厚が
正常部分に比べて薄くなるので、正常部分に比べれば導
電性が高くなり、絶縁破壊しやすくなる。これは特に感
光層膜厚が薄い程顕著である。
【0015】また、いくら導電性支持体が一様に平滑で
あっても、感光層膜厚にムラがあれば、ピンホールやク
レーター等が発生し、当該ピンホールやクレーター部分
は、感光層膜厚が正常部分に比べて薄くなるので、正常
部分に比べれば絶縁耐力が高くなり、絶縁破壊しやすく
なる。
あっても、感光層膜厚にムラがあれば、ピンホールやク
レーター等が発生し、当該ピンホールやクレーター部分
は、感光層膜厚が正常部分に比べて薄くなるので、正常
部分に比べれば絶縁耐力が高くなり、絶縁破壊しやすく
なる。
【0016】本発明において、電界を印加する手段
(I)としては、公知慣用の電界印加手段がいずれも採
用できるが、例えば電極対により物体(A)に直接的に
電界を印加する手段、又は、帯電器により物体(A)の
表面に、電荷を付着させることによって間接的に電界を
印加する手段が挙げられる。これら手段は単独でも併用
でもよいが、各手段を単独で用いる場合には、前者手段
を採用するのが好ましい。前者手段単独ないしは後者手
段と前者手段とをこの順に併用すると、後者手段単独に
比べれば検出精度を向上できる上では好ましい。後者手
段と前者手段とをこの順に併用すると、前者手段単独使
用よりも音響や検査に要するエネルギーもより小さくで
きるので好ましい。
(I)としては、公知慣用の電界印加手段がいずれも採
用できるが、例えば電極対により物体(A)に直接的に
電界を印加する手段、又は、帯電器により物体(A)の
表面に、電荷を付着させることによって間接的に電界を
印加する手段が挙げられる。これら手段は単独でも併用
でもよいが、各手段を単独で用いる場合には、前者手段
を採用するのが好ましい。前者手段単独ないしは後者手
段と前者手段とをこの順に併用すると、後者手段単独に
比べれば検出精度を向上できる上では好ましい。後者手
段と前者手段とをこの順に併用すると、前者手段単独使
用よりも音響や検査に要するエネルギーもより小さくで
きるので好ましい。
【0017】絶縁破壊によって拡大された欠陥部分
(a)を有する物体(A)は、前記所定時間経過後に、
前記物体(A)の外観表面を検査する手段(II)で検
査される。この際の手段(II)は、視覚的判定手段、
電気的判定手段等の公知慣用の手段がいずれも採用でき
るが、例えば目視判定、カメラによる判定等の視覚的判
定手段を採用するのが容易であり、好ましい。
(a)を有する物体(A)は、前記所定時間経過後に、
前記物体(A)の外観表面を検査する手段(II)で検
査される。この際の手段(II)は、視覚的判定手段、
電気的判定手段等の公知慣用の手段がいずれも採用でき
るが、例えば目視判定、カメラによる判定等の視覚的判
定手段を採用するのが容易であり、好ましい。
【0018】尚、物体(A)に含まれる絶縁破壊され、
拡大された欠陥部分は、例えばその破壊時の発生熱によ
り溶融したり、炭化したりするので、視覚的にも容易に
欠陥有無を判定することができる。
拡大された欠陥部分は、例えばその破壊時の発生熱によ
り溶融したり、炭化したりするので、視覚的にも容易に
欠陥有無を判定することができる。
【0019】本発明中の第1発明は、第2発明により具
体的に実現することができる。
体的に実現することができる。
【0020】被検査物である電気絶縁性物体(A)に電
界を印加する機構(i)としては、公知慣用の機構をい
ずれも採用しうるが、例えば被検査物である電気絶縁性
物体(A)が通過できる様な間隙を挟んで設けられた電
極対と、それら電極対間に電界を生じさせるための電源
とからなるもの、又は、被検査物である電気絶縁性物体
(A)を外部光から遮蔽するカバーと、当該物体(A)
に静電荷を与える電極を有する帯電器と、前記帯電器を
作動させる電源とからなるもの等が挙げられる。物体
(A)が感光性薄膜である場合には、後者機構を必須機
構として検査するのが好ましい。
界を印加する機構(i)としては、公知慣用の機構をい
ずれも採用しうるが、例えば被検査物である電気絶縁性
物体(A)が通過できる様な間隙を挟んで設けられた電
極対と、それら電極対間に電界を生じさせるための電源
とからなるもの、又は、被検査物である電気絶縁性物体
(A)を外部光から遮蔽するカバーと、当該物体(A)
に静電荷を与える電極を有する帯電器と、前記帯電器を
作動させる電源とからなるもの等が挙げられる。物体
(A)が感光性薄膜である場合には、後者機構を必須機
構として検査するのが好ましい。
【0021】電界を印加する機構(i)が、被検査物で
ある電気絶縁性物体(A)が通過できる様な間隙を挟ん
で設けられた電極対と、それら電極対間に電界を生じさ
せるための電源とからなる機構(i−1)と、被検査物
である電気絶縁性物体(A)を外部光から遮蔽するカバ
ーと、当該物体(A)に静電荷を与える電極を有する帯
電器と、前記帯電器を作動させる電源とからなる機構
(i−2)とからなり、機構(i−2)と機構(i−
1)とをこの順に設け検査できる様にし、各機構の電源
を共用としたものが、機構(i−1)単独又は機構(i
−2)単独、機構(i−1)と機構(i−2)とをこの
順で併用した装置に比べて特に好ましい。
ある電気絶縁性物体(A)が通過できる様な間隙を挟ん
で設けられた電極対と、それら電極対間に電界を生じさ
せるための電源とからなる機構(i−1)と、被検査物
である電気絶縁性物体(A)を外部光から遮蔽するカバ
ーと、当該物体(A)に静電荷を与える電極を有する帯
電器と、前記帯電器を作動させる電源とからなる機構
(i−2)とからなり、機構(i−2)と機構(i−
1)とをこの順に設け検査できる様にし、各機構の電源
を共用としたものが、機構(i−1)単独又は機構(i
−2)単独、機構(i−1)と機構(i−2)とをこの
順で併用した装置に比べて特に好ましい。
【0022】この特に好ましい装置によれば、機構(i
−1)単独使用の装置や機構(i−1)と機構(i−
2)とをこの順で併用した装置より、より低容量の電源
でより高電界を物体(A)に与えることができ検査に消
費するエネルギーを少なくでき音響も小さく、機構(i
−2)単独使用の装置では相対的に絶縁性が劣る部分が
観察されない様な物体(A)の検査にあっても高精度の
検査ができるし、共用にすることにより電源数も1台で
済み、装置全体もコンパクト化できる。
−1)単独使用の装置や機構(i−1)と機構(i−
2)とをこの順で併用した装置より、より低容量の電源
でより高電界を物体(A)に与えることができ検査に消
費するエネルギーを少なくでき音響も小さく、機構(i
−2)単独使用の装置では相対的に絶縁性が劣る部分が
観察されない様な物体(A)の検査にあっても高精度の
検査ができるし、共用にすることにより電源数も1台で
済み、装置全体もコンパクト化できる。
【0023】前者電極対としては、物体(A)の形状に
対応させて任意形状のものが採用できるが、例えばワイ
ヤー状電極、円筒状電極等が挙げられる。それら電極対
の間隙は、物体(A)が通過できる最小限の間隙があれ
ばよいが、その範囲で出来るだけ狭いほうが、後述する
電源として、より低圧のものが採用でき、機構(i)の
コンパクト化、検査に要する消費エネルギーを少なくで
きる等の理由で好ましい。
対応させて任意形状のものが採用できるが、例えばワイ
ヤー状電極、円筒状電極等が挙げられる。それら電極対
の間隙は、物体(A)が通過できる最小限の間隙があれ
ばよいが、その範囲で出来るだけ狭いほうが、後述する
電源として、より低圧のものが採用でき、機構(i)の
コンパクト化、検査に要する消費エネルギーを少なくで
きる等の理由で好ましい。
【0024】後者機構(i)における、外部光から遮蔽
するカバーとしては、例えば暗幕や光不透過性のプラス
チック製の筺体を使用できる。プラスチック製の筺体
が、直接電極に触れることもなく、万一火花が散っても
外部にそれが飛散しないように出来る点で好ましい。
するカバーとしては、例えば暗幕や光不透過性のプラス
チック製の筺体を使用できる。プラスチック製の筺体
が、直接電極に触れることもなく、万一火花が散っても
外部にそれが飛散しないように出来る点で好ましい。
【0025】静電荷を与える電極を有する帯電器として
は、例えば直接電源で物体(A)に向けてコロナ放電す
る様なもの、グリッドに電圧を加えておき、それを介し
てコロナ放電する様なものがいずれも使用できる。後者
の帯電器のほうが、物体(A)の均一帯電を行う上で好
ましい。
は、例えば直接電源で物体(A)に向けてコロナ放電す
る様なもの、グリッドに電圧を加えておき、それを介し
てコロナ放電する様なものがいずれも使用できる。後者
の帯電器のほうが、物体(A)の均一帯電を行う上で好
ましい。
【0026】前者後者いずれの機構(i)にも用いられ
る電源としては、交流・直流いずれでもよく、又、印加
電圧の大きさは被検査物である物体(A)に要求される
絶縁耐力に応じて決定されるべきである。
る電源としては、交流・直流いずれでもよく、又、印加
電圧の大きさは被検査物である物体(A)に要求される
絶縁耐力に応じて決定されるべきである。
【0027】また、機構(i)中の、電流が流れる部分
や末端部位には、必要であれば抵抗やアースを設けるこ
とが好ましい。
や末端部位には、必要であれば抵抗やアースを設けるこ
とが好ましい。
【0028】本発明の実施に当たっては、前記機構
(i)を固定して物体(A)を移動するようにして検査
を行ってもよいし、逆に物体(A)の位置を固定してお
き前記機構(i)を移動させて検査を行う様にしてもよ
い。勿論物体(A)の形状によっては、それを回転させ
ながら検査を行ってもよい。
(i)を固定して物体(A)を移動するようにして検査
を行ってもよいし、逆に物体(A)の位置を固定してお
き前記機構(i)を移動させて検査を行う様にしてもよ
い。勿論物体(A)の形状によっては、それを回転させ
ながら検査を行ってもよい。
【0029】前者の機構(i−1)のみを有する装置の
一例(要部)を図1に示し、後者の機構(i−2)と前
者機構(i−1)とをこの順に有する装置の一例(要
部)を図2に示した。
一例(要部)を図1に示し、後者の機構(i−2)と前
者機構(i−1)とをこの順に有する装置の一例(要
部)を図2に示した。
【0030】つぎに、上記機構(i)で予め拡大された
欠陥部分は、公知の外観表面を検査する機構(ii)で
検査することが出来る。機構(ii)は、手段(II)
同様視覚的に行われるのが好ましい。
欠陥部分は、公知の外観表面を検査する機構(ii)で
検査することが出来る。機構(ii)は、手段(II)
同様視覚的に行われるのが好ましい。
【0031】機構(ii)としては、当該物体(A)を
照射する光線の光源と、対物レンズと、物体(A)から
の光を受光するCCDカメラとを備えるものが挙げられ
る。
照射する光線の光源と、対物レンズと、物体(A)から
の光を受光するCCDカメラとを備えるものが挙げられ
る。
【0032】この光源は、物体(A)に向けて光線を照
射するものであり、赤外線、紫外線、可視光線等の各種
の波長の単波長・複合波長の光線が採用できる。中でも
可干渉性の可視光線を用いるのが好ましい。
射するものであり、赤外線、紫外線、可視光線等の各種
の波長の単波長・複合波長の光線が採用できる。中でも
可干渉性の可視光線を用いるのが好ましい。
【0033】また対物レンズは、前記光源からの照射光
の反射光を、後述するCCDカメラに結像させるための
ものである。倍率としては、1.1〜100倍のものが
適宜使用できる。必要なら接眼レンズを組み合わせて用
いても良い。
の反射光を、後述するCCDカメラに結像させるための
ものである。倍率としては、1.1〜100倍のものが
適宜使用できる。必要なら接眼レンズを組み合わせて用
いても良い。
【0034】前記CCDカメラは、前記結像された視覚
的情報を電気信号に変換するために用いられるものであ
る。このカメラの結像画像を直接観察して欠陥有無を検
査してもよいが、通常は、次いで、このカメラの電気出
力信号を、前記部分(a)で発生する反射光の情報を分
析する機構(例えば画像処理装置)に導入し、画像処理
することにより、物体(A)の欠陥有無を検査する。
的情報を電気信号に変換するために用いられるものであ
る。このカメラの結像画像を直接観察して欠陥有無を検
査してもよいが、通常は、次いで、このカメラの電気出
力信号を、前記部分(a)で発生する反射光の情報を分
析する機構(例えば画像処理装置)に導入し、画像処理
することにより、物体(A)の欠陥有無を検査する。
【0035】また例えば、拡大された欠陥部分(a)
に、光源からの光線が当たると、欠陥のない部分とは異
なった反射光強度が得られるので、カメラからの出力信
号を前記分析機構(画像処理装置)により分析すれば、
その強度大小により、欠陥の有無を電気的情報として検
査することもできる。
に、光源からの光線が当たると、欠陥のない部分とは異
なった反射光強度が得られるので、カメラからの出力信
号を前記分析機構(画像処理装置)により分析すれば、
その強度大小により、欠陥の有無を電気的情報として検
査することもできる。
【0036】尚、光源からの光線光路上には、例えば光
路に対して所定角度傾斜したハーフミラー(図示せず)
を設置する様にして、このハーフミラーにより、照射光
と反射光とを同軸となる様にすることができる。光路上
には、所定の間隔を置いて対物レンズが設け、この対物
レンズによって光路上を通ってきた光線が結像する位置
にCCDカメラを設置する様にするのが良い。
路に対して所定角度傾斜したハーフミラー(図示せず)
を設置する様にして、このハーフミラーにより、照射光
と反射光とを同軸となる様にすることができる。光路上
には、所定の間隔を置いて対物レンズが設け、この対物
レンズによって光路上を通ってきた光線が結像する位置
にCCDカメラを設置する様にするのが良い。
【0037】カメラからの電気出力信号は、画像処理装
置に導入する様にして、ビジュアルに表示させることが
出来る様にもできるし、その電気出力信号に一定の上限
及び下限しきい値を設定し、欠陥を自動で検出すること
ができる様にすることもできる。
置に導入する様にして、ビジュアルに表示させることが
出来る様にもできるし、その電気出力信号に一定の上限
及び下限しきい値を設定し、欠陥を自動で検出すること
ができる様にすることもできる。
【0038】物体(A)が、光透過性薄膜を有する被検
査物の場合には、光源から薄膜に向けて可干渉性光線を
照射し、前記光源からの照射光の薄膜表界面反射光と、
薄膜裏界面反射光とが合成されて生じる干渉光を、前記
対物レンズを通しCCDカメラに結像させて、前記カメ
ラの電気出力信号中の膜厚むらを有する欠陥部で発生す
る干渉縞の情報の有無から、薄膜の欠陥有無を検査する
こともできる。
査物の場合には、光源から薄膜に向けて可干渉性光線を
照射し、前記光源からの照射光の薄膜表界面反射光と、
薄膜裏界面反射光とが合成されて生じる干渉光を、前記
対物レンズを通しCCDカメラに結像させて、前記カメ
ラの電気出力信号中の膜厚むらを有する欠陥部で発生す
る干渉縞の情報の有無から、薄膜の欠陥有無を検査する
こともできる。
【0039】この場合には、帯域通過フィルターを用い
て、CCDカメラの電気出力信号に含まれるノイズ成分
を除去するのが有効である。
て、CCDカメラの電気出力信号に含まれるノイズ成分
を除去するのが有効である。
【0040】またCCDカメラの電気出力信号の一系統
を、平均値抽出回路に通過させ前記出力信号激xルの平
均値を抽出し、その出力を後記同期部平均値補充回路に
入力し、CCDカメラの電気出力信号のもう一系統も、
同期部平均値補充回路に入力し、当該補充回路中でカメ
ラの出力信号に含まれる同期信号を削除し、かつ削除さ
れた同期信号を前記抽出回路で抽出した平均値で補完し
て、補正された出力信号を得、当該補充回路の出力信号
を帯域通過フィルターに通過させてから、画像処理して
もよい。
を、平均値抽出回路に通過させ前記出力信号激xルの平
均値を抽出し、その出力を後記同期部平均値補充回路に
入力し、CCDカメラの電気出力信号のもう一系統も、
同期部平均値補充回路に入力し、当該補充回路中でカメ
ラの出力信号に含まれる同期信号を削除し、かつ削除さ
れた同期信号を前記抽出回路で抽出した平均値で補完し
て、補正された出力信号を得、当該補充回路の出力信号
を帯域通過フィルターに通過させてから、画像処理して
もよい。
【0041】さらに帯域通過フィルターの出力信号を、
整流回路及び低域通過フィルター回路がこの順に接続さ
れた包絡線検波回路に通過させてから、画像処理しても
よい。
整流回路及び低域通過フィルター回路がこの順に接続さ
れた包絡線検波回路に通過させてから、画像処理しても
よい。
【0042】この様なフィルターや回路を駆使した本発
明の装置は、CCDカメラ電気出力信号内の同期信号に
よって発生するノイズを低減でき、しかも、欠陥部での
検出ラベル数を減らし、画像処理部にかかる負担を軽減
できるという長所及び孤立性ノイズのレベルを低減でき
るという効果をも有している。
明の装置は、CCDカメラ電気出力信号内の同期信号に
よって発生するノイズを低減でき、しかも、欠陥部での
検出ラベル数を減らし、画像処理部にかかる負担を軽減
できるという長所及び孤立性ノイズのレベルを低減でき
るという効果をも有している。
【0043】また、検出しなければならない欠陥部分
(a)の大きさは、要求される検出精度、検出ラベル数
多少、装置の処理能力を考慮して適宜調節すればよい。
(a)の大きさは、要求される検出精度、検出ラベル数
多少、装置の処理能力を考慮して適宜調節すればよい。
【0044】
【作用】本発明によれば、電界印加手段によって、外観
上からは見えなかった内部欠陥が、電気絶縁破壊によっ
て顕在化し、外観検査手段によって検出されるようにな
る。
上からは見えなかった内部欠陥が、電気絶縁破壊によっ
て顕在化し、外観検査手段によって検出されるようにな
る。
【0045】ごく小さなピンホール欠陥の場合では、通
常の外観検査手段では合格とされていたものでも、電気
絶縁破壊の際の火花放電によってピンホール部分が拡大
され、より容易に検出されるようになる。
常の外観検査手段では合格とされていたものでも、電気
絶縁破壊の際の火花放電によってピンホール部分が拡大
され、より容易に検出されるようになる。
【0046】電界を印加する前後で外観検査し、電界を
印加後の電気絶縁破壊によって新たに出現した表面欠陥
を調べることにより、潜在欠陥位置を特定できるように
なる。
印加後の電気絶縁破壊によって新たに出現した表面欠陥
を調べることにより、潜在欠陥位置を特定できるように
なる。
【0047】これらの潜在欠陥位置に関する情報は、従
来の欠陥検査装置では提供できなかった新しい工程管理
情報を提供できる。
来の欠陥検査装置では提供できなかった新しい工程管理
情報を提供できる。
【0048】
【実施例】次に本発明を実施例により詳細に説明する。
【0049】実施例1 図1では、シート状の長尺電気絶縁性物体を移動させな
がら検査する装置の一例を示した。図1は本発明装置の
斜視図である。
がら検査する装置の一例を示した。図1は本発明装置の
斜視図である。
【0050】図1において、数字1は被検査物であるシ
ート状の電気絶縁性物体(A)、数字2は直流高圧電
源、数字3と4は前記シート状物体に電界を与えるため
の対向させた電極対であり、数字3は回転可能な円筒棒
状の電極、数字5は直径100μmのタングステン製の
ワイヤー状電極、数字4は前記ワイヤー状電極を支える
支持体である。
ート状の電気絶縁性物体(A)、数字2は直流高圧電
源、数字3と4は前記シート状物体に電界を与えるため
の対向させた電極対であり、数字3は回転可能な円筒棒
状の電極、数字5は直径100μmのタングステン製の
ワイヤー状電極、数字4は前記ワイヤー状電極を支える
支持体である。
【0051】また数字6及び7はシートのばたつきを抑
制するためのガイドロール、数字8は電気絶縁破壊が発
生した時の電流を抑制するための抵抗、数字9は電界領
域を通過した後のシート表面を撮影するCCDカメラ、
数字10はCCDカメラからの信号を処理する画像処理
装置を示している。
制するためのガイドロール、数字8は電気絶縁破壊が発
生した時の電流を抑制するための抵抗、数字9は電界領
域を通過した後のシート表面を撮影するCCDカメラ、
数字10はCCDカメラからの信号を処理する画像処理
装置を示している。
【0052】シート状物体としては幅500mmの長尺
ものを使用し、前記ワイヤー状電極としては直径100
μm×長さ480mmのものを使用し、円筒棒状電極と
しては前記シート状物体と同じ幅のものを用いた。ま
た、両電極に印加する電圧は10kVとし、前記ワイヤ
ー状電極を固定する高さは、円筒棒状電極の上方5mm
位となる様に調節した。
ものを使用し、前記ワイヤー状電極としては直径100
μm×長さ480mmのものを使用し、円筒棒状電極と
しては前記シート状物体と同じ幅のものを用いた。ま
た、両電極に印加する電圧は10kVとし、前記ワイヤ
ー状電極を固定する高さは、円筒棒状電極の上方5mm
位となる様に調節した。
【0053】上部に設けられた棒状電極表面近傍の電界
の強さを、空気が絶縁破壊する電界30kV/cmを大
きく超過し、その作用によって棒状電極側からはコロナ
が定常的に発生する様にした。
の強さを、空気が絶縁破壊する電界30kV/cmを大
きく超過し、その作用によって棒状電極側からはコロナ
が定常的に発生する様にした。
【0054】光源(図示せず)からの光線光路上には、
光路に対して所定角度傾斜したハーフミラー(図示せ
ず)を設置した。このハーフミラーにより、照射光と反
射光とを同軸となる様にしてある。光路上には、所定の
間隔を置いて対物レンズが設けられ、この対物レンズに
よって光路上を通ってきた光線が結像する位置にCCD
カメラ9を設置した。
光路に対して所定角度傾斜したハーフミラー(図示せ
ず)を設置した。このハーフミラーにより、照射光と反
射光とを同軸となる様にしてある。光路上には、所定の
間隔を置いて対物レンズが設けられ、この対物レンズに
よって光路上を通ってきた光線が結像する位置にCCD
カメラ9を設置した。
【0055】カメラ9からの電気出力信号は、画像処理
装置10に導入する様にして、ビジュアルに表示させる
ことが出来る様にした。また、視覚的に検査するのでな
く、電気出力信号に一定の上限及び下限しきい値を設定
し、欠陥を自動で検出することができる様にした。
装置10に導入する様にして、ビジュアルに表示させる
ことが出来る様にした。また、視覚的に検査するのでな
く、電気出力信号に一定の上限及び下限しきい値を設定
し、欠陥を自動で検出することができる様にした。
【0056】次に、大きさが10〜30μm程度のごく
小さなピンホールが存在することが予め分かっているシ
ート状絶縁性物体を、本装置の取り付けて、図1の中に
示した矢印の方向に当該シート状物体を移動し、通過さ
せたところ、そのピンホールが円筒棒状電極上に来た位
置で、音響を伴った火花放電が観測された。
小さなピンホールが存在することが予め分かっているシ
ート状絶縁性物体を、本装置の取り付けて、図1の中に
示した矢印の方向に当該シート状物体を移動し、通過さ
せたところ、そのピンホールが円筒棒状電極上に来た位
置で、音響を伴った火花放電が観測された。
【0057】通過後のピンホール部分は、その際の発生
熱により周辺が溶融炭化し、大きさが200μmほどに
も拡大していたのが視覚的に観察できた。電気出力信号
の大小に基づく適当なしきい値で、欠陥有無を検査でき
た。
熱により周辺が溶融炭化し、大きさが200μmほどに
も拡大していたのが視覚的に観察できた。電気出力信号
の大小に基づく適当なしきい値で、欠陥有無を検査でき
た。
【0058】例えば、最小検出サイズは100μmの外
観検査装置を用いた場合には、前記10〜30μmのピ
ンホールは、通常では決して検出されない欠陥である
が、絶縁破壊の際の欠陥拡大によって容易に検出するこ
とができるようになった。
観検査装置を用いた場合には、前記10〜30μmのピ
ンホールは、通常では決して検出されない欠陥である
が、絶縁破壊の際の欠陥拡大によって容易に検出するこ
とができるようになった。
【0059】本実施例の検査装置では、上記微小ピンホ
ールやシート状物体内部に潜在する欠陥と共に、通常の
外観上の表面欠陥も検出することができた。この装置
は、被検査物が振動しても欠陥の検出を行うことができ
た。逆に振動しない様に設置したこの装置では、潜在欠
陥位置を特定できた。
ールやシート状物体内部に潜在する欠陥と共に、通常の
外観上の表面欠陥も検出することができた。この装置
は、被検査物が振動しても欠陥の検出を行うことができ
た。逆に振動しない様に設置したこの装置では、潜在欠
陥位置を特定できた。
【0060】実施例2 電界の印加手段として、前記実施例1の様な、主として
電極によって直接電界を加える方法の他に、第1プロセ
スとして電気絶縁性物体表面への帯電過程を経て、それ
によって生じた表面電荷が形成する電界によって絶縁破
壊を生じせしめ、しかる後に、第2プロセスとして前記
実施例1の場合同様のワイヤー電極によって、火花放電
を生じせしめ、外観上識別しにくい欠陥部を拡大及び可
視化して行う検査方法を、次に示す。本実施例2では、
導電性物体を絶縁性物質で被覆したものに該当する感光
体ドラムの検査を例に説明する。
電極によって直接電界を加える方法の他に、第1プロセ
スとして電気絶縁性物体表面への帯電過程を経て、それ
によって生じた表面電荷が形成する電界によって絶縁破
壊を生じせしめ、しかる後に、第2プロセスとして前記
実施例1の場合同様のワイヤー電極によって、火花放電
を生じせしめ、外観上識別しにくい欠陥部を拡大及び可
視化して行う検査方法を、次に示す。本実施例2では、
導電性物体を絶縁性物質で被覆したものに該当する感光
体ドラムの検査を例に説明する。
【0061】図2は、本発明装置の一例の断面図であ
る。図2中、数字11は円筒状感光体ドラム、数字11
aは感光体層、数字11bはアルミニウム管(導電体支
持体)、数字12は公知の帯電器、数字13は帯電プロ
セスを暗所で行うための光遮蔽の役割を果たすと同時に
安全のために設けたプラスチック製シールドカバーであ
る。電源14により帯電器12中のワイヤー状電極(数
字12の帯電器の逆凹部内部に点で示されている)から
は、コロナ放電が起こる様になっている。
る。図2中、数字11は円筒状感光体ドラム、数字11
aは感光体層、数字11bはアルミニウム管(導電体支
持体)、数字12は公知の帯電器、数字13は帯電プロ
セスを暗所で行うための光遮蔽の役割を果たすと同時に
安全のために設けたプラスチック製シールドカバーであ
る。電源14により帯電器12中のワイヤー状電極(数
字12の帯電器の逆凹部内部に点で示されている)から
は、コロナ放電が起こる様になっている。
【0062】ドラムは図2の中で示した矢印の方向に回
転する様にした。感光体ドラム表面の帯電電位は、帯電
器のグリッド(数字12の帯電器の逆凹部に示した点線
部分)に加える電圧Vgにほぼ等しくなる様にした。電
圧Vgは電源14によって供給した。電圧Vgの値とし
ては、その感光体ドラムが実際に使用されるプリンタの
中での使用条件より、少し高めの値にするのが望ましい
ので、その様にした。
転する様にした。感光体ドラム表面の帯電電位は、帯電
器のグリッド(数字12の帯電器の逆凹部に示した点線
部分)に加える電圧Vgにほぼ等しくなる様にした。電
圧Vgは電源14によって供給した。電圧Vgの値とし
ては、その感光体ドラムが実際に使用されるプリンタの
中での使用条件より、少し高めの値にするのが望ましい
ので、その様にした。
【0063】図2の中の数字16は直径100μmのタ
ングステン製ワイヤー状電極であり、ドラム表面との距
離は3mmとした。数字17は、ドラムが回転しながら
でも通電できるようにするための接触子である。
ングステン製ワイヤー状電極であり、ドラム表面との距
離は3mmとした。数字17は、ドラムが回転しながら
でも通電できるようにするための接触子である。
【0064】本実施例において、第1プロセスである帯
電過程では電圧Vcを7kV、電圧Vgを2kVとし、
第2プロセスである火花放電による可視化過程では電圧
Vbを6.5kVとして実施した。尚、物体検査手段
(ii)としては、実施例1と同様な機構を採用した。
電過程では電圧Vcを7kV、電圧Vgを2kVとし、
第2プロセスである火花放電による可視化過程では電圧
Vbを6.5kVとして実施した。尚、物体検査手段
(ii)としては、実施例1と同様な機構を採用した。
【0065】同一の材料を用いて、感光層の塗膜厚さだ
けを8μm、20μmに変えたドラムをそれぞれ100
本ずつ作製し、電界を印加する前後で外観上の表面検査
をした。電界印加を行わないで検査した場合には、いず
れのドラムも外観上の欠陥はないという結果となった。
けを8μm、20μmに変えたドラムをそれぞれ100
本ずつ作製し、電界を印加する前後で外観上の表面検査
をした。電界印加を行わないで検査した場合には、いず
れのドラムも外観上の欠陥はないという結果となった。
【0066】一方、電界印加を行った場合には、それに
よってピンホール状欠陥が新たに出現した割合が、それ
ぞれ70%、5%という結果を得た。上記実施条件の下
では、帯電終了後に感光体層11aが受ける電界強度
は、感光層膜厚が8μm、20μmのそれぞれに対応
し、2500kV/cm、1000kV/cmとなる。
よってピンホール状欠陥が新たに出現した割合が、それ
ぞれ70%、5%という結果を得た。上記実施条件の下
では、帯電終了後に感光体層11aが受ける電界強度
は、感光層膜厚が8μm、20μmのそれぞれに対応
し、2500kV/cm、1000kV/cmとなる。
【0067】通常、この程度の電界の強さでは、正常部
分の感光層塗膜ならば、絶縁破壊に至ることはないと思
われるが、その塗膜が薄くなるに従い、下層の導電体支
持体自体が有する微小突起が、電気的弱点(即ち正常部
分に対して絶縁性が劣る部分)として作用する確率が高
くなったため、上記の如くの結果が得られたのであろう
と推測された。
分の感光層塗膜ならば、絶縁破壊に至ることはないと思
われるが、その塗膜が薄くなるに従い、下層の導電体支
持体自体が有する微小突起が、電気的弱点(即ち正常部
分に対して絶縁性が劣る部分)として作用する確率が高
くなったため、上記の如くの結果が得られたのであろう
と推測された。
【0068】この装置は、被検査物が振動しても欠陥の
検出を行うことができた。逆に振動しない様に設置した
この装置では、潜在欠陥位置を特定できた。
検出を行うことができた。逆に振動しない様に設置した
この装置では、潜在欠陥位置を特定できた。
【0069】さらにこの検査装置では、上記微小ピンホ
ールやシート状物体内部に潜在する欠陥と共に、通常の
外観上の表面欠陥も検出することができた。光源として
可干渉光線を用いて、干渉縞から塗膜膜厚ムラを検出す
ることもできた。
ールやシート状物体内部に潜在する欠陥と共に、通常の
外観上の表面欠陥も検出することができた。光源として
可干渉光線を用いて、干渉縞から塗膜膜厚ムラを検出す
ることもできた。
【0070】
【発明の効果】本発明では、欠陥部分の電気絶縁性に着
目して、当該部分を絶縁破壊させて、当該部分をより顕
在化させてから、検査を行うので、従来の外観上の表面
検査方法では検出されない被検査物内部に潜在する電気
的絶縁欠陥や、ミクロンオーダーのごく小さな欠陥も確
実に検出することを実現できるという格別顕著な効果を
奏する。
目して、当該部分を絶縁破壊させて、当該部分をより顕
在化させてから、検査を行うので、従来の外観上の表面
検査方法では検出されない被検査物内部に潜在する電気
的絶縁欠陥や、ミクロンオーダーのごく小さな欠陥も確
実に検出することを実現できるという格別顕著な効果を
奏する。
【図1】実施例1で用いたシート状電気絶縁性物体の検
査装置一例の斜視図である。
査装置一例の斜視図である。
【図2】実施例2で用いたOPC感光体ドラムの検査装
置一例の断面図である。
置一例の断面図である。
1 シート状電気絶縁物体 2 高圧直流電源(絶縁破壊用) 3 円筒棒状電極 4 ワイヤー状電極 5 ワイヤー状電極の絶縁性支持体 6 ガイドロール 7 ガイトロール 8 放電電流抑制抵抗 9 CCDカメラ 10 画像処理装置 11 OPC感光体ドラム 11a 感光体層 11b 導電体支持体 12 帯電器 13 シールドカバー(兼光遮蔽板) 14 高圧直流電源(コロナ発生用) 15 高圧直流電源(帯電電圧用) 16 タングステン製ワイヤー状電極 17 接触子
Claims (8)
- 【請求項1】被検査物である電気絶縁性物体(A)に電
界を印加する手段(I)と、前記電界を印加後、所定の
時間経過後に、前記物体(A)の外観表面を検査する手
段(II)とを有し、前記物体(A)に相対的に絶縁性
が劣る部分(a)があった場合に、前記手段(I)によ
って当該部分(a)を絶縁破壊せしめ、その際に出現す
る拡大された欠陥を、前記手段(II)によって検査す
ることを特徴とする欠陥検査方法。 - 【請求項2】電界を印加する手段(I)が、電極対によ
り物体(A)に直接的に電界を印加する手段、又は、帯
電器により物体(A)に間接的に電界を印加する手段で
ある請求項1記載の検査方法。 - 【請求項3】電界を印加する手段(I)が、電極対によ
り物体(A)に直接的に電界を印加する手段のみ、又
は、帯電器により物体(A)に間接的に電界を印加する
手段と電極対により物体(A)に直接的に電界を印加す
る手段とをこの順に併用した手段である請求項1記載の
検査方法。 - 【請求項4】被検査物である電気絶縁性物体(A)に電
界を印加する機構(i)と、前記電界を印加後、所定の
時間経過後に、前記物体(A)の外観表面を検査する機
構(ii)とを有し、前記物体(A)に相対的に絶縁性
が劣る部分(a)があった場合に、前記機構(i)によ
って当該部分(a)を絶縁破壊せしめ、その際に出現す
る拡大された欠陥を、前記機構(ii)によって検査す
ることを特徴とする欠陥検査装置。 - 【請求項5】被検査物である電気絶縁性物体(A)に電
界を印加する機構(i)と、前記電界を印加後、所定の
時間経過後に、当該物体(A)を照射する光線の光源
と、対物レンズと、物体(A)からの光を受光するCC
Dカメラとを備える機構(ii)からなる、前記物体
(A)に相対的に絶縁性が劣る部分(a)があった場合
に、前記機構(i)によって当該部分(a)を絶縁破壊
せしめ、その際に出現する拡大された欠陥を、前記機構
(ii)によって検査する物体(A)の欠陥検査装置で
あって、機構(ii)が、光源から物体(A)に向けて
光線を照射する機構、前記光源からの照射光の反射光
を、前記対物レンズを通しCCDカメラに結像させる機
構、前記CCDカメラの電気出力信号中の、前記部分
(a)で発生する反射光の情報から物体(A)の欠陥有
無を検査する機構を有する、物体(A)の欠陥検査装
置。 - 【請求項6】電界を印加する機構(i)が、被検査物で
ある電気絶縁性物体(A)が通過できる様な間隙を挟ん
で設けられた電極対と、それら電極対間に電界を生じさ
せるための電源とからなる請求項3又は4記載の装置。 - 【請求項7】電界を印加する機構(i)が、被検査物で
ある電気絶縁性物体(A)を外部光から遮蔽するカバー
と、当該物体(A)に静電荷を与える電極を有する帯電
器と、前記帯電器を作動させる電源とからなる請求項3
又は4記載の装置。 - 【請求項8】電界を印加する機構(i)が、被検査物で
ある電気絶縁性物体(A)が通過できる様な間隙を挟ん
で設けられた電極対と、それら電極対間に電界を生じさ
せるための電源とからなる機構(i−1)と、被検査物
である電気絶縁性物体(A)を外部光から遮蔽するカバ
ーと、当該物体(A)に静電荷を与える電極を有する帯
電器と、前記帯電器を作動させる電源とからなる機構
(i−2)とからなり、機構(i−2)と機構(i−
1)とをこの順に設け検査できる様にし、各機構の電源
を共用とした請求項3又は4記載の装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15604995A JPH095302A (ja) | 1995-06-22 | 1995-06-22 | 欠陥検査方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15604995A JPH095302A (ja) | 1995-06-22 | 1995-06-22 | 欠陥検査方法及び装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH095302A true JPH095302A (ja) | 1997-01-10 |
Family
ID=15619204
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15604995A Pending JPH095302A (ja) | 1995-06-22 | 1995-06-22 | 欠陥検査方法及び装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH095302A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999008853A1 (fr) * | 1997-08-14 | 1999-02-25 | Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha | Film aramide et son utilisation, son procede de fabrication, detection de trous d'epingle dans le film et dispositif de detection |
JP2001141659A (ja) * | 1999-11-11 | 2001-05-25 | Ricoh Co Ltd | 画像撮像装置及び欠陥検出装置 |
JP2002189021A (ja) * | 2000-12-22 | 2002-07-05 | Nihon Tetra Pak Kk | 品質検査装置 |
JP2012109114A (ja) * | 2010-11-17 | 2012-06-07 | Denso Corp | 絶縁碍子の検査方法 |
CN105424706A (zh) * | 2014-09-12 | 2016-03-23 | 昭和电工包装株式会社 | 电化学设备用外装膜的检查方法 |
-
1995
- 1995-06-22 JP JP15604995A patent/JPH095302A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999008853A1 (fr) * | 1997-08-14 | 1999-02-25 | Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha | Film aramide et son utilisation, son procede de fabrication, detection de trous d'epingle dans le film et dispositif de detection |
JP2001141659A (ja) * | 1999-11-11 | 2001-05-25 | Ricoh Co Ltd | 画像撮像装置及び欠陥検出装置 |
JP2002189021A (ja) * | 2000-12-22 | 2002-07-05 | Nihon Tetra Pak Kk | 品質検査装置 |
JP2012109114A (ja) * | 2010-11-17 | 2012-06-07 | Denso Corp | 絶縁碍子の検査方法 |
CN105424706A (zh) * | 2014-09-12 | 2016-03-23 | 昭和电工包装株式会社 | 电化学设备用外装膜的检查方法 |
JP2016057271A (ja) * | 2014-09-12 | 2016-04-21 | 昭和電工パッケージング株式会社 | 電気化学デバイス用外装フィルムの検査方法 |
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