JPH0952845A - 保存安定性の高められた酵素含有内服液剤 - Google Patents
保存安定性の高められた酵素含有内服液剤Info
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- JPH0952845A JPH0952845A JP7227386A JP22738695A JPH0952845A JP H0952845 A JPH0952845 A JP H0952845A JP 7227386 A JP7227386 A JP 7227386A JP 22738695 A JP22738695 A JP 22738695A JP H0952845 A JPH0952845 A JP H0952845A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明の目的は、保存安定性の高められた酵素
含有内服液剤を提供することである。 【構成】本発明は、脂肪消化酵素剤に高濃度の糖類とカ
ルシウム剤を又は高濃度の糖類とカルシウム剤と生薬水
溶成分とをそれぞれ配合してなる保存安定性の高められ
た酵素含有内服液剤に関する。
含有内服液剤を提供することである。 【構成】本発明は、脂肪消化酵素剤に高濃度の糖類とカ
ルシウム剤を又は高濃度の糖類とカルシウム剤と生薬水
溶成分とをそれぞれ配合してなる保存安定性の高められ
た酵素含有内服液剤に関する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酵素含有内服液剤に関
するものであり、更に詳細には、脂肪消化酵素剤に高濃
度の糖類とカルシウム剤を又は高濃度の糖類とカルシウ
ム剤と生薬水溶成分とをそれぞれ配合してなる保存安定
性の高められた酵素含有内服液剤に関する。
するものであり、更に詳細には、脂肪消化酵素剤に高濃
度の糖類とカルシウム剤を又は高濃度の糖類とカルシウ
ム剤と生薬水溶成分とをそれぞれ配合してなる保存安定
性の高められた酵素含有内服液剤に関する。
【0002】本発明の酵素含有内服液剤は、消化酵素剤
による消化不良やこれに起因する胃もたれ、胸つかえな
どに対しての有効作用を有しており、更に生薬水溶成分
を配合した場合には、生薬成分による健胃効果をも併せ
持つ内服胃腸薬として用いられる。
による消化不良やこれに起因する胃もたれ、胸つかえな
どに対しての有効作用を有しており、更に生薬水溶成分
を配合した場合には、生薬成分による健胃効果をも併せ
持つ内服胃腸薬として用いられる。
【0003】
【従来の技術】一般に、消化酵素剤はpH、温度、配合成
分などの影響を受けやすく、溶液中では、特に不安定で
ある為、これまで、胃腸薬の内服液剤には消化酵素剤は
配合されておらず、製品化されたものは、生薬を主成分
とする健胃剤であり、その為、健胃効果は期待できる
が、消化不良やこれに起因する胃もたれ、胸つかえなど
に対しては、十分な作用効果を発揮できないものであっ
た。
分などの影響を受けやすく、溶液中では、特に不安定で
ある為、これまで、胃腸薬の内服液剤には消化酵素剤は
配合されておらず、製品化されたものは、生薬を主成分
とする健胃剤であり、その為、健胃効果は期待できる
が、消化不良やこれに起因する胃もたれ、胸つかえなど
に対しては、十分な作用効果を発揮できないものであっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】酵素含有内服液剤は、
服用し易く、且つ効き目が迅速であるが、しかし、配合
された消化酵素剤が溶液の状態で保存すると不安定のた
め、その商品化は困難であった。
服用し易く、且つ効き目が迅速であるが、しかし、配合
された消化酵素剤が溶液の状態で保存すると不安定のた
め、その商品化は困難であった。
【0005】本発明者らは、先に、酵素含有生薬内服用
液剤を発明した(特開平5-194262号)が、これに配合さ
れた酵素剤のうち、澱粉消化酵素剤以外の消化酵素剤
は、依然として保存すると不安定であった。即ち、生薬
と安定化剤の糖類及びカルシウム剤を配合した場合、で
んぷん消化酵素剤の40℃、2ヶ月間の経変での残存活性
は約90%であるが、蛋白消化酵素剤及び脂肪消化酵素剤
の場合は、約40%にすぎなかった。
液剤を発明した(特開平5-194262号)が、これに配合さ
れた酵素剤のうち、澱粉消化酵素剤以外の消化酵素剤
は、依然として保存すると不安定であった。即ち、生薬
と安定化剤の糖類及びカルシウム剤を配合した場合、で
んぷん消化酵素剤の40℃、2ヶ月間の経変での残存活性
は約90%であるが、蛋白消化酵素剤及び脂肪消化酵素剤
の場合は、約40%にすぎなかった。
【0006】従って、でんぷん消化酵素剤以外の他の消
化酵素剤が安定に保たれた酵素含有内服液剤が依然とし
て要求されていた。
化酵素剤が安定に保たれた酵素含有内服液剤が依然とし
て要求されていた。
【0007】
【問題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
脂肪消化酵素剤が安定に保たれた酵素含有内服液剤を得
るために鋭意研究を重ねた結果、安定化剤として高濃度
の糖類及びカルシウム剤を配合することによって脂肪消
化酵素剤の保存安定性を著しく高めることに成功すると
ともに、更に又、従来、生薬と消化酵素剤との配合は、
該酵素剤の保存安定性を損ねると考えられていたが、意
外にも特定の生薬水溶性成分に関しては、脂肪消化酵素
剤をむしろ安定化する作用があることを初めて見い出し
た。
脂肪消化酵素剤が安定に保たれた酵素含有内服液剤を得
るために鋭意研究を重ねた結果、安定化剤として高濃度
の糖類及びカルシウム剤を配合することによって脂肪消
化酵素剤の保存安定性を著しく高めることに成功すると
ともに、更に又、従来、生薬と消化酵素剤との配合は、
該酵素剤の保存安定性を損ねると考えられていたが、意
外にも特定の生薬水溶性成分に関しては、脂肪消化酵素
剤をむしろ安定化する作用があることを初めて見い出し
た。
【0008】本発明者は、それらの知見を基に、脂肪消
化酵素剤に安定化剤として高濃度の糖類とカルシウム
剤、又は、高濃度の糖類とカルシウム剤と生薬水溶性成
分とを更に組み合わせて配合することにより本発明を完
成した。
化酵素剤に安定化剤として高濃度の糖類とカルシウム
剤、又は、高濃度の糖類とカルシウム剤と生薬水溶性成
分とを更に組み合わせて配合することにより本発明を完
成した。
【0009】即ち、本発明は、脂肪消化酵素剤に高濃度
の糖類とカルシウム剤を、又は脂肪消化酵素剤に高濃度
の糖類とカルシウム剤と生薬水溶性成分とをそれぞれ配
合されてなる保存安定性の高められた酵素含有内服液剤
である。
の糖類とカルシウム剤を、又は脂肪消化酵素剤に高濃度
の糖類とカルシウム剤と生薬水溶性成分とをそれぞれ配
合されてなる保存安定性の高められた酵素含有内服液剤
である。
【0010】本発明の酵素含有内服液剤は、冷所保存で
は無論のこと、過酷な条件下でも顕著な保存安定性を示
し、長期にわたってその薬効を維持することができるも
のである。
は無論のこと、過酷な条件下でも顕著な保存安定性を示
し、長期にわたってその薬効を維持することができるも
のである。
【0011】本発明の酵素含有内服液剤に配合される消
化酵素剤としては、医薬用として用いられる脂肪消化酵
素剤があげられる。
化酵素剤としては、医薬用として用いられる脂肪消化酵
素剤があげられる。
【0012】脂肪消化酵素剤としては、動物起源、植物
起源及び微生物起源等の何れの脂肪消化酵素剤も使用で
きる。具体的に例示すれば、リパーゼAP4、リパーゼAP
6、リパーゼMAP(何れも天野製薬社製品)、リパーゼMY
(名糖産業社製品)等があげられる。その配合割合は、
脂肪消化酵素剤が実質的に作用する量であれば特にかま
わないが、好ましくは、1日当たりの最低用量が50単位
以上であればよい。
起源及び微生物起源等の何れの脂肪消化酵素剤も使用で
きる。具体的に例示すれば、リパーゼAP4、リパーゼAP
6、リパーゼMAP(何れも天野製薬社製品)、リパーゼMY
(名糖産業社製品)等があげられる。その配合割合は、
脂肪消化酵素剤が実質的に作用する量であれば特にかま
わないが、好ましくは、1日当たりの最低用量が50単位
以上であればよい。
【0013】そして、脂肪消化酵素剤に配合される安定
化剤としては、糖類とカルシウム剤の2つ又は、糖類と
カルシウム剤と生薬水溶性成分との3つを組み合わせた
ものである。
化剤としては、糖類とカルシウム剤の2つ又は、糖類と
カルシウム剤と生薬水溶性成分との3つを組み合わせた
ものである。
【0014】糖類の具体例を挙げれば、ぶどう糖、白糖
が特に好ましいが、このほかにも麦芽糖、ソルビトー
ル、キシリトール等があげられる。これらの配合割合
は、その添加効果が示される量で有れば特に制限はない
が、内服液剤中に30%W/V以上になると糖類の水への溶
解性が困難となるので、通常は10〜30W/V%で配合され
る。そして単独のみならず複数の糖をそれぞれ組み合わ
せて用いることも可能である。
が特に好ましいが、このほかにも麦芽糖、ソルビトー
ル、キシリトール等があげられる。これらの配合割合
は、その添加効果が示される量で有れば特に制限はない
が、内服液剤中に30%W/V以上になると糖類の水への溶
解性が困難となるので、通常は10〜30W/V%で配合され
る。そして単独のみならず複数の糖をそれぞれ組み合わ
せて用いることも可能である。
【0015】また、カルシウム剤を具体的に例示すれ
ば、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、グリセロリン酸
カルシウム、グルコン酸カルシウム等があげられる。こ
れらの配合割合は、その添加効果が示される量で有れば
特に制限されるものではないが、内服液剤中に1%を越
えると実用的ではないので、通常は0.1〜1.0W/V%の範
囲で使用される。そして単独のみならず複数のカルシウ
ム剤をそれぞれ組み合わせて用いることも可能である。
ば、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、グリセロリン酸
カルシウム、グルコン酸カルシウム等があげられる。こ
れらの配合割合は、その添加効果が示される量で有れば
特に制限されるものではないが、内服液剤中に1%を越
えると実用的ではないので、通常は0.1〜1.0W/V%の範
囲で使用される。そして単独のみならず複数のカルシウ
ム剤をそれぞれ組み合わせて用いることも可能である。
【0016】本発明の酵素含有内服液剤に配合される生
薬水溶性成分としては、本願発明者が初めて脂肪消化酵
素剤に安定化効果を有することを見い出したものであ
り、これらの生薬水溶性成分としては、ケイヒ、チョウ
ジ、ゲンチアナ、ニンジン等の各エキス、各流エキス又
は各チンキの健胃生薬があげられ、その中でも特に好ま
しくは、ケイヒ、チョウジの各エキス、各流エキス又は
各チンキである。
薬水溶性成分としては、本願発明者が初めて脂肪消化酵
素剤に安定化効果を有することを見い出したものであ
り、これらの生薬水溶性成分としては、ケイヒ、チョウ
ジ、ゲンチアナ、ニンジン等の各エキス、各流エキス又
は各チンキの健胃生薬があげられ、その中でも特に好ま
しくは、ケイヒ、チョウジの各エキス、各流エキス又は
各チンキである。
【0017】生薬水溶性成分の配合割合は、効果が発揮
されればよく特に制限されるものではないが、通常の使
用量としては、0.2〜10.0W/V%であり、これらの生薬水
溶性成分は、単独で用いても2種以上を組み合わせて用
いてもよい。
されればよく特に制限されるものではないが、通常の使
用量としては、0.2〜10.0W/V%であり、これらの生薬水
溶性成分は、単独で用いても2種以上を組み合わせて用
いてもよい。
【0018】尚、酵素含有内服液剤には、酵素剤の安定
化に悪影響を与えず、且つ矯味を減じない限り、上記の
配合剤に、更に防腐剤(例えば、安息香酸ナトリウム、
エチルアルコール)、懸濁剤〔例えば、ポリビニルピロ
リドンK25(PVP K25)、ポリビニルピロリドンK30(PVP
K30)、ポリビニルピロリドンK90(PVP K90)〕、芳香
剤(例えばl−メントール)、制酸剤(例えば、沈降炭
酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミ
ニウム)、利胆剤(例えば、ウルソデスオキシコール
酸)及びその他の成分(例えば、アミノ酢酸、キサンタ
ンガム等)も配合可能である。
化に悪影響を与えず、且つ矯味を減じない限り、上記の
配合剤に、更に防腐剤(例えば、安息香酸ナトリウム、
エチルアルコール)、懸濁剤〔例えば、ポリビニルピロ
リドンK25(PVP K25)、ポリビニルピロリドンK30(PVP
K30)、ポリビニルピロリドンK90(PVP K90)〕、芳香
剤(例えばl−メントール)、制酸剤(例えば、沈降炭
酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミ
ニウム)、利胆剤(例えば、ウルソデスオキシコール
酸)及びその他の成分(例えば、アミノ酢酸、キサンタ
ンガム等)も配合可能である。
【0019】上記の各成分を通常の手段で溶解し、必要
ならば、無菌ろ過処理した後容器に充填することによ
り、本発明の酵素含有内服液剤を調製することができ
る。
ならば、無菌ろ過処理した後容器に充填することによ
り、本発明の酵素含有内服液剤を調製することができ
る。
【0020】次に試験例並びに実施例を挙げて本発明を
説明するが、本発明はこれらにより限定されるものでは
ない。
説明するが、本発明はこれらにより限定されるものでは
ない。
【0021】尚、本発明の試験例及び実施例で使用した
脂肪消化力の測定法並びに脂肪消化酵素剤の保存安定性
を以下に示す。
脂肪消化力の測定法並びに脂肪消化酵素剤の保存安定性
を以下に示す。
【0022】脂肪消化力測定:脂肪消化酵素がオリーブ
油乳化液を基質とし37℃(pH6.0)、20分作用すると
き、1分間に1μmolの脂肪酸を遊離する酵素量を1単
位とする。
油乳化液を基質とし37℃(pH6.0)、20分作用すると
き、1分間に1μmolの脂肪酸を遊離する酵素量を1単
位とする。
【0023】脂肪消化酵素剤の保存安定性: 1)耐熱安定性:酵素含有試料液を60℃、30分処理し、
該処理後の脂肪消化力を、無処理の場合の脂肪消化力を
100とした場合のパーセント比で示す。 2)経変安定性:60℃、30分処理後の酵素含有試料液の
脂肪消化力を100とし、該処理液の40℃での一定期間経
過後の脂肪消化力をパーセント比で示す。
該処理後の脂肪消化力を、無処理の場合の脂肪消化力を
100とした場合のパーセント比で示す。 2)経変安定性:60℃、30分処理後の酵素含有試料液の
脂肪消化力を100とし、該処理液の40℃での一定期間経
過後の脂肪消化力をパーセント比で示す。
【0024】試験例1 脂肪消化酵素剤の安定性に及ぼ
すpH及びカルシウム剤の影響
すpH及びカルシウム剤の影響
【0025】下記の処方に塩化カルシウム1%を配合した
もの及び塩化カルシウムを配合しないものの各々につい
て、pH4.0及びpH5.0における保存安定性を調べた。その
結果は、表1に示される。
もの及び塩化カルシウムを配合しないものの各々につい
て、pH4.0及びpH5.0における保存安定性を調べた。その
結果は、表1に示される。
【0026】 配合成分 酵素剤 脂肪消化酵素剤 リパーゼAP6 脂肪消化力 680 単位 保存剤 安息香酸ナトリウム 5 mg −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 水を加え全量を50 mlとする。
【0027】
【表1】
【0028】表1より明らかなように、pH4.0及びpH5.0
の何れにおいても、脂肪消化酵素剤にカルシウム剤を配
合した場合には、カルシウム剤無配合に比して、3ヶ月
及び5ヶ月の経変安定性がより大きいことが判明した
が、耐熱安定性に関しては、カルシウム剤無配合の場合
は勿論のこと、カルシウム剤を配合した場合であって
も、不十分であり、特に、pHが低い場合には、その傾向
が強いことが分かった。
の何れにおいても、脂肪消化酵素剤にカルシウム剤を配
合した場合には、カルシウム剤無配合に比して、3ヶ月
及び5ヶ月の経変安定性がより大きいことが判明した
が、耐熱安定性に関しては、カルシウム剤無配合の場合
は勿論のこと、カルシウム剤を配合した場合であって
も、不十分であり、特に、pHが低い場合には、その傾向
が強いことが分かった。
【0029】酵素含有内服液剤は、味覚上からより低い
pHが好まれ、しかも、該内服液剤に通常添加される防腐
剤の効果も、より低いpHにおいて発揮されうるので、pH
4.0付近での脂肪消化酵素剤の耐熱安定性が求められて
いた。
pHが好まれ、しかも、該内服液剤に通常添加される防腐
剤の効果も、より低いpHにおいて発揮されうるので、pH
4.0付近での脂肪消化酵素剤の耐熱安定性が求められて
いた。
【0030】試験例2 pH4.0における脂肪消化酵素液
の耐熱安定性の及ぼす糖類の影響 下記の配合成分から成る脂肪消化酵素剤に各種濃度の糖
類を配合したものについて、各々の保存安定性を調べ
た。その結果は、表2に示される。
の耐熱安定性の及ぼす糖類の影響 下記の配合成分から成る脂肪消化酵素剤に各種濃度の糖
類を配合したものについて、各々の保存安定性を調べ
た。その結果は、表2に示される。
【0031】 配合成分 酵素剤 脂肪消化酵素剤 リパーゼAP6 脂肪消化力 680 単位 保存剤 安息香酸ナトリウム 5 mg エチルアルコール 0.25 ml 塩化カルシウム 50 mg −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 水を加え全量を50 m(pH4.5)とする。
【0032】
【表2】
【0033】表2より明らかなように、ぶどう糖及び白
糖のいずれも約10%〜30%の配合において耐熱安定性が
良好であるが、しかし、2ヶ月の経変安定性において
は、逆に糖濃度の増加に反比例して低下した。そこで、
これを改善するために高濃度の糖とカルシウムの併用添
加効果を試験した。
糖のいずれも約10%〜30%の配合において耐熱安定性が
良好であるが、しかし、2ヶ月の経変安定性において
は、逆に糖濃度の増加に反比例して低下した。そこで、
これを改善するために高濃度の糖とカルシウムの併用添
加効果を試験した。
【0034】試験例3 脂肪消化酵素剤の保存安定性に
及ぼす糖類(ぶどう糖26.7%又は、白糖13.3%)及びカ
ルシウム剤の影響 下記の配合成分に各種濃度(0〜1.5%)の各種濃度のカ
ルシウム剤を配合したものについて、耐熱安定性及び2
ヶ月の経変安定性を調べた。その結果は、表3に示され
る。
及ぼす糖類(ぶどう糖26.7%又は、白糖13.3%)及びカ
ルシウム剤の影響 下記の配合成分に各種濃度(0〜1.5%)の各種濃度のカ
ルシウム剤を配合したものについて、耐熱安定性及び2
ヶ月の経変安定性を調べた。その結果は、表3に示され
る。
【0035】 配合成分 酵素剤 脂肪消化酵素剤 リパーゼAP6 脂肪消化力 680 単位 保存剤 安息香酸ナトリウム 5 mg −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 水を加え全量を50 m(pH4.5)とする。
【0036】
【表3】
【0037】表3より明らかのように、脂肪消化酵素剤
の耐熱安定性及び2ヶ月の経変安定性とも、糖類約10%
〜30%と約0.1%〜1.5%のカルシウム剤の併用配合によ
り顕著に高められることが判明した。
の耐熱安定性及び2ヶ月の経変安定性とも、糖類約10%
〜30%と約0.1%〜1.5%のカルシウム剤の併用配合によ
り顕著に高められることが判明した。
【0038】試験例4 脂肪消化酵素剤の保存安定性に
及ぼす糖類、カルシウム剤及び生薬水溶成分の影響
及ぼす糖類、カルシウム剤及び生薬水溶成分の影響
【0039】下記の配合成分即ち、ぶどう糖と塩化カル
シウムを併用配合したもの(対照)に、更にケイヒチン
キ、チョウジチンキ、ゲンチアナチンキ、ニンジン乾燥
エキスの各種生薬水溶性成分のいずれかを配合した場合
の脂肪消化酵素剤の保存安定性に及ぼす影響を調べた。
その結果を表4に示す。
シウムを併用配合したもの(対照)に、更にケイヒチン
キ、チョウジチンキ、ゲンチアナチンキ、ニンジン乾燥
エキスの各種生薬水溶性成分のいずれかを配合した場合
の脂肪消化酵素剤の保存安定性に及ぼす影響を調べた。
その結果を表4に示す。
【0040】 配合成分 酵素剤 脂肪消化酵素剤 リパーゼAP6 脂肪消化力 680 単位 保存剤 安息香酸ナトリウム 5 mg 糖 ぶどう糖 6.5 g カルシウム剤 塩化カルシウム 250 mg −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 水を加え全量を50 ml(pH4.0)とする。
【0041】
【表4】
【0042】表4より明かなように、安定化剤として、
ぶどう糖とカルシウム剤とを併用したもの(対照)より
も、これらに、更に生薬水溶性成分を配合することによ
って脂肪消化酵素剤の保存安定性がいっそう高められる
ことが判明した。
ぶどう糖とカルシウム剤とを併用したもの(対照)より
も、これらに、更に生薬水溶性成分を配合することによ
って脂肪消化酵素剤の保存安定性がいっそう高められる
ことが判明した。
【0043】従来、生薬成分が配合されると、消化酵素
剤の安定性が低下するものと考えられていたが、上記の
いずれの生薬水溶成分においても、脂肪消化酵素剤に対
して安定化作用があることが判明した。この知見は、本
願発明者により初めて見い出されたものである。
剤の安定性が低下するものと考えられていたが、上記の
いずれの生薬水溶成分においても、脂肪消化酵素剤に対
して安定化作用があることが判明した。この知見は、本
願発明者により初めて見い出されたものである。
【0044】
【実施例】実施例1 処方 (50ml中) ケイヒチンキ 1 g 脂肪消化酵素剤 リパーゼAP6 脂肪消化力 680 単位 塩化カルシウム 0.25 g ぶどう糖 6.5 g 保存剤 安息香酸ナトリウム 5 mg 懸濁剤 PVP K30 50 mg −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− pH 4.0
【0045】製法 上記処方に従い、先ず塩化カルシウム、ぶどう糖、保存
剤及び懸濁剤をそれぞれ秤取し、約1/2量の水を加えて
溶かし、次いでケイヒチンキを加えてよく攪拌し、水を
加えてほぼ全量とし、リパーゼAP6(天野製薬社製品)
を加えて溶かし、1規定の塩酸でpHを4.0に修正したの
ち、水を加えて所定の液量とする。この液を除菌し、容
器に無菌的に充填し、酵素含有内服液剤を得た。該内服
液剤の保存安定性のうち、耐熱安定性は83%で、3ヶ月
の経変安定性は、88%であった。
剤及び懸濁剤をそれぞれ秤取し、約1/2量の水を加えて
溶かし、次いでケイヒチンキを加えてよく攪拌し、水を
加えてほぼ全量とし、リパーゼAP6(天野製薬社製品)
を加えて溶かし、1規定の塩酸でpHを4.0に修正したの
ち、水を加えて所定の液量とする。この液を除菌し、容
器に無菌的に充填し、酵素含有内服液剤を得た。該内服
液剤の保存安定性のうち、耐熱安定性は83%で、3ヶ月
の経変安定性は、88%であった。
【0046】実施例2 処方 (50 ml中) ゲンチアナチンキ 0.25 g ケイヒチンキ 0.5 g ニンジン乾燥エキス 0.25 g 脂肪消化酵素剤 リパーゼAP3 脂肪消化力 380 単位 塩化カルシウム 0.2 g ぶどう糖 6.5 g 保存剤 安息香酸ナトリウム 5 mg 懸濁剤 PVP K30 50 mg −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− pH 4.0
【0047】製法 上記処方に従い、先ず塩化カルシウム、ぶどう糖、防腐
剤及び懸濁剤を秤取し、約1/2量の水を加えて溶かし、
次いでゲンチアナチンキ、ケイヒチンキ及びニンジン乾
燥エキスを加えてよく攪拌し、水を加えてほぼ全量と
し、リパーゼAP3(天野製薬社製品)を加えて溶かし、
1規定の塩酸でpHを4.0に修正したのち、水を加えて所
定の液量とする。この液を除菌し、容器に無菌的に充填
し、酵素含有内服液剤を得た。該内服液剤の保存安定性
のうち、耐熱安定性は、83%で2ヶ月の経変安定性は、
90%であった。
剤及び懸濁剤を秤取し、約1/2量の水を加えて溶かし、
次いでゲンチアナチンキ、ケイヒチンキ及びニンジン乾
燥エキスを加えてよく攪拌し、水を加えてほぼ全量と
し、リパーゼAP3(天野製薬社製品)を加えて溶かし、
1規定の塩酸でpHを4.0に修正したのち、水を加えて所
定の液量とする。この液を除菌し、容器に無菌的に充填
し、酵素含有内服液剤を得た。該内服液剤の保存安定性
のうち、耐熱安定性は、83%で2ヶ月の経変安定性は、
90%であった。
【0048】実施例3 処方 (50ml中) チョウジチンキ 0.07 g 脂肪消化酵素剤 リパーゼAP6 脂肪消化力 780 単位 塩化カルシウム 0.25 g 白糖 13 g 保存剤 安息香酸ナトリウム 5 mg 懸濁剤 PVP K30 50 mg −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− pH 4.0
【0049】製法 上記処方に従い、先ず塩化カルシウム、白糖、保存剤及
び懸濁剤を秤取し、約1/2量の水を加えて溶かし、次い
でチョウジチンキを加えてよく攪拌し、水を加えてほぼ
全量とし、リパーゼAP6(天野製薬社製品)を加えて溶
かし、1規定の塩酸でpHを4.0に修正したのち、水を加
えて所定の液量とする。この液を除菌し、容器に無菌的
に充填し、酵素含有内服液剤を得た。該内服液剤の保存
安定性のうち、耐熱安定性は、83%で、2ヶ月の経変安
定性は、90%であった。
び懸濁剤を秤取し、約1/2量の水を加えて溶かし、次い
でチョウジチンキを加えてよく攪拌し、水を加えてほぼ
全量とし、リパーゼAP6(天野製薬社製品)を加えて溶
かし、1規定の塩酸でpHを4.0に修正したのち、水を加
えて所定の液量とする。この液を除菌し、容器に無菌的
に充填し、酵素含有内服液剤を得た。該内服液剤の保存
安定性のうち、耐熱安定性は、83%で、2ヶ月の経変安
定性は、90%であった。
【0050】実施例4 処方 (50ml中) 脂肪消化酵素剤 リパーゼMAP 脂肪消化力 780 単位 塩化カルシウム 0.25 g 白糖 13 g 保存剤 安息香酸ナトリウム 5 mg 懸濁剤 PVP K30 50 mg −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− pH 4.0
【0051】製法 上記処方に従い、先ず塩化カルシウム、白糖、保存剤及
び懸濁剤を秤取し、約1/2量の水を加えて溶かし、よく
攪拌し、水を加えてほぼ全量とし、リパーゼMAP(天野
製薬社製品)を加えて溶かし、1規定の塩酸でpHを4.0
に修正したのち、水を加えて所定の液量とする。この液
を除菌し、容器に無菌的に充填し、酵素含有内服液剤を
得た。該内服液剤の保存安定性のうち、耐熱安定性は、
80%で、2ヶ月の経変安定性は、82%であった。
び懸濁剤を秤取し、約1/2量の水を加えて溶かし、よく
攪拌し、水を加えてほぼ全量とし、リパーゼMAP(天野
製薬社製品)を加えて溶かし、1規定の塩酸でpHを4.0
に修正したのち、水を加えて所定の液量とする。この液
を除菌し、容器に無菌的に充填し、酵素含有内服液剤を
得た。該内服液剤の保存安定性のうち、耐熱安定性は、
80%で、2ヶ月の経変安定性は、82%であった。
【0052】
【発明の効果】本発明の酵素含有内服液剤は含有脂肪消
化酵素剤が安定に保たれた製剤で、使用時に容易に摂取
でき、迅速な効果を発揮するとともに、消化不良や、こ
れに起因する胃もたれ、胸つかえなどに対しても十分な
治療効果を発揮すると共に、安定化剤として生薬水溶性
成分を配合した場合には、生薬の効果をも期待すること
ができる医薬品であるため、その工業的価値は大であ
る。
化酵素剤が安定に保たれた製剤で、使用時に容易に摂取
でき、迅速な効果を発揮するとともに、消化不良や、こ
れに起因する胃もたれ、胸つかえなどに対しても十分な
治療効果を発揮すると共に、安定化剤として生薬水溶性
成分を配合した場合には、生薬の効果をも期待すること
ができる医薬品であるため、その工業的価値は大であ
る。
Claims (3)
- 【請求項1】脂肪消化酵素剤に高濃度の糖類とカルシウ
ム剤を配合してなる保存安定性の高められた酵素含有内
服液剤。 - 【請求項2】脂肪消化酵素剤に高濃度の糖類とカルシウ
ム剤と生薬水溶性成分とを配合してなる保存安定性の高
められた酵素含有内服液剤。 - 【請求項3】生薬水溶性成分が、ケイヒ、チョウジ、ゲ
ンチアナ、ニンジンの各エキス、各流エキス又は各チン
キのいずれか1種以上である請求項2記載の保存安定性
の高められた酵素含有内服液剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7227386A JPH0952845A (ja) | 1995-08-10 | 1995-08-10 | 保存安定性の高められた酵素含有内服液剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7227386A JPH0952845A (ja) | 1995-08-10 | 1995-08-10 | 保存安定性の高められた酵素含有内服液剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0952845A true JPH0952845A (ja) | 1997-02-25 |
Family
ID=16860012
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7227386A Pending JPH0952845A (ja) | 1995-08-10 | 1995-08-10 | 保存安定性の高められた酵素含有内服液剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0952845A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0968720A3 (en) * | 1998-07-02 | 2003-01-22 | Amano Enzyme Inc. | Gastric emptying-promoting composition |
JP2004141162A (ja) * | 2002-10-03 | 2004-05-20 | Toyobo Co Ltd | 酵素の安定化方法および組成物 |
-
1995
- 1995-08-10 JP JP7227386A patent/JPH0952845A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0968720A3 (en) * | 1998-07-02 | 2003-01-22 | Amano Enzyme Inc. | Gastric emptying-promoting composition |
JP2004141162A (ja) * | 2002-10-03 | 2004-05-20 | Toyobo Co Ltd | 酵素の安定化方法および組成物 |
JP4565311B2 (ja) * | 2002-10-03 | 2010-10-20 | 東洋紡績株式会社 | 酵素の安定化方法および組成物 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20051206 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070116 |