JPH0952508A - 車両用空気調和装置 - Google Patents

車両用空気調和装置

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JPH0952508A
JPH0952508A JP13784196A JP13784196A JPH0952508A JP H0952508 A JPH0952508 A JP H0952508A JP 13784196 A JP13784196 A JP 13784196A JP 13784196 A JP13784196 A JP 13784196A JP H0952508 A JPH0952508 A JP H0952508A
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晃 伊佐治
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静男 土屋
Katsuya Kusano
勝也 草野
Satoru Kodama
悟 兒玉
Mitsuyo Oomura
充世 大村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷媒圧縮機20の消費電力を抑えながらも、
燃焼式ヒータ56の運転を停止することなく、且つラジ
エータや電動式冷却ファンを使用することなく、車室内
の暖房状態が暖房過多となることを抑えることが可能な
電気自動車用空気調和装置1を提供する。 【解決手段】 燃焼式ヒータ56により温水ヒータコア
52へ循環する温水を加熱して車室内を暖房する燃焼ヒ
ータ温水暖房モード時に、車室内の暖房状態が暖房過多
であると判定された場合に、冷凍サイクル4を冷房サイ
クルで運転して冷媒蒸発器25で温水ヒータコア52の
熱量を奪うようにする。それでも、車室内の暖房状態が
暖房過多であると判定された場合には、吸込口モードを
内気循環モードに切り替えて、フット吹出口14から吹
き出した温風を内気吸込口7より吸い込んで、温水ヒー
タコア52と冷媒蒸発器25との空気の流れをショート
サーキットさせて車室内の暖房能力を抑えるようにす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばエンジン
冷却水を有しない電気自動車や空冷式内燃機関搭載車等
の車室内の空調に利用される車両用空気調和装置に関す
るもので、特に燃焼式ヒータにより加熱された温水をダ
クト内の温水式加熱器に循環供給して暖房用熱源とする
車両用空気調和装置に係わる。
【0002】
【先行の技術】従来より、例えばエンジン冷却水からの
排熱を利用して車室内の暖房ができない電気自動車に
は、車室内へ空気を送るためのダクト内に冷凍サイクル
に組み込まれた室内熱交換器を配設し、冷房サイクル時
は室内熱交換器を冷媒蒸発器として働かせ、暖房サイク
ル時には室内熱交換器を冷媒凝縮器として運転するよう
に弁等により冷凍サイクル内の冷媒の流れ方向を切り替
えるようにした空気調和装置が搭載されている。
【0003】ところが、従来の電気自動車用空気調和装
置においては、ダクト内の室内熱交換器を冷媒凝縮器と
して運転するヒートポンプ暖房(暖房サイクル)時に外
気温が0℃以下に低下すると車室内の暖房能力が極端に
低下してしまい、特に寒冷地(外気温が−10℃〜−3
0℃以下に低下する地域)ではそのようなヒートポンプ
暖房では車室内の暖房能力が著しく不足するという問題
が生じている。
【0004】そこで、寒冷地ではヒートポンプ暖房では
車室内の暖房能力が不足するため、寒冷地仕様の暖房用
熱源としての燃焼式ヒータ、ダクト内に配設された温水
式加熱器、および燃焼式ヒータで加熱された温水を温水
式加熱器に循環させるポンプを利用して電気自動車の車
室内を燃焼ヒータ温水暖房することが考えられる。そし
て、暖房運転時に、外気温が所定の温度(例えば4.4
℃)より上昇している場合にはヒートポンプ暖房を行
い、外気温が所定の温度(例えば4.4℃)以下に低下
している場合には燃焼ヒータ温水暖房を行うことが環境
対策上望まれる。
【0005】なお、従来よりバス車両等の大型車両の暖
房用熱源として使用されている燃焼式ヒータは、HIG
H運転の時に4000kcal/hで、LOW運転の時
に2000kcal/hである。また、ブロワの外気取
入風量は、Hi風量(最大風量)時に300m3 /h
で、Me風量(中風量)時に200m3 /hで、Lo風
量(最小風量)時に120m3 /hである。
【0006】ここで、図20のグラフからも確認できる
ように、暖房熱負荷はブロワの外気取入風量によって異
なり、Lo風量では100%外気導入にしても外気温T
amが約1℃以上4.4℃以下の時は、燃焼式ヒータの
最低暖房能力Qmin(=LOW運転:例えば2000
kcal/h)であっても暖房過多となり、車室内の温
度が設定温度よりも過上昇して乗員が不快感を覚える。
【0007】このように車室内の暖房状態が暖房過多と
なり、燃焼式ヒータの運転を停止してヒートポンプ暖房
を行うようにすると、車室内の暖房能力が著しく不足し
て、車室内の温度が設定温度よりも大きく下降してしま
う。このため、再度燃焼式ヒータを運転させる必要が生
じるが、燃焼式ヒータは再着火に時間がかかり立ち上が
りが悪い。また、燃焼式ヒータは、再着火時に排気ガス
を多く排出するので、燃焼ヒータ温水暖房中に燃焼式ヒ
ータをオン、オフすることは回避することが望ましい。
【0008】そこで、燃焼ヒータ温水暖房中に燃焼式ヒ
ータをオン、オフすることなく、車室内の暖房能力が暖
房過多となることを防止する方法として、本願発明者等
は、特願平6−183293号にて燃焼式ヒータの温水
サイクル途中に余剰熱量を放熱するラジエータを接続し
た技術(第1先行技術)や、特願平6−323436号
にて燃焼ヒータ温水暖房からヒートポンプ暖房に切り替
える技術(第2先行技術)を提案した。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、第1先行技
術においては、燃焼式ヒータの代わりにヒートポンプを
作動させることにより冷媒圧縮機の消費電力が非常に大
きく、車載電源の電力を大きく消耗するという問題が生
じてしまう。なお、車載電源は電気自動車の走行用モー
タへも電力を供給しているので、電気自動車の走行距離
の低下を招くという問題も生じてしまう。
【0010】また、第2先行技術においては、ラジエー
タが無い場合には行えない。さらに、温水サイクルに新
たにラジエータを設けると、ラジエータとこのラジエー
タ内の温水に冷却風を送風するための電動式冷却ファン
とラジエータを接続する放熱流路が必要となるので、部
品点数が増加することにより製品コストを増加させると
いう問題が生じてしまう。
【0011】
【発明の目的】この発明の目的は、冷媒圧縮機の消費電
力を抑えながらも、燃焼式ヒータの運転を停止すること
なく、車室内の暖房状態が暖房過多となることを抑える
ことが可能な車両用空気調和装置を提供することにあ
る。また、ラジエータや電動式冷却ファンを使用するこ
となく、車室内の暖房状態が暖房過多となることを抑え
ることが可能な車両用空気調和装置を提供することにあ
る。さらに、車載電源の電力の消耗を抑えて車両の走行
距離の低下を抑えることが可能な車両用空気調和装置を
提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、燃焼式ヒータの燃焼熱により温水サイクルを循
環する温水が加熱される。この燃焼式ヒータの燃焼熱に
より加熱された温水は、ポンプによりダクト内の温水式
加熱器に送られる。そして、温水式加熱器に流入した温
水は、送風機の作用によりダクト内を流れる空気と熱交
換して空気を加熱する。そして、温水式加熱器にて温水
により加熱された空気は、送風機の作用により車室内へ
吹き出される。これにより、車室内が充分な暖房能力に
て暖房される。
【0013】ここで、上記のような燃焼式ヒータの運転
により温水式加熱器に循環する温水を燃焼式ヒータで加
熱して車室内を暖房する燃焼ヒータ温水暖房時に、暖房
過多判定手段によって暖房状態検出手段で検出された車
室内の暖房状態が暖房過多であるか否かが判定される。
そして、車室内の暖房状態が暖房過多であると判定され
た場合には、暖房運転制御手段により冷凍サイクルが冷
房サイクルで運転される。これにより、ダクト内の室内
熱交換器が冷えることにより、燃焼式ヒータの暖房能
力、すなわち、温水式加熱器の放熱量が減るため、燃焼
式ヒータの運転を継続しても車室内の暖房状態の暖房過
多が抑えられる。また、冷凍サイクルの冷房サイクルに
よる運転時には、外気温が例えば0℃近くであると、凝
縮温度が低いため、冷媒圧縮機の消費電力が極めて低い
値となる。
【0014】したがって、燃焼式ヒータの運転を停止す
ることなく、車室内の暖房状態が暖房過多となることを
抑えることができるので、車室内の暖房能力が不足した
り、燃焼式ヒータから大量の排気ガスが排出されたりす
ることはない。すなわち、暖房感の低下や環境への悪影
響を抑えることができる。また、ラジエータや電動式冷
却ファンを使用することなく、車室内の暖房状態が暖房
過多となることを抑えることができるため、部品点数を
軽減することができるので、製品コストを低減すること
ができる。さらに、例えば冷媒圧縮機の電力を供給する
車載電源が電気自動車の走行用モータへの電力を供給す
るものである場合には、冷媒圧縮機の消費電力を抑える
ことにより、車載電源の電力の消耗が抑えられるので、
車両の走行距離の低下を抑えることが可能な車両用空気
調和装置を提供することにある。
【0015】請求項2に記載の発明によれば、上記のよ
うな燃焼式ヒータの運転により温水式加熱器に循環する
温水を燃焼式ヒータで加熱して車室内を暖房する燃焼ヒ
ータ温水暖房時に、暖房過多判定手段によって暖房状態
検出手段で検出された車室内の暖房状態が暖房過多であ
ると判定された場合には、暖房運転制御手段により冷凍
サイクルが冷房サイクルで運転されると共に、内外気調
整手段を制御することにより車室外空気の取入量よりも
車室空気の取入量の方が多くなる。
【0016】したがって、ダクトの温風吹出口から吹き
出された温風の一部が温風吹出口の近傍の内気取入口よ
り再度ダクト内に流入する。これにより、冷媒凝縮器と
して運転されている室内熱交換器の入口空気温度が高く
なるが、室内熱交換器で冷媒との熱交換により冷却され
るので、温水式加熱器の放熱による車室内の暖房能力が
打ち消される。すなわち、温水式加熱器と室内熱交換器
との間で温風の一部をショートサーキットさせることに
より、燃焼式ヒータの運転を継続しても車室内の暖房状
態が暖房過多となることを抑えることができる。
【0017】請求項3に記載の発明によれば、冷媒圧縮
機が冷媒を圧縮して冷媒を吐出する。そして、冷媒凝縮
器に流入した冷媒は、温水サイクルを循環する温水と熱
交換して凝縮熱により温水を加熱する。この冷媒の凝縮
熱により加熱された温水は、ポンプによりダクト内の温
水式加熱器に送られる。そして、温水式加熱器に流入し
た温水は、送風機の作用によりダクト内を流れる空気と
熱交換して空気を加熱する。そして、温水式加熱器にて
温水により加熱された空気は、送風機の作用により車室
内へ吹き出される。これにより、冷媒圧縮機の運転によ
り温水式加熱器に循環する温水を冷媒凝縮器で加熱して
車室内を暖房するヒートポンプ温水暖房を行うことがで
きる。
【0018】請求項4に記載の発明によれば、冷凍サイ
クルを冷房サイクルで運転する時に、樹陰が吹出温度設
定手段を操作することにより車室内へ吹き出す空気の吹
出温度が設定される。次に、目標吹出温度決定手段によ
って、吹出温度設定手段で設定された設定吹出温度に基
づいて目標吹出温度が決定される。次に、目標温水温度
決定手段によって、目標吹出温度決定手段で決定した目
標吹出温度に基づいて目標温水温度が決定される。次
に、目標回転速度決定手段によって、目標温水温度決定
手段で決定した目標温水温度と温水温度検出手段で検出
した温水温度との温度偏差に基づいて冷媒圧縮機の目標
回転速度が決定される。
【0019】そして、その目標回転速度に基づいて冷媒
圧縮機の回転速度が制御されることにより、室外熱交換
器での冷媒と熱媒体との熱交換性能、および室内熱交換
器での冷媒とダクト内の空気との熱交換性能が制御され
る。これにより、室内熱交換器で冷却され、温水式加熱
器で加熱されてダクトから吹き出される空気の吹出温度
が、吹出温度設定手段で設定した乗員の希望にあった温
度に近似することになるので、車室内の暖房状態が暖房
過多となることを抑えながらも、快適な暖房感が得られ
る。
【0020】請求項5に記載の発明によれば、許容温度
上昇幅を加えて温度偏差を算出し、その温度偏差に基づ
いて冷媒圧縮機の回転速度、すなわち、冷凍サイクルの
冷房能力を制御することにより、車室内の暖房状態が暖
房過多となることを抑えながらも、より快適な暖房感が
得られる。
【0021】
【発明の実施の形態】次に、この発明の車両用空気調和
装置を電気自動車用空気調和装置に適用した実施例に基
づいて説明する。
【0022】〔第1実施例の構成〕図1ないし図11は
この発明の第1実施例を示したもので、図1は電気自動
車用空気調和装置を示した図で、図2はダクトに付設さ
れた空調機器を示した図である。
【0023】この電気自動車用空気調和装置1は、所謂
電気自動車用マニュアルエアコンまたは電気自動車用オ
ートエアコンとして利用されるものである。電気自動車
用空気調和装置1は、車室内へ空気を送るためのダクト
2、このダクト2内において空気流を発生させるブロワ
3、冷媒が循環する冷凍サイクル(ヒートポンプサイク
ル)4、温水が循環する温水サイクル5、および車載電
源(バッテリ)6の電力により作動し各空調機器をコン
トロールする電子制御装置(以下ECUと呼ぶ)100
等から構成されている。
【0024】ダクト2は、電気自動車の車室内の前方側
に配設されている。そのダクト2の最も風上側は、内外
気切替箱を構成する部分で、車室内の空気(以下内気と
言う)を取り入れる内気取入口としての内気吸込口7、
および車室外の空気(以下外気と言う)を取り入れる外
気取入口としての外気吸込口8を有している。
【0025】さらに、内気吸込口7および外気吸込口8
の内側には、内外気切替ダンパ9が回動自在に取り付け
られている。内外気切替ダンパ9は、本発明の内外気調
整手段であって、サーボモータ等のアクチュエータ(図
示せず)により駆動される。この内外気切替ダンパ9
は、吸込口モードを選択的に切り替えるものである。こ
こで、この実施例の吸込口モードは、内気吸込口7を全
開し、外気吸込口8を全閉する内気循環モード、外気吸
込口8を全開し、内気吸込口7を全閉する外気導入モー
ド、および内気吸込口7、外気吸込口8をそれぞれ半開
する半内外気導入モード等である。なお、内外気切替ダ
ンパ9は、内気吸込口7および外気吸込口8を開口した
ダクト2の風上側部分(所謂内外気切替箱)と共に内外
気切替手段を構成する。
【0026】また、ダクト2の風下側、つまり室内ユニ
ット10側には、電気自動車のフロント窓ガラスの内面
に向かって主に温風を吹き出すデフ吹出口11、乗員の
上半身に向かって主に冷風を吹き出すセンタフェイス吹
出口12、乗員の側方に向かって主に冷風を吹き出すサ
イドフェイス吹出口13、および乗員の足元に向かって
主に温風を吹き出すフット吹出口14が設けられてい
る。フット吹出口14は、本発明の温風吹出口であっ
て、内気吸込口7の近傍で開口している。
【0027】さらに、それぞれの吹出口の内側にはモー
ド切替ダンパ15〜18が回動自在に取り付けられてい
る。それらのモード切替ダンパ15〜18は、サーボモ
ータ等のアクチュエータ(図示せず)によりそれぞれ駆
動される。モード切替ダンパ15〜18は、各吹出口を
選択的に開閉することによって、吹出口モードを切り替
える。この実施例の吹出口モードは、フェイスモード、
バイレベルモード、フットモード、フットデフモード、
デフロスタモードである。
【0028】フェイスモードは、センタフェイス吹出口
12およびサイドフェイス吹出口13を開口させる吹出
モードである。バイレベルモードは、センタフェイス吹
出口12、サイドフェイス吹出口13およびフット吹出
口14を開口させる吹出モードである。フットモード
は、フット吹出口14を開口させる吹出モードである。
フットデフモードは、デフ吹出口11およびフット吹出
口14を開口させる吹出モードである。デフロスタモー
ドは、デフ吹出口11を開口させる吹出モードである。
【0029】ブロワ3は、本発明の送風機であって、ダ
クト2の風上側を構成するスクロールケーシング内に設
置されている。このブロワ3は、ブロワモータ19によ
って回転速度が制御されるもので、内気吸込口7または
外気吸込口8のいずれか開かれた吸込口から車室内空気
(以下内気と略す)または車室外空気(以下外気と略
す)を吸引して車室内へ送風する。なお、ブロワ3は、
スクロールケーシング、ブロワモータ19と共に遠心式
送風機を構成する。
【0030】冷凍サイクル4は、所謂アキュームレータ
サイクルであって、冷媒圧縮機20、冷媒水熱交換器2
1、第1減圧手段22、室外熱交換器23、第2減圧手
段24、冷媒蒸発器25、アキュームレータ26、冷媒
流路切替弁27、28およびこれらを接続する冷媒配管
等から構成されている。
【0031】冷媒圧縮機20は、本発明の電動式の冷媒
圧縮機であって、吸入口より内部に吸入したガス冷媒を
圧縮して高温、高圧のガス冷媒を吐出口より吐出する圧
縮部と、この圧縮部を駆動する駆動部としての電動モー
タ(図示せず)とからなる。この冷媒圧縮機20は、E
CU100の出力信号に基づいて冷媒圧縮機20の回転
速度を制御する回転速度制御手段としてのエアコン用イ
ンバータ30を備えている。
【0032】そして、電動モータは、エアコン用インバ
ータ30によって車載電源6から印加される電力が連続
的あるいは段階的に可変制御される電動式のアクチュエ
ータ(電動式の駆動手段)である。したがって、冷媒圧
縮機20は、印加電力の変化による電動モータの回転速
度の変化によって、冷媒吐出容量を変化させて冷凍サイ
クル4内を循環する冷媒の流量を調節することにより冷
媒水熱交換器21の加熱能力や冷媒蒸発器25の冷房能
力を制御する。
【0033】冷媒水熱交換器21は、本発明の水冷式の
冷媒凝縮器であって、冷媒圧縮機20の吐出口より吐出
された高温、高圧のガス冷媒と温水サイクル5内を循環
する温水とを熱交換させて冷媒を凝縮させ、温水を加熱
する熱交換器である。この冷媒水熱交換器21は、アル
ミニウム合金等の金属製で、内側に温水通路34、外側
に複数の冷媒通路35が形成されている。第1減圧手段
22は、キャピラリチューブ、オリフィス、膨張弁等よ
りなり、ヒートポンプ温水暖房モード時に内部を冷媒が
流れる。この第1減圧手段22は、内部を流れる冷媒を
減圧して気液二相状態の冷媒にする。
【0034】室外熱交換器23は、車室外、例えば電気
自動車の走行風を受け易い場所に設置されている。この
室外熱交換器23は、ヒートポンプ温水暖房モード時に
第1減圧手段22で減圧された低温、低圧の気液二相状
態の冷媒と電動ファン40により吹き付けられる外気と
を熱交換させて冷媒を蒸発させる冷媒蒸発器として働
く。また、室外熱交換器23は、冷房モード時に冷媒水
熱交換器21より流入した高圧の冷媒と電動ファン40
により吹き付けられる外気とを熱交換させて冷媒を凝縮
させる空冷式の冷媒凝縮器として働く。第2減圧手段2
4は、キャピラリチューブ、オリフィス、膨張弁等より
なり、冷房モード時に内部を冷媒が流れる。この第2減
圧手段24は、内部を流れる冷媒を減圧して気液二相状
態の冷媒にする。
【0035】冷媒蒸発器25は、本発明の室内熱交換器
であって、ダクト2の中間部を構成するクーリングユニ
ットケース内に設置されている。この冷媒蒸発器25
は、冷房モード時に第2減圧手段24で減圧された低
温、低圧の気液二相状態の冷媒とブロワ3の作用により
通過する空気とを熱交換させて空気を冷却すると共に冷
媒を蒸発させる。
【0036】アキュームレータ26は、内部に流入した
冷媒を液冷媒とガス冷媒とに分離してガス冷媒のみ冷媒
圧縮機20に供給する気液分離器として働く。なお、気
液分離器として、レシーバを使用しても良い。このレシ
ーバの設置場所は、冷媒水熱交換器21と第1減圧手段
22との間に接続し、室外熱交換器23と第2減圧手段
24との間に接続するようにすると良い。
【0037】冷媒流路切替弁27、28は、冷凍サイク
ル4内の冷媒の流れ方向を切り替える電磁式の冷媒流路
切替手段(電磁弁)であって、第1、第2減圧手段2
2、24より冷媒を迂回させるバイパス管路41、42
にそれぞれ設けられている。冷媒流路切替弁27、28
は、通電されると開弁し、通電が停止されると閉弁す
る。
【0038】温水サイクル5は、前述の冷媒水熱交換器
21、ウォータポンプ51、温水ヒータコア52、排熱
冷却器53、温水流路切替弁54、55、燃焼式ヒータ
56およびこれらを接続する温水配管等から構成されて
いる。この実施例では、温水として不凍液(例えばエチ
レングリコール水溶液)を利用している。ウォータポン
プ51は、温水に循環流を発生させる循環流発生手段で
ある。
【0039】温水ヒータコア52は、本発明の温水式加
熱器であって、ダクト2内において冷媒蒸発器25より
風下側に設置され、すなわち、ダクト2の吹出口切替箱
を構成するヒータユニットケース内に設置されている。
この温水ヒータコア52は、高温に加熱された温水とダ
クト2内を流れる空気とを熱交換させて空気を加熱す
る。
【0040】この温水ヒータコア52の空気の入口部お
よび出口部には、温水ヒータコア52を通過する空気量
と温水ヒータコア52を迂回する空気量とを調節して車
室内へ吹き出す吹出空気の温度を調整するためのエアミ
ックスダンパ57、58が回動自在に取り付けられてい
る。それらのエアミックスダンパ57、58は、ステッ
ピングモータやサーボモータ等のアクチュエータ(図示
せず)によりそれぞれ駆動される。
【0041】排熱冷却器53は、電気自動車の走行用モ
ータMの外周部に温水が流れ込むウォータジャケット
(図示せず)や、走行用モータMの回転速度を制御する
走行用インバータIに組み込まれるトランジスタ等の発
熱体を固定する熱伝導性に優れる板材の外周に温水が流
れ込む温水室(図示せず)を備えている。この排熱冷却
器53は、電気自動車の走行時に走行用モータMや走行
用インバータIの作動に伴って発生する排熱を回収して
温水を加熱すると共に、発熱体の過熱を防止する。
【0042】温水流路切替弁54、55は、温水サイク
ル5内の温水の流れ方向を切り替える電磁式の温水流路
切替手段であって、冷媒水熱交換器21の下流側で分岐
する分岐流路61、および燃焼式ヒータ56を迂回する
バイパス流路62にそれぞれ設けられている。温水流路
切替弁54、55は、通電されると開弁し、通電が停止
されると閉弁する。
【0043】図3は燃焼式ヒータ56の一例を示した図
である。燃焼式ヒータ56は、電気自動車の車室外に搭
載され、箱体状のヒータケース68、このヒータケース
68内に設けられた燃焼筒69、この燃焼筒69内へ燃
料を送る燃料パイプ70、始動時に燃料に着火するグロ
ープラグ71、燃焼空気を送風する燃焼ファン72を回
転駆動する電動モータ73等から構成されている。この
燃焼式ヒータ56は、ガソリン、灯油、軽油等の燃料を
燃焼筒69中で燃焼させ、その熱量を温水に与えるもの
である。
【0044】ヒータケース68の下方には、燃焼空気を
吸入する吸入管74、および燃焼排気を排出する排気管
75が形成されている。また、ヒータケース68と燃焼
筒69との間には、温水が通過する温水通路76が形成
されている。さらに、ヒータケース68は、温水通路7
6へ温水が流入する流入ポート78、および温水通路7
6から温水を流出する流出ポート79を有している。燃
料パイプ70には、図1に示したように、燃料タンク8
0内の燃料を燃料ポンプ81の作用により圧送すること
により燃料が供給される。
【0045】燃焼式ヒータ56の流入ポート78は、分
岐流路61に接続されている。また、燃焼式ヒータ56
の流出ポート79は、温水ヒータコア52の上流側でバ
イパス流路62に合流する合流流路63に接続されてい
る。なお、燃焼式ヒータ56は、2段階切替型の燃焼式
ヒータであって、燃料ポンプ81から圧送される燃料量
が多いときに燃焼量が大きくなり温水に与える熱量も大
きくなり(HIGH運転)、燃料量が少ないときに燃焼
量が小さくなり温水に与える熱量も小さくなる(LOW
運転)。
【0046】図4は電気自動車用空気調和装置のECU
を示した図である。ECU100は、本発明の暖房運転
制御手段であって、中央演算処理装置(以下CPUと言
う)101、ROM102、RAM103、A/D変換
器104、インターフェイス105、106等を持ち、
それ自体は周知のものである。なお、CPU101は、
車室内の暖房状態が暖房過多であるか否かを判定する暖
房過多判定手段を有する。また、ECU100は、走行
用インバータIにも接続するジャンクションボックスJ
を介して車載電源6より電力が供給されて作動する。
【0047】ECU100は、内気温センサ111、外
気温センサ112、日射センサ113、冷媒圧力センサ
114、エバ後温度センサ115、水温センサ116、
117、吹出温センサ118および操作パネル200よ
り入力される入力信号と予めインプットされた制御プロ
グラムに基づいて、各空調機器を制御する。すなわち、
ECU100は、各センサの検出値(検出信号)および
操作パネル200の操作値(操作信号)などの入力信号
と予めインプットされた制御プログラムに基づいて、内
外気切替ダンパ9、モード切替ダンパ15〜18、ブロ
ワ3のブロワモータ19、冷媒圧縮機20のエアコン用
インバータ30、冷媒流路切替弁27、28、電動ファ
ン40、燃焼式ヒータ56、ウォータポンプ51、エア
ミックスダンパ57、58および燃料ポンプ81の運転
状態を制御する。
【0048】この実施例のECU100は、上記空調機
器を制御することによって、運転モードを、冷房モー
ド、除湿モード、ヒートポンプ温水暖房モード、および
燃焼ヒータ温水暖房モードを選択的に切り替える。冷房
モードは、吸込口モードが主に内気循環モードで、冷媒
圧縮機20を運転し、冷凍サイクル4を冷房サイクルで
運転することにより、ダクト2内を流れる空気を冷媒蒸
発器25で冷却して車室内を冷房する運転モードであ
る。除湿モードは、冷媒圧縮機20を運転し、冷凍サイ
クル4を冷房サイクルで運転することにより、ダクト2
内を流れる空気を冷媒蒸発器25で除湿して車室内を除
湿する運転モードである。
【0049】ヒートポンプ温水暖房モードは、吸込口モ
ードが主に外気導入モードで、冷媒圧縮機20を運転
し、冷凍サイクル4を暖房サイクルで運転することによ
り、温水ヒータコア52に循環する温水を冷媒水熱交換
器23で加熱して車室内を暖房する運転モードである。
燃焼ヒータ温水暖房モードは、吸込口モードが主に外気
導入モードで、燃焼式ヒータ56を運転することによ
り、温水ヒータコア52に循環する温水を燃焼式ヒータ
56で加熱して車室内を暖房する運転モードである。
【0050】なお、この実施例の燃焼ヒータ温水暖房モ
ードには、冷媒圧縮機20を運転し、冷凍サイクル4を
冷房サイクルで運転する運転モードもある。また、燃焼
ヒータ温水暖房モードには、さらに吸込口モードを内気
循環モードに切り替えて運転する運転モードもある。
【0051】内気温センサ111は、本発明の暖房状態
検出手段であって、例えばサーミスタ等の感温素子より
なり、車室内の温度(内気温)を検出し、この検出値を
内気温信号としてECU100へ出力する内気温検出手
段である。外気温センサ112は、例えばサーミスタ等
の感温素子よりなり、車室外の温度(外気温)を検出
し、この検出値を外気温信号としてECU100へ出力
する外気温検出手段である。
【0052】日射センサ113は、車室内への日射量を
検出し、この検出値を日射量信号としてECU100へ
出力する日射量検出手段である。冷媒圧力センサ114
は、冷媒圧縮機20の吐出圧力である冷凍サイクル4の
高圧圧力(凝縮圧力)を検出し、この検出値を冷媒圧力
信号(高圧信号)としてECU100へ出力する冷媒圧
力検出手段、高圧圧力検出手段である。
【0053】エバ後温度センサ115は、例えばサーミ
スタ等の感温素子よりなり、冷媒蒸発器25の空気出口
温度を検出し、この検出値をエバ後温度信号としてEC
U100へ出力するエバ後温度検出手段、温水ヒータコ
ア(温水式加熱器)52の吸込温度検出手段である。水
温センサ116は、本発明の暖房状態検出手段であっ
て、例えばサーミスタ等の感温素子よりなり、燃焼式ヒ
ータ56の下流側の合流流路63に設置され、燃焼式ヒ
ータ56の出口水温(温水温度)を検出し、この検出値
を温水温度信号としてECU100へ出力する温水温度
検出手段、燃焼式ヒータ出口水温検出手段である。
【0054】水温センサ117は、本発明の暖房状態検
出手段であって、例えばサーミスタ等の感温素子よりな
り、温水ヒータコア52の出口に設置され、温水ヒータ
コア52の出口水温(温水温度)を検出し、この検出値
を温水温度信号としてECU100へ出力する温水温度
検出手段、加熱器出口水温検出手段である。吹出温セン
サ118は、本発明の暖房状態検出手段であって、例え
ばサーミスタ等の感温素子よりなり、ダクト2のフット
吹出口14より車室内へ吹き出す空気の吹出温度を検出
し、この検出値を吹出温度信号としてECU100へ出
力する吹出温度検出手段である。
【0055】ここで、ECU100による燃焼式ヒータ
56の制御の一例を説明する。ECU100は、LOW
運転のまま温水の水温が上限設定温度より高い過熱温度
(例えば85℃)以上に上昇すると、図示しない運転灯
等の報知手段を点滅させ、燃料ポンプ81の駆動を停止
し、ファン72のみ駆動して掃気(ポストパージ)を開
始する。このとき、ウォータポンプ51を運転して温水
通路76に温水を循環させる。そして、所定時間(例え
ば120秒間)経過後に掃気を終了して燃焼式ヒータ5
6の全ての機器を自動停止する。また、水温センサ11
6が上限設定温度より低い下限設定温度(例えば70
℃)以下に低下すると、再び燃焼式ヒータ56の運転を
再開する。
【0056】図5は操作パネルの一例を示した図であ
る。操作パネル200には、吹出方向を切り替える吹出
口モード切替スイッチ群201、電気自動車の車室内へ
吹き出す空気の吹出温度を調整する温度調整レバー20
2、内外気を切り替える内外気切替スイッチ203、吹
出風量を手動により切り替えるブロワスイッチ204、
吹出風量を自動的に切り替えるブロワオートスイッチ2
05および空調モードを切り替える空調モード切替スイ
ッチ群206が配置されている。
【0057】吹出口モード切替スイッチ群201は、モ
ード切替ダンパ15〜18を開閉制御することによっ
て、乗員の頭胸部に送風するためのフェイスモード、乗
員の頭胸部と足元の双方に送風するためのバイレベルモ
ード、乗員の足元に送風するためのフットモード、乗員
の足元と窓ガラスの双方に送風するためのフットデフモ
ード、窓ガラスに送風するためのデフモードに各々切り
替えるものであり、複数のスイッチ211〜215から
構成されている。
【0058】温度調整レバー202は、設定位置に応じ
て各空調モードにおける冷媒圧縮機20の回転速度の設
定、またはエアミックスダンパ57、58の開度設定を
行う吹出温度設定手段、温度設定手段、暖房状態設定手
段である。温度調整レバー202は、ストローク量に応
じた複数の設定ゾーンに分割され、選択された空調モー
ドと設定ゾーンに応じて冷媒圧縮機20を駆動するエア
コン用インバータ30の周波数を設定し回転速度制御が
行われる。
【0059】内外気切替スイッチ203は、内外気切替
ダンパ9を開閉制御することによって内気吸込口7から
内気を導入する内気循環モード、外気吸込口8から外気
を導入する外気導入モードに切り替えるものである。空
調モード切替スイッチ群206は、電気自動車用空気調
和装置(マニュアルエアコンの場合)1の運転停止、冷
房モード、ヒートポンプ温水暖房モード、燃焼ヒータ温
水暖房モードおよび除湿モードに切り替えるものであ
り、停止スイッチ261、冷房スイッチ262、ヒート
ポンプ温水暖房スイッチ263、燃焼ヒータ温水暖房ス
イッチ264、除湿スイッチ265から構成されてい
る。
【0060】図6は操作パネルの他の例を示した図であ
る。この操作パネル200は、オートエアコンの操作パ
ネルであって、温度調整レバー207や各センサからの
入力信号に基づいて冷房モード、ヒートポンプ温水暖房
モード、燃焼ヒータ温水暖房モードおよび除湿モードを
自動的に切り替える。208は電気自動車用空気調和装
置(オートエアコンの場合)1のエアコン・オン・オフ
スイッチ(A/C・ON−OFFスイッチ)である。温
度調整レバー207は、設定位置に応じて各空調モード
における冷媒圧縮機20の回転速度の設定、またはエア
ミックスダンパ57、58の開度設定を行う吹出温度設
定手段、温度設定手段、暖房状態設定手段である。
【0061】〔第1実施例の吹出温度制御方法〕次に、
この実施例のECU100の暖房運転時の吹出温度制御
を図7ないし図10のフローチャートおよび図11の特
性図に基づいて説明する。ここで、図7ないし図10は
ECU100の暖房運転時の吹出温度制御の一例を示し
たフローチャートである。
【0062】先ず、図7のフローチャートに示したよう
に、内気温センサ111で検出した内気温Tr、水温セ
ンサ116で検出した燃焼式ヒータ56の出口水温TW
a、温度調整レバー202、207で設定した設定吹出
温度Tsetおよび操作パネル200等の各入力信号を
読み込む(ステップS1)。
【0063】次に、燃焼ヒータ温水暖房モードの指示が
されているか否かを判定する。例えば燃焼ヒータ温水暖
房スイッチ264がオンされているか否かを判定する。
あるいは、外気温センサ112で検出した外気温Tam
が所定の外気温(例えば4.4℃)以下に低下している
か否かを判定する(ステップS2)。
【0064】このステップS2の判定結果がNoの場合
には、ヒートポンプ温水暖房モードの指示がされている
か否かを判定する。例えばヒートポンプ温水暖房スイッ
チ263がオンされているか否かを判定する。あるい
は、外気温センサ112で検出した外気温Tamが所定
の外気温(例えば4.4℃)より上昇し、例えば20℃
以下に低下しているか否かを判定する(ステップS
3)。このステップS3の判定結果がNoの場合には、
リターンする。
【0065】また、ステップS3の判定結果がYesの
場合には、ヒートポンプ温水暖房モード(冷凍サイクル
4を暖房サイクル)で運転する。すなわち、冷媒圧縮機
20の電動モータをオン、冷媒流路切替弁27を閉弁
(オフ)、冷媒流路切替弁28を開弁(オン)、電動フ
ァン40をオン、ウォータポンプ51を運転し、燃焼式
ヒータ56の運転を停止する(ステップS4)。次に、
ヒートポンプ温水暖房モード時の吹出温度制御を行う
(ステップS5)。その後にリターンする。
【0066】また、ステップS2の判定結果がYesの
場合には、図8のフローチャートに示したように、操作
パネル200に設けられた温度調整レバー202、20
7の操作位置から設定吹出温度Tsetを読み込む(吹
出温度設定手段)。さらに、各種温度センサから検出値
を読み込む(ステップS6)。ここでは、ブロワ3の風
量V(m3 /h)、エバ後温度センサ(吸込温度セン
サ)115で検出した吸込温度TE、水温センサ116
で検出した燃焼式ヒータ56の出口水温(温水温度)T
Wa、水温センサ117で検出した温水ヒータコア52
の出口水温(温水温度)TWbなど、後の演算に必要な
検出値(物理量)を読み込む。なお、ブロワ3の風量V
は、ECU100からブロワモータ19への出力値を使
って演算により求めることができる。
【0067】次に、目標吹出温度TAOを周知の方法で
決定する(目標吹出温度決定手段:ステップS7)。目
標吹出温度TAOは、マニュアルエアコンでは温度調整
レバー202の操作位置によって求めることができ、オ
ートエアコンでは温度調整レバー207の操作位置、内
気温センサ111で検出した内気温Tr、外気温センサ
112で検出した外気温Tamを使って演算により求め
ることができる。
【0068】次に、温水ヒータコア52を通過する空気
の風量Vから温度効率φ(V)を決定する(温度効率決
定手段:ステップS8)。ここでは、ブロワ3の運転状
態によって求めたブロワ3の風量Vと温度効率φとの特
性図(図11参照)に基づいて温度効率φを算出する。
【0069】次に、目標温水温度TWOを後述の方法で
決定する(目標温水温度決定手段:ステップS9)。す
なわち、エバ後温度センサ115で検出した吸込温度T
E、ステップS7で決定した目標吹出温度TAO、およ
びステップS8で決定した温度効率φから目標温水温度
TWOを下記の数1の式に基づいて算出する。
【数1】TWO=(TAO−TE)/φ+TE
【0070】次に、内気循環モードがセットされている
か否かを判定する(ステップS10)。このステップS
10の判定結果がYesの場合には、ステップS12の
制御を行う。また、ステップS10の判定結果がNoの
場合には、内外気切替ダンパ9が内気吸込口7を全閉
し、外気吸込口8を全開する外気導入モードとなるよう
にサーボモータ等のアクチュエータを制御する(ステッ
プS11)。その後にステップS12の制御を行う。
【0071】次に、水温センサ116で検出した燃焼式
ヒータ56の出口水温TWaが目標温水温度TWO以上
に上昇しているか否かを判定する(ステップS12)。
このステップS12の判定結果がNoの場合には、燃料
ポンプ81の駆動周波数を大きくして燃料の供給量を増
大させることにより燃焼式ヒータ56をHIGH運転
(4000kcal/h)し、ウォータポンプ51を運
転し、冷凍サイクル4の運転を停止する(ステップS1
3)。その後にステップS15の制御を行う。
【0072】また、ステップS12の判定結果がYes
の場合には、燃料ポンプ81の駆動周波数を小さくして
燃料の供給量を減少させることにより燃焼式ヒータ56
をLOW運転(例えば2000kcal/h)し、ウォ
ータポンプ51を運転し、冷凍サイクル4の運転を停止
する(ステップS14)。その後にステップS15の制
御を行う。
【0073】次に、図9のフローチャートに示したよう
に、車室内の暖房状態が暖房過多であるか否かを判定す
る(暖房過多判定手段:ステップS15)。この暖房過
多判定制御の第1制御例として、下記の数2の式のよう
に、水温センサ116で検出した燃焼式ヒータ56の出
口水温TWaが過熱温度(例えば85℃)TWmax以
上に上昇しているか否かを判定する(ステップS1
6)。
【数2】TWa≧TWmax
【0074】また、その暖房過多判定制御の第2制御例
として、下記の数3の式のように、水温センサ117で
検出した温水ヒータコア52の出口水温TWbが目標温
水温度TWOより高温であるか否かを判定する(ステッ
プS17)。
【数3】TWb≧TWO+α ここで、αは例えば5度〜10度である。
【0075】さらに、その暖房過多判定制御の第3制御
例として、下記の数4の式のように、吹出温センサ11
8で検出した吹出温度TFOOTが温度調整レバー20
2、207で設定した設定吹出温度Tsetより高温で
あるか否かを判定する(ステップS18)。
【数4】TFOOT≧Tset+β ここで、βは例えば5度〜10度である。
【0076】そして、その暖房過多判定制御の第4制御
例として、下記の数5の式のように、内気温センサ11
1で検出した内気温Trが温度調整レバー202、20
7で設定した設定室内温度Trsより高温であるか否か
を判定する(ステップS19)。
【数5】Tr≧Trs+γ ここで、γは例えば5度〜10度である。ステップS1
5の判定結果がNoの場合、すなわち、ステップS16
〜S19の判定結果が全てNoの場合には、内気循環モ
ードフラグをクリアする(ステップS20)。その後に
リターンする。
【0077】また、ステップS15の判定結果がYes
の場合、すなわち、ステップS16〜S19のいずれか
の判定結果がYesの場合には、燃焼式ヒータ56のL
OW運転を継続したまま冷凍サイクル4を冷房サイクル
で運転する。すなわち、冷媒圧縮機20の電動モータを
オン、冷媒流路切替弁27を開弁(オン)、冷媒流路切
替弁28を閉弁(オフ)、電動ファン40をオンする
(ステップS21)。
【0078】次に、冷媒蒸発器25の出口空気温度(エ
バ後温度センサ115で検出した吸込温度TE)が非凍
結温度(例えば1℃〜4℃)TESに達するまで周知の
方法により冷媒圧縮機20の回転速度制御を行う(ステ
ップS22)。次に、冷凍サイクル4を冷房サイクルで
運転してから予め決められた設定時間(例えば60秒間
〜120秒間)settが経過しているか否かを判定す
る(時間経過判定手段:ステップS23)。このステッ
プS23の判定結果がNoの場合には、リターンする。
【0079】また、ステップS23の判定結果がYes
の場合には、図10のフローチャートに示したように、
車室内の暖房状態が暖房過多であるか否かを判定する
(暖房過多判定手段:ステップS24)。この暖房過多
判定制御の第1制御例として、上記の数2の式のよう
に、水温センサ116で検出した燃焼式ヒータ56の出
口水温TWaが過熱温度(例えば85℃)TWmax以
上に上昇しているか否かを判定する(ステップS2
5)。
【0080】その第2制御例として、上記の数3の式の
ように、水温センサ117で検出した温水ヒータコア5
2の出口水温TWbが目標温水温度TWOより高温であ
るか否かを判定する(ステップS26)。その第3制御
例として、上記の数4の式のように、吹出温センサ11
8で検出した吹出温度TFOOTが温度調整レバー20
2、207で設定した設定吹出温度Tsetより高温で
あるか否かを判定する(ステップS27)。その第4制
御例として、上記の数5の式のように、内気温センサ1
11で検出した内気温Trが温度調整レバー202、2
07で設定した設定室内温度Trsより高温であるか否
かを判定する(ステップS28)。
【0081】ステップS24の判定結果がNoの場合、
すなわち、ステップS25〜S28の判定結果が全てN
oの場合には、リターンする。また、ステップS24の
判定結果がYesの場合、すなわち、ステップS25〜
S28のいずれかの判定結果がYesの場合には、内外
気切替ダンパ9が内気吸込口7を全開し、外気吸込口8
を全閉する内気循環モードとなるようにサーボモータ等
のアクチュエータを制御する(ステップS29)。
【0082】次に、内気循環モードフラグをセットする
(ステップS30)。次に、冷媒蒸発器25の出口空気
温度(エバ後温度センサ115で検出した吸込温度T
E)が非凍結温度(例えば1℃〜4℃)TESに達する
まで周知の方法により冷媒圧縮機20の回転速度制御を
行う(ステップS31)。その後にリターンする。
【0083】〔第1実施例の作用〕次に、この実施例の
電気自動車用空気調和装置1の作動を図1ないし図6に
基づいて簡単に説明する。
【0084】(冷房モード)外気温が例えば25℃より
も高い夏期等は冷房を行う。この冷房モード時には冷媒
流路切替弁27が開弁され、冷媒流路切替弁28が閉弁
され、冷凍サイクル4が冷房サイクルで運転される。し
たがって、冷媒圧縮機20の吐出口より吐出された高
温、高圧のガス冷媒は、冷媒水熱交換器21の冷媒通路
35→バイパス管路41→室外熱交換器23→第2減圧
手段24→冷媒蒸発器25→アキュームレータ26を通
って冷媒圧縮機20の吸入口に吸入される。
【0085】一方、ブロワ3の作用によって内気吸込口
7または外気吸込口8よりダクト2内に吸い込まれた空
気は、冷媒蒸発器25にて冷媒の蒸発熱により冷却され
て冷風となる。この冷風は、主にセンタフェイス吹出口
12およびサイドフェイス吹出口13より車室内へ吹き
出されることにより、電気自動車の車室内が冷房され
る。
【0086】そして、車室内へ吹き出す吹出空気の温度
調節は、温度調節レバー202、207の設定位置に応
じたエアミックスダンパ57、58の開度調節により行
うことができる。このときの温水サイクル5では、温水
流路切替弁54が閉弁され、温水流路切替弁55が開弁
され、ウォータポンプ51の吐出ポートより吐出された
温水が冷媒水熱交換器21の温水通路34→バイパス流
路62→温水ヒータコア52→排熱冷却器53を通って
ウォータポンプ51の吸引ポートに吸引されるように流
れる。しかし、電気自動車の重要課題である省電力消費
の観点から、エアミックスダンパ57、58を全閉して
全空気を温水ヒータコア52よりバイパスさせて、エア
コン用インバータ30による冷媒圧縮機20の回転速度
制御を行うようにして、車室内へ吹き出す吹出空気の温
度を調節した方が良い。
【0087】(除湿モード)除湿モード時には、冷房モ
ードと同様にして冷媒流路切替弁27が開弁され、冷媒
流路切替弁28が閉弁され、冷凍サイクル4が冷房サイ
クルで運転される。これにより、ブロワ3の作用により
冷媒蒸発器25に吹き付けられた空気は、空気中の水分
が凝縮され冷媒蒸発器25のフィン等に付着することに
より除湿される。なお、除湿された空気を再加熱したい
場合は、エアミックスダンパ57、58を作動させてそ
の空気の一部または全部を温水ヒータコア52に導き、
温水と熱交換させれば良い。このとき、温水の加熱方法
は、そのときの外気温条件により熱源である冷媒水熱交
換器21、燃焼式ヒータ56等を使い分ければ良い。
【0088】(ヒートポンプ温水暖房モード)外気温が
例えば4.4℃よりも高い冬期等はヒートポンプ温水暖
房を行う。このヒートポンプ温水暖房モード時には冷媒
流路切替弁27が閉弁され、冷媒流路切替弁28が開弁
され、冷凍サイクル4が暖房サイクルで運転される。ま
た、吸込口モードは外気導入モード、吹出口モードはフ
ットモードが主に選択される。したがって、冷媒圧縮機
20の吐出口より吐出された高温、高圧のガス冷媒は、
冷媒水熱交換器21の冷媒通路35→第1減圧手段22
→室外熱交換器23→バイパス管路42→アキュームレ
ータ26を通って冷媒圧縮機20の吸入口に吸入され
る。
【0089】一方、温水サイクル5では、温水流路切替
弁54が閉弁され、温水流路切替弁55が開弁される。
したがって、ウォータポンプ51の吐出ポートより吐出
された温水は、冷媒水熱交換器21の温水通路34→バ
イパス流路62→温水ヒータコア52→排熱冷却器53
を通ってウォータポンプ51の吸引ポートに吸引され
る。このため、冷媒水熱交換器21で冷媒より吸熱した
温水が温水ヒータコア52に循環供給される。
【0090】なお、例えば外気吸込口8よりダクト2内
に吸い込まれた外気は、温水ヒータコア52で高温の温
水と熱交換して温風となる。この温風は、主にフット吹
出口14より車室内へ吹き出されることにより車室内が
暖房される。このとき、温水サイクル5の途中に接続さ
れている排熱冷却器53にて走行用モータMや走行用イ
ンバータIからの排熱もヒートポンプ温水暖房用の補助
熱源として有効活用することもできる。
【0091】そして、車室内へ吹き出す吹出空気の温度
調節は、冷房モードと同様にして、温度調整レバー20
2の設定位置に応じたエアミックスダンパ57、58の
開度調節により行うことができるが、エアミックスダン
パ57、58を全開にして全空気を温水ヒータコア52
を通過させてエアコン用インバータ30による冷媒圧縮
機20の回転速度制御を行うようにして、車室内へ吹き
出す吹出空気の温度を調節した方が良い。また、冷媒水
熱交換器21の冷媒の凝縮熱のみでは充分な熱量が得ら
れない場合は、温水ヒータコア52に直列に電気ヒータ
を接続して、その電気ヒータを通電することにより温水
を補助加熱するようにしても良い。
【0092】(外気温が0℃より低い時の燃焼ヒータ温
水暖房モード)仕向地により外気温が非常に低く(例え
ば−10℃〜−30℃以下の寒冷地)冷媒水熱交換器2
1では充分な熱量が得られない場合がある。このような
場合には、冷媒圧縮機20を駆動せず、温水流路切替弁
55を閉弁し、温水流路切替弁54を開弁して、燃焼式
ヒータ56により暖房に必要な熱量を温水に与えるよう
にする。また、吸込口モードは外気導入モード、吹出口
モードはフットモードに設定される。
【0093】ここで、燃焼式ヒータ56の作動を図1お
よび図3に基づいて簡単に説明する。燃料ポンプ81の
作用で送られてきた燃料は、燃焼筒69へ入る前に霧化
され、始動時にはグロープラグ71で燃料を着火し、運
転時には燃焼ファン72の作用により送られてきた燃焼
空気と混合して燃焼する。燃焼排気は温水通路76内を
流れる温水とより完全に熱交換するように燃焼筒69内
を経て排気管75より排出される。この燃焼排気はほぼ
完全燃焼するのでかなりクリーンなガスである。
【0094】一方、温水は、流入ポート78より温水通
路76内に入り燃焼筒69の周りを巡って加熱された後
に流出ポート79より流出して合流流路63を通って温
水ヒータコア52へ供給される。これにより、外気温が
非常に低く、ヒートポンプ温水暖房が行えない地域にお
いても、かなり高温の温水が温水ヒータコア52に循環
することになるので、充分な熱量で車室内を暖房するこ
とができる。
【0095】(外気温が0℃以上4.4℃以下の時の燃
焼ヒータ温水暖房モード)外気温が0℃以上4.4℃以
下の時にはヒートポンプ温水暖房では充分な暖房能力が
得られないため、燃焼ヒータ温水暖房モードで暖房運転
を行う。このような時には、燃焼式ヒータ56を最低暖
房能力Qmin(=LOW運転:例えば2000kca
l/h)で運転しても能力余りとなって車室内の温度
(内気温)が異常に上がり過ぎる暖房過多となる。な
お、このように燃焼式ヒータ56の能力が余っている暖
房状態では乗員は暖まり過ぎを防止するためにブロワ3
の風量を最も弱いレベル(Lo風量:例えば120m3
/h)で使用していることが多い。ブロワ3の風量を自
動調整するオートエアコンでも同様である。
【0096】しかし、能力切替が2段階しかできない燃
焼式ヒータ56は、一定の暖房能力を出力しているた
め、燃焼式ヒータ56の出口水温は60℃〜80℃と高
くなり、この状態で継続しても暖房能力は変わらない。
このとき、冷媒蒸発器25の周囲の空気の温度は、仮に
外気温が0℃であっても温水ヒータコア52からの熱伝
導で5℃〜10℃に上昇している。
【0097】以上のように燃焼ヒータ温水暖房モード時
に車室内の暖房状態が暖房過多となった場合、例えば燃
焼式ヒータ56の出口水温TWaが過熱温度(例えば8
5℃)TWmax以上に上昇した場合、温水ヒータコア
52の出口水温TWbが目標温水温度TWOより高温と
なった場合、吹出温度TFOOTが設定吹出温度Tse
tより高温となった場合、あるいは内気温Trが設定室
内温度Trsより高温となった場合には、燃焼式ヒータ
56を最低暖房能力で運転した状態を継続し、さらに冷
媒圧縮機20を駆動し冷凍サイクル4を冷房サイクルで
運転する。そして、冷媒蒸発器25の出口空気温度(エ
バ後温度センサ115で検出した吸込温度TE)が非凍
結温度(例えば1℃〜4℃)TESに達するまで冷媒圧
縮機20の回転速度制御をしながら冷房運転する。
【0098】上記のように、燃焼式ヒータ56のLOW
運転と冷凍サイクル4の冷房サイクル運転とを同時運転
すると、冷媒蒸発器25の表面温度が低下し、温水ヒー
タコア52からの熱伝導分も含めて500kcal/h
〜700kcal/h分を冷却することができる。この
ような冷凍サイクル4の冷房サイクルによる運転は、外
気温が0℃と低いため、室外熱交換器23での凝縮温度
が5℃〜10℃と低い。
【0099】この結果、冷媒圧縮機20を駆動する電動
モータやエアコン用インバータ30の消費電力は0.1
kW〜0.4kWと極めて低い値となる。因に、冷凍サ
イクル4を暖房サイクルで運転するヒートポンプ温水暖
房モード時の冷媒圧縮機20を駆動する電動モータやエ
アコン用インバータ30の消費電力は冷媒水熱交換器2
1での凝縮温度が47.8℃と高く2.0kWである。
したがって、燃焼ヒータ温水暖房の暖房能力が2000
kcal/hから1300kcal/h〜1500kc
al/hに落ちることになり、車室内の暖房過多を抑え
ることができる。
【0100】上記のように冷凍サイクル4を冷房サイク
ルで運転しても、未だ燃焼式ヒータ56が能力余りの場
合には、内外気切替ダンパ9を駆動して外気導入モード
から内気循環モードに吸込口モードを切り替える。する
と、ダクト2のフット吹出口14から吹き出された高温
の温風は、内気循環モードで且つブロワ3の風量がLo
風量(弱風)であるため、ショートサーキットし易くな
って、そのまま内気吸込口7に吸い込まれていく温風量
が多くなる。
【0101】この結果、冷媒蒸発器25の入口空気温度
が高くなるので、冷媒蒸発器25の出口空気温度(エバ
後温度センサ115で検出した吸込温度TE)が非凍結
温度(例えば1℃〜4℃)TESに達するまで冷媒圧縮
機20の回転速度制御をしながら冷房運転することによ
り暖房能力が打ち消される。したがって、温水ヒータコ
ア52と冷媒蒸発器25との間で空気をショートサーキ
ットさせることにより、温水ヒータコア52の放熱熱量
を冷媒蒸発器25の吸熱熱量として奪うことによって、
燃焼ヒータ温水暖房の暖房能力を2000kcal/h
から800kcal/h〜1200kcal/hまで下
がる。これにより、車室内の暖房過多を抑えることがで
きる。
【0102】〔第1実施例の効果〕以上のように、電気
自動車用空気調和装置1は、冷媒水熱交換器21にて冷
媒の凝縮熱により加熱された温水を温水ヒータコア52
内に流入させてダクト2内を流れる空気を加熱するよう
にしているので、室内熱交換器を冷媒凝縮器として働か
せて車室内の暖房を行うようにした従来のヒートポンプ
暖房では暖房能力が不足していた地域(例えば外気温が
0℃以下に低下する地域)においても、充分な暖房能力
を得ることができる。また、温水ヒータコア52や吹出
口切替機構を備えた既成のヒータユニットを利用できる
ため、エアコンユニット(室内ユニット10)を新設す
る必要がなくなるので、コストを低減することができ
る。
【0103】また、燃焼式ヒータ56の燃焼熱により加
熱された温水を温水ヒータコア52内に流入させてダク
ト2内を流れる空気を加熱するようにしているので、室
内熱交換器を凝縮器として働かせて車室内の暖房を行う
ようにした従来のヒートポンプ暖房では暖房能力が不足
していた寒冷地(例えば外気温が−10℃以下に低下す
る地域)においても、充分な暖房能力を得ることができ
る。また、温水サイクル5を備えた電気自動車用空気調
和装置1に燃焼式ヒータ56を組み合わせるだけで、燃
焼式ヒータ56の追加組付を行うことができるので、コ
ストを低減することができる。
【0104】さらに、排熱冷却器53にて走行用モータ
Mや走行用インバータI等の車載電気機器の排熱を温水
に与えて、この排熱により加熱された温水を温水ヒータ
コア52内に流入させてダクト2内を流れる空気を加熱
するようにしているため、車載電気機器の排熱を車室内
の暖房に有効に活用することができるので、車載電源6
のエネルギーを有効に利用することができる。
【0105】〔第1実施例の主要な作用および効果〕次
に、図2および図12に基づいてこの実施例の主要な作
用および効果を詳細に説明する。ここで、図12はダク
ト2の各部の空気温度を示したグラフである。図12
中、Xは吸込口モードが外気導入モードで、燃焼ヒータ
温水暖房単独の空気温度を表す。また、Yは吸込口モー
ドが外気導入モードで、燃焼ヒータ温水暖房と冷凍サイ
クル4の冷房サイクル運転(クーラ運転)とを併用した
場合の空気温度を表す。さらに、Zは吸込口モードが内
気循環モードで、燃焼ヒータ温水暖房と冷凍サイクル4
の冷房サイクル運転(クーラ運転)とを併用した場合の
空気温度を表す。
【0106】1)Xのモード 通常の燃焼式ヒータ56のLOW運転(2000kca
l/h)、ブロワ3の風量がLo風量(120m3
h)による燃焼ヒータ温水暖房であって、外気温(約0
℃)を吸い込んで(A点)、ダクト2のスクロールケー
シング内からブロワ3の中で暖められ(B点:約5
℃)、さらに冷媒蒸発器25でCからDまで約5℃暖め
られる。これは、前述したように温水ヒータコア52が
60℃〜80℃と高温であるため、ダクト2を伝わって
冷媒蒸発器25が暖められるため、その冷媒蒸発器25
を通過する空気もCからDまで暖められるからである。
【0107】このように冷媒蒸発器25を通過する際に
暖められた空気がさらに温水ヒータコア52を通過する
際に本来の空気加熱が行われて、EからFまで温度が約
40℃も上昇してF、Gの温度(=約50℃)で、フッ
ト吹出口14から車室内へ吹き出される。
【0108】2)Yのモード 燃焼式ヒータ56のLOW運転(2000kcal/
h)、ブロワ3の風量がLo風量(120m3 /h)に
よる燃焼ヒータ温水暖房に冷凍サイクル4の冷房サイク
ルでの運転を併用した運転であって、Xモード同様に外
気温(約0℃)を吸い込んで、A〜Bに到達するが、C
からDの間で冷媒蒸発器25の作用により0℃まで冷却
される。なお、0℃以下に空気を冷却しようとすると、
冷媒蒸発器25の表面に付着した水滴が凍ったり、霜が
着いたりして冷媒蒸発器25の通風を妨げるので0℃ま
で冷却すようにしている。
【0109】このように冷媒蒸発器25を通過する際に
0℃まで冷却された空気は、温水ヒータコア52を通過
する際に加熱されて、EからFまで温度が約40℃上昇
してF、Gの温度(=約40℃)で、フット吹出口14
から車室内へ吹き出される。この場合には、Xの場合よ
り車室内への吹出温度が10℃程度低くなる。この分だ
け燃焼式ヒータ56の能力余りを打ち消したことにな
る。これでも、未だ燃焼式ヒータ56の暖房能力が余剰
となっていて車室内への吹出温度(F、G)が高い場合
には、Zモードのように吸込口モードを外気導入モード
から内気循環モードに切り替える。
【0110】Z)Yのモード この場合には、通風系の抵抗が減少するので、Xモード
およびYモードに対してダクト2内の風量は20%〜3
0%だけ増加する。そして、この増加した分以上の空気
(全体の30%〜40%)は、フット吹出口14(G
点)から吹き出された後に、フット吹出口14と内気吸
込口7とが近いため、空気流れが車室内を循環しないで
フット吹出口14から内気吸込口7に向かってショート
サーキットする。
【0111】この分と内気循環モードとなっているた
め、内気吸込口7から吸い込まれる空気の温度(H点)
はXモードおよびYモードよりも上昇し、冷媒蒸発器2
5で冷却する量(CからD)はXモードおよびYモード
よりも大きくなる。このように大きく冷やされた空気が
温水ヒータコア52で加熱されてF、Gの温度となり、
フット吹出口14から吹き出される。
【0112】このZモードがXモードおよびYモードよ
りも吹出温度(G)が低くなるのは、前述したショート
サーキットの空気熱量が冷媒蒸発器25に奪われて、そ
の分だけ燃焼式ヒータ56の暖房熱量を冷凍サイクル4
に伝えたことになる。したがって、Zモードの場合に温
水ヒータコア52の出口水温はXモードおよびYモード
よりも低くなり、それに従って吹出温度F、Gも低くな
る。
【0113】このように温水ヒータコア52から空気に
伝えた熱量(放熱量)の20%〜50%を空気をショー
トサーキットさせ、車室内の暖房に使うことなく、冷媒
蒸発器25に吸熱させて、冷媒圧縮機20で冷媒を移動
させてることによりラジエータを新たに設けなくても室
外熱交換器23を通じて車室外の空気に放熱することが
できる。このときの冷媒圧縮機20を駆動する電動モー
タやエアコン用インバータ30の消費電力は、前述した
ように、外気温が0℃で凝縮温度が5℃〜10℃と極め
て低いため、0.1kW〜0.4kWとなる。すなわ
ち、0.1kW〜0.4kWの消費電力で0.5kW〜
1.2kWの冷却能力を発生させ、燃焼式ヒータ56の
暖房能力を0.5kW〜1.2kWも打ち消すことがで
きる。
【0114】これは、車室内の暖房状態が暖房過多とな
ることを防止するために、車室内の暖房方法を燃焼ヒー
タ温水暖房からヒートポンプ温水暖房に切り替えて行っ
た時に、暖房能力が1.5kW〜3.0kW必要なのに
対して消費電力が0.75kW〜2.0kWも必要なこ
とと比較すると格段に低い消費電力となる。これによ
り、冷媒圧縮機20の電源である車載電源6の電力消耗
を著しく抑えることができるので、その車載電源6を走
行用モータMの電源としても使用する電気自動車の走行
距離が長くなる。したがって、電気自動車に電力を使わ
ないで車室内の暖房を行うことが可能な燃焼式ヒータ5
6を搭載した効果を低下させないという利点が生じる。
【0115】したがって、燃焼ヒータ温水暖房モード時
に車室内の暖房状態が暖房過多となった場合でも、燃焼
式ヒータ56の運転を停止することなく、車室内の暖房
状態を快適な暖房状態にすることができるので、ヒート
ポンプ暖房のように車室内の暖房能力が不足したり、燃
焼式ヒータ56のオン、オフによる大量の排気ガスが排
出されたりすることはない。すなわち、暖房フィーリン
グの低下や環境への悪影響を抑えることができる。
【0116】また、燃焼式ヒータ56の暖房能力を冷媒
蒸発器25で吸熱して冷凍サイクル4の室外熱交換器2
3で車室外の空気に捨てることができるため、ラジエー
タや電動式冷却ファンを使用する必要はない。このた
め、部品点数を軽減することができるので、電気自動車
用空気調和装置1の製品コストを低減することができ
る。この結果、安価な電気自動車用空気調和装置1を搭
載した電気自動車の価格を低下させることができる。
【0117】〔第2実施例〕図13はこの発明の第2実
施例を示したもので、電気自動車用空気調和装置を示し
た図である。この実施例の冷凍サイクル4は、第1減圧
手段22を迂回するバイパス管路43、第2減圧手段2
4および冷媒蒸発器25を迂回するバイパス管路44、
室外熱交換器23とバイパス管路43、44とを直列接
続した冷媒出入口流路45、および室外熱交換器23と
第1、第2減圧手段22、24とを直列接続する冷媒出
入口流路46等を備えている。バイパス管路43には、
冷房サイクル(冷房モードおよび除湿モード)時に開弁
する冷媒流路切替弁(電磁弁)27が設けられ、バイパ
ス管路44には、暖房サイクル(ヒートポンプ温水暖房
モード)時に開弁する冷媒流路切替弁(電磁弁)28が
設けられている。
【0118】この実施例においては、冷房サイクル時は
冷媒出入口流路45→室外熱交換器23→冷媒出入口流
路46のように冷媒が流れ、暖房サイクル時は冷媒出入
口流路46→室外熱交換器23→冷媒出入口流路45の
ように流れるように第1、第2減圧手段22、24、冷
媒流路切替弁27、28およびバイパス管路43、44
を接続している。
【0119】これにより、室外熱交換器23のガス側は
冷媒出入口流路45側となり、室外熱交換器23の液側
は冷媒出入口流路46側となる。すなわち、室外熱交換
器23を冷媒凝縮器として運転する冷房サイクル時と冷
媒蒸発器として運転する暖房サイクル時とで冷媒の流れ
方向を逆向きにすることができる。したがって、ガス側
から液側へ行くに従って室外熱交換器23の冷媒通路の
通路断面積を大から小にすることができるので、冷媒の
流れの圧力損失と室外熱交換器23の熱交換性能とを矛
盾なく設計することができる。
【0120】〔第3実施例〕図14はこの発明の第3実
施例を示したもので、電気自動車用空気調和装置を示し
た図である。この実施例では、冷媒水熱交換器21と燃
焼式ヒータ56とを並列接続した温水サイクル5であ
る。冷媒水熱交換器21の温水通路34はバイパス流路
62に連通している。燃焼式ヒータ56の流入ポート7
8は、ウォータポンプ51の下流側でバイパス流路62
より分岐する分岐流路61に接続されている。また、燃
焼式ヒータ56の流出ポート79は、温水ヒータコア5
2の上流側でバイパス流路62に合流する合流流路63
に接続されている。
【0121】〔第4実施例の構成〕図15ないし図19
はこの発明の第4実施例を示したもので、図15は電気
自動車用空気調和装置を示した図である。
【0122】この実施例の燃焼式ヒータ56は、流入ポ
ート78が温水配管(温水流路)61aを介してウォー
タポンプ51の出口に接続され、流出ポートが温水配管
(温水流路)63aを介して冷媒水熱交換器21の温水
通路34の入口に接続されている。なお、この実施例で
は、第1実施例の温水流路切替弁54、55およびバイ
パス流路62を廃止することにより、温水サイクル5を
構成する構成部品の部品点数を低減している。また、冷
凍サイクル4は第2実施例と同一の構成のものである。
【0123】図16は電気自動車用空気調和装置のEC
Uを示した図である。ECU100は、本発明の暖房運
転制御手段であって、第1実施例と同一の構成のもので
ある。このECU100には、暖房状態検出手段として
の内気温センサ111、外気温センサ112、日射セン
サ113、冷媒圧力センサ114、吸込温度検出手段と
してのエバ後温度センサ115、温水温度検出手段とし
ての水温センサ116、117、吹出温度検出手段とし
ての吹出温センサ118および操作パネル200が電気
的に接続されている。なお、エバ後温度センサ115
は、温水ヒータコア52に吸い込まれる空気の吸込温度
を検出する。
【0124】また、操作パネル200には、図5および
図6に示したように、吹出温度設定手段としての温度調
整レバー202、207、風量設定手段としてのブロワ
スイッチ204、ブロワオートスイッチ205が設置さ
れている。なお、ECU100は、ブロワ3の端子電
圧、すなわち、ブロワ3のブロワモータ19に印加する
ブロワ電圧(ブロワ風量)を検出する風量検出手段を有
している。
【0125】〔第4実施例の吹出温度制御方法〕次に、
この実施例のECU100の吹出温度制御を図17およ
び図18のフローチャートおよび図11の特性図に基づ
いて説明する。ここで、図17および図18はECU1
00の吹出温度制御の一例を示したフローチャートであ
る。
【0126】先ず、図17のフローチャートに示すよう
に、内気温センサ111で検出した内気温Tr、外気温
センサ112で検出した外気温Tam、エバ後温度セン
サ115で検出した吸込温度Tin、水温センサ116
で検出した温水温度TW、温度調整レバー202、20
7で設定した設定吹出温度Tsetおよび操作パネル2
00等の各入力信号を読み込む(暖房状態検出手段、温
水温度検出手段、吹出温度設定手段:ステップS4
1)。
【0127】なお、この実施例では、温水温度TWとし
て燃焼式ヒータ56の出口水温を用いているが、温水温
度TWとして、温水ヒータコア52の入口温度、出口温
度、表面温度、吹出温度、冷媒水熱交換器21の温水通
路34の入口温度、出口温度、冷媒水熱交換器21の冷
媒通路35の出口温度(冷媒温度)、冷媒圧力等のよう
に、温水サイクル5を循環する温水の温度に関連する温
度であればどの検出値を用いても良い。
【0128】次に、目標吹出温度TAOを周知の方法で
算出する(目標吹出温度決定手段:ステップS42)。
目標吹出温度TAOは、マニュアルエアコンでは温度調
整レバー202の操作位置によって求めることができ、
オートエアコンでは温度調整レバー207の操作位置、
内気温センサ111で検出した内気温Tr、外気温セン
サ112で検出した外気温Tamを使って演算により求
めることができる。
【0129】次に、ブロワ3のブロワモータ19に印加
している端子電圧を読み込み(ステップS43)、その
端子電圧からブロワ風量Vを算出する(風量検出手段:
ステップS44)。次に、ブロワ風量V、すなわち、温
水ヒータコア52を通過する空気の風量Vから温度効率
φ(V)を算出する(温度効率決定手段:ステップS4
5)。ここでは、ブロワ3の風量Vと温度効率φとの特
性図(図11参照)に基づいて温度効率φを算出する。
【0130】次に、目標温水温度TWOを後述の方法で
算出する(目標温水温度決定手段:ステップS46)。
すなわち、エバ後温度センサ115で検出した吸込温度
Tin、ステップS42で決定した目標吹出温度TA
O、およびステップS45で決定した温度効率φから目
標温水温度TWOを下記の数6の式に基づいて算出す
る。
【数6】TWO=(TAO−Tin)/φ+Tin
【0131】次に、燃焼ヒータ温水暖房モードの指示が
されているか否かを判定する。例えば燃焼ヒータ温水暖
房スイッチ264がオンされているか否かを判定する。
あるいは、外気温センサ112で検出した外気温Tam
が所定の外気温(例えば4.4℃)以下に低下している
か否かを判定する(ステップS47)。
【0132】このステップS47の判定結果がNoの場
合には、ヒートポンプ温水暖房モードの指示がされてい
るか否かを判定する。例えばヒートポンプ温水暖房スイ
ッチ263がオンされているか否かを判定する。あるい
は、外気温センサ112で検出した外気温Tamが所定
の外気温(例えば4.4℃)より上昇し、例えば20℃
以下に低下しているか否かを判定する(ステップS4
8)。このステップS48の判定結果がNoの場合に
は、リターンする。
【0133】また、ステップS48の判定結果がYes
の場合には、ヒートポンプ温水暖房モード(冷凍サイク
ル4を暖房サイクル)で運転する。すなわち、冷媒圧縮
機20の電動モータをオン、冷媒流路切替弁27を閉弁
(オフ)、冷媒流路切替弁28を開弁(オン)、電動フ
ァン40をオン、ウォータポンプ51を運転し、燃焼式
ヒータ56の運転を停止する(ステップS49)。
【0134】次に、ヒートポンプ温水暖房モード時の吹
出温度制御を行う。具体的には、冷凍サイクル4の冷媒
圧縮機20の目標回転速度を下記の数7の式(温度偏差
En)に基づいて算出し(目標回転速度決定手段)、そ
の目標回転速度に基づいて冷媒圧縮機20の回転速度を
制御する(暖房能力制御手段、圧縮機制御手段:ステッ
プS50)。その後にリターンする。
【数7】En=TWO−TW
【0135】また、ステップS47の判定結果がYes
の場合には、図18のフローチャートに示したように、
ウォータポンプ51および燃焼式ヒータ56を運転し
て、燃焼ヒータ温水暖房モード時の吹出温度制御を行
う。具体的には、燃焼式ヒータ56の目標燃焼能力を下
記の数8の式(温度偏差En)に基づいて算出し(燃焼
能力決定手段)、その目標燃焼能力に基づいて燃焼式ヒ
ータ56の燃焼能力を制御する(暖房能力制御手段:ス
テップS51)。
【数8】En=TWO−TW
【0136】次に、水温センサ116で検出した温水温
度TWが目標温水温度TWOより高温であるか否かを判
定する(ステップS52)。このステップS52の判定
結果がNoの場合には、ステップS41の処理に移行す
る。また、ステップS52の判定結果がYesの場合に
は、燃焼式ヒータ56を最低能力で運転する。具体的に
は、燃料ポンプ81の駆動周波数を小さくして燃料の供
給量を減少させることにより燃焼式ヒータ56をLOW
運転(例えば2000kcal/h)する(暖房能力制
御手段:ステップS53)。
【0137】次に、水温センサ116で検出した温水温
度TWが目標温水温度TWOと許容温度上昇幅α(例え
ば4℃〜5℃)との和以上に高温である(下記の数9の
式を満足する)か否かを判定する(ステップS54)。
このステップS54の判定結果がNoの場合には、ステ
ップS41の処理に移行する。
【数9】TW≧TWO+α
【0138】また、ステップS54の判定結果がYes
の場合には、燃焼式ヒータ56のLOW運転を継続した
まま冷凍サイクル4を冷房サイクルで運転する。すなわ
ち、冷媒圧縮機20の電動モータをオン、冷媒流路切替
弁27を開弁(オン)、冷媒流路切替弁28を閉弁(オ
フ)、電動ファン40をオンする(ステップS55)。
【0139】次に、冷凍サイクル4の冷媒圧縮機20の
目標回転速度を下記の数10の式(温度偏差En)に基
づいて算出し(目標回転速度決定手段)、その目標回転
速度に基づいて冷媒圧縮機20の回転速度を制御する
(暖房能力制御手段:圧縮機制御手段:ステップS5
6)。その後にリターンする。
【数10】En=TWO−(TW+α)
【0140】ここで、TWOは数11の式に置き換えら
れ、TWは数12の式に置き換えられるので、温度偏差
Enは数13の式および数14の式に置き換えることが
できる。
【数11】TWO=(TAO−Tin)/φ+Tin
【数12】TW =(TA −Tin)/φ+Tinこ
こで、TAは吹出温度(吹出温センサ118で検出する
吹出温と同値)である。
【数13】En={(TAO−Tin)/φ+Tin}
−{(TA −Tin)/φ+Tin}
【数14】En=(TAO−TA)/φ+α
【0141】すなわち、この実施例では、車室内の暖房
状態が暖房過多となっている場合に、先ず燃焼式ヒータ
56を最低能力(LOW運転)に設定した後に、冷凍サ
イクル4を目標温水温度TWOと実際の水温(温水温
度)TWとの温度偏差En(=TWO−TW)によって
冷凍サイクル4の冷房能力、すなわち、冷媒圧縮機20
の回転速度を制御することにより、良好な目標温水温度
TWOを得るようにしている。これによって、温水ヒー
タコア52に吸い込まれる空気の吸込温度を下げること
により、温水ヒータコア52の放熱量が大きくても、ダ
クト2より吹き出される空気の吹出温度TAを下げるこ
とができるので、吹出温度TAを目標吹出温度TAOに
近づけることができる。したがって、冷媒圧縮機20の
消費電力を抑えながらも、燃焼式ヒータ56の運転を停
止することなく、車室内の暖房状態が暖房過多となるこ
とを抑えることができる。
【0142】ここで、この実施例では、温度偏差En
(=TWO−TW)によって冷凍サイクル4の冷房能力
を制御する際に、能力に多少の許容温度上昇幅α(例え
ば5℃)を加えて冷媒圧縮機20の回転速度をファジー
制御しているが、これは許容温度上昇幅αが0℃である
と、燃焼式ヒータ56が最低能力となる前に(燃焼式ヒ
ータ56の暖房能力を下げることができるのに)冷房サ
イクルの運転が開始されることによる暖房効率の低下を
防止するためである。なお、許容温度上昇幅αは4℃以
上あれば良く、5℃が望ましい。
【0143】次に、図19はこの実施例を実際に使用し
たときの試験データである。図19には、目標温水温度
TWO、温水温度TW、冷媒圧縮機20の回転速度Nco
mpを記している。そして、図19の時刻Aで燃焼式ヒー
タ56をONし、図19の時刻Bで内気温(室温)が上
昇してきたため、目標温水温度TWOを下げている。そ
して、図19の時刻Cでは、燃焼式ヒータ56は最低能
力(LOW運転)になってこれよりも能力を下げられな
いため、温水温度TWが目標温水温度TWOを大きく上
回っている。このとき、車室内の暖房状態は暖房過多と
なる。そこで、図19の時刻Dで、冷媒圧縮機20をO
Nし冷凍サイクル4を冷房サイクルで運転してその冷凍
サイクル4の冷房能力により燃焼式ヒータ56の暖房能
力を打ち消す。このとき、。En=(TWO+3)−T
Wに基づいて冷媒圧縮機20の回転速度を制御すると、
TW−TWO≒3℃に維持される。
【0144】〔変形例〕寒冷地仕様の暖房用熱源である
燃焼式ヒータ等に環境問題の見地から使用上の制約(例
えば外気温が規定値以下に低下しないと燃焼式ヒータを
使用してはいけないという制約)がある場合でも第1、
第3、第6実施例のエアコンシステムでは、温水の流路
を温水流路切替弁54、55にて切り替えることにより
燃焼式ヒータ56を使用しない温水流路を形成すること
ができ、上記制約に対応することができる。
【0145】この実施例では、本発明を電気自動車用空
気調和装置に適用したが、本発明を空冷式エンジンや水
冷式エンジンを搭載した車両用空気調和装置に適用して
も良い。なお、温水としては純水や、各種金属の防食の
ための防食添加剤を添加した水溶液、ロングライフクー
ラント等を利用しても良い。
【0146】この実施例では、冷媒流路切替手段として
冷媒流路切替弁27、28を設けたが、冷媒流路切替手
段として三方弁や四方弁を設けても良い。この実施例で
は、温水流路切替手段として温水流路切替弁54、55
を設けたが、温水流路切替手段として三方弁や四方弁を
設けても良い。
【0147】また、温水の循環量をウォータポンプ51
や流量調整弁等で調整することにより、車室内へ吹き出
す空気の吹出温度を制御しても良い。この実施例では、
排熱冷却器53を温水ヒータコア52とウォータポンプ
51とを接続する温水配管に接続したが、冷媒水熱交換
器21と温水ヒータコア52とを接続する温水配管に接
続しても良い。また、排熱冷却器53にて排熱を回収す
る車載電気機器として冷媒圧縮機20、エアコン用イン
バータ30、電動ファン40等を用いても良い。
【0148】この実施例では、本発明を電気自動車用空
気調和装置に適用したが、本発明を内燃機関(ガソリン
エンジン、ディーゼルエンジン)を搭載した自動車や電
車等の車両用空気調和装置に適用しても良い。この実施
例では、室内熱交換器に冷房サイクル時にのみ冷媒蒸発
器として運転される冷媒蒸発器25を用いたが、室内熱
交換器に冷房サイクル時に冷媒蒸発器として運転され、
暖房サイクル時に冷媒凝縮器として運転される室内熱交
換器を用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】電気自動車用空気調和装置の全体構造を示した
構成図である(第1実施例)。
【図2】ダクト内の空調機器を示した構成図である(第
1実施例)。
【図3】燃焼式ヒータの一例を示した断面図である(第
1実施例)。
【図4】ECUを示したブロック図である(第1実施
例)。
【図5】操作パネルの一例を示した正面図である(第1
実施例)。
【図6】操作パネルの他の例を示した正面図である(第
1実施例)。
【図7】ECUの作動を示したフローチャートである
(第1実施例)。
【図8】ECUの作動を示したフローチャートである
(第1実施例)。
【図9】ECUの作動を示したフローチャートである
(第1実施例)。
【図10】ECUの作動を示したフローチャートである
(第1実施例)。
【図11】ブロワの風量と温度効率との関係を示した特
性図である(第1実施例)。
【図12】ダクトの各部の空気温度を示したグラフであ
る(第1実施例)。
【図13】電気自動車用空気調和装置の全体構造を示し
た構成図である(第2実施例)。
【図14】電気自動車用空気調和装置の全体構造を示し
た構成図である(第3実施例)。
【図15】電気自動車用空気調和装置の全体構造を示し
た構成図である(第4実施例)。
【図16】ECUを示したブロック図である(第4実施
例)。
【図17】ECUの作動を示したフローチャートである
(第4実施例)。
【図18】ECUの作動を示したフローチャートである
(第4実施例)。
【図19】目標温水温度、温水温度および冷媒圧縮機の
回転速度を示したタイムチャートである(第4実施
例)。
【図20】暖房熱負荷と外気温との関係を示したグラフ
である。
【符号の説明】
I 走行用インバータ M 走行用モータ 1 電気自動車用空気調和装置 2 ダクト 3 ブロワ(送風機) 4 冷凍サイクル 5 温水サイクル 7 内気吸込口(内気取入口) 8 外気吸込口(外気取入口) 9 内外気切替ダンパ(内外気調整手段) 20 冷媒圧縮機 21 冷媒水熱交換器(水冷式の冷媒凝縮器) 23 室外熱交換器 25 冷媒蒸発器(室内熱交換器) 30 エアコン用インバータ(回転速度制御手段) 51 ウォータポンプ(循環流発生手段) 52 温水ヒータコア(温水式加熱器) 56 燃焼式ヒータ 100 ECU(暖房運転制御手段) 101 CPU(暖房過多判定手段) 116 水温センサ(暖房状態検出手段、温水温度検出
手段) 117 水温センサ(暖房状態検出手段、温水温度検出
手段) 202 温度調整レバー(吹出温度設定手段) 207 温度調整レバー(吹出温度設定手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B60H 1/32 624 B60H 1/32 624H 624A (72)発明者 兒玉 悟 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 大村 充世 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)車室内へ向かって空気を送るための
    ダクトと、 (b)このダクト内において車室内へ送風する送風機
    と、 (c)冷媒を圧縮して吐出する電動式の冷媒圧縮機、前
    記ダクト内に配設され、冷媒と空気とを熱交換させる室
    内熱交換器、および前記ダクト外に配設され、冷媒と熱
    媒体とを熱交換させる室外熱交換器を有し、 前記室内熱交換器を冷媒蒸発器として運転する冷房サイ
    クルと前記室外熱交換器を冷媒蒸発器として運転する暖
    房サイクルとを切り替え可能な冷凍サイクルと、 (d)前記ダクト内に設置され、前記ダクト内を流れる
    空気を温水により加熱する温水式加熱器、この温水式加
    熱器に直列に接続され、燃料の燃焼熱により温水を加熱
    する燃焼式ヒータ、およびこの燃焼式ヒータで加熱され
    た温水を前記温水式加熱器に循環させる循環流発生手段
    を有する温水サイクルと、 (e)車室内の暖房状態を検出する暖房状態検出手段、
    および車室内の暖房状態が暖房過多であるか否かを判定
    する暖房過多判定手段を有し、 前記燃焼式ヒータの運転時に、前記暖房過多判定手段に
    よって前記暖房状態検出手段で検出された車室内の暖房
    状態が暖房過多であると判定された場合、前記冷凍サイ
    クルを冷房サイクルで運転する暖房運転制御手段とを備
    えた車両用空気調和装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の車両用空気調和装置にお
    いて、 前記ダクトは、車室内空気を取り入れる内気取入口、車
    室外空気を取り入れる外気取入口、前記内気取入口の近
    傍に設けられ、温風を吹き出す温風吹出口、および前記
    内気取入口より取り入れる車室内空気の取入量と前記外
    気取入口より取り入れる車室外空気の取入量とを調整す
    る内外気調整手段を備え、 前記暖房運転制御手段は、前記燃焼式ヒータの運転時
    に、前記暖房過多判定手段によって前記暖房状態検出手
    段で検出された車室内の暖房状態が暖房過多であると判
    定された場合、前記内外気調整手段を制御して車室外空
    気の取入量よりも車室内空気の取入量の方を多くするこ
    とを特徴とする車両用空気調和装置。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の車両用空
    気調和装置において、 前記冷凍サイクルは、前記冷媒圧縮機より吐出された冷
    媒と前記温水サイクル内を循環する温水とを熱交換させ
    て冷媒を凝縮させる水冷式の冷媒凝縮器を有し、この冷
    媒凝縮器は、前記温水式加熱器に直列に接続されている
    ことを特徴とする車両用空気調和装置。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の車両用空気調和装置にお
    いて、 前記暖房運転制御手段は、車室内に吹き出す空気の吹出
    温度を所望の温度に設定する吹出温度設定手段、 この吹出温度設定手段で設定された設定吹出温度に基づ
    いて、目標吹出温度を決定する目標吹出温度決定手段、 この目標吹出温度決定手段で決定した目標吹出温度に基
    づいて、目標温水温度を決定する目標温水温度決定手
    段、 前記温水サイクル内を循環する温水の温度を検出する温
    水温度検出手段、 および前記目標温水温度決定手段で決定した目標温水温
    度と前記温水温度検出手段で検出した温水温度との温度
    偏差に基づいて、前記冷凍サイクルを冷房サイクルで運
    転する時の目標回転速度を決定する目標回転速度決定手
    段を有し、 前記目標回転速度決定手段で決定した目標回転速度に基
    づいて、前記冷媒圧縮機の回転速度を制御することを特
    徴とする車両用空気調和装置。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の車両用空気調和装置にお
    いて、 前記目標回転速度決定手段では、温度偏差をEn、 前記目標温水温度決定手段で決定した目標温水温度をT
    WO、 前記温水温度検出手段で検出した温水温度をTW、 および許容温度上昇幅をαとしたとき、 En=TWO−TW+α の関係を満足するように温度偏差を算出することを特徴
    とする車両用空気調和装置。
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