JPH0952154A - 金属薄帯の破断検出方法、搬送用コンベア及び搬送方法 - Google Patents

金属薄帯の破断検出方法、搬送用コンベア及び搬送方法

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JPH0952154A
JPH0952154A JP10569996A JP10569996A JPH0952154A JP H0952154 A JPH0952154 A JP H0952154A JP 10569996 A JP10569996 A JP 10569996A JP 10569996 A JP10569996 A JP 10569996A JP H0952154 A JPH0952154 A JP H0952154A
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克美 黒川
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晴彦 石塚
Toru Sato
徹 佐藤
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一之 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、急冷法による薄帯製造の開始から終
了までの間で、該薄帯の破断を瞬時且つ正確に検出する
方法、その方法を用いた薄帯搬送用コンベア及び搬送方
法を提供することを目的としている。 【構成】高速回転する冷却ロールの表面上にスリット状
ノズルを介して溶融金属を射出し、急冷凝固させて金属
薄帯とした後、該金属薄帯を冷却ロールから剥離し空気
吸引式コンベアにより巻取装置まで誘導し、コイル状に
巻取るに際して、上記空気吸引式コンベアの減圧室の圧
力を常時測定し、その測定値に基づき金属薄帯の破断を
判定することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、急冷法による金属
薄帯の製造技術に関し、詳しくは、金属薄帯製造中にお
ける該薄帯の破断検出方法、搬送用コンベア及び搬送方
法に係わる。
【0002】
【従来の技術】近年、溶融金属を鋳造後に急冷して金属
薄帯を製造する技術の開発が盛んである。そのうち、製
造した金属薄帯をコイル状に巻取る技術としては、特開
昭57−94453号公報に開示されているように、高
速回転する2つの冷却ロール1間に(単ロールの場合
は、表面上に)スリット状ノズル15を介して溶融金属
13を射出し、急冷凝固させて非晶質の金属薄帯2とし
た後、直ちに上記冷却ロール1に近接した磁石を埋込ん
だ巻取りリール9に金属薄帯(以下、単に薄帯という)
2を巻付ける方法がある(図8参照)。この方法は、冷
却ロール1の近接位置に巻取機9を配置することによっ
て、薄帯2の面倒な搬送を不用にした巧妙な技術と言え
る。
【0003】しかしながら、この方法は、巻取機9が余
りにも冷却ロール1に近接しているので、薄帯の工業生
産には必ずしも適しているとは言えない。つまり、製造
した薄帯2の板厚や穴等の欠陥をチェックする検査装置
や張力制御装置を生産ラインに配置するスペースが確保
できないので、連続的な生産工程を設置する観点では決
して好ましい方法ではない。
【0004】そこで、本出願人は、冷却ロール1から離
れた位置で薄帯2の巻取りを行う方法として特開平3−
106543号公報記載の技術を提案した。それは、図
9に示すように、冷却ロール1から薄帯2が剥離した
後、吸引ブロア7により発生させた気流により薄帯2を
搬送ガイド4を経て搬送台車6上に積載されたピンチロ
ール5間に誘導し、該ピンチロール5で捕捉し、かつピ
ンチロール5後方の粉砕機(ブロア)7で薄帯2の先端
部を粉砕しながら該薄帯2にピンチロール5によって張
力を付与しつつ搬送台車6を移動させて巻取機9まで誘
導し、該巻取機9によってコイル状に巻取る方法であ
る。
【0005】しかしながら、この特開平3−10654
3号公報記載の巻取り方法では、薄帯2が搬送開始後に
破断した場合、再度薄帯2を捕捉し、搬送するのが難し
い。何故ならば、薄帯2の製板速度(冷却ロールの周
速)は15m/sec以上あることが普通で、一瞬のう
ちにライン内に後続の薄帯2が氾濫し、搬送台車6を冷
却ロール1近くまで戻すことが不可能になるからであ
る。また、前記検査装置等も一度掃除を行わなければ使
用不可能となる。しかも、この巻取り方法では、薄帯破
断の検出をダンサーロール16高さの急激な変化や搬送
ラインに薄帯の張力計17を配置し、張力の急激な低下
で行っているが、それでは薄帯2が巻取機まで誘導さ
れ、ダンサーロール16や張力計17が適正に作動した
後に始めて有効であり、該適正作動までの期間は破断検
出ができないという欠点もあった。
【0006】一方、特公平6−73704号公報は、上
記特開平3−106543号公報記載の巻取り方法が薄
帯搬送にピンチロールを利用している代りに空気吸引式
コンベア(以下、吸引コンベアという)を用い、薄帯を
カローゼルリール(2つのリールを交互に使用できる)
まで搬送する方法を開示している。そして、この巻取り
方法を用いると、薄帯の破断発生時に該吸引コンベアの
一つの方向を変え(例えば、下向に)、破断後の後続す
る薄帯をピットに排出できるようにして、前記した薄帯
破断による搬送ラインでのトラブルを回避することが考
慮されている。
【0007】しかしながら、冷却ロールでの製板速度は
非常に大きいため、吸引コンベアの方向変更は瞬時に行
わなければ手遅れとなるのに、特公平6−73704号
公報には薄帯破断の検出について何ら記載がなく、破断
の早期発見をどのようにするかが問題であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情
を鑑み、急冷法による薄帯製造の開始から終了までの間
で、該薄帯の破断を瞬時且つ正確に検出する方法、その
方法を用いた薄帯搬送用コンベア及び搬送方法を提供す
ることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】発明者は、上記目的を達
成するため、薄帯の破断を早期にしかも容易且つ確実に
検出する方法を鋭意検討し、薄帯搬送用コンベア、つま
り該空気吸引式コンベアの減圧室の空気圧変動、あるい
は冷却ロール、該空気吸引式コンベアの駆動用モータの
動力変動に着眼した。すなわち、本発明は、高速回転す
る冷却ロールの表面上にスリット状ノズルを介して溶融
金属を射出し、急冷凝固させて金属薄帯とした後、該金
属薄帯を冷却ロールから剥離し空気吸引式コンベアによ
り巻取装置まで誘導し、コイル状に巻取るに際して、上
記空気吸引式コンベアの減圧室の圧力を常時測定した
り、あるいは冷却ロール、該空気吸引式コンベアの駆動
用モータの動力値を測定し、それらの測定値に基づき金
属薄帯の破断を判定することを特徴とする金属薄帯の破
断検出方法である。また、実際の薄帯製造に利用する装
置に関しての本発明は、多孔質材からなるコンベアベル
トと、該コンベアベルトの上方の空気を吸引排気する減
圧室とを備えた傾動自在な金属薄帯搬送用コンベアにお
いて、上記減圧室の内部圧力を測定する圧力計と、該圧
力測定値を基準値と比較したり、あるいは冷却ロール、
該空気吸引式コンベアの駆動用モータの動力値を測定す
る測定計、該動力測定値を基準値と比較して、それらの
出力信号を該コンベアの傾度変更手段へ伝達する演算器
とを備えたことを特徴とする金属薄帯搬送用コンベアで
ある。さらに、本発明は、上記金属薄帯搬送用コンベア
の演算器に、搬送台車に付帯する金属薄帯誘導用コンベ
ア減圧室の圧力、冷却ロールの駆動用モータの動力、該
空気吸引式コンベアの駆動用モータの動力、ダンサーロ
ールの高さ変化及び張力計のうち少なくとも一種以上の
データを入力して金属薄帯の破断を検出し、該金属搬送
用コンベアを傾動させることを特徴とする金属薄帯の搬
送方法でもある。
【0010】この場合、空気吸引式コンベアは2種類あ
り、搬送台車側に設置された薄帯誘導用コンベアと、冷
却ロール側で傾動自在になる薄帯搬送用コンベアであ
る。本明細書中では、両者とも吸引コンベアと呼ぶが、
前者を記号10b,後者を10aとして区別する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明では、高速回転する冷却ロ
ールの表面上にスリット状ノズルを介して溶融金属を射
出し、急冷凝固させて金属薄帯とした後、該金属薄帯を
冷却ロールから剥離し空気吸引式コンベアにより巻取装
置まで誘導し、コイル状に巻取るに際して、上記空気吸
引式コンベアの減圧室の圧力、冷却ロールの駆動用モー
タの動力、該空気吸引式コンベアの駆動用モータの動力
を常時測定し、それらの測定値に基づき金属薄帯の破断
を判定するようにしたので、急冷法による薄帯鋳造の開
始から終了までの間で、該薄帯の破断を瞬時且つ正確に
検出できるようになる。
【0012】また、本発明では、多孔質材からなるコン
ベアベルトと、該コンベアベルトの上方の空気を吸引排
気する減圧室とを備えた傾動自在な金属薄帯搬送用コン
ベアにおいて、上記減圧室の内部圧力を測定する圧力
計、あるいは前記冷却ロールや空気吸引式コンベアの駆
動モータの動力を測定する測定計と、これら測定値を基
準値と比較し、その出力信号を該コンベアの傾度変更手
段へ伝達する演算器とを備えるようにしたので、薄帯の
破損が生じた際、後続の薄帯をピットへ排出することが
できるようになり、再度薄帯の搬送体制を作り、操業を
早期に復活させることが可能となる。さらに、本発明
は、上記金属薄帯搬送用コンベアの演算器に、搬送台車
に付帯する金属薄帯誘導用コンベアの減圧室圧力、冷却
ロールや空気吸引式コンベアの駆動用モータの動力、ダ
ンサーロールの高さ変化及び張力計のうち少なくとも一
種以上のデータを入力して金属薄帯の破断を検出し、該
金属搬送用コンベアを傾動させるようにしたので、薄帯
破断はもっとも近い位置で検出できるようになり、早期
検出を確実に行えるようになる。
【0013】以下、実施例において、図1〜7、図10
及び図11に基づき、本発明の内容を具体的に説明す
る。
【0014】
【実施例】まず、本発明に係る薄帯の破断検出方法を実
施した薄帯製造ラインの全体構成を図1〜5に示す。薄
帯製造は、タンディッシュ14からスリット状ノズル1
5を介して溶融金属13を高速回転している冷却ロール
1の表面上に注出することで始まる。そして、該溶融金
属は、図1に示すように、冷却ロール1上で急冷凝固
し、薄帯となりエアナイフ3で冷却ロール1から剥離
し、搬送用吸引コンベア10a,誘導用吸引コンベア1
0b、搬送台車6等で支持される。該搬送台車6は、薄
帯2の先端部をブロア7で破損しながら、例えばカロー
ゼル方式の巻取機9まで誘導する(図2)。そこで、薄
帯先端が、図3に示すよう巻取りリールに把持され、巻
取りが開始される。その際、薄帯2の張力を調整するた
めのダンサーロール16や張力計17、あるいは前記検
査装置18等がラインの側面からセットされる。次に、
薄帯2が冷却ロール1上で破断すると、それは後述する
本発明に係る検出方法で検知され、吸引コンベア10a
を例えば下向に傾けるなどして(図4参照)、後続の薄
帯2を排出ピット11へ送る。そして、直ちに搬送台車
6を冷却ロール1の位置まで戻し、巻取り作業ラインの
再構成をする(図5参照)。
【0015】吸引コンベア10a,10bは、一般に図
6(a)に示すように、多孔質材料からなるコンベアベ
ルト12の上方にある空気19を、貫通孔を多数設けた
上板を有する箱体(該上板なしでも可)20を介して吸
引し、その吸引力で薄帯2をコンベアベルト12表面に
吸着すると共に、該ベルトの回転で前方に進行させるも
のである。具体的には、薄帯2がコンベアベルト12上
で渋滞しないように、また薄帯2に張力を与えるよう
に、該薄帯2の走行速度よりコンベアベルト12の回転
速度を大きめに設定する。また、該吸引コンベア10
a,10bの出側ローラ上は空気吸引がないが、一度吸
引された薄帯はベルトと供に回転して剥離しないことも
ある。かかる場合には、図6(c)に示すように、剥離
用エア3を吹きつけることがある。
【0016】ところで、本発明に係る薄帯の破断検出方
法は、上記箱体20からなる減圧室内の圧力を常時測定
することにある。つまり、薄帯2が該コンベアベルト1
2上にあり、前記貫通孔を塞いでいる場合(図6の
(b))には、該減圧室内の圧力と大気圧との差は大き
くなり、薄帯2が破断されてコンベアベルト12上に供
給されず、該ベルト上に薄帯2がなくなると(図6の
(a))又はコンベア上で破断した場合(図6(c))
の状態)、前記貫通孔(空気吸引孔)の全面積が大きく
なるため、減圧室内の圧力と大気圧との差は一瞬にして
低くなる。これらの状況に合わせた圧力差の測定結果を
図7に示す。図7では、コンベア上に薄帯2が全くない
状況を記号D,薄帯2が正常に搬送されている状況を記
号A,薄帯2が破断された時の状況を記号Bで示してい
る。薄帯2が破断しても、すぐに後続の薄帯2がコンベ
アベルト12上に適正に吸着された場合は、図7の曲線
(1)に示すように、インパルス的な破断信号となり、
破断部通過後に後続の薄帯2が該コンベアベルト12に
来ない場合には、図7の曲線(2)に示すように、圧力
差の値は薄帯のない前記D状況となった。なお、本発明
では、図6(c)に示すように、該吸引コンベア10a
の減圧室に圧力計21及び演算器22を取付け、薄帯の
巻取作業及び破断後ライン再構成の円滑で素早い実施を
図ってある。
【0017】また、前記したように、吸引コンベア10
a、10bが冷却ロール1の近傍に1つと、薄帯2を誘
導する搬送台車6側に1つの2台が使用されている。薄
帯2の破断発生は、冷却ロール1上から巻取機9までの
搬送中に起こるので、この両方の吸引コンベア10a,
10bとも本発明の実施に利用するのである。すなわ
ち、破断の早期検出は、破断発生位置に近いところで検
出するのが好ましいからである。この場合、両吸引コン
ベアでの圧力変化は異なり、破断が冷却ロール側コンベ
ア10aより上流で発生した場合は、図7の曲線(1)
の圧力変化が起き、搬送台車に付帯のコンベア10bで
は、搬送台車スタート前なら図7の曲線(1)の変化、
スタート後なら図7の曲線(2)の変化が起きる。な
お、冷却ロール側コンベア10aより下流で薄帯の破断
が発生した場合は、このコンベア10aでは圧力変化は
起きない。搬送台車付帯のコンベア10bで、搬送台車
スタート前なら図7の曲線(1)の変化、スタート後な
ら図7の曲線(2)の変化が起きる。勿論、コンベア1
0bの下流で破断が発生した場合は、該コンベア10b
に圧力の変化は起きず、搬送台車と該コンベア10bに
より巻取機まで誘導するのに支障はない。
【0018】さらに、図1〜5には薄帯2の搬送ライン
内にダンサーロール16、張力計17が配置されてお
り、本発明では、このダンサロール高さの急激な変化や
張力の急激な変化も勿論薄帯破断の信号として利用でき
る。つまり、巻取リール9に薄帯2を巻取開始後は、上
記搬送台車付帯の吸引コンベア10bは通常使用しない
ので、巻取開始後はダンサーロール16、張力計17と
冷却ロール1側の吸引コンベア10aで破断を検出する
のが良いからである。
【0019】次に、冷却ロールの駆動用モータの動力変
化、空気吸引式コンベアベルトの駆動用モータの動力変
化による破断検出方法に関して述べる。図10に示すよ
うに、コンベア10aのベルトと薄帯2の間に働く力を
F1、コンベア10bのベルトと薄帯2の間に働く力を
F2、冷却ロール1からコンベア10aまでの間の薄帯
2の張力をT1、コンベア10aからコンベア10bま
での間の薄帯2の張力をT2、コンベア10bから巻取
リール9までの薄帯2の張力をT3、冷却ロール半径を
0 、コンベア10aの駆動用プーリ半径r1 、コンベ
ア10bの駆動用プーリ半径r2 、コイルの外径をr3
とする。
【0020】コンベア10a,10bは、薄帯2を吸引
しながら薄帯2より速い速度で回転しているため、薄帯
2とベルトの間は滑り、薄帯2には進行方向へ摩擦力が
働く。このため,薄帯2の各位置によって張力が異なっ
ている。まず、薄帯2をコイルに巻取り時には、巻取リ
ール駆動用モータは、T3×r 3 だけ無負荷時に比較し
て余分のトルクが必要で、このトルクがコイルの巻張力
T3を生む。つまり、このT3は、コンベア10bによ
りF2の力を付加され、該コンベア10bの入側に作用
する。そして、このT3とそれより上流側で薄帯2に作
用する張力T2との関係は、T2=T3+F2で表わさ
れる。以下、コンベア10aについても同様に考える
と、T1=T2+F1の関係が成立する。このT1の張
力が、冷却ロール1にT1×r0 のトルクをロール回転
方向にかける。よって、この分(T1×r0 =(T3+
F2+F1)×r0 )だけ冷却ロール1の駆動用モータ
の負荷はより小さくなる。
【0021】一方、コンベア10aのベルトは、F1の
力を回転方向と逆方向に受け、該ベルトの駆動用モータ
は、上流の薄帯に張力がかかっていない時、すなわち、
ベルトが薄帯より力を受けない時に比べてトルクでF1
×r1 の余分の負荷がかかる。また、コンベア10bの
ベルトは、F2の力を回転方向と逆方向に受け、ベルト
の駆動用モータは、同様にトルクでF2×r2の余分の
負荷がかかる。
【0022】引き続いて、破断が発生した時の冷却ロー
ル及びコンベアの動力変化を、図11の概念図により説
明する。冷却ロール1、コンベア10aのベルト、コン
ベア10bのベルトの動力は、定常状態では通常ほぼ一
定値をとる。破断が発生した場合には、図11に示すよ
うに、破断箇所(図10参照)によって異なり、以下の
ようになる。 (1)破断箇所例1(図11(a)):コンベア10a
より上流 ここで破断した時は、薄帯2が再度コンベアに捕捉され
るまでは、T1=T2=T3=0に近く、冷却ロール駆
動用モータの負荷は増え、コンベア10b、10aのベ
ルト駆動用モータの負荷は減る。 (2)破断箇所例2(図11(b)):コンベア10a
とコンベア10bの間 ここで破断した場合は、T1>0、T2=T3=0で、
冷却ロール1の駆動用モータの負荷は増え、コンベア1
0bのベルト駆動用モータの負荷は減る。コンベア10
aのベルト駆動用モータの負荷は変わらない。 (3)破断箇所例3(図11(c)):コンベア10b
の下流 ここで破断した場合は、T1>0、T2>0、T3>0
で、冷却ロール駆動用モータの負荷コンベア10b、1
0aのベルト駆動用モータの負荷は変化しない。 勿
論、搬送台車スタート後等で薄帯2が再度捕捉されない
時は、図11で破線で示すように、各動力は推移する。
また、これら動力の変化幅は、冷却ロール半径、慣性モ
ーメント、冷却ロールの駆動用モータ仕様、コンベアの
吸引圧、コンベアの駆動用モータ仕様等により変わる。
【0023】巻取中に破断が発生した時の巻取リール
は、T3が一定になるように制御されている場合には、
該リールの回転速度が急に上昇し、薄帯2の再捕捉後に
は、元の速度に戻るように変化する。ダンサーロールの
位置調整で、薄帯に緩みがないようにリール速度を制御
している場合にも、該リールの速度は破断によって急に
上昇し、薄帯2の再捕捉後に元の速度に戻る。この変化
も破断検出に使用できる。
【0024】最後になるが、破断が検出された後のこと
について述べる。この場合には、本発明に係る吸引コン
ベア10a,つまり金属薄帯搬送用コンベアが有効に利
用できる。すなわち、本発明に係る薄帯搬送用コンベア
10aは、図6の(c)に示すように、減圧室に設けた
圧力計21からの圧力測定値を演算器22に伝達し、そ
の値を基準値と比較し、該コンベア10aを傾動させる
必要がある場合にはその信号を図示していない傾動装置
へ伝達するようにしてある。その結果、該コンベア10
aはその下方に設けた薄帯2の排出ピット11側へ傾動
し、引き続き製造された後続の薄帯2を排出ピット11
へ回収できるようになっている。そして、この薄帯2を
排出ピット11へ送っている間に、搬送台車6、コンベ
ア10bを冷却ロール1側に戻し、吸引コンベア10
b,つまり薄帯誘導用コンベアによる薄帯2の捕捉を再
度行い、搬送ラインの形成を素早く行うことができるよ
うになる。なお、本発明では、搬送台車付帯のコンベア
10bやダンサーロール16、張力計17からの信号
を、冷却ロール側の薄帯搬送用コンベア10aの傾動指
示に用いるように構成し、薄帯破断の早期検出に役立て
得ることも可能である。
【0025】
【発明の効果】以上述べたように、本発明により、搬送
ライン形成時に薄帯の破断が発生しても瞬時に検出し、
再度捕捉搬送を行うことができる体制をつくるまでの間
に、不要な薄帯をライン外に搬出するアクションを瞬時
に行うと共に、ラインの再形成も容易にできるようにな
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】薄帯製造において、薄帯の巻取機までの誘導開
始を示す図である。
【図2】薄帯製造において、巻取機までの誘導終了状態
を示す図である。
【図3】薄帯製造において、巻取リールでの巻取開始を
示す図である。
【図4】薄帯製造において、薄帯の破断直後の状況を示
す図である。
【図5】薄帯製造において、薄帯破断後の作業ラインの
再構成を示す図である。
【図6】空気吸引式コンベアの図であり、(a)は薄帯
を吸着しない状態、(b)は薄帯吸着中の状況を示し、
(c)は薄帯破断時の状況を示すと同時に、本発明に係
るコンベアとして圧力計及び演算器を付設したことも示
す。
【図7】本発明に係る薄帯の破断検出方法を実施した時
の吸引コンベア減圧室の圧力変化を示す図である。
【図8】冷却ロールと薄帯巻取りリールが接近した金属
薄帯の製造装置を示す図である。
【図9】冷却ロールと薄帯巻取りリールが離れている場
合の薄帯誘導方法を示す図である。
【図10】薄帯の破断を冷却ロール及び/又は空気吸引
式コンベアの駆動用モータの動力変化で判定する本発明
の説明図である。
【図11】薄帯の破断位置が異なる場合での、冷却ロー
ル及び/又は空気吸引式コンベアの駆動用モータの動力
変化を示す図であり、(a)は破断個所例1、(b)は
破断個所例2、(c)は破断個所例3の場合である。
【符号の説明】
1 冷却ロール 2 金属薄帯(薄帯) 3 エアナイフ 4 搬送ガイド 5 ピンチロール 6 搬送台車 7 吸引ブロア 8 デフロール 9 巻取リール(巻取機) 10a 冷却ロール側の吸引コンベア 10b 搬送台車側の吸引コンベア 11 排出ピット 12 コンベアベルト 13 溶融金属 14 タンディッシュ 15 スリット状ノズル 16 ダンサーロール 17 張力計 18 検査装置 19 空気 20 箱体(減圧室) 21 圧力計 22 演算器 24 電流計 25 モータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石塚 晴彦 千葉市中央区川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社千葉製鉄所内 (72)発明者 佐藤 徹 千葉市中央区川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社千葉製鉄所内 (72)発明者 加藤 一之 千葉市中央区川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社千葉製鉄所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高速回転する冷却ロールの表面上にスリ
    ット状ノズルを介して溶融金属を射出し、急冷凝固させ
    て金属薄帯とした後、該金属薄帯を冷却ロールから剥離
    し空気吸引式コンベアにより巻取装置まで誘導し、コイ
    ル状に巻取るに際して、 上記空気吸引式コンベアの減圧室の圧力を常時測定し、
    その測定値に基づき金属薄帯の破断を判定することを特
    徴とする金属薄帯の破断検出方法。
  2. 【請求項2】 多孔質材からなるコンベアベルトと、該
    コンベアベルトの上方の空気を吸引排気する減圧室とを
    備えた傾動自在な金属薄帯搬送用コンベアにおいて、 上記減圧室の内部圧力を測定する圧力計と、該圧力測定
    値を基準値と比較し、その出力信号を該コンベアの傾度
    変更手段へ伝達する演算器とを備えたことを特徴とする
    金属薄帯搬送用コンベア
  3. 【請求項3】 高速回転する冷却ロールの表面上にスリ
    ット状ノズルを介して溶融金属を射出し、急冷凝固させ
    て金属薄帯とした後、該金属薄帯を冷却ロールから剥離
    し空気吸引式コンベアにより巻取装置まで誘導し、コイ
    ル状に巻取るに際して、 上記冷却ロールの駆動用モータの動力、及び/又は上記
    空気吸引式コンベアベルトの駆動用モータの動力を常時
    測定し、その測定値に基づき金属薄帯の破断を判定する
    ことを特徴とする金属薄帯の破断検出方法。
  4. 【請求項4】 高速回転する冷却ロールの表面上にスリ
    ット状ノズルを介して溶融金属を射出、凝固して製造し
    た金属薄帯を、巻取装置へ搬送する多孔質材からなるコ
    ンベアベルトと、該コンベアベルトの上方の空気を吸引
    排気する減圧室とを備えた傾動自在な金属薄帯搬送用コ
    ンベアにおいて、 上記冷却ロールの駆動用モータの動力、及び/又は上記
    各空気吸引式コンベアベルトの駆動用モータの動力を測
    定する測定計と、該動力測定値を基準値と比較し、その
    出力信号をコンベア傾度変更手段へ伝達する演算器とを
    備えたことを特徴とする金属薄帯搬送用コンベア。
  5. 【請求項5】 請求項2又は4記載の金属薄帯搬送用コ
    ンベアの演算器に、搬送台車に付帯する金属薄帯誘導用
    コンベアの減圧室圧力、冷却ロールの駆動用モータの動
    力、上記各空気吸引式コンベアベルトの駆動用モータの
    動力、ダンサーロール高さの変化及び張力計のうち少な
    くとも一種以上のデータを入力して金属薄帯の破断を検
    出し、該金属搬送用コンベアを傾動させることを特徴と
    する金属薄帯の搬送方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015000420A (ja) * 2013-06-17 2015-01-05 Jfeスチール株式会社 金属薄帯の製造方法
CN108817334A (zh) * 2018-07-20 2018-11-16 芜湖君华材料有限公司 一种非金合金带材粉碎收集方法
WO2023231002A1 (zh) * 2022-06-02 2023-12-07 宁德时代新能源科技股份有限公司 极片断带检测方法、装置、电子设备及存储介质

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