JPH09519U - クランク軸振動ダンパ - Google Patents

クランク軸振動ダンパ

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JPH09519U
JPH09519U JP1230196U JP1230196U JPH09519U JP H09519 U JPH09519 U JP H09519U JP 1230196 U JP1230196 U JP 1230196U JP 1230196 U JP1230196 U JP 1230196U JP H09519 U JPH09519 U JP H09519U
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JP
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hub
crankshaft
damper
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annular
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JP1230196U
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シー.シスコ ウィリアム
エム.ヘイレット ティモシー
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シンプソン インダストリーズ インコーポレイテッド
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ねじり、曲げいずれの振動をも減衰可能で、
従来のダンパより簡単かつ出費も少ない構造の内燃機関
用ダンパを得ること。 【解決手段】 相応に湾曲せしめられたハブ32と環状
の慣性部材34との間に、ねじり、曲げ両振動を減衰で
きるように、寸法面でも化学的特性の面でも構成されて
いるエラストマー部材が配置されている。また、ハブと
慣性部材の半径方向外側又は内側の曲率は、クランク軸
の曲げ振動を効果的に低減するように選定しておく。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、一般的には内燃機関の各部品、具体的にはクランク軸の振動やノイ ズを減衰もしくは低減のために用いられるダンパ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
当業者には周知のように、ガソリンエンジン等の内燃機関は、自動車その他の 車両の駆動に用いられ、エンジンのシリンダの往復動の動力がクランク軸の一端 から車輪に伝えられる。クランク軸の他端は、種々の補助装置、たとえば発電機 、パワーステアリング、空調圧縮器などを、プーリ配置や単数又は複数のベルト を介して駆動するのに用いられる。
【0003】 内燃機関のクランク軸は、シリンダ内の可燃ガスの順次爆発によるかなりのね じり振動にさらされる。回転力は円滑に連続的に使用されるわけではない。制御 なしでは、振動によって、クランク軸自体に損傷が生じ、かつ(又は)エンジン のその他の部品又は冷却システムの、特に、共鳴が生じる個所も損傷を受ける。 また、振動により“うなり”(whine)やノッキングなど、いずれも極めて 好ましくない騒音を生じさせることがある。
【0004】 この問題は、多年にわたって認められ、このねじり振動を低減するための種々 の装置が設計され、使用されてきた。そうした普通の形式のトーショナル・ダン パの或るものは、クランク軸端に付加された内側金属ハブと、外側金属環状部材 と、ハブと外側部材との間に位置するエラストマ部材とから成っている。最も外 側の環状又は輪状の部材は、しばしば“慣性部材”と呼ばれる。このハブには、 クランク軸により生ぜしめられる振動が直接に伝えられる。ハブはクランク軸に 剛性結合されているためである。慣性部材は、エラストマによりハブに結合され 、したがって、ハブの振動と、これに対応する慣性部材の振動との間の位相差が 生じる。
【0005】 この型式の振動ダンパは、たとえば次の米国特許に開示されている:すなわち 、2,939,338号、2,972,904号、3,479,907号、3, 945,269号、4,084,265号、4,318,309号、4,378 ,865号、4,395,809号である。これらの特許を取得したダンパのう ちのいくつかは、特に、ダンパ部品の軸方向変位を克服することに関わり、また 、これらのうちの大部分のダンパは、ねじり振動を克服することを課題としてい る。
【0006】 エンジンのクランク軸の回転によって種々の振動が生じる。主な2種類の振動 が、ねじり振動と曲げ振動である。ねじり振動は、クランク軸の縦軸線を中心と する角度をなして発生する。また、曲げ振動は、片持ちビームの曲げ振動に似た ものである。クランク軸の固定端、又は結節点は、エンジンのクランクケース内 の或る個所に位置している。前述のねじり振動ダンパ装置などの従来型の動的減 衰装置は、こうした複合振動の減衰もしくは低減には不十分である。
【0007】 近年に至って、エンジン出力の増大と関連するねじり振動及び曲げ振動を抑え る目的で、いくつかの複式の振動減衰装置が提案されている。この種の減衰装置 は、慣性部材対、すなわち、ねじり振動減衰用の第1慣性部材と、曲げ振動減衰 用の第2慣性部材とを組合せたものである。このねじり振動ダンパは、一般に、 エラストマ部材を介してハブに結合された環状慣性部材を有する従来式の構成の ものである。曲げ振動ダンパは第2慣性部材を有し、この慣性部材は、プーリ構 造物の内側空隙内の、第1慣性部材半径方向内側に、きまって位置している。第 2慣性部材は、第2エラストマ部材を介してハブに結合されている。
【0008】 複式減衰装置は、たとえば4,710,152号、4,794,816号、4 ,815,332号、4,881,426号の各米国特許に開示されている。こ れらの振動ダンパ構造物は、2個の別個の慣性部材と2個の弾性エラストマ部材 を利用している。エラストマにより、エンジンに付加的な重みがかかり、かつ付 加的な費用も必要となる。また、それらの部材を構成するには、新しい組立て工 具類や技術が必要となり、それによって更に出費が必要となる。
【0009】
【考案が解決しようとする課題】
本考案の課題は、ねじり、曲げ、いずれの振動をも減衰もしくは低減し、かつ また従来のダンパよりも簡単で出費も少ない構造を有する内燃機関用ダンパを得 ることにある。
【0010】 本考案の別の目的は、ねじり振動と曲げ振動とを、他方の振動に干渉又は逆作 用することなしに別個に調整できる複式ダンパを得ることにある。 本考案の更に別の目的は、従来の工具と従来の技術を用いて組立ることのでき る複式ダンパを得ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
これらの目的及びその他の目的は、本考案により、ハブと外側の環状慣性部材 との間に1つだけエラストマ部材を配置することにより達成された。ハブは、ク ランク軸の付属駆動端部に結合されるように構成されている。慣性部材には、付 属駆動ベルトを受容するためのみぞを設けてもよく、また設けなくともよい。弾 性的なエラストマー部材は、相応に湾曲せしめられたハブと慣性部材との間に組 付けられた場合に、ねじり振動と曲げ振動とを減衰するように、寸法面でも化学 的にも構成されている。ハブと慣性部材との半径方向外側又は内側の曲率は、ク ランク軸の曲げ振動を効果的に低減するのに十分であるように選定する。
【0012】 エラストマ部材は、先ず、特定エンジンのクランク軸のねじり振動を減衰又は 低減するのに十分な一定寸法及び横断面積を有するように前選定する。次いで、 エラストマ部材の曲率が、エンジン内に発生する曲げ振動を十分に減衰又は低減 するように選定される。ハブと外側の環状慣性部材は、弾性部材の所望形状に順 応する必要がある湾曲形状が得られるように構成する。
【0013】 複式ダンパの組立ては、ハブと慣性部材とをジグその他内に確実に保持し、弾 性部材を両部材間の湾曲環状空隙内へ強制的に圧入することにより行なわれる。
【0014】
【実施例】
図1及び図2は、種々の車両に現在用いられている種類の内燃機関を略示した 図である。図示のエンジンは、V字型6気筒のエンジンである。図1にはエンジ ンの斜視図が、図2には部分断面図が示されている。
【0015】 エンジン10は、クランク軸14に結合された複数ピストン12を有している 。シリンダ16内のガスの爆発によるピストン16の運動によって、クランク軸 14が回転する。クランク軸14の一端(図示せず)は変速機と駆動トレーンに 連結され、車両のホイールを駆動する。クランク軸の他端20(“鼻端nose ”と呼ばれることが多い)は、エンジンブロック24の主軸受22に支承され、 前壁又はカバー25から突出している。
【0016】 ダンパ30は、クランク軸端20に取付けられている。ダンパ30は、中央ハ ブ32、ウエブもしくは複数のスポーク33、外側リング32を有している。リ ング34は、ダンパの慣性部材である。ハブ32と慣性部材34との間には、環 状の弾性エラストマ部材36が配置されている。
【0017】 ハブ32は、締りばめによりクランク軸鼻端20に取付けられている。ハブは 、また、金属キー38を介してクランク軸にキー結合している。キー38は、ハ ブと鼻端それぞれの細長いスロット40、42内に適合している。ボルト44と ワッシャ46も、また、ダンパを鼻端に取付けるのに用いられている。
【0018】 ダンパ内の複数の孔48は、必要な場合にクランク軸からダンパを取外すさい に利用される。慣性部材34内の孔50は、ハブと慣性部材が組付けられたのち 、正確なバランスを得るのに必要とされる複数の孔の1つである。
【0019】 慣性部材34は、エンジンベルト54用のベルト軌道52を有している。この 軌道は、部材34の外表面に設けられている。図1に示したエンジンの場合、交 流発電機56、パワーステアリング圧縮機58、空調圧縮機60などの付属装置 すべての駆動に、単一のベルト54が利用されている。ベルト張力は、ベルトテ ンショナ62により維持されている。多くのエンジンの設計の場合、2個以上の ベルとの利用が要求され、本考案は、ベルトの個数とは関係なく、すべてのエン ジンに適用可能である。
【0020】 ベルト内面には平行に歯状突起62が配列され、これらの突起62が慣性部材 34の軌道52のみぞ64と噛合っている(図3)。突起とみぞとの噛合により 、ベルトが軌道から軸方向にはね出したり滑り出ることが防止される。
【0021】 クランク軸14は、中心回転軸線66(図3)を有している。エンジンの作動 時には、クランク軸14に作用するピストン12の力は、軸線66を中心として クランク軸が回転する間に、クランク軸にねじり振動及び全体として直角方向振 動が生ぜしめられる。クランク軸の振動は複合的であるが、大部分は、ねじり振 動と曲げ振動に分類できる。曲げ振動は、符号68の方向に全体としてクランク 軸軸線66と直角に生じ、その力は軸線66に沿って点70を中心として回転す る。この点70で、クランク軸鼻端20は、エンジン壁部24内の主軸受により 片持ち支承されている。実際曲げモーメントは点70を中心として回転するが、 実際変位は、そのモーメントが“全体として直角方向”と見なしうるほど僅かで ある。曲げ振動によるクランク軸の変位は、0.0254〜0.381mmの程 度であるが、その結果生じる煩わしい騒音効果や、クランク軸その他エンジン部 品に及ぼす有害な作用は、著しいものとなる可能性がある。
【0022】 ねじり振動を低減するダンパを形成するエラストマ材料の寸法、種類、質量の 選定は、従来の技術と標準に従って行なった。ダンパは、関連する特定のエンジ ンに従って設計した。このエンジンのクランク軸のねじり振動数は、同じエンジ ンもしくは類似のエンジンについての過去の実験により知られている値か、もし くは有限要素分析法を用いてコンピュータにより算出するか、もしくはエンジン の動的試験により実験的に決定される。この値が決まると、慣性部材の寸法と慣 性及びエラストマ材料の寸法と種類が選択され、次いでダンパの設計が決められ る。幅約2.54〜3.175mmの空隙74を有するダンパが選ばれるのが普 通である(この寸法の空隙を有するダンパが、今日、自動車のエンジンに一般に 使用されている。)
【0023】 また、複式ダンパ30の弾性部材36の曲率値は、エンジンの実際曲げ振動に 従属する。また、固有振動はコンピュータにより理論的に決定できるが、エンジ ン試験により実験的に曲げ振動を決定することもできる。曲げ振動の振動数が決 定されれば、湾曲形状が選定できる。
【0024】 本考案によりエンジンに使用されるダンパ用エラストマ材料の曲率の選択につ いては、次の例に関連して説明する。一連の特別に構成されたダンパについて試 験を行なった。これらのダンパは、すべて同じで、エラストマ材料を配置する空 隙の形状のみが異なっている。ダンパの寸法、空隙の幅、エラストマ材料は、そ れぞれ等しくされてある。
【0025】 これらのダンパ構成についての試験台での試験成績を示したのが、図4である 。これらの試験の間、ダンパは試験台又は万力に不動に固定される。次いで、ダ ンパをハンマで叩き、振動数を加速度計で記録する。直線的な(すなわち非曲線 )横断面80を有するエラストマ部材の場合、ねじり振動振動数は約275Hz 、曲げ振動数は約450Hzであった。−20%の曲率のエラストマ材料を有す るダンパは、約275Hzのねじり振動数、約350Hzの曲げ振動数であった 。曲率は、ハブの凸縁が変位させる空隙パーセンテージとして測定した。最も外 側へ湾曲したダンパ構造の試験の場合(符号82の場合)、曲率は−65%であ り、記録されたねじり、曲げ両振動は、それぞれ約275Hzと約325Hzで あった。
【0026】 エラストマ材料の曲率が内側へ湾曲している場合(符号84の場合)、ダンパ により吸収された曲げ振動数も変化した。−20%の曲率の場合、減衰されたね じり振動は、約275Hzであり、減衰された曲げ振動は、約530Hzであっ た。最も内側へ湾曲したダンパ構造の試験(図4)の場合、曲率は+50%で、 減衰されたねじり、曲げ両振動は、それぞれ約275Hz、650Hzと記録さ れた。
【0027】 次にプロトタイプのダンパを実際のエンジンで試験し、その成績を線図に記録 した。エンジンは、3.1リッタGM(シボレー)V字形6気筒エンジンである 。プロトタイプのダンパの試験は、直線状(0%)の横断面を有するエラストマ 部材を備えた市販のダンパを比較して行なわれた。
【0028】 図5は、クランク軸の曲げ振動の振幅を示し、図6は、GMエンジンのクラン ク軸のねじり振動の振幅を示したものである。これらの試験では、振動の第6及 び第9の次数のものが、曲げモードの場合には最も活発であった。他の次数の振 動は、見易くするため省略した。また、ねじりモードの場合には、第6順位の振 動が最も活発であった。他の次数は、同じく省略した。クランク軸鼻端の最低の たわみ、又は曲げは、共鳴時に0.0254mmであり、この場合の試験ダンパ は、ねじり振動数267Hz、曲げ振動数323Hzであった。ねじり振動の最 低振幅は、共鳴時に約0.15°であり、この場合のダンパは、ねじり振動数か ら267〜275Hz、曲げ振動数が307〜313Hzであった。この分析に もとづき、減衰されたねじり振動数が約265〜275Hz、減衰された曲げ振 動数が約320〜325Hzのダンパが、最も適していると思われる。
【0029】 図7と図8は、エラストマ材料横断面が直線状のベースライン・ダンパ(すな わち、ねじり振動のみを減衰又は低減するための従来式のダンパ)とエラストマ 材料の曲率が−20%のダンパとを、実際のエンジンで比較したものである。図 7に示したように、第6次数と第9次数の振動が、それぞれ329Hzと347 Hzで極立った曲げ振動ピーク値、0.0406mmと0.0152mmを有し ている。これらの値が最も関係のある値であり、防止する標的となる曲げ振動ピ ーク値である。−20%の曲率のダンパ構成の場合、第6次数と第9次数の曲げ 振動は、それぞれ有意に低減され、0.0203mmと0.0076mmとなっ た(図8)。
【0030】 曲げ振動ピークは、また、図9に示した−33%の曲率のダンパにより、有意 に低下せしめられた。このダンパ構成の場合、曲げ振動は、第6次数の場合には 0.0228mmであり、第9次数の場合には0.0076mmであった。−5 0%の曲率の場合(図10)、曲げ振動の、第6次数でのピーク(0.254m m、344Hz)と第9次数でのピーク(0.0101mm、352Hz)とは 、ダンパの曲げ振動が、エンジンに作用する曲げダンパの適用可能の振動数域を 超えると、増大し始める。
【0031】 図11には、線図により本考案の利点が示されている。本考案による、エラス トマ材料の形状を曲線で示すと、曲げ振動はベースラインから約50%低減され ていることが分かる(ベースラインでは、ダンパはねじり振動は284Hzに、 曲げ振動は396Hzに調節された)。
【0032】 これらの試験から、試験対象とされたダンパ形状は、ダンパのねじり振動減衰 性能に逆作用を及ぼすことなしに、曲げ振動を有意に低減することができる。ま た、曲げ振動数は、湾曲形状の異なるにつれて有意に変化するが、ねじり振動数 は、事実上変化しないので、ダンパは、ねじり振動が発生したあとで曲げ振動が 調節される。
【0033】 どの型式又は種類のエンジンが、異なるねじり振動及び曲げ振動の振動数を有 しており、かつまたそれぞれのエンジンが異なるダンパで調節せねばならない。 このことは、エラストマ部材の曲率が、前記の手続きに従って決定できるとはい え、エンジンの種類や型式によって恐らく異なることを意味している。したがっ て、種々のダンパに対する曲率のレンジは、利用されるエンジン及びダンパに応 じて異なるものと思われる。
【0034】 ロード・ケミカル社(Lord Chemical)の一部門であるヒューソ ン・セメント社(Hughson Cements)製の“ケムロック”(Ch emlock)のような接着剤を、当業者には周知のように、任意にエラストマ 部材の表面に組付け前に塗布することができる。接着剤は、熱により発効するの が好ましく、ダンパ30の部品が組付けられてから、ダンパ12、接着剤を発効 させるのに十分な熱を加える。これにより、慣性部材とハブとが使用中に互いに ずれることが防止され、また、エラストマ部材が所定位置に保持することが補助 される。
【0035】 エラストマ部材は、天然ゴム、又はSAE J200の仕様により規定されて いるような合成エラストマ組成から成っている。適当な合成エラストマは、スチ レン・ブタジエン・ゴム、イソプレン・ゴム、ニトリル・ラバー、エチレン・プ ロピレン共重合体、エチレン・アクリルなどである。
【0036】 ハブと慣性部材は、好ましくは、鋼、鋳鉄、アルミニウムなどの金属材料製で ある。材料の普通行なわれる組合せでは、ハブには自動車用の延性鋳鉄(SAE J434)が、環状部材には、ねずみ鋳鉄(SAE J431)が用いられる。 ダンパ用の他の公知の組合せでは、ハブには鋳造アルミニウム(SAE 308 )が、慣性部材には鋳鉄が用いられる。
【0037】 本考案による複モード・ダンパ30は、従来の組立て工具及び組立て技術を用 いて従来のやり方で組立て可能である。ハブ32と慣性部材34は、エラストマ 部材36を装着する環状スペースを残して、ジグ又は取付具(図示せず)により 所定位置に維持される。部材36は、次いで環状に成形され、適宜な取付具で環 状スペースのところに保持され、次に、油圧式又は空気式の圧力により、環状ス ペース内へ圧入される。
【0038】 エラストマ部材36は、ハブと慣性部材との間で半径方向に圧縮される状態で あることが好ましい。部材36は、環状スペースに圧入されるさい、横断面形が 伸び、かつ変形される。ゴムの固有弾性により部材36は所定位置に保持され、 ハブと慣性部材が一緒に保持される。
【0039】 弾性の部材36の曲率に対する1つの実際上の制限は、部材36はハブ上に組 付けられないほど極端な曲率にはすべきではないという点にある。このことは、 ハブ32の湾曲外表面の最大半径R1 が、慣性部材34の最小半径R3 を超えな いことを意味する(図3)。半径R3 が半径R1 であるような環状スペースの湾 曲であれば、2つの部材は、組立て時に物理的に不可能である。そのような場合 には、慣性部材を、たとえば2部分に分割し、一緒に取付けねばなるまいが、そ の場合には、かなりの別の出費と組付け時間が必要となる。
【0040】 組付け上の障害が生じる前に、半径方向外方の曲率に許される最大値を決める 数式は、次の通りである:
【0041】
【数1】 この式においてO<h<G
【0042】 組付け上の障害が生じる前に、半径方向内方の曲率に許される最大値を決める 数式は、次の通りである:
【0043】
【数2】 この式においてO<h<G
【0044】 これら2つの数式において、Gはダンパの隙間(図3のR2 −R1 )、Wは慣 性部材のゴム接触面のさし渡し幅であり、またhは次の値である:
【数3】
【0045】 また、曲率のパーセンテージは
【数4】 である。
【0046】 本考案の特定の実施例を添付図面に示し、以上に説明したが、本考案は開示し た実施例に限定されるものではなく、請求の範囲を逸脱することなしに数多くの 再構成、変化形、代替策が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案を利用したエンジンの図。
【図2】本考案を利用したエンジンの略示横断面図。
【図3】図1及び図2に示した本考案の複式モード・ダ
ンパの拡大図。
【図4】いくつかの別の設計の複式モード・ダンパの機
能を示した図。
【図5】エンジンのクランク軸の曲げ振動の振幅を示し
た図。
【図6】エンジンのクランク軸のねじり振動の振幅を示
した図。
【図7】本考案の使用による効果を示した図。
【図8】本考案の使用による効果を示した図。
【図9】本考案の使用による効果を示した図。
【図10】本考案の使用による効果を示した図。
【図11】本考案の使用による効果を示した図。
【符号の説明】
10 エンジン 12 ピストン 14 クランク軸 16 シリンダ 20 クランク軸鼻端 22 主軸受 30 ダンパ 32 ハブ 33 スポーク 34 環状部材(慣性部材) 36 エラストマ部材 38 キー 40 スロット 54 ベルト 60 空調用圧縮機 62 ベルト・テンショナ

Claims (6)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランク軸振動ダンパであり、 クランク軸に結合されるようにされたハブ部材と、 ベルト駆動装置に結合されるようにされ、ハブ部材から
    同芯的に間隔を置いた第1環状部材と、 ハブ部材と第一環状部材とを結合するため、ハブ部材と
    第一環状部材との間の空隙内に位置する、弾性材料製の
    第2環状部材とを有し、 第2環状部材は、ハブ部材と第1環状部材とを結合する
    前に、ハブ部材がクランク軸に結合され第2環状部材が
    ハブ部材と第1環状部材とを結合した時にクランク軸の
    ねじり振動を減衰させるに充分な、横断面と化学組成と
    を有し、 ハブ部材と第1環状部材とは、それらの結合部に沿っ
    て、それぞれ中央で半径方向に湾曲され、ダンパを囲む
    均一な湾曲を備え、 第2環状部材は、ハブ部材と第1環状部材とを結合する
    のに対応して、湾曲され、 ハブ部材と第1環状部材との間の空隙と第2環状部材と
    の湾曲は、クランク軸の曲げ振動を低減するよう、選択
    される、クランク軸振動ダンパ。
  2. 【請求項2】 ハブ部材と第1環状部材と第2環状部材
    とは、半径方向外側に湾曲されている、請求項1に記載
    のクランク軸振動ダンパ。
  3. 【請求項3】 ハブ部材と第1環状部材と第2環状部材
    とは、半径方向内側に湾曲されている、請求項1に記載
    のクランク軸振動ダンパ。
  4. 【請求項4】 エンジンクランク軸のねじれ振動と曲げ
    振動を調節するダンパであり、 クランク軸に結合される内側円形ハブ部材と、 ハブ部材から半径方向外側へ間隔を置いた慣性環状部材
    と、 ハブ部材の外周と環状部材の内周との間の空隙内に配置
    される弾性部材と、を有し、 空隙は、均一な半径方向と軸線方向の湾曲を備え、 弾性部材は、空隙内に嵌め込まれて、ハブ部材の外周と
    環状部材の内周に対応する湾曲を有し、 弾性部材は、クランク軸のねじれ振動を減衰させるに充
    分な横断面と化学組成を有し、 弾性部材は、クランク軸の曲げ振動を減衰させるに充分
    な半径方向湾曲を有する、ダンパ。
  5. 【請求項5】 弾性部材と環状部材の内周とハブ部材の
    外周とは、半径方向外側に湾曲される、請求項4に記載
    のダンパ。
  6. 【請求項6】 弾性部材と環状部材の内周とハブ部材の
    外周とは、半径方向内側に湾曲される、請求項4に記載
    のダンパ。
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