JPH11141349A - クランク軸振動ダンパ - Google Patents

クランク軸振動ダンパ

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JPH11141349A
JPH11141349A JP10229206A JP22920698A JPH11141349A JP H11141349 A JPH11141349 A JP H11141349A JP 10229206 A JP10229206 A JP 10229206A JP 22920698 A JP22920698 A JP 22920698A JP H11141349 A JPH11141349 A JP H11141349A
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damper
hub
crankshaft
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annular
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JP10229206A
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William C Sisco
シー.シスコ ウィリアム
Timothy M Haylett
エム.ヘイレット ティモシー
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Simpson Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ねじり、曲げいずれの振動をも減衰可能で、
従来のダンパより簡単かつ出費も少ない構造の内燃機関
用ダンパを得ること。 【解決手段】 相応に湾曲せしめられたハブ32と環状
の慣性部材34との間に、ねじり、曲げ両振動を減衰で
きるように、寸法面でも化学的特性の面でも構成されて
いるエラストマー部材が配置されている。また、ハブと
慣性部材の半径方向外側又は内側の曲率は、クランク軸
の曲げ振動を効果的に低減するように選定しておく。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般的には内燃機関の
各部品、具体的にはクランク軸の振動やノイズを減衰も
しくは低減のために用いられるダンパ装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】当業者には周知のように、ガソリンエン
ジン等の内燃機関は、自動車その他の車両の駆動に用い
られ、エンジンのシリンダの往復動の動力がクランク軸
の一端から車輪に伝えられる。クランク軸の他端は、種
々の補助装置、たとえば発電機、パワーステアリング、
空調圧縮器などを、プーリ配置や単数又は複数のベルト
を介して駆動するのに用いられる。
【0003】内燃機関のクランク軸は、シリンダ内の可
燃ガスの順次爆発によるかなりのねじり振動にさらされ
る。回転力は円滑に連続的に使用されるわけではない。
制御なしでは、振動によって、クランク軸自体に損傷が
生じ、かつ(又は)エンジンのその他の部品又は冷却シ
ステムの、特に、共鳴が生じる個所も損傷を受ける。ま
た、振動により“うなり”(whine)やノッキング
など、いずれも極めて好ましくない騒音を生じさせるこ
とがある。
【0004】この問題は、多年にわたって認められ、こ
のねじり振動を低減するための種々の装置が設計され、
使用されてきた。そうした普通の形式のトーショナル・
ダンパの或るものは、クランク軸端に付加された内側金
属ハブと、外側金属環状部材と、ハブと外側部材との間
に位置するエラストマ部材とから成っている。最も外側
の環状又は輪状の部材は、しばしば“慣性部材”と呼ば
れる。このハブには、クランク軸により生ぜしめられる
振動が直接に伝えられる。ハブはクランク軸に剛性結合
されているためである。慣性部材は、エラストマにより
ハブに結合され、したがって、ハブの振動と、これに対
応する慣性部材の振動との間の位相差が生じる。
【0005】この型式の振動ダンパは、たとえば次の米
国特許に開示されている:すなわち、2,939,33
8号、2,972,904号、3,479,907号、
3,945,269号、4,084,265号、4,3
18,309号、4,378,865号、4,395,
809号である。これらの特許を取得したダンパのうち
のいくつかは、特に、ダンパ部品の軸方向変位を克服す
ることに関わり、また、これらのうちの大部分のダンパ
は、ねじり振動を克服することを課題としている。
【0006】エンジンのクランク軸の回転によって種々
の振動が生じる。主な2種類の振動が、ねじり振動と曲
げ振動である。ねじり振動は、クランク軸の縦軸線を中
心とする角度をなして発生する。また、曲げ振動は、片
持ちビームの曲げ振動に似たものである。クランク軸の
固定端、又は結節点は、エンジンのクランクケース内の
或る個所に位置している。前述のねじり振動ダンパ装置
などの従来型の動的減衰装置は、こうした複合振動の減
衰もしくは低減には不十分である。
【0007】近年に至って、エンジン出力の増大と関連
するねじり振動及び曲げ振動を抑える目的で、いくつか
の複式の振動減衰装置が提案されている。この種の減衰
装置は、慣性部材対、すなわち、ねじり振動減衰用の第
1慣性部材と、曲げ振動減衰用の第2慣性部材とを組合
せたものである。このねじり振動ダンパは、一般に、エ
ラストマ部材を介してハブに結合された環状慣性部材を
有する従来式の構成のものである。曲げ振動ダンパは第
2慣性部材を有し、この慣性部材は、プーリ構造物の内
側空隙内の、第1慣性部材半径方向内側に、きまって位
置している。第2慣性部材は、第2エラストマ部材を介
してハブに結合されている。
【0008】複式減衰装置は、たとえば4,710,1
52号、4,794,816号、4,815,332
号、4,881,426号の各米国特許に開示されてい
る。これらの振動ダンパ構造物は、2個の別個の慣性部
材と2個の弾性エラストマ部材を利用している。エラス
トマにより、エンジンに付加的な重みがかかり、かつ付
加的な費用も必要となる。また、それらの部材を構成す
るには、新しい組立て工具類や技術が必要となり、それ
によって更に出費が必要となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ねじ
り、曲げ、いずれの振動をも減衰もしくは低減し、かつ
また従来のダンパよりも簡単で出費も少ない構造を有す
る内燃機関用ダンパを得ることにある。
【0010】本発明の別の目的は、ねじり振動と曲げ振
動とを、他方の振動に干渉又は逆作用することなしに別
個に調整できる複式ダンパを得ることにある。本発明の
更に別の目的は、従来の工具と従来の技術を用いて組立
ることのできる複式ダンパを得ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】これらの目的及びその他
の目的は、本発明により、ハブと外側の環状慣性部材と
の間に1つだけエラストマ部材を配置することにより達
成された。ハブは、クランク軸の付属駆動端部に結合さ
れるように構成されている。慣性部材には、付属駆動ベ
ルトを受容するためのみぞを設けてもよく、また設けな
くともよい。弾性的なエラストマー部材は、相応に湾曲
せしめられたハブと慣性部材との間に組付けられた場合
に、ねじり振動と曲げ振動とを減衰するように、寸法面
でも化学的にも構成されている。ハブと慣性部材との半
径方向外側又は内側の曲率は、クランク軸の曲げ振動を
効果的に低減するのに十分であるように選定する。
【0012】エラストマ部材は、先ず、特定エンジンの
クランク軸のねじり振動を減衰又は低減するのに十分な
一定寸法及び横断面積を有するように前選定する。次い
で、エラストマ部材の曲率が、エンジン内に発生する曲
げ振動を十分に減衰又は低減するように選定される。ハ
ブと外側の環状慣性部材は、弾性部材の所望形状に順応
する必要がある湾曲形状が得られるように構成する。
【0013】複式ダンパの組立ては、ハブと慣性部材と
をジグその他内に確実に保持し、弾性部材を両部材間の
湾曲環状空隙内へ強制的に圧入することにより行なわれ
る。
【0014】
【実施例】図1及び図2は、種々の車両に現在用いられ
ている種類の内燃機関を略示した図である。図示のエン
ジンは、V字型6気筒のエンジンである。図1にはエン
ジンの斜視図が、図2には部分断面図が示されている。
【0015】エンジン10は、クランク軸14に結合さ
れた複数ピストン12を有している。シリンダ16内の
ガスの爆発によるピストン16の運動によって、クラン
ク軸14が回転する。クランク軸14の一端(図示せ
ず)は変速機と駆動トレーンに連結され、車両のホイー
ルを駆動する。クランク軸の他端20(“鼻端nos
e”と呼ばれることが多い)は、エンジンブロック24
の主軸受22に支承され、前壁又はカバー25から突出
している。
【0016】ダンパ30は、クランク軸端20に取付け
られている。ダンパ30は、中央ハブ32、ウエブもし
くは複数のスポーク33、外側リング32を有してい
る。リング34は、ダンパの慣性部材である。ハブ32
と慣性部材34との間には、環状の弾性エラストマ部材
36が配置されている。
【0017】ハブ32は、締りばめによりクランク軸鼻
端20に取付けられている。ハブは、また、金属キー3
8を介してクランク軸にキー結合している。キー38
は、ハブと鼻端それぞれの細長いスロット40、42内
に適合している。ボルト44とワッシャ46も、また、
ダンパを鼻端に取付けるのに用いられている。
【0018】ダンパ内の複数の孔48は、必要な場合に
クランク軸からダンパを取外すさいに利用される。慣性
部材34内の孔50は、ハブと慣性部材が組付けられた
のち、正確なバランスを得るのに必要とされる複数の孔
の1つである。
【0019】慣性部材34は、エンジンベルト54用の
ベルト軌道52を有している。この軌道は、部材34の
外表面に設けられている。図1に示したエンジンの場
合、交流発電機56、パワーステアリング圧縮機58、
空調圧縮機60などの付属装置すべての駆動に、単一の
ベルト54が利用されている。ベルト張力は、ベルトテ
ンショナ62により維持されている。多くのエンジンの
設計の場合、2個以上のベルとの利用が要求され、本発
明は、ベルトの個数とは関係なく、すべてのエンジンに
適用可能である。
【0020】ベルト内面には平行に歯状突起62が配列
され、これらの突起62が慣性部材34の軌道52のみ
ぞ64と噛合っている(図3)。突起とみぞとの噛合に
より、ベルトが軌道から軸方向にはね出したり滑り出る
ことが防止される。
【0021】クランク軸14は、中心回転軸線66(図
3)を有している。エンジンの作動時には、クランク軸
14に作用するピストン12の力は、軸線66を中心と
してクランク軸が回転する間に、クランク軸にねじり振
動及び全体として直角方向振動が生ぜしめられる。クラ
ンク軸の振動は複合的であるが、大部分は、ねじり振動
と曲げ振動に分類できる。曲げ振動は、符号68の方向
に全体としてクランク軸軸線66と直角に生じ、その力
は軸線66に沿って点70を中心として回転する。この
点70で、クランク軸鼻端20は、エンジン壁部24内
の主軸受により片持ち支承されている。実際曲げモーメ
ントは点70を中心として回転するが、実際変位は、そ
のモーメントが“全体として直角方向”と見なしうるほ
ど僅かである。曲げ振動によるクランク軸の変位は、
0.0254〜0.381mmの程度であるが、その結
果生じる煩わしい騒音効果や、クランク軸その他エンジ
ン部品に及ぼす有害な作用は、著しいものとなる可能性
がある。
【0022】ねじり振動を低減するダンパを形成するエ
ラストマ材料の寸法、種類、質量の選定は、従来の技術
と標準に従って行なった。ダンパは、関連する特定のエ
ンジンに従って設計した。このエンジンのクランク軸の
ねじり振動数は、同じエンジンもしくは類似のエンジン
についての過去の実験により知られている値か、もしく
は有限要素分析法を用いてコンピュータにより算出する
か、もしくはエンジンの動的試験により実験的に決定さ
れる。この値が決まると、慣性部材の寸法と慣性及びエ
ラストマ材料の寸法と種類が選択され、次いでダンパの
設計が決められる。幅約2.54〜3.175mmの空
隙74を有するダンパが選ばれるのが普通である(この
寸法の空隙を有するダンパが、今日、自動車のエンジン
に一般に使用されている。)
【0023】また、複式ダンパ30の弾性部材36の曲
率値は、エンジンの実際曲げ振動に従属する。また、固
有振動はコンピュータにより理論的に決定できるが、エ
ンジン試験により実験的に曲げ振動を決定することもで
きる。曲げ振動の振動数が決定されれば、湾曲形状が選
定できる。
【0024】本発明によりエンジンに使用されるダンパ
用エラストマ材料の曲率の選択については、次の例に関
連して説明する。一連の特別に構成されたダンパについ
て試験を行なった。これらのダンパは、すべて同じで、
エラストマ材料を配置する空隙の形状のみが異なってい
る。ダンパの寸法、空隙の幅、エラストマ材料は、それ
ぞれ等しくされてある。
【0025】これらのダンパ構成についての試験台での
試験成績を示したのが、図4である。これらの試験の
間、ダンパは試験台又は万力に不動に固定される。次い
で、ダンパをハンマで叩き、振動数を加速度計で記録す
る。直線的な(すなわち非曲線)横断面80を有するエ
ラストマ部材の場合、ねじり振動振動数は約275H
z、曲げ振動数は約450Hzであった。−20%の曲
率のエラストマ材料を有するダンパは、約275Hzの
ねじり振動数、約350Hzの曲げ振動数であった。曲
率は、ハブの凸縁が変位させる空隙パーセンテージとし
て測定した。最も外側へ湾曲したダンパ構造の試験の場
合(符号82の場合)、曲率は−65%であり、記録さ
れたねじり、曲げ両振動は、それぞれ約275Hzと約
325Hzであった。
【0026】エラストマ材料の曲率が内側へ湾曲してい
る場合(符号84の場合)、ダンパにより吸収された曲
げ振動数も変化した。−20%の曲率の場合、減衰され
たねじり振動は、約275Hzであり、減衰された曲げ
振動は、約530Hzであった。最も内側へ湾曲したダ
ンパ構造の試験(図4)の場合、曲率は+50%で、減
衰されたねじり、曲げ両振動は、それぞれ約275H
z、650Hzと記録された。
【0027】次にプロトタイプのダンパを実際のエンジ
ンで試験し、その成績を線図に記録した。エンジンは、
3.1リッタGM(シボレー)V字形6気筒エンジンで
ある。プロトタイプのダンパの試験は、直線状(0%)
の横断面を有するエラストマ部材を備えた市販のダンパ
を比較して行なわれた。
【0028】図5は、クランク軸の曲げ振動の振幅を示
し、図6は、GMエンジンのクランク軸のねじり振動の
振幅を示したものである。これらの試験では、振動の第
6及び第9の次数のものが、曲げモードの場合には最も
活発であった。他の次数の振動は、見易くするため省略
した。また、ねじりモードの場合には、第6順位の振動
が最も活発であった。他の次数は、同じく省略した。ク
ランク軸鼻端の最低のたわみ、又は曲げは、共鳴時に
0.0254mmであり、この場合の試験ダンパは、ね
じり振動数267Hz、曲げ振動数323Hzであっ
た。ねじり振動の最低振幅は、共鳴時に約0.15°で
あり、この場合のダンパは、ねじり振動数から267〜
275Hz、曲げ振動数が307〜313Hzであっ
た。この分析にもとづき、減衰されたねじり振動数が約
265〜275Hz、減衰された曲げ振動数が約320
〜325Hzのダンパが、最も適していると思われる。
【0029】図7と図8は、エラストマ材料横断面が直
線状のベースライン・ダンパ(すなわち、ねじり振動の
みを減衰又は低減するための従来式のダンパ)とエラス
トマ材料の曲率が−20%のダンパとを、実際のエンジ
ンで比較したものである。図7に示したように、第6次
数と第9次数の振動が、それぞれ329Hzと347H
zで極立った曲げ振動ピーク値、0.0406mmと
0.0152mmを有している。これらの値が最も関係
のある値であり、防止する標的となる曲げ振動ピーク値
である。−20%の曲率のダンパ構成の場合、第6次数
と第9次数の曲げ振動は、それぞれ有意に低減され、
0.0203mmと0.0076mmとなった(図
8)。
【0030】曲げ振動ピークは、また、図9に示した−
33%の曲率のダンパにより、有意に低下せしめられ
た。このダンパ構成の場合、曲げ振動は、第6次数の場
合には0.0228mmであり、第9次数の場合には
0.0076mmであった。−50%の曲率の場合(図
10)、曲げ振動の、第6次数でのピーク(0.254
mm、344Hz)と第9次数でのピーク(0.010
1mm、352Hz)とは、ダンパの曲げ振動が、エン
ジンに作用する曲げダンパの適用可能の振動数域を超え
ると、増大し始める。
【0031】図11には、線図により本発明の利点が示
されている。本発明による、エラストマ材料の形状を曲
線で示すと、曲げ振動はベースラインから約50%低減
されていることが分かる(ベースラインでは、ダンパは
ねじり振動は284Hzに、曲げ振動は396Hzに調
節された)。
【0032】これらの試験から、試験対象とされたダン
パ形状は、ダンパのねじり振動減衰性能に逆作用を及ぼ
すことなしに、曲げ振動を有意に低減することができ
る。また、曲げ振動数は、湾曲形状の異なるにつれて有
意に変化するが、ねじり振動数は、事実上変化しないの
で、ダンパは、ねじり振動が発生したあとで曲げ振動が
調節される。
【0033】どの型式又は種類のエンジンが、異なるね
じり振動及び曲げ振動の振動数を有しており、かつまた
それぞれのエンジンが異なるダンパで調節せねばならな
い。このことは、エラストマ部材の曲率が、前記の手続
きに従って決定できるとはいえ、エンジンの種類や型式
によって恐らく異なることを意味している。したがっ
て、種々のダンパに対する曲率のレンジは、利用される
エンジン及びダンパに応じて異なるものと思われる。
【0034】ロード・ケミカル社(Lord Chem
ical)の一部門であるヒューソン・セメント社(H
ughson Cements)製の“ケムロック”
(Chemlock)のような接着剤を、当業者には周
知のように、任意にエラストマ部材の表面に組付け前に
塗布することができる。接着剤は、熱により発効するの
が好ましく、ダンパ30の部品が組付けられてから、ダ
ンパ12、接着剤を発効させるのに十分な熱を加える。
これにより、慣性部材とハブとが使用中に互いにずれる
ことが防止され、また、エラストマ部材が所定位置に保
持することが補助される。
【0035】エラストマ部材は、天然ゴム、又はSAE
J200の仕様により規定されているような合成エラ
ストマ組成から成っている。適当な合成エラストマは、
スチレン・ブタジエン・ゴム、イソプレン・ゴム、ニト
リル・ラバー、エチレン・プロピレン共重合体、エチレ
ン・アクリルなどである。
【0036】ハブと慣性部材は、好ましくは、鋼、鋳
鉄、アルミニウムなどの金属材料製である。材料の普通
行なわれる組合せでは、ハブには自動車用の延性鋳鉄
(SAEJ434)が、環状部材には、ねずみ鋳鉄(S
AE J431)が用いられる。ダンパ用の他の公知の
組合せでは、ハブには鋳造アルミニウム(SAE 30
8)が、慣性部材には鋳鉄が用いられる。
【0037】本発明による複モード・ダンパ30は、従
来の組立て工具及び組立て技術を用いて従来のやり方で
組立て可能である。ハブ32と慣性部材34は、エラス
トマ部材36を装着する環状スペースを残して、ジグ又
は取付具(図示せず)により所定位置に維持される。部
材36は、次いで環状に成形され、適宜な取付具で環状
スペースのところに保持され、次に、油圧式又は空気式
の圧力により、環状スペース内へ圧入される。
【0038】エラストマ部材36は、ハブと慣性部材と
の間で半径方向に圧縮される状態であることが好まし
い。部材36は、環状スペースに圧入されるさい、横断
面形が伸び、かつ変形される。ゴムの固有弾性により部
材36は所定位置に保持され、ハブと慣性部材が一緒に
保持される。
【0039】弾性の部材36の曲率に対する1つの実際
上の制限は、部材36はハブ上に組付けられないほど極
端な曲率にはすべきではないという点にある。このこと
は、ハブ32の湾曲外表面の最大半径R1 が、慣性部材
34の最小半径R3 を超えないことを意味する(図
3)。半径R3 が半径R1 であるような環状スペースの
湾曲であれば、2つの部材は、組立て時に物理的に不可
能である。そのような場合には、慣性部材を、たとえば
2部分に分割し、一緒に取付けねばなるまいが、その場
合には、かなりの別の出費と組付け時間が必要となる。
【0040】組付け上の障害が生じる前に、半径方向外
方の曲率に許される最大値を決める数式は、次の通りで
ある:
【0041】
【数1】 この式においてO<h<G
【0042】組付け上の障害が生じる前に、半径方向内
方の曲率に許される最大値を決める数式は、次の通りで
ある:
【0043】
【数2】 この式においてO<h<G
【0044】これら2つの数式において、Gはダンパの
隙間(図3のR2 −R1 )、Wは慣性部材のゴム接触面
のさし渡し幅であり、またhは次の値である:
【数3】
【0045】また、曲率のパーセンテージは
【数4】 である。
【0046】本発明の特定の実施例を添付図面に示し、
以上に説明したが、本発明は開示した実施例に限定され
るものではなく、請求の範囲を逸脱することなしに数多
くの再構成、変化形、代替策が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を利用したエンジンの図。
【図2】本発明を利用したエンジンの略示横断面図。
【図3】図1及び図2に示した本発明の複式モード・ダ
ンパの拡大図。
【図4】いくつかの別の設計の複式モード・ダンパの機
能を示した図。
【図5】エンジンのクランク軸の曲げ振動の振幅を示し
た図。
【図6】エンジンのクランク軸のねじり振動の振幅を示
した図。
【図7】本発明の使用による効果を示した図。
【図8】本発明の使用による効果を示した図。
【図9】本発明の使用による効果を示した図。
【図10】本発明の使用による効果を示した図。
【図11】本発明の使用による効果を示した図。
【符号の説明】
10 エンジン 12 ピストン 14 クランク軸 16 シリンダ 20 クランク軸鼻端 22 主軸受 30 ダンパ 32 ハブ 33 スポーク 34 環状部材(慣性部材) 36 エラストマ部材 38 キー 40 スロット 54 ベルト 60 空調用圧縮機 62 ベルト・テンショナ

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の間隔を置いた部材を有し、間隔を
    置いた部材は中央のハブ部材と外側の慣性環状部材とを
    含むダンパで、エンジンクランク軸のねじりと曲げ振動
    を調整する方法であり、 弾性材料製の帯状物が、前記部材の間の、ダンパを完全
    に取り巻いて均一な湾曲の空隙内にある時にクランク軸
    のねじり振動を減衰させるよう、前記部材の軸線方向に
    おける帯状物の横断面は、弾性材料の弾性特性と十分に
    協働する、帯状物を前選択する段階と、 帯状物が前記部材の間の空隙内にある時にクランク軸の
    曲げ振動を減衰させるよう、前選択された帯状物の横断
    面と、ハブ部材と環状部材との間の空隙を、半径方向に
    十分に湾曲させる段階と、を有する方法。
  2. 【請求項2】 帯状物と前記部材の間の空隙とは、半径
    方向外側へ湾曲される、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前選択された帯状物の横断面は、前記部
    材の間の湾曲された空隙内に、帯状物を強制的に押し込
    めることにより、湾曲させられる、請求項1に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 帯状物と前記部材の間の空隙とは、半径
    方向内側へ湾曲される、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 クランク軸振動ダンパであり、 クランク軸に結合されるようにされたハブ部材と、 ベルト駆動装置に結合されるようにされ、ハブ部材から
    同芯的に間隔を置いた第1環状部材と、 ハブ部材と第一環状部材とを結合するため、ハブ部材と
    第一環状部材との間の空隙内に位置する、弾性材料製の
    第2環状部材とを有し、 第2環状部材は、ハブ部材と第1環状部材とを結合する
    前に、ハブ部材がクランク軸に結合され第2環状部材が
    ハブ部材と第1環状部材とを結合した時にクランク軸の
    ねじり振動を減衰させるに充分な、横断面と化学組成と
    を有し、 ハブ部材と第1環状部材とは、それらの結合部に沿っ
    て、それぞれ中央で半径方向に湾曲され、ダンパを囲む
    均一な湾曲を備え、 第2環状部材は、ハブ部材と第1環状部材とを結合する
    のに対応して、湾曲され、 ハブ部材と第1環状部材との間の空隙と第2環状部材と
    の湾曲は、クランク軸の曲げ振動を低減するよう、選択
    される、クランク軸振動ダンパ。
  6. 【請求項6】 ハブ部材と第1環状部材と第2環状部材
    とは、半径方向外側に湾曲されている、請求項5に記載
    のクランク軸振動ダンパ。
  7. 【請求項7】 ハブ部材と第1環状部材と第2環状部材
    とは、半径方向内側に湾曲されている、請求項5に記載
    のクランク軸振動ダンパ。
  8. 【請求項8】 内側のハブ部材と、外側の慣性環状部材
    と、ハブ部材と環状部材との間に配置される弾性部材と
    を有するダンパで、エンジンクランク軸のねじり振動と
    曲げ振動を調整する方法であり、 弾性材料から、ハブ部材と環状部材との間のダンパを完
    全に囲む均一な湾曲の環状の空隙内に配置されてクラン
    ク軸のねじり振動を減衰させるよう弾性材料の弾性特性
    と十分に協働する、ダンパの軸線方向における前選択さ
    れた横断面を有する、弾性部材を形成する段階と、 弾性部材がハブ部材と環状部材との間に配置される時に
    クランク軸の曲げ振動を十分に減衰させるよう、弾性部
    材の横断面とハブ部材の外周と環状部材の内周とを半径
    方向に湾曲させる段階と、 ハブ部材と環状部材との間の空隙内に弾性部材を配置し
    て、ダンパを組み立てる段階と、を有する方法。
  9. 【請求項9】 弾性部材とハブ部材の外周と環状部材の
    内周は、半径方向外側に湾曲される、請求項8に記載の
    方法。
  10. 【請求項10】 弾性部材とハブ部材の外周と環状部材
    の内周は、半径方向内側に湾曲される、請求項8に記載
    の方法。
  11. 【請求項11】 エンジンクランク軸のねじれ振動と曲
    げ振動を調節するダンパであり、 クランク軸に結合される内側円形ハブ部材と、 ハブ部材から半径方向外側へ間隔を置いた慣性環状部材
    と、 ハブ部材の外周と環状部材の内周との間の空隙内に配置
    される弾性部材と、を有し、 空隙は、均一な半径方向と軸線方向の湾曲を備え、 弾性部材は、空隙内に嵌め込まれて、ハブ部材の外周と
    環状部材の内周に対応する湾曲を有し、 弾性部材は、クランク軸のねじれ振動を減衰させるに充
    分な横断面と化学組成を有し、 弾性部材は、クランク軸の曲げ振動を減衰させるに充分
    な半径方向湾曲を有する、ダンパ。
  12. 【請求項12】 弾性部材と環状部材の内周とハブ部材
    の外周とは、半径方向外側に湾曲される、請求項11に
    記載のダンパ。
  13. 【請求項13】 弾性部材と環状部材の内周とハブ部材
    の外周とは、半径方向内側に湾曲される、請求項11に
    記載のダンパ。
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