JPH0951469A - 撮像装置及び画像揺れの補正方法 - Google Patents

撮像装置及び画像揺れの補正方法

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JPH0951469A
JPH0951469A JP8135197A JP13519796A JPH0951469A JP H0951469 A JPH0951469 A JP H0951469A JP 8135197 A JP8135197 A JP 8135197A JP 13519796 A JP13519796 A JP 13519796A JP H0951469 A JPH0951469 A JP H0951469A
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JP
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shake
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image
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frequency
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JP8135197A
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English (en)
Inventor
Jun Nagai
潤 永井
Koichi Sato
弘一 佐藤
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 過渡応答時においても自然な手振れ補正を行
う手振れ補正機能を備えた撮像装置を提供する。 【解決手段】 撮像装置本体の揺れに起因した画像の揺
れ量を検出するための揺れ量検出手段1と、この揺れ量
検出手段1の出力信号に基づいて上記画像の揺れを補正
するための補正信号を生成する補償特性が可変設定自在
な補正信号生成手段2と、この補正信号生成手段により
生成された補正信号に応じて上記画像の揺れを補正する
補正手段3と、上記揺れ量検出手段1の出力信号の周波
数を検出する周波数検出手段4と、上記周波数検出手段
4の検出出力に応じて上記補正信号生成手段2の補償特
性を可変設定する特性設定手段5とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯して用いられ
るビデオカメラ装置等の撮像装置に関し、特に、撮像装
置の揺れに起因する画像の揺れを補正する補正手段を備
えた撮像装置及び画像揺れの補正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばCCDイメージセンサを用
いた携帯可能な大きさに構成されたビデオカメラ装置が
用いられている。
【0003】携帯型のビデオカメラ装置は、小型且つ軽
量であるため、撮像時に手振れを生じやすいという問題
がある。撮像時に手振れを生じると、例えばズームアッ
プして撮像した画像を再生した際に、再生画像に細かい
“ゆれ”が生じてしまい、大変見にくくなってしまう。
【0004】このような手振れによる“ゆれ”を補正し
て、再生画像を見やすくするため、カメラ本体に手振れ
補正装置を設け、この補正装置により手振れを補正する
ようにしたビデオカメラ装置が知られている。このビデ
オカメラ装置に用いられる手振れ補正装置として、画像
処理によって補正する方法、又は光学的な処理によって
補正する方法を採用したものが知られている。
【0005】画像処理により手振れを補正する補正手段
として、メモリ制御方式とCCD駆動制御方式とが知ら
れている。
【0006】メモリ制御方式は、手振れを検出すると、
被写体の撮像により得られた映像信号の一部を画像枠と
して取り出し、前フィールドの画像枠と現フィールドの
画像枠とを互いに合わせるように動かし、両画像枠を互
いに一致させるものであり、この画像枠部分の画像を拡
大することで補正範囲を確保している。この画像を拡大
した場合は、CCDイメージセンサの解像度以上に映像
信号を拡大させるため再生画像の画質を低下させること
となる。この画質の低下は、補正範囲を広くするほど大
きくなる。このため、この方式では画質が低下し、かつ
補正範囲を広くできない。しかし、この方式を採用した
補正手段は、集積回路(IC)のみで構成されるため、
小型且つ低価格なビデオカメラ装置用として適してい
る。
【0007】一方、CCD駆動制御方式では、手振れを
検出した際に、被写体の撮像により得られる映像信号を
CCDイメージセンサから読み出すタイミングを変えて
補正を行っている。この方式では、補正範囲が該CCD
イメージセンサの画素数を増加させることで確保される
ため、高倍率で撮影された被写体のように“ゆれ”が拡
大して見える場合にも手振れ補正を行うためには該画素
数を増加させる必要がある。しかし、拡大された“ゆ
れ”による手振れ補正を十分に行うように画素数を増加
させるならば、CCDイメージセンサ及びCCDイメー
ジセンサの周辺回路等が大型、かつ高価となり実用的で
はなくなる。このため、実際にこの方式を採用した補正
手段では、拡大された“ゆれ”の手振れを十分に補正す
るための該画素数が確保されていないため、拡大された
“ゆれ”の手振れを生じる手振れ中の再生画像の画像に
不連続となる部分が生じる。しかし、通常の撮影倍率で
は問題なく手振れ補正が行われ、またICのみで構成さ
れるため、小型且つ低価格なビデオカメラ装置用として
適している。
【0008】また、光学的処理により手振れを補正する
補正手段として、ジンバルメカ方式とアクテブ・プリズ
ム方式とが知られている。
【0009】ジンバルメカ方式は、手振れを検出する
と、手振れをキャンセルする方向にレンズユニット全体
を動かして手振れを補正するものである。この方式で
は、解像度の劣化がなく、補正範囲も比較的広く取れる
が、レンズユニット全体を動かすため、メカニズムが大
きくなり、消費電力も大きくなる。このため、この方式
を採用した補正手段は、多少大型となっても高解像度を
得たい場合に適している。
【0010】また、アクテブ・プリズム方式は、手振れ
を検出すると、手振れをキャンセルする方向にレンズユ
ニットの一部のみを動かして手振れを補正するものであ
る。このため、この方式では、消費電力が小さく、小型
化が容易であり、解像度の劣化がなく、補正範囲も比較
的広く取れる。このアクテブ・プリズム方式により手振
れを防止することで、再生画像に“ゆれ”を生じさせ
ず、高画質で小型且つ軽量なハンディタイプのビデオカ
メラ装置を実現可能である。
【0011】このアクテブ・プリズム方式で用いられる
アクテブ・プリズムは、2枚のガラス板を特殊フイルム
でできた伸縮自在の蛇腹でつなぎ、そのなかに2枚のガ
ラス板とほぼ同一の光学屈折率の液体を注入して形成さ
れる。このアクテブ・プリズムは、被写体からビデオ本
体へ被写体像を導くためにビデオカメラ本体の前面に設
けられた対物レンズから、CCDイメージセンサに被写
体像を導くレンズユニットの対物レンズとCCDイメー
ジセンサとの間の位置に設けられて、2枚のガラス板の
各ガラス板において、ビデオカメラ本体の縦方向又は横
方向のいずれかの各異なる方向に対する傾き角(以下、
頂角と称する。)を可変させて、手振れを補正するもの
である。
【0012】これら手振れを補正する補正手段は、いず
れも手振れを検出した際に、手振れの補正を行うもので
ある。この手振れを検出する揺れ量検出手段として、動
きベクトル検出方式と角速度検出方式とが知られてい
る。
【0013】動きベクトル検出方式は、半導体メモリに
格納された、現フィールドと前フィールドとの被写体の
画像信号の差を画像処理により得ることで、被写体の移
動量と方向とを検出するものである。この方式では、低
照度時に誤動作しやすいなどの問題点がある。しかし、
この方式を採用した手振れ量検出手段は、ICのみで構
成されるため、小型且つ低価格なビデオカメラ装置用と
して適している。
【0014】また、角速度検出方式は、圧電振動ジャイ
ロ等による角速度センサを用いて、角速度を検出するも
のであり、機械部品のためICに比べ、大きなスペース
を必要とするが、照度条件等で誤動作することもなく、
リアルタイムで検出される。このため、この方式を採用
した手振れ量検出手段は、手振れ補正を精度良く行うビ
デオカメラ装置用として適している。
【0015】そして、携帯型のビデオカメラ装置に用い
られる手振れ補正装置は、動きベクトル検出方式、又は
角速度検出方式によりビデオカメラ本体の揺れに起因し
た画像の手振れを検出する振れ量検出手段と、該揺れ量
検出手段の出力信号に基づき補正信号を生成する補正信
号生成手段と、メモリ制御方式、CCD駆動制御方式等
の画像処理による方法、又はジンバルメカ方式、アクテ
ブ・プリズム方式等の光学的処理方法により該補正信号
生成手段で生成された補正信号に基づき手振れを補正す
る補正手段とを備える。
【0016】ところで、ビデオカメラ装置の角度が変化
するのは、手振れによる場合の他、カメラを左右に振っ
て撮る手法であるパンニングやカメラを上から下、又は
下から上に動かして撮る手法であるチルティング等のカ
メラ・ワークによる場合がある。このカメラ・ワーク
は、一般にゆっくりしたものであり、このカメラ・ワー
クに起因して0.5Hz以下及び15Hz以上の周波数
成分が生成される。なお、カメラ・ワークの周波数帯域
には個人差による幅が存在する。
【0017】また、手振れの周波数成分は、撮影者が静
止体の上でカメラ・ワークを行わずに撮影をする場合に
は、2〜15Hzである。また、撮影者が動体の上で撮
影した場合、例えば車中で撮影した場合には、手振れの
主な周波数成分は高周波側の20〜25Hzにずれる。
また、この手振れの周波数帯域には個人差による幅が存
在する。
【0018】以上の構成による上記手振れ補正装置で
は、撮影者が動体の上でカメラ・ワークを行った場合等
に手振れを生じた場合を考慮して、一般に2〜30Hz
の周波数範囲においてカメラ・ワークによる揺れを補正
することなく、かつ手振れによる画像の揺れを打ち消す
ようなサーボ制御を行って手振れを補正する。このた
め、ビデオカメラ装置の再生画像は、手振れによる“ゆ
れ”を生じさせず、見やすい画像となる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記補正信
号生成手段は、位相及び利得の周波数特性が可変設定自
在に設けられており、上記揺れ量検出手段の出力信号の
周波数に基づいて補正信号が最適に補償されるように該
位相及び利得の周波数特性が設定される。
【0020】このため、手振れ補正装置では、上記補正
手段で上記補償された補正信号に基づき、手振れによる
揺れを補正するような手振れ補正を行うことが可能であ
る。
【0021】上記補正信号生成手段では、揺れ量検出手
段の出力信号を例えば図6に示すように5Hz以下の際
には位相を遅らせることで画像の動きが進むことを補償
し、該出力信号が10Hz以上の際には位相を進めるこ
とで画像の追従遅れを補償している。
【0022】この補正信号生成手段では、ビデオカメラ
本体の揺れの周波数が静止体上で撮影している場合、例
えば該周波数が5Hz、15Hz付近において、各周波
数毎に常に位相補償を行うため、手振れ補正装置の補正
が不自然になるという問題点を生じていた。
【0023】また、ビデオカメラ本体の揺れの周波数が
撮影者が車中で撮影している場合、例えば該周波数が1
5Hz付近において、各周波数毎に常に位相補償を行う
ため、手振れ補正装置の補正が不自然になるという問題
点を生じていた。
【0024】本発明はこのような問題に鑑み、自然な手
振れ補正を行う手振れ補正を可能となす撮像装置及び画
像の揺れの補正を行う方法を提供することを目的とす
る。
【0025】
【課題を解決するための手段】上述のような目的を達成
するために提案される本発明に係る撮像装置は、装置本
体の揺れに起因する画像の揺れを検出する検出手段と、
上記検出手段によって検出された揺れに基づき画像の揺
れを補正するための補正信号を生成する補正信号生成手
段と、上記補正信号に基づいて画像の揺れを補正する補
正手段と、上記検出手段によって検出された揺れの特性
に応じて、上記補正信号の特性を設定する設定手段とを
備えてなるものである。
【0026】ここで、補正信号の特性を設定する設定手
段は、上記検出手段によって検出された揺れの周波数を
検出する周波数検出手段と、上記検出手段によって検出
された周波数に応じて補正信号の特性を設定する特性設
定手段とを備えている。
【0027】本発明に係る画像の揺れを補正する方法
は、撮像装置の揺れに起因する画像の揺れを検出した
後、この検出工程で検出された揺れに基づき画像の揺れ
を補正するための補正信号を生成すると共に、上記検出
工程で検出された揺れの特性に応じて、上記補正信号の
特性を設定し、次いで、上記特性を設定された補正信号
に基づき画像の揺れを補正するようにしたものである。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明が適用された撮像装
置を図面を参照しながら説明する。本発明に係る手振れ
機能付きの撮像装置は、例えば携帯して用いられるビデ
オカメラ装置に適用したものである。
【0029】図1は、本発明に係るビデオカメラ装置に
適用される手振れ補正装置を示すものであって、この手
振れ補正装置は、揺れ量検出手段として角速度検出方式
を採用し、補正手段としてアクテブ・プリズム方式を採
用している。
【0030】この図1に示す、本発明に係る携帯型のビ
デオカメラ装置に設けられた手振れ補正装置は、ビデオ
カメラ本体の振れに起因した画像の揺れ量を検出する揺
れ量検出手段1と、振れ量検出手段1の出力信号に基づ
いて、補正信号を生成する補正信号生成手段2と、この
補正信号に基づき画像の揺れを補正する補正手段3と、
該揺れ量検出手段1の出力信号の周波数を検出する周波
数検出手段4と、該周波数検出手段4の検出出力に基づ
いて該補正信号生成手段2の特性を設定する特性設定手
段5とを備える。
【0031】上記揺れ量検出手段1は、圧電振動ジャイ
ロ等により構成される角速度検出方式を採用しており、
ビデオカメラ本体の縦方向と横方向とに検出面を向けて
設けられて、それぞれ横揺れ方向(以下、ヨーイング方
向と称する。)と縦揺れ方向(以下、ピッチング方向と
称する。)とに起因した角速度を検出する第一の角速度
センサと第二の角速度センサとを有している。
【0032】この第一の角速度センサと第二の角速度セ
ンサとは、後述する補正手段3のアクテブ・プリズム1
1の近くに位置して、このアクテブ・プリズム11の前
記ヨーイング方向とピッチング方向との各角速度を検出
可能に配設される。
【0033】以上の構成による揺れ量検出手段1は、第
一の角速度センサと第二の角速度センサとを用いて、ビ
デオカメラ本体のヨーイング方向とピッチング方向との
振れに起因した各角速度を検出し、この出力信号を補正
信号生成手段2に送出する。上記補正信号生成手段2
は、手振れ量検出手段1から送出された第一の角速度セ
ンサと第二の角速度センサとの出力信号の低周波成分を
カットする高域通過フィルタ6と、この高域通過フィル
タ6から出力された角速度信号を積分して角度信号とす
る積分フィルタ7と、利得、及び位相を可変設定して、
該角度信号の通過中心周波数が可変設定される角度信号
を補償するための特性補償フィルタ8とを有する。
【0034】前記高域通過フィルタ6は、3次のアクテ
ブ・フィルタ等のアクテブ・フィルタにより形成され
て、例えば、第一の角速度センサと第二の角速度センサ
との出力信号の測定系の共振周波数等の不要帯域の低周
波信号のノイズ成分をカットするフィルタである。
【0035】この高域通過フィルタ6により、低周波の
ノイズ成分がカットされ、前記出力信号から角速度信号
が弁別される。この弁別された角速度信号は、積分フィ
ルタ7に送出される。
【0036】前記積分フィルタ7は、上記高域通過フィ
ルタ6より弁別された角速度信号を、上記特性補償フィ
ルタ8の通過中心周波数より十分高周波であるサンプリ
ング周波数でサンプリングしてA/D変換するサンプリ
ングA/Dコンバータと、このサンプリングされた角速
度信号とこの角速度信号のサンプリング時間との積の総
和を演算するマイクロコンピュータとを有する。
【0037】この積分フィルタ7は、上記高域通過フィ
ルタ6から送出された角速度信号とそのサンプリング時
間との積の総和を積分することにより、ビデオカメラ本
体の振れに起因した、ヨーイング方向とピッチング方向
との揺れの角度信号が得られる。このヨーイング方向と
ピッチング方向との角度信号は、特性補償フィルタ8に
送出される。
【0038】前記特性補償フィルタ8は、ディジタルフ
ィルタにより形成される帯域通過フィルタである。この
特性補償フィルタ8の伝達関数θ0は、図2に示すよう
に揺れ量検出手段1の第1、第2の角速度センサの出力
側から補正信号生成手段2の特性補償フィルタ8の出力
側までの伝達による位相の補償値をK1、K2とし、位相
遅れによる演算子Z-1を用い、また、上記特性補償フィ
ルタ8の利得の補償値をK3とした時、下記(1)式で
表される。
【0039】
【数1】
【0040】この特性補償フィルタ8は、周波数検出手
段4の検出出力に基づいて特性設定手段5により上記補
償値K1、K2、及びK3を可変設定可能である。この補
償値K1、K2、及びK3を変化させた場合は、(1)式
から明らかように、伝達関数θ0の周波数特性が変化す
る。このため、特性補償フィルタ8に入力された角度信
号の通過中心周波数が変化し、この特性補償フィルタ8
から出力される補正信号の周波数特性が変化する。
【0041】この特性補償フィルタ8により、特性設定
手段5を介して、補正信号の周波数特性を可変可能であ
る。
【0042】以上の構成による補正信号生成手段2は、
手振れ量検出手段1から送出された第一、第二の角速度
センサによる出力信号を、高域通過フィルタ6によりノ
イズがカットされた角速度信号として、この角速度信号
を積分フィルタ7により角度信号として、この角度信号
を特性補償フィルタ8により補正信号とする。この補正
信号生成手段2は、特性設定手段5を介して、特性補償
フィルタ8の補償値K1、K2、及びK3が可変設定され
て、この特性補償フィルタ8より生成される補正信号の
位相補償特性及び利得の周波数特性が可変設定される。
この補正信号は、補正信号生成手段2から補正手段3に
送出される。
【0043】上記補正手段3は、アクテブ・プリズム方
式を採用しており、アクテブ・プリズム11と、このア
クテブ・プリズム11の頂角信号を検出するプリズム頂
角センサ12と、上記アクテブ・プリズム11の頂角を
可変駆動するプリズム制御部13とを有する。
【0044】上記アクテブ・プリズム11は、二枚のガ
ラス板を特殊フイルムでできた伸縮自在の蛇腹でつな
ぎ、そのなかに上記二枚のガラス板とほぼ同一の光学屈
折率の液体を注入して形成される。上記二枚のガラス板
の各ガラス板は、テレビカメラ本体の縦方向と横方向と
のうち、互いに異なるいずれかの方向に対する頂角を可
変設定可能に設けられる。
【0045】このアクテブ・プリズム11は、レンズユ
ニットにおいて、被写体から対物レンズを介して被写体
像が受像されるCCDイメージセンサの受像部の前面に
配設される。
【0046】このアクテブ・プリズム11の二枚のガラ
ス板の各ガラス板の頂角を、手振れをキャンセルさせる
方向に可変させることにより、該アクテブ・プリズム1
1を介して、被写体からCCDイメージセンサに受像さ
れる被写体像は、手振れがキャンセルされた、“ゆれ”
を生じさせない被写体像となる。
【0047】上記プリズム頂角センサ12は、アクテブ
・プリズム11の二枚のガラス板の各ガラス板の側面に
位置し、ビデオカメラ本体の縦方向、横方向に平行とな
るように立設される第一、第二のアームと、この第一、
第二のアームのヨーイング方向とピッチング方向との頂
角を検出する第一、第二のフォトセンサとを有する。こ
のプリズム頂角センサ12により、アクテブ・プリズム
11の二枚のガラス板の各ガラス板の頂角が検出され
る。
【0048】上記プリズム制御部13は、アクテブ・プ
リズム11の二枚のガラス板の各ガラス板をヨーイング
方向とピッチング方向とに変位駆動可能に、上記各ガラ
ス板の側面に立設された第一、第二のアームに係合させ
て配設される第一、第二の駆動コイルと、上記プリズム
頂角センサ12の第一、第二のフォトセンサの出力信号
と補正信号生成手段2から送出される補正信号とを比較
して上記第一、第二の駆動コイルの駆動電圧を制御する
駆動制御部とを有する。
【0049】このプリズム制御部13により、第一、第
二の角速度センサを介して検出されたビデオカメラ本体
のヨーイング方向とピッチング方向との手振れに起因し
た角度信号に基づき、補正信号生成手段2より生成され
た補正信号と、第一、第二のフォトセンサを介して検出
されたアクテブ・プリズム11の二枚のガラス板の各ガ
ラス板のヨーイング方向とピッチング方向との頂角とを
比較回路で比較し、この比較結果に基づき、各ガラス板
の頂角を手振れをキャンセルする方向に駆動させるよう
に、第一、第二の駆動コイルの駆動電圧を駆動制御部に
より制御する。以上のように、プリズム制御部13は、
アクテブ・プリズム11の二枚のガラス板の各ガラス板
の頂角を手振れをキャンセルする方向に駆動可能であ
る。
【0050】以上の構成による補正手段3は、補正信号
生成手段2の特性補償フィルタ8から補正信号がプリズ
ム制御部13に入力される。また、アクテブ・プリズム
11の二枚のガラス板の各ガラス板の頂角が、プリズム
頂角センサ12で検出されて、頂角信号がプリズム制御
部13に入力される。この補正信号と頂角信号とが入力
されたプリズム制御部13により、手振れがキャンセル
される方向に、上記二枚のガラス板の頂角が可変されて
手振れを補正する。
【0051】上記周波数検出手段4は、例えば上記揺れ
量検出手段1で検出される角速度がゼロとなる点を時間
軸上で単位時間カウントすることにより行う。
【0052】この周波数検出手段4では、例えば静止体
上で撮影者がビデオカメラ装置で撮影をした場合には、
上記揺れ量検出手段1から図3Aに示すように周波数の
低い(2〜5Hz)振幅の大きい成分に、周波数が高い
(0〜15Hz)振幅の小さい成分が重乗した角速度信
号が供給され、時間軸上で該角速度信号の振幅値がゼロ
となる点を単位時間毎にカウントする。
【0053】また、例えば車中にいる撮影者がビデオカ
メラ装置で撮影をした場合には、上記揺れ量検出手段1
から図3Bに示すように周波数が低い(2〜5Hz)振
幅の小さい成分に、周波数が高い(20〜25Hz)振
幅の大きい成分が重乗した角速度が供給され、時間軸上
で該角速度信号の振幅値がゼロとなる点を単位時間毎に
カウントする。
【0054】そして、静止体上で撮影者がビデオカメラ
装置で撮影した場合、すなわち上記検出手段4で検出さ
れる角速度信号の2〜15Hzのときには、上記特性設
定手段5により、図4に示すような位相対周波数になる
ように上記補正信号生成手段2の特性補償フィルタ8が
設定される。すなわち、周波数5〜15Hzのとき、補
償値K1及びK2はゼロ、K3は1とされる。
【0055】この場合、特性補償フィルタ8の特性は、
検出された角速度信号の周波数に応じて変更されること
はない。周波数が変化するたびに特性補償フィルタ8の
特性を変更すると、かえって画像が不自然になるためで
ある。
【0056】また、移動体である自動車等の車中にいる
撮影者がビデオカメラ装置で撮影を行う場合、すなわち
上記周波数検出手段4で検出された角速度信号の周波数
が20〜25Hzのときには、上記特性設定手段5によ
り、図5に示すような特性になるように、上記補正信号
生成手段2の特性補償フィルタ8が設定される。すなわ
ち、検出された周波数が20Hzのときは、図5の
(a)に示すように、20Hz近傍で位相遅れがなくな
るように補償値K1、K2及びK3が選択される。検出
された周波数が22Hzのときには、図5の(b)に示
すように、22Hz近傍で位相遅れがなくなるように補
償値K1、K2及びK3が選択される。検出された周波
数が25Hzのときは、図5の(c)に示すように、2
5Hz近傍で位相遅れがなくなるように補償値K1、K
2及びK3が選択される。
【0057】このようにして、特性補償フィルタ8の位
相対周波数特性は、検出された角速度信号の周波数に変
更される。こうすることにより、ビデオカメラ装置の揺
れる周波数によらず、効果的に位相遅れが補償される。
【0058】本来、検出される周波数の主な成分が激し
く変化すると、そのたびに特性補償フィルタ8の特性が
変更され、かえって画像が不自然になる。しかし、高周
波数領域では、特性補償フィルタ8の特性を変更するこ
とによる影響よりも、位相遅れが生じることによる影響
の方が大きいため、検出された角速度信号の周波数に応
じて特性補償フィルタ8の特性を変更している。
【0059】なお、上述の例においては、揺れ量検出手
段として角速度検出方式を用い、補正手段としてアクテ
ブ・プリズム方式を用いた場合の手振れ補正装置の一例
を示したが、本発明はこのような方式に限定されるもの
ではなく、動きベクトル検出方式、又は角速度検出方式
の振れ量等の検出手段により手振れを検出した際に、メ
モリ制御方式、CCD駆動制御方式等の画像処理による
方法、又はジンバルメカ方式、アクテブ・プリズム方式
等の光学的処理方法による補正手段により手振れを補正
し、再生画像に手振れによる“ゆれ”を生じさせず、高
画質で小型且つ軽量な携帯型のビデオカメラ装置を実現
可能とするものである。
【0060】
【発明の効果】上述したように、本発明に係る手振れ補
正機能を備えた撮像装置は、周波数検出手段で揺れ量検
出手段の出力信号の周波数を検出し、この周波数検出手
段の検出出力に応じて特性設定手段で補正信号生成手段
の補償特性を可変設定する。このため、撮影者が車中で
撮影しているときには、出力信号の周波数に応じて補正
信号生成手段の補償特性を最適化することにより、撮影
状況の変化に関わらず手振れ補正を自然に行う手振れ補
正装置を提供可能である。
【0061】また、撮影者が、静止対上で撮影を行って
いるときには、補正信号生成手段の補償特性を固定する
ことにより、補償特性が変更されるたびに生じる画像の
不自然さが解消される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る撮像装置である携帯型のビデオカ
メラ装置に適用される手振れ補正装置の概略構成を示す
ブロック図である。
【図2】上記手振れ補正装置を構成している補正信号生
成手段に設けられた特性補償フィルタの補償特性を可変
設定する概略概念図である。
【図3】上記手振れ補正装置の揺れ量検出手段から周波
数検出手段に供給される信号の一例を示す特性図であ
り、同図(A)は静止体上で撮影した際の特性を示し、
同図(B)は車中で撮影した際の特性を示す。
【図4】静止体上で撮影した際の上記特性補償フィルタ
の位相補償の周波数特性図である。
【図5】車中で撮影した際の上記特性補償フィルタの位
相補償の周波数特性図である。
【図6】従来の手振れ補正装置の位相補償の周波数特性
図である。
【符号の説明】
1 振れ量検出手段、2 補正信号生成手段、3 補正
手段、4 周波数検出手段、5 特性設定手段、8 特
性補償フィルタ

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 装置本体の揺れに起因する画像の揺れを
    検出する検出手段と、 上記検出手段によって検出された揺れに基づき画像の揺
    れを補正するための補正信号を生成する補正信号生成手
    段と、 上記補正信号に基づいて画像の揺れを補正する補正手段
    と、 上記検出手段によって検出された揺れの特性に応じて、
    上記補正信号の特性を設定する設定手段とを備えてなる
    撮像装置。
  2. 【請求項2】 上記設定手段は、上記検出手段によって
    検出された揺れの周波数を検出する周波数検出手段と、
    上記検出手段によって検出された周波数に応じて補正信
    号の特性を設定する特性設定手段とを備えることを特徴
    とする請求項1記載の撮像装置。
  3. 【請求項3】 上記補正信号は、画像の位相特性を補償
    するものであることを特徴とする請求項2記載の撮像装
    置。
  4. 【請求項4】 上記特性設定手段は、上記周波数検出手
    段に応じて補正信号の周波数の特性を設定することを特
    徴とする請求項3記載の撮像装置。
  5. 【請求項5】 上記設定手段は、上記周波数検出手段が
    高周波数の揺れ成分を検出したときに、その揺れ成分に
    対応する補正信号の周波数特性を設定することを特徴と
    する請求項4記載の撮像装置。
  6. 【請求項6】 上記設定手段は、自動車等の車中での撮
    影に対応する揺れ成分に応じて、それに対応する補正信
    号の周波数特性を設定することを特徴とする請求項4記
    載の撮像装置。
  7. 【請求項7】 上記設定手段は、20Hz以上の揺れ成
    分に応じて、それに対応する補正信号の周波数特性を設
    定することを特徴とする請求項4記載の撮像装置。
  8. 【請求項8】 上記設定手段は、制止体上での撮影に対
    応する揺れ成分に対しては、上記補正信号の周波数特性
    を変更しないことを特徴とする請求項6記載の撮像装
    置。
  9. 【請求項9】 上記設定手段は、2〜20Hzの揺れ成
    分に対しては、上記補正信号の周波数特性を変更しない
    ことを特徴とする請求項7記載の撮像装置。
  10. 【請求項10】 上記補正手段は、アクティブプリズム
    を含むことを特徴とする請求項4記載の撮像装置。
  11. 【請求項11】 上記検出手段は、角速度センサを含む
    ことを特徴とする請求項4記載の撮像装置。
  12. 【請求項12】 撮像装置の揺れに起因する画像の揺れ
    を検出する工程と、 上記検出工程で検出された揺れに基づき画像の揺れを補
    正するための補正信号を生成する工程と、 上記検出工程で検出された揺れの特性に応じて、上記補
    正信号の特性を設定する工程と、 上記特性を設定された補正信号に基づき画像の揺れを補
    正する工程とを備えてなる画像揺れの補正方法。
  13. 【請求項13】 上記補正信号の設定を行う工程は、検
    出された揺れの周波数を検出する工程を含むことを特徴
    とする請求項12記載の画像揺れの補正方法。
  14. 【請求項14】 上記補正信号の特性を設定する工程
    は、検出された周波数に応じて上記補正信号の特性を設
    定する工程を含むことを特徴とする請求項13記載の画
    像揺れの補正方法。
  15. 【請求項15】 上記補正信号は、画像の位相特性を補
    償するものであることを特徴とする請求項14記載の画
    像揺れの補正方法。
  16. 【請求項16】 上記補正信号の設定を行う工程は、高
    周波数の揺れ成分に対応する補正信号の周波数特性を設
    定することを特徴とする請求項15記載の画像揺れの補
    正方法。
  17. 【請求項17】 上記補正信号の設定を行う工程は、自
    動車等の車中での撮影に対応する揺れ成分に応じた補正
    信号の周波数特性を設定することを特徴とする請求項1
    5記載の画像揺れの補正方法。
  18. 【請求項18】 上記補正信号の設定を行う工程は、2
    0Hz以上の揺れ成分に応じた補正信号の周波数特性を
    設定することを特徴とする請求項15記載の画像揺れの
    補正方法。
  19. 【請求項19】 上記補正信号の設定を行う工程は、静
    止体上での撮影に対応する揺れ成分に対しては、上記補
    正信号の周波数特性を変更しないことを特徴とする請求
    項17記載の画像揺れの補正方法。
  20. 【請求項20】 上記補正信号の設定を行う工程は、2
    〜20Hzの揺れ成分に対しては、上記補正信号の周波
    数特性を変更しないことを特徴とする請求項18記載の
    画像揺れの補正方法。
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