【発明の詳細な説明】
アミド誘導体およびそれらの治療用途
本発明は、置換炭素環式アミドのグループ、それらを含有した医薬組成物、そ
れらの製造法、並びに治療上、特に炎症症状の治療におけるそれらの用途に関す
る。
我々は、新規グループの置換炭素環式アミドが有益な抗炎症的および鎮痛的性
質を有することを発見した。これらの化合物は他の薬理性質を比較的有していな
い。
したがって、本発明は下記式(I)の化合物:
(上記式中R1およびR2は同一でもまたは異なっていてもよく、各々クロロ、フ
ルオロ、ブロモ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシまたはC1-6ハロアルキルで
あるが、但しR1およびR2は双方ともフルオロではない;R3およびR4は独立し
て水素およびC1-6アルキルから選択される)あるいはその薬学上許容される塩
、溶媒和物または生理学的機能性誘導体を提供する。
適切なR1およびR2は独立してクロロ、フルオロ、ブロモまたはC1-4アルキ
ル、好ましくはクロロ、フルオロ、ブロモまたはメチルから選択される。式(I
)の特に好ましい化合物には、R1およびR2のうち少くとも一方がクロロである
ものがある。最も好ましくは、R1はクロロであり、R2はクロロ、フル
オロ、ブロモまたはメチルである。
好ましくは、R1およびR2のうち少くとも一方はクロロである。
適切には、R3およびR4は独立して水素またはC1-4アルキル、好ましくは水
素、メチルまたはエチルから選択される。
式(I)の化合物の好ましいグループは、下記式(IA)の化合物:
(上記式中R1aはクロロであり、R2aはクロロ、フルオロ、ブロモまたはメチル
であり、R3およびR4は同一でもまたは異なっていてもよく、各々水素、メチル
またはエチルである)あるいはその薬学上許容される塩、溶媒和物または生理学
的機能性誘導体である。
本発明の好ましい化合物には:
(E)−2−(4−クロロ−6−フルオロ−1−インダニリデン)−N−メチル
アセトアミド
(E)−2−(4−クロロ−6−フルオロ−1−インダニリデン)アセトアミド
(E)−2−(4,6−ジクロロ−1−インダニリデン)アセトアミド
(E)−2−(6−フルオロ−4−メチル−1−インダニリデン)アセトアミド
(E)−2−(6−フルオロ−4−メチル−1−インダニリデン)−N−メチル
アセトアミド
(E)−2−(6−クロロ−4−フルオロ−1−インダニリデン)アセトアミド
(E)−2−(4−ブロモ−6−フルオロ−1−インダニリデン)アセトアミド
(E)−2−(4−クロロ−6−メチル−1−インダニリデン)アセトアミド
またはそれらの薬学上許容される塩がある。
ここで用いられる用語:
a)“C1-6アルキル”とは、直鎖、分岐鎖または環状アルキル基を含めた、
1〜6の炭素原子を有するアルキル基を意味する。このようなアルキル基は、好
ましくは1〜3の炭素原子を有しており、更に好ましくはメチル、エチル、プロ
ピル、プロピ−2−イル、ブチル、ブチ−2−イル、2−メチルプロピ−2−イ
ル、シクロプロピルまたはシクロブチルである。アルキル基は、最も好ましくは
メチル、エチルまたはシクロプロピルである。
b)基または基の一部としての“C1-6アルコキシ”とは、酸素原子を介して
親部分に結合された、1〜6の炭素原子を有する一価直鎖または分岐鎖基を意味
する。このようなアルコキシ基は好ましくは1〜4の炭素原子を有しており、更
に好ましくはメトキシまたはエトキシ、最も好ましくはメトキシである。
c)“ハロアルキル”とは、1〜5のフルオロまたはクロロ原子、好ましくは
フルオロ原子で置換されたアルキルを意味する。
d)“生理学的機能性誘導体”とは、ヒトのような受容者への投与時に上記化
合物、活性代謝産物またはそれらの残留物を(直接または間接的に)与えること
ができる、本発明の化合物のいずれか他の生理学上許容される誘導体、例えばエ
ステルを意味する。
e)“塩”とは、以下で更に記載されるような塩基塩を意味する。
f)“溶媒和物”とは、本発明の化合物とその溶媒との一定割合での組合せを
意味する。
式(I)の化合物が様々な幾何異性体およびいずれかの割合にあるその混合物
として存在できることは明らかであろう。本発明は、その範囲内に、式(I)の
化合物の個々のEおよびZ異性体を含めたこのような幾何異性体または幾何異性
体の混合物と、いずれかの割合にあるこのような異性体の混合物も含む。式(I
)
の好ましい化合物は、エキソ二重結合に隣接した基とカルボニル基がエキソ二重
結合の反対側にある場合である。式(I)の化合物は1以上の炭素中心がキラル
である形で存在してもよい。本発明には、その範囲内に、いかなる他の光学異性
体も実質上含まない、即ちそれが5%以下の各可能な光学異性体と、ラセミ混合
物を含めたいずれかの割合にある1種以上の光学異性体の混合物も含む。
薬学上許容される塩は本発明の範囲内にあり、親(即ち、塩基性)化合物と比
較してそれらの大きな水溶性のため医学的適用に特に適している。このような塩
は、明らかに薬学上許容されるアニオンまたはカチオンを有していなければなら
ない。適切な薬学上許容される塩基塩には、アンモニウム塩、ナトリウムおよび
カリウム塩のようなアルカリ金属塩と、マグネシウムおよびカルシウム塩のよう
なアルカリ土類塩がある。
薬学上許容されないアニオンを有する塩も、薬学上許容される塩の製造または
精製および/または非治療、例えばインビトロ適用での使用上において有用な中
間体として、本発明の範囲内に属する。
式(I)の化合物は、リウマチ様関節炎、リウマチ様脊椎炎、骨関節炎、痛風
関節炎を含めた炎症性関節炎の症状、並びにヘルニア様/破裂/脱出椎間板症候
群、滑液包炎、腱炎、腱滑膜炎、繊維筋肉痛症候群、靭帯捻挫および局所筋骨格
伸張に伴う他の炎症症状を含めた非関節炎症症状の治療にも使用できる。式(I
)の化合物がイブプロフェン、ナプロキセンまたはアスピリンのような他の抗炎
症剤と比較して低い潰瘍誘発性を示すことは、特に注目される。
式(I)の化合物の鎮痛活性は、痛み、例えば炎症および/または外傷に伴う
痛みをコントロールする上でそれらを有用にする。したがって、本発明の化合物
は弱いおよび強い鎮痛剤としての用途を有する。
別な面において、本発明は以下を含む:
(a)医学用、特に炎症、関節炎または痛みを伴う臨床症状の予防または治療
用としての式(I)の化合物とその薬学上許容される塩、溶媒和物または生理学
的機能性誘導体
(b)式(I)の化合物あるいはその薬学上許容される塩、溶媒和物または生
理学的機能性誘導体と、そのための薬学上許容されるキャリアおよび場合により
他の治療成分を含んでなる医薬組成物
(c)式(I)の化合物の有効治療量をホストに投与することからなる、ホス
ト、例えばヒトを含めた哺乳動物における炎症、関節炎または痛みを伴う症状の
治療または予防方法
(d)炎症、関節炎または痛みを伴う症状の治療または予防用薬剤の製造に関
する式(I)の化合物の使用
(e)式(I)の化合物およびその中間体(ここで記載されたような、その塩
、溶媒和物または生理学的機能性誘導体を含む)の製造法
本発明による化合物は、炎症、関節炎および/または痛みを伴う症状の治療用
に、他の治療剤と組合せて用いることができる。このような他の治療剤の例には
、コデイン、オキシコドン、アセトアミノフェン、フェナセチンまたはイブプロ
フェンのような鎮痛剤、メトトレキセートまたはアザチオプリンのような抗関節
炎剤、エフェドリンまたはシュードエフェドリンのようなうっ血除去剤がある。
ここで活性成分としても称される式(I)の化合物の医薬組成物は、経口、直
腸、鼻、局所(口腔および舌下を含む)、膣および非経口(皮下、筋肉内、静脈
内および皮内を含む)を含めたいずれか適切な経路により治療のために投与され
る。好ましい経路がレシピエントの症状および年齢、疾患の性質と、選択される
活性成分に応じて変わることも明らかであろう。
例えば筋肉緊張増加、炎症、関節炎または痛みの治療のための個々の活性成分
の必要量は、治療すべき症状の程度と受容者の同一性を含めたいくつかのファク
ターに勿論依存しており、最終的には担当医の裁量に委ねられる。
一般的に、前記症状の場合、式(I)の化合物あるいはその塩、溶媒和物また
は生理学的機能性誘導体(親化合物として評価される)の適切な用量は、0.0
5〜100mg/受容者体重kg/日の範囲、好ましくは0.1〜50mg/体
重kg/日の範囲、最も好ましくは0.5〜20mg/体重kg/日、最適には
最も好ましくは1〜10mg/体重kg/日の範囲である。望ましい用量は、1
日かけて適切な間隔で投与される2、3、4、5、6またはそれ以上の分割用量
として与えられることが好ましい。これらの分割用量は、例えば単位剤形当たり
1〜1500mg、好ましくは5〜1000mg、最も好ましくは10〜700
mgの活性成分を含有させて、単位剤形として投与される。
活性成分を単独で投与することも可能であるが、医薬組成物としてそれを与え
ることが好ましい。本発明の組成物は、前記のような少くとも1種の活性成分を
そのための1種以上の許容されるキャリアと場合により他の治療剤と一緒に含ん
でなる。各キャリアは、組成物の他の成分と適合して、受容者に有害でないとい
う意味で“許容され”ねばならない。
組成物には経口、直腸、鼻、局所(口腔および舌下を含む)、膣または非経口
(皮下、筋肉内、静脈内および皮内を含む)投与に適したものがある。組成物は
好ましくは単位剤形で供与され、調剤業界で周知のいずれかの方法により製造さ
れる。このような方法では、活性成分を1種以上の補助成分からなるキャリアと
混合する工程を含んでいる。一般的に、組成物は活性成分を液体キャリアまたは
微細固体キャリアまたは双方と均一かつ十分に混合し、その後必要であれば製品
を成形することにより製造される。
経口投与に適した本発明の組成物は、各々既定量の活性成分を含有したカプセ
ル、カシェまたは錠剤のような個別単位;粉末または顆粒;水性または非水性液
体中の溶液または懸濁液;水中油型液体エマルジョンまたは油中水型液体エマル
ジョンとして供与される。活性成分はボーラス、舐剤またはペーストとして供与
してもよい。
錠剤は、場合により1種以上の補助成分と共に圧縮または成形により製造され
る。圧縮錠剤は、場合により結合剤(例えば、ポビドン、ゼラチン、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロース)、滑沢剤、不活性希釈剤、保存剤、崩壊剤(例えば
、デンプングリコール酸ナトリウム、架橋ポビドン、架橋ナトリウムカルボキシ
メチルセルロース)、界面活性または分散剤と混合して、適切な機械において粉
末または顆粒のような易流動形で活性成分を圧縮することにより製造される。成
形錠剤は適切な機械において不活性液体希釈剤で湿潤された粉末化合物の混合物
を成形することにより作られる。錠剤は場合によりコートするかまたは溝を付け
て、望ましい放出プロフィールを示すために例えば様々な割合でヒドロキシプロ
ピルメチルセルロースを用いて、そこにある活性成分の緩徐的または制御的な放
出を行うように処方してもよい。錠剤は、胃以外の腸部分で放出を行うように、
場合により腸溶性コーティングで作ってもよい。
前記のような経口使用に適した組成物は、胃酸度を中和すると考えられる緩衝
剤も含有してよい。このような緩衝剤は、それらの共役塩と混合された弱酸また
は塩基のような様々な有機または無機剤から選択される。
口内での局所投与に適した組成物には、フレーバー化ベース、通常スクロース
およびアラビアまたはトラガカントガムの中に活性成分を含んだロゼンジ;ゼラ
チンおよびグリセリンまたはスクロースおよびアラビアガムのようなベース中に
活性成分を含んだ香錠;適切な液体キャリア中に活性成分を含んだ洗口液がある
。
直腸投与用の組成物は、例えばカカオ脂またはサリチレートを含んだ適切なベ
ースで坐剤として供与してもよい。
膣投与に適した組成物は、適切であると当業界で知られたこのようなキャリア
を活性成分に加えて含有したペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト
、フォームまたはスプレー処方として供与される。
非経口投与に適した組成物には、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤と、組成物を所
定受容者の血液と等張にさせる溶質を含有してもよい水性および非水性滅菌注射
溶液;血液成分または1種以上の器官に化合物を向けるように考えられたリポソ
ームまたは他の微粒状系として懸濁剤および増粘剤を含有してもよい水性および
非水性滅菌懸濁剤がある。組成物は単位用量またはマルチ用量密封容器、例えば
アンプルおよびバイアルで供与して、使用直前に滅菌液体キャリア、例えば注射
用水の添加のみを要するフリーズドライ(凍結乾燥)状態で貯蔵してもよい。即
席注射溶液および懸濁液は、既に記載された種類の滅菌粉末、顆粒および錠剤か
ら製造してもよい。
経皮投与に適した組成物は、長期間にわたり受容者の表皮と完全に接触するよ
うに適合された別々なパッチとして与えてもよい。このようなパッチは、適切に
は、上記化合物について例えば0.1〜0.2M濃度で、場合により緩衝化され
た水溶液として活性化合物を含有する。1つの具体的可能性として、活性化合物
はPharmaceutical Research,3(6),318(1986)で一般的に記載されたように、イオ
ン導入法によりパッチから放出してもよい。
好ましい単位投薬組成物は、活性成分の上記のような1日用量または単位、1
日分割用量、あるいはその適切なフラクションを含有したものである。
特に前記された成分に加えて、本発明の処方物は問題の組成物のタイプを考慮
して、当業界で慣用的な他の剤を含有してもよいと理解されるべきであり、例え
ば経口投与に適したものには甘味剤、増粘剤および香味剤のような別な剤がある
。
本発明の化合物はいずれかの常法でおよび本発明に従い製造され、例えば下記
方法により製造できる。
このため、本発明には、下記式(II)の化合物
をアミンNHR3R4(R1〜R4は前記のとおりであり、Xは脱離基である)と反
応させることからなる、式(I)の化合物とその塩、溶媒和物および生理学的機
能性誘導体の製造法を更に含む。
適切な脱離基には、塩素もしくは臭素のようなハロゲン原子、活性化エステル
(例えば、N−ヒドロキシスクシンイミド、ペンタフルオロフェニル、ニトロフ
ェニル、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール)、混合無水物(例えばエトキシカ
ルボニルオキシ)またはC1-6アルコキシ(例えばエトキシ)基がある。
適切には、反応は不活性溶媒、例えばジクロロメタンのようなハロゲン化アル
カン中、極端でない温度、例えば−20〜120℃、好ましくは0〜30℃で行
われる。
R3およびR4が水素であるとき、化合物HNR3R4、即ちNH3は好ましくは
水酸化アンモニウムとして水和形で用いられ、Xはハロゲン原子である。
Xがハロゲン原子である式(II)の化合物は、下記式(III)の化合物
(上記式中、R1、R2およびR5は前記のとおりである)から、約−20℃〜還
流温度の温度で、場合により触媒(例えばDMF)の存在下適切な有機溶媒(例
えば、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタン)中でハロゲン化剤(例えば、塩化
オキサリルまたは塩化チオニル)との反応により製造することができる。
Xがアルコキシ(例えばエトキシ)である式(II)の化合物は、約0℃〜還流
温度の温度で場合により触媒量の酸(例えばトシル酸)の存在下適切な極性溶媒
(例えば、エタノールのような有機アルコール)との反応により、式(III)の化
合物から製造できる。
Xが活性化エステル(前記のとおり)である式(II)の化合物は、0〜50℃
でジメチルホルムアミド(DMF)またはジクロロメタンのような溶媒中フェノ
ールまたはN−ヒドロキシ化合物とカルボジイミド(例えば、ジシクロヘキシル
カルボジイミドまたは1−(3−メチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジ
イミド)との反応により、式(III)の化合物から製造できる。
Xが活性化エステルである式(II)の化合物は、適切な温度、例えば0℃〜室
温でテトラヒドロフランのような適切な溶媒中アルキルハロエステル、例えばエ
チルクロロホルメートとの反応により、式(III)の化合物から製造できる。
式(I)の化合物は、適切なカップリング試薬(例えばジシクロヘキシルカル
ボジイミド(DCC)またはエチルクロロホルメート)との反応、その後こうし
て形成された活性化エステル(これは単離しない)と適切なアミンHNR3R4と
の反応により、式(III)の化合物から直接製造できる。
式(III)の化合物は、約−20℃〜還流温度の温度で、適切な有機溶媒(例え
ばジクロロメタン)中適切な脱水剤(例えば、トリフルオロ酢酸のような酸)と
の反応により、下記式(IV)の化合物
(上記式中R1およびR2は前記のとおりである)の脱水により製造できる。
式(IV)の化合物は、約0℃〜還流温度の温度で適切な極性溶媒(例えばエタ
ノール)中塩基(例えば水酸化ナトリウム)によるか、または約0℃〜還流温度
の温度で水性酸(例えば塩酸)による対応C1-6アルキルエステル、例えばエチ
ルのケン化により製造できる。
式(IV)の化合物のアルキルエステルは、約0℃〜還流温度の温度で適切な有
機溶媒(例えば、エチルエーテル、ベンゼン)中金属(例えば亜鉛、好ましくは
活性化亜鉛)および触媒量のハロゲン(例えばヨウ素)の存在下においてX1C
H2C(O)OR5(式中X1は塩素、臭素またはヨウ素のようなハロゲン原子(
好ましくは臭素)であり、R5はC1-6アルキル、好ましくはエチルである)との
反応によるか、あるいは約−100℃〜室温の温度(例えば−78℃)で適切な
溶媒(例えばテトラヒドロフラン)中酢酸エチルのリチウム塩との反応により、
下記式(V)の化合物
(上記式中R1およびR2は前記のとおりである)から製造できる。
式(V)の化合物は、約0℃〜還流温度の温度で適切な溶媒(例えばジクロロ
メタン)中ルイス酸(例えば塩化アルミニウム)の存在下における環化により、
下記式(VI)の化合物
(上記式中R1、R2およびX1は前記のとおりである)から製造できる。
式(VI)の化合物は、約0℃〜還流温度の温度でニートによるかまたは適切な
有機溶媒(例えば、塩化メチレンまたはN,N−ジメチルホルムアミド)中にお
いてハロゲン化剤(例えば、塩化オキサリルまたは塩化チオニル)との反応によ
り、対応酸から製造できる。
その酸は
(i)約0℃〜還流温度の温度で適切な極性溶媒(例えば、水またはエタノー
ル)中塩基(例えば水酸化ナトリウム)によるか、または約0℃〜還流温度の温
度で水性酸(例えば塩酸)による対応C1-6アルキルエステルのケン化により製
造することができる。
C1-6アルキルエステルは、1〜4気圧の水素ガス下において環境温度で適切
な溶媒(例えば95%エタノール)および触媒(例えば酸化白金)中で対応C1- 6
アルキルアクリル酸エステルの接触水素付加により製造できる。
アクリル酸エステルは、適切な溶媒(例えば、アセトニトリルまたはジメチル
ホルムアミド)中触媒(例えば、酢酸パラジウム(II)/トリ−o−トリルホス
フィンまたはビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド)およ
び三級アミン(例えばトリエチルアミン)の存在下において下記式(VII)の化合
物
(上記式中R1およびR2は前記のとおりであり、Halは脱離基(例えばBr、
IまたはOSO2CF3)である)とアクリル酸のC1-6エステル(好ましくはア
クリル酸エチル)との反応により製造できる。
HalがBrまたはIである式(VII)の化合物は商業的に得られるか、あるい
は当業者に周知であるかまたは文献から得られる方法により製造できる。
HalがOSO2CF3である式(VII)の化合物は、適切な溶媒(例えばジクロ
ロメタン)中塩基(例えばピリジン)の存在下で無水トリフルオロメタンスル
ホン酸との反応により、対応フェノールから製造できる。フェノール類は商業的
に得られるか、あるいは当業者に周知であるかまたは文献から得られる方法によ
り製造できる。
前記酸は、また、
(ii)1〜4気圧の水素ガス下において環境温度で適切な溶媒(例えば95%
エタノールおよび触媒(例えば酸化白金)中で対応アクリル酸の接触水素付加に
より製造することができる。
アクリル酸は、適切な溶媒(例えばピリジン)中適切な塩基(例えばピペリジ
ン)の存在下でマロン酸との反応により、対応アルデヒドから製造できる。
アルデヒド類は商業的に得られるか、あるいは当業者に知られるかまたは文献
から得られる方法により製造できる。
前記酸は、また、
(iii)還流温度で強塩基(例えば、水性水酸化カリウム)との反応、その後還
流温度で強酸(例えばH2SO4)との処理により、下記式(VIII)の化合物
(上記式中、R1、R2およびR5は前記のとおりである)から製造することがで
きる。
式(VIII)の化合物は、−50℃〜還流温度の温度で有機溶媒(例えば無水ジエ
チルエーテル)中、場合によりハロゲン化銅(例えばヨウ化銅(I))の存在下
において、下記式(IX)の化合物
(上記式中、R1、R2およびR5は前記のとおりである)を式(VII)の化合物と反
応させることにより製造できる。
式(IX)の化合物は、有機溶媒(例えばエチルエーテルまたはジクロロメタン
)中室温〜還流温度の温度で下記式(X)の化合物
(上記式中R5は前記のとおりである)をホルムアルデヒドと反応させることに
より製造できる。
式(X)の化合物は商業的に、あるいは当業者に周知であるかまたは化学文献
から容易に得られる技術により得られる。
一方、式(I)の化合物は、適切な有機溶媒(例えば、THFまたはDMSO
)中でR3R4NC(O)CH2PO(OR6)2(式中R3およびR4は前記のとお
りであり、R6はC1-6アルキルである)を塩基(例えばNaH)と反応させて、
得られたアニオン種を約0℃〜還流温度の温度で式(V)の化合物と反応させる
ことにより製造できる。アニオン性安定試薬〔例えば、ヘキサメチルジシリザン
またはクラウンエーテル(例えば、15−クラウン−5)〕の添加は反応を助け
ることができる。
化合物R3R4NC(O)CH2PO(OR6)2は、R3およびR4に応じて、商
業的に、あるいは当業者に周知であるかまたは化学文献から容易に得られる方法
により得られる。一方、これらの化合物は適切な有機溶媒(例えばTHF)中約
0〜50℃の温度で適切なR3R4NC(O)CH2X(式中Xはハロゲン原子で
ある)を適切なP(OR6)3と反応させることにより製造できる。
化合物R3R4NC(O)CH2Xは、適切な有機溶媒(例えばジエチルエーテ
ル)中約0℃〜還流温度の温度で適切なアミンR3R4NHをXCH2C(O)X
と反応させることにより製造できる。
化合物XCH2C(O)Xは商業的に、あるいはこのような化合物を製造する
当業者に周知であるかまたは化学文献から容易に得られる方法により得られる。
一方、式(I)の化合物は適切な有機溶媒(例えばジメトキシエタン)中約0
〜50℃の温度でR3R4NC(O)CH2P(+)(Ph)3Cl(-)(式中R3およ
びR4は前記のとおりであり、Phはフェニルである)を適切な塩基(例えばN
aH)と反応させて、得られたアニオン種を約0℃〜還流温度の温度で各々式(
V)の化合物と反応させることにより製造できる。
化合物R3R4NC(O)CH2P(+)(Ph)3Cl(-)は、適切な有機溶媒(例
えばTHF)中約20℃〜還流温度の温度でR3R4NC(O)CH2Xを約50
モル%過剰のP(Ph)3(トリフェニルホスフィン)と反応させることにより
製造できる。
式(I)の化合物と、これら化合物の製造に用いられるいずれの中間体も、下
記任意変換のうち1以上で行える:
(i)こうして形成された式(I)の化合物またはその中間体を塩基塩または
他のその生理学的機能性誘導体に変換する、
(ii)式(I)の化合物またはその中間体の塩基塩または他のその生理学的機
能性誘導体が形成されたとき、上記塩または誘導体を式(I)の化合物またはそ
の中間体あるいはその異なる誘導体に変換する。
本発明には、式のある化合物の製造にとり特に有用な新規中間体も更に含む。
したがって、前記のような式(II)、(III)および(IV)の中間体が提供される
。
特に有用な新規中間体には以下がある:
2−(4−クロロ−6−フルオロ−1−ヒドロキシ−1−インダニル)酢酸
(E)−2−(4−クロロ−6−フルオロ−1−インダニリデン)酢酸
(E)−2−(4−クロロ−6−フルオロ−1−インダニリデン)アセチルクロ
リド
2−(4,6−ジクロロ−1−ヒドロキシ−1−インダニル)酢酸
(E)−(4,6−ジクロロ−1−インダニリデン)酢酸
(E)−2−(4,6−ジクロロ−1−インダニリデン)アセチルクロリド
2−(6−フルオロ−1−ヒドロキシ−4−メチル−1−インダニル)酢酸
(E)−2−(6−フルオロ−4−メチル−1−インダニリデン)酢酸
(E)−2−(6−フルオロ−4−メチル−1−インダニリデン)アセチルクロ
リド
2−(6−クロロ−4−フルオロ−1−ヒドロキシ−1−インダニル)酢酸
(E)−2−(6−クロロ−4−フルオロ−1−インダニリデン)酢酸
(E)−2−(6−クロロ−4−フルオロ−1−インダニリデン)アセチルクロ
リド
2−(4−ブロモ−6−フルオロ−1−ヒドロキシ−1−インダニリデン)酢酸
(E)−2−(4−ブロモ−6−フルオロ−1−インダニリデン)酢酸
(E)−2−(4−ブロモ−6−フルオロ−1−インダニル)アセチルクロリド
2−(4−クロロ−6−メチル−1−ヒドロキシ−1−インダニル)酢酸
(E)−2−(4−クロロ−6−メチル−1−インダニリデン)酢酸
(E)−2−(4−クロロ−6−メチル−1−インダニリデン)アセチルクロリ
ド
下記例は本発明について説明しているが、その範囲の制限として解釈されるべ
きでない。例1 (E)−2−(4−クロロ−6−フルオロ−1−インダニリデン)−N−メチル アセトアミドの製造
a)2−クロロ−4−フルオロケイ皮酸の製造
ピリジン(100ml)中2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒド(20
.0g、0.13mol、Aldrich)およびマロン酸(26.2g、0.25mol、A
ldrich)の混合液に50℃でピペリジン(10ml)を滴下した。70℃で18
時間後、混合液を濃HCl(120ml)および水(1.5l)の氷冷溶液中に
注いだ。得られた固体物をロ過し、水で何度も洗浄して、白色固体物として2−
クロロ−4−フルオロケイ皮酸24.4g(96%)を得た:アセトン:水混合
液から1.5gの再結晶化により、白色固体物として2−クロロ−4−フルオロ
ケイ皮酸1.1gを得た:mp243−245℃
b)3−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)プロピオン酸の製造
95%エタノール(140ml)中2−クロロ−4−フルオロケイ皮酸(22
.9g、0.11mol)および酸化白金水化物(0.5g、EM Scientific)の
混合液をParr水素付加装置に入れた。適量の水素を取り込んだ後、触媒をロ過し
、混合液を真空下で濃縮して、紫色固体物として3−(2−クロロ−4−フルオ
ロフェニル)プロピオン酸22.6g(98%)を得た。この物質は更に精製せ
ずに用いた。
3a)3−(2,4−ジクロロフェニル)プロピオン酸を2,4−ジクロロケイ
皮酸(25.0g、0.12mol、Aldrich)から例1bで記載された場合と同様
の手法で製造した。この物質は更に精製せずに用いた。
c)4−クロロ−6−フルオロ−1−インダノンの製造
3−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)プロピオン酸(21.6g、0.
11mol)およびジクロロメタンの混合液に室温で塩化オキサリル(19.2m
l)を滴下した。混合液をガス発生が止むまで室温で撹拌した。過剰の塩化オキ
サリルを蒸留により除去して、3−(2−クロロ−4−フルオロフェ
ニル)プロピオニルクロリドを得た。ジクロロメタン(100ml)中3−(2
−クロロ−4−フルオロフェニル)プロピオニルクロリドの溶液を室温でジクロ
ロメタン(100ml)中塩化アルミニウム(17.3g、0.13mol 、Aldr
ich)の混合液に滴下した。添加が終了した後、混合液を2.5時間還流した。
反応混合液を氷水(1.5l)中に注いだ。2相を分離し、ジクロロメタン相を
0.1N水性水酸化ナトリウムで洗浄し、(Na2SO4)乾燥し、濃縮して、粗
製4−クロロ−6−フルオロ−1−インダノンを得た。溶出液としてヘキサン:
ジクロロメタン(1:1)を用いたシリカゲルクロマトグラフィーにより、白色
固体物として4−クロロ−6−フルオロ−1−インダノン11.1g(55%)
を得た:mp94−96℃
3b)4,6−ジクロロ−1−インダノンを3−(2,4−ジクロロフェニル)
プロピオン酸(24.3g、0.11mol)から例1cで記載された場合と同様
の手法で製造した。溶出液としてヘキサン:ジクロロメタン(1:1)を用いた
シリカゲルクロマトグラフィーにより、白色固体物として4,6−ジクロロ−1
−インダノン12.2g(55%)を得た。ヘキサンから1.0gの再結晶化に
より、白色固体物として4,6−ジクロロ−1−インダノン0.7gを得た:m
p118−120℃
d)2−(4−クロロ−6−フルオロ−1−ヒドロキシ−1−インダニル)酢酸 エチルの製造
酢酸エチル(5.9g、0.07mol)を(テトラヒドロフラン(35ml)
中ジイソプロピルアミン(6.8g、0.07mol)の冷却(ドライアイス−ア
セトン浴)溶液へのヘキサン中n−ブチルリチウム(26.8ml、0.07mo
l)の2.5M溶液の滴下により製造された)リチウムジイソプロピルアミドの
撹拌冷却(ドライアイス−アセトン浴)溶液に滴下した。30分間後、テトラヒ
ドロフラン(100ml)中4−クロロ−6−フルオロ−1−インダノン(
12.4g、0.07mol)の溶液を滴下し、混合液を1時間撹拌した(ドライ
アイス−アセトン浴)。水(80ml)中塩化アンモニウム(10.6g、0.
20mol)の溶液を加え、混合液を環境温度に戻した。水相を分離し、ジエチル
エーテルで抽出した。合わせた有機相を(硫酸ナトリウム)乾燥し、ロ過し、真
空下で濃縮して、粗製2−(4−クロロ−6−フルオロ−1−ヒドロキシ−1−
インダニル)酢酸エチル19.5gを得た。溶出液としてヘキサン:酢酸エチル
(8:2)を用いたシリカゲルクロマトグラフィーにより黄色油状物15.2g
(83%)を得た;NMR(DMSO-d6):δ7.13−7.28(m,2H
),5.55(s,1H),3.98(m,2H),2.79(2m’s,4H
),2.50(m,1H),2.11(m,1H),1.08(t,3H).3
c)2−(4,6−ジクロロ−1−ヒドロキシ−1−インダニル)酢酸エチルを
4,6−ジクロロ−1−インダノンから例1dで記載された場合と同様の手法で
製造した。溶出液としてヘキサン:酢酸エチル(8:2)を用いたシリカゲルク
ロマトグラフィーにより黄色油状物10.6g(65%)を得た;NMR(CD
Cl3):δ7.22−7.27(m,2H),4.28(br,1H),4.
21(m,2H),3.03(m,1H),2.75(m,3H),2.30(
m,2H),1.28(t,3H).
e)2−(4−クロロ−6−フルオロ−1−ヒドロキシ−1−インダニル)酢酸 の製造
2−(4−クロロ−6−フルオロ−1−ヒドロキシ−1−インダニル)酢酸エ
チル(14.5g、0.05mol)、1N水酸化ナトリウム(52ml)および
無水エタノール(100ml)の混合液を室温で18時間撹拌した。混合液を真
空下で濃縮し、H2Oで希釈し、ジエチルエーテルで洗浄した。水相を1.0N
塩酸(52ml)で中和し、ジエチルエーテルで抽出した。ジエチルエーテル抽
出液を硫酸ナトリウムで乾燥し、ロ過し、真空下で濃縮して、粗製2−(4−ク
ロロ−6−フルオロ−1−ヒドロキシ−1−インダニル)酢酸12.5g(96
%)を得た。この物質は更に精製せず直ちに用いた。
3d)2−(4,6−ジクロロ−1−ヒドロキシ−1−インダニル)酢酸を2−
(4,6−ジクロロ−1−ヒドロキシ−1−インダニル)酢酸エチル(9.9g
、0.03mol)から例1eで記載された場合と同様の手法で製造した。この物
質は更に精製せず直ちに用いた。
f)(E)−2−(4−クロロ−6−フルオロ−1−インダニリデン)酢酸の製 造
トリフルオロ酢酸(27.4ml)をジクロロメタン(200ml)中2−(
4−クロロ−6−フルオロ−1−ヒドロキシ−1−インダニル)酢酸(12.5
g、0.05mol)の撹拌冷却(氷−メタノール浴)溶液に加えた。1.5時間
後、混合液を真空下で濃縮した。ジクロロメタンを残渣に加え、混合液を真空下
で濃縮して、粗製(E)−2−(4−クロロ−6−フルオロ−1−インダニリデ
ン)酢酸10.6gを得た。溶出液として酢酸エチル:ヘキサン(1:1)を用
いたサンプル1.0gのシリカゲルクロマトグラフィーにより、白色固体物とし
て(E)−2−(4−クロロ−6−フルオロ−1−インダニリデン)酢酸0.3
2gを得た:mp229−230℃
3e)(E)−2−(4,6−ジクロロ−1−インダニリデン)酢酸を2−(4
,6−ジクロロ−1−ヒドロキシ−1−インダニル)酢酸(8.6g、0.03
mol)から例1fで記載された場合と同様の手法で製造した。サンプル1.0g
をイソプロパノール:水混合液から再結晶化して、白色固体物として(E)−2
−(4,6−ジクロロ−1−インダニリデン)酢酸0.6gを得た:mp245
−247℃
g)(E)−2−(4−クロロ−6−フルオロ−1−インダニリデン)アセチル クロリドの製造
ジクロロメタン(100ml)中(E)−2−(4−クロロ−6−フルオロ−
1−インダニリデン)酢酸(9.6g、0.04mol)の懸濁液を塩化オキサリ
ル(10.7g、0.08mol)で処理し、室温で3時間撹拌した。得られた溶
液を真空下で濃縮し、残渣を更に精製せずに用いた。
3f)(E)−2−(4,6−ジクロロ−1−インダニリデン)アセチルクロリ
ドを(E)−2−(4,6−ジクロロ−1−インダニリデン)酢酸(5.3g、
0.02mol)から例1gで記載された場合と同様の手法で製造した。得られた
残渣は更に精製せずに用いた。
h)(E)−2−(4−クロロ−6−フルオロ−1−インダニリデン)−N−メ チルアセトアミドの製造
ジクロロメタン(36ml)中(E)−2−(4−クロロ−6−フルオロ−1
−インダニリデン)アセチルクロリド(4.0g、0.015mol)の溶液を4
0%水性メチルアミン(2.6ml、0.03mol)およびジクロロメタン(1
00ml)の氷冷混合液に滴下し、混合液を環境温度で18時間撹拌した。反応
混合液を真空下で濃縮し、残渣を5%水性炭酸水素ナトリウムと酢酸エチルに分
配した。酢酸エチル溶液を硫酸ナトリウムで乾燥し、ロ過し、真空下で濃縮した
。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより溶出液として酢酸エチル:
ヘキサン(1:1)を用いて精製し、白色固体物として(E)−2−(4−クロ
ロ−6−フルオロ−1−インダニリデン)−N−メチルアセトアミド1.59g
(44%)を得た:mp173−175℃;NMR(CDCl3):δ7.10
−7.30(m,2H),6.16(s,1H),5.64(br,1H),3
.42−3.48(m,2H),3.01−3.07(m,2H),2.95(
s,3H).例2 (E)−2−(4−クロロ−6−フルオロ−1−インダニリデン)アセトアミド
ジクロロメタン(36ml)中(例1gで製造されたような)(E)−2−(
4−クロロ−6−フルオロ−1−インダニリデン)アセチルクロリド(4.0g
、0.015mol)の溶液を30%水性水酸化アンモニウム(2.0ml、0.
03mol)およびジクロロメタン(100ml)の氷冷混合液に滴下し、混合液
を環境温度で18時間撹拌した。反応混合液を真空下で濃縮し、残渣を5%水性
炭酸水素ナトリウムと酢酸エチルに分配した。酢酸エチル溶液を硫酸ナトリウム
で乾燥し、ロ過し、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーにより溶出液として酢酸エチル:ヘキサン(2:1)で精製した。得られた
固体物のペンタンによる摩砕により、白色固体物として(E)−2−(4−クロ
ロ−6−フルオロ−1−インダニリデン)アセトアミド1.47g(43%)を
得た:mp182−184℃例3 (E)−2−(4,6−ジクロロ−1−インダニリデン)アセトアミドの製造
(E)−2−(4,6−ジクロロ−1−インダニリデン)アセトアミドを中間
体3fから例2で記載された場合と同様の手法で製造した。残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーにより溶出液として酢酸エチル:ヘキサン(3:2)に
より精製した。得られた固体物のペンタンによる摩砕により、白色固体物として
(E)−2−(4,6−ジクロロ−1−インダニリデン)アセトアミド1.01
g(52%)を得た:mp210−212℃例4 (E)−2−(6−フルオロ−4−メチル−1−インダニリデン)アセトアミド の製造
(a)(E)−3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)アクリル酸エチルの 製造
アセトニトリル(60ml)中2−ブロモ−5−フルオロトルエン(17.6
g、0.09mol、Aldrich)、酢酸エチル(9.3g、0.09mol)、トリエ
チルアミン(9.4g、0.09mol)、酢酸パラジウム(II)(2.7g、0
.01mol)およびトリ−o−トリルホスフィン(7.3g、0.02mol)の混
合液をParrボンベに入れて、110℃で12時間加熱した。室温まで冷却後、混
合液をジエチルエーテルで希釈し、ロ過した。ロ液を真空下で濃縮し、橙色油状
物33.0gを得た。溶出液として最初にヘキサン:ジクロロメタン(8:2)
、その後ヘキサン:ジクロロメタン(6:4)を用いたシリカゲルクロマトグラ
フィーにより、淡黄色固体物として(E)−3−(4−フルオロ−2−メチルフ
ェニル)アクリル酸エチル18.0g(93%)を得た;NMR(DMSO−d6
):δ7.78(d,1H,CH=,J=16Hz),7.78(m,1H,
ArH),7.02−7.15(m,2H,Ar),6.48(d,1H,CH
=,J=16Hz),4.17(q,2H,CH2),2.38(s,3H,C
H3),1.24(t,3H,CH3).
b)3−(4−フルオロ−3−メチルフェニル)プロピオン酸エチルの製造
95%エタノール(125ml)中(E)−3−(4−フルオロ−2−メチル
フェニル)アクリル酸エチル(32.9g、0.16mol)および酸化白金水化
物(0.5g、EM Scientific)の混合液をParr装置に入れた。適量の水素を
取り込んだ後、触媒をロ過し、ロ液を真空下で濃縮して、3−(4−フルオロ−
3−メチルフェニル)プロピオン酸エチル33.7gを得た。サンプル1.0g
をシリカゲルクロマトグラフィーにより溶出液としてヘキサン:ジクロロメタン
で精製し、無色油状物として3−(4−フルオロ−3−メチルフェニル)プロピ
オン酸エチル0.92gを得た;NMR(CDCl3):δ6.78−7.26
(m,3H,Ar),4.13(q,2H,CH2),2.90(t,2H,C
H2),2.54(t,2H,CH2),2.31(s,3H,CH3),1.2
4(t,3H,CH3).
c)3−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)プロピオン酸の製造
氷浴温度に冷却されたエタノール(150ml)中3−(4−フルオロ−3−
メチルフェニル)プロピオン酸エチル(32.7g、0.16mol)の混合液に
1.0N水酸化ナトリウム(156ml)溶液を一度に加え、混合液を室温で1
8時間撹拌した。混合液を真空下で濃縮し、残渣を水に溶解し、水相をジエチル
エーテルで洗浄した。水相を氷浴で冷却し、1.0N塩化水素(160ml)溶
液の添加により酸性化した。得られた固体物のロ過により3−(4−フルオロ−
2−メチルフェニル)プロピオン酸25.8g(91%)を得た。サンプル0.
5gを水から再結晶化して、白色固体物として3−(4−フルオロ−2−メチル
フェニル)プロピオン酸0.26gを得た:mp112−113℃
d)(E)−2−(6−フルオロ−4−メチル−1−インダニリデン)アセトア ミドの製造
例1c〜1gおよび2で記載された方法に従い(E)−2−(6−フルオロ−
4−メチル−1−インダニリデン)アセチルクロリド(4.0g、0.018mo
l)から下記中間体を経て製造した:
(i)6−フルオロ−4−メチル−1−インダノン、白色固体物、mp90−
92℃
(ii)2−(6−フルオロ−1−ヒドロキシ−4−メチル−1−インダニル)
酢酸エチル、淡黄色油状物、NMR(CDCl3):δ6.76−6.88(m
,
H,CH2’s),2.30(m,2H,CH2),2.24(s,3H,CH3
),1.28(t,3H,CH3).
(iii)2−(6−フルオロ−1−ヒドロキシ−4−メチル−1−インダニル
)酢酸、更に精製せず直ちに用いる
(iv)(E)−2−(6−フルオロ−4−メチル−1−インダニリデン)酢酸
、
2−プロパノールから0.5gの再結晶化により白色固体物として(E)−2−
(6−フルオロ−4−メチル−1−インダニリデン)酢酸0.23gを得た:m
p243−246℃
(v)(E)−2−(6−フルオロ−4−メチル−1−インダニリデン)アセ
チルクロリド、更に精製せずに用いる
溶出液として酢酸エチル:ヘキサン(6:4)によるシリカゲルクロマトグラ
フィーと、得られた固体物のペンタンによる摩砕により、灰白色固体物として(
E)−2−(6−フルオロ−4−メチル−1−インダニリデン)アセトアミド1
.8g(49%)を得た:mp178−180℃;NMR(DMSO−d6):
δ7.25(br s,1H,NH2),7.07−7.11(m,1H,Ar
),6.99−7.03(m,1H,Ar),6.84(br s,1H,NH2
),6.34(t,1H,=CH),3.15−3.20,2.80−2.8
4(2m’s,4H,2×CH2),2.22(s,3H,CH3).例5 (E)−2−(6−フルオロ−4−メチル−1−インダニリデン)−N−メチル アセトアミドの製造
上記化合物は例1hで記載された場合と類似した方法により(E)−2−(6
−フルオロ−4−メチル−1−インダニリデン)アセチルクロリド(4.0g、
0.018mol)から製造した。アセチルクロリドを例1gで記載されたように
製造した。溶出液として酢酸エチル:ヘキサン(6:4)によるシリカゲルクロ
マトグラフィーと、得られた固体物のペンタンによる摩砕により、灰白色固体物
として(E)−2−(6−フルオロ−4−メチル−1−インダニリデン)−N−
メチルアセトアミド1.71g(43%)を得た:mp202−204℃;NM
R(DMSO−d6):δ7.78(br d,1H,NH),7.07−7.
11(m,1H,Ar),6.99−7.02(m,1H,Ar),6.31
(t,1H,=CH),3.17−3.22,2.80−2.84(2m’s,
4H,2×CH2),2.64(d,3H,CH3),2.22(s,3H,CH3
).例6 (E)−2−(6−クロロ−4−フルオロ−1−インダニリデン)アセトアミド の製造
a)4−クロロ−2−フルオロフェニル トリフルオロメタンスルホネートの製 造
ジクロロメタン(120ml)中4−クロロ−2−フルオロフェノール(25
.0g、0.17mol、Aldrich)およびピリジン(13.5g、0.17mol、A
ldrich)の混合液を氷浴温度でジクロロメタン(120ml)中無水トリフルオ
ロメタンスルホン酸(50.0g、0.18mol、Aldrich)の溶液に滴下した。
環境温度で60時間撹拌後、反応混合液を水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ロ
過し、真空下で濃縮して、粗製4−クロロ−2−フルオロフェニルトリフルオロ
メタンスルホネート45gを得た。溶出液としてヘキサンによるシリカゲルクロ
マトグラフィーにより、無色油状物として4−クロロ−2−フルオロフェニル
トリフルオロメタンスルホネート32.2g(68%)を得た;NMR(CDC
l3):δ7.20−7.33(m,3H,Ar).
b)(E)−3−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)アクリル酸エチルの製 造
ジメチルホルムアミド(20ml)中4−クロロ−2−フルオロフェニル ト
リフルオロメタンスルホネート(5.0g、0.02mol)、酢酸エチル(1.
8g、0.02mol、Aldrich)、トリエチルアミン(1.8g、0.02mol)
およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(1.4g、
0.002mol、Aldrich)の混合液をParrボンベに入れて、110℃で
12時間加熱した。環境温度まで冷却後、混合液をジエチルエーテルで希釈し、
ロ過した。ロ液を水洗し、ロ過し、真空下で濃縮して、橙色油状物6.6gを得
た。最初に溶出液としてヘキサン:ジクロロメタン(7:3)を用いたシリカゲ
ルクロマトグラフィーにより、(a)放置時に固化する緑色油状物として純粋な
(E)−エチル 3−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)アクリル酸1.5
7g、および(b)少量の不純物を含有した(E)−エチル 3−(4−クロロ
−2−フルオロフェニル)アクリル酸0.93gを得た。アセトン:水混合液か
ら(a)の再結晶化により、白色固体物として(E)−3−(4−クロロ−2−
フルオロフェニル)アクリル酸エチル0.82gを得た:mp38−40℃
c)3−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)プロピオン酸の製造
上記化合物は例4bおよび4cで記載された方法に従い(E)−エチル 3−
(4−クロロ−2−フルオロフェニル)アクリル酸(37.9g、0.17mol
)から下記中間体を経て製造した:
(i)3−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)プロピオン酸エチル.サン
プル1.0gをシリカゲルクロマトグラフィーにより溶出液としてヘキサン:酢
酸エチル(98:2)で精製し、無色油状物として3−(4−クロロ−2−フル
オロフェニル)プロピオン酸エチル0.38gを得た;NMR(CDCl3):
δ7.03−7.18(m,3H,Ar),4.13(q,2H,CH2),2
.93(t,2H,CH2),2.60(t,2H,CH2),1.23(t,3
H,CH3).
サンプル0.5gを水から再結晶化して、白色固体物として3−(4−クロロ
−2−フルオロフェニル)プロピオン酸0.18gを得た:mp83−85℃
d)6−クロロ−4−フルオロ−1−インダノンの製造
上記化合物は例1cで記載された場合と同様の方法により3−(4−クロロ−
2−フルオロフェニル)プロピオン酸(8.4g、0.04mol)から製造した
:
溶出液としてヘキサン:塩化メチレン(7:3)でシリカゲルクロマトグラフィ
ーにより、白色固体物として6−クロロ−4−フルオロ−1−インダノン4.1
g(54%)を得た:mp105−107℃
e)2−(6−クロロ−4−フルオロ−1−ヒドロキシ−1−インダニル)酢酸 エチルの製造
テトラヒドロフラン(10ml)中酢酸エチル(8.3g、0.09mol)の
溶液を窒素雰囲気下−78℃でテトラヒドロフラン(100ml)中リチウムジ
イソプロピルアミドの溶液(シクロヘキサン1.5M溶液62.7ml、10.
1g、0.09mol、Aldrich)に滴下した。30分間後、テトラヒドロフラン(
175ml)中6−クロロ−4−フルオロ−1−インダノンの溶液を滴下し、混
合液を−78℃で70分間撹拌した。反応を水(100ml)中塩化アンモニウ
ム(15.1g、0.27mol)の溶液で停止させ、反応混合液を一夜かけて環
境温度に戻した。各相を分離し、水相をジエチルエーテルで抽出した。合わせた
有機相を(硫酸ナトリウム)乾燥し、ロ過し、真空下で濃縮して、粗製2−(6
−クロロ−4−フルオロ−1−ヒドロキシ−1−インダニル)酢酸エチル24.
4gを得た。溶出液としてヘキサン:酢酸エチル(9:1)を用いたシリカゲル
クロマトグラフィーにより、黄色油状物として2−(6−クロロ−4−フルオロ
−1−ヒドロキシ−1−インダニル)酢酸エチル14.7g(57%)を得た。
溶出液としてジクロロメタンによるシリカゲルでのサンプル0.5gの再結晶化
により、無色油状物として2−(6−クロロ−4−フルオロ−1−ヒドロキシ−
1−インダニル)酢酸エチル0.27gを得た;NMR(CDCl3):δ6.
96−7.12(m,2H,Ar),4.35(br s,1H,OH),
2.75(2m’s,3H,CH2’s),2.32(m,2H,CH2),1.
28(t,3H,CH3).
f)(E)−2−(6−クロロ−4−フルオロ−1−インダニリデン)アセトア ミドの製造
上記化合物は例1e〜1gおよび2で記載された場合と同様の方法により2−
(6−クロロ−4−フルオロ−1−ヒドロキシ−1−インダニル)酢酸エチル(
16.0g、0.06mol)から下記中間体を経て製造した:
(i)2−(6−クロロ−4−フルオロ−1−ヒドロキシ−1−インダニル)
酢酸.更に精製せずに用いる
(ii)(E)−2−(6−クロロ−4−フルオロ−1−インダニリデン)酢酸
サンプル1.0gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより溶出液としてヘ
キサン:酢酸エチル(1:1)で精製し、その後2−プロパノールで再結晶化さ
せて、白色固体物として(E)−2−(6−クロロ−4−フルオロ−1−インダ
ニリデン)酢酸0.21gを得た:mp254−256℃
(iii)(E)−2−(6−クロロ−4−フルオロ−1−インダニリデン)ア
セチルクロリド.更に精製せずに用いる
溶出液として酢酸エチル:ヘキサン(7:3)によるシリカゲルクロマトグラ
フィーと、得られた固体物のペンタンによる摩砕により、白色固体物として(E
)−2−(6−クロロ−4−フルオロ−1−インダニリデン)アセトアミド1.
77g(49%)を得た:mp171−173℃;NMR(DMSO−d6):
δ7.43(d,1H,Ar),7.37(dd,1H,Ar),7.31(b
r s,1H,NH2),6.99(br s,1H,NH2),6.46(t,
1H,=CH),3.17−3.22,2.92−2.97(2m’s,4H,
2×CH2).例7 (E)−2−(4−ブロモ−6−フルオロ−1−インダニリデン)アセトアミド の製造
a)2−ブロモ−1−(ブロモメチル)−4−フルオロベンゼンの製造
四塩化炭素(500ml)中2−ブロモ−4−フルオロトルエン(46.6g
、0.25mol、Aldrich)、N−ブロモサクシンイミド(46.3g、0.26
mol、Aldrich)および過酸化ベンゾイル(0.5g、0.002mol、Aldrich)
の混合液を還流し、18時間照射する(250ワット、赤外線ランプ)。室温ま
で冷却後、サクシンイミドをロ過し、ロ液を真空下で濃縮した。溶出液としてヘ
キサンによるシリカゲルクロマトグラフィーにより、白色固体物として2−ブロ
モ−1−(ブロモメチル)−4−フルオロベンゼン41.8g(62%)を得た
:mp47−49℃
b)2−(2−ブロモ−4−フルオロベンジル)マロン酸ジエチルの製造
ジメトキシエタン(10ml)中マロン酸ジエチル(25.9g、0.16mo
l)の溶液を環境温度でジメトキシエタン(25ml)中水素化ナトリウム(鉱
油中60%分散物6.0g、0.15mol、Aldrich)の懸濁液に滴下した。1時
間後、ジメトキシエタン(125ml)中2−ブロモ−1−(ブロモメチル)−
4−フルオロベンゼン(40.8g、0.15mol)の溶液を滴下し、混合液を
1.5時間還流した。反応混合液を環境温度まで冷却し、真空下で濃縮した。残
渣をジクロロメタンと水に分配した。ジクロロメタン抽出液を(硫酸ナトリウム
)乾燥し、真空下で濃縮して、黄色油状物63.4gを得た。ジクロロメタン:
ヘキサン(3:2)でのシリカゲルクロマトグラフィーにより、無色油状物とし
て2−(2−ブロモ−4−フルオロベンジル)マロン酸ジエチル21.3g(4
0%)を得た(少量の不純物を含有した第二フラクション11.5gを得たが、
これは更に精製せずに用いることができた);NMR(CDCl3):δ7.2
1−7.31(m,2H,Ar),6.90−6.97(m,1H,Ar),4
.11−4.21(m,4H,2×CH2),3.77(t,1H,CH),3
.30(d,2H,CH2),1.22(t,6H,2×CH3).
c)3−(2−ブロモ−4−フルオロフェニル)プロピオン酸の製造
水(200ml)中2−(2−ブロモ−4−フルオロベンジル)マロン酸ジエ
チル(31.8g、0.09mol)および水酸化カリウム(10.3g、0.1
8mol)の混合液を4.5時間還流した。混合液を真空下で濃縮して、エタノー
ルを除去した。得られた溶液に濃硫酸(15.7mlg、0.29mol)を加え
、混合液を18時間還流した。反応混合液を氷浴で冷却し、得られた固体物をロ
過し、水洗し、風乾して、粗製3−(2−ブロモ−4−フルオロフェニル)プロ
ピオン酸20.6g(91%)を得た。この物質は更に精製せずに用いた。
d)(E)−2−(4−ブロモ−6−フルオロ−1−インダニリデン)アセトア ミドの製造
上記化合物は、例1c〜1gおよび2で記載された場合と同様の方法により3
−(2−ブロモ−4−フルオロフェニル)プロピオン酸(19.6g、0.08
mol)から下記中間体を経て製造した:
(i)4−ブロモ−6−フルオロ−1−インダノン.ヘキサンからサンプル0
.8gの再結晶化により、白色固体物として4−ブロモ−6−フルオロ−1−イ
ンダノン0.54gを得た:mp129−131℃
(ii)2−(4−ブロモ−6−フルオロ−1−ヒドロキシ−1−インダニル)
酢酸エチル.ヘキサン:酢酸エチル(4:1)を用いたシリカゲルクロマトグラ
フィーにより、淡黄色油状物として2−(4−ブロモ−6−フルオロ−1−ヒド
ロキシ−1−インダニル)酢酸エチル14.1g(70%)を得た;NMR(C
DCl3):δ6.98−7.19(m,2H,Ar),4.21(q,2H,
s),2.31(m,2H,CH2),1.28(t,3H,CH3).
(iii)2−(4−ブロモ−6−フルオロ−1−ヒドロキシ−1−インダニル
)酢酸.更に精製せず直ちに用いる
(iv)(E)−2−(4−ブロモ−6−フルオロ−1−インダニリデン)酢酸
.更に精製せずに用いる
(v)(E)−2−(4−ブロモ−6−フルオロ−1−インダニリデン)アセ
チルクロリド.更に精製せずに用いる
溶出液として酢酸エチル:ヘキサン(7:3)による最終生成物のシリカゲル
クロマトグラフィーと、得られた固体物のペンタンによる摩砕により、白色固体
物として(E)−2−(4−ブロモ−6−フルオロ−1−インダニリデン)アセ
トアミド1.4g(47%)を得た:mp183−185℃;NMR(DMSO
−d6):δ7.54(dd,1H,Ar),7.37(m,2H,Arおよび
NH2),6.98(br s,1H,NH2),6.39(t,1H,=CH)
,3.17−3.22,2.86−3.00(2m’s,4H,2×CH2).例8 (E)−2−(4−クロロ−6−メチル−1−インダニリデン)アセトアミドの 製造
上記化合物は、例6a、6b、4b、4c、1c〜1gおよび2で記載された
場合と同様の方法により2−クロロ−4−メチルフェノール(50.0g、0.
35mol、Aldrich)から下記中間体を経て製造した:
(i)2−クロロ−4−メチルフェニル トリフルオロメタンスルホネート.
溶出液としてヘキサンを用いたシリカゲルクロマトグラフィーにより、無色油状
物として2−クロロ−4−メチルフェニル トリフルオロメタンスルホネート5
8.2g(61%)を得た;NMR(DMSO−d6):δ7.6(s,1H,
Ar),7.5(d,1H,J=8.95Hz,Ar),7.3(d,1H,J
=8.95Hz,Ar),3.95(s,3H).
(ii)(E)−エチル 3−(2−クロロ−4−メチルフェニル)アクリル酸
.溶出液としてヘキサン:酢酸エチル(95:5)を用いたシリカゲルクロマト
グ
ラフィーにより純粋な(E)−エチル 3−(2−クロロ−4−メチルフェニル
)アクリル酸24.1g(収率70%)を得た;NMR(DMSO−d6):δ
7.89(d,1H,CH=,J=16.0Hz),7.85(d,1H,J=
8.2Hz,ArH),7.35(s,1H,Ar),7.21(d,1H,J
=8.2Hz),6.67(d,CH=,J=16.0Hz),4.21(q,
2H,J=7.1Hz),2.32(s,3H),1.27(t,3H,J=7
Hz).
(iii)3−(2−クロロ−4−メチルフェニル)プロピオン酸エチル.溶出
液としてヘキサン:酢酸エチル(98:2)を用いたシリカゲルクロマトグラフ
ィーにより、無色油状物として3−(2−クロロ−4−メチルフェニル)プロピ
オン酸エチル29.10gを得た;NMR(CDCl3):δ7.03−7.2
4(m,3H,Ar),4.13(q,2H,CH2),2.93(t,2H,
CH2),2.60(t,2H,CH2),2.27(s,3H,CH3),1.
17(t,3H,CH3).
(iv)3−(2−クロロ−4−メチルフェニル)プロピオン酸.精製せずに用
いた;NMR(DMSO−d6):δ12.2(s,1H),7.05−7.2
5(m,3H,Ar),2.89(t,2H,CH2),2.75(t,2H,
CH2),2.27(s,1H).
(v)4−クロロ−6−メチル−1−インダノン.溶出液としてヘキサン:酢
酸エチル(99:1−95:5勾配)を用いたシリカゲルクロマトグラフィーに
より4−クロロ−6−メチル-1−インダノン14.12g(64%)を得た;
NMR(DMSO−d6):δ7.56(s,1H,Ar),7.37(s,1
H,Ar),2.96(m,2H,CH2),2.64(m,2H,CH2),2
.35(s,3H).
(vi)2−(4−クロロ−6−メチル−1−ヒドロキシ−1−インダニル)酢
酸エチルの製造.溶出液としてヘキサン:酢酸エチル(8:2)を用いたシリカ
ゲルクロマトグラフィーにより、黄色油状物として2−(4−クロロ−6−メチ
ル−1−ヒドロキシ−1−インダニル)酢酸エチル6.36gと、回収された出
発物質6.54gを得た。回収された出発物質は同一の反応条件に再度付した。
前のとおりの後処理およびクロマトグラフィーにより、無色油状物として合計収
量12.76g(86%)で2−(4−クロロ−6−メチル−1−ヒドロキシ−
1−インダニル)酢酸エチル6.4gを得た;NMR(DMSO):δ7.09
(s,2H,Ar),5.37(br s,1H,OH),4.0(m,2H,
2.28(s,3H),2.0−2.2(m,1H),1.08(t,3H,C
H3).
(vii)2−(4−クロロ−6−メチル−1−ヒドロキシ−1−インダニル)
酢酸.更に精製せず直ちに用いる
(Viii)(E)−2−(4−クロロ−6−メチル−1−インダニリデン)酢酸
.更に精製せずに用いる
(ix)(E)−2−(4−クロロ−6−メチル−1−インダニリデン)アセチ
ルクロリド.更に精製せずに用いる
溶出液として酢酸エチル:ヘキサン(1:1−3:1勾配)を用いた最終生成
物のシリカゲルクロマトグラフィーにより、白色固体物として(E)−2−(4
−クロロ−6−メチル−1−インダニリデン)アセトアミド2.01g(69%
)を得た:mp213−215℃;NMR(DMSO−d6):δ7.35(b
r s,1H,NH),7.33(s,1H,Ar),7.29(s,1H,A
r),6.93(br s,1H,NH2),6.41(t,1H,=CH,J
=2.6Hz),3.17−3.22,2.90−2.97(2m,4H,2×
CH2),2.35(s,1H,CH3).医薬組成物
下記組成物例において、“活性成分”とは式(I)の化合物あるいはその塩基
塩、酸付加塩または他の生理学的機能性誘導体、例えば例1〜8の化合物である
。例9 錠剤組成物
下記組成物A、BおよびCは、ポビドンの溶液による諸成分の湿式造粒、その
後にステアリン酸マグネシウムの添加と、圧縮により製造する。組成物A
組成物B
組成物C
下記組成物DおよびEは混合成分の直接圧縮により製造する。組成物Eのラク
トースは直接圧縮タイプ(Dairy Crest−"Zeparox")である。組成物D
組成物E
組成物F(制御放出処方)
組成物は、ポビドンの溶液による諸成分(下記)の湿式造粒、その後にステア
リン酸マグネシウムの添加と、圧縮により製造する。
例10 カプセル組成物 組成物A
カプセル組成物は、前例における組成物Dの諸成分を混合して、2部分硬ゼラ
チンカプセル中に充填することにより製造する。組成物B(下記)も同様の手法
で製造する。組成物B
組成物C
組成物D
組成物Dのカプセルは、活性成分をレシチンおよび落花生油中に分散させて、
軟質弾性ゼラチンカプセル中に分散物を充填することにより製造する。組成物E
カプセル組成物はGEM−Tタイプ1047ジェットミルを用いて活性成分を
微粉化し、組成物Eの残留成分と混合して、2部分硬ゼラチンカプセル中に充填
することにより製造する。組成物F(制御放出カプセル)
下記制御放出カプセル組成物は、押出機を用いて成分a、bおよびcを押出し
、その後押出物を球状化して、乾燥させることにより製造する。次いで乾燥され
たペレットを放出制御膜(d)でコートして、2ピース硬ゼラチンカプセル中に
充填する。
例11 注射用組成物
活性成分を95%エタノールおよびPEG400(1:1)に溶解する。次い
でバッチを水で所定容量に調整して、滅菌微孔フィルターで滅菌10ml琥珀ガ
ラスバイアル(タイプ1)中にロ過し、滅菌クロージャーおよびオーバーシール
で密封する。例12 シロップ
活性成分をグリセロールとほとんどの精製水の混合液に溶解する。次いで安息
香酸ナトリウムの水溶液を上記溶液に加え、その後ソルビトール溶液、最後にフ
レーバーを加える。容量を精製水で調整して、よく混合する。例13 坐剤
Witepsol H15の1/5を最高45℃でスチームジャケットパンで溶融させ
る。活性成分を200μM篩に通して、滑らかな分散物が得られるまで、カッテ
ィングヘッド装備のSilverson を用いて混和しながら溶融ベースに加える。混合
物を45℃に維持して、残りのWitepsol H15を懸濁物に加え、撹拌して、確
実に均一な混合物にする。全懸濁物を250μMステンレススチールスクリーン
に通し、連続撹拌しながら40℃に冷却させる。38〜40℃の温度で、2.0
2gの混合物を適切な2mlプラスチック型中に充填する。坐剤を室温まで冷却
させる。例14 ペッサリー
上記成分を直接混合して、ペッサリーを得られた混合物の直接圧縮により製造
する。例15 抗炎症活性
式(I)の化合物は、R.Vinegar,J.F.Traux and J.L.Selph(Pro.Soc.Exp.Bio
l.Med.143:711-714,1973)により記載されたような標準カラゲナン胸膜炎アッセ
イの修正法を用いて証明されるように、抗炎症活性を有している。これらの実験
に用いられたラットはLewis 雄性、体重160〜180gであり、動物5匹から
なるグループに分けた。試験化合物はカラゲナン50μgの胸膜内注射の0.5
時間前に経口により絶食ラットに与えた。4時間後、胸膜滲出液を集め、浮腫容
量および細胞数を調べた。ED50値は直線回帰分析により評価したが、所定薬物
がラット胸膜内でカラゲナン誘導性細胞蓄積および浮腫形成を50%阻害を生じ
た用量を表す。
例16 弱鎮痛剤
式(I)および(Ia)の化合物は、R.Vinegar,J.F.Truax,J.L.Selph and P.
R.Johnston(j.Pharmacol.Meth.,23:51-61,1990)により記載されたようなトリプ
シン誘導性ラット後肢痛覚過敏アッセイの修正法を用いて証明されるように、弱
い鎮痛活性を有している。これらの研究に用いられたラットはLewis 雄性、体重
160〜180gであり、動物5〜6匹からなるグループに分けた。試験化合物
は、1後肢でトリプシン250μgの足底下注射の0.5時間前に経口により絶
食ラットに与えた。1時間後に、ラットは注射された後肢蹠骨部分でF形機械力
クランプを用いて痛覚過敏について評価した。潜伏(秒)〜疼痛応答(発声また
は飛び上がり)を調べたが、4秒間が認められる最大潜伏期(latency)である
。ED50値は直線回帰分析により評価したが、所定薬物が潜伏応答を伸ばして下
記式を用いた50%阻害を生じる用量を表す:
例17 強鎮痛剤
式(I)および(Ia)の化合物は、指節骨疼痛アッセイ〔R.Vinegar,J.F.Tr
uax,J.L.Selph and P.R.Johnston(J.Pharmacol.Meth.,23:51-61,1990)により記
載されたようなトリプシン誘導性ラット後肢痛覚過敏アッセイの修正法〕を用い
て証明されるように、強い鎮痛活性を有している。これらの研究に用いられたラ
ットはLewis 雄性、体重160〜180gであり、動物5〜6匹からなるグルー
プに分けた。指節骨疼痛アッセイは疼痛試験(痛覚過敏なし)である。試験化合
物は経口により絶食ラットに与えた。1時間後に、F形機械力クランプを1後肢
の指節骨に適用して、そこで疼痛応答(発声または飛び上がり)を起こさせた。
潜伏(秒)〜疼痛応答(発声または飛び上がり)は3秒の最大許容時間で調べた
。
ED50値は直線回帰分析により評価したが、所定薬物が潜伏応答を伸ばして下記
式を用いた50%阻害を生じる用量を表す:
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(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
C07C 59/54 2115−4H C07C 59/54
59/56 2115−4H 59/56
231/02 9547−4H 231/02
231/12 9547−4H 231/12
235/34 9547−4H 235/34
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG),
AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C
H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB
,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR,
KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M
N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU
,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TT,
UA,US,UZ,VN