JPH09512423A - エラスターゼ阻害活性を有するα−1−アンチキモトリプシンアナログ - Google Patents

エラスターゼ阻害活性を有するα−1−アンチキモトリプシンアナログ

Info

Publication number
JPH09512423A
JPH09512423A JP7525637A JP52563795A JPH09512423A JP H09512423 A JPH09512423 A JP H09512423A JP 7525637 A JP7525637 A JP 7525637A JP 52563795 A JP52563795 A JP 52563795A JP H09512423 A JPH09512423 A JP H09512423A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antichymotrypsin
analog
human
amino acid
methionine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7525637A
Other languages
English (en)
Inventor
エス. クーパマン,バリー
ルービン,ハービー
ノーマン シェクター
メイ ワン,ジ
Original Assignee
ザ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティ オブ ペンシルベニア
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ザ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティ オブ ペンシルベニア filed Critical ザ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティ オブ ペンシルベニア
Publication of JPH09512423A publication Critical patent/JPH09512423A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/81Protease inhibitors
    • C07K14/8107Endopeptidase (E.C. 3.4.21-99) inhibitors
    • C07K14/811Serine protease (E.C. 3.4.21) inhibitors
    • C07K14/8121Serpins
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P1/00Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P11/00Drugs for disorders of the respiratory system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P13/00Drugs for disorders of the urinary system
    • A61P13/02Drugs for disorders of the urinary system of urine or of the urinary tract, e.g. urine acidifiers
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P15/00Drugs for genital or sexual disorders; Contraceptives
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P29/00Non-central analgesic, antipyretic or antiinflammatory agents, e.g. antirheumatic agents; Non-steroidal antiinflammatory drugs [NSAID]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/04Antibacterial agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/81Protease inhibitors
    • C07K14/8107Endopeptidase (E.C. 3.4.21-99) inhibitors
    • C07K14/811Serine protease (E.C. 3.4.21) inhibitors
    • C07K14/8121Serpins
    • C07K14/8125Alpha-1-antitrypsin
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Communicable Diseases (AREA)
  • Reproductive Health (AREA)
  • Endocrinology (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Rheumatology (AREA)
  • Pain & Pain Management (AREA)
  • Pulmonology (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、アルファ−1−アンチキモトリプシンのアナログを提供し、ここに、その358位のアミノ酸は、メチオニン、イソロイシン、バリン、アラニン、アスパラギン酸、トレオニン及びグルタミン酸よりなる群から選択される。本発明のアルファ−1−アンチキモトリプシンアナログは、ヒト好中球エラスターゼの有効な阻害剤である。本発明は又、該アナログをコードする核酸配列、発現ベクター、トランスフォームした宿主細胞、及びこれらのアナログの製造方法をも提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 エラスターゼ阻害活性を有する α−1−アンチキモトリプシンアナログ産業上の利用分野 この発明は、組換えDNA技術により産生される蛋白質の分野に関する。さら に詳しくは、本発明はエラスターゼを阻害できる蛋白質に関する。発明の背景 アンチキモトリプシン(ACT)及びα1−プロテアーゼ阻害剤(α1−PI )は、セリンプロテアーゼ阻害剤スーパーファミリーの一員であり、密接に関連 した一次アミノ酸配列及び三次元構造を有する。しかし、アンチキモトリプシン は、狭い阻害活性スペクトルを持っている。特に、α1−PIはヒト好中球エラ スターゼ(HNE)の有効な阻害剤であるが、アンチキモトリプシンはこの酵素 の基質であり、この酵素により不活性化される。ポテンパ他、J.Biol.C hem.1991,266,21482を参照。 ヒト好中球エラスターゼが多くの炎症の分子的及び細胞的機構を媒介するに際 して有意義な役割を果たすことはよく認識されている。トラビス及びフリッツ、 Am.Rev.Resp.1991,43,1412を 参照。 炎症のいくつかのメディエーターは、プロテアーゼ及びプロテアーゼ阻害剤に よって調節されているものと思われる。ひとつの例は、TNF媒介による好中球 からのカテプシンG(catG)の放出による、腫瘍壊死因子(TNF)増強さ れた血小板の活性化であり、アンチキモトリプシン(ACT)によりブロックさ れた効果である。P.レネスト他、J.Immunol.1991,146,2 305を参照。また、TNFにより刺激された好中球でのロイコトリエンB4( LTB4)及び血小板活性化因子(PAF)の合成及び放出はα1−プロテイナ ーゼ阻害剤(α1−PI)及びACTによりブロックされ、catG及びヒト好 中球エラスターゼ(HNE)により高められた。G.カムシ他、J.Exp.M ed.1988,168,1293及びG.カムシ他,Eur.J.Bioch em.1989,182,661を参照。 炎症反応の血管及び組織の微細環境は、内在性の又は投与された抗炎症因子の 接近を制限することによって有効な応答を加減するように働くことができる。例 えば、小さい(11.7kD)塩基性ポリペプチドである分泌性白血球プロテア ーゼ阻害剤(SLPI)は、付着性の好中球の下にある微細環境に対して接近す ることができ、中性親和顆粒エラスターゼによる蛋白質分解から局所組織を保護 するものと思われる。α1−PI、血清又 は血漿ではなくてエラスターゼ特異性クロルメチルケトン阻害剤はヒト微細血管 傷害のモデルにおいてインビトロで好中球により媒介された内皮の損傷を阻止し た。ナザン氏は、付着性好中球が浮遊状態の好中球と明確に異なった動力学を有 するフリーラジカル酸素を発生させることを示した。ナザン、J.Clin.I nvest.1980,80,1550を参照。しかし、非常に反応性のフリー ラジカル酸素種及びその生成物が付着性好中球と下にある組織との間に蓄積する かどうかは不明である。 ヒト好中球は、組織化学又は超微細構造組織化学により識別される二つの明確 な種類の顆粒を含有する。ベイントン他、J.Cell.Biol.1968, 39,286及びベイントン他、J.Cell.Biol.1968,39,2 99を参照。アズール親和性(即ち、第一の)顆粒は通常大きく、緻密でミエロ ペルオキシダーゼ(MPO)及び中性プロテアーゼを含有する。これよりも小さ くて、緻密ではなく、特異的な(即ち、第二の)顆粒はペルオキシダーゼ陰性で あり、リゾチーム及びラクトフェリンを含有する。ウェインバウム氏他は、好中 球内にはアズール親和性顆粒について少なくとも三つの明確な集団があることを 報告した。一つの集団は全てエラスターゼ抗原を有するがMPO活性はほとんど ない。アズール親和性顆粒は不均質であり、脱顆粒剌激に対して様々に応答する 。また、特異的顆粒も不均質 であって、カルシウムで誘発されるラクトフェリンの放出に対して異なった感受 性を持っている。プロテインキナーゼCの選択的阻害はアズール親和性脱顆粒を 阻害しないが特異的顆粒の内容物の放出を阻害する。従って、炎症性応答を特徴 づける微細環境における好中球からのヒト好中球エラスターゼ、catG及びプ ロテイナーゼ3の放出を刺激させるには多重の協調されたシグナルが要求されよ う。これらのシグナルに対する結合及び応答の動力学は炎症に対する生理学的応 答を調節するのにも重要であろう。肺におけるヒト好中球エラスターゼの放出は 、好中球が循環から去ったずっと後に肺胞の間質内で起こることがわかっている 。血管外遊出の間の好中球脱顆粒についてはほとんど知られていない。呼吸上皮 細胞は増大されたIL−8の発現によってヒト好中球エラスターゼに応答し、そ して更に、IL−8は上皮細胞を通過する移動を媒介する。従って、HNEの放 出、次いで強調された好中球の移動を伴う好中球循環の動的で有害なサイクルが 確立される。 付着性細胞による好中球プロテアーゼの放出は充分に研究されていないが、好 中球のホルボルミリステートアセテート(PMA)による刺激が下にある細胞外 マトリックスを消化するプロテアーゼを放出させることになることが知られてい る。キャンベル他、J.Clin.Invest.1982,70,845及び ウェイズ他、J.Immunol.1986,136,636を 参照。マトリックス蛋白質(例えば、ラミニン、フィブロネクチン又はビトロネ クチン)に付着性の好中球はTNF又は顆粒球コロニー刺激因子(G−CST) のような生理学的シグナルによって刺激されたが、浮遊細胞はそうではなかった 。付着性細胞はレスピラトリーバーストを発現し、それはPMAに対するよりも TNF及びG−CSFに対して10〜50倍感受性であり、またfMet−Le u−Phe又はC5aに対するよりも50〜250倍感受性であった。さらに、 これらは、浮遊細胞とは著しく異なった動力学でもって応答した。 従って、蛋白質分解酵素の阻害剤は、治療的に投与されたときは、炎症の分子 的及び細胞的機構を制限し、しかして組織の損傷を減少させることができる。従 って、動物に臨床適用するための安全で有効なエラスターゼ阻害剤に対する要望 が存在する。多機能プロテアーゼ阻害剤に基づく治療剤は、フリーラジカルやプ ロテアーゼが成人の呼吸症候群、膵炎、炎症性皮膚傷害及び再潅流損傷のような 傷害の機構に関連してきた疾病の治療を臨床的に進歩させるであろう。発明の概要 本発明は、ヒト好中球エラスターゼの有効な阻害剤であるヒトα1−アンチキ モトリプシンのアナログを提供する。本発明のヒトα1−アンチキモトリプシン アナログは、それらがヒト好中球エラスターゼの基質であるこ とを止め、且つ、ヒト好中球エラスターゼの阻害剤となるように巧みに扱われる 。本発明は、358位のアミノ酸ロイシンがメチオニン、イソロイシン、バリン 、アラニン、アスパラギン酸、トレオニン及びグルタミン酸よりなる群から選択 されるアミノ酸で置換されたヒトα−1−アンチキモトリプシンのアナログを提 供する。このアナログは更に、356、357、359、360及び361位の アミノ酸の位置の少なくとも一つにプロリンを有し得る。本発明のアナログは、 ヌクレオチド配列から産生されるヒトα−1−アンチキモトリプシンであって、 野生型のα−1−アンチキモトリプシンの356〜361位のアミノ酸Thr− Leu−Leu−Ser−Ala−Leu(SEQ ID No.7)に相当す るアミノ酸がIle−Pro−Xxx−Ser−Ile−Pro(SEQ ID No.8)(ここで、Xxxはメチオニン、トリプトファン、アラニン、アス パラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン 、ヒスチジン、イソロイシン、リジン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、 トレオニン、チロシン及びバリンよりなる群から選択される)により置換されて いるヒトα−1−アンチキモトリプシンを包含する。 本発明の他の点は、新規なα−1−アンチキモトリプシンポリペプチドを提供 することである。本発明の新規なポリペプチドは、成熟ヒト野生型α−1−アン チキモ トリプシンの全アミノ酸配列(図1参照)をコードするヌクレオチド配列の35 6〜361位のアミノ酸がIle−Pro−Xxx−Ser−Ile−Pro( SEQ ID No.8)(ここで、Xxxはメチオニン、トリプトファン、ア ラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン 酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、リジン、フェニルアラニン、プロリ ン、セリン、トレオニン、チロシン及びバリンよりなる群から選択される)によ り置換されているヌクレオチド配列から産生される。 また、本発明は、349及び350位に相当するアミノ酸Ala−AlaがG ly−Thrに変えられ且つ368位のアミノ酸ValがThrに変えられた、 ヌクレオチド配列から産生されたヒト野生型α−1−アンチキモトリプシンのア ナログを提供する。また、前記の置換を有するα−1−アンチキモトリプシンの 新規なポリペプチドアナログも本発明の主題である。 さらに、356〜361位でのアミノ酸置換並びに349、350及び368 位でのアミノ酸置換もα−1−アンチキモトリプシンのさらに新規なアナログを 生成させるように同じヌクレオチド及びアミノ酸配列内で起こり得るであろう。 本発明の新規なポリペプチドはN−末端伸長部Met−Ala−Ser−Le u−Cys−His−Pro(SEQ ID No.5)及びMet− Ala−Serを含み、そのいずれも野生型α−1−アンチキモトリプシン並び に本発明の新規なα−1−アンチキモトリプシンアナログに付加することができ る。N−末端伸長部をコードするヌクレオチド配列及びN−末端伸長部を有する α−1−アンチキモトリプシンは本発明の範囲内である。 また、本発明は、本発明のα−1−アンチキモトリプシンアナログをコードす る核酸配列、この核酸配列を含む発現ベクター、本発明の核酸配列を発現させる ことができるトランスフォームされた宿主細胞、本発明のヒトα−1−アンチキ モトリプシンアナログを発現させることができる細胞培養物及び本発明のヒトα −1−アンチキモトリプシンアナログを含む蛋白質製剤を提供する。 さらに本発明の他の点は、本発明のヒトα−1−アンチキモトリプシンアナロ グを発現させることができる宿主細胞を培養してヒトα−1−アンチキモトリプ シンアナログ含有細胞を生成することを含むヒトα−1−アンチキモトリプシン アナログの生産方法を提供する。適宜、ヒトα−1−アンチキモトリプシンアナ ログを含有する細胞と培地との混合物を精製してヒトα−1−アンチキモトリプ シンアナログを精製された形態で生産することができる。 本発明のさらに他の主題は、エラスターゼを阻害剤として有効な量の本発明の ヒトα−1−アンチキモトリプ シンアナログと接触させることからなる好中球エラスターゼを阻害する方法に関 する。 本発明は以下の記載からさらに明らかとなるであろう。図面の簡単な説明 図1は野生型ヒトα−1−アンチキモトリプシンの完全ヌクレオチド配列及び 予測されたアミノ酸配列を示す。この全長の遺伝子はヌクレオチド残基1〜12 09によりコードされている。発明の具体的な説明 本発明者は、驚いたことに、ヒトα−1−アンチキモトリプシンをコードする 配列中のある種のアミノ酸の置換が、α−1−アンチキモトリプシンをヒト好中 球エラスターゼの基質からヒト好中球エラスターゼの有効な阻害剤に変化させる 一方キモトリプシンを阻害する能力を保持することを予期せずして見出した。 本発明は、ヒト野生型α−1−アンチキモトリプシンのヌクレオチド配列であ って、その野生型α−1−アンチキモトリプシンの356〜361位のアミノ酸 Thr−Leu−Leu−Ser−Ala−Leu(SEQ ID No.7) に相当するアミノ酸がIle−Pro−Xxx−Ser−Ile−Pro(SE Q ID No.8)により置換されているもの を提供する。また、356〜361位のアミノ酸の置換をコードする新規なヌク レオチド配列も本発明に包含される。 さらに本発明では、相当する349、350及び368位の対応アミノ酸の置 換をコードするヌクレオチドを有するヒト野生型α−1−アンチキモトリプシン のヌクレオチド配列アナログも提供される。このアナログのこれらの位置におけ るヌクレオチドはそれぞれGly、Thr及びThrをコードする。これらの置 換を有するポリペプチド配列も本発明の範囲内にある。 野生型α−1−アンチキモトリプシンの349及び350位のアラニン−アラ ニンに相当するアミノ酸がそれぞれグリシン−トレオニンで置換され、KpnI 制限エンドヌクレアーゼ部位を形成し、且つ、野生型α−1−アンチキモトリプ シンの368及び369位のバリン−アルギニンに相当するアミノ酸がそれぞれ トレオニン−アルギニンで置換され、MluI制限エンドヌクレアーゼ部位を形 成する本発明のアナログは、エラスターゼ阻害活性を示す。 N−末端伸長部は本発明の新規なアナログ又は野生型α−1−アンチキモトリ プシンに付加することができる。これらのN−末端新頂部には、ポリペプチド配 列Met−Ala−Ser−Leu−Cys−His−Pro(SEQ ID No.5)及びMet−Ala−Serのためのヌクレオチド配列が含まれる。 本発明のアナログをセリンプロテアーゼ阻害剤とセリンプロテアーゼとの間の 相互作用の性質を分析するために使用した。アンチキモトリプシンの反応中心の P1位及びその反応中心の周囲にある残基は、エラスターゼと本発明のα−1− アンチキモトリプシンアナログとの間の安定な複合体形成を生じさせた。 野生型α−1−アンチキモトリプシン中に置換されるアミノ酸配列Ile−P ro−Xxx−Ser−Ile−Pro(SEQ ID No.8)はα−1− プロテイナーゼ阻害剤の相当セグメント、即ち、P3からP3’位までのα−1 −プロテイナーゼ阻害剤の反応中心から選択した。本明細書で使用される命名は 、シェヒター及びベルガー両氏により報告されたものと一致している。シェヒタ ー及びベルガー、Biochem.Biophys.Res.Commun.1 967,27,157を参照。野生型α−1−アンチキモトリプシンとは、ヒト α−1−アンチキモトリプシンの天然の成熟型を意味する。 Met−SerがP1−P1’残基であるα−1−プロテイナーゼ阻害剤は1 0×106-1-1の二次速度定数でHNEを阻害する。α−1−アンチキモト リプシンは、相当する位置に44.5%の同一残基を有するα−1−プロテイナ ーゼ阻害剤と高度に相同性である。しかし、反応中心でP1−P1’Leu−S er残基に隣接する配列は全く異なる。野生型α−1−アンチキモ トリプシンはキモトリプシンの優秀な阻害剤であるが、HNEの有効な阻害剤で はない。事実、HNEはα−1−アンチキモトリプシンを少なくともP4−P3 位(Ile355−Thr356)において開裂させ、その阻害特性の不活性化 を生じさせる。 しかして、本発明は、ヒトα−1−アンチキモトリプシンの小部分のみを変化 させることによって、その特異性を、α−1−アンチキモトリプシンアナログの キモトリプシンを阻害する能力を保持しながらそれが完全に異なる酵素、即ちエ ラスターゼの有効な阻害剤であるように、驚くほどに変化させるものである。 一般に、本発明のα−1−アンチキモトリプシンアナログは、特定の蛋白質を コードする核酸配列を含む発現ベクターによりトランスフォームされた宿主細胞 内で産生される。トランスフォームされた細胞は、その特定の蛋白質をコードす る核酸配列が発現される条件下で培養される。蛋白質が蓄積するのに適した所定 の時間の後に、蛋白質はトランスフォームされた細胞から精製される。 α−1−アンチキモトリプシンをコードするヒト遺伝子は、ヒト肝臓cDNA ライブラリーから容易に得ることができる。好適なライブラリーは、Clont echPaloAlto、CAのような商業的な供給源から得ることができる。 次いで、陽性クローンをDNA配列決定に付してα−1−アンチキモトリプシン をコードする DNA配列の存在を決定する。DNA配列決定は、サンガー他のチェーンターミ ネーション法を使用して容易に達成される。Proc.Nat’l.Acad. Sci.USA,1977,74,5463を参照。次いでα−1−アンチキモ トリプシンをコードするDNA配列を宿主細胞における後の発現のために発現ベ クター内に挿入する。 本発明のα−1−アンチキモトリプシンのアナログは、米国特許第5,079 ,336号(参考として本明細書中に援用する)に開示されたα−1−アンチキ モトリプシンカセットアナログを使用して製造することができる。例えば、35 6〜361位のアミノ酸置換Ile−Pro−Xxx−Ser−Ile−Pro (SEQ ID No.8)をコードするDNA配列をカセットに挿入し、次い でこれをα−1−アンチキモトリプシンをコードする配列中に挿入する。さらに 、356〜361位のアミノ酸置換を有する蛋白質をコードするDNA配列並び に349、350及び368位のアミノ酸置換を有するポリペプチドをコードす るDNA配列をカセットベクターによって製造することができる。別法として、 α−1−アンチキモトリプシンのアナログをコードするDNA配列はPCRによ り製造することができる。最終的に、α−1−アンチキモトリプシンのポリペプ チドアナログを産生させることができる。 発現ベクター及び宿主細胞は、α−1−アンチキモト リプシン又はアナログを合成できる発現系を形成するように選択される。本発明 で使用するのに好適な宿主細胞には、米国特許第5,079,336号に開示さ れるように、α−1−アンチキモトリプシンを安定して含有し且つ発現させるよ うにトランスフォームすることができる原核細胞及び真核細胞が含まれる。例え ば、組換えα−1−アンチキモトリプシン又はアナログをコードする核酸は、組 換え蛋白質産生用の最も普通に使用されている宿主細胞E.coliを含めて原 核細胞又は真核細胞内で発現させることができる。しかし、Bacillus subtilis等の他の微生物菌株、Salmonella typhimu rium又はSerratis marcescensのようなその他の腸内細 菌科、各種のPseudomonas属、或いはその他の細菌株も使用すること ができる。 普通に使用される真核細胞系には、Saccharomyces cerev isiaeのような酵母、Spodoptera frugiperdaのよう な昆虫細胞、E3C/O及びSL−29のようなニワトリ細胞、HeLa、チャ イニーズハムスター卵巣細胞(CHO)、COS−7またはMDCK細胞などの ような哺乳類細胞が含まれる。上記のリストは例示に過ぎず、本発明の核酸配列 を発現させるために好適な宿主細胞のタイプを何ら制限するものではない。発現 ベクターとは、本明細書で使用するときは、組換えα−1−アンチキモ トリプシンをコードする核酸配列を含有するように操作することができる任意の タイプのベクター、例えば、プラスミッド発現ベクター及びウイルスベクターを いう。発現ベクターの選択は、組換えα−1−アンチキモトリプシンをコードす る核酸の発現が生じるように所望の宿主細胞との適合性に基づいて決める。プラ スミッド発現ベクターは、プロモーターのような少なくとも1種の発現調節要素 と機能的に結合された本発明の核酸配列を含む。一般に、プラスミッドベクター は、宿主細胞と適合性の種から誘導されたレプリコン及び調節配列を含有する。 本発明の核酸配列を含有するプラスミッドの選択を容易にするためには、プラス ミッドベクターは、抗生物質耐性をコードする遺伝子のような選択可能なマーカ ーも含有することができる。好適な例としては、アンピシリン、テトラサイクリ ン、クロラムフェニコール又はカナマイシン耐性をコードする遺伝子がある。 好適な発現ベクター、プロモーター、エンハンサー及びその他の発現調節要素 は当分野で知られており、サムブルック他、「Molecular Cloni ng:実験室マニュアル」第二版(コールド・スプリング・ハーバー・ラボラト リー・プレス、コールド・スプリング・ハーバー、NY、1989)に見出され る。例えば、pBR322、pUC18、pUC19、pZMS、pZMのよう なプラスミッド及び実施例に記載のプラスミッドはE.coliで発現させるた めに使用す ることができる。プラスミッドYRp7は、S.cervisiaeで発現させ るのに使用することができる。pMT2及びpMSGのようなプラスミッドは哺 乳類細胞で発現させるのに使用することができる。好適なウイルスベクターには バキュロウイルス、ワクシニアウイルス及びアデノウイルスが含まれる。 E.coliでα−1−アンチキモトリプシン又はアナログを発現させるため には、スタジール及びモファットによりJ.Mol.Biol.1986,18 9,113(その記載内容は本明細書に含めるものとする)に開示されたような バクテリオファージT7RNAポリメラーゼを基にした遺伝子発現系を使用する ことができる。この系においては、選択した生成物をコードするDNA配列と機 能的に結合されたバクテリオファージT7プロモーターを含有するプラスミッド によりトランスフォームされたE.coli細胞に、T7RNAポリメラーゼの 発現可能な遺伝子を有するλファージを感染させる。このプラスミッドの十分な コピーが宿主細胞内に存在した後に細胞にファージを感染させ、感染後間もなく 蛋白質の合成が始まる。 発現ベクターは、好ましくは、ヒトα−1−アンチキモトリプシンをコードす る核酸酸配列に機能的に結合された少なくとも1個の転写及び翻訳調節要素を含 む。例えば、上流の位置には、プロモーターの後に、リボソーム結合部位と間始 コドンを含む翻訳開始シグナルが続 き、下流の位置には、転写終結シグナルが続いていてよい。転写調節要素と翻訳 調節要素は任意の機能的な組合せ又は順序で結合され得る。本発明の特定の具体 例において使用される転写調節要素と翻訳調節要素は、発現系が造られるように 、発現ベクターが導入される細胞型を参考にして選択される。α−1−アンチキ モトリプシン又はアナログをコードする核酸配列を組み入れた発現ベクターを宿 主細胞に導入することは、斯界で知られた種々の方法、例えば、塩化カルシウム 又は塩化リチウム共沈法又は電気穿孔法により達成することができる。 E.coliは、現在、α−1−アンチキモトリプシン又はアナログを発現さ せるのに好ましい宿主細胞である。クローニング及び発現は、E.coliにお いて迅速に得ることができる。E.coliにおける産生は、コスト的に有効な 大規模の発酵及び蛋白質精製に容易に順応できる。 α−1−アンチキモトリプシンアナログをコードするDNA配列を含有するト ランスフォームされた宿主細胞は、次いで、宿主のための適当な培地中で成育さ せることができる。誘導可能なプロモーターが使用される場合には、宿主細胞は 高密度に成育させることができ、そしてプロモーターをα−1−アンチキモトリ プシン又はアナログを発現させるために始動させることができる。プロモーター が誘導可能でない場合は、蛋白質生成物の構成的な産生が起こる。宿主細胞に対 して実質的に毒性で ない場合にはα−1−アンチキモトリプシン又はアナログの構成的な産生が好ま しい。次いで、細胞を生成物の蓄積が所望のレベルになるまで成育させ、その時 点で細胞を収穫し、蛋白質生成物を慣用の技術により精製する。好適な精製方法 にはイオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、電気 泳動、透析及び斯界で知られたその他の蛋白質精製方法があるが、これらに限ら れない。 従って、本発明は、ヒトα−1−アンチキモトリプシン又はアナログを発現さ せることができる宿主細胞を培養してヒトα−1−アンチキモトリプシン又はア ナログを含有する細胞を産生し、適宜、その混合物を精製してヒトα−1−アン チキモトリプシン又はアナログを精製された形態で製造することからなるヒトα −1−アンチキモトリプシン又はアナログの製造方法を提供する。 しかして、宿主細胞により産生された精製又は未精製の組換えα−1−アンチ キモトリプシンアナログの蛋白質調製物が生産され、それは蛋白質の精製の度合 いに応じてα−1−アンチキモトリプシン並びに宿主細胞成分及び/又は細胞培 地のようなその他の物質を含む。 用語「精製された」とは、この発明の核酸配列の状態を記述するために使用す るときは、ヒトα−1−アンチキモトリプシンをコードしない核酸を実質的に含 まず又は非組換え細胞中で即ちその「天然状態」において核酸と通常会合してい るその他の物質を実質的に含まない 核酸配列をいう。 用語「精製された」又は「精製された形態の」とは、α−1−アンチキモトリ プシン蛋白質又はアナログ蛋白質の状態を説明するために使用するときは、その 天然状態でそれと通常会合している細胞物質又はその他の物質を少なくともある 程度までは含まないα−1−アンチキモトリプシン又はアナログをいう。好まし くは、α−1−アンチキモトリプシン又はアナログは少なくとも約25〜100 %の純度(均質性)を有する。さらに好ましくは、純度は少なくとも約50%で ある。 本発明のα−1−アンチキモトリプシン、アナログ及び蛋白質調製物は、敗血 症性ショック、膵炎、凝固障害、肝臓病、微生物のキモトリプシン様酵素を合成 することにより皮膚を透過する微生物に起因するある種の疾病及びヒトを含む哺 乳動物における皮膚の炎症を治療するのに有用であることが期待される。本発明 の組成物は、ヒトを含む哺乳動物に、静脈内、筋肉内及び腹腔内経路を含む種々 の経路で、また皮膚の患部には局所的に投与することができる。本発明の組成物 は、また、次の疾病:リューマチ性関節炎、糸球体腎炎、成人呼吸困難及び膿胸 のような肺病、心臓及び脳組織への再潅流傷害及び移植の結果としての傷害、老 化、敗血症、膵炎の治療に、アドリアマイシンのような化学療法剤との同時投与 に、並びに皮膚の問題、粘膜炎(mucositis)及び毛髪の損失のような電離放射 線の副作用の予防に有用であ る。 従って、本発明は、エラスターゼを、阻害剤として有効量のヒトα−1−アン チキモトリプシンのアナログであってその野生型α−1−アンチキモトリプシン の356〜361位のアミノ酸Thr−Leu−Leu−Ser−Ala−Le u(SEQ ID No.7)に相当するアミノ酸がIle−Pro−Xxx− Ser−Ile−Pro(SEQ ID No.8)により置換されているもの と接触させ、又はエラスターゼを阻害剤として有効量の本発明の蛋白質調製物と 接触させることからなる、エラスターゼの阻害方法を提供する。 さらに、本発明は、ヒトα−1−アンチキモトリプシンのアナログの利用方法 を提供し、ここに、該アナログは、エラスターゼ活性を阻害するように野生型α −1−アンチキモトリプシンの356〜361位のアミノ酸Thr−Leu−L eu−Ser−Ala−Leu(SEQ ID No.7)に相当するアミノ酸 がIle −Pro−Xxx−Ser−Ile−Pro(SEQ ID No. 8)により置換されており、該方法はエラスターゼを阻害剤として有効量のこの ようなヒトα−1−アンチキモトリプシンアナログと接触させる工程からなる。 用語「有効量の」及び「阻害剤として有効な量の」とは、天然又は合成の基質 に対するエラスターゼの活性を減少させるような本発明のヒトα−1−アンチキ モトリ プシンアナログの濃度をいう。 本発明のヒトα−1−アンチキモトリプシンアナログは好中球エラスターゼ阻 害活性を示し、しかして天然又は野生型のα−1−アンチキモトリプシンと同じ ように有用である。これらのアナログは、好中球エラスターゼの阻害剤として有 用であり、また再潅流傷害、肺の炎症、炎症性の腸の疾病、皮膚の炎症、膵炎、 糸球体腎炎及び敗血症の治療及び予防に有用である。 肺の炎症の場合には、炎症は、酸性物質、例えば胃の内容物、煙など(これら に限らない)の吸引、感染、例えばグラム陰性菌(例えば、大腸菌属及びシュー ドモナス属)による感染を含む病原体感染により起きるであろう。 再潅流傷害に関しては、本発明のアナログは、血餅を除去し又は溶解させるた めの潅流中の傷害を予防するために投与することができる。 本発明のアナログは、製薬上許容できるキャリアー又は希釈剤、例えば生理食 塩水又はその他の緩衝剤と共に投与することができる。好適な製薬上許容できる キャリアーは斯界で周知であり、例えば、この分野において標準的な参考文献で あるジェナンロ−アルフォンソ編「Remington’s Pharmace utical Sciences」18版(1990、マーク・パブリッシング Co、イースタン、PA)に記載されている。キャリアーは投与経路及び標準的 な製薬 上のプラクチスに関して選択することができる。投薬量は、患者の体重及び臨床 的状況に関して決定される。活性成分対キャリアーの比は、アナログの化学的性 状、溶解度及び安定性並びに意図した投薬量に当然左右される。 本発明のアナログは、本発明の方法において単独で又は本発明の他のアナログ を含むその他の化合物(これらに限られれない)と組合せて使用することができ る。また、本発明の方法は、抗体、トキシン及びアンチセンスオリゴヌクレオチ ドを含む(これらに限られれない)他の治療剤と組合せて使用することができる 。イン・ビボで適用するためには、投与量はやはり患者の年齢、体重及び臨床的 な状況のような因子に左右されよう。本発明のアナログは、任意の適当な経路で 、例えば、接種及び注射、例えば静脈内、口腔内、腹腔内、筋肉内、皮下、局所 注射により、上皮又は粘膜内層、例えば鼻、口、膣、直腸及び胃腸への吸収によ り投与することができる。 本発明のアナログ、薬剤及び組成物の投与の方法は、そのアナログを送達でき る生体における部位を決定しよう。例えば、局所適用は、クリーム、軟膏、ゲル 、オイル、乳液、ペースト、ローションなどで投与することができる。非経口的 投与については、アナログを無菌水溶液として使用することができ、それは他の 溶質、例えば溶液を等張にするのに十分な量の塩類、グルコース又は デキスロースを含有することができる。経口投与のためには、本発明のアナログ は、錠剤、カプセル、飴錠剤、トローチ、粉末、シロップ、エリキシル、水溶液 及び懸濁液として投与することができる。種々の崩壊剤例えば澱粉及び滑剤を使 用することができる。カプセルの形態で経口投与するためには、有用な希釈剤は ラクトース及び高分子量のポリエチレングリコールである。経口用に水性懸濁液 が必要なときは、ある種の甘味料及び/又は香料を添加することができる。 また、好中球エステラーゼを阻害する方法、皮膚の炎症、肺の炎症、糸球体腎 炎、膵炎、敗血症及び炎症性の腸の疾病を治療する方法、再潅流による損傷を治 療し予防する方法も提供され、この方法では358位にアミノ酸置換を有し又は 356〜361位にアミノ酸置換を有し且つ358位が前記のアミノ酸から選択 されるa−1−アンチキモトリプシンのアナログ、或いはヒト野生型α−1−ア ンチキモトリプシンの356〜361位のアミノ酸Thr−Leu−Leu−S er−Ala−LeuがIle−Pro−Xxx−Ser−Ile−Proによ り置換されている該アナログが治療すべき状況を示すサンプルに添加される。 本発明は又、この発明のα−1−アンチキモトリプシンアナログ及び製薬上許 容し得るキャリアー又は希釈剤を含む製薬組成物をも提供する。 この発明の組成物は、好ましくは、生理学的に許容し 得るキャリアー又は希釈剤例えば塩溶液又はその他の緩衝液と組み合わせて病気 の哺乳動物に送達する。適当な製薬用キャリアーは、この技術分野で周知であり 、例えばRemington's Pharmaceutical Sciences,E.W.Martin(この分野におけ る標準的参考テキスト)に記載されている。皮膚の炎症の治療のために、この発 明の組成物を生理学的に許容し得る軟膏又はクリームと組み合わせて冒された領 域に適用することができる。任意の特定の健康状態に対して哺乳動物に投与され るこの発明の組成物の特定の量は、病気の型、及び他の因子例えば体重及び患者 の年齢及び送達の経路に依存する。局所適用のためには、この発明の組成物を、 皮膚の炎症の悪化を緩和し又は阻止するのに有効な量で適用する。実施例 組換えα−1−アンチキモトリプシンアナログの生成及び精製 材料 キモトリプシンを、Sigma 及びBoehringer-Mannheimより得た。すべての発色 性のプロテアーゼの基質はBachemから得たが、それは、フェニルメチルスルホニ ルフルオリド(PMSF)であった。 ヒト血清α−1−アンチキモトリプシンを、Tsuda等、Tokai,J.Exp.Clin.Med .,1982,7,201の仕事に基づく手順を用いて調製した。この方法は、3工程、D NA セルロースからのバッチ式の溶出、G−150クロマトグラフィー及びDNAセ ルロースからのCaCl勾配溶出で純粋なα−1−アンチキモトリプシンを与え る。 プラスミッド構築及びDNA操作を、Sambrook等、Molecular Cloning: A Lab oratory Manual,第二版、Cold Spring Harbor Loboratory Press,Cold Spring Harbor,ニューヨーク(1989)に従って行なった。ヒトアンチキモトリプシンからの遺伝子の同定及び配列決定 Mitchell Weiss(ペンシルベニア大学、ヒト遺伝学科)により与えられたファ ージ発現ベクターラムダ−gt−11中のヒト肝臓cDNAライブラリーを、Yo ung 及びDavis,Proc.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.,1977,74,5463 の方法に従って、 関連セリンプロテアーゼ阻害剤であるC1エステラーゼ阻害剤(カリフォルニア 、Santa Barbara 在、DAKO)に対して高められたポリクローナル抗体を用いてス クリーニングした。陽性クローンを選び取り、再スクリーニングしてプラーク精 製した。DNA配列決定を、Sanger等、Proc.Natl.Acad.Sci.,1977,74,5463のチ ェーンターミネーション法により、Nucleic Acid Synthesis Center of the Wis tar Institute(ペンシルベニア、Philadelphia 在)から得たオリゴヌクレオチドプラ イマーを用いて行なった。 陽性ラムダ−gt11cDNAクローンの1つからの EcoRI断片のDNA配列及び誘導したアミノ酸配列は、図1に示すように、 成熟ヒトα−1−アンチキモトリプシンの完全なコード領域を含んだ。この構築 物は又、配列5'−Met−Ala−Ser−Leu−Cys−His−Pro− (SEQ ID NO:5)からなる7アミノ酸をコードする5’末端の21ヌ クレオチド伸長をも含んだ。この成熟蛋白質は、アミノ末端の第1位のAsnか ら始まる398アミノ酸(Mr45,031)を含み且つ236位に単一のシス テイン残基を含んでいる。356〜361位のアミノ酸に置換を有するα−1−アンチキモトリプシンのP CRによる調製 356〜361位のアミノ酸に置換を有するα−1−アンチキモトリプシンア ナログをPCRにより調製した。市販のプラスミッドpKC30をBamHIに より切断し、食い違いになった末端をクレノー反応により満たした。この両端が 鈍端化された直線状プラスミッドをセルフライゲートし、E.coli N4830− 1をこのライゲーション反応混合物によりトランスフォームした。このトランス フォーマントから精製したプラスミッドはpKC30(−BamHI)であった が、これはBamHI部位のみを取り除いたpKC30を示す。このpKC30 (−BamHI)をHpaIにより消化して次のライゲーション工程のための2 つの鈍端を造った。 XbaI及びEcoRVを用いて、リボソーム結合部位を含む0.2kbの断 片を、プラスミッドpAR3038、pAR3039及びpAR3040から切 り出した。EcoRV切断は鈍端を造った。XbaIにより造られた食い違いに なった末端を、クレノー反応により満たした。鈍端化した両端を用いて、これら の3つの0.2kb断片を、HpaI消化したpKC30(−BamHI)に別 々にライゲートした。これらの3つのライゲーション混合物を用いてN4830 −1を別々にトランスフォームした。 3つのベクターをこれらのトランスフォーマントから得た。それらは、3つの リーディングフレームに対応してpZM3038、pZM3039及びpZM3 040と命名した。これらのpZMベクターは、pKC30からのpLプロモー ターを含み、pARベクターからシャイン−ダルガノ配列を受けた。これらのベ クターのユニークなクローニング部位は、pARからの断片中に位置するBam HIである。 pZM3038、pZM3039又はpZM3040の1つをNheIにより 切断して約5.9kbと約0.75kbの2つの断片を生成した。この5.9k b断片をゲル精製し、ライゲートして再環状化した。N4830−1を、このラ イゲーション反応物を用いてトランスフォームした。これらのトランスフォーマ ントから単離したプラスミッドをpZMsと命名した。 pZMsは、pLプロモーター、シャイン−ダルガノ配列及び開始コドンの下流 にユニークなクローニング部位、NheIを有する。 表1に示したプライマー1、2、3及び4を、Sambrook等、Molecular Clonin g: A Laboratory Manual,第二版、Cold Spring Harbor Loboratory Press,Col d Spring Harbor,ニューヨーク(1989)に示された標準的技術により調製し、ポリメラ ーゼ連鎖反応(PCR)プロトコールで使用して、P3−P3’をコードする塩 基をα−1−アンチキモトリプシンをコードする配列中に導入した。標準的PC Rプロトコールは、当業者には公知である。 この完全長ヌクレオチド配列は、2つの部分、断片A及びBに造り、これらを 合わせて完全長ヌクレオチド配列を生成した。 断片Aを構築するために、2つのプライマーを使用した。プライマー1は、α −1−アンチキモトリプシンをコードする鎖即ちセンス鎖の5’配列(表1に下 線を付けて示したNheIクローニング部位を含む伸長した 5’テールを有する)を含む。プライマー2は、N末端方向へ伸びるアミノ酸に 対応する塩基を含む。次いで、プライマー1及び2をポリメラーゼ連鎖反応で用 いて、α−1−アンチキモトリプシンのこの部分をコードする配列をpUC19 中にサブクローン化して断片Aを生成した。 標準的PCR法に従って、断片Aを生成した。1μl(100ng/μl)の プライマー1及び1μl(100ng/μl)のプライマー2、10μlの10 ×PCR緩衝液、10μlの2mM dNTP及び0.5μlのTaq酵素を1 0ngのテンプレートDNA、α−1−アンチキモトリプシン遺伝子を含むpU C19に加えた(反応容積を100μlにする蒸留水を伴う)。PCRの3工程 、94℃で15秒間、52℃で15秒間及び72℃で1秒間を行なった。これら の3工程は1サイクルに等しく、30サイクルを実施した。 断片Bを構築するために、2つの異なるプライマーを用いた。プライマー3は 、C末端方向に伸びるアミノ酸に対応する塩基を含む。プライマー4は、表1に 下線を付けて示したNheIクローニング部位を含む伸長した5’テールを含む 。次いで、プライマー3と4をポリメラーゼ連鎖反応で用いて、α−1−アンチ キモトリプシンをコードする配列のこの部分をpUC19中にサブクローン化し て断片Bを生成した。断片Bの生成も又、断 片Aの生成のために上に示したPCRプロトコールに従った。 次いで、この完全長配列を、断片Aのために上に示したプロトコール(断片A 及び断片Bの各々の5〜10ngの置換を有する)によって生成した。これらの 断片を変性して再アニールした。これらの断片を再アニールして、プライマー2 及び3により造られた356〜361位をコードする配列にて重複する断片A及 びBのヘテロ二本鎖を生成した。これらの断片A及びBのヘテロ二本鎖を、Ta qDNAポリメラーゼを用いて、プライマーとして働く断片AとBの重複部分を 用いて伸長させて、野生型のThr−Leu−Leu−Ser−Ala−Leu (SEQ ID NO:7)の代わりにIle−Pro−Met−Ser−Il e−Pro(SEQ ID NO:8)を有するα−1−アンチキモトリプシン をコードする完全長配列を生成した。次いで、これらの完全長配列を、プライマ ー1及び4を用いて増幅した。 次いで、この増幅した完全長配列をNheIで消化して、NheIで消化した 発現ベクターpZMsに挿入した。次いで、E.coli をこの完全長遺伝子を含む pZMsでトランスフォームした。こうして、356〜361位に改変アミノ酸 を有するα−1−アンチキモトリプシンアナログが発現された。このアナログは 、ここでは、rACT−P3−P3’PIと表わす。本発明の野生型 ヒトアンチキモトリプシンの他のアナログを同様にして調製することができる。Met−Ala−SerN末端伸長を有する組換えα−1−アンチキモトリプシ ンの調製 Met−Ala−SerN末端伸長を有するα−1−アンチキモトリプシン( 野生型又はアナログ)をコードするヌクレオチド配列を生成するために、野生型 及びアナログα−1−アンチキモトリプシンのヌクレオチド配列内にコードされ ているN末端配列Met−Ala−Ser−Leu−Cys−His−Pro( SEQ ID NO:5)内のLeu−Cys−His−Pro(SEQ ID NO:6)をコードするヌクレオチドの欠失によりN末端システイン残基を除 去することによって安定なモノマーを、直接発現させた。こうして、野生型又は アナログα−1−アンチキモトリプシンのアミノ酸の−4〜−1位のアミノ酸ロ イシン、システイン、ヒスチジン及びプロリンを欠失させることができる。N末 端伸長は、アミノ酸の−3〜−1位でメチオニン−アラニン−セリンになる。か かる伸長は、上に示したように、N末端プライマー 5'-CCCCATATGGCTAGCAACAGCC CACTTG-3'(SEQ ID NO:1)を用いる完全なコード鎖のPCR増幅に より達成することができる。C末端プライマー 5'-TTTCATATGGCTAGCGCTCTAGGCTT GC-3'(SEQ ID NO:4)(下線を引いた配列 GCTAGC は挿入部位とし て働く)を用いることができる。下線を引いたCTA 配列は、このベクターのセン ス鎖中にTAG終止コドンを造る。この配列をpZMs中にクローン化 することができる。この増幅した完全長配列を、NheIで消化し、NheIで 消化した発現ベクターpZMs中に挿入することができる。次いで、E.coli を 、改変したN末端伸長を有するこの遺伝子を含むpZMsでトランスフォームす ることができる。こうして、α−1−アンチキモトリプシンのアナログを、アミ ノ酸ロイシン、システイン、ヒスチジン及びプロリンが欠失するようにアミノ酸 の−4〜−1位を変えることにより生成することができる。同様に、Met−A la−Serを用いて、7ヌクレオチドのN末端伸長を造ることができる。Me t−Ala−Ser伸長の生成のために上に示した方法及び手順に従ってこのN 末端伸長を造ることができる。356〜361並びに349、350及び361位にアミノ酸置換を有するヒト α−1−アンチキモトリプシンのアナログのカセットベクター調製 ヒトα−1−アンチキモトリプシンをコードする核酸配列を、米国特許第5, 079,336号(本明細書中に参考として援用する)に開示された方法に従っ て得た。野生型α−1−アンチキモトリプシンのアミノ酸の356〜361位の Thr−Leu−Leu−Ser−Ala−Leu(SEQ ID NO:7) に対応するアミノ酸がIle−Pro−Met−Ser−Ile−Pro(SE Q ID NO:8)で置換されたヒト α−1−アンチキモトリプシンアナログを、米国特許第5,079,336号に 開示されたα−1−アンチキモトリプシンカセットアナログから調製した。 カセット蛋白質を、α−1−アンチキモトリプシンをコードするDNA配列の 位置指定突然変異導入法によって生成した。これは、市販のキット(カリフォルニア、R ichmond在、BioRad)を用いて、製造者の指図に従って、合成DNAプライマー 5'-GTTGAAACGCGTAATGGTCCTT-3'(SEQ ID NO:9)(MluI制限エ ンドヌクレアーゼ部位構築用)及び 5'-ACTGCTGTGGTACCAGATGCTTC-3'(SEQ ID NO:10)(KpnI制限エンドヌクレアーゼ部位作成用)を用いて行 なった。これらの合成プライマーは、標準的技術を用いて合成した。この改変遺 伝子を二本鎖M13からEcoRIで切り出し、ヤエナリヌクレアーゼで処理し て鈍端を形成した。次いで、この生成物を鈍端化したpZMベクターに挿入して 、組換えの示したpACTCASを生成した。 これらのKpnI及びMluI制限部位は、このDNA配列についてユニーク である。位置指定突然変異導入法は、Kpn制限部位を図1に示すようにアミノ 酸349及び350に対応する位置に造ってAla−AlaをGly−Thrに 変え且つMluI制限部位を368及び369に対応する位置に造ってVal− ArgをTrh−Argに変えた。これらの制限部位間の領域即ちカセットは、 α−1−キモトリプシンの活性 部位を含み且つKpnI及びMluIで取り出して所望のDNA配列に挿入する ことができる。 この配列のカセット部分を、KpnI及びMluIで切り出した。慣用技術を 用いて合成により調製した配列ATTCCAATGTCTATTCCT(SEQ ID NO:11 )を含む対応カセットをカセット部位にライゲートして、野生型α−1−アンチ キモトリプシンのアミノ酸356〜361にIle−Pro−Met−Ser− Ile−Pro(SEQ ID NO:8)をコードする塩基を与えた。この形 成したベクターは、ここでは、pACT−P3−P3’ PIと表示する。 陽性のラムダ−gt11cDNAクローンの一つからの挿入物のDNA配列及 び導いたアミノ酸配列は、成熟ヒトα−1−アンチキモトリプシンの完全なコー ド領域を含んだ。この挿入物は又、成熟蛋白質の前駆体中に現われる4アミノ酸 をコードする5’末端の12ヌクレオチドの伸長をも含んだ。rACTP3P3’PIの発現 E.coli N4830−1を、Sambrook等、Molecular Cloning: A Laboratory Manual,第二版、Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor ,ニューヨーク(1989)により記載された標準的塩化カルシウム法により、pACT−P 3P3’PIを用いてトランスフォームした。小規摸生育条件及び抽出 pACT−P3P3’PIでトランスフォームしたE.coli N4830−1株 の新鮮な一晩培養物を、アンピシリン(Na+塩、0.1mg/ml)を含むL Bブロス中で1.5%に希釈し、震盪インキュベーター中で30℃で0.18の A600nmまで生育させ、温度を42℃に上げることにより誘導し、更に5〜8時 間生育させた。これらの細胞を遠心分離してフレンチプレスにて粉砕した。この トランスフォームした細胞から精製したα−1−アンチキモトリプシン蛋白質は 、rACTP3P3’PIと表示する。組換えα−1−アンチキモトリプシンの精製及び特性決定 E.coli の大規摸生育 pACT−P3P3’PIでトランスフォームしたE.coli N4830−1株 を、アンピシリン(Na+塩、0.1mg/ml)を含むLB培地にて、酸素バ ブラーを備えた15Lの箱入り大型ガラス瓶中で、0.18のA600nmになるま で30℃で生育させた。これらの細胞を、温度を42℃に上げることにより誘導 し、約0.9〜1.0の最終A600nmまで更に6時間生育させた。抽出及びカラムクロマトグラフィー すべての精製工程を4℃で行なった。rACTP3P3’PIの典型的調製に おいて、細胞ペーストを10mM リン酸カリウム緩衝液pH6.9(25ml )中に分散させ、10,000psi及び4℃でフレンチプレスを3回通すこと により溶解させた。細胞残渣を4℃で30分間、30,000×gで遠心分離す ることにより除去した。この上清(25ml)を、50mMKClを含む50m M トリス−Cl(pH7.5)に平衡化した Sepharose Fast Q(Pharmacia) のカラム(4.9cm2×37cm)に載せた。蛋白質を、50mM トリス− Cl(pH7.5)中でKClの直線状勾配(2L中の50〜500mM)を用 いて溶出した。画分(15ml)を、A280nmによりモニターし且つここに記載 したようにアンチキモトリプシン活性についてアッセイした。rACTP3P3 ’PIは、約200mM KClにて溶出した。rACTP3P3’PIを含む 画分を合わせて2倍容の10mM リン酸カリウム緩衝液(pH6.9)に対し て48時間にわたって透析した。この透析した溶液を、次いで、10mMKCl を含む10mMリン酸カリウム(pH6.9)で予備平衡化したDNA−セルロ ースカラム(1.7cm2×20cm)に加えた。載せた後に、カラムを先ず同 じ緩衝液(20ml)で洗った。このカラムを、同じ緩衝液中のKClの直線状 勾配(10〜500mM、300ml) を用いて溶出した。画分(8ml)を、ここに記載したように、蛋白質及びアン チキモトリプシン活性についてアッセイした。rACTP3P3’PIは、約3 50mM KClにて溶出した。アンチキモトリプシン活性を含む画分を、SD S−PAGEによって純度について分析した。それは、Laemmli,Nature(Londo n)1970,227,680に従って行なった。各蛋白質を、Amicon YM-10膜を用いて限 外濾過により濃縮し且つ50mM トリス−Cl、pH7.5(500ml)に 対して一晩透析した。幾つかの場合には、更に、組換え蛋白質を、上記の条件を 用いて、FPLC Mono Q アニオン交換カラムにて精製した。アンチキモトリプシン活性アッセイ 画分(1.0ml)を集め、アンチキモトリプシン活性についてアッセイした 。該活性を、基質N−suc−Ala−Ala−Pro−Phe−p−ニトロア ニリド(90%DMSO中の10mM溶液の0.1ml)のキモトリプシン触媒 による加水分解の阻害として測定した(DelMar等、Anal.Biochem.1979,99,31 6)。典型的キモトリプシンアッセイは、100mM トリス−Cl緩衝液(p H8.3)、0.005%(v/v)トリトンX−100、ウシ膵臓キモトリプ シン(18kモル)及びカラム溶出物(0.005〜0.5ml)を含んだ(1 .0ml中)。このアッセイ混合物を、室温で5分 間予備インキュベートし、基質(90%DMSO中の10mM溶液の0.01m l)を加えて残留キモトリプシン活性を、p−ニトロアニリンの遊離により引き 起こされるA410nmの変化の割合によって測定した。光学的な吸光度の測定を、 温度調節された試料コンパートメントを備えた分光光度計(Hewlett Packard 84 52A)を用いて、25℃で行なった。 存在する活性なrACTP3P3’PIの量を、既知濃度のキモトリプシン溶 液の滴定及び部分精製したrACTP3P3’PI画分の量を変えた活性の滴定 によって測定した。次いで、阻害剤含有溶液と共にインキュベートした後に存在 する活性なキモトリプシンの量を、キモトリプシン活性アッセイを用いて測定し た。キモトリプシンの濃度を、Ardelt及びLaskowski,Biochemistry,1985,24 ,5313の活性部位滴定法を用いて測定した。ヒト好中球エラスターゼの阻害 材料及び方法 HNE及びα1PIは、CalBiochemより得た。基質は、Sigma Chemical Co. (ミズーリ、St.Louis)より得た。SDSゲル用の標準蛋白質は、BioRadより得た。阻害剤及びプロテアーゼ濃度の測定 rACTP3P3’PI及びα1PI濃度を、ウシキモトリプシンを用いてる 活性部位滴定により測定した。 キモトリプシン濃度を、Schnbaum等、J.Biol.Chem.,1961,236,2930 の方法に従 って、活性滴定剤、N−トランス−シンナモイルイミダゾールを用いる滴定によ り標準化した。HNE濃度を、標準化したα1PIを用いる滴定により測定した 。この値を用いて、1nモルのHNE当たり毎分0.61nモルの生成物という HNEの比活性を測定した。HNEは、Nakajima等、J.Biol.Chem.,1979,254,4 027 により記載された標準的アッセイ条件下で測定した(0.1M HEPES 、pH7.5、0.5M NaCl、9%Me2SO4、1mM N−MeO−S uc−Ala−Ala−Pro−Val−pNA)。形成されたパラニトロアニ リンをe410=8800M-1cm-1を用いて定量した。滴定及びタイムコース研究 滴定反応を、0.1M トリス−HCl(pH8.0)、0.1M NaCl 、0.01%トリトンX−100を含む0.50ml中で行なった。HNE濃度 は、150〜400nMにわたった。インキュベーションは、通常、25℃で3 0分間行なった。残留活性を、対照の初期加水分解速度が0.4〜0.75Δ吸 光度単位410/分となるような1mlの標準緩衝液中の試料アリコートの希釈 により測定した。加水分解速度を、Beckman DU又はGilford 260 分光光度計にて 、連続的に3分間モニターした。タイムコース研究を同様に行 なったが、同じ反応混合物から時間経過につれてアリコートを繰り返し取り出せ るように反応容積を増大させた。不活性化速度定数の測定 速度定数を、Petersen及びClemmensen,Biochem.J.,1981,199,121に記載さ れたように、基質(0.5〜1mM)の存在下で、擬一次条件下で測定した。進 行曲線を10〜15分間モニターし、変化を10秒間隔で測定した。瞬間速度を 、1分間の間隔で集めた吸光度測定値の線形最小二乗当てはめにより測定した。 k’(基質の存在下での見掛けの速度定数)をデータ(速度対時間のプロット) の指数Ae-ktへの最小二乗当てはめにより測定した。この見掛けの速度定数を 、次いで、基質濃度に関して、kobs=k’(Km/Km+S)という関係(こ こに、Km測定値は、0.1M NaClを含む反応物中では0.40mMであ り、0.5mM NaClで実施した反応物では0.14であった)によって修 正した。 イオン強度はkobsに有意の影響を及ぼさなかった;報告された値は、両イオ ン強度において行なった測定の平均及び標準偏差である。SDSゲル電気泳動 反応を、30分後に、PMSFの添加(終濃度0.5 mM)により停止させた。10分間のインキュベーション期間の後に、2%SD S及び5mM DTT(24)を含む変性用緩衝液を加え、試料を10分間90 ℃に加熱した。蛋白質を7.5%ゲル上で分離し、クーマシーブリリアントブル ーで染色することにより可視化した。組換えアンチキモトリプシン(rACT)のHNEとの反応 HNEの、米国特許第5,079,336号に開示されたように調製した組換 えヒトα−1−アンチキモトリプシンとの相互作用は、安定な阻害を示さなかっ た。高い阻害剤のエラスターゼに対する(I/E)比率(25〜30:1)では 、加水分解の初期速度は対照よりも低く、時間及び塩に依存して、酵素活性の対 照レベルまで増加した。時間の関数として採取した反応生成物のSDSゲル分析 は、安定な複合体の証拠を伴わない開裂したrACTの遅い蓄積を示した。対照 実験において、α1PIによるHNEの滴定は、1の阻害化学量論(SI)まで 直線的であり、すべてのI/E比で形成された複合体は、0.15M NaCl 、0.1M トリス(pH8.0)中で、少なくとも24時間安定であった。rACTP3P3’PIのHNE及びアンチキモトリプシンとの反応 HNEのrACTP3P3’PIによる阻害のタイムコースは、即時の活性の 損失とその後約20時間にわたって0.1M NaCl中で起きる遊離酵素の遅 い再生(これは、非常に安定な酵素/阻害剤複合体の形成を示している)を示し た。比較すると、0.4M NaCl中では、この変形物は、HNEを同じ時間 にわたって完全に遊離させた。SIはイオン強度に依存せず且つ1.4まで滴定 された。rACTP3P3’PI/HNE複合体の安定性を、SDS−PAGE ゲル分析による高分子量の反応生成物の検出により示した。擬一次条件下で、H NEについての見掛けの秒のオーダーの速度定数、105-1-1(n=6)が 得られ、rACTL358M/キモトリプシン相互作用についての3.0×105-1-1と比較してキモトリプシンについての1.8×104-1-1が得られ た(rACTL358Mはα−1−アンチキモトリプシンアナログであり、アミ ノ酸の358位のロイシンがメチオニンで置換されている)。rACTP3P3 ’PIのキモトリプシンでの1:1滴定は、カセットベクターから生じる位置P 10、P9及びP10’における変化が、この酵素に関するセルピン(serpin) のSI値を変えないことを示した。rACTP3P3’PIは、HNEの効率的 な阻害剤としての多くの特性を有したが、それは、α1PIのHNEとの速度定 数(〜107-1-1)を達成せず、この複合体は同程度の安定性を有しなかっ た。 ここに示し且つ説明したものに加えて、この発明の種々の改変物は、上述の記 載から当業者には明白であろう。かかる改変物も又、添付の請求の範囲の範囲内 に入るものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI A61K 38/55 ADS 8615−4C C07H 21/04 B ADZ 9051−4C A61K 37/64 ABE C07K 14/81 ACD C12N 1/21 ADZ 9/99 ADS C12P 21/02 ACV // C07H 21/04 ACJ (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CZ,DE,DK,ES,FI,G B,GE,HU,JP,KG,KP,KR,KZ,LK ,LU,LV,MD,MG,MN,MW,NL,NO, NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SI,S K,TJ,TT,UA,UZ,VN 特許法第30条第1項適用申請有り (72)発明者 ルービン,ハービー アメリカ合衆国 19103 ペンシルベニア, フィラデルフィア,マニング ストリート 1925 (72)発明者 シェクター ノーマン アメリカ合衆国 19131 ペンシルベニア, フィラデルフィア,シティー アベニュー 6100,アパートメント 708 (72)発明者 ワン,ジ メイ アメリカ合衆国 19104 ペンシルベニア, フィラデルフィア,サウス フォーティエ ス ストリート 316

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.358位のアミノ酸がメチオニン、イソロイシン、バリン、アラニン、アス パラギン酸、トレオニン及びグルタミン酸よりなる群から選択されるヒトα−1 −アンチキモトリプシンアナログであって、好中球エラスターゼ阻害活性を有す るアナログ。 2.358位のアミノ酸がメチオニンである請求項1に記載のアナログ。 3.358位のアミノ酸がイソロイシンである請求項1に記載のアナログ。 4.358位のアミノ酸がバリンである請求項1に記載のアナログ。 5.358位のアミノ酸がアラニンである請求項1に記載のアナログ。 6.358位のアミノ酸がアスパラギン酸である請求項1に記載のアナログ。 7.358位のアミノ酸がトレオニンである請求項1に記載のアナログ。 8.358位のアミノ酸がグルタミン酸である請求項1に記載のアナログ。 9.野生型のα−1−アンチキモトリプシンの356〜361位のThr−Le u−Leu−Ser−Ala−Leuに相当するアミノ酸がIle−Pro−X xx−Ser−Ile−Pro(ここで、Xxxはメチオニ ン、トリプトファン、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、 グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、リジン、フ ェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、チロシン及びバリンよりなる 群から選択される)により置換されているヒトα−1−アンチキモトリプシンア ナログであって、好中球エラスターゼ阻害活性を有するアナログ。 10.野生型のα−1−アンチキモトリプシンの349及び350位のAla− Alaに相当するアミノ酸がGly−Thrにより置換されており且つ野生型の α−1−アンチキモトリプシンの368及び369位のVal−Argに相当す るアミノ酸がThr−Argにより置換されている請求項9に記載のヒトα−1 −アンチキモトリプシンアナログ。 11.ヒトα−1−アンチキモトリプシンが図1に記載のアミノ酸配列からなる (ただし、356〜361位のアミノ酸はIle−Pro−Xxx−Ser−I le−Pro(ここで、Xxxはメチオニン、トリプトファン、アラニン、アス パラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン 、ヒスチジン、イソロイシン、リジン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、 トレオニン、チロシン及びバリンよりなる群から選択される)により置換されて いる)請求項10に記載のヒトα−1−アンチキモトリプシンアナログ。 12.356、357、359、360及び361位の少なくとも一つに、適宜 、プロリンを有する請求項1に記載のアナログ。 13.ヒトα−1−アンチキモトリプシンが図1に記載のアミノ酸配列からなり (ただし、358位のアミノ酸はメチオニン、イソロイシン、バリン、アラニン 、アスパラギン酸、トレオニン及びグルタミン酸よりなる群から選択される)、 適宜、356、357、359、360及び361位の少なくとも一つにプロリ ンを有する請求項1に記載のアナログ。 14.358位のアミノ酸がメチオニン、イソロイシン、バリン、アラニン、ア スパラギン酸、トレオニン及びグルタミン酸よりなる群から選択され、適宜、3 56、357、359、360及び361位の少なくとも一つにプロリンを有す るヒトα−1−アンチキモトリプシンアナログをコードする精製された核酸配列 。 15.野生型のα−1−アンチキモトリプシンの356〜361位のThr−L eu−Leu−Ser−Ala−Leuに相当するアミノ酸がIle−Pro− Xxx−Ser−Ile−Pro(ここで、Xxxはメチオニン、トリプトファ ン、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グル タミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、リジン、フェニルアラニン、 プロリン、セリン、トレオニン、チロシン及びバリンよりなる群から選択される )により置換 されているヒトα−1−アンチキモトリプシンアナログをコードする精製された 核酸配列。 16.358位のアミノ酸がメチオニン、イソロイシン、バリン、アラニン、ア スパラギン酸、トレオニン及びグルタミン酸よりなる群から選択され、適宜、3 56、357、359、360及び361位の少なくとも一つにプロリンを有し 、且つ、野生型のα−1−アンチキモトリプシンの356〜361位のThr− Leu−Leu−Ser−Ala−Leuに相当するアミノ酸がIle−Pro −Xxx−Ser−Ile−Pro(ここで、Xxxはメチオニン、トリプトフ ァン、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グ ルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、リジン、フェニルアラニン 、プロリン、セリン、トレオニン、チロシン及びバリンよりなる群から選択され る)により置換されているヒトα−1−アンチキモトリプシンアナログをコード する精製された核酸配列。 17.請求項14に記載の核酸配列を含む発現ベクター。 18.請求項15に記載の核酸配列を含む発現ベクター。 19.請求項16に記載の核酸配列を含む発現ベクター。 20.請求項10に記載の核酸配列を含む発現ベク ター。 21.請求項14に記載の核酸配列を発現させることができる宿主細胞。 22.請求項15に記載の核酸配列を発現させることができる宿主細胞。 23.請求項16に記載の核酸配列を発現させることができる宿主細胞。 24.請求項10に記載の核酸配列を発現させることができる宿主細胞。 25.358位のアミノ酸がメチオニン、イソロイシン、バリン、アラニン、ア スパラギン酸、トレオニン及びグルタミン酸よりなる群から選択され、適宜、3 56、357、359、360及び361位の少なくとも一つにプロリンを有す るヒトα−1−アンチキモトリプシンアナログを発現し得る細胞培養物。 26.野生型のα−1−アンチキモトリプシンの356〜361位のThr−L eu−Leu−Ser−Ala−Leuに相当するアミノ酸がIle−Pro− Xxx−Ser−Ile−Pro(ここで、Xxxはメチオニン、トリプトファ ン、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グル タミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、リジン、フェニルアラニン、 プロリン、セリン、トレオニン、チロシン及びバリンよりなる群から選択される )により置換されているヒトα−1−アンチキモトリプシンアナログ を発現させることができる細胞培養物であって、請求項18に記載の発現ベクタ ーにより細胞をトランスフォームすることにより得られた細胞培養物。 27.358位のアミノ酸がメチオニン、イソロイシン、バリン、アラニン、ア スパラギン酸、トレオニン及びグルタミン酸よりなる群から選択され、適宜、3 56、357、359、360及び361位の少なくとも一つにプロリンを有し 、且つ、野生型のα−1−アンチキモトリプシンの356〜361位のThr− Leu−Leu−Ser−Ala−Leuに相当するアミノ酸がIle−Pro −Xxx−Ser−Ile−Pro(ここで、Xxxはメチオニン、トリプトフ ァン、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グ ルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、リジン、フェニルアラニン 、プロリン、セリン、トレオニン、チロシン及びバリンよりなる群から選択され る)により置換されているヒトα−1−アンチキモトリプシンアナログを発現さ せることができる細胞培養物であって、請求項19に記載の発現ベクターにより 細胞をトランスフォームすることにより得られた細胞培養物。 28.野生型のα−1−アンチキモトリプシンの356〜361位のThr−L eu−Leu−Ser−Ala−Leuに相当するアミノ酸がIle−Pro− Xxx−Ser−Ile−Pro(ここで、Xxxはメ チオニン、トリプトファン、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システ イン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、リジ ン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、チロシン及びバリンよ りなる群から選択される)により置換されており、且つ野生型のα−1−アンチ キモトリプシンの349及び350位のAla−Alaに相当するアミノ酸がG ly−Thrにより置換されており且つ野生型のα−1−アンチキモトリプシン の368及び369位のVal−Argに相当するアミノ酸がThr−Argに より置換されているヒトα−1−アンチキモトリプシンアナログを発現させるこ とができる細胞培養物であって、請求項20に記載の発現ベクターにより細胞を トランスフォームすることにより得られた細胞培養物。 29.図1に記載のアミノ酸配列を含むヒトα−1−アンチキモトリプシンアナ ログを発現させることができる細胞培養物であって、核酸配列を含む発現ベクタ ーにより細胞をトランスフォームすることにより得られた細胞培養物。 30.請求項1に記載のヒトα−1−アンチキモトリプシンアナログを含む蛋白 質製剤。 31.請求項9に記載のヒトα−1−アンチキモトリプシンアナログを含む蛋白 質製剤。 32.請求項10に記載のヒトα−1−アンチキモトリ プシンアナログを含む蛋白質製剤。 33.野生型のα−1−アンチキモトリプシンの356〜361位のThr−L eu−Leu−Ser−Ala−Leuに相当するアミノ酸がIle−Pro− Xxx−Ser−Ile−Pro(ここで、Xxxはメチオニン、トリプトファ ン、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グル タミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、リジン、フェニルアラニン、 プロリン、セリン、トレオニン、チロシン及びバリンよりなる群から選択される )により置換されているヒトα−1−アンチキモトリプシンアナログを製造する にあたり、該ヒトα−1−アンチキモトリプシンアナログを発現させることがで きる宿主細胞を培養して該ヒトα−1−アンチキモトリプシンアナログを含有す る細胞と培地との混合物を生成させることを含むヒトα−1−アンチキモトリプ シンアナログの製造方法。 34.さらに該混合物を精製してヒトα−1−アンチキモトリプシンアナログを 精製された形で製造することを包含する請求項33に記載の方法。 35.ヒトα−1−アンチキモトリプシンアナログがIle−Pro−Xxx− Ser−Ile−Pro(ここで、Xxxはメチオニン、トリプトファン、アラ ニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸 、グリシン、ヒスチジン、イソロ イシン、リジン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、チロシン 及びバリンよりなる群から選択される)により置換された356〜361位のア ミノ酸を有する図1に記載の核酸配列によりコードされる請求項33に記載の方 法。 36.好中球エラスターゼを阻害剤として有効な量の請求項1、9又は10に記 載のヒトα−1−アンチキモトリプシンアナログと接触させることからなる好中 球エラスターゼを阻害する方法。 37.ヒトα−1−アンチキモトリプシンアナログであってアミノ酸メチオニン 、アラニン及びセリンからなるN−末端伸長部を有するものを製造するにあたり 、該ヒトα−1−アンチキモトリプシンアナログを発現させることができる宿主 細胞を培養して該ヒトα−1−アンチキモトリプシンアナログを含有する細胞と 培地との混合物を生成させることを含む該ヒトα−1−アンチキモトリプシンア ナログの製造方法。 38.さらに該混合物を精製してヒトα−1−アンチキモトリプシンアナログで あってアミノ酸メチオニン、アラニン及びセリンからなるN−末端伸長部を有す るものを精製された形で製造することを包含する請求項37に記載の方法。 39.ヒトα−1−アンチキモトリプシンアナログが、前記のN−末端部をコー ドする核酸配列をさらに含む図1に記載の核酸配列によりコードされる請求項3 7に記 載の方法。 40.ヒトα−1−アンチキモトリプシンアナログであってアミノ酸Met−A la−Ser−Leu−Cys−His−ProからなるN−末端伸長部を有す るものを製造するにあたり、該ヒトα−1−アンチキモトリプシンアナログを発 現させることができる宿主細胞を培養して該ヒトα−1−アンチキモトリプシン アナログを含有する細胞と培地との混合物を生成させることを含む該ヒトα−1 −アンチキモトリプシンアナログの製造方法。 41.さらに該混合物を精製してヒトα−1−アンチキモトリプシンアナログで あってアミノ酸Met−Ala−Ser−Leu−Cys−His−Proから なるN−末端伸長部を有するものを精製された形で製造することを包含する請求 項40に記載の方法。 42.ヒトα−1−アンチキモトリプシンアナログが、前記のN−末端伸長部を コードする核酸配列をさらに含む図1に記載の核酸配列によりコードされる請求 項40に記載の方法。 43.358位に相当するアミノ酸がメチオニン、イソロイシン、バリン、アラ ニン、アスパラギン酸、トレオニン及びグルタミン酸よりなる群から選択される ヒトα−1−アンチキモトリプシンアナログの、肺の炎症の治療用薬剤の製造に おける利用。 44.炎症が酸性物質の吸引により生じるものである請 求項43に記載の利用。 45.酸性物質が胃の内容物である請求項44に記載の利用。 46.酸性物質が煙である請求項44に記載の利用。 47.炎症が病原体の感染により生じるものである請求項43に記載の利用。 48.病原体がグラム陰性細菌である請求項47に記載の利用。 49.358位に相当するアミノ酸がメチオニン、イソロイシン、バリン、アラ ニン、アスパラギン酸、トレオニン及びグルタミン酸よりなる群から選択される ヒトα−1−アンチキモトリプシンアナログの、炎症性の腸の疾病の治療用薬剤 の製造における利用。 50.358位に相当するアミノ酸がメチオニン、イソロイシン、バリン、アラ ニン、アスパラギン酸、トレオニン及びグルタミン酸よりなる群から選択される ヒトα−1−アンチキモトリプシンアナログの、皮膚の炎症の治療用薬剤の製造 における利用。 51.炎症が乾癬から生じる請求項50に記載の利用。 52.炎症が慢性の創傷から生じる請求項50に記載の利用。 53.358位に相当するアミノ酸がメチオニン、イソロイシン、バリン、アラ ニン、アスパラギン酸、トレオニン及びグルタミン酸よりなる群から選択される ヒト α−1−アンチキモトリプシンアナログの、膵炎の治療用薬剤の製造における利 用。 54.358位に相当するアミノ酸がメチオニン、イソロイシン、バリン、アラ ニン、アスパラギン酸、トレオニン及びグルタミン酸よりなる群から選択される ヒトα−1−アンチキモトリプシンアナログの、糸球体腎炎の炎症の治療用薬剤 の製造における利用。 55.358位に相当するアミノ酸がメチオニン、イソロイシン、バリン、アラ ニン、アスパラギン酸、トレオニン及びグルタミン酸よりなる群から選択される ヒトα−1−アンチキモトリプシンアナログの、再潅流による傷害の治療用薬剤 の製造における利用。 56.358位に相当するアミノ酸がメチオニン、イソロイシン、バリン、アラ ニン、アスパラギン酸、トレオニン及びグルタミン酸よりなる群から選択される ヒトα−1−アンチキモトリプシンアナログの、敗血症の治療用薬剤の製造にお ける利用。
JP7525637A 1994-03-31 1994-04-29 エラスターゼ阻害活性を有するα−1−アンチキモトリプシンアナログ Pending JPH09512423A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US08/221,078 1994-03-31
US08/221,078 US5674708A (en) 1989-06-23 1994-03-31 α-1-antichymotrypsin analogues having elastase inhibitory activity
PCT/US1994/004735 WO1995027055A1 (en) 1994-03-31 1994-04-29 α-1-ANTICHYMOTRYPSIN ANALOGUES HAVING ELASTASE INHIBITORY ACTIVITY

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09512423A true JPH09512423A (ja) 1997-12-16

Family

ID=22826247

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7525637A Pending JPH09512423A (ja) 1994-03-31 1994-04-29 エラスターゼ阻害活性を有するα−1−アンチキモトリプシンアナログ

Country Status (17)

Country Link
US (1) US5674708A (ja)
EP (1) EP0754228A4 (ja)
JP (1) JPH09512423A (ja)
CN (1) CN1145637A (ja)
AU (1) AU696995B2 (ja)
BG (1) BG100939A (ja)
CA (1) CA2186908A1 (ja)
CZ (1) CZ281796A3 (ja)
FI (1) FI963891A (ja)
HU (1) HUT74901A (ja)
LV (1) LV11747B (ja)
NO (1) NO964022L (ja)
NZ (1) NZ269619A (ja)
PL (1) PL316433A1 (ja)
SI (1) SI9420082A (ja)
SK (1) SK138196A3 (ja)
WO (1) WO1995027055A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009509979A (ja) * 2005-09-29 2009-03-12 ユニバーシティ オブ アルバータ グランザイムb阻害のための組成物および方法
WO2021020509A1 (ja) * 2019-07-31 2021-02-04 株式会社ステムリム 間葉系幹細胞の増殖促進または減少抑制のための組成物

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5723316A (en) * 1989-06-23 1998-03-03 Trustees Of The University Of Pennsylvania α-1-antichymotrypsin analogues having chymase inhibiting activity
US5827662A (en) * 1989-06-23 1998-10-27 The Trustees Of The University Of Pennsylvania Methods for detecting genetic mutations resulting in protease inhibitor insufficiencies
US6458777B1 (en) 1998-03-13 2002-10-01 Mucosal Therapeutics Llc Methods and compositions for treating and preventing mucositis
US6242473B1 (en) * 1999-01-08 2001-06-05 Maxim Pharmaceuticals, Inc. Treatment and prevention of reactive oxygen metabolite-mediated cellular damage
CA2423423A1 (en) * 2000-09-29 2003-03-21 Ono Pharmaceutical Co., Ltd. Medecines of ulcerative colitis
DE10121255A1 (de) 2001-04-30 2002-11-07 Switch Biotech Ag Verwendung von alpha 1-Antichymotrypsin Polypeptiden oder diese kodierende Nukleinsäuren, oder einer ein ACT Polypeptid oder diese kodierende Nukleinsäure exprimierende Zelle, zur Behandlung und/oder Prävention von diabetes-assoziierten und/oder arteriellen schlecht heilenden Wunden und zur Identifizierung von pharmakologisch aktiven Substanzen
JP4384855B2 (ja) * 2001-04-30 2009-12-16 スウィッチ・バイオテック・アクチェンゲゼルシャフト 糖尿病随伴性および/または動脈性難治創傷の治療および/または予防のための、そして薬理学的に活性な物質を同定するための、アルファ1−アンチキモトリプシンポリペプチド類またはそれらをコード化している核酸の使用、または、actポリペプチドまたはそれをコード化している核酸を、発現している細胞の使用。
EP1415664A1 (en) * 2002-10-30 2004-05-06 Switch Biotech Aktiengesellschaft Use of alpha 1-antichymotrypsin in combination with alpha-1-antitrypsin for treating/preventing diabetes associated or poorly healing arterial wounds
US10531655B2 (en) 2011-12-02 2020-01-14 The Regents Of The University Of California Reperfusion protection solution and uses thereof
CN112425608B (zh) * 2019-08-23 2023-07-21 香港科技大学 弹性蛋白酶抑制剂、具有抗生物膜活性的抑菌剂
EP4031138A1 (en) 2019-09-17 2022-07-27 Mereo Biopharma 4 Limited Alvelestat for use in the treatment of graft rejection, bronchiolitis obliterans syndrome and graft versus host disease
AU2021256835A1 (en) 2020-04-16 2022-10-13 Mereo Biopharma 4 Limited Methods involving neutrophil elastase inhibitor alvelestat for treating respiratory disease mediated by alpha-1 antitrypsin deficiency
WO2023067103A1 (en) 2021-10-20 2023-04-27 Mereo Biopharma 4 Limited Neutrophil elastase inhibitors for use in the treatment of fibrosis

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4732973A (en) * 1984-06-14 1988-03-22 Chiron Corporation Active site modified protease α-1-antitrypsin inhibitors
US5008242A (en) * 1986-12-24 1991-04-16 John Lezdey Treatment of inflammation using 1-antichymotrypsin
US4916117A (en) * 1986-12-24 1990-04-10 John Lezdey Treatment of inflammation using alpha 1-antichymotrypsin
US5266465A (en) * 1989-06-23 1993-11-30 The Trustees Of The University Of Pennsylvania α-1-antichymotrypsin, analogues and methods of production
US5079336A (en) * 1989-06-23 1992-01-07 The Trustees Of The University Of Pennsylvania α-1-antichymotrypsin, analogues and methods of production
US5252725A (en) * 1989-06-23 1993-10-12 The Trustees Of The University Of Pennsylvania α-1-antichymotrypsin, analogues and methods of production
US5723316A (en) * 1989-06-23 1998-03-03 Trustees Of The University Of Pennsylvania α-1-antichymotrypsin analogues having chymase inhibiting activity

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009509979A (ja) * 2005-09-29 2009-03-12 ユニバーシティ オブ アルバータ グランザイムb阻害のための組成物および方法
WO2021020509A1 (ja) * 2019-07-31 2021-02-04 株式会社ステムリム 間葉系幹細胞の増殖促進または減少抑制のための組成物

Also Published As

Publication number Publication date
CZ281796A3 (en) 1997-05-14
LV11747A (lv) 1997-04-20
BG100939A (en) 1997-10-31
CN1145637A (zh) 1997-03-19
EP0754228A4 (en) 1997-12-10
NZ269619A (en) 1998-01-26
NO964022D0 (no) 1996-09-24
NO964022L (no) 1996-09-24
LV11747B (en) 1997-10-20
AU696995B2 (en) 1998-09-24
HUT74901A (en) 1997-02-28
AU7393694A (en) 1995-10-23
FI963891A0 (fi) 1996-09-27
WO1995027055A1 (en) 1995-10-12
SI9420082A (en) 1997-06-30
FI963891A (fi) 1996-09-27
CA2186908A1 (en) 1995-10-12
EP0754228A1 (en) 1997-01-22
SK138196A3 (en) 1997-07-09
PL316433A1 (en) 1997-01-06
US5674708A (en) 1997-10-07
HU9602674D0 (en) 1996-11-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0272489B1 (en) Antimicrobial proteins, compositions containing same and uses thereof
JP2894354B2 (ja) 組換えdna技術によつて産生されたウシ膵臓トリプシン阻害剤の変異型、それらの方法、発現ベクターおよび組換え宿主、およびそれらの製薬学的使用
EP0375724B1 (en) Biologically active bactericidal/permeability-increasing protein fragments
JP3350549B2 (ja) ヒトKunitz型プロテアーゼ阻害剤変異体
JPH09512423A (ja) エラスターゼ阻害活性を有するα−1−アンチキモトリプシンアナログ
JPS637794A (ja) 組換え宿主から生産されたアプロチニン相同体、それらのための方法、発現ベクタ−および組換え宿主、およびそれらの製薬学的使用
CZ164494A3 (en) Human variant of kunitz-type protease inhibitor
JPH10501404A (ja) 有効な組換えセリンプロテアーゼインヒビターの製造方法及びこれらのインヒビターの利用
US5367064A (en) α-1-antichymotrypsin, analogues and methods of production
JPH11504938A (ja) クニッツ型プロテアーゼ阻害因子
CZ164694A3 (en) Human variant of kunitz-type protease inhibitor
US5079336A (en) α-1-antichymotrypsin, analogues and methods of production
JP2916228B2 (ja) 遺伝子操作した組み換えアプロチニン変異型、均質に処理されたアプロチニン変異型の微生物調製の方法およびその治療学的使用
JPH02439A (ja) ヒトアプロチニン相同体、宿主株およびそれらの発現ベクター、それらの分離および薬物としてのそれらの使用
US5266465A (en) α-1-antichymotrypsin, analogues and methods of production
US5723316A (en) α-1-antichymotrypsin analogues having chymase inhibiting activity
RU2183214C2 (ru) Природный и рекомбинантный ингибиторы тромбина, их получение и применение
Gonnelli et al. Purification and characterization of two leaf polypeptide inhibitors of leaf protease from alfalfa (Medicago sativa)
JPH04502260A (ja) N―アセチルムラミダーゼ m1
JP2798573B2 (ja) ヒト好中球エラスターゼ阻害活性を有する天然型ポリペプチドおよびそれを含有する医薬製剤
US5585350A (en) Thrombin-inhibitory protein from ticks
JPH05308988A (ja) 新規ポリペプチド、新規dna、新規ベクター、新規形質転換体、新規医薬組成物、および新規ポリペプチドの製造方法
JPH1080281A (ja) 新規蛋白質及びその製造方法
US5827731A (en) Thrombin-inhibitory protein from ticks
JPH03123490A (ja) 新規なセリンプロテアーゼインヒビター蛋白質、これを含む医薬、この蛋白質のためにコードするdna配列及びこれら蛋白質、医薬及びdna配列を作り出す方法