JPH09512176A - 二価のタンパク質、調製及び利用 - Google Patents

二価のタンパク質、調製及び利用

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Abstract

(57)【要約】 本発明は二価のタンパク質であって、そのタンパク質を産生する宿主細胞を選定の標的細胞を特異的に認識させるように導くことのできるタンパク質に関する。更に、本発明の前記タンパク質の調製方法、前記タンパク質をコードするDNA構築体、前記DNA を発現する宿主細胞を含んで成る組成物、及び前記タンパク質を特異的に認識する抗体に関する。更に、本発明は例えばインビトロ又はインビボで腫瘍細胞を特異的に殺すためのかかる宿主細胞の利用に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 二価のタンパク質、調製及び利用 本発明は二価のタンパク質であって、そのタンパク質を産生する宿主細胞を選 定の標的細胞を特異的に認識させるように導くことのできるタンパク質に関する 。更に、本発明は前記タンパク質の調製方法、前記タンパク質をコードするDNA 構築体、前記DNA を発現する宿主細胞を含んで成る組成物、及び前記タンパク質 を特異的に認識する抗体に関する。更に、本発明は例えばインビトロ又はインビ ボで腫瘍細胞を特異的に殺すためのかかる宿主細胞の利用に関する。 細胞性免疫療法とも呼ばれている養子免疫療法の原理は、哺乳動物に免疫学的 に活性な細胞を移入して疾病状態に対する哺乳動物の免疫反応を強めることにあ る。従って、免疫細胞を例えばヒト患者又はその他の対象体から取り出し、任意 的にインターロイキン2の如き免疫増強因子の存在下で培養し、次いで好都合に は免疫増強因子の存在下で患者に(再)投与する。この患者において、その免疫 活性細胞はその疾病状態で緩和するように働く。 養子免疫療法のために提案されている免疫活性細胞には、ナチュラルキラー( NK)細胞に由来するリンホカイン活性化キラー(LAK)細胞、及びキラーTリン パ球とも呼ばれている細胞溶解性又は細胞障害性Tリンパ球(CTL)由来のイン ビトロ感作リンパ球(IVS)が含まれる。LAK 細胞は広域の標的細胞と反応する 細胞溶解性細胞である。これらは主要組織適合性複合体(MHC)制限型ではなく 、そして腫瘍細胞のみならず、インビトロ正常細胞をも溶解できるものである。 CTL はクローン特異性を有する。即ち、各クローンは標的細胞 の表層上の特定の抗原構造に対して特異的である。特定のCTL は固有の抗原を認 識してそれに結合し、これにより活性化し、次いで増殖でき、そして標的細胞を 破壊する。この認識過程はMHC 制限型且つ依存型であり、なぜなら抗原は標的細 胞により発現される自己クラスIMHC 表層分子のうちの1つのみに関連して認識 されるからである。 T細胞による特異的な抗原の認識はT細胞抗原レセプター(TCR)により媒介 される(A.Weiss,Cell 73,209-212(1993))。レセプターに対するリガンド の結合は細胞エフェクターのプログラム、例えばチロシンキナーゼの活性化、細 胞内カルシウムイオン放出及びインターロイキン2産生を誘引しうる(R.T.Ab raham ら、Trends Biochem.Sci.17,434-438(1992))。 TCR は少なくとも6種類の遺伝子の産物を含んで成る多量表層複合体であり、 その産物は全て効率的な血漿膜発現にとって必要である。TCR のクローンタイプ アルファ(α)及び(β)鎖は特異的な標的細胞認識を媒介する。これらの鎖は CD3 複合体の非多形成分ガンマ(γ)、デルタ(δ)及びエプシロン(ε)、並 びにゼータ(ζ)鎖と非共有結合している。ジスルフィド連結したζホモダイマ ーはトランスメンブラン分子であり、そしてその細胞質部はTCR 媒介型シグナル 変換及び細胞溶解の誘導において中心的な役割を果たす。このζは自立シグナル 変換が可能であり、即ちζ単独で応答を媒介するのに十分である。ζ鎖と細胞外 リガンド結合性ドメインとの融合はリガンドとの相互作用により活性化されうる 分子をもたらしうる(S.J.Frank ら、Science 249,174-177(1990);C,Rom eo & B.Seed,Cell 64,1037-1046(1990);F.Letourneur & R.D.Klausner .Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88,8905-8909(1991))。ζの異性体エーター( η)はζ遺伝子転写体の択一的なスプラ イス形態である。 腫瘍の形成は体細胞の中の癌遺伝子及び腫瘍抑制遺伝子の突然変異に関与する 。かかる突然変異はタンパク質の構造変化又は過剰発現をもたらしうる。両方の 現象はこれらのタンパク質の細胞内プロセシングにおける変化及び細胞の表層上 の主要組織適合性抗原に関連する新たな抗原構造の表示をもたらしうる。腫瘍患 者の血清中の癌遺伝子産物に対して特異的な抗体の検出は、その癌遺伝子産物が 抗原性でありうることの指標である。この抗原性の更なる確証は細胞免疫応答の 生起である。腫瘍細胞を認識して排除するCTL の発生はいくつかのモデル系にお いて実証された(T.Boon,Adv.Cancer Res.58,177-210(1992);M.W.Kas t ら、Cell 59,603-614(1989);Disis ら、Cancer Res.54,16-20(1994)) 。 例えば癌の処置のためのT−リンパ球の細胞溶解活性を促進することを狙いと する現存の手法はいくつかの欠点、例えば天然CTL における認識過程のMHC 制限 に悩まされている。現状遭遇させる制約を解消するアプローチが必要である。 本発明の目的は、例えば改変したCTL 効能及び選択的抗腫瘍剤を得るために、 CTL 認識特異性の操作を包括するかかる改良手法を提供することにある。この手 法は、良性の、及び特に悪性の腫瘍細胞における一貫した遺伝子変化の同定に基 づく。規定の腫瘍細胞特異性を有するCTL の提供は、規定の腫瘍細胞に対するタ ーゲッティング、並びにこの標的細胞のMHC 非制限型及びMHC 非依存型破壊を可 能にする。新規のMHC 非依存型認識特異性の装ったCTL による腫瘍細胞溶解は、 例えば癌処置を包括する遺伝子療法においてインビトロ(生体外)又はインビボ で促進されうる。 この腫瘍細胞は、本発明のキメラタンパク質の一部である抗原結合性ドメイン により認識され、それと結合する抗原性構造体(リガ ンド)を担持するものであると(事前)規定又は選定された標的細胞である。 本発明は、選定の腫瘍細胞を特異的に認識し、そして殺すようにCTL を誘導せ しめることのできるキメラタンパク質を考慮する。より詳しくは、本発明は認識 機能体、ヒンジ領域、及びTCR のζ鎖を含んで成るキメラタンパク質、並びに1 又は複数種のかかるタンパク質分子を産生するCTL を提供する。本発明のキメラ タンパク質の認識部分への細胞結合リガンドの結合は、CTL 内でのζ鎖媒介型シ グナル変換をもたらし、そして究極的にはそのリガンドを担持する細胞の溶解を もたらす。 本発明のキメラタンパク質は自然には存在していないタンパク質である。この タンパク質は、特定の抗原性構造を特異的に認識且つそれに結合する(その認識 機能体を介して)、及びシグナル生成成分として働く(ζ鎖部を介して)ことの 双方が可能な点で二価である。そのヒンジ領域はスパーサーを担い、そして認識 機能ドメインの必須のアクセス性及び柔軟性を確実なものとする。このヒンジ領 域は本発明のキメラタンパク質の機能にとって必須であると解される。好ましく は、このキメラタンパク質内で配列は、認識機能体がN−末端に位置し、そして ヒンジ領域を介してキメラタンパク質のC末端にあるζ鎖部分に連結している。 細胞表層分子であることで、本発明のキメラタンパク質は細胞外ドメイン、トラ ンスメンブランドメイン及び細胞質ドメインを含んで成り、そして宿主細胞、例 えばCTL のプラスマ膜の中に挿入されている。宿主細胞内の本発明のタンパク質 の機能は特定のリガンドの結合に基づいて前記タンパク質のシグナル生成能を実 証するのに適当なアッセイ、例えばリガンドの結合により誘引されるシグナル生 成経路の検出を可能にするアッセイにおいて検出可能であり、それ故例えばカル シウムイオン 放出量の上昇、細胞内チロシンのリン酸化、イノシトールホスフェートの代謝回 転、又はインターロイキン(IL)2、インターフェロンγ,GM-CSF ,IL−3,I L−4生産の測定に関するアッセイを行う。(R.I.Abraham ら、Trend Biochem .Sci.17,434-438(1992))。かかるアッセイは当業者により容易に可能である 。実施例において採用したアッセイを参照されたい。これらのアッセイはその他 の適当な細胞系を利用することにより改良してよいことが明らかである。 認識機能は抗体、特に一本鎖抗体(scFv)の抗原結合性ドメインにより司られ る。一本鎖抗体はモノクーナル抗体の重鎖及び軽鎖の可変ドメインを含んで成る 遺伝子融合体である。この認識及び結合機能は、TCR のα/β鎖を介するMHC 制 限型抗原認識を回避するようTCR 複合体のζ鎖に授けられている。 抗原結合性ドメインは腫瘍細胞上の適当な抗原に対して誘導され且つ特異的な モノクローナル抗体に由来する。 適当な抗原は、正常細胞に比べ、腫瘍細胞の表層上に多い、又はその上で特異 的に発現する抗原、例えば腫瘍細胞における一貫した遺伝改変に由来する抗原で ある。適当な抗原の例には、管上皮ムチン、gp36,TAG−72、成長因子レセプター 及びグリコスフィンゴ脂質、及び腫瘍細胞において優先的に発現されるその他の 炭水化物抗原が含まれる(以下の見出し「抗原及び抗体」を参照されたい)。管 上皮ムチンは乳、卵巣及び膵臓癌細胞上で多く発現され、そして例えばモノクロ ーナル抗体SM3 により認識される(Zotterら、Cancer Rev.11,55-101(1988)) 。糖タンパク質gp36はヒト白血病及びリンパ腫細胞の表層上で見い出せる。前記 抗原を認識する典型的な抗体はSN10である。TAG−72はモノクローナル抗体CC49 により認識される膵臓癌抗原である(Longenecker,Sem.Cancer Biol.2,355- 356)。成長因子レセプターは例えばヒト表皮成長因子(EGF)レセプター(Khaza ie ら、Cancer and Metastasis Rev.12,255-274(1993))及びerbB−2又はgp1 85 とも呼ばれているHER2(A.Ullrich and J.Schlessinger,Cell 61,203-21 2(1990))である。erbB−2レセプターはトランスメンブラン分子であり、これ はヒト癌腫において高い比率で過剰発現される(N.E.Hynes,Sem.,h Cancer Biol.4,19-26(1993))。正常成人組織におけるerbB−2の発現は低い。この発 現率の相違は、erbB−2レセプターを、「腫瘍増大」に相当すると特定する。 好ましくは、抗原結合性ドメインは免疫原として天然形態で抗原を表示する生 存ヒト腫瘍細胞を利用することにより生産されるモノクローナル抗体より獲得で きる。本発明の好適な態様において、キメラタンパク質の認識部分は成長因子レ セプター、特にHER2の細胞外ドメイン上の抗原決定基に特異的に結合する。HER2 成長因子に特異的なモノクローナル抗体は公知であり、そして例えばS.J.Mc K enzie ら、Oncogene 4,543-548(1990),R.M.Hudziakら、Molecular and Cellu lar Biology 9,1165-1172(1989)、国際特許出願WO89/06692(Gene tech)及び日 本国特許平2−150,293(味の素(株))により述べられている。天然形態でHER 2を表示する生存ヒト腫瘍細胞、例えばSKBR3細胞に対して生起させたモノクロ ーナル抗体は例えば引用することで本明細書に組入れるヨーロッパ特許出願EP− A−502,812 号(Ciba−Geigy)に記載され、そして抗体FRP5,FSP16,FSP77及びF WP51 が含まれる。これらの抗体を産生するハイブリドーマ細胞系はヨーロッパ ・コレクション・オブ・アニマル・セル・カルチャーズ(ECACC,PHLC Centre f or Applicd Microbiology X Research,Porton Down,Salisbury,UK)に1990年 11月21日に受託番号90112115,90112116,90112117及び90112118号のそれぞれで 寄託されている。 本発明のキメラタンパク質において、好適な抗原結合性ドメインは柔軟性リン カー(スペーサー)、好ましくはペプチドを介して重鎖可変ドメイン(VH)に 架橋した軽鎖可変ドメイン(VL)を含んで成る一本鎖組換抗体(scFv)である 。好都合には、このペプチドは約10〜約30個のアミノ酸、特に天然アミノ酸、例 えば約15個の天然アミノ酸より成る。好ましくは、ペプチドはL−グリシン及び L−セリンより選ばれるアミノ酸より成り、特に前記15個のアミノ酸ペプチドは Gly-Gly-Gly-Gly-Ser の3つの反復単位より成る。好都合には、VHが組換抗体 のN末端に位置する一本鎖抗体である。好ましくは、一本鎖抗体が上記の好適な 特異性を有するキメラタンパク質、例えば重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変ドメイ ンがモノクローナル抗体に由来する一本鎖組換抗体、例えばヒト成長因子レセプ ターHER2に特異的なマウスモノクローナル抗体、例えばFSP16,FSP77,FRP5及び FWP51 より成る群から選ばれるマウスモノクローナル抗体を含んで成るキメラタ ンパク質である。 抗体の重鎖又は軽鎖の可変ドメインはいわゆるフレームワーク領域(FR)(こ れは様々な種で抗体においてかなり保存されている)及び相補性決定領域(CDR )とも呼ばれる超可変領域(これは特定の特異性にとって一般的である)より成 る。本発明に従うキメラタンパク質の抗原結合性ドメインにおいて、好ましくは FRは哺乳動物、例えばマウス又は特にヒト抗体に由来する。モノクローナル抗体 のscFvは TCR/CD3複合体のζ鎖に結合している。 特に好ましくは、キメラタンパク質は、重鎖可変ドメインが次式のポリペプチ ドを含んで成る一本鎖組換抗体を含んで成る: FR1−CDR1H−FR2−CDR2H−FR3−CDR3H−FR4(I) (式中、このポリペプチド鎖はN末端で始まり、そしてC末端で終 わり、そしてFR1は少なくとも25〜29、好ましくは25〜33個のアミノ酸を含んで 成るペプチド残基であり、FR2は12〜16個の天然アミノ酸を含んで成るペプチド 残基であり、FR3は30〜34個の天然アミノ酸を含んで成るペプチド残基であり、F R4は少なくとも6〜10個、好ましくは6〜13個の天然アミノ酸を含んで成るペプ チド残基であり、 CDR1HはSEQ ID NO:2のアミノ酸配列31〜35のペプチド残基であり、 CDR2HはSEQ ID NO:2のアミノ酸配列50〜66のペプチド残基であり、そして CDR3HはSEQ ID NO:2のアミノ酸配列99〜108のペプチド残基であり、又は CDR1HはSEQ ID NO:4のアミノ酸配列31〜35のペプチド残基であり、 CDR2HはSEQ ID NO:4のアミノ酸配列50〜66のペプチド残基であり、そして CDR3HはSEQ ID NO:4のアミノ酸配列99〜109のペプチド残基であり、そして ここでアミノ酸Cys は酸化状態となってS−S結合を形成していてよい。これら の相補性決定領域は、SEQ ID NO:2に従うとAsn-Tyr-Gly-Met-Asn(CDR1H),Trp -Ile-Asn-Thr-Ser-Thr-Gly-Glu-Ser-Thr-Phe-Ala-Asp-Asp-Phe-Lys-Gly(CDR2H) 及びTrp-Glu-Val-Tyr-His-Gly-Tyr-Val-Pro-Tyr(CDR3H)であり又はSEQ ID NO: 4に従うとSer-Tyr-Trp-Met-Asn(CDR1H),Met-Ile-Asp-Pro-Ser-Asp-Ser-Glu-Th r-Gln-Tyr-Asn-Gln-Met-Phe-Lys-Asp(CDR2H)及びGly-Gly-Ala-Ser-Gly-Asp-Trp- Tyr-Phe-Asp-Val(CDR3H)である。 特に好ましいのは組換一本鎖抗体が、フレームワーク領域FR1,F R2,FR3及びFR4が好ましくは哺乳動物、特にマウス又はヒト抗体に由来する式I の重鎖可変ドメインを含んで成るキメラタンパク質である。 本発明の第一の態様において、最も好ましいのはキメラタンパク質、即ち、組 換一本鎖抗体の重鎖可変ドメインがSEQ ID NO:2のアミノ酸配列2〜120 のポ リペプチドを含んで成り、ここでアミノ酸配列2〜30(FR1),36〜49(FR2),67〜 98(FR3)及び/又は 110〜120(FR4)内の1又は複数個、例えば1,2,3又は4 個の単独アミノ酸が別のアミノ酸により置き換えられているか又は欠失しており 、そしてここでアミノ酸Cys が酸化状態となってS−S結合を形成していること のあるキメラタンパク質;特にキメラタンパク質、即ち重鎖可変ドメインがSEQ ID NO:2のアミノ酸配列6〜119のポリペプチドを含んで成り、ここでアミノ酸 Cys は酸化状態となってS−S結合を形成していることのあるキメラタンパク質 である。 第二の態様において、最も好ましいのはキメラタンパク質、即ち組換一本鎖抗 体の重鎖可変ドメインがSEQ ID NO:4のアミノ酸配列2〜120 のポリペプチド を含んで成り、ここでアミノ酸配列2〜30(FR1),36〜49(FR2),67〜98(FR3)及 び/又は110〜120(FR4)内の1又は複数個、例えば1,2,3又は4個の単独 アミノ酸が別のアミノ酸により置き換えられているか又は欠失しており、そして ここでアミノ酸Cys が酸化状態となってS−S結合を形成していることのあるキ メラタンパク質;特にキメラタンパク質、即ちSEQ ID NO:4のアミノ酸配列6 〜120 のポリペプチドを含んで成る重鎖可変ドメインをもち、アミノ酸Cys が酸 化状態となってS−S結合を形成していることのある組換抗体である。 例えば、フレームワーク内の疎水性アミノ酸は別のアミノ酸、好 ましくはそれも疎水性のアミノ酸、例えば同族アミノ酸により置き換えれていて よく、2個のアミノ酸により置き換えられていてよく(アミノ酸の挿入がもたら される)、又は欠失していてよい。同様に、フレームワーク内の親水性アミノ酸 は別のアミノ酸もしくは2個のアミノ酸により置き換えられていてよく、又は欠 失していてよく、ここでアミノ酸の置き換えは好ましくは対応のフレームワーク 領域の水素結合構造を維持させる。好都合には、1又は複数個のアミノ酸の任意 の置き換えは抗体の再構築又はヒト化のための当業界公知のガイドラインを考慮 する。特に有用なのは再構築抗体の免疫原性を低める(「オリジナル」モノクロ ーナル抗体と比べ)及び/又は「オリジナル」抗体の結合親和力にほぼ相当する 又はそれを超える抗体をデザインすることを狙いとするガイドラインである。ア ミノ酸の修飾は個々のFR、即ち、FR1,FR2,FR3もしくはFR4に制約してよく、又 はFRのうちの2つ、3つもしくは全てに関与してよい。 同様に好ましくは、本発明のキメラタンパク質は、軽鎖可変ドメインが次式の ポリペプチドを含んで成る一本鎖組換抗体を含んで成る: FR6−CDR1L−FR7−CDR2L−FR8−CDR3L−FR9(I) (式中、このポリペプチド鎖はN末端で始まり、そしてC末端で終わり、そして FR6は少なくとも19〜25、特に19〜23個のアミノ酸を含んで成るペプチド残基で あり、FR7は13〜17個の天然アミノ酸を含んで成るペプチド残基であり、FR8は30 〜34個の天然アミノ酸を含んで成るペプチド残基であり、FR9は天然アミノ酸、 特に7〜11個の天然アミノ酸を含んで成るペプチド残基であり、そして CDR1LはSEQ ID NO:2のアミノ酸配列158〜168のペプチド残基であり、 CDR2LはSEQ ID NO:2のアミノ酸配列 184〜190 のペプチド残基であり、そして CDR3LはSEQ ID NO:2のアミノ酸配列 223〜231 のペプチド残基であり、又は CDR1LはSEQ ID NO:4のアミノ酸配列 159〜164 のペプチド残基であり、 CDR2LはSEQ ID NO:4のアミノ酸配列 185〜191 のペプチド残基であり、そして CDR3LはSEQ ID NO:4のアミノ酸配列 224〜231 のペプチド残基であり、そして ここでアミノ酸Cys は酸化状態となってS−S結合を形成していてよい。これら の相補性決定領域は、SEQ ID NO:2に従うとLys-Ala-Ser-Gln-Asp-Val-Tyr-Asn -Ala-Val-Ala(CDR1L),Ser-Ala-Ser-Ser-Arg-Tyr-Thr(CDR2L)及びGln-Gln-His-P he-Arg-Thr-Pro-Phe-Thr(CDR3L)であり、又はSEQ ID NO:4に従うとLys-Ala-Se r-Gln-Asp-Ile-Lys-Lys-Tyr-Ile-Ala(CDR1L),Tyr-Thr-Ser-Val-Leu-Gln-Pro(CD R2L)及びLeu-His-Tyr-Asp-Tyr-Leu-Tyr-Thr(CDR3L)である。 特に好ましいのは組換抗体が、フレームワーク領域FR5,FR6,FR7及びFR8が好 ましくは哺乳動物、特にマウス又はヒト抗体に由来する式IIの重鎖可変ドメイン を含んで成るキメラタンパク質である。 本発明の第一の態様において、最も好ましいのはキメラタンパク質、即ち、組 換一本鎖抗体の軽鎖可変ドメインがSEQ ID NO:2のアミノ酸配列 135〜240 の ポリペプチドを含んで成り、ここでアミノ酸配列 135〜157(FR6),169〜183(FR7 ),191〜222(FR8)及び/又は 232〜240(FR9)内の1又は複数個、例えば1,2, 3又は 4個の単独アミノ酸が別のアミノ酸により置き換えられているか又は欠失してお り、そしてここでアミノ酸Cys が酸化状態となってS−S結合を形成しているこ とのあるキメラタンパク質;特にキメラタンパク質、即ち軽鎖可変ドメインがSE Q ID NO:2のアミノ酸配列 135〜240 のポリペプチドを含んで成り、ここでア ミノ酸Cys は酸化状態となってS−S結合を形成していることのあるキメラタン パク質である。 第二の態様において、最も好ましいのはキメラタンパク質、即ち組換抗体の軽 鎖可変ドメインがSEQ ID NO:4のアミノ酸配列 136〜240 のポリペプチドを含 んで成り、ここでアミノ酸配列 136〜158(FR6),170〜184(FR7),192〜223(FR8) 及び/又は232〜240(FR4)内の1又は複数個、例えば1,2,3又は4個の単独 アミノ酸が別のアミノ酸により置き換えられているか又は欠失しており、そして ここでアミノ酸Cys が酸化状態となってS−S結合を形成していることのあるキ メラタンパク質;特にキメラタンパク質、即ちSEQ ID NO:4のアミノ酸配列 13 6〜240 のポリペプチドを含んで成る軽鎖可変ドメインをもち、アミノ酸Cys が 酸化状態となってS−S結合を形成していることのある組換抗体である。 例えば、フレームワーク領域内のアミノ酸は重鎖に関して上記した通りに別の アミノ酸に置き換えられているか、又は欠失していてよい。 特に好ましいのは重鎖可変ドメインと軽鎖可変ドメインとが10〜30個、例えば 約15個のアミノ酸より成るスペーサー基を介して連結されている一本鎖組換抗体 、特に次式のポリペプチド FR1−CDR1H−FR2−CDR2H−FR3−CDR3H−FR4−Sp −FR6−CDR1L−FR7−CDR2L−FR8−CDR3L−FR9 (III) (式中、このポリペプチド鎖はN末端から始まってC末端で終わり 、そしてFR1,CDR1H,FR2,CDR2H,FR3,CDR3H,FR4,FR6,CDR1L,FR7,CDR2L ,FR8,CDR3L及びFR9は上記と同じ意味を有し、そしてSpは上記したペプチドス ペーサーである)を含んで成る一本鎖組換抗体である。 この抗原結合性ドメインは、所定の腫瘍細胞抗原に対する特異性に関して、当 業界公知の方法により、例えば高レベルで抗原を発現する細胞の免疫蛍光染色に より、直接的又は免疫沈殿を介する免疫ブロッティング及び免疫複合体のタンパ ク質ブロッティングにより、又はその他のイムノアッセイ、例えば結合、交差阻 害もしくは競合ラジオもしくは酵素イムノアッセイにより、試験することができ うる。抗原結合性ドメインの結合親和性は公知の技術及び原理に基づいて当業者 により簡単に樹立されうる適当な定量アッセイを利用して決定されうる。所望す るなら、抗原結合性ドメインの親和力は適当な対照抗体、例えばそれが誘導され た「親」モノクローナルマウス抗体の親和力と比較してよい。 抗原結合性ドメインに加え、本発明のキメラタンパク質は抗原結合性ドメイン とζドメインとの間の短い柔軟性つなぎ鎖として挿入されたヒンジ領域を含んで 成る。このヒンジ領域は約40〜約200 個の天然アミノ酸、好ましくは約60〜約19 0 個のアミノ酸を含んで成るペプチドである。好ましくは、本発明に係るキメラ タンパク質におけるヒンジ領域はイムノグロブリン様ヒンジ領域、例えばCD4分 子に由来するヒンジ領域、例えばD3D4イムノグロブリンドメイン(P.J.Maddon ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA.84,9155-9159(1987))又はCD8α分子に由 来するヒンジ領域、例えはLyt−2(R.Zomoyska ら、Cell 43,153-163(1985 );B.J.Classon ら、Int.Immunol.4,2,215-225(1992))である。SEQ ID No.7に記載のアミノ酸配列において、ヒンジ領域(Lyt−2)は 245位のアミノ 酸から 304位のアミノ酸にまで及ぶ。 抗原結合性ドメイン及びヒンジ領域に加え、本発明のキメラタンパク質はキメ ラタンパク質のトランスメンブラン及びシグナル生成ドメインに寄与する機能性 ζドメインを含んで成る。機能性ζドメインは本質的にトランスメンブラン及び ζ鎖の細胞質ドメインを含んで成る。特異的な抗原との本発明のキメラタンパク 質の抗原結合性ドメインとの相互作用によるTCR のζドメイン媒介式活性化はい くつかのシグナル生成経路、例えば上記したものを誘引する。TCR 内で、ζはζ ζジスルフィドホモダイマーとして存在する。機能性ζドメインは、内因性ζ発 現を欠くT細胞ハイブリドーマの中での発現に基づいて前記ハイブリドーマにお いて機能的に活性なTCR を、例えば抗原誘発化インターロイキン−2分泌及び増 殖刺激が復帰するように復活させることのできるタンパク質である(S.Frankら 、Science 249,174-177(1990))。機能性ζドメインの例にはマウスのアミノ酸 28〜164(A.M.Weissmann,Science 239,1018-1021(1988))及びヒトζ鎖のア ミノ酸28〜163(番号付けはA.M.Weissmann ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 8 5,9709-9713(1988)図2に従う;これは引用することで本明細書に組入れる) を含んで成る分子を含むが含まれる。本発明の目的のために利用されるζタンパ ク質は変異体を含むことを意図しており、ただしこれらの変異体は機能的である ことを条件とする。好ましいのは哺乳動物の変異体、特にマウス及びヒト起源の ものである。 例えば、変異体は特定の物質内に見い出せるζ分子の天然変異体である。かか る変異体は同一遺伝子族の近縁遺伝子又は特定の遺伝子の対立変異体によりコー ドされうる。「変異体」なる語には、インビトロ突然変異誘発にかけられたDNA から産生可能な修飾ζ分子を包括し、ただしこのDNA によりコードされるタンパ ク質が真性ζ 分子の機能活性を有することが条件とされる。かかる修飾は1又は数個のアミノ 酸の付加、交換及び/又は欠失より成ってよく、その最後は短くなった変異体を もたらす。 本発明の好適なキメラタンパク質はSEQ ID No.7に示すアミノ酸配列を有する タンパク質を含んで成る。 更に、本発明は本発明のタンパク質に特異的に結合するポリクローナル及びモ ノクローナル抗体に関する。かかる抗体は当業界周知の慣用の方法に従って調製 される。 本発明のキメラタンパク質は、本発明のタンパク質を産生する以下に更に定義 する適当な宿主細胞をインビトロ又はインビボで増殖させ、そして所望するなら そのタンパク質を単離することを特徴とする周知の方法により調製されうる。好 ましくは、本発明のタンパク質は、このタンパク質をコードするDNA 構築体の発 現を可能とする条件下で適当な形質転換CTL を培養する方法により生産され、そ して任意的にこのタンパク質の機能を検出するアッセイを実施する。本発明は更 に、プロモーターと、このプロモーターにより管理された前記タンパク質をコー ドするDNA とを含んで成る発現カセットを含むベクターで形質転換された適当な 宿主細胞、特にCTL を前記DNA の発現を可能とする条件下で培養することを含ん で成る本発明のキメラタンパク質の製造方法に関する。本発明の好適なキメラタ ンパク質はscFv、ヒンジ領域及び機能性ζ分子を含むように構築する。本発明の キメラタンパク質を生産するための方法は、形質転換宿主細胞に標的細胞を溶解 させるのに十分な量でタンパク質を生成すべきである。 適当な宿主細胞には例えば一次細胞障害性Tリンパ球(CD8+)、CD4+Tヘル パー細胞及びナチュラルキラー細胞(NK)が含まれる。好ましいのは哺乳動物細 胞、特に哺乳動物、特にヒト起源のCT L である。 本明細書で用いているインビトロは生体外を意味し、それ故細胞培養条件を含 む。 例えば、インビトロでの哺乳動物細胞の増殖は慣用の標準培養培地である適当 な培養培地、例えばダルベッコの改良イーグル培地(DMEM)又はRPMI培地であっ て、任意的に哺乳動物血清、例えば胎児牛血清又は微量元素及び増殖維持添加剤 、例えばフィーダー細胞の補充された培地の中で実施する。 本発明はまたTリンパ球の認識特異性を増強させるのに適当な組換DNA 又はDN A 構築体にも関する。より詳しくは、本発明は認識機能、ヒンジ領域及びTCR の シグナル生成成分としてのζ鎖を含んで成るキメラタンパク質の合成を誘導する ことのできるDNA 構築体を提供する。特に、本発明は抗原結合性ドメイン、ヒン ジ領域及びζドメインを含んで成るキメラタンパク質をコードするDNA 構築体、 特に上記で好適であると記載したタンパク質部をコードする少なくとも一種のポ リヌクレオチドを含んで成るDNA 構築体を提供する。好適な配列において、この 抗原結合性ドメインを第一部、ヒンジ領域を第二部、そしてζ鎖を第三部とする 。 定義によれば、本発明のDNA には一本鎖コードDNA 、このコードDNA とそれに 対して相補性のDNA とより成る二本鎖DNA 、又はそれらの相補性(一本鎖)DNA 自身が含まれる。 好都合には、本発明のDNA 構築体は第四部を含んで成り、それは第一部(抗原 結合性ドメイン)の上流に位置し、そしてリーダーペプチドをコードする。好ま しくは、本発明のDNA 構築体の第四部はイムノグロブリン(Ig)遺伝子のリーダ ーペプチド、例えばIg重鎖リーダーペプチドをコードする。このIg重鎮リーダー ペプチドは新生ポリペプチドの小胞体の内腔に対するターゲッティングを促進す る。これはその後切断され、そしてタンパク質はゴルジ及び膜を介して選別され 、そしてそのトランスメンブラン位置に行く。特に好ましいのは次の配列を有す るリーダーペプチドである:Met-Ala-Trp-Val-Trp-Thr-Leu-Leu-Phe-Leu-Met-Al a-Ala-Ala-Lys-Val-Pro-Lys。 好ましいのは、SEQ ID No.7に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質をコー ドするDNA 、例えばSEQ ID No.5に示すヌクレオチド配列を有するDNA を含んで 成るDNA である。SEQ ID No.7に示すDNA 配列は以下の特徴を有する: 配列の説明:5’−EcoRI−IgH 鎖リーダーD6/12−scFv(FRP5): Lyt−2− ヒンジ:CD3−ゼータ(トランスメンブラン(TM)及び細胞質(Cyt))−EcoRI −3’ 5’EcoRI部位 1位 3’EcoRI部位 1474位 AGT 開始 40位 TAA 停止 1423位 IGH 鎖リーダー 40〜93位 scFv(FRP5) 94〜819 位 Lyt−2ヒンジインサート XbaI(819位)〜 XbaI(1005位) ゼータインサート XbaI(1005位)〜 EcoRI(1474位) 当業界では、当業者は本明細書で供される記載情報により本発明のDNA 分子を 合成できるであろう。本発明のDNA 構築体を獲得するための適当な方法は、例え ばいくつかのオリゴヌクレオチドの合成、例えばPCR(ポリメラーゼ連鎖反応) を利用する特異的な遺伝子配列の増幅、所望のDNA 配列を得るためのそれらのス プライシング並 びに/又はDNA 制限酵素及びリガーゼの利用を含んで成る当業界公知の方法を含 む。本発明のDNA は化学的方法と組換方法との組合せにより合成されうる。 本発明は更に本発明のDNA 構築体を含んで成るベクター、例えばレトロウィル スベクターに関する。 更に、本発明はMHC 非依存式に及びMHC 非制限式に標的腫瘍細胞を破壊するこ とのできる遺伝子操作された形質転換CTL を提供する。本発明に従い、CTL は本 発明の上記のキメラタンパク質を産生する。このCTL は本発明のDNA により形質 転換されており、それ故前記DNA を発現することができ、そして前記DNA により コードされるタンパク質を生産できる。標的腫瘍細胞の破壊は、このようにして 作られたタンパク質が機能的であることを必要とする。即ち前記タンパク質の抗 原結合性ドメインが標的腫瘍細胞を認識してそれに結合することができなければ ならず、そしてζドメインがCTL 内で所望のシグナルを誘引できなければならな い。本発明のCTL は導入したDNA の発現を(好適に)可能とする条件下で培養し 、そして所望するなら、その生産についてアッセイする。前記DNA の長期化及び 高揚した発現性が好ましい。 更に、本発明は、前記T−リンパ球に認識機能体、スペーサードメイン及びTC R のシグナル生成成分としてのζ鎖を含んで成るDNA 構築体を導入することによ り規定のMHC 非依存型且つMHC 非制限型腫瘍細胞特異性を有するCTL を供するた めの方法を提供する。このDNA 構築体は当業者に自明のDNA 導入法、例えばベク ター系、例えばウィルス又は非ウィルスベクター系の手段によりCTL に導入でき うる。適当なウィルスベクターにはレトロウィルス、アデノウィルス及びアデノ 関連ウィルスベクターが含まれる。この方法はインビボ及びインビトロ刺激の双 方に適用できる。インビトロ適用が好ま しい。 T−リンパ球を前記DNA 構築体の発現を可能とする慣用の条件下で培養し、そ してその生産についてアッセイする。前記DNA の長期化及び高揚した発現性が好 ましい。好都合には、CTL をIL−2の存在下で培養する。本発明の形質転換CTL は適当なマーカーに対して選定してよい。例えば、形質転換CTL は、本発明のDN A構築体をレトロウィルスベクターを介して導入するなら、同時形質転換したneo 耐性マーカーに対して選定されうる。 更に、本発明は本発明の形質転換CTL を含んで成る課題の組成物に関する。か かる組成物は例えば本発明のタンパク質を産生する形質転換CTL を、許容される 、例えば薬理学的に許容される担体と一緒に又は混合されて含んで成る。かかる 担体は固体又は液体担体でよい。この組成物は、例えば患者の身体から取り出さ れた組成物(例えば体液又は組織)中の所定の標的細胞を殺すために生体外で使 用してよい。標的細胞を殺した後(それはチェックすべきである)、その組成物 を患者に身体に再導入する。即ち、本発明の組成物は腫瘍の処置又は補助処置の ために利用できうる。 更に、本発明は、前記腫瘍細胞を本発明のキメラタンパク質産生CTL と接触さ せることを含んで成る、選定の腫瘍細胞を溶解するための方法を提供する。イン ビトロ及びインビボ刺激の双方において適用できるこの方法においては、腫瘍細 胞は本発明のキメラタンパク質の一部である抗原結合性ドメインにより標的とさ れる。 曝露及び相互作用をインビボで行うときは特に宿主自体のCTL を使用すること が好ましいが、しかし適当なら、CTL はその他の起源に由来するものであってよ い。その他の起源は、例えば組織培養物又は同一もしくは異なる種の哺乳動物で ある。 CTL は哺乳動物の身体全体で見い出される(組織リンパ系及び血 液)。適当なCTL を選定し、そして哺乳動物から取り出す。例えば、CTL はIL− 2の存在下でインビトロで培養したCD8+末梢リンパ球として選定される。他方 、遺伝子形質転換のために未選定の末梢リンパ球が使用される。所望するなら、 例えば刺激化CTL の数を増やすために宿主を処理してよい。 本発明は更に、本発明の遺伝子操作したCTL の利用を含んで成る癌の処置方法 に関する。この方法は、選定の腫瘍細胞を本発明のキメラタンパク質産生CTL に 曝露することを含んで成る。CTL 媒介型溶解の促進のための本法のインビトロ( 生体外を意味する)用途は、癌の処置を必要とする哺乳動物、特にヒトから取り 出した腫瘍細胞の特異的処置でありうる。その例は、患者、例えば放射線処置を 受けている患者から取り出した骨髄から、その骨髄を再導入する前に、腫瘍細胞 を排除するための本発明のCTL の利用であろう。腫瘍細胞と本発明のCTL との相 互作用の結果として、この腫瘍細胞は溶解する。癌を処置する方法をインビボで 実施するなら、それは本発明の形質転換CTL を、処置すべき哺乳動物、特にヒト の身体に再導入することを更に含んで成りうる。本発明のDNA を発現するCTL は 例えば癌の処置を必要とする哺乳動物の中でのDNA のインビボ形質転換により生 産できることも考えられる。 本発明は更に、癌の処置方法において利用するための前記CTL を含んで成る本 発明のCTL 又は組成物に関する。 本発明は特に実施例に記載の特定の態様(例えばタンパク質、DNA,CTL及びそ の調製方法)に関する。以下の実施例は本発明を例示し、それを限定するもので はない。略語 :FCS:胎児牛血清;LDH:乳酸デヒドロゲナーゼ;mAb:モノクローナル抗 体;MoMLV:モロニーマウス白血病ウィルス;MoMLV−LTR:モロニーマウス白血 病ウィルス長期末端リピート;scFv :一本鎖抗体;SDS−PAGE:ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電 気泳動。材料及び方法 細胞系及び培養条件 クローン96(C196)はC57BL/6マウス由来のH−2Kd−制限型細胞障害性T 細胞系である(K.Eichmann ら、J.Immunol.147,2075-2081(1991))。C196及 び感染体を、10%のFCS(Boehringer),5×の10-5Mの2−メルカプトエタノー ル、10mMのHEPES,2mMのL−グルタミン及びマウスIL−2cDNAで感染させたX63A g8−653 プラストサイトマ細胞より獲得した3%のコンディション済み上清液( H.Karasuyama and F.Melchers,Eur.J.Immunol.18,97-104(1988))の添加 されたダルベッコ改良イーグル培地(DMEM,Gibco)の中に維持した。ヒト白血病 T細胞系ジャーカット、レトロウィルスパッケージング細胞系ΩE(J.P.Morg enstern and H.Land,Nuc.Acids Res.18,3587-3596(1990))及びP317(A.D .Miller and G.J.Rosman,Biotechniques 7,980-990(1989))及び感染体、 並びに活性化ヒトerbB−2レセプターをトランスフェクションしたマウス線維芽 細胞系NIH3T3#3.7 を10%のFCS の添加されたDMEMの中で培養した。HC11R1#11 は、10%のFCS,10ng/mlの表皮成長因子及び5μg/mlのインスリンの添加され たRPMI 1640(Gibco)の中で増殖させたヒトerbB−2プロト癌遺伝子のトランス フェクションしたマウス乳表皮細胞系である(N.E.Hynes ら、Mol.Cell.Bio l.10,4027-4034(1990))。実施例1scFv(FRP5):ヒンジ:ゼータ(ζ)cDNAの構築 認識機能体、スペーサードメイン及び TCR/CD3レセプター複合体のシグナル 生成成分としてのζ鎖より成るDNA を構築する。この認識機能体はscFvドメイン により寄与される。このドメインはモノ クローナル抗体FRP5に由来する(ヨーロッパ特許出願EP−A−502,812 号)。FR P5はerbB−2レセプターの細胞外ドメインに特異的である。scFv(FRP5)は15個 のアミノ酸リンカー配列(SEQ ID NO:2)により連結されたモノクローナル抗 体(mAb)重鎖及び軽鎖(VHとVL)の可変ドメインを含んで成る。このscFvドメ インはerbB−2レセプターの細胞外ドメインを認識できる(W.Welら、Biotechn ology 10,1128-1132(1992);W.Welsら、Cancer Res.15,6310-6317(1992) )。イムノグロブリン重鎖のリーダー配列をscFvドメインのN末端に付加する。 scFv(FRP5)cDNAをCD8α遺伝子のイムノグロブリン様ヒンジ領域由来の59個の アミノ酸をコードする短いリンカー配列にライゲーションする(R.Zomoyska ら 、Cell 43, 153-163(1985))。トランスメンブラン及びシグナル生成ドメインは TCR のζ鎖により寄与される。この鎖はTCR 活性化を経たシグナル変換を司る。 erbB−2分子の細胞外ドメインに特異的な一本鎖抗体FRP5をコードするcDNA( SEQ ID NO:1)をイムノグロブリン重鎖リーダー(LIgH)を含むプラスミドの 中にサブクローニングする:ζcDNA及びCD8αヒンジcDNAは共に、逆転写及びポ リメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)の組合せを利用し、細胞障害性T細胞系C196の全R NA から誘導される。MoMLV 逆転写酵素を第1鎖cDNA合成のために用いる。これ らの反応は3’ζ−特異的オリゴヌクレオチド5813(SEQ ID NO:6)又は3’C D8α−特異的オリゴヌクレオチド8764(SEQ ID NO:7)のそれぞれにより誘導 する。これらのcDNAはPCR 鋳型として用い、ζプライマーペアー5812/5813(SE Q ID NO:8及び6)は5’XbaI部位及び3’HindIII/BglII部位を導入し、そ してCD8αヒンジプライマーペアー8763−8764(SEQID NO:10及び8)は両端に XbaI部位を導入する。LIgH-scFv(FRP5)DNA を融合用の XbaI部位を用い、アミノ酸残基28(A.M.Weissmanら、Science239,1018-1021 (1988))から始まるζcDNAにライゲーションする。アミノ酸残基 105〜164(番号 付けはR.Zomoyska ら、Cell 43,153-163(1985)に従う)をコードするCD8α ヒンジcDNAを次に XbaI部位の中に挿入し、そして正しい配向についてチェック する。得られるscFv:ヒンジ:ζcDNA構築体(SEQ ID No.7)を完全DNA 配列決 定により確認し、そして最後にpLXSN レトロウィルスベクターの固有EcoRI部位 (A.D.Miller and G.J.Rosman、前掲)にサブクローニングし、pL(scFv(F RP5):ヒンジ:ζ)SN構築体を得る。DNA の発現は5’MoMLV−LTR により管理 される。このプラスミドはSV40早期プロモーター(SN)により機能するネオマイ シン耐性用選択マーカーも担持する。pL(scFv:D3/D4:ζ)SNのクローニング 第1分子デザインはつなぎ鎖としてマウス Lyt−2又はCD8α分子の比較的短 く、且つ柔軟性のイムノグロブリンヒンジ様領域を含み、第2デザインはマウス L3T4又はCD4分子のD3及びD4として表示されている2つの膜近傍イムノグロブリ ン様ドメインをより長い、且つより硬質なスペーサーとして包括する(S.J.Cl ark ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84,1649-1653(1987))。D3/D4をコード するcDNAは pcd−L3T4 4.25 プラスミドDNA を用いるPCR により獲得される(D .R.Litlman and S.N.Getlnev,Nature 325,453-455(1987))。特異的なプ ライマーペアー#8761/#8762はCD4分子のアミノ酸残基 184〜370 についての コード配列を増幅し(P.J.Maddonら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84,9155-9 159(1987)),cDNAの両端に XBaI制限部位を導入する。その生成物をpL(FZ)SN ベクターの XbaI部位にサブクローニングする。インサートの適正な配向につい てチェックした後、得られる構築体の配列同一性をDN A 配列決定により確認する。pL(F4Z)SN の構造を図1に示す。 L3T4/CD4D3/D4 cDNAの増幅用プライマー: 「上流」−5’Lyt−2/CD8−特異的オリゴヌクレオチド#87611) 「下流」−3’Lyt−2/CD8−特異的オリゴヌクレオチド#87621) 1)XbaI制限部位に下線を付した。実施例2レトロウィルス遺伝子導入後のscFv(FRP5):ヒンジ:ζDNA の発現 pLXSN ベクター系は細胞障害性T細胞への形質転換後にscFv(FRP5):ヒンジ :ζDNAの効率的な合成を誘導することができ、そして感染細胞のG418選定を可 能とする。確立したマウスCTL 系C196を実施例1のpL(scFv(FRP)5:ヒンジ:ζ )SN構築体で感染せしめる。 エコトロピックパッケージング細胞系ΩEをリン酸カルシウム沈殿によりpL( scFv(FRP5):ヒンジ:ζ)SNプラスミドDNA でトランスフェクションする。ト ランスフェクションした細胞はネオマイシン類似体G418(ゲニチシン、1mg/ml ,Gibco)の存在下で安定的に選択される。ウィルス上清液をG418耐性ヘルパー 細胞のプールから48時間後に回収し、そして8mg/mlのポリブレンの存在下で両 性(アンホトロビック)パッケージング細胞系PA317 を感染するのに用いる。高 力価生産クローン細胞系を 1.0mg/mlのG418含有培地の中での選択により誘導す る。これらの生産細胞系の上清液をC196細胞を感染するために用いる。scFv(FR P5):ヒンジ:ζDNA の高発現率のために選択した感染細胞のクローンを誘導し 、そしてキメラ 細胞表層タンパク質の生産についてアッセイする(実施例3)。クローンCFYZ.1 は 1.0mg/mlのG418の中での増殖により誘導される。ジャーカット細胞を同じ手 順を利用して感染させ、クローンJFYZ.4を 2.0mg/mlのG418の中での増殖により 誘導する。実施例3細胞表層タンパク質の生化学的特性決定 a)形質転換CTL により産生された。キメラscF(FRP5):ヒンジ:ζタンパク 質の SDS−PAGE分析 実施例2の選定クローンを細胞表層ビオチニル化し、溶解し、そして抗ζmAb で免疫沈殿させる。表層ビオチニル化のため、3×107個の生存細胞をビワ(biw a)バッファー(PBS,1mMのMgCl2,0.1mMのCaCl2)の中で3回洗い、そしてビワ バッファー中の 1.5mlのスルホ−NHS ビオチン(Pierce,0.5mg/ml)の中に再懸 濁させる。これらの細胞をクエンチングバッファー(ビワバッファー中の25mMの L−リジン)の中で3回洗い、そしてプロテアーゼインヒビターカクテルの添加 された1%のNP−40,150mM のNaCl,50mMのトリス/HCl pH8.0,5mMのEDTA,1m MのPMSF含有バッファーの中で溶解させる。核形成後(postnuclear)リゼートを プロテインA Sepharose(Pharmacia)で一夜かけて清浄化する。免疫沈殿はζ 鎖のヒト及びマウスCOOH末端を認識する3mgのζ特異的mAb H146-968の添加、3 時間のインキュベーション、その後のプロテインA Sepharoseとの1時間のイン キュベーションにより実施する。沈殿物をNET−TON(650mMのNaCl,5mMのEDTA ,50mMのトリス/HCl,0.5%のトリトンX−100,1mg/mlのオバルブミン)の 中で4回洗う。脱グリコシル化のため、沈殿物を5%のSDS の中で10%の2−メ ルカプトエタノール入りで又は抜きで 100℃で変性させ、次いで、2.000Uの PN Gase F(Biolabs)と37℃で1時間インキュベートする。サンプルを非還元又は 還元ラエムリ・サンプルバッファーのいづれかの中で煮沸 し、そして5〜20%の SDS−PAGE勾配ゲルにわたって電気泳動させる。このタン パク質をPVDF膜(Milliporc)に転写し、そして5%の脱脂粉乳(Fluka)を含むPBS- T(PBS,0.4%の Tween−20)の中でブロッキングする。この膜を西洋ワサビペ ルオキシダーゼ−ストレプトアビジンを含む PBS−T(HRP−Strep,Southern B iotechnology,1:5.000)と1時間インキュベートする。洗浄後、この膜を PB S−Tの中で7分にわたり4回洗い、そのブロットを ECL−ケモルミネッセンス 試薬(Amersham)を用いて発色させる。還元条件下での免疫沈殿物の SDS−PAGE 分析は、感染細胞のリゼートに由来する約48〜65KDa の見かけ上の分子量を有す る一連のバンドを表示するが(クローンCFYZ.1)、親細胞のリゼート(C196細胞 )においては表示はない。48KDのバンドは48.7KDの算定分子量を有するscFv(FR P5):ヒンジ:ζタンパク質に相当する。前記タンパク質のアミノ酸配列をSEQ ID NO:5に示す。この配列表において、mAb FRP5由来の認識部は6位のアミノ 酸(Gln)から240位のアミノ酸(Ile)に及び、CD8α由来のヒンジ領域は245位 のアミノ酸(Ile)から304位のアミノ酸(Phe)に及び、そしてζ鎖は 307位の アミノ酸(Asp)から 443位のアミノ酸(Arg)に及ぶ。より高分子量の物質はsc Fv及びヒンジ領域の複雑なグリコシル化の結果として生ずる。エンドグリコシダ ーゼ PNGase Fによる脱グリコシル化は単純なタンパク質パターンをもたらし、 且つ約47KDa に至る見かけ上の分子量の低下をもたらす。内因性ζ鎖は非感染及 び感染細胞において16KDa のバンド(推定16.3KDa)として検出される。SDS−PA GE分析を非還元条件下で行ったとき、約96KDa の見かけ上の分子量を有するジス ルフィド−連結scFv:ヒンジ:ζホモダイマー及び約64KDa の見かけ上の分子量 を有する内因性ζを伴うscFv(FRP5):ヒンジ:ζ分子のヘテロダイマーが観察 される。PNGase F処理はこれら2本のバ ンドの分子量を若干小さくする。検出された32KDa のバンドはCTLの内因性ζ− ζホモダイマーに相当する。 b)scFv(FRP5):ヒンジ:ζタンパク質産生T細胞のフローサイトメトリー分 析 形質転換C196CTL 及び形質転換ジャーカット細胞におけるscFv(FRP5):ヒン ジ:ζタンパク質の細胞表層発現及びerbB−2レセプター結合能力をフローサイ トメトリーにより確認する。 5×105個の生存細胞(ジャーカット細胞、JFYZ.4細胞、C196細胞、CFYZ.1細 胞)の単一細胞懸濁物をerbB−2タンパク質の精製細胞外ドメイン(erbB−2ec d ;バキュロウィルス発現ベクターを用いてSf9昆虫細胞において発現;Disis ら、Cancer Res.54,16-20(1994))により1時間、次いで1%のBSA 及び 0.1 %のアジ化ナトリウムを含む 100μlのPBS の中でのFITCコンジュゲート化抗− erbB−2モノクローナル抗体FSP77(ヨーロッパ特許出願EP−A−502,812 号) により4℃で45分かけて染色する。ESP77 はerbB−2レセプターの細胞外ドメイ ンに対しても特異的であるが、しかしmAb FRP5由来の別のエピトープも認識する (I.M.Harweth ら、J.Biol.Chem.21,15160-15167(1992))。1万個の前方 散乱/側方散乱放出された生存細胞を獲得して分析し、フローサイトメーターは 形質転換T細胞JFYZ.4及びCFYZ.1に対するerbB−2レセプターの精製可溶性細胞 外ドメインの結合を示したが、非感染ジャーカット又はC196細胞に対しては示さ なかった。 ヒンジ領域はscFv成分に柔軟性及びアクセス性を供し、そしてscFvドメインに 対するerbB−2レセプターの細胞外ドメインの結合にとって必須不可決である。 CD4D3D4 の挿入も結合を可能とする。ヒンジ領域又はスペーサー抜きでζ鎖に対 するscFvドメインの直接融合を試験した構築体はerbB−2タンパク質に結合でき ない表層レセ プターをもたらす。実施例4scFv(FRP5):ヒンジ:ζ融合タンパク質のシグナル変換 適当なカルシウムキレート化性蛍光色素の負荷されたT細胞の細胞内カルシウ ム(Ca2+)濃度を可溶性erbB−2レセプターとのインキュベーションの後に測定 する。この目的のため、培養したJFYZ.4感染体及びジャーカット細胞を2%のFC S 及び5mMのインド−1/AM(Calbiochem)の添加されたRPMI 1640(M.Lopez ら、Cytometry 10,165-173(1989))の中で1×107/mlで懸濁し、そして37℃で4 5分回転させる。2回洗浄後、3×105個の細胞を氷の上で2mgの精製erbB−2ec d と共にインキュベートする。誘引は5mgの抗erbB−2 mAb FSP77の同時投与、 それに続くヤギ抗−マウスIg抗血清(GαM Ig,Southern Biotechnology)との架 橋により37℃で行う。コントロールとして、細胞を抗−ヒトCDEmAb(Serva)及 び GαM Igの添加により誘引する。カルシウムフラックスを405 及び 525nmでエ ミッションを測定することによりフローサイトメーターで15分かけてモニターす る。 架橋は、非感染細胞における抗CD3∈mAb とのCD3複合体の架橋により得られ るものと比べ、JFCZ.4細胞中では細胞内カルシウムの迅速上昇をもたらすが親ジ ャーカット細胞においてはもたらさない。これは細胞内シグナル生成が、細胞外 リガンドドメインを介するscFv(FRP5):ヒンジ:ζタンパク質の架橋に基づい て誘引されること及びscFv(FRP5):ヒンジ:ζタンパク質が機能的に活性であ ることを示す。実施例5インビトロ細胞障害アッセイ 感染C196(CFYZ.1)細胞の細胞障害活性をインビトロで決定する。 癌遺伝子で形質転換されたマウス NIH/3T3 繊維芽細胞及びヒトerbB−2レセ プターを発現するHC11表皮細胞(N.E.Hynes ら、前掲)を標的細胞として利用 する。これらの細胞からのLDH の放出を細胞溶解の尺度として用いる(T.Decke r and M.L.Lohmann-Matthes,J.Immunol.Methods 115,61-69(1988))。細 胞障害アッセイを組換マウスIL−2(rmIL−2、上記参照)含有の4%のコンデ ィション済み上清液の添加されたフェノールレッド・フリー培地の中で実施する 。一定数の標的細胞(7.500/ウェル)を一連の2倍系列エフェクター(CFYZ.1細 胞)に加え、次いで37℃及び5%のCO2で8時間インキュベーションする。希釈 は全て三重測定で行う。この上清液の50μlアリコートのLDH 含有量をCyto Tox 96アッセイ(Promega)を利用してアッセイする(T.Decker and M.L.Lohmann- Matthes、前掲)。0.4%のトリトンX−100 による標的細胞の溶解後に測定され るLDH 活性を 100%と考える。測定された実験値を、エフェクター及び標的細胞 からのLDH の自発的放出に対して補正する。scFv(FRP5):ヒンジ:ζ構築体を 発現する感染196 細胞は1〜10のエフェクター、対、標的の比においてerbB−2 発現 NIH/3T3 細胞又はHC11細胞を効率的に溶解する。ヒトerbB−2レセプター によりトランスフェクションされた表皮及び標的繊維芽細胞の溶解は、正常な抗 原特異的細胞障害とは区別できないほどに非MHC 制限式に起こる。反対に、細胞 溶解は親C196細胞をエフェクターとして用いるときに観察される。mAb FRP5及び 誘導scFvドメインはヒトerbB−2分子に対して特異的であり、そして双方の細胞 系において低レベルで発現するマウス同族体は認識しない。このため、非感染 N IH/3T3 細胞又はHC11細胞をscFv(FRP5):ヒンジ:ζ構築体発現T細胞とイン キュベートしたとき、細胞溶解は認められない。実施例6インビボ抗腫瘍活性 インビボでの形質転換CTL(感染化C196細胞)の抗腫瘍活性を評価するために2 通りの実験計画を利用する。第1計画においては、5×105個のNIH3T3#3.7 腫 瘍細胞を5×106個のCFYZ.1細胞又は親C196細胞と 0.1mlの培養培地の中で混合 し(1:10のエフェクター:標的の比)、そして直ちにBalb/cヌードマウス (H.J.Winn,J.Immunol.86,228-234(1961))の右わき腹に皮下注射(S.C. )する腫瘍の成長をノギス測定により追跡する。第2計画において、Balb/cヌ ードマウスの右わき腹に4×105個のNIH3T3#3.7 腫瘍細胞を接種する。4及び 5日目に、腫瘍が触診可能となったら、親C196細胞及びCFYZ.1細胞を尾静脈の中 に静脈注射する(0.2mlの培養培地中1×107個の細胞)。0.2mlのPBS 中の 500 UのrhIL−2(Hoffmann−La Roche)を4,5及び6日目に腹腔内投与する。腫 瘍の成長をノギス測定により追跡する。IL−2抜き及びIL−2抜きのNIH3T3#3. 7 細胞をコントロールとして注射する。各グループは5匹の動物より成る。ヒト erbB−2癌遺伝子により形質転換された NIH/3T3 細胞は、無胸腺Balb/cヌー ドマウスへの皮下注射の後に腫瘍の急速形成をもたらす。CFYZ.1感染体及び腫瘍 細胞の同時投与は腫瘍形成を7日間まで完全に抑制する。しかしながら、非感染 親C196細胞の投与は腫瘍細胞に対して何ら作用を及ぼさない。ヌードマウスをま ず NIH/3T3 −erbB−2腫瘍細胞で接種せしめ、次いで内因性IL−2と組合せて CFYZ.1細胞で処理したときに似たような結果が得られる。形質転換CTL の投与は 7日間にわたり腫瘍細胞の増殖を抑制しそれ故全身系インビボ作用を示す。これ らの細胞は別の部位に投与されたとき、活性化する腫瘍を休息させ、そしてその 細胞障害活性を発揮する能力を有す。 これらの結果は、形質転換CTL の特異性及び細胞障害エフェクター機構が、乳 、卵巣、胃及び結腸癌を含む数多くのヒト腺癌の病因 において重要な役割を果たす所定の表層抗原erbB−2レセプターに対して効率的 に再誘導されうることを示す。従って、標的化T細胞作用の原理は有用な治療的 アプローチと考えられ、そして一般に正常細胞よりも高レベルで表層抗原を発現 する腫瘍細胞の排除に適用可能である。このデザインは、scFv成分を交換し、そ してそれを特異的なモノクローナル抗体に由来する任意の現存の抗原認識機能体 に置き換えることにより、数多くの所望の特異性を有するCTL の作製を可能にす る。効率的な転写系、例えばレトロウィルスベクターの利用は、トランスフェク ションが容易でないタイプの細胞へのscFv:ヒンジ:ζDNA の移入を可能にする 。寄託データー: 抗体FRP5,FSP16,FSP77及びFWP51 を産生するハイブリドーマ細胞系はヨーロ ピアン−コレクション・オブ・アニマル・セル・カルチャーズ(ECACC,PHLS Ce ntre for Applied Miccobiology & Research,Porton Down,Salisbury,UK)に 1990年11月21日に受託番号90112115,90112116,90112117及び90112118でそれぞ れ寄託してある。 図面の簡単な説明 図1:pL(F4Z)SN レトロウィルスベクターの構造。CD4イムノグロブリン様 D3及びD4ドメインのアミノ酸残基番号 184〜370 をコードするcDNAをPCR により 誘導し、そしてpL(FX)SNベクターの XbaI部位の中にサブクローニングする。 融合境界のアミノ酸配列を一文字コードにおいて示す。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1996年3月13日 【補正内容】 請求の範囲 1.1)腫瘍細胞上の適当な抗原に対して特異的なモノクローナル抗体に由来 する抗原結合性ドメイン; 2)前記一本鎖抗体のVLドメインに連結された約40〜約200 個のアミノ酸を 含んで成るヒンジ領域;及び 3)前記ヒンジ領域に連結されたT細胞抗原レセプター(TCR)に由来する機能 性ゼータ(ζ)鎖; を含んで成る二価のタンパク質。 2.前記ヒンジ領域が前記一本鎖抗体のVLドメインのC末端に連結されてい る、請求項1記載の二価のタンパク質。 3.請求項1又は2記載の二価のタンパク質をコードするDNA 。 4.前記ヒンジ領域がイムノグロブリン様ヒンジ領域であるタンパク質をコー ドする請求項3記載のDNA 。 5.前記機能性ζ鎖がトランスメンブラン及び細胞質ドメインを含んで成るタ ンパク質をコードする請求項3又は4記載のDNA 。 6.請求項3〜5のいづれか1項記載のDNA を発現する宿主細胞。 7.細胞障害性リンパ球(CTL)である請求項6記載の宿主細胞。 8.選定の腫瘍細胞を請求項1記載のタンパク質を産生するCTL と接触させる ことを含んで成る、選定の腫瘍細胞を溶解する方法。 9.規定の MHC−非依存型及び MHC−非制限型腫瘍細胞を有するCTL を供する ための方法であって、前記CTL に請求項3〜5のいづれか1項記載のDNA を導入 することを含んで成る方法。 10.請求項1記載のタンパク質の製造のための方法であって、前記タンパク質 をコードするDNA の発現を可能にする条件下で請求項6記載の宿主細胞を培養す ることを含んで成る方法。 11.請求項6又は7記載の宿主細胞を含んで成る課題の組成物。 12.請求項7記載の宿主細胞の利用を含んで成る、癌の処置のための方法。 13.癌を処置するための方法において利用するための請求項7記載のCTL 。 14.請求項1又は2記載のタンパク質に特異的なポリクローナル又はモノクロ ーナル抗体。 15.請求項3〜5記載のDNA を含んで成るベクター。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C07H 21/04 9356−4H C07K 14/725 C07K 14/725 9356−4H 16/30 16/30 9356−4H 19/00 19/00 9637−4B C12P 21/02 C C12N 5/10 9284−4C A61K 39/395 E C12P 21/02 9284−4C T // A61K 39/395 9282−4B C12N 5/00 B 9051−4C A61K 37/02 (C12P 21/02 C12R 1:91) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CN,C Z,EE,FI,GE,HU,IS,JP,KG,KP ,KR,KZ,LK,LR,LT,LV,MD,MG, MN,MX,NO,NZ,PL,RO,RU,SG,S I,SK,TJ,TM,TT,UA,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.1)腫瘍細胞上の適当な抗原に対して特異的なモノクローナル抗体に由来 する抗原結合性ドメイン; 2)約40〜約200 個のアミノ酸を含んで成るヒンジ領域;及び 3)T細胞抗原レセプター(TCR)に由来する機能性ゼータ(ζ)鎖; を含んで成る二価のタンパク質。 2.1)腫瘍細胞上の適当な抗原に対して特異的なモノクローナル抗体に由来 する抗原結合性ドメイン; 2)約40〜約200 個のアミノ酸を含んで成るヒンジ領域;及び 3)T細胞抗原レセプター(TCR)に由来する機能性ゼータ(ζ)鎖; を含んで成る二価のタンパク質をコードするDNA 。 3.前記抗原結合性ドメインが一本鎖抗体、特にFRP5と命名された一本鎖抗体 (scFv(FRP5))であるタンパク質をコードする請求項2記載のDNA。 4.前記ヒンジ領域がイムノグロブリン様ヒンジ領域であるタンパク質をコー ドする請求項2又は3記載のDNA 。 5.前記機能性ζ鎖がトランスメンブラン及び細胞質ドメインを含んで成るタ ンパク質をコードする請求項2〜4のいづれか1項記載のDNA 。 6.請求項2〜5のいづれか1項記載のDNA を発現する宿主細胞。 7.細胞障害性リンパ球(CTL)である請求項6記載の宿主細胞。 8.選定の腫瘍細胞を請求項1記載のタンパク質を産生するCTL と接触させる ことを含んで成る、選定の腫瘍細胞を溶解する方法。 9.規定の MHC−非依存型及び MHC−非制限型腫瘍細胞を有するCTL を供する ための方法であって、前記CTL に請求項2〜4のいづれか1項記載のDNA を導入 することを含んで成る方法。 10.請求項1記載のタンパク質の製造のための方法であって、前記タンパク質 をコードするDNA の発現を可能にする条件下で請求項6記載の宿主細胞を培養す ることを含んで成る方法。 11.請求項6又は7記載の宿主細胞を含んで成る課題の組成物。 12.請求項7記載の宿主細胞の利用を含んで成る、癌の処置のための方法。 13.癌を処置するための方法において利用するための請求項7記載のCTL 。 14.請求項1記載のタンパク質に特異的なポリクローナル又はモノクローナル 抗体。 15.請求項2〜5記載のDNA を含んで成るベクター。
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