JPH0951204A - 誘電体フィルタ - Google Patents
誘電体フィルタInfo
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- JPH0951204A JPH0951204A JP20237895A JP20237895A JPH0951204A JP H0951204 A JPH0951204 A JP H0951204A JP 20237895 A JP20237895 A JP 20237895A JP 20237895 A JP20237895 A JP 20237895A JP H0951204 A JPH0951204 A JP H0951204A
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- dielectric
- dielectric filter
- conductive film
- conductive
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 制約無しに簡素な構成で小型化され得ると共
に、生産性が優れた安価な誘電体フィルタを提供するこ
と。 【解決手段】 この誘電体フィルタは、長手方向の中心
軸に沿って非貫通孔20を有すると共に、この非貫通孔
20を含む表面全体が導電性膜3で覆われた誘電体ブロ
ック10から成る誘電体同軸共振構造のもので、誘電体
ブロック10の外側面における非貫通孔20近傍の隣接
する二面には導電性膜3と電気的に絶縁されて形成され
た互いに対向する2つの入出力用電極4が二面に渡って
延在するように設けられている。ここで、非貫通孔20
は誘電体ブロック10の高さ方向に関して入出力用電極
4における接地面側に寄って設けられている。この誘電
体フィルタの場合、従来のλ/4誘電体同軸共振器にお
ける開放端面(非導電面)の相当部分が遮断されている
ため、電磁波の漏洩の発生が防止される。
に、生産性が優れた安価な誘電体フィルタを提供するこ
と。 【解決手段】 この誘電体フィルタは、長手方向の中心
軸に沿って非貫通孔20を有すると共に、この非貫通孔
20を含む表面全体が導電性膜3で覆われた誘電体ブロ
ック10から成る誘電体同軸共振構造のもので、誘電体
ブロック10の外側面における非貫通孔20近傍の隣接
する二面には導電性膜3と電気的に絶縁されて形成され
た互いに対向する2つの入出力用電極4が二面に渡って
延在するように設けられている。ここで、非貫通孔20
は誘電体ブロック10の高さ方向に関して入出力用電極
4における接地面側に寄って設けられている。この誘電
体フィルタの場合、従来のλ/4誘電体同軸共振器にお
ける開放端面(非導電面)の相当部分が遮断されている
ため、電磁波の漏洩の発生が防止される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として小型軽量
化が要求される移動体通信機器等に広く利用されると共
に、高周波の選択に用いられる誘電体同軸共振構造の誘
電体フィルタに関する。
化が要求される移動体通信機器等に広く利用されると共
に、高周波の選択に用いられる誘電体同軸共振構造の誘
電体フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般的な誘電体フィルタに用いら
れる誘電体共振器としては、図13に示すような構成の
ものが挙げられる。この誘電体共振器はλ/4同軸型の
もの(誘電体同軸共振器)で、誘電体ブロック1の中心
軸方向に貫通孔6が設けられ、この貫通孔6が露出され
た一端面を開放端面とすると共に、この開放端面を除い
て貫通孔6を含む誘電体ブロック1の表面全体を導電性
膜3で覆うことにより開放端面を非導電面5として成っ
ている。
れる誘電体共振器としては、図13に示すような構成の
ものが挙げられる。この誘電体共振器はλ/4同軸型の
もの(誘電体同軸共振器)で、誘電体ブロック1の中心
軸方向に貫通孔6が設けられ、この貫通孔6が露出され
た一端面を開放端面とすると共に、この開放端面を除い
て貫通孔6を含む誘電体ブロック1の表面全体を導電性
膜3で覆うことにより開放端面を非導電面5として成っ
ている。
【0003】即ち、この誘電体同軸共振器では、開放端
面には導電性膜が施されておらず、この非導電面5部分
は電磁エネルギー的に電界が最大となって電磁波の漏洩
が発生する。この電磁波の漏洩は周囲のデバイスに悪影
響を及ぼすので、通常は誘電体共振器を金属製ケースに
収納して少なくとも非導電面5(開放端面)付近を覆う
ことで電磁波の漏洩を遮断している。
面には導電性膜が施されておらず、この非導電面5部分
は電磁エネルギー的に電界が最大となって電磁波の漏洩
が発生する。この電磁波の漏洩は周囲のデバイスに悪影
響を及ぼすので、通常は誘電体共振器を金属製ケースに
収納して少なくとも非導電面5(開放端面)付近を覆う
ことで電磁波の漏洩を遮断している。
【0004】ところで、この誘電体同軸共振器を等価回
路で表わすと、図14に示されるようなキャパシタンス
C及びインダクタンスLの並列共振回路となるが、誘電
体同軸共振器の長さnはcを光速,fを共振周波数,ε
を材料の比誘電率とした場合、n=c/4f(εr )
1/2 なる関係で表わされる。従って、長さnを短くする
ためには誘電体材料の誘電率を上げる必要がある。
路で表わすと、図14に示されるようなキャパシタンス
C及びインダクタンスLの並列共振回路となるが、誘電
体同軸共振器の長さnはcを光速,fを共振周波数,ε
を材料の比誘電率とした場合、n=c/4f(εr )
1/2 なる関係で表わされる。従って、長さnを短くする
ためには誘電体材料の誘電率を上げる必要がある。
【0005】図15は、このような誘電体同軸共振器を
2個用いて構成した2素子型の誘電体フィルタを斜視図
により示したものである。
2個用いて構成した2素子型の誘電体フィルタを斜視図
により示したものである。
【0006】この誘電体フィルタでは、所定の接続用導
電部が設けられた回路基板8に対して各誘電体同軸共振
器を取り付け、非導電面5(開放端面)側における貫通
孔6の壁面の導電性膜3と接続用導電部の入出力端子7
とを接続することにより、各誘電体同軸共振器を結合さ
せて入出力信号の取り出しを行っている。
電部が設けられた回路基板8に対して各誘電体同軸共振
器を取り付け、非導電面5(開放端面)側における貫通
孔6の壁面の導電性膜3と接続用導電部の入出力端子7
とを接続することにより、各誘電体同軸共振器を結合さ
せて入出力信号の取り出しを行っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した誘電体同軸共
振器やそれを用いて誘電体フィルタを構成する場合、誘
電体同軸共振器の長さnや高さを短縮するためには誘電
体材料の変更を必要とすること,誘電体同軸共振器単独
で入出力及び結合の機能を構成することが困難であるた
めに回路基板を必要とすること,電磁波の漏洩の対策と
して金属製ケース等を用いなければならないこと等、様
々な制約事項がある。このため、これらの制約事項が誘
電体フィルタの小型化を具現する上で大きな弊害的要因
となっている。
振器やそれを用いて誘電体フィルタを構成する場合、誘
電体同軸共振器の長さnや高さを短縮するためには誘電
体材料の変更を必要とすること,誘電体同軸共振器単独
で入出力及び結合の機能を構成することが困難であるた
めに回路基板を必要とすること,電磁波の漏洩の対策と
して金属製ケース等を用いなければならないこと等、様
々な制約事項がある。このため、これらの制約事項が誘
電体フィルタの小型化を具現する上で大きな弊害的要因
となっている。
【0008】本発明は、このような問題点を解決すべく
なされたもので、その技術的課題は、制約無しに簡素な
構成で小型化され得ると共に、生産性が優れた安価な誘
電体フィルタを提供することにある。
なされたもので、その技術的課題は、制約無しに簡素な
構成で小型化され得ると共に、生産性が優れた安価な誘
電体フィルタを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、長手方
向の中心軸に沿って少なくとも1つの非貫通孔を有する
と共に、該非貫通孔を含む表面全体が導電性膜で覆われ
た誘電体ブロックから成る誘電体同軸共振構造の誘電体
フィルタであって、誘電体ブロックは、外側面における
非貫通孔近傍の隣接する二面に渡って延在すると共に、
導電性膜と電気的に絶縁されて形成された互いに対向す
る2つの入出力用電極を有する誘電体フィルタが得られ
る。
向の中心軸に沿って少なくとも1つの非貫通孔を有する
と共に、該非貫通孔を含む表面全体が導電性膜で覆われ
た誘電体ブロックから成る誘電体同軸共振構造の誘電体
フィルタであって、誘電体ブロックは、外側面における
非貫通孔近傍の隣接する二面に渡って延在すると共に、
導電性膜と電気的に絶縁されて形成された互いに対向す
る2つの入出力用電極を有する誘電体フィルタが得られ
る。
【0010】この誘電体フィルタにおいて、非貫通孔が
誘電体ブロックの高さ方向に関して入出力用電極におけ
る接地面側に寄って設けられることや、更に非貫通孔が
互いに露出面が揃うように平行して複数設けられると共
に、誘電体ブロックにおける複数の非貫通孔の間の近傍
に結合調整用空間部が設けられことは好ましい。
誘電体ブロックの高さ方向に関して入出力用電極におけ
る接地面側に寄って設けられることや、更に非貫通孔が
互いに露出面が揃うように平行して複数設けられると共
に、誘電体ブロックにおける複数の非貫通孔の間の近傍
に結合調整用空間部が設けられことは好ましい。
【0011】又、本発明によれば、長手方向の中心軸に
沿って少なくとも1つの非貫通孔を有すると共に、外側
面の一面を除いて該非貫通孔を含む表面全体が導電性膜
で覆われて該外側面の一面が非導電面を成す左右対称な
2つの誘電体ブロックを互いに該非導電面同士が突き合
わされ,且つ該非貫通孔の露出面が揃うように結合して
成る誘電体同軸共振構造の誘電体フィルタであって、2
つの誘電体ブロックは、それぞれ外側面における非導電
面に対向する他面を含む非貫通孔近傍の隣接する二面に
渡って延在すると共に、導電性膜と電気的に絶縁されて
形成された入出力用電極を有する誘電体フィルタが得ら
れる。
沿って少なくとも1つの非貫通孔を有すると共に、外側
面の一面を除いて該非貫通孔を含む表面全体が導電性膜
で覆われて該外側面の一面が非導電面を成す左右対称な
2つの誘電体ブロックを互いに該非導電面同士が突き合
わされ,且つ該非貫通孔の露出面が揃うように結合して
成る誘電体同軸共振構造の誘電体フィルタであって、2
つの誘電体ブロックは、それぞれ外側面における非導電
面に対向する他面を含む非貫通孔近傍の隣接する二面に
渡って延在すると共に、導電性膜と電気的に絶縁されて
形成された入出力用電極を有する誘電体フィルタが得ら
れる。
【0012】更に、本発明によれば、長手方向の中心軸
に沿って少なくとも1つの非貫通孔を有すると共に、外
側面の一面を除いて該非貫通孔を含む表面全体が導電性
膜で覆われて該外側面の一面が非導電面を成す左右対称
な2つの第1の誘電体ブロック間に対し、長手方向の中
心軸に沿って少なくとも1つの非貫通孔を有すると共
に、外側面の対向する一面及び該一面に対向する他面を
除いて該非貫通孔を含む表面全体が導電性膜で覆われて
該一面及び他面が非導電面を成す少なくとも1つの第2
の誘電体ブロックを互いに該非導電面同士が突き合わさ
れ,且つ該非貫通孔の露出面が揃うように結合して成る
誘電体同軸共振構造の誘電体フィルタであって、2つの
第1の誘電体ブロックは、それぞれ外側面における非導
電面に対向する他面を含む非貫通孔近傍の隣接する二面
に渡って延在すると共に、導電性膜と電気的に絶縁され
て形成された入出力用電極を有する誘電体フィルタが得
られる。
に沿って少なくとも1つの非貫通孔を有すると共に、外
側面の一面を除いて該非貫通孔を含む表面全体が導電性
膜で覆われて該外側面の一面が非導電面を成す左右対称
な2つの第1の誘電体ブロック間に対し、長手方向の中
心軸に沿って少なくとも1つの非貫通孔を有すると共
に、外側面の対向する一面及び該一面に対向する他面を
除いて該非貫通孔を含む表面全体が導電性膜で覆われて
該一面及び他面が非導電面を成す少なくとも1つの第2
の誘電体ブロックを互いに該非導電面同士が突き合わさ
れ,且つ該非貫通孔の露出面が揃うように結合して成る
誘電体同軸共振構造の誘電体フィルタであって、2つの
第1の誘電体ブロックは、それぞれ外側面における非導
電面に対向する他面を含む非貫通孔近傍の隣接する二面
に渡って延在すると共に、導電性膜と電気的に絶縁され
て形成された入出力用電極を有する誘電体フィルタが得
られる。
【0013】これらの誘電体フィルタにおいて、非貫通
孔が誘電体ブロックの高さ方向に関して入出力用電極に
おける接地面側に寄って互いに平行して設けられること
や、誘電体ブロックにおける非貫通孔の間の近傍に結合
調整用空間部が設けられることは好ましい。
孔が誘電体ブロックの高さ方向に関して入出力用電極に
おける接地面側に寄って互いに平行して設けられること
や、誘電体ブロックにおける非貫通孔の間の近傍に結合
調整用空間部が設けられることは好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に実施例を挙げ、本発明の誘
電体フィルタについて、図面を参照して詳細に説明す
る。
電体フィルタについて、図面を参照して詳細に説明す
る。
【0015】図1は、本発明の実施例1に係る誘電体フ
ィルタの外観構成を斜視図により示したものである。
又、図2は、この誘電体フィルタの基本構成を説明する
ために示したもので、同図(a)は端面方向における正
面図に関するもの,同図(b)は図1中のA−A´矢視
方向における側面断面図に関するものである。
ィルタの外観構成を斜視図により示したものである。
又、図2は、この誘電体フィルタの基本構成を説明する
ために示したもので、同図(a)は端面方向における正
面図に関するもの,同図(b)は図1中のA−A´矢視
方向における側面断面図に関するものである。
【0016】この誘電体フィルタは、長手方向の中心軸
に沿って非貫通孔2を有すると共に、この非貫通孔2を
含む表面全体が導電性膜3で覆われた誘電体ブロック1
0から成る誘電体同軸共振構造のもので、誘電体ブロッ
ク10の外側面における非貫通孔2近傍の隣接する二面
には導電性膜3と電気的に絶縁されて形成された互いに
対向する2つの入出力用電極4が二面に渡って延在する
ように設けられている。ここで、非貫通孔2は誘電体ブ
ロック10の高さ方向に関して入出力用電極4における
接地面側に寄って設けられている。
に沿って非貫通孔2を有すると共に、この非貫通孔2を
含む表面全体が導電性膜3で覆われた誘電体ブロック1
0から成る誘電体同軸共振構造のもので、誘電体ブロッ
ク10の外側面における非貫通孔2近傍の隣接する二面
には導電性膜3と電気的に絶縁されて形成された互いに
対向する2つの入出力用電極4が二面に渡って延在する
ように設けられている。ここで、非貫通孔2は誘電体ブ
ロック10の高さ方向に関して入出力用電極4における
接地面側に寄って設けられている。
【0017】即ち、この誘電体フィルタは、誘電体ブロ
ック10を基体とする1素子型のもので、図13に示し
たような従来のλ/4誘電体同軸共振器における開放端
面(非導電面)より発生した電磁波の漏洩を対策するた
めに開放端面を誘電体同軸共振器より高い誘電率の誘電
体板で遮断した構造,即ち、誘電体ブロック10に非貫
通孔2を設けて表面全体を導電性膜3で覆った構造とし
ている。
ック10を基体とする1素子型のもので、図13に示し
たような従来のλ/4誘電体同軸共振器における開放端
面(非導電面)より発生した電磁波の漏洩を対策するた
めに開放端面を誘電体同軸共振器より高い誘電率の誘電
体板で遮断した構造,即ち、誘電体ブロック10に非貫
通孔2を設けて表面全体を導電性膜3で覆った構造とし
ている。
【0018】図3は、この誘電体同軸共振構造の誘電体
フィルタを等価回路で表わしたものである。一般に図1
4に示した従来の誘電体同軸共振器の等価回路ではキャ
パシタンスCとインダクタンスLとの並列共振回路で等
価的に構成されるが、ここでの誘電体フィルタの等価回
路ではその並列共振回路におけるキャパシタンスCに対
応するキャパシタンスC1に対して更にキャパシタンス
C2で示されるキャパシタンスC´を並列に付加した形
となる。因みに、キャパシタンスC3,C4は入出力用
電極4に対応するものである。
フィルタを等価回路で表わしたものである。一般に図1
4に示した従来の誘電体同軸共振器の等価回路ではキャ
パシタンスCとインダクタンスLとの並列共振回路で等
価的に構成されるが、ここでの誘電体フィルタの等価回
路ではその並列共振回路におけるキャパシタンスCに対
応するキャパシタンスC1に対して更にキャパシタンス
C2で示されるキャパシタンスC´を並列に付加した形
となる。因みに、キャパシタンスC3,C4は入出力用
電極4に対応するものである。
【0019】ここでの誘電体フィルタのように誘電体ブ
ロック10に非貫通孔2が設けられ、表面全体が導電性
膜3で覆われた誘電体同軸共振構造の場合、その共振器
の長さは並列付加されたキャパシタンスC´が機能する
ため、図13に示したような一般的な誘電体同軸共振器
の長さnと比べて短くすることができる。
ロック10に非貫通孔2が設けられ、表面全体が導電性
膜3で覆われた誘電体同軸共振構造の場合、その共振器
の長さは並列付加されたキャパシタンスC´が機能する
ため、図13に示したような一般的な誘電体同軸共振器
の長さnと比べて短くすることができる。
【0020】具体的に云えば、図14に示した誘電体同
軸共振器の等価回路では、共振周波数fがf=1/2π
(LC)1/2 なる関係で表わされ、しかも上述したn=
c/4f(εr )1/2 の関係から判るように、共振器の
長さnは共振周波数fに反比例しているが、これに対し
て図3に示す誘電体フィルタの等価回路では、共振周波
数f′がf′=1/2π[L(C−C′)]1/2 なる関
係[但し(C−C′)≠0]で表わされ、ここでf<
f′であることにより、非貫通孔2の奥行きの長さをn
´とした場合、n>n´となることが判る。
軸共振器の等価回路では、共振周波数fがf=1/2π
(LC)1/2 なる関係で表わされ、しかも上述したn=
c/4f(εr )1/2 の関係から判るように、共振器の
長さnは共振周波数fに反比例しているが、これに対し
て図3に示す誘電体フィルタの等価回路では、共振周波
数f′がf′=1/2π[L(C−C′)]1/2 なる関
係[但し(C−C′)≠0]で表わされ、ここでf<
f′であることにより、非貫通孔2の奥行きの長さをn
´とした場合、n>n´となることが判る。
【0021】即ち、図2(b)中には誘電体ブロック1
0の各部寸法として、導電性膜3の分を含む高さb,導
電性膜3の分を含まない非貫通孔2の径a,導電性膜3
の分を含む底面から導電性膜3の分を含まない非貫通孔
2縁までの厚さ(中心導体−入出力接地間距離)d,導
電性膜3の分を含む非貫通孔2の奥行きの長さn´,導
電性膜3の分を含まない非貫通孔2の止まり面(底面)
から導電性膜3の分を含む誘電体ブロック10の片端面
までの厚さtが示されているが、このうちの厚さd分を
長さn´に加えた長さが共振器全体の長さになる。但
し、共振器全体の長さにおいて短縮効果が大きい部分,
即ち、キャパシタンスC′が大きいところではd<(n
−n´)なる関係が成立するので、全体の長さとしても
従来よりも短縮可能になる。
0の各部寸法として、導電性膜3の分を含む高さb,導
電性膜3の分を含まない非貫通孔2の径a,導電性膜3
の分を含む底面から導電性膜3の分を含まない非貫通孔
2縁までの厚さ(中心導体−入出力接地間距離)d,導
電性膜3の分を含む非貫通孔2の奥行きの長さn´,導
電性膜3の分を含まない非貫通孔2の止まり面(底面)
から導電性膜3の分を含む誘電体ブロック10の片端面
までの厚さtが示されているが、このうちの厚さd分を
長さn´に加えた長さが共振器全体の長さになる。但
し、共振器全体の長さにおいて短縮効果が大きい部分,
即ち、キャパシタンスC′が大きいところではd<(n
−n´)なる関係が成立するので、全体の長さとしても
従来よりも短縮可能になる。
【0022】図4は、この誘電体フィルタの電磁界分布
を従来のλ/4誘電体同軸共振器の電磁界分布と比較し
て説明するために示したもので、同図(a)は実施例1
の誘電体フィルタに関するもの,同図(b)は図13に
示す従来の誘電体同軸共振器に関するものである。
を従来のλ/4誘電体同軸共振器の電磁界分布と比較し
て説明するために示したもので、同図(a)は実施例1
の誘電体フィルタに関するもの,同図(b)は図13に
示す従来の誘電体同軸共振器に関するものである。
【0023】ここでは、実施例1の誘電体フィルタの場
合、図4(a)に示されるように電磁波が共振器内に閉
じ込められて漏れが生じないが、従来の誘電体同軸共振
器の場合、図4(b)に示されるように片端面側が非導
電面(開放端面)5であり、開放端面では電界が最大で
あるために開放端面からの電磁波の漏洩が生じているこ
とが判る。
合、図4(a)に示されるように電磁波が共振器内に閉
じ込められて漏れが生じないが、従来の誘電体同軸共振
器の場合、図4(b)に示されるように片端面側が非導
電面(開放端面)5であり、開放端面では電界が最大で
あるために開放端面からの電磁波の漏洩が生じているこ
とが判る。
【0024】ところで、誘電体ブロック10の表面全体
を覆った導電性膜3は、銀や銅等のメッキやペースト等
の焼付け等を施すことによっても形成できるが、ここで
は銀ペーストによる焼付けを行って形成されており、そ
の側面の一つが底面として基板実装面に接地されるよう
になっている。入出力用電極4は誘電体ブロック10の
表面実装を考慮して基板実装面に当接する部分が導電性
膜3と電気的に絶縁した状態でパターンによって形成さ
れているが、例えば単板コンデンサを貼りつける等の他
の方法によっても形成することができる。
を覆った導電性膜3は、銀や銅等のメッキやペースト等
の焼付け等を施すことによっても形成できるが、ここで
は銀ペーストによる焼付けを行って形成されており、そ
の側面の一つが底面として基板実装面に接地されるよう
になっている。入出力用電極4は誘電体ブロック10の
表面実装を考慮して基板実装面に当接する部分が導電性
膜3と電気的に絶縁した状態でパターンによって形成さ
れているが、例えば単板コンデンサを貼りつける等の他
の方法によっても形成することができる。
【0025】誘電体ブロック10の材料としては、比誘
電率εr が90,中心周波数f0 が1490MHz,非
貫通孔2の径aが1mm,高さbが3mmのものを作製
した。又、図13に示したような従来の誘電体同軸共振
器を同様な材料,中心周波数,寸法で考慮した場合、そ
の共振器の長さnは5.3mmとなるが、実施例1の非
貫通孔2を有する共振器ではtが1mmである場合に長
さn´が4mmとなり、全体の長さがn´+t=5mm
となるため、寸法的に約5%短縮されている。
電率εr が90,中心周波数f0 が1490MHz,非
貫通孔2の径aが1mm,高さbが3mmのものを作製
した。又、図13に示したような従来の誘電体同軸共振
器を同様な材料,中心周波数,寸法で考慮した場合、そ
の共振器の長さnは5.3mmとなるが、実施例1の非
貫通孔2を有する共振器ではtが1mmである場合に長
さn´が4mmとなり、全体の長さがn´+t=5mm
となるため、寸法的に約5%短縮されている。
【0026】因みに、図5は非貫通孔2を有する誘電体
ブロック10における中心導体−入出力接地間距離dと
高さbとの実験的に得られた相関特性を示したものであ
り、中心導体−入出力接地間距離d及び高さbはここで
の相関特性に従って可変させることができる。
ブロック10における中心導体−入出力接地間距離dと
高さbとの実験的に得られた相関特性を示したものであ
り、中心導体−入出力接地間距離d及び高さbはここで
の相関特性に従って可変させることができる。
【0027】上述したように、実施例1の誘電体フィル
タは、従来の誘電体同軸共振器及び回路基板を要して構
成される誘電体フィルタとは異なり、特別な制約無く簡
素に小型で構成可能になっている。
タは、従来の誘電体同軸共振器及び回路基板を要して構
成される誘電体フィルタとは異なり、特別な制約無く簡
素に小型で構成可能になっている。
【0028】図6は、本発明の実施例2に係る誘電体フ
ィルタの基本構成を示したもので、同図(a)は一部透
視した斜視図に関するもの,同図(b)は一部透視した
分解斜視図に関するものである。
ィルタの基本構成を示したもので、同図(a)は一部透
視した斜視図に関するもの,同図(b)は一部透視した
分解斜視図に関するものである。
【0029】この誘電体フィルタは、長手方向の中心軸
に沿って非貫通孔2を有すると共に、外側面の一面を除
いて非貫通孔2を含む表面全体が導電性膜3で覆われて
外側面の一面が非導電面5を成す左右対称な2つの誘電
体ブロック11a,11bを互いに非導電面5同士が突
き合わされ,且つ非貫通孔2の露出面が揃うように結合
して成る誘電体同軸共振構造のもので、各誘電体ブロッ
ク11a,11bにはそれぞれ外側面における非導電面
5に対向する他面を含む非貫通孔2近傍の隣接する二面
に導電性膜3と電気的に絶縁されて入出力用電極4が二
面に渡って延在して形成されている。
に沿って非貫通孔2を有すると共に、外側面の一面を除
いて非貫通孔2を含む表面全体が導電性膜3で覆われて
外側面の一面が非導電面5を成す左右対称な2つの誘電
体ブロック11a,11bを互いに非導電面5同士が突
き合わされ,且つ非貫通孔2の露出面が揃うように結合
して成る誘電体同軸共振構造のもので、各誘電体ブロッ
ク11a,11bにはそれぞれ外側面における非導電面
5に対向する他面を含む非貫通孔2近傍の隣接する二面
に導電性膜3と電気的に絶縁されて入出力用電極4が二
面に渡って延在して形成されている。
【0030】即ち、この誘電体フィルタは、2つの誘電
体ブロック11a,11bを結合して成る2素子型のも
ので、各誘電体ブロック11a,11bの外側面の一面
にそれぞれ非導電面5が設けられているが、この非導電
面5は隣接する共振器同士の結合の強さに応じて例えば
図7,図8に示すようにそれぞれ外側面の一面において
異なる大きさで局部的に設けるようにして、残りの部分
を導電性膜3で覆うようにすることもできる。
体ブロック11a,11bを結合して成る2素子型のも
ので、各誘電体ブロック11a,11bの外側面の一面
にそれぞれ非導電面5が設けられているが、この非導電
面5は隣接する共振器同士の結合の強さに応じて例えば
図7,図8に示すようにそれぞれ外側面の一面において
異なる大きさで局部的に設けるようにして、残りの部分
を導電性膜3で覆うようにすることもできる。
【0031】各誘電体ブロック11a,11bは導電性
膜3の無い非導電面5同士でエポキシ系の接着剤によっ
て結合されるが、結合の手法は基板実装時の半田付けに
耐え得る程度の耐熱性を持てば特に問わない。尚、図
7,図8に示したように非導電面5が一側面全体でなく
部分的に設けられる場合には接合強度を保てる程度に半
田による接合を行っても良い。又、各誘電体ブロック1
1a,11bの結合に際しては容量性結合される程度に
近接して配置するだけでも良いが、こうした場合には別
途に電磁波の漏洩を防止する措置を採る方が好ましい。
何れにしても各誘電体ブロック11a,11bはそれら
の側面の一つが底面として基板実装面に接地され、導電
性膜3で覆われていない部分同士で容量性結合によって
結合された従属接続となる。
膜3の無い非導電面5同士でエポキシ系の接着剤によっ
て結合されるが、結合の手法は基板実装時の半田付けに
耐え得る程度の耐熱性を持てば特に問わない。尚、図
7,図8に示したように非導電面5が一側面全体でなく
部分的に設けられる場合には接合強度を保てる程度に半
田による接合を行っても良い。又、各誘電体ブロック1
1a,11bの結合に際しては容量性結合される程度に
近接して配置するだけでも良いが、こうした場合には別
途に電磁波の漏洩を防止する措置を採る方が好ましい。
何れにしても各誘電体ブロック11a,11bはそれら
の側面の一つが底面として基板実装面に接地され、導電
性膜3で覆われていない部分同士で容量性結合によって
結合された従属接続となる。
【0032】ここでも各誘電体ブロック11a,11b
には入出力用電極4が設けられ、非貫通孔2が各誘電体
ブロック11a,11bの高さ方向に関して入出力用電
極4における接地面側に寄って設けられているが、入出
力用電極4の大きさをW×nx として中心導体−入出力
接地間距離dを用いた場合、そのときのキャパシタスC
はεo を真空の誘電率とすれば、C=εo ・εr ・(W
nx /d)なる関係で表わされる。これにより、誘電体
フィルタを小型化にするには比誘電率εr を大きく,中
心導体−入出力接地間距離dを小さくする必要がある。
従って、誘電体材料の比誘電率εr を一定のままで容量
を大きくするためには、中心導体の中心軸を接地面側に
移動するように成し、接地間容量を大きくすれば良い。
には入出力用電極4が設けられ、非貫通孔2が各誘電体
ブロック11a,11bの高さ方向に関して入出力用電
極4における接地面側に寄って設けられているが、入出
力用電極4の大きさをW×nx として中心導体−入出力
接地間距離dを用いた場合、そのときのキャパシタスC
はεo を真空の誘電率とすれば、C=εo ・εr ・(W
nx /d)なる関係で表わされる。これにより、誘電体
フィルタを小型化にするには比誘電率εr を大きく,中
心導体−入出力接地間距離dを小さくする必要がある。
従って、誘電体材料の比誘電率εr を一定のままで容量
を大きくするためには、中心導体の中心軸を接地面側に
移動するように成し、接地間容量を大きくすれば良い。
【0033】このような実施例2の誘電体フィルタも、
従来の誘電体同軸共振器及び回路基板を要して構成され
る誘電体フィルタとは異なり、特別な制約無く簡素に小
型で構成可能になっている。
従来の誘電体同軸共振器及び回路基板を要して構成され
る誘電体フィルタとは異なり、特別な制約無く簡素に小
型で構成可能になっている。
【0034】図9は、本発明の実施例3に係る誘電体フ
ィルタの基本構成を示したもので、同図(a)は一部透
視した斜視図に関するもの,同図(b)は一部透視した
分解斜視図に関するものである。
ィルタの基本構成を示したもので、同図(a)は一部透
視した斜視図に関するもの,同図(b)は一部透視した
分解斜視図に関するものである。
【0035】この誘電体フィルタは、長手方向の中心軸
に沿って非貫通孔2を有すると共に、外側面の一面を除
いて非貫通孔2を含む表面全体が導電性膜3で覆われて
外側面の一面が非導電面5を成す左右対称な2つの第1
の誘電体ブロック12a,12b間に対し、長手方向の
中心軸に沿って非貫通孔2を有すると共に、外側面の対
向する一面及びこの一面に対向する他面を除いて非貫通
孔2を含む表面全体が導電性膜3で覆われて一面及び他
面が非導電面5を成す第2の誘電体ブロック12cを互
いに非導電面5同士が突き合わされ,且つ非貫通孔2の
露出面が揃うように結合して成る誘電体同軸共振構造の
もので、2つの第1の誘電体ブロック12a,12bに
はそれぞれ外側面における非導電面5に対向する他面を
含む非貫通孔2近傍の隣接する二面に導電性膜3と電気
的に絶縁されて入出力用電極4が二面に渡って延在して
形成されている。
に沿って非貫通孔2を有すると共に、外側面の一面を除
いて非貫通孔2を含む表面全体が導電性膜3で覆われて
外側面の一面が非導電面5を成す左右対称な2つの第1
の誘電体ブロック12a,12b間に対し、長手方向の
中心軸に沿って非貫通孔2を有すると共に、外側面の対
向する一面及びこの一面に対向する他面を除いて非貫通
孔2を含む表面全体が導電性膜3で覆われて一面及び他
面が非導電面5を成す第2の誘電体ブロック12cを互
いに非導電面5同士が突き合わされ,且つ非貫通孔2の
露出面が揃うように結合して成る誘電体同軸共振構造の
もので、2つの第1の誘電体ブロック12a,12bに
はそれぞれ外側面における非導電面5に対向する他面を
含む非貫通孔2近傍の隣接する二面に導電性膜3と電気
的に絶縁されて入出力用電極4が二面に渡って延在して
形成されている。
【0036】即ち、この誘電体フィルタは、2つの第1
の誘電体ブロック12a,12b間に第2の誘電体ブロ
ック12cを結合して成る3素子型のもので、2つの第
1の誘電体ブロック12a,12bがそれぞれ実施例2
で説明した各誘電体ブロック11a,11bと同じ構成
になっており、第2の誘電体ブロック12cが対向する
両側面に非導電面5を有し,且つ入出力用電極4を有し
ない異なる構成となっている。このため、第2の誘電体
ブロック12cを2個以上使用すれば4素子型以上の誘
電体フィルタも構成可能である。又、ここでの各誘電体
ブロック12a,12b,12cに関しても、図7,図
8に示したように非導電面5を各側面全体でなく部分的
に設けることができる。
の誘電体ブロック12a,12b間に第2の誘電体ブロ
ック12cを結合して成る3素子型のもので、2つの第
1の誘電体ブロック12a,12bがそれぞれ実施例2
で説明した各誘電体ブロック11a,11bと同じ構成
になっており、第2の誘電体ブロック12cが対向する
両側面に非導電面5を有し,且つ入出力用電極4を有し
ない異なる構成となっている。このため、第2の誘電体
ブロック12cを2個以上使用すれば4素子型以上の誘
電体フィルタも構成可能である。又、ここでの各誘電体
ブロック12a,12b,12cに関しても、図7,図
8に示したように非導電面5を各側面全体でなく部分的
に設けることができる。
【0037】この誘電体フィルタにおいても、各誘電体
ブロック12a,12b,12cは何れも側面の一つが
底面として基板実装面で接地され、導電性膜3で覆われ
ていない部分同士で容量性結合によって結合された従属
接続となる。
ブロック12a,12b,12cは何れも側面の一つが
底面として基板実装面で接地され、導電性膜3で覆われ
ていない部分同士で容量性結合によって結合された従属
接続となる。
【0038】この実施例3の誘電体フィルタも従来の誘
電体同軸共振器及び回路基板を要して構成される誘電体
フィルタとは異なり、特別な制約無く簡素に小型で構成
可能になっている。
電体同軸共振器及び回路基板を要して構成される誘電体
フィルタとは異なり、特別な制約無く簡素に小型で構成
可能になっている。
【0039】図10は、本発明の実施例4に係る誘電体
フィルタの基本構成を示したもので、同図(a)は一部
透視した斜視図に関するもの,同図(b)は同図(a)
中のA−A´矢視方向における側面断面図に関するもの
である。
フィルタの基本構成を示したもので、同図(a)は一部
透視した斜視図に関するもの,同図(b)は同図(a)
中のA−A´矢視方向における側面断面図に関するもの
である。
【0040】この誘電体フィルタは1つの誘電体ブロッ
ク13に2つの非貫通孔2が設けられたもので、実施例
2で説明した2素子型の誘電体フィルタが一体的に形成
された形態になっている。
ク13に2つの非貫通孔2が設けられたもので、実施例
2で説明した2素子型の誘電体フィルタが一体的に形成
された形態になっている。
【0041】ここでも各非貫通孔2を含む誘電体ブロッ
ク13の表面全体は導電性膜3で覆われ、入出力用電極
4が導電性膜3と電気的に絶縁された状態で設けられて
いるが、誘電体ブロック13に形成された2つの非貫通
孔2はそれぞれ短縮されたλ/4共振構造を形成してい
る。
ク13の表面全体は導電性膜3で覆われ、入出力用電極
4が導電性膜3と電気的に絶縁された状態で設けられて
いるが、誘電体ブロック13に形成された2つの非貫通
孔2はそれぞれ短縮されたλ/4共振構造を形成してい
る。
【0042】このλ/4共振同士の結合の強さは、例え
ば図11に示される誘電体ブロック14のように、非貫
通孔2間にこれらに揃って平行する導電性膜3を欠いた
結合調整用長孔9aを形成したり、或いは図12に示さ
れる誘電体ブロック15のように、ブロック表面の対向
する側面にそれぞれ長手方向に沿って延在する導電性膜
3を有する結合調整用溝9bを形成することによって調
整可能である。尚、このような結合調整用長孔9aや結
合調整用溝9b等の結合調整用部の形成に際しては、結
合調整用長孔9aであれば貫通されていても非貫通状態
であっても良いし、結合調整用溝9bであれば導電性膜
3で覆われていないものとしたり、或いは誘電体ブロッ
ク15に対して導電性膜3の無い部分を作るだけのもの
としても良く、何れの場合も適宜結合強度に合わせて選
択することが可能である。
ば図11に示される誘電体ブロック14のように、非貫
通孔2間にこれらに揃って平行する導電性膜3を欠いた
結合調整用長孔9aを形成したり、或いは図12に示さ
れる誘電体ブロック15のように、ブロック表面の対向
する側面にそれぞれ長手方向に沿って延在する導電性膜
3を有する結合調整用溝9bを形成することによって調
整可能である。尚、このような結合調整用長孔9aや結
合調整用溝9b等の結合調整用部の形成に際しては、結
合調整用長孔9aであれば貫通されていても非貫通状態
であっても良いし、結合調整用溝9bであれば導電性膜
3で覆われていないものとしたり、或いは誘電体ブロッ
ク15に対して導電性膜3の無い部分を作るだけのもの
としても良く、何れの場合も適宜結合強度に合わせて選
択することが可能である。
【0043】この実施例4の誘電体フィルタも、従来の
誘電体同軸共振器及び回路基板を要して構成される誘電
体フィルタとは異なり、特別な制約無く簡素に小型で構
成可能になっている。
誘電体同軸共振器及び回路基板を要して構成される誘電
体フィルタとは異なり、特別な制約無く簡素に小型で構
成可能になっている。
【0044】尚、上述した実施例2や実施例3で説明し
た結合による2素子型や3素子型(或いは4素子型以上
のもの)の誘電体フィルタに対しても、必要に応じて実
施例4で説明した誘電体フィルタにおける結合調整用部
を各非貫通孔間近傍に形成しても良い。又、上述した各
実施例1〜4では、基板表面に対して実装し易いように
各誘電体ブロック10,11a,11b,12a,12
b,12c,13,14,15の形状として角柱状のも
のを使用した場合を説明したが、例えば円筒等のその他
の形状のものにしても同様な効果が得られる。
た結合による2素子型や3素子型(或いは4素子型以上
のもの)の誘電体フィルタに対しても、必要に応じて実
施例4で説明した誘電体フィルタにおける結合調整用部
を各非貫通孔間近傍に形成しても良い。又、上述した各
実施例1〜4では、基板表面に対して実装し易いように
各誘電体ブロック10,11a,11b,12a,12
b,12c,13,14,15の形状として角柱状のも
のを使用した場合を説明したが、例えば円筒等のその他
の形状のものにしても同様な効果が得られる。
【0045】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、誘電体同軸共振器の長さや高さを短縮できる上、従
来のように別付けの回路基板や入出力端子,或いは金属
ケース等を用いること無く、特別な制約無く簡素に小型
で高性能な誘電体フィルタが構成可能になる。特に、構
造的に金属ケースを要すること無く電磁波の漏洩を防止
できることは最も顕著な長所であり、しかも部品点数が
減少されていることにより、生産性の飛躍的な向上と低
コスト化の具現とが計られるようになる。又、2素子型
以上の誘電体フィルタを一体的な誘電体ブロックにその
数に対応する非貫通孔を設けて構成可能にしているた
め、この構成の場合には一層生産性の向上が計られるよ
うになる。
ば、誘電体同軸共振器の長さや高さを短縮できる上、従
来のように別付けの回路基板や入出力端子,或いは金属
ケース等を用いること無く、特別な制約無く簡素に小型
で高性能な誘電体フィルタが構成可能になる。特に、構
造的に金属ケースを要すること無く電磁波の漏洩を防止
できることは最も顕著な長所であり、しかも部品点数が
減少されていることにより、生産性の飛躍的な向上と低
コスト化の具現とが計られるようになる。又、2素子型
以上の誘電体フィルタを一体的な誘電体ブロックにその
数に対応する非貫通孔を設けて構成可能にしているた
め、この構成の場合には一層生産性の向上が計られるよ
うになる。
【図1】本発明の実施例1に係る誘電体フィルタの外観
構成を透視して示した斜視図である。
構成を透視して示した斜視図である。
【図2】図1に示す誘電体フィルタの基本構成を説明す
るために示したもので、(a)は端面方向における正面
図に関するもの,(b)は図1中のA−A´矢視方向に
おける側面断面図に関するものである。
るために示したもので、(a)は端面方向における正面
図に関するもの,(b)は図1中のA−A´矢視方向に
おける側面断面図に関するものである。
【図3】図1に示す誘電体フィルタの等価回路を示した
ものである。
ものである。
【図4】図1に示す誘電体フィルタ及び従来の誘電体フ
ィルタに用いられる誘電体同軸共振器の電磁界分布を説
明するために示したもので、(a)は実施例1の誘電体
フィルタに関するもの,(b)は従来のλ/4誘電体同
軸共振器に関するものである。
ィルタに用いられる誘電体同軸共振器の電磁界分布を説
明するために示したもので、(a)は実施例1の誘電体
フィルタに関するもの,(b)は従来のλ/4誘電体同
軸共振器に関するものである。
【図5】図1に示す誘電体フィルタの誘電体ブロックに
おける中心導体−入出力接地間距離と高さとの実験的に
得られた相関特性を示したものである。
おける中心導体−入出力接地間距離と高さとの実験的に
得られた相関特性を示したものである。
【図6】本発明の実施例2に係る誘電体フィルタの基本
構成を示したもので、(a)は透視斜視図に関するも
の,(b)は透視分解斜視図に関するものである。
構成を示したもので、(a)は透視斜視図に関するも
の,(b)は透視分解斜視図に関するものである。
【図7】図6に示す誘電体フィルタの誘電体ブロックに
おける外側面の一面に設けられる非導電面の他例を示し
たものである。
おける外側面の一面に設けられる非導電面の他例を示し
たものである。
【図8】図6に示す誘電体フィルタの誘電体ブロックに
おける外側面の一面に設けられる非導電面の別例を示し
たものである。
おける外側面の一面に設けられる非導電面の別例を示し
たものである。
【図9】本発明の実施例3に係る誘電体フィルタの基本
構成を示したもので、(a)は透視斜視図に関するも
の,(b)は透視分解斜視図に関するものである。
構成を示したもので、(a)は透視斜視図に関するも
の,(b)は透視分解斜視図に関するものである。
【図10】本発明の実施例4に係る誘電体フィルタの基
本構成を示したもので、(a)は透視斜視図に関するも
の,(b)は(a)中のA−A´矢視方向における側面
断面図に関するものである。
本構成を示したもので、(a)は透視斜視図に関するも
の,(b)は(a)中のA−A´矢視方向における側面
断面図に関するものである。
【図11】図10に示す誘電体フィルタに結合調整用部
を形成した場合の一例を示した透視斜視図である。
を形成した場合の一例を示した透視斜視図である。
【図12】図10に示す誘電体フィルタに結合調整用部
を形成した場合の他例を示した透視斜視図である。
を形成した場合の他例を示した透視斜視図である。
【図13】従来の誘電体フィルタに用いられるλ/4誘
電体同軸共振器の外観構成を示した透視斜視図である。
電体同軸共振器の外観構成を示した透視斜視図である。
【図14】図13に示す誘電体同軸共振器を等価回路で
表わしたものである。
表わしたものである。
【図15】図13に示す誘電体同軸共振器を2個用いて
構成した2素子型の誘電体フィルタの外観構成を示した
斜視図である。
構成した2素子型の誘電体フィルタの外観構成を示した
斜視図である。
1,10,11a,11b,12a,12b,12c,
13,14,15 誘電体ブロック 2 非貫通孔 3 導電性膜 4 入出力用電極 5 非導電面 6 貫通孔 7 入出力端子 8 回路基板 9a 結合調整用長孔 9b 結合調整用溝
13,14,15 誘電体ブロック 2 非貫通孔 3 導電性膜 4 入出力用電極 5 非導電面 6 貫通孔 7 入出力端子 8 回路基板 9a 結合調整用長孔 9b 結合調整用溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲吉▼田 栄▲吉▼ 宮城県仙台市太白区郡山六丁目7番1号 株式会社トーキン内
Claims (7)
- 【請求項1】 長手方向の中心軸に沿って少なくとも1
つの非貫通孔を有すると共に、該非貫通孔を含む表面全
体が導電性膜で覆われた誘電体ブロックから成る誘電体
同軸共振構造の誘電体フィルタであって、前記誘電体ブ
ロックは、外側面における前記非貫通孔近傍の隣接する
二面に渡って延在すると共に、前記導電性膜と電気的に
絶縁されて形成された互いに対向する2つの入出力用電
極を有することを特徴とする誘電体フィルタ。 - 【請求項2】 請求項1記載の誘電体フィルタにおい
て、前記非貫通孔は前記誘電体ブロックの高さ方向に関
して前記入出力用電極における接地面側に寄って設けら
れたことを特徴とする誘電体フィルタ。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の誘電体フィルタに
おいて、前記非貫通孔は互いに露出面が揃うように平行
して複数設けられ、前記誘電体ブロックにおける前記複
数の非貫通孔の間の近傍に結合調整用空間部が設けられ
たことを特徴とする誘電体フィルタ。 - 【請求項4】 長手方向の中心軸に沿って少なくとも1
つの非貫通孔を有すると共に、外側面の一面を除いて該
非貫通孔を含む表面全体が導電性膜で覆われて該外側面
の一面が非導電面を成す左右対称な2つの誘電体ブロッ
クを互いに該非導電面同士が突き合わされ,且つ該非貫
通孔の露出面が揃うように結合して成る誘電体同軸共振
構造の誘電体フィルタであって、前記2つの誘電体ブロ
ックは、それぞれ外側面における前記非導電面に対向す
る他面を含む前記非貫通孔近傍の隣接する二面に渡って
延在すると共に、前記導電性膜と電気的に絶縁されて形
成された入出力用電極を有することを特徴とする誘電体
フィルタ。 - 【請求項5】 長手方向の中心軸に沿って少なくとも1
つの非貫通孔を有すると共に、外側面の一面を除いて該
非貫通孔を含む表面全体が導電性膜で覆われて該外側面
の一面が非導電面を成す左右対称な2つの第1の誘電体
ブロック間に対し、長手方向の中心軸に沿って少なくと
も1つの非貫通孔を有すると共に、外側面の対向する一
面及び該一面に対向する他面を除いて該非貫通孔を含む
表面全体が導電性膜で覆われて該一面及び他面が非導電
面を成す少なくとも1つの第2の誘電体ブロックを互い
に該非導電面同士が突き合わされ,且つ該非貫通孔の露
出面が揃うように結合して成る誘電体同軸共振構造の誘
電体フィルタであって、前記2つの第1の誘電体ブロッ
クは、それぞれ外側面における前記非導電面に対向する
他面を含む前記非貫通孔近傍の隣接する二面に渡って延
在すると共に、前記導電性膜と電気的に絶縁されて形成
された入出力用電極を有することを特徴とする誘電体フ
ィルタ。 - 【請求項6】 請求項4又は5記載の誘電体フィルタに
おいて、前記非貫通孔は前記誘電体ブロックの高さ方向
に関して前記入出力用電極における接地面側に寄って互
いに平行して設けられたことを特徴とする誘電体フィル
タ。 - 【請求項7】 請求項4〜6の何れか一つに記載の誘電
体フィルタにおいて、前記誘電体ブロックにおける前記
非貫通孔の間の近傍に結合調整用空間部が設けられたこ
とを特徴とする誘電体フィルタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20237895A JPH0951204A (ja) | 1995-08-08 | 1995-08-08 | 誘電体フィルタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20237895A JPH0951204A (ja) | 1995-08-08 | 1995-08-08 | 誘電体フィルタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0951204A true JPH0951204A (ja) | 1997-02-18 |
Family
ID=16456511
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20237895A Withdrawn JPH0951204A (ja) | 1995-08-08 | 1995-08-08 | 誘電体フィルタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0951204A (ja) |
-
1995
- 1995-08-08 JP JP20237895A patent/JPH0951204A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20040412 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Effective date: 20040715 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 |