JP2003289204A - 導波管フィルタ - Google Patents

導波管フィルタ

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マイクロ波帯・ミリ波帯において平面回路と
の接続性に優れ、実現が容易な導波管フィルタの提供 【解決手段】 内空部に突壁20〜25を施した金属製
のシールド筐体10を誘電体基板30の表面に形成した
接地導体50部分に貼り合わせ、誘電体基板30の表面
に形成した伝送線路がシールド筐体10の内空部と電磁
界結合する構成を採ることにより、誘電体基板上に形成
される平面回路との接続性に優れた導波管フィルタが容
易かつ安価に構成可能となる。シールド筐体10は前記
平面回路全体をシールドするカバーと一体化して形成す
ることも可能であり、導波管フィルタを含む回路全体を
小型に構成することもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は導波管フィルタに関
し、特にマイクロ波帯以上の高周波領域で動作する各種
無線機器、通信機器、計測器等に使用される高周波フィ
ルタに適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の導波管フィルタとして、
図5に示すような構成のものがある。導波管フィルタ
は、金属製の方形導波管200の内壁に一定間隔に設け
た突壁210〜219によって複数の空間に仕切った構
成をなしており、前記突壁の間に形成された4つの直方
体状の空間部分は空胴共振器として作用する。
【0003】また、突壁210と211、212と21
3、214と215、216と217、218と219
の間にそれぞれ形成された隙間は、前記空胴共振器間を
電磁界的に結合する誘導性の結合回路として作用する。
方形導波管200の寸法、突壁210〜219の寸法及
び配置する間隔を適切に設定することにより所望の周波
数で動作する4段の帯域通過フィルタが実現される。
【0004】また、図5の導波管フィルタには、導波管
外壁に他の高周波回路と接続するための同軸型コネクタ
220〜221が設けられている。前記コネクタの同軸
芯線は導波管両端にある空間の内部に伸長しており、前
記空間内部の電磁界と結合して伝送路の同軸導波管変換
を実現している。
【0005】図5の導波管フィルタは、一般に金属ブロ
ックを削り加工して突壁等を成形したものや、複数の金
属板をはめ込みやネジ止め等によって組み合わせて製造
される。管壁部分にはフィルタ特性調整用のネジが設け
られることもある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の導波管フィルタは、マイクロ波帯またはミリ波
帯を利用した無線装置等の無線部と組み合わせて用いる
際に、接続性が悪いという課題を有している。一般に、
前記無線部は平面基板上に半導体デバイスや導体パター
ンによる平面回路等を実装し、これらをマイクロストリ
ップ線路等の伝送線路で接続して構成されため、フィル
タをマイクロストリップ線路やコプレナ線路といった平
面基板上の伝送路と接続する必要がある。
【0007】図5に示した従来の導波管フィルタでは、
回路が構成されている平面基板上に実装することができ
ないため、平面の伝送路を同軸ケーブルに変換して基板
より高周波信号を引き出し、別に固定した導波管フィル
タに接続するというように実装しなければならず、接続
ケーブルによる損失増加やコスト増加も問題となる。
【0008】また、上述した従来の導波管フィルタは、
金属の立体構造物として別に形成され、コネクタも必要
となることから、製造コストが高くなるという問題があ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め本発明の導波管フィルタは、内空部が等間隔に突壁で
仕切られて形成された複数の空間部を有する金属のシー
ルド筐体と、第1及び第2の伝送線路が表面に形成され
た基板とを具備し、前記シールド筐体が前記基板に貼り
合わされ、前記第1の伝送線路が前記シールド筐体の外
部より前記シールド筐体の端に位置する第1の空間部の
内部まで達するように設けられ、前記第2の伝送線路が
前記シールド筐体の外部より前記第1の空間部と反対側
の端に位置する前記シールド筐体端の第2の空間部の内
部まで達するように設けられ、前記シールド筐体の下部
となる前記基板の表面に前記複数の空間部を塞ぐように
接地導体が設けられた構成を採る。
【0010】この構成によれば、基板上に形成した接地
導体面と金属のシールド筐体の内空部によって方形の導
波路が形成され、前記シールド筐体に設けた突壁により
前記導波路が複数の空間部に部分的に仕切られた構造と
なる。前記空間部は動作周波数にて共振する空胴共振器
として作用し、前記突壁は共振器間を結合する結合窓と
して作用する。また、基板上に形成した伝送線路はフィ
ルタの入出力線路として作用し、シールド筐体の両端に
位置する前記空間部内を電磁界的に励振する。以上によ
り、本発明の構造体は導波管型の帯域通過フィルタとし
て動作する。
【0011】よって、平面基板上に構成された伝送線路
および接地導体パターンにシールドを施すだけで、容易
かつ安価に導波管フィルタが構成可能となる。
【0012】また本発明の導波管フィルタは、シールド
筐体に形成された複数の空間部を動作周波数の半波長の
間隔の突壁で仕切った構成を採る。
【0013】この構成によれば、シールド筐体に設けた
複数の空間部をTEモードで共振する空胴共振器として
動作させることが可能となる。TEモードは導波管フィ
ルタで一般に利用される基本的な共振モードであり、小
型で設計の容易なフィルタが構成できる。
【0014】また本発明の導波管フィルタは、シールド
筐体に形成された複数の空間部の一部もしくは全てを誘
電体によって充填した構成を採る。
【0015】この構成によれば、充填した誘電体材料の
比誘電率が大きいほど、電磁波の波長短縮効果によりシ
ールド筐体に形成した複数の空間部の寸法を小さくでき
る、すなわち導波管フィルタを一段と小型化することが
可能となる。
【0016】また本発明の導波管フィルタは、シールド
筐体が基板と接する面に突起部を設け、前記突起部と噛
み合うように前記基板に接地されたスルーホールを設け
た構成を採る。
【0017】この構成によれば、シールド筐体と基板の
貼り合わせ位置精度を高めることができる。製造時にお
いてシールドの位置精度が確保できないと、入出力や共
振器間の電磁界結合度に影響し、結果として通過特性等
の特性ばらつきもしくは特性劣化となって現れる。よっ
て、本発明の位置精度を高める手段により、特性劣化が
小さい導波管フィルタを実現することが可能となる。ま
た本発明では、スルーホールにシールド筐体を噛み合わ
せる構成であることから、シールド筐体と基板表面に形
成した接地導体の電気的接続を強化することが可能とな
る。筐体接地が弱いとフィルタの損失劣化を招く。よっ
て、本発明は、請求項1記載の導波管フィルタに対し
て、通過損失の劣化を防止する効果がある。
【0018】また本発明の導波管フィルタは、シールド
筐体の基板と接する面において、空間部端から動作周波
数の4分の1波長離れた位置に、深さが動作周波数の4
分の1波長の溝を設けた構成を採る。
【0019】本発明の導波管フィルタでは、シールド筐
体の貼り合わせ面の平滑度や基板の反りといった製造上
の問題によって貼り合わせ面に隙間が生じる可能性があ
る。前記隙間は接地を弱くするため、前述のようにフィ
ルタ特性劣化を招く。この構成によれば、貼り合わせ面
における導波路の角部では高周波的に短絡される効果を
有するため、前記隙間による特性劣化を低減することが
可能となる。また、貼り合わせはネジ止め等の圧着手段
で十分となり、導電性接着剤を用いる必要が無くなるた
め、量産性に優れた導波管フィルタが実現可能となる。
【0020】また本発明の導波管フィルタは、シールド
筐体の基板と接する面に、弾力があり導電性を有する材
料が施された構成を採る。
【0021】この構成によれば、前記材料としてガスケ
ット材等の弾力のある部材を使用してシールド筐体の底
面に貼り付けることにより、誘電体基板上の接地導体と
シールド筐体の貼り合わせ面の電気的導通が確保され、
かつ密着性が改善されることから、前述の作用と同様に
特性を劣化させることなく量産性に優れた導波管フィル
タが実現可能となる。
【0022】また本発明の導波管フィルタは、基板の裏
面に第1および第2の伝送線路がマイクロストリップ線
路となるように接地導体を設け、前記基板の裏面の接地
導体と、シールド筐体下部に位置する前記基板表面上の
接地導体をスルーホールによって接続した構成を採る。
【0023】この構成によれば、マイクロ波帯やミリ波
体で一般的に使用されるマイクロストリップ線路で接
続、形成された高周波回路上に本発明の導波管フィルタ
が実現可能となる。
【0024】また本発明の導波管フィルタは、基板裏面
の接地導体とシールド筐体下部に位置する前記基板表面
上の接地導体を接続するスルーホールを、シールド筐体
に形成した複数の空間部内には設けないように請求項7
に記載の導波管フィルタを構成したものである。
【0025】この構成によれば、共振器となる前記複数
の空間部内にはスルーホールによる電磁界的な不連続要
素が無いため、請求項7記載の導波管フィルタの特性確
保が容易となる。
【0026】また本発明の導波管フィルタは、基板の表
面に第1および第2の伝送線路がコプレナ線路となるよ
うに接地導体を設け、コプレナ線路を成す前記基板の表
面の接地導体と、シールド筐体下部に位置する基板上の
接地導体を接続した構成を採る。
【0027】この構成によれば、マイクロ波帯やミリ波
体で一般的に使用されるコプレナ線路で接続、形成され
た高周波回路上に本発明の導波管フィルタが実現可能と
なる。
【0028】また本発明の導波管フィルタは、成型加工
した樹脂の表面をメタライズしてシールド筐体を形成し
た構成を採る。
【0029】この構成によれば、金属ブロックを削り加
工する、あるいは金属板を組み合わせる等してシールド
筐体部分を製造する場合と比べて、フィルタの軽量化、
製造のコストを低減することができる。また、導波管フ
ィルタ全体の軽量化を図ることも可能となる。
【0030】また本発明の導波管フィルタは、基板の表
面にマイクロ波またはミリ波のデバイスおよび回路を実
装・形成し、前記デバイスや回路のシールドを、導波管
フィルタ部分のシールド筐体と一体化して形成した構成
を採る。
【0031】本発明の導波管フィルタは、マイクロ波帯
またはミリ波帯を利用した無線装置等の無線部に組み込
んで用いられる。前記無線部は、一般に平面基板上に半
導体デバイスや導体パターンによる平面回路等が実装さ
れ、これらをマイクロストリップ線路等の伝送線路で接
続して構成され、不要輻射や回路間の不要結合を防止す
るために電磁界シールドが施される。前記無線部に施さ
れるシールドと本発明の導波管フィルタを形成するシー
ルド筐体は、共に基板上に貼り合せて用いられるもので
あり、この構成では、これらを一体化して作成すること
によって、本発明の導波管フィルタを含んだ高周波回路
全体をコンパクトに実現することが可能となる。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明の骨子は、導波管フィルタ
を、突壁で部分的に仕切られた複数の空間を有するシー
ルド筐体と、前記シールド筐体の下部となる表面に接地
導体面を設けた平面基板を貼り合せることにより構成し
たことである。
【0033】以下、本発明の実施形態について図面を参
照して詳細に説明する。
【0034】(実施の形態1)本発明の第1の実施の形
態について、図1を参照しながら説明する。図1は本発
明の第1の実施の形態における導波管フィルタを示す構
成図である。図1において、10は金属製のシールド筐
体、20から25はシールド筐体10の内壁の両側に接
続して設けられた金属製の突壁、30は両面に電極膜が
施された誘電体基板、40から41は誘電体基板30の
表面にマイクロストリップ線路として形成された入出力
線路、50は誘電体基板30の表面上でシールド筐体1
0の下部に設けられた接地導体、60は誘電体基板30
の裏面に施された接地電極と表面の接地導体50を電気
的に接続するスルーホール、70から73はシールド筐
体10内に突壁20から25で仕切られて形成された空
間である。
【0035】図1においてシールド筐体10は、内部構
造が分かるように一部を透過して図示している。
【0036】シールド筐体10は直方体形状を成してお
り、下面が開口した内空部分を有している。シールド筐
体10の下面部分は誘電体基板30と貼り合わされ、接
地導体50によって前記内空部分が塞がれて方形の導波
路が形成される。
【0037】シールド筐体10の内空部分には突壁20
〜25が設けられている。突壁20と21、突壁22と
23、突壁24と25はそれぞれY座標が同じ位置で前
記導波路の内壁と接続されており、各々電磁波に対して
は誘導性の結合窓として動作する。前記結合窓はY方向
に概ねフィルタの動作周波数の半波長の間隔で配置され
ている。突壁により内空部分は4つの空間に仕切られて
いる。
【0038】入出力線路40〜41はマイクロストリッ
プ線路乃至はグラウンデッドコプレナ線路構造を有して
おり、先端が空間70及び73内まで達している。シー
ルド筐体10が入出力線路40及び41と接する部分は
切り欠きが設けられており、シールド筐体10と入出力
線路40及び41が電気的に短絡しないようになってい
る。
【0039】以上のように構成された導波管フィルタに
ついて、以下その動作を説明する。入出力線路40より
入力した高周波信号は、先端部分より放射されて空間7
0内部を励振する。空間70内に励起された電磁波は突
壁20及び21で形成された結合窓を介して空間71に
伝搬し、以下同様にして空間73まで順次伝搬してい
く。空間71及び72はY方向に動作周波数に対して半
波長の長さを有しており、空胴共振器として動作する。
突壁22及び23で形成された結合窓は、フィルタにお
いて共振器間の結合する段間結合手段として作用し、突
壁20及び21、突壁24及び25で形成された結合窓
はフィルタにおける入出力結合手段として作用する。以
上の動作は従来の導波管フィルタと同じであり、本実施
の形態の構成によっても、従来と同様の動作および特性
が実現可能である。
【0040】スルーホール60は誘電体基板30の裏面
の接地電極と表面の接地導体50を接続するために設け
ている。但し、接地導体50において空間70〜73を
囲う部分には空間内部の電磁界を乱すことを避けるた
め、スルーホールを設けない。しかしながら、シールド
筐体が接地導体と接する部分もしくはその近傍となる部
分には、接地強化のためスルーホールを設ける。
【0041】以上の構成によれば、シールド筐体10と
接地導体50で囲まれた空間70〜73は2段の帯域通
過フィルタとして動作する。突壁20〜25によって形
成された結合窓の結合度は、突壁の厚さ、突壁間のスリ
ットの間隔によって調整される。
【0042】本実施の形態によれば、マイクロストリッ
プ線路乃至はグラウンデッドコプレナ線路を形成した平
面基板上に、突壁加工を施したシールド筐体を貼り合せ
るだけの簡単な構成で、低損失な導波管フィルタを構成
することができる。また、全体を金属筐体及びコネクタ
により構成した従来の導波管フィルタと比べて、平面回
路との接続性に優れ、低コストに製造可能である。
【0043】なお、本実施の形態では、3対の突壁を設
けて2段の帯域通過フィルタを構成した例を示したが、
シールド筐体の寸法を長くして、より多くの突壁を設け
ることにより、3段以上のフィルタを構成することも可
能である。
【0044】(実施の形態2)本発明の第2の実施の形
態について、図2を参照しながら説明する。図2は本発
明の第2の実施の形態における導波管フィルタを示す構
成図である。図2において、図1と同一番号を付したも
のは、実施の形態1で示したものと同じ構造及び同じ動
作をするものである。図2において図1と異なる点は、
シールド筐体10の誘電体基板30と接する面に突起8
0〜85を設け、誘電体基板30に突起80〜82が噛
み合うようにスルーホール90〜95を設け、シールド
筐体の内空部たる空間70〜73全体に誘電体を充填
し、入出力線路40〜41をコプレナ型の伝送線路とし
た点である。
【0045】以上のように構成された導波管フィルタに
ついて、以下その動作を説明する。基本動作は上述の実
施の形態1と同じである。本実施の形態では、シールド
筐体10に設けた突起80〜82と、誘電体基板30に
設けたスルーホール90〜95により、シールド筐体1
0実装時の位置合わせを容易とする構成を成している。
シールド筐体10の実装位置ずれは、入出力線路40と
空間70及び入出力線路41と空間73の位置関係を変
化させ、フィルタにおける入出力結合度の誤差を招き、
ひいてはフィルタの入出力整合や通過特性の劣化となっ
て特性にあらわれる。よって、シールド筐体の位置ずれ
を防止できる本構成では、実装による特性劣化を防止す
ることができる。
【0046】導波管フィルタでは、空間70〜73を囲
う導波管の外導体部分の接地が弱いとフィルタの特性劣
化を招くが、本実施の形態ではシールド筐体10と接地
導体50はスルーホール90〜95により電気的に接続
される構成であるため、導波管部分の接地の強化が可能
であり、同じく特性劣化を防止することができる。前記
スルーホールに導電性ペーストを用いて接続すると、電
気的にも機械的にも接続を強化することが可能となる。
【0047】また、本実施の形態の導波管フィルタは、
空間70〜73には誘電体が充填されている。誘電体は
電磁波の波長を短縮する効果がある。空間が空気で満た
されている場合と比べて、比誘電率εの誘電体を充填す
ると、空間70〜73の寸法をεの平方根分の1とする
ことが可能となる。よって、誘電体の使用によりシール
ド筐体の寸法を小型化することが可能となる。
【0048】入出力線路40〜41はコプレナ線路であ
る。コプレナ線路の両側には接地電極が設けられるが、
前記接地電極は本実施の形態の導波管フィルタを構成す
る接地導体50と誘電体基板30の表面で接続されてい
る。
【0049】以上の構成によれば、第1の実施の形態と
同様に、シールド筐体10と接地導体50で囲まれた空
間70〜73は2段の帯域通過フィルタとして動作す
る。
【0050】本実施の形態によれば、コプレナ線路を形
成した平面基板上に、内部に突壁加工を施し、底面部に
突起加工を施したシールド筐体を貼り合せるだけの簡単
な構成で、低損失な導波管フィルタを構成することがで
きる。また、シールド筐体実装による位置ずれや接地の
弱化による特性劣化のない導波管フィルタを構成するこ
とができる。さらに、シールド筐体内部への誘電体充填
により、小型な導波管フィルタが構成可能である。
【0051】なお、本実施の形態では四角形状の突起お
よびスルーホールを有するシールド筐体の例を示した
が、効果は突起およびスルーホールの形状には依らない
ことは言うまでもない。
【0052】(実施の形態3)本発明の第3の実施の形
態について、図3および図4を参照しながら説明する。
図3は本発明の第3の実施の形態における導波管フィル
タを含むマイクロ波またはミリ波回路全体を示す構成図
である。図3において図1と同一番号を付したものは、
実施の形態1で示したものと同じ構造及び同じ動作をす
るものである。図3において図1と異なる点は、誘電体
基板30上にマイクロストリップ線路で接続されたマイ
クロ波またはミリ波帯で動作する高周波回路を実装し、
前記高周波回路全体を電磁界的にシールドするシールド
筐体100を設け、シールド筐体100の一部分に突壁
20〜25とフィルタ部分を仕切る仕切り壁110〜1
11を設け、シールド筐体100の底面において仕切り
壁110〜111で仕切った空間部分の両側に溝120
〜121を設けた点である。
【0053】図4は図3においてシールド筐体100の
A−A’で示した部分を切断した断面図である。図4に
おいて図3と同一番号を付したものは、図3で示したも
のと同じものである。
【0054】以上のように構成された導波管フィルタに
ついて、以下その動作を図3を用いて説明する。基本動
作は上述の実施の形態1と同じである。本実施の形態で
は、誘電体基板30上にマイクロ波帯やミリ波帯で動作
する高周波回路が実装されている。前記高周波回路はM
MICやその他の半導体デバイス、チップ部品等で構成
され、各回路要素間が誘電体基板30上に形成したマイ
クロストリップ線路によって接続されている。高周波回
路では通常、他の回路との結合や外部への輻射を防止す
る目的で電磁界的なシールドが施される。前記シールド
はシールド筐体100により実現されている。シールド
筐体100の内部には、高周波回路の回路要素間の不要
な結合を防ぐため、回路要素間を仕切る位置に金属壁が
形成されている。
【0055】本実施の形態の導波管フィルタは、マイク
ロストリップ線路40〜41間に形成される。基板上に
おいてフィルタとなる部分には接地導体が形成されてお
り、シールド筐体100においてフィルタとなる部分は
仕切り壁110と111によって囲まれた空間部分であ
る。前記空間部分には突壁20〜25が形成され、第1
の実施の形態と同様の導波管フィルタが高周波回路の一
部として構成されている。導波管フィルタの下部にある
接地導体は、誘電体基板30の裏面にある接地電極とス
ルーホールで接続されると共に、高周波回路の各回路要
素の接地電極とも基板表面で接続されている。
【0056】シールド筐体100の底面において、仕切
り壁110と111の間に形成されたフィルタ部分の両
側には溝120〜121が形成されている。溝120〜
121の効果について図4を用いて説明する。溝120
〜121は、フィルタとなる空間部分の下端であるB点
からフィルタの動作周波数において4分の1波長となる
距離だけ離れたC点に設けられている。また、溝120
〜121の下端C点と上端であるD点の長さ、すなわ
ち、溝の深さもフィルタの動作周波数において4分の1
波長となるように設けられている。点Dは短絡されてい
るため、動作周波数において溝の下端部分C点のインピ
ーダンスは開放となる。
【0057】ここで、シールド筐体100の底面と誘電
体基板30を貼り合わせた際に隙間が生じたと仮定する
と、B点とC点の間に空間が生じ電磁波が漏れてしまう
こととなるが、C点のインピーダンスは開放であるた
め、動作周波数におけるB点のインピーダンスは短絡と
なってみえる。よって、隙間が生じていても動作周波数
においてはB点箇所が短絡接続されたのと等価となり、
電磁波の漏れを防止することができる。電磁波のエネル
ギー漏洩はフィルタの損失劣化を招くことから、溝12
0〜121の効果により、シールド筐体100を貼り合
わせた際に隙間が生じた場合でも、損失劣化の小さい導
波管フィルタが構成可能となる。
【0058】以上の構成によれば、高周波回路が実装さ
れた基板上に、一部に壁加工を施した前記高周波回路を
シールドするシールド筐体を貼り付ける構成によって、
第1の実施の形態と同様の帯域通過フィルタが実現でき
る。
【0059】本実施の形態によれば、マイクロ波帯やミ
リ波帯で動作する高周波回路の他の回路要素と導波管フ
ィルタを同一基板上に構成できる。また、前記高周波回
路のシールドと導波管フィルタを構成するシールド筐体
を一体化して作成でき、低コスト化を図ることが可能と
なる。さらに、フィルタ部分の両側に設けた溝の効果に
より、シールドの貼り合わせ面に隙間が生じても、導波
管フィルタの低損失性を確保することができる。
【0060】なお、本実施の形態を説明する図3にある
高周波回路は一つの例として示したものであり、前記高
周波回路を仕切るシールド筐体内の壁の位置や形状は導
波管フィルタの動作に影響しないものであることは言う
までもない。
【0061】なお、本実施の形態では、溝を設けて貼り
合わせ時の隙間による特性劣化を防止する例を示した
が、シールド筐体の基板と接する底面に、弾力があり導
電性を有するガスケット材等の部材を設けても、電気的
導通および密着性が確保されるため、同じく隙間による
特性劣化を防止することが可能である。
【0062】なお、全ての実施の形態では、ブロック状
の金属を削り加工してシールド筐体を形成したもの図示
して説明したが、シールド筐体は成型加工した樹脂の表
面をメタライズして構成することも可能である。この構
成によれば、フィルタの軽量化、製造のコストを低減す
ることができる。また、導波管フィルタ全体の軽量化を
図ることも可能となる。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
表面に接地電極を形成した基板に、適切な突壁加工を施
したシールド筐体を貼り合わせる構成により、マイクロ
波やミリ波帯において低損失で、基板上に実装した他の
高周波回路との接続性に優れ、実装による特性劣化のな
い導波管フィルタを低コストで容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1の実施の形態の導波管フィルタを示
す図
【図2】本発明第2の実施の形態の導波管フィルタを示
す図
【図3】本発明第3の実施の形態の導波管フィルタを示
す図
【図4】本発明第3の実施の形態の導波管フィルタに用
いるシールド筐体の断面図
【図5】従来の導波管フィルタを示す図
【符号の説明】
10 シールド筐体 20〜25 突壁 30 誘電体基板 40、41 入出力線路 50 接地導体 60 スルーホール 70〜73 空間 80〜85 突起 90〜95 スルーホール 100 シールド筐体 110〜111 仕切り壁 120〜121 溝
フロントページの続き Fターム(参考) 5J006 HC01 HC03 HC12 HC24 JA01 JA21 JB02 LA02 LA13 LA21 LA24 LA25 NA01 NA08 ND01 PA03 PA10

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内空部が等間隔に突壁で仕切られて形成
    された複数の空間部を有する金属のシールド筐体と、第
    1及び第2の伝送線路が表面に形成された基板とを具備
    し、前記シールド筐体が前記基板に貼り合わされ、前記
    第1の伝送線路が前記シールド筐体の外部より前記シー
    ルド筐体の端に位置する第1の空間部の内部まで達する
    ように設けられ、前記第2の伝送線路が前記シールド筐
    体の外部より前記第1の空間部と反対側の端に位置する
    前記シールド筐体端の第2の空間部の内部まで達するよ
    うに設けられ、前記シールド筐体の下部となる前記基板
    の表面に前記複数の空間部を塞ぐように接地導体が設け
    られたことを特徴とする導波管フィルタ。
  2. 【請求項2】 シールド筐体に形成された複数の空間部
    は、動作周波数の半波長の間隔の突壁で仕切られたこと
    を特徴とする請求項1記載の導波管フィルタ。
  3. 【請求項3】 シールド筐体に形成された複数の空間部
    は、一部又は全てが誘電体によって充填されたことを特
    徴とする請求項1又は2記載の導波管フィルタ。
  4. 【請求項4】 シールド筐体は、基板と接する面に突起
    部が設けられ、前記突起部と噛み合うように前記基板に
    接地されたスルーホールが設けられたことを特徴とする
    請求項1、2又は3記載の導波管フィルタ。
  5. 【請求項5】 シールド筐体は、基板と接する面におい
    て、空間部端から動作周波数の4分の1波長離れた位置
    に、深さが動作周波数の4分の1波長の溝が設けられた
    ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の導波管フィ
    ルタ。
  6. 【請求項6】 シールド筐体は、基板と接する面に弾力
    があり導電性を有する材料が施されたことを特徴とする
    請求項1、2又は3記載の導波管フィルタ。
  7. 【請求項7】 基板は、第1の伝送線路および第2の伝
    送線路がマイクロストリップ線路となるように、裏面に
    接地導体が設けられ、前記基板の裏面の接地導体と、シ
    ールド筐体下部に位置する前記基板表面上の接地導体が
    スルーホールによって接続されたことを特徴とする請求
    項1ないし6のいずれか記載の導波管フィルタ。
  8. 【請求項8】 スルーホールは、シールド筐体の外側に
    位置することを特徴とする請求項7記載の導波管フィル
    タ。
  9. 【請求項9】 基板は、第1および第2の伝送線路がコ
    プレナ線路となるように、表面に接地導体が設けられ、
    コプレナ線路を成す前記基板の表面の接地導体と、シー
    ルド筐体下部に位置する基板上の接地導体が接続された
    ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか記載の導
    波管フィルタ。
  10. 【請求項10】 シールド筐体は、成型加工した樹脂の
    表面をメタライズして形成されたことを特徴とする請求
    項1ないし9のいずれか記載の導波管フィルタ。
  11. 【請求項11】 シールド筐体は、基板の表面に実装ま
    たは形成されたデバイスまたは回路を電磁界的にシール
    ドする筐体と一体化して形成されたことを特徴とする請
    求項1ないし10のいずれか記載の導波管フィルタ。
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