JPH09511202A - 貯蔵槽の排気管からの放散を減じる方法および装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は貯蔵槽２の液面上に滞留する燃料蒸気と空気の混合物を分離する方法と装置に関するものである。前記混合物は貯蔵槽２から排気管１６を経て外部へ排出され、貯蔵槽２の過大な圧力を減じる。燃料蒸気と空気の混合物は貯蔵槽２から少くとも１つの分離薄膜１３を備えた少くとも１つの薄膜濾過装置２９を通過して大気中へ排出される。分離薄膜１３の出口室１９は少くとも１つのポンプ２０により所定の時間間隔で負圧にされる。分離薄膜１３により濃縮された燃料蒸気は貯蔵槽２へ戻される。分離薄膜１３により蒸気成分を減じられた残留物ないし空気は排気管１６を経て大気６へ排出される。

Description

【発明の詳細な説明】 貯蔵槽の排気管からの放散を減じる方法および装置 本発明は容器ないし貯蔵槽から排気管を経て排出される液体（炭化水素）から 放散（エミツシヨン）つまり液体の気化物である蒸気と空気の混合物を分離する 方法と装置、特に内燃機関用液体燃料を貯蔵する地下埋設貯蔵槽の過大な蒸気圧 を均衡化する（大気圧にする）ために、貯蔵槽から排気管へ排出される燃料蒸気 ・空気混合物から燃料蒸気を分離するための方法と装置に関する。 一般に、自動車用液体燃料の給油所（ガソリンスタンド）では、液体燃料は地 中埋設貯蔵槽に貯蔵される。地中埋蔵貯蔵槽は内部圧力を均衡化するために、通 気装置としての少くとも１つの排気管（呼気管）により大気に開放されているの で、貯蔵槽の内部圧力が許容できないような過大な値になることはない。特に、 貯蔵槽から液体燃料を取り出すか貯蔵槽へ液体燃料を充填する時、液面上の空域 の容量が変化するので、貯蔵槽の内部圧力を均衡化するために、外気が排気管を 経て貯蔵槽の内部へ流入するか、液面上の空域の燃料蒸気・空気混合物が排気管 を経て外部（大気中）へ排出される。しかし、貯蔵槽の内部圧力は貯蔵槽の内部 温度により変化し、液体燃料の蒸気圧や外気圧によっても変化する。例えば外気 の導入により貯蔵槽の内部圧力（負圧）を均衡化することは、環境への影響とい う観点では問題がないと言える。しかし、貯蔵槽の過大な内部圧力を均衡化する ために、燃料蒸気・空気混合物を外部へ排出することは、周囲の従事者に健康上 の害を及ぼす。 貯蔵槽から液体燃料を自動車の燃料槽へ移す際に、燃料蒸気・空気混合物の放 散（エミツシヨン）を減じるために、いわゆる強制還流装置が知られている。こ の強制還流装置は貯蔵槽から液体燃料を自動車の燃料槽へ移す際に発生する燃料 蒸気・空気混合物を、適当な真空ポンプにより吸引して貯蔵槽へ戻す。通常、こ の種の強制還流装置は貯蔵槽へ戻された燃料蒸気・空気混合物の容量が、取り出 された液体燃料の容量と等しくなるように運転される。上述の強制還流装置の効 率を高めるには、貯蔵槽へ戻された燃料蒸気・空気混合物の容量が、取り出され た液体燃料の容量と等しいか多いことが好ましい。このため、貯蔵槽から液体燃 料を取り出す際に、燃料取出量よりも多量の空気が貯蔵槽へ戻されると、貯蔵槽 の内部圧力が上昇し、燃料蒸気・空気混合物が排気管を経て周囲へ排出されるこ とがある。一般に、排気管は濾過部材を備えておらず、また濾過部材を備えてい ても完全なものではないので、貯蔵槽の強制的な圧力均衡化により、自動車の燃 料槽へ液体燃料を供給する際に働く強制還流装置は効率が大幅に低下してしまう 。何故なら、給油所（ガソリンスタンド）の内部領域では有害物質の発生が抑え られても、貯蔵槽の内部圧力によりある程度の燃料蒸気・空気混合物が給油所の 外部領域へ排出されるからである。 本発明の主な課題は、液体貯蔵槽特に自動車用液体燃料貯蔵槽の排気管から外 部領域へ発散される有害物質の量を減じる方法と装置を提供することにある。 本発明の上述の課題は、次のような構成により解決される。すなわち、本発明 では貯蔵槽から燃料蒸気・空気混合物を少くとも１つの分離薄膜を有する薄膜濾 過装置を通過させるようにし、少くとも１つの真空ポンプにより薄膜濾過装置の 透過側つまり出口側に負圧を発生させ、燃料蒸気に富む透過物（Permeat）を貯 蔵槽へ戻し、燃料蒸気の少い残留物を排気管を経て外部へ排出する。本発明によ る貯蔵槽の排気管の領域での有害物質の発散を減じる方法は、簡単な手段により 実現できる。特に、燃料蒸気を透過させる半透過性ガス分離薄膜を使用すると、 燃料蒸気・空気混合物からかなりの燃料蒸気が、薄膜濾過装置に作用する負圧に より分離される。こうして、排気管から出る残留物は殆ど環境に害を与えず、環 境を破壊することはない。 本発明の好適な構成によれば、貯蔵槽の内部圧力が予め決められ た所定値を超えると、真空ポンプの制御スイツチが閉じる。真空ポンプの制御ス イツチは、燃料蒸気・空気混合物が流出する時にのみ作動し、動力の浪費を抑え る。また、本発明の方法によれば、真空ポンプが停止して外気が流入する時、外 気に含まれる汚染粒子により分離薄膜が目詰りする恐れがないので、貯蔵槽の内 部圧力（負圧）を均衡化するために、排気管を通じて通気を行うこともできる。 本発明の他の好適な構成によれば、少くとも１つの圧力弁により排気管を閉鎖 することができる。真空ポンプの制御スイツチは圧力弁が開いた時に閉じ、圧力 弁が閉じた時に開く。本発明の方法では貯蔵槽の内部圧力が均衡化した時に、排 気管が完全に閉鎖されるので、液体燃料と外気との混合・拡散が起らない。さら に、本発明の方法では真空ポンプを作動する例えば弁体ないし弁球からなる機械 的な制御スイツチが１つだけあればよいので、極めて簡単な手段で実施できると いう利点がある。 本発明の好適な構成によれば、分離薄膜の透過側つまり出口側に負圧を生じさ せるために、貯蔵槽の状態に応じて取出弁および／または充填弁が開いた時真空 ポンプが作動するので、特に貯蔵槽の液体燃料の充填量が多い時、燃料蒸気・空 気混合物が確実に流出し、貯蔵槽が燃料蒸気から開放されるという利点がある。 すなわち、取出弁を含む取出装置に、上述した燃料蒸気・空気混合物のいわゆる 強制還流装置を備えると、液体燃料例えばガソリンを取り出す時、燃料蒸気・空 気混合物が発生する。この時、取り出された液体燃料よりも多量の燃料蒸気・空 気混合物が給油ガンの部分から吸い込まれ、貯蔵槽の内部へ戻される。その場合 、液体燃料の取出速度が遅くなり、したがつて燃料蒸気・空気混合物の戻り速度 も遅くなるので、目立つた圧力上昇が見られずに、排気管を通じて圧力均衡が達 せられる。特に、真空ポンプを制御するために圧力スイツチを用いる場合は、圧 力上昇を伴わない燃料蒸気・空気混合物の緩やかな流出に圧力スイツチが応動し ないと、燃料蒸気・空気混合物は燃料蒸 気に富む透過物を分離されずに周囲へ放散される恐れがある。 本発明の方法を実施するための装置は、貯蔵槽の圧力均衡を図る時に、貯蔵槽 の液面上から排気管へ排出される燃料蒸気・空気混合物から燃料蒸気を分離する ために、少くとも１つの分離薄膜からなる薄膜濾過装置を有し、薄膜濾過装置の 残留側つまり入口側が排気管に接続され、薄膜濾過装置の燃料蒸気・空気混合物 の透過側つまり出口側が真空ポンプを経て貯蔵槽に接続される。真空ポンプは燃 料蒸気に富む透過物を分離薄膜へ送り、分離薄膜の透過側つまり出口側に負圧を 発生させる。圧力スイツチの受圧部は貯蔵槽の内部へ接続され、貯蔵槽の内部圧 力が所定値を超えると、負圧ポンプないし真空ポンプが作動するように働く。 本発明の構成では、排気管に少くとも１つの絞り部材が備えられるので、過剰 な燃料蒸気・空気混合物が貯蔵槽から排気管へ流れることはなく、したがつて、 圧力スイツチが効果的に応動する。絞り部材は有孔板から構成され、配管系とし ての貯蔵槽の排気管に簡単に装着できる。 本発明の他の構成では、排気管は少くとも１つの圧力弁により閉鎖可能になつ ており、少くとも１つの制御スイツチを有する制御装置は、負圧を発生させるた めに、真空ポンプを圧力弁と連動させ、圧力弁が開いている時真空ポンプを駆動 し、圧力弁が閉じている時真空ポンプを停止する。この構造によれば、特に内燃 機関用液体燃料のような液体を貯蔵する貯蔵槽から流出した燃料蒸気・空気混合 物から燃料蒸気を分離するために、貯蔵槽を完全に閉鎖できる。 以下、本発明を図面を基づいて詳細に説明する。 図１は本発明に係る放散を減じる方法を実施するための装置を備えた給油所（ ガソリンスタンド）の概略構成図である。 図２は本発明の他の実施例に係る放散を減じる方法を実施するための装置を備 えた給油所（ガソリンスタンド）の概略構成図である。 図１に示すた実施例と図２に示す実施例とは、構造は実質的に同じであるが、 分離薄膜の透過側つまり出口側に負圧を生じさせるための真空ポンプの制御が異 なる。したがつて、本発明による放散低減装置の同じ部分と部材には同じ符号を 付してある。 図１に概略構成を示すガソリンスタンド１は、貯蔵用液体燃料３を貯える貯蔵 槽２を備えている。貯蔵槽２は液体燃料の取出装置４に接続される。貯蔵槽２は さらに通気装置５を備えられ、該通気装置５により貯蔵槽２と周囲６との圧力均 衡が図られる。さらに貯蔵槽２は充填装置７を備えられ、液体燃料を貯蔵槽２の 内部へ充填できるようになつている。 取出装置４は一般に知られている計量スタンド８を備えており、該計量スタン ド８は可撓性の導管１１に自動車へ液体燃料を供給するための給油ノズルないし 給油ガン９を接続されている。詳細には図示してないが、取出装置４は自動車へ 液体燃料を供給する時に発生する燃料蒸気・空気混合物を貯蔵槽２へ戻すための 強制還流装置１２を備えている。強制還流装置１２は一般に知られているもので あるので、これ以上説明しない。 通気装置５は分離薄膜１３の残留側つまり入口室１４を導管１５を経て貯蔵槽 ２へ連通され、また排気管１６を経て周囲６に連通されている。この構造を詳述 すると、導管１５は貯蔵槽２の液面１８よりも上方の空域１７に連通する。圧力 均衡を図る場合には、貯蔵槽２の内部で発生する燃料蒸気・空気混合物は、導管 １５から薄膜濾過装置２９の入口室１４へ流入し、さらに排気管１６を経て周囲 ６へ流出する。 薄膜濾過装置２９の透過側つまり出口室１９は真空ポンプ２０の負圧側つまり 吸込口に連通されており、真空ポンプ２０の正圧側つまり吐出口は貯蔵槽２に連 通している。真空ポンプ２０の運転中、薄膜濾過装置２９の出口室１９は負圧に なるので、薄膜濾過装置２９の入口室１４を通過する燃料蒸気・空気混合物の内 の燃料蒸気は、 分離薄膜１３を透過する。分離薄膜１３は半透過性ガス分離薄膜から構成される のが好ましい。こうして、燃料蒸気に富む透過物は、真空ポンプ２０を経て貯蔵 槽２の内部へ戻される。 図１に示す実施例では、真空ポンプ２０を制御するために制御スイツチ２１が 設けられている。制御スイツチ２１の受圧部２２は貯蔵槽２の上部空域１７に配 設される。受圧部２２は真空ポンプ２０を駆動・停止するための圧力スイツチ２ ３と一緒に働く。この構造を詳述すると、貯蔵槽２の内部圧力が所定値を超える と圧力スイツチ２３が閉じ、真空ポンプ２０が駆動される。貯蔵槽２の内部の燃 料蒸気・空気混合物は、貯蔵槽２の内部圧力を受けて薄膜濾過装置２９を通過す る。薄膜濾過装置２９の内部で分離薄膜１３に作用する負圧により、蒸気・空気 混合物から燃料蒸気だけが分離薄膜１３を通過して分離されるので、排気管１６ から出る残留物は燃料蒸気を含んでいない。制御スイツチ２１が応動するのに十 分な、貯蔵槽２の内部圧力を得るために、排気管１６には有孔板２５から形成さ れた絞り部材２４が配設される。 図２に示す実施例では、排気管１６に配設した圧力弁２６が、燃料蒸気・空気 混合物が流出する時に開く。さらに、排気管１６に配設した負圧弁２７は、貯蔵 槽２の内部が負圧状態になり、周囲６の空気が流入すると開く。圧力弁２６には 真空ポンプ２０を制御する制御スイツチ２８が備えられる。この構造を詳述する と、制御スイツチ２８は圧力弁２６が開くと、すなわち燃料蒸気・空気混合物が 流出すると応動し、真空ポンプ２０を駆動するようになつている。こうして、燃 料蒸気・空気混合物が貯蔵槽２から流出すると、薄膜濾過装置２９の内部で燃料 蒸気・空気混合物から燃料蒸気を分離する作用が確実に進行する。 以上説明した図示の実施態称から、ガソリンスタンドの貯蔵槽１２の排気管１ ６の領域での放散（エミツシヨン）の確実な低減が実現することが分る。真空ポ ンプ２０は取出装置４の取出弁の作動に 応じて駆動するか、充填装置７の充填弁の作動に応じて駆動するように構成する ことができる。特に、貯蔵槽２へ液体燃料を充填する際に生じる燃料蒸気・空気 混合物を、再び貯蔵槽２へ戻す強制還流装置１２を使用する場合には、燃料蒸気 ・空気混合物は薄膜濾過装置２９の内部で分離され、貯蔵槽２の内部に圧力が生 じなくても、または僅かしか生じなくても、確実に燃料蒸気を分離された残留物 が排気管１６から流出する。 １：ガソリンスタンド ２：貯蔵槽 ３：貯蔵液体燃料 ４：取出装置 ５：通気装置 ６：周囲 ７：充填装置 ８：計量スタンド ９：給油ガン １０：自動車 １１：導管 １２：強制還流装置 １３：分離薄膜 １４：入口室 １５：導管 １６：排気管 １７：貯蔵槽の空域 １８：液面 １９：出口室 ２０：真空ポンプ ２１：制御スイツチ ２２：受圧部 ２３：圧力スイツチ ２４：絞り部材 ２５：有孔板 ２６：圧力弁 ２７：負圧弁 ２８：制御スイツチ ２９：薄膜濾過装置

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 液体燃料用貯蔵槽２の内部圧力を均衡化するために、貯蔵槽２から排 気管１６へ流出する燃料蒸気・空気混合物から燃料蒸気を分離する方法において 、貯蔵槽２から流出する燃料蒸気・空気混合物を少くとも１つの分離薄膜１３を 有する薄膜濾過装置２９の入口室へ導入し、少くとも１つのポンプ装置２０によ り薄膜濾過装置２９の出口室１９に負圧を発生させ、燃料蒸気に富む透過物を出 口室から貯蔵槽２へ戻し、燃料蒸気の少い残留物を入口室から排気管１６へ排出 することを特徴とする、貯蔵槽の排気管からの放散を減じる方法。 ２． 前記貯蔵槽２の内部圧力が所定値を超えた時ポンプ装置２０を駆動す る、請求項１に記載の貯蔵槽の排気管からの放散を減じる方法。 ３． 前記排気管１６を少くとも１つの圧力弁２６により閉鎖可能にし、圧 力弁２６が排気管の内部圧力に応じて開いた時にポンプ装置２０を駆動し、圧力 弁が排気管の内部圧力に応じて閉じた時にポンプ装置２０を停止する、請求項１ ，２のいずれかに記載の貯蔵槽の排気管からの放散を減じる方法。 ４． 液体燃料用貯蔵槽２の取出弁および／または充填弁が圧力に応じて開 いている時前記ポンプ装置２０を駆動する、請求項１〜３のいずれかに記載の貯 蔵槽の排気管からの放散を減じる方法。 ５． 液体燃料用貯蔵槽２の内部圧力を均衡化するために、貯蔵槽２の液面 上に発生しかつ排気管１６へ流出する燃料蒸気・空気混合物から燃料蒸気を分離 する、請求項１〜４に記載の方法を実施する装置において、少くとも１つの分離 薄膜１３を有する薄膜濾過装置２９を有し、燃料蒸気・空気混合物が流入する前 記薄膜濾過装置の入口室１４を貯蔵槽２に連通するとともに排気管１６に連通し 、燃料蒸気に富む透過物が滞留する薄膜濾過装置２９の出口室１９に負圧を発生 させるためのポンプ装置２０を接続し、ポンプ装置２０ の吐出口を貯蔵槽２へ連通したことを特徴とする、貯蔵槽の排気管からの放散を 減じる装置。 ６． 制御スイツチ２１の受圧部２２を貯蔵槽２の上部空域１７へ連通し、 該受圧部の圧力が所定値を超えた時、前記ポンプ装置２０が駆動されるように構 成した、請求項５に記載の貯蔵槽の排気管からの放散を減じる装置。 ７． 前記排気管１６に少くとも１つの絞り部材２４を配設した、請求項５ ，６のいずれかに記載の貯蔵槽の排気管からの放散を減じる装置。 ８． 前記絞り部材２４を有孔板２５から形成した、請求項７に記載の貯蔵 槽の排気管からの放散を減じる装置。 ９． 前記排気管１６に少くとも１つの圧力弁２６を配設し、少くとも１つ の制御スイツチ２８を有する制御装置により、圧力弁２６が開いた時前記ポンプ 装置２０が駆動され、圧力弁２６が閉じた時前記ポンプ装置２０が停止されるよ うに構成した、請求項５〜８のいずれかに記載の貯蔵槽の排気管からの放散を減 じる装置。