【発明の詳細な説明】
多値レベルから2値レベルへのラスタ形状コンバータ
発明の背景
本発明はラスタ形状の合成、すなわち、ラスタの表示装置における表示用の形
状の作成に関する。より特定的には、本発明の一実施例においては、ラスタ表示
装置における表示のために多値レベルのラスタ形状が2値レベルのラスタ形状へ
変換され、その場合に、多値レベルのラスタ形状とともに利用可能な視覚的な手
掛かり(キュー)は維持される。
本発明において用いられる表示装置は画像を表示する任意の装置、例えば計算
機のモニタ、テレビジョン、プリンタ、または画像プロセッサであって、最終的
な出力が表示装置における画像であるものである。
ラスタ表示装置は、1つの表示装置であり、該表示装置においては、画像要素
(ピクセル)の列(アレイ)であって通常は表示面にわたり均一に間隔づけられ
るピクセルの2次元の矩形のアレイをなすものが画像を示唆するようピクセル色
で着色されているときに、1つの画像が表現される。ラスタ表示装置により発生
する画像は「ピクセル化されている」と称されるが、その理由は、この画像は、
近くで観察すると各々が均一の、むらのない色で着色された有限の数のピクセル
を具備するからである。これをベクトル表示装置および非電子的な表示装置、例
えば油絵画法と比較すべきであるか、これらベクトル表示装置および非電子的な
表示装置はピクセル化をあらわすものではない。
ラスタ表示装置は、われわれの目的のためには、表示面における
ピクセルの矩形のアレイの寸法、および各ピクセルに可能な色の値により特徴づ
けられる。したがって、1つの画像は1つのデータの組により表わされることが
でき、このデータの組は表示装置の各ピクセルと協働する1つの要素を有し、そ
の場合に1つのピクセルはそれが属するピクセルを識別する協働するXおよびY
座標、およびピクセルの色の値を有することが可能である。本明細書においては
、「画像」は、そのようなデータの組を指す。その結果として、以下の議論は、
画像プロセッサにより操作される画像と、表示面をもつラスタ表示装置の表示面
上に表示される画像、の両方に同じように適用される。
ピクセルは或る場合には点であると考えられるが、また、ピクセルの位置であ
る点とピクセル間の間隔で規定される有限の区域であって、それにより表示面の
区域をピクセル上へ充分に写像(マップ)することができるものであると考える
ことができる。例えば、ピクセルのアレイが矩形のアレイである場合には、ピク
セルは矩形の格子形態を規定し、この格子のラインにより形成される矩形はピク
セルの有限の区域として用いられることが可能である。物理的な表示装置におい
ては、もちろんピクセルの境界はそれほど正確ではない可能性があり、その場合
にはピクセルは或る場合には漠然と規定された区域を占有し、時には隣接するピ
クセルの区域に重複する可能性がある。そのようなことはレーザプリンタの場合
についてもいえるのであり、レーザプリンタの場合にはピクセルは、ページ上の
1つの点であって、有限の量の固体のインクをピクセルの位置に置きページ内へ
圧入することにより着色され、この過程において隣接するピクセルと合併するも
のである。
2次元の表示面をもつラスタ装置は、ラスタ装置の表示面のピクセルを着色し
希望される対象物の形状と色を集合的にあらわすこと
により仮想的な任意の対象物の2次元の画像を表示することができる。任意の装
置が任意の対象物を表現することができるのは、この弾力性によるのであり、こ
のことがラスタ装置をこんにちの計算機および多くの消費者用の機械にとって好
適な出力装置にしたのである。ドットマトリックス形のプリンタ、レーザプリン
タ、ファクシミリ機械、ビデオゲームディスプレイ、高解像度のテレビジョン、
および計算機用モニタは、すべて、ラスタ表示装置の例である。
ラスタ表示装置が対象物、例えば白色の背景上の塗りつぶしの黒色の円、を表
示するのに用いられると想像しよう。この円を表示するために、この円と背景は
表示装置のピクセルのアレイの上に写像され、この円に最も密接に対応するピク
セルが決定される。この円を表現するピクセルがひとたび識別されると、該ピク
セルには黒色に対応するピクセル色の値が割当てられ、他のピクセルには白色に
対応するピクセル色の値が割当てられる。
ピクセルのアレイは、ピクセルの有限の数で構成され、各ピクセルにはただ1
つのピクセル色の値が割当てられるから、円は近似的にのみ表示されることがで
き、すなわち綿密に検査するとぎざぎざの縁部であることがわかる。このぎざぎ
ざの縁部を滑らかにする1つの方法は、ピクセル区域が円の境界内に部分的にの
み収容されているピクセルが、ピクセル区域がどれだけ円内にあるかに従って、
白色と黒色の間の色に着色されることを許容することである。これは、時には、
アンチ・エーリアシングと称されるが、エーリアシングはピクセルの有限の寸法
により生ずる「ぎざぎざの縁部」の効果である。これについては、例えば、アン
チ・エーリアシングの有用な効果の説明として、N.Negroponteの論文“Aliasin
g:The Blind Spot of the Computer Industry”,Wired,1994年1月、第152頁
を参照することができる。
対象物の表現を含む画像を発生させる過程は3つの段階、すなわち、
(1)対象物の輪郭を画像のピクセルのアレイを覆うよう配置する、
(2)画像の各ピクセルにカバーレッジ値を割当て、この値はピクセルのどれだ
けの部分が輪郭でカバーされるかをあらわすようにする、
(3)対象となる輪郭でカバーされるピクセルの色の値を変化させ、この値が画
像が表わすどのような光景の上に対象物が重畳されているかをあらわすようにす
る、
に分割されることができる。
段階(3)は、通常、対象外のピクセルを影響を受けない状態のままとし、目
的の色を完全に輪郭の内側にあるピクセルに割当て、目的の色および現在の色を
輪郭に部分的にのみカバーされるピクセルに割当てることにより実行される。
黒色の円の実例において、われわれは、すべてのピクセルが内側と外側に分類
されることが可能であると仮定した。これは、段階(3)の実行をより簡単なも
のにする共通の仮定であるが、その理由は、円外にあるピクセルは色(白色)を
維持することが可能であり円内にあるピクセルは目的の色(黒色)へ変化させら
れることが可能であるからである。われわれがピクセルが輪郭の内側に部分的に
存在すると考えることを認めると仮定すると、れらのピクセルの色は灰色の影に
変化せねばならぬはずであり、該灰色は輪郭によりカバーされるかカバーされな
いかの割合に比例して黒色と白色を混合することにより計算される。色の混合は
場合によっては簡単な操作ではないから、カバーレッジ値を、完全に内側か完全
に外側かのいずれかに強制することは普通の近道の方法である。
対象物が画像における複数の位置において、おそらくは相異なる色をもって示
されることは普通に生ずることである。その場合においては、段階(2)により
計算されるカバーレッジ値は対象物の各実例ごとに始点から再計算される必要は
ない。代表的には、カバーレッジ値は境界づけの矩形について計算され、その場
合には境界づけの矩形は対象物の輪郭に接触されるすべてのピクセルを含むピク
セルの矩形の1つのアレイである。この態様で計算されるデータの組であってカ
バーレッジ値の矩形のアレイを有するものは、対象物を、相異なる位置および相
異なる色をもつ画像に加算するために用いられることができ、この加算は、段階
(3)を実行しながら境界づけの矩形のカバーレッジ値を画像のピクセルに適切
に写像することにより行われる。したがって対象物の境界づけの矩形は対象物の
形状を表現し、本明細書において「ラスタ形状」と表現されるものを形成する。
境界づけの形状は矩形である必要はないか?矩形は取扱うためには最も容易な境
界ボックスである。
円の例におけるようにラスタの形状の各ピクセルが2つのカバーレッジ値(各
々が内側か外側かの1つの選択を表わす)の1つだけを有することが許容される
と、ラスタの形状は2値レベルであると称される。ピクセルがこの態様に限定さ
れないと、ラスタの形状は多値レベルであると称される。多値レベルのラスタの
形状の適用範囲の値(カバーレッジ値)は、通常、0−1の範囲で与えられる。
ピクセルのカバーレッジ値は対象物の輪郭、でカバーされるピクセルの部分を表
わすから、輪郭の完全な外側にあるピクセルはカバーレッジ値0を、輪郭の完全
な内側にあるピクセルはカバーレッジ値1を、そして輪郭上にある画素は0と1
の間のカバーレッジ値を有する。
2値レベルのラスタ形状と比較すると、多値レベルのラスタ形状
は計算がより困難であり、記憶用のより多くの記憶装置を必要とし、使用がより
困難であるが、その理由は、色の混合を必要とするからである。しかし、余分の
労力を用いることと引換えに、より滑らかな形状とより良好な全体的な視覚結果
が生ずる。それにもかかわらず、相異なる色調または陰影を表わすことができな
い装置においては多値レベルのラスタ形状を用いることが不可能であるから、2
値レベルのラスタ形状は、多値レベルのラスタ形状を用いるための余分の経費が
許容可能のときにも、用途を有する。
2値レベルラスタ形状の計算に関する先行技術の方法は、各ピクセルに対する
カバーレッジ値が0に近いか1に近いかの推定、およびそれを2値の一方への割
り付けを含んでいる。一般的にはより効率的であり余り正確でないけれども、こ
れらの方法は論理的には、まず同じサイズの多値レベルのラスタ形状を計算し、
結果のカバーレッジ値を丸めて2値レベル値を得ることと等価である。図1−4
は、この方法で2値レベル形状が計算されたときに発生する2つの問題、即ちド
ロップアウトの問題およびステム幅エーリアジングを示している。
図1は、多値レベルのラスタ形状と2値レベルのラスタ形状との差を示してい
る。図1は、多値レベルのラスタ形状14を囲む境界を限った四角10とそれぞれの
2値レベルのあるいはピクセルグリッド上に配置されたラスタ形状16を囲む境界
を限った四角20とを示している。各ラスタ形状14,16は、文字の黒色を背景の白
色と混合するためのカバーレッジ値の使用によって生成されるであろう灰色の陰
によってグラフ的に表される各ピクセルのカバーレッジ値を有する文字“O”の
表示である。ラスタ形状16において、それは2値レベルであり、カバーレッジ値
は0または1に限られており、従ってピクセルは白または黒に着色されている。
ラスタ形状14において、灰
色のより暗い陰はより高いカバーレッジ値を表す。
近づいたときには、ピクセルグリッド12の分解能の制限のために、ラスタ形状
は文字のように見えない。しかしながら、離れれば、ラスタ形状16よりも短い距
離においてはそのぎざぎざの縁が失われる傾向のラスタ形状14に関しては文字の
ように見える。明らかなように、ラスタ形状16はピクセルグリッド12上に配置さ
れた文字“O”の輪郭の記述から導き出され得るか、あるいはラスタ形状16はラ
スタ形状14の各カバーレッジ値を0あるいは1に丸めることによってラスタ形状
14から発生され得る。
この丸めは図2に示されている。図2もまた、境界を限った四角10,20を示す
が、グラフ的にではなく数値的に示されたカバーレッジ値を有している。カバー
レッジ値が導き出される文字“O”の輪郭24も、ピクセルグリッド24上に配置さ
れて示されている。図2(および他の図)中にピクセル値を囲む白いスペース、
これは文字を読みやすくするために付加された白いスペースによって発生する人
工物であるが、によって破られているけれども、輪郭24は2つの実曲線である。
図2に示すように、(境界を限った四角20中の)2値レベルのラスタ形状16が
、0.5以下のカバーレッジ値を0に、0.5以上ののカバーレッジ値を1に変更する
ことによって(境界を限った四角10中の)多値レベルのラスタ形状14から生成さ
れる。これはときには受入れ可能な結果をもたらすものの、図3は、この導出で
発生する問題を示している。
図3は2つのラスタ形状を示し、一方は多値レベル(26)で他方は2値レベル
(28)であり、図2の“O”に対して使用されるフォントとは異なるフォントか
ら得られる文字“O”の輪郭から得られる。図3の文字は、4つの境界を限った
四角31,32,33および34中
に含まれている。境界を限った四角31および33(左欄)は輪郭30上に配置されカ
バーレッジ値を数字的に示す一方、境界を限った四角32および34(右欄)は灰色
レベルとしてのカバーレッジ値を示す。境界を限った四角31および32(上段)は
多値レベルラスタ形状26を含む一方、境界を限った四角33および34(下段)は2
値レベルラスタ形状28を含む。
図3中の各境界を限った四角に示される特定のピクセル40が以下に説明される
。多値レベルラスタ形状26において、ピクセル40に対するカバーレッジ値は0.3
であり、ピクセルの10分の3は輪郭によって覆われることを意味している。従っ
て、2値レベルラスタ形状において、ピクセル40のカバーレッジ値は0であり、
境界を限った四角34に示される文字中にギャップを残す。ラスタ形状26および28
において、文字の曲線は明らかに失われているけれども、ラスタ形状と観察者の
目の間の距離が増加するに従ってそれらは再生され、これはラスタ形状28よりも
ラスタ形状26においてより容易により確かに発生する。しかしながら、この改善
は必ずしも形状のすべての重要な視覚特性において発生しない。
例えば、原形状が接続され、中央の開口を有している。しかしながら、遠くか
ら観察されるラスタ形状28は、接続されたようには見えず、一対の括弧のように
見える。2値レベルラスタ形状の接続の欠如は、多値レベルカバーレッジ値の盲
目的な丸めの結果である。2値レベルにおける欠如した接続の問題は、“ドロッ
プアウト”の問題として周知である。
図4は、2値レベルラスタ形状を生成するための多値レベルラスタ形状の盲目
的な丸めに関する他の問題を図示している。図4は、文字“N”の輪郭58がラス
タ化された4つの境界を限った四角50,52,54および56を示す。境界を限った四
角50および54(左欄)は輪
郭58によって上書きされ、数字的にカバーレッジ値を示す一方、境界を限った四
角52および56(右欄)はは灰色レベルとしてのカバーレッジ値を示す。境界を限
った四角50および52(上段)は多値レベルラスタ形状60を含む一方、境界を限っ
た四角54および56(下段)は2値レベルラスタ形状62を含む。輪郭58の1つの縁
である縁64は、ピクセル列66の各ピクセルの40%を覆う垂直縁である。従って、
多値レベルラスタ形状60においては列66のピクセルは40%の灰色レベルで陰が付
けられるが、2値レベルラスタ形状62においては、0.4はゼロに丸められるため
に列66のピクセルは白である。この丸めは、異なる種類の1つであるが、視覚的
キューの欠如を引き起こす。遠くから多値レベルラスタ形状を観察したときに、
観察者の目は縁64を列66のほぼ中央に位置するであろうが、同じ距離から2値レ
ベルラスタ形状を観察したときには、列66はすべて白であるため観察者の目は縁
64を列66の左側に位置する。これは文字“N”の2本のステムの間の対称の視覚
的キューを消し去り、“ステム幅エーリアジング”として周知の一般的問題の事
実を引き起こす。
ドロップアウトとステム幅エーリアジングに対する原型的な解決は、R.Hersc
hとC.Betriseyの“Advanced Grid Constraints:Performance and Limitations
”,Raster Imaging and Digital Typography II,R.A.Morris and J.Andre e
ds.,pp.190-204(Cambridge University Press,Cambridge 1991)に記載され
ている。
輪郭に関する解析的記述から多値レベルラスタ形状を計算するための効率的な
方法および装置は米国特許 No. (本出願の譲受人によって共通に所有
され、すべての目的に対してここに組み入れられる1993年7月1日出願、出願番
号 NO.08/070,135〔以下“多値レベルラスタ形状発生装置”〕)に記載されて
いる。
発明の要約
多値レベルラスタ形状および理想的な形状記述から2値レベルラスタ形状を発
生させるための改善された方法および装置は本発明の長所によって提供される。
本発明は、2値レベルラスタ形状を計算するときに発生する2つの問題、ドロッ
プアウトとステム幅エーリアジングを除去するよりよい方法を表している。
改善されたコンバータの1面は、接続が表現されるように多値レベルラスタ形
状から2値レベルラスタ形状へのカバーレッジ値の丸めに影響を与える隣接した
一対のピクセルに関連するドロップアウト警報に関する使用である。丸め処理に
おいて、警報に関連するピクセルのいずれのも事前にフラグが立てられていない
ときは、一対のピクセルのうちより高いカバーレッジ値を有するピクセルがフラ
グを立てられる。フラグを立てられたピクセルのカバーレッジ値は常に1に丸め
られるが、フラグを立てられていないピクセルはそのカバーレッジ値があるしき
い値以上であるときだけ丸め上げられる。ドロップアウト警報は、多値レベルラ
スタ形状の発生のために使用される理想的形状の輪郭から見出され、そして望ま
しい実施例においては、輪郭と中央ピクセル線の交点に最も近いピクセルである
。
本発明の他の面において、ステム幅エーリアジングを最小にするために可変し
きい値が使用される。可変しきい値によれば、2値レベルラスタ形状の平均カバ
ーレッジ値は多値レベルラスタ形状の平均カバーレッジ値により近く接近するの
で、観察者は画像を視覚的に平均したときに、盲目的な多値レベルラスタ形状の
丸めによって生成されるよりもより正確な原形状の再生を認識するであろう。1
実施例において、可変しきい値はピクセル位置およびチェッカーボードパターン
の 0.5からのオフセットの関数であり、従って、各方
向の他のピクセルそれぞれの対するしきい値は 0.5+オフセットであり、残りの
ピクセルに対するしきい値は 0.5−オフセットである。
本発明のさらなる性質および利点の理解は、本明細書の残余の部分および図面
を参照することによって達成されるであろう。
図面の簡単な説明
図1は多値レベルラスタ形状を2値レベルラスタ形状と比較する図、
図2は数値的且つグラフィックに示したラスタ形状の図、
図3は2値レベルラスタ形状がドロップアウトした場合のラスタ形状の図、
図4は2値レベルラスタ形状がステム幅エーリアジングを被るラスタ形状の図
、
図5は、多値レベルラスタ形状から2値レベルラスタ形状を生成する手段を浮
含む、ラスタディスプレイ装置に表示する理想形状から多値レベルラスタ形状を
合成するラスタ形状シンセサイザを用いるコンピュータシステムのブロック図、
図6はドロップアウトを補正する、多値レベルラスタ形状から2値レベルラス
タ形状へのコンバータのブロック図、
図7はドロップアウト警報のグラフィックな表示、
図8は、ドロップアウトを避けるための、多値レベルから2値レベルラスタ形
状へのコンバータにおけるドロップアウト警報の使用の図、
図9はドロップアウト警報の処理の順序依存を示すドロップアウト警報のグラ
フィッな表示、
図10はラスタグリッド上に配置された軌跡から生成されたドロッ
プアウト警報のグラフィック表示、
図11はラスタグリッド上に配置された軌跡からのドロップアウト警報を計算す
る1方法を示し、
図12はその軌跡に対する近似を用いて軌跡からドロップアウト警報を計算する
方法を示し、
図13は非積分ピクセルライン幅を生成するための可変しきい値の使用を示し、
図14はステム幅エーリアジングを補正する多値レベルラスタ形状から2値レベ
ルラスタ形状へのコンバータのブロック図、そして
図15はドロップアウトと非対称ピクセル化アーティファクトの補正をする多値
レベルラスタ形状から2値レベルラスタ形状へのコンバータのブロック図である
。
好ましい実施例の記載
以下に記載す装置及び方法は多値レベルから2値レベルラスタ形状への変換の
2つの問題、即ち、ドロップアウトを無くするか減少させること、及びステム幅
エーリアジングを避けるか減少させること、を解決する。一般に、ドロップアウ
トの問題は、理論的に正しいカバーレッジ値を著しく歪ませることの犠牲の上に
連結性が保持されるように2値レベルラスタ形状の計算を変形することによりア
ドレスされ、ステム幅の問題は、以下で「ヒント」又は「グリッド拘束」と称す
る情報を形状の輪郭に追加することにより解決される。
以下では又、上記で参照した新規な多値レベルラスタ形状発生器を用いて、所
望の寸法の多値レベルラスタ形状を効率的に計算し、多値レベル値を2値レベル
値に変換する特別なプロセスを実行する方法を記載する。多値レベルラスタ形状
を計算するこの効率的な方
法を用いることにより、本発明はHersch及びBetriseyにより記載された方法と同
様に効率的であり、さらに、「グリッド拘束」情報の必要性をなくしながら、カ
バーレッジ値の劣化を最小化する、ドロップアウトの問題に対する解決を生み出
す。この変換は以下では新規な多値レベルラスタ形状発生器により発生される多
値レベルラスタ形状について記載するが、ここで記載する方法は多値レベルラス
タ形状を生成するために使用される方法とは独立であり、したがって、他の手段
により生成される多値レベルラスタ形状に関しても作動する。
図5は画像表示システム 100のブロック図である。画像表示システム 100は、
ラスタディスプレイ 104を持つディジタルコンピュータ 102と、コンピュータ 1
02からの出力を受け取るように結合されたラスタプリンタ 106を備えている。コ
ンピュータ1−2は理想形状の分析的記載を保持する理想形状ライブラリ 108と
、ラスタ形状シンセサイザ 110と、アプリケーションプログラム 112と、既にシ
ンセサイズされたラスタ形状のキャシュ 114と出力デバイスドライバ 116a, 1
16bと、多値レベルから2値レベルラスタ形状へのコンバータ 118とを備えてい
る。
コンピュータ 102は又、その様々な要素の間のデータ及び制御の転送のための
いくつかの相互接続を含み、その接続はハードウエア及び/又はソフトウエアの
相互接続により実現されている。これらの相互接続の目的はこの直後に簡単に記
載し、詳細な動作は後に説明する。
アプリケーションプログラム112 はラスタ形状シンセサイザ110 と、コンバー
タ118 と、ラスタ形状キャシュ114 と、デバイスドライバ 116a, 116bとに結
合されており、ある実施例においては、図5に示すように、理想形状ライブラリ
108 に結合されている。ア
プリケーションプログラム112 は、理想形状ライブラリ108 に結合されている場
合は、ライブラリ108 に格納されるべき理想形状定義を発生する。アプリケーシ
ョンプログラム112 は又ラスタ形状シンセサイザ110 に理想形状選択をラスタ形
状シンセサイザ110 に出力し、レベル選択(2値レベル又は多値レベルのいずれ
かの選択)をラスタコンバータ118 に出力し、色/位置選択をデバイスドライバ
116a, 116bに出力する。
ラスタ形状キャッシュ114 はアプリケーションプログラム114 からラスタ形状
選択情報を受け取り、コンバータ118 からラスタ形状を受け取り、そして、デバ
イスドライバ 116a, 116bにラスタ形状を出力するように結合されている。各
デバイスドライバ 116a, 116bはラスタ形状キャッシュ114 からラスタ形状を
受け取り、出力デバイスにピクセル化されたディスプレイデータを出力するアプ
リケーションプログラム112 から色及び位置命令を受け取るように結合されてい
る。デバイスドライバ 116aのための出力デバイスはラスタディスプレイ104 で
あり、デバイスドライバ 116bのための出力デバイスはプリンタ106 である。
他の相互接続は、シンセサイザ110 とライブラリ108 の間の、シンセサイザ11
0 がライブラリ108 から理想形状輪郭記述を要求する信号線と、ライブラリ108
がその記述を与える信号線とを含んでいる。シンセサイザ110 は多値レベルラス
タ形状をコンバータ118 に出力する。いくつかの実施例においては、コンバータ
118 は、ライブラリ108 により供給されるか又はシンセサイザ110 により通過さ
せられる、その動作における理想形状の記述を利用する。図5はライブラリ108
により与えられている形状記述を示している。
1実施例においては、アプリケーションプログラム112 は、ウインドウシステ
ム、ワードプロセッサ、デスクトップ・パブリッシン
グ・プログラム、スプレッド・シート・プログラム又はグラフィク・ディスプレ
イ・ツールでよい。アプリケーションプログラム112 の実際の動作は、ラスタ形
状として表示されるべき理想形状を選択し、ラスタ形状を理想形状から合成され
るようにし、2値レベルと多値レベルラスタ形状のいずれを出力するかを選択し
、又はラスタ形状をデバイスドライバに出力させる限り、重要ではない。アプリ
ケーションプログラム112 が、ディスプレイ104 又はプリンタ106 のいずれかの
ラスタ画像上の所与の色を所与の位置で形状を表示したいと望むと、それは所望
の形状をラスタ形状キャッシュ114 に示し、その欠陥のラスタ形状は出力デバイ
スに出力される。形状の色及び位置はキャッシュ内の正しいラスタ形状を見つけ
るためには必要とされず、それらのパラメータは出力デバイスに直接渡される。
ラスタ形状キャッシュ114 が所望の形状をすでに含んでいない場合は、アプリケ
ーションプログラム112 はシンセサイザ110 にラスタ形状を生成させてそれをラ
スタ形状キャッシュ114 の中に配置する。
これに替えて、ラスタ形状キャッシュ114 は必要な制御手段を含んで必要に応
じてラスタ形状の合成を要求するようにしてもよい。いくつかの実施例において
は、アプリケーションプログラム112 は理想形状ライブラリ108 に格納されるべ
き新たな形状記述を生成可能であるが、他の実施例においては、理想形状ライブ
ラリ108 を変形するために別のアプリケーションプログラムが必要とされる。
他の実施例においては、必要なときにラスタ形状を生成するシンセサイザ110
を用いることにより、ラスタ形状キャッシュ114 を完全に無くしてもよい。大部
分は、コンバータ118 はキャッシング無しにシンセサイザ110 により出力された
形状を単純に変換する。いくつかの実施例においては、ラスタ形状はさらなる処
理のためにア
プリケーションプログラムに戻される。そのさらなる処理の後に、ラスタ形状は
アプリケーションプログラム112 からデバイスドライバ 116, 116bに直接出力
され得る。
図6はラスタコンバータ118(1)のより詳細な1実施例を示す。コンバータ118
(1)はドロップアウト警報(ウォーニング)発生器120 と、丸めモヂュール122
とマルチプレクサ124 とを備えている。コンバータ118(1)の相互接続はカバー
レッジ値のアレイの形態をした多値レベルラスタ形状を受け取るラスタ形状入力
を含み、各カバーレッジ値はラスタ形状を境界付ける境界ボックス内のピクセル
に関係しており、その中でカバーレッジ値はラスタ形状によりカバーされている
関連するピクセルのフラクションと、ドロップアウト警報発生器に入力される軌
跡とを示しており、ドロップアウト警報器はその軌跡を受け取りそれからドロッ
プアウト警報が計算される。輪郭のためのコンバータ118(1)の入力も与えられ
る。この入力はドロップアウト警報発生器120 の入力を形成する。
ラスタ形状入力は丸めモジュール122 の形状入力と、マルチプレクサ124 のM
入力に結合されている。警報発生器120 の出力は丸めモジュール122 の入力に結
合されて、それに対するドロップアウト警報のアレイを通過させる。丸めモジュ
ール122 の出力はマルチプレクサ124 のB入力に結合されており、マルチプレク
サ124 の出力はコンバータ118(1)の出力を形成している。マルチプレクサ124
は又選択入力を有し、それはアプリケーションプログラム112 により制御される
。
コンバータ118(1)の動作を次に説明する。コンバータに対する入力は多値レ
ベルラスタ形状である。選択入力が多値レベルラスタ形状を使用すべきであると
いう信号を出すと、マルチプレクサはマルチプレクサ124 のM入力から多値レベ
ルラスタ形状をコンバータ
118(1)の出力に変化させないで出力する。選択入力が2値レベルラスタ形状を
使用すべきであるという信号を出すと、丸めモジュール122 の出力はマルチプレ
クサ124 のB入力を通ってマルチプレクサ124 から出力される。警報発生器120
の動作を図7〜8と関係付けて記載する。
図7は図示されたピクセルa1,b1,c1,a2,b2,c2,a3,b3
,c3を持つ境界ボックスの一部を示す。図7は又、2つのドロップアウト警報
150(1)〜(2)を示し、その各々は中央がひし形の太線で示されている。ドロッ
プアウト警報は、2つのピクセル間に配置されて、多値レベルカバーレッジ値か
ら2値レベルカバーレッジ値までカバーするときは両ピクセルを0のカバーレッ
ジ値に丸め落としてはならない、ということを示している。なぜなら、そのよう
にすると、ドロップアウトを導入することになるからである。ドロップアウトは
、それが取り付けられており、そのピクセルのエッジにそれが取り付けられてい
るピクセルの1つの指示することにより完全に特定される。これに替えて、ドロ
ップアウトはそのドロップアウトに隣接する2つのピクセルを特定すること、又
はそのドロップアウト警報が垂直か水平かを特定し、その警報の左に対する(垂
直の警報に対して)又は上の(水平の警報に対して)ピクセルを特定することに
より特定される。警報発生器120 から丸めモジュール122 まで通過するドロップ
アウト警報のアレイ(図6参照)は、境界ボックスに比例するサイズの固定アレ
イ又は多数の警報に比例するサイズの可変長リストのいずれでもよい。
図8はドロップアウト警報が如何にして丸めモジュール122 により遂行される
丸め処理に関係するかを示す。図8は4つの境界ボックスを示し、各々は図3の
ように文字の表示含むが、ドロップアウト警報を追加している。参考までに、境
界ボックス内のピクセルの
ローは1〜8の数字でラベルされており、コラムは文字A〜Hでラベルされてい
る。左上の境界ボックスは文字の輪郭と、その輪郭に対する多値レベルカバーレ
ッジ値と、ピクセル対D1−D2,E1−E2,D7−D8、及びE7−E8の
間の4つのドロップアウト警報とを示している。右上の境界ボックスは、左上の
境界ボックス内のカバーレッジ値から得られる多値レベルラスタ形状のグレイレ
ベルを示している。
左下の境界ボックスは2値レベルカバーレッジ値のアレイ上に横たわる輪郭を
示している。ピクセルD1,E1,D8及びE8の多値レベルカバーレッジ値は
すべて0であり、ピクセルD2,E2,D7及びE7の多値レベルカバーレッジ
値はすべて0.3 であり、したがって、ドロップアウト警報なしでは、それらはす
べて0に丸められる。その代わりとして、ドロップアウト警報は、その警報に隣
接する少なくとも1つのピクセルは1に丸められるべきであるということを示し
ている。どのピクセルを丸めるかを決定するに際して、丸めモジュール122 はド
ロップアウト警報に隣接する2つのピクセルのカバーレッジ値を参照し、両者が
0.5 より小さいならば、2つのうちの最も大きいものを丸める。こうして、ピク
セルD2,E2,D7及びE7は左下の境界ボックスにおいて1に丸められる。
右下の境界ボックスは得られた2値レベルラスタ形状を示している。
図9は評価の順序が如何にして得られた2値レベルラスタ形状に影響をあたえ
ることができるかを示している。図9において、カバーレッジ値B1=0.4, B
2=0.3 、及びC2=0.2 と、2つのドロップアウト警報B1−B2及びB2−
C2を持つロー1〜3及びコラムA〜Cの9個のピクセルの境界ボックスの一部
が示されている。丸めモジュールがB1−B2を最初に処理すると、B1は上に
丸められ、2は下に丸められる。B1はドロップアウト警報に隣接する1.0 のカ
バーレッジ値を持つ少なくとも1つのピクセルという要求を満たすので、B2は
下に丸められる。この時にカバーレッジ値を実際に変化させる代わりに、ピクセ
ルB1は上に丸められるピクセルであるとするマークを付けるだけでもよい。丸
めはすべてのピクセルがマーク付けされた後に生じ、こうして元のカバーレッジ
を試験に利用可能にする。ピクセルB2−C2の間のドロップアウト警報は次い
で処理され、C2より高いカバーレッジ値を持つピクセルB2は上に丸められる
ようにマークされる。
この評価順序はピクセルB1及びB2を1に丸め、C2を0に丸める。ドロッ
プアウト警報が他の順序、B2−C2次いでB1−B2で評価されると、C2よ
り大きいB2は上に丸められるが、ドロップアウト警報B1−B2はB1,B2
の少なくとも1つのピクセルが上に丸められるということを考慮に入れるので、
B1は上に丸められない。実験は評価の順序はそれほど実際的な重要性を持って
おらず、任意の他の順序が受け入れ可能な結果を与える、ということを示した。
図10〜11は如何にしてドロップアウト警報発生器120 が警報を配置するかを示
している。図10において、ピクセルグリッドの部分190 が軌跡192 及びドロップ
アウト警報194 のチェーンとともに示されている。そのように配置されたドロッ
プアウト警報194 により、丸めモジュール122 は軌跡192 に接触する第1のピク
セル(ピクセルA8)から最後(ピクセルH1)までの1のカバーレッジ値を持
つピクセルの連続経路が与えられることを確実化する。好ましい実施例において
は、軌跡は形状の輪郭から計算される。
図11はドロップアウト警報がどのように選択されるかをより詳細に示している
。図11は4つのピクセルA1,A2,B1及びB2上
の軌跡200 を、ピクセルを4つに分割する中央ピクセルライン202 と共に示して
いる。また、4つのドロップアウト警報204(1)〜(4)及び軌跡と中央ピクセル
ラインとの間の交点206(1)〜(4)も示されている。ドロップアウト警報は軌跡2
00 と中央ピクセルライン202 の間の各交点に最も近い位置で作られる。
図12は図11の変形であり、軌跡200 の直線セグメントで作られた近似210 が、
かわりに用いられている。近似210 と中央ピクセルライン202 との交点は同一の
ドロップアウト警報を生成するが、これは必ずしもそうであるとは限らない。こ
れで、ドロップアウトを避けることについての記載は完了し、次にステム幅エー
リアジングの処理に用いられる技術に戻る。
図13はライン220 の理想充満輪郭とライン220 の輪郭に近似するラスタ形状と
を示している。図13(a)はピクセル化が考慮される前の充満輪郭を示し、これ
は形状の理想輪郭である。ライン220 は1.5 ピクセル幅であり、ピクセルの1コ
ラム(左のコラムL)を完全にカバーしておりピクセルの他のコラム(右のコラ
ムR)を部分的にカバーしている。
図13(b)において、ライン220 は多値レベルラスタ形状により表されている
。ラスタ形状のカバーレッジ値は図13(b)においてはグレイレベルで表されて
いる。ライン220 は1.5 ピクセル幅で左側のコラムを完全にカバーしているので
、左のコラム内のピクセルに対するカバーレッジ値は1.0 であり、右のコラム内
のピクセルに対するカバーレッジ値は0.5 である。図13(b)に示される多値レ
ベルラスタ形状が、0.5 の固定しきい値を用いる2値レベル形状に変換されると
、左及び右の両コラムのピクセルは1に丸められ、結果として得られる2値レベ
ルラスタ形状におけるライン220 の厚さは2ピクセルとなる。元のラインの厚さ
が若干少なくて、その左側
のエッジが同一位置にあったとすると、結果として得られるラインは結果として
得られる2値レベルラスタ形状における丁度1ピクセルの厚さとなるであろう。
元の多値レベル形状における小さい変化が、結果として得られる2値レベル形状
における大きい変化になるこのプロセスは、ステム幅エーリアジングの原因であ
る。この効果を避けるために、可変しきい値が用いられる。
図13(c)は各ピクセルのしきい値を示す。この例では、しきい値は、チェッ
カーボードパターン内のピクセルに割り当てられた各しきい値を持つピクセルか
らピクセルへの1/3と2/3の間で変化する。チェッカーボードパターンのた
めに、この技術は垂直ライン及び水平ラインの対して良好に作用する。1/3と
2/3のチェッカーボードパターンあ示されているが、他のしきい値関数も同様
に良好に作用可能である。効率的な実現のために、しきい値はピクセル位置の単
純な関数であるべきである。図13(c)においては、例えば、しきい値関数は、
x及びyをピクセルの座標とすると、(((x+y)mod2)+1)/3である
。1/3と2/3のしきい値は必要ではなく、しきい値の平均は0.5 に近いこと
が好ましい。代替のしきい値関数は、2つ以上のしきい値が境界ボックスにわた
って分布しているものである。
図13(d)は可変しきい値丸めから得られる2値レベルラスタ形状を示してい
る。左のコラム内のすべてのピクセルはカバーレッジ値が1であり、したがって
それらは常に1に丸められるが、右のコラム内のピクセルの丸めは変化する。各
ピクセルは0.5 のカバーレッジ値を有し、したがって、しきい値が1/3であれ
ば、カバーレッジ値は上に丸められ、しきい値が2/3であれば、カバーレッジ
値は下に丸められる。
図13(e)は図13(d)の2値レベルラスタ形状に基づいて出力
デバイスがプリントするものを示しており、デバイスの出力に現れるピクセルが
幾分丸められている。図13(f)は図13(d)の2値レベルラスタ形状を表示し
ているラスタデバイスの出力が、その出力から充分な距離にある観察者にどのよ
うに見えるかを示している。図13(f)に示すように、観測者が見るものは明ら
かに理想形状である。この利益のある効果は図14に示すソフトウエアにより提供
される。
図14は、可変しきい値関数を用いてステム幅エーリアジングを補正する、多値
レベルラスタ形状から2値レベルラスタ形状へのコンバータ118(2)のブロック
図である。形状コンバータ118 は、2つのラスタ形状入力のどれを出力に結合す
るかを選択する入力を持つマルチプレクサ124 を含んでいる。ラスタ形状入力の
1つはコンバータ118 への多値レベルラスタ形状入力であり、他は多値レベルラ
スタ形状から得られた2値レベルラスタ形状である。こうして、2値レベルラス
タ形状を得る装置部分を除き、コンバータ118 はコンバータ118(1)と類似して
いる。
コンバータ118(2)は可変しきい値丸めモジュール230 としきい値発生器232
を含んでいる。モジュール230 は、各カバーレッジ値が境界ボックス内のピクセ
ルに関係しているカバーレッジ値のアレイの形態で多値レベルラスタ形状を受け
取る入力を有している。モジュール230は又しきい値発生器232からの各ピクセル
のしきい値を受け取る入力を有している。しきい値発生器232はコンバータ118(
2)への多値レベルラスタ形状入力からのピクセル位置情報を受け取る入力を含
んでいる。ある場合には、カバーレッジ値に関連するピクセルの位置はカバーレ
ッジ値内に潜在的に含まれており、したがって、この入力は必要ではない。しき
い値発生器232はしきい値関数に対する入力を含んでいる。しかしながら、いく
つかの実施
例においては、しきい値関数は固定でありこの入力は使用されない。
動作において、多値レベルラスタ形状と、多値レベルラスタ形状が2値レベル
ラスタ形状に変換されるべき否かを示す制御信号とがコンバータ118(2)に入力
される。形状が変換されるべきではない場合は、多値レベルラスタ形状が出力さ
れる。そうでない場合は、多値レベルラスタ形状は丸めモジュール230 に入力さ
れ、その丸めモジュール230 はしきい値発生器232 により提供される可変しきい
値を用いて多値レベルラスタ形状を2値レベルラスタ形状に変換する。
図15は、ドロップアウトと非対称ピクセル化アーティファクトの両方を補正す
る、多値レベルラスタ形状から2値レベルラスタ形状へのコンバータ118(3)の
ブロック図である。コンバータ118(3)はコンバータ118(1)とコンバータ118(2
)の組み合わせに類似している。コンバータ118(3)はドロップアウト警報発生器
120 、マルチプレクサ124 と、2値レベル発生器234 と、しきい値発生器232 と
を含んでいる。コンバータ118(3)において、コンバータ118(3)の多値レベルラ
スタ形状入力はドロップアウト警報発生器120 と、しきい値発生器232(位置情報
が潜在的に含まれていない場合)と、2値レベル発生器234 とマルチプレクサ124
とに結合されており、警報発生器120 としきい値発生器232 との出力は2値レ
ベル発生器234 の入力に結合されている。輪郭のためのコンバータ118(3)の入
力も与えられる。この入力はドロップアウト警報発生器120 に対する入力となる
。
動作において、2値レベル発生器234 は、ドロップアウト警報及びしきい値に
基づいて、入力多値レベルラスタ形状内の各カバーレッジ値を0又は1に丸める
。警報発生器120 はどのピクセル対が両
方ともゼロに丸められるべきではないかを指示する。ドロップアウト警報対内の
両ピクセルに対するカバーレッジ値がそれぞれのしきい値より小さい場合、2値
レベル発生器234 はその2つのピクセルの内の1つを上に丸めるためのマーク付
けをする。これに替えて、ピクセルのしきい値を0に変えて、カバーレッジ値が
上に丸められることを確実化してもよい。
上記の装置を用いることにより、ドロップアウト及び非対称ピクセル化アーテ
ィファクトの問題を避けながら、多値レベルラスタ形状を効率的に2値レベルラ
スタ形状に変換することができる。上記の記載は例示であって限定的なものでは
ない。この開示をレビューすることにより、本発明の多くの変形が当業者に明ら
かになる。
端末なる例として、コンピュータ102 は、分散された計算機リソースを持つ、
より汎用の計算機環境であってもよい。ディスプレイ104 は、ビデオレコーダ又
は画像格納手段のような他の画像処理装置で置き換えることができる。プリンタ
106 はレーザプリンタ、インクジェットプリンタ、又はインパクト・ドット・マ
トリックス・プリンタでよい。
本発明の範囲は、したがって、上記の記載を参照して決定されるべきでは無く
、添付の請求の範囲及びその均等の完全な範囲を参照して決定されるべきである
。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1996年2月12日
【補正内容】
請求の範囲
1.形状輪郭から2値レベルラスタ形状を発生する方法であって、
ピクセルグリッドに対する形状輪郭を位置付けるステップと、
該位置付けられた形状輪郭を全体的に取り囲む該ピクセルグリッドの境界領域
を特定するステップであって、該境界領域は該境界領域内にあるピクセルのセッ
トによって特徴付けられており、該ピクセルのセットにおける各ピクセルは該境
界領域に対するピクセルの位置によって特徴付けられているものと、
該形状輪郭を表す多値レベルラスタ形状を発生するステップであって、該多値
レベルラスタ形状は多値レベルカバーレッジ値のアレイとして記憶可能であって
、各多値レベルカバーレッジ値は該ピクセルのセットのうちの1つのピクセルと
関連しており、また各多値レベルカバーレッジ値は2以上の複数の可能なカバー
レッジ値から選択されるものと、
前記位置付けのステップの結果を用いて、少なくとも1対の隣接するピクセル
をドロップアウト警報で特定するステップと、
該特定するステップで特定された各対のピクセルのうちの少なくとも1つのピ
クセルにフラグを立てるステップと、
可変しきい値関数から、該ピクセルのセットにおける各ピクセルに対するしき
い値を計算するステップであって、該ピクセルのセットにおけるすべてのピクセ
ルが同じしきい値を得ることがないように、該可変しきい値関数が変化しうるも
のと、
該多値レベルカバーレッジ値のアレイにおける各多値レベルカバーレッジ値を
、カバーされた値およびカバーされない値から選択された2値レベルカバーレッ
ジ値に丸めるステップであって、該多値
レベルカバーレッジ値は該多値レベルカバーレッジ値が該カバーされない値と該
しきい値との間にある時に該カバーされない値に丸められ、また該多値レベルカ
バーレッジ値は該多値レベルカバーレッジ値が該カバーされない値と該しきい値
との間にない時は該カバーされた値に丸められ、該丸めるステップは、丸められ
た多値レベルカバーレッジ値と関連するピクセルが該フラグを立てるステップで
フラグを立てられたならば、その値にかかわらず、該多値レベルカバーレッジ値
を該カバーされた値に丸めるステップを含むもの、
とをそなえる方法。
2.該関連するピクセルがフラグを立てられており、かつ該関連するピクセル
の対のピクセルのカバーレッジ値が既に該カバーされない値に丸められていた時
には、該丸めるステップの一部として、該多値レベルカバーレッジ値がその値に
かかわらず該カバーされた値に丸められる、請求項1に記載の方法。
3.該ピクセルの対を特定するステップが、
最も近いピクセルのエッジを形状輪郭のエッジに特定するステップと、
該ピクセルのエッジをドロップアウト警報として特定するステップ、
とを更にそなえる、請求項1に記載の方法。
4.該ピクセルのエッジを特定するステップは、該形状輪郭に集団的に接近す
る複数のピクセルのエッジを特定するステップを更にそなえ、該ピクセルのエッ
ジをドロップアウト警報として特定するステップは、該複数のピクセルのエッジ
における各ピクセルのエッジをドロップアウト警報として特定するステップを更
にそなえている、請求項3に記載の方法。
5.該ピクセルのエッジを特定するステップは、該形状輪郭と中
央ピクセルラインとの交点を位置付けるステップをそなえる、請求項3に記載の
方法。
6.該ピクセルのエッジを特定するステップは、
該形状輪郭を一連のジャンプをそなえた軌跡に変形するステップであって、該
ステップが該形状輪郭に接近した直線であるものと、
該軌跡の各交点と各中央ピクセルラインとを特定するステップ、
とをそなえる、請求項3に記載の方法。
7.該複数のピクセルのエッジを特定するステップは、該形状輪郭と該中央ピ
クセルラインとの各交点を特定するステップと、かかる各交点に最も近いピクセ
ルのエッジを特定された該複数のピクセルのエッジに加えるステップとをそなえ
る、請求項4に記載の方法。
8.該複数のピクセルのエッジを特定するステップは、
該形状輪郭を1つ以上の軌跡に変形するステップであって、各軌跡は一連のジ
ャンプをそなえ、該ジャンプは該形状輪郭に接近した直線であるものと、
該1つ以上の軌跡と該中央ピクセルラインとの各交点を特定し、かかる各交点
に最も近いピクセルのエッジを特定された該複数のピクセルのエッジに加えるス
テップ、
とをそなえる請求項4に記載の方法。
10.形状輪郭から2値レベルラスタ形状を発生する方法であって、
ピクセルグリッドに対する形状輪郭を位置付けるステップと、
該位置付けられた形状輪郭を全体的に取り囲む該ピクセルグリッドの境界領域
を特定するステップであって、該境界領域は該境界領域内にあるピクセルのセッ
トによって特徴付けられており、該ピクセルのセットにおける各ピクセルは該境
界領域に対するピクセルの
位置によって特徴付けられているものと、
該形状輪郭を表す多値レベルラスタ形状を発生するステップであって、該多値
レベルラスタ形状は多値レベルカバーレッジ値のアレイとして記憶可能であって
、各多値レベルカバーレッジ値は該ピクセルのセットのうちの1つのピクセルと
関連しており、また各多値レベルカバーレッジ値は2以上の複数の可能なカバー
レッジ値から選択されるものと、
可変しきい値機能から、該ピクセルのセットにおける各ピクセルと関連したし
きい値を計算するステップであって、該ピクセルのセットにおけるすべてのピク
セルが同じしきい値を得ることがないように、該可変しきい値機能が変化しうる
ものと、
該多値レベルカバーレッジ値のアレイにおける各多値レベルカバーレッジ値を
、カバーされた値およびカバーされない値から選択された2値レベルカバーレッ
ジ値に丸めるステップであって、関連したピクセルに対する多値レベルカバーレ
ッジ値は、該多値レベルカバーレッジ値が該カバーされない値と該関連したピク
セルに対する該しきい値との間にある時に該カバーされない値に丸められるもの
、とをそなえる方法。
11.該しきい値が該カバーされた値と該カバーされない値との間の値であり、
該カバーされた値は該形状輪郭によって完全にカバーされたピクセルに割り当て
られた値であり、該カバーされない値は該形状輪郭によって完全にはカバーされ
ないピクセルに割り当てられた値である、請求項10に記載の方法。
12.1つのピクセルと関連した該しきい値が第1のしきい値と第2のしきい値
との間でピクセルから隣接するピクセルへと交互に変化し、該第1のしきい値が
該カバーされない値と該カバーされた値との平均値より該カバーされない値によ
り接近した値であり、該第
2のしきい値が該平均値より該カバーされた値により接近した値である、請求項
10に記載の方法。
14.該ラスタディスプレイは1つ以上のラスタ形状を同時に表示可能であり、
1つのラスタ形状に用いられる該2つの色は、該ラスタディスプレイに同時に表
示される他のラスタ形状に用いられる2つの色と必ずしも同じでない、請求項16
に記載の装置。
16.画像を示唆するための2つの色のうちの1つにそれぞれ着色される各ピク
セルのグリッドを用いて画像を表示するラスタディスプレイと、
該ラスタディスプレイの分解能によって制限されない少なくとも1つの閉じた
外形をそなえた輪郭によってそれぞれ描かれた理想的な形状を記憶する記憶手段
と、
装置パラメータ入力手段と該記憶手段とに結合された関係付け手段であって、
装置分解能パラメータを受け入れて、該記憶手段から受け入れた理想的な形状を
該ラスタディスプレイのピクセルグリッドに関係付けるものと、
該関係付け手段と該記憶手段とに結合された多値レベル充填手段であって、該
輪郭と該ピクセルグリッドとにもとづいて多値レベルラスタ形状を発生させるも
のと、
該ピクセルグリッドの各ピクセルに対して多値レベルカバーレッジ値を受け入
れるために結合されたラスタ形状記憶手段であって、該多値レベルラスタ形状は
多値レベルカバーレッジ値のアレイとして記憶可能であり、各多値レベルカバー
レッジ値は該ピクセルのセットにおける1つのピクセルと関連しており、各多値
レベルカバーレッジ値は2つ以上の複数の可能なカバーレッジ値から選択された
ものと、
該多値レベルラスタ形状から2値レベルラスタ形状を発生させる
丸め手段であって、該多値レベルラスタ形状の多値レベルカバーレッジ値はカバ
ーされた値とカバーされない値のうちの1つに丸められ、該多値レベルカバーレ
ッジ値が該カバーされた値と該丸められたピクセルと関連するしきい値との間に
ある時に該多値レベルカバーレッジ値を該カバーされた値に丸めるように形成さ
れ、そうでない時は該多値レベルカバレージ値を該カバーされない値に丸めるよ
うに形成され、該ピクセルと関連した各しきい値は、すべてのピクセルが該ピク
セルと関連する同じしきい値を有さないように変化しうるものと、
該丸め手段と該ラスタディスプレイとに結合されて、該ピクセルと関連するカ
バーレッジ値が該カバーされない値である時に、該ラスタディスプレイで該2つ
の色のうちの第1の色のピクセルを表示させるようにし、該ピクセルと関連する
該カバーレッジ値が該カバーされた値である時は該2つの色のうちの第2の色の
ピクセルを表示させるようにした手段、
とをそなえるワークステーション。
17.該ピクセルと関連する該しきい値が第1のしきい値と第2のしきい値の間
でピクセルから隣接するピクセルへと交互に変化し、該第1のしきい値は該カバ
ーされない値と該カバーされた値との平均値より該カバーされない値により接近
した値であり、該第2のしきい値は該平均値より該カバーされた値により接近し
た値である、請求項16に記載のワークステーション。
─────────────────────────────────────────────────────
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(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
H04N 1/403 9074−5C H04N 1/40 103A