JPH09510702A - インヒビン組成物およびそれらの使用方法 - Google Patents

インヒビン組成物およびそれらの使用方法

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JPH09510702A JP7522532A JP52253295A JPH09510702A JP H09510702 A JPH09510702 A JP H09510702A JP 7522532 A JP7522532 A JP 7522532A JP 52253295 A JP52253295 A JP 52253295A JP H09510702 A JPH09510702 A JP H09510702A
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アグリテック テクノロジーズ,リミテッド.
ザ ボード オブ スーパーバイザーズ オブ ルイジアナ ステート ユニバーシティ アンド アグリカルチャラル アンド メカニカル カレッジ
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、インヒビンまたはその断片、および担体蛋白質を含む異種蛋白質を投与することにより、鳥類、特に平胸類およびオウム目における春機発動期の開始を促進する方法に関する。本発明はまた異種蛋白質の投与により動物、特に鳥類、より詳しくは平胸類における産卵を増加させる方法にも関する。本発明はさらに異種蛋白質および異種蛋白質を製造する方法にも関する。異種蛋白質は担体蛋白質に結合されたインヒビンまたは担体蛋白質と融合したインヒビンのいずれであってもよい。融合異種蛋白質を製造する方法は、インヒビンまたはその断片をコードする二重鎖cDNAをマルトース結合蛋白質またはウシ血清アルブミンのような担体蛋白質をコードするベクターの中に挿入することを含む。ベクターを発現系に挿入すると、融合異種蛋白質がこの系により発現する。発現した異種蛋白質を精製した後に、有効量の蛋白質を動物に投与すると動物において免疫学的な応答が異種蛋白質に対して生ずる。

Description

【発明の詳細な説明】 インヒビン組成物およびそれらの使用方法タイトルにおいて これは1994年2月28日に出願された米国特許出願番号08/202,9 64の一部継続出願である。発明の分野 本発明は、一般的には、インヒビン蛋白質またはその断片、および担体蛋白質 を含む異種蛋白質を投与することによる、鳥類、特に平胸類およびオウム類にお ける春機発動期の開始を促進させる方法に関する。本発明はまた、インヒビン蛋 白質またはその断片、および担体蛋白質を含む異種蛋白質を投与することによる 、動物、特に鳥類、そしてより詳しくは平胸類における産卵を増加させる方法に も関する。本発明はさらに、インヒビンは担体蛋白質と融合しているかまたはそ れに結合されている、インヒビン蛋白質またはその断片、および担体蛋白質を含 む異種蛋白質、並びに異種蛋白質を製造する方法にも関する。発明の背景 平胸類とは、無飛力の、一般的には大型の走行する鳥類であり、ダチョウ、エ ミュー、レア、ヒクイドリおよびキウイの種を含むいくつかの目を含む。エミュ ー(Dromiceius novaehollandiae)は、未発達の翼並びに羽毛で覆われた頭お よび首により特徴づけられたオーストラリアの平胸類である。平均的な成体エミ ューは身長が約6フィート、体重は約150ポンドである。ダチョウ(Struthi ocamelius)は小さい翼と太く強い足を有する大型の平胸類である。標準的な成 体のダチョウは身長が約8フィートで体重は約325〜375ポンドである。「 レア」という語はレア目の鳥の員に対する一般名である。レア目はアメリカダチ ョウと称される南米の平胸類の目であり、それはいろいろな特徴の中でも比較的 小さい大きさ、羽毛のはえた頭と首、および3本指の足という点に関して本当の ダチョウとは異なっている。 ダチョウおよびエミューは昔からそれぞれ南アフリカおよびオーストラリアの それらの自然環境において商業的価値を有している。ダチョウ製品は100年以 上にわたり需要があり、それらの皮革、肉および羽毛の、実質的に世界的な市場 がある。例えば、ダチョウ皮革は、ブーツ、ハンドバッグ、ジャケット、アタッ シュケース、財布、および多くの他の製品に使用されている。ダチョウ羽毛は、 ファッション、服装、および羽毛はたきに使用されている。例えば、ダチョウ羽 毛はヨーロッパでは1キログラムの羽毛当たり約$60〜$1,200で販売さ れている。また、ダチョウ羽毛は「ダストマグネット」であると考えられている ので米国および外国でコンピューターおよび自動車産業における大きな需要があ る。 対照的に、エミューは市場では比較的に新参者である。それは化粧品産業で使 用される精油を添加すると同じ製品用に価値がでる。皮下脂肪の厚い層から溶か して精製されたエミュー油は強い浸透性を有しており、それによって例えば皺遅 延剤である皮膚軟化剤のような化粧クリームにおいて有用になる。また、関節炎 の処置など、エミュー油を医学用途に用いる可能性も最近研究されている。典型 的な完全に成長したエミューは1.6〜1.9mまたはそれ以上の身長および30 〜45kgまたはそれ以上の体重に達し得る。エミューは約1年間で成熟し、春 機発動期の前と後でエミューは性的に固有の表現型差異を示さない。ダチョウと 同様に、米国におけるエミューの生息数も最近数年間に爆発的な増加を示した。 1994年には、米国では15,000の繁殖中のつがいを含む合計約150,0 00羽のエミューがいた。1995年にはエミューの数はさらに500,000 〜750,000羽に増加すると予測され、その中で45,000羽が繁殖中のつ がいであると予測される。 オーストラリア、ベルギー、イスラエル、カナダ、オランダ、ナミビア、南ア フリカおよびジンバブエを含む数カ国で平胸類製品に関する需要増加がある。従 って、最近数年間にわたり国内市場ではダチョウおよびエミューに関する爆発的 な需要増加があり、レアに関してはそれより少ない需要増加がある。最近の5年 間に、米国における繁殖中のダチョウつがい数および合計鳥数は各々7.5倍と 20倍に増加した。1995年には、米国では20,000の繁殖中のつがいを 含む200,000羽のダチョウが存在すると予測される。これらの動物の飼育 に対する著しい関心は成体並びに未成熟動物の価格によるもので、特に繁殖中で あることが証明されているダチョウのつがいは$75,000.00程度の高さで あり、エミューのつがいでは$30,000.00もしくはそれ以上の価格である 。生後3〜4ヶ月の未成熟のダチョウは約$7,500.00の価格であり未成熟 のエミューは約$5,000.00の価格である。大多数の動物は生後3〜6ヶ月 で販売される。 さらに、動物農業の伝統的な形態の代わりとしても平胸類に著しい関心が寄せ られている。平胸類に関するいくつかの要素のために、それらは家畜産業の伝統 的形態(すなわち、ウシ、ブタおよびヒツジの飼育)より優れた選択肢となって いる。これらの要素には、優れた飼料転化比、比較的大きい強制飼育性、大きな 動物寸法、強化された生殖能力、およびそれらの肉の優れた栄養価が含まれる。 例えば、ウシに似た赤肉であるダチョウ肉はニワトリまたはシチメンチョウの 肉より、脂肪、カロリーおよびコレステロールが相当低い。具体的には、85グ ラムのダチョウ肉切身には2グラムの脂肪、58mgのコレステロール、および 97カロリーが含まれている。対照的に、85グラムの七面鳥の肉の切身には3 グラムの脂肪、59mgのコレステロール、および135カロリーが含まれてい る。86グラムの鶏肉には3グラムの脂肪、73mgのコレステロール、および 140カロリーが含まれている。85グラムの牛肉(ステーキ)切身には15グ ラムの脂肪、77mgのコレステロール、および240カロリーが含まれている 。そして、85グラムの豚肉には19グラムの脂肪、84mgのコレステロール 、および275カロリーが含まれている。(ダチョウ肉に関する数値はAMSI Quality Laboratory Report ♯ 0800100 から得た。他の肉に関する数値は U.S.D.A.Handbook No.8,"Nutritive Value of Foods"からのものであ る。)ダチョウと同様に、エミューの肉も低脂肪赤肉である。具体的には、10 0グラムのエミュー肉には1.7gの脂肪、57.5mgのコレステロール、およ び109カロリーが含まれている。(エミューに関する数値はSilliker Labor atories of Texas,Inc.から入手した。) また、ダチョウのような平胸類は生後12ヶ月で約100ポンドの肉を供給し 、従って比較的短期間でかなりの量の肉を生産する。 動物農業の伝統的形態に対して平胸類が何故優れた代替策であるかの説明を以 下のダチョウと牛との比較で行う。第一に、ダチョウは42日間の妊娠期間およ び孵卵期間を有し、一方牛は280日間を必要とする。第二に、平均的なダチョ ウは1年当たり20羽以上の子を生むが、牛は1年に1頭しか子を生まない。第 三に、ダチョウの飼料転化比は2:1以下であるが、牛の飼料転化比は5:1で ある。第四に、受胎から屠殺までの日数は牛では約645日であるのに対しダチ ョウでは約407日である。そして、ダチョウは肉および皮革の他に羽毛も生産 するが、牛は肉および皮革以外の製品を生産しない。 これらの特質、並びに脂肪およびコレステロールは低いが栄養があり且つ環境 に対して最小の負の影響で効果的に生産できる肉を求める人口が世界的に増加し ていることを考慮すると、平胸類産業には高い将来性がある。 現在、平胸類に関する需要は供給をはるかに上回っている。しかしながら、平 胸類生産業者はほとんどの繁殖年令の雌におけるあまり最適でない産卵により制 限されている。種によるが、飼育中のほとんどの平胸類は現在のところ1年に平 均10〜20個の卵を産卵するが、それらの遺伝的な産卵能力は1年当たり60 個の卵を越えると考えられる。例えば、野生の繁殖力の強いダチョウは繁殖期に 約48時間毎に産卵することができるし、野生の繁殖力の強いエミューは繁殖期 に約72時間毎に産卵することができる。対照的に、飼育中のダチョウは1つの 卵を産むのにしばしば5〜10日間かかり、エミューは4〜8日かかることが多 い。 平胸類の屠殺市場は毎年十分な数の子が生産されるまで発展しないだろう。あ る予測によると、屠殺市場を維持するためには、毎年少なくとも250,000 頭の動物が入手できなければならない。従って、産卵促進の方法が市場の成長を 大いに活性化するだろう。従って、鳥類、特にダチョウやエミューのような平胸 類の産卵を増加させる組成物および方法が必要とされている。 オウム目のような外来鳥類における産卵を増加させる組成物および方法も必要 とされている。オウム目はオウムを含み、対指足性を示しそして強いかぎのよう に曲がったくちばしを有する一科一目の鳥である。オウムは短く、丈夫で、強く かぎのように曲がったくちばしにより特徴づけられた鳥のオウム科(オウム目の 単独の科)の一員として定義される。 最近では、ホルモンであるインヒビンが哺乳動物の排卵を増加させる可能性の ある手段として研究されている。インヒビンは主として生殖腺により、そしてよ り詳しくは成長中の卵胞によって、製造されるペプチドホルモンである。哺乳動 物では、それは下垂体卵胞刺激ホルモン(「FSH」)分泌の抑制フィードバッ ク調整剤として機能する。インヒビンの存在が初めて推定されたのは60年以上 も前であるが、その化学的単離の達成はごく最近のことである。 哺乳動物のインヒビンはα−サブユニット(分子量18,000)およびβ− サブユニット(分子量14,000)からなる二量体蛋白質ホルモンである。α −サブユニットは、β−サブユニットの二量体が下垂体腺からFSHを放出する ホルモンであるアクチビンを形成するので、インヒビンに独特なものである。β −サブユニットは2つの形(βAおよびβB)で存在し、それらは区別されるが 非常に似ている。従って、含まれるβ−サブユニットにより、インヒビンはイン ヒビン−Aまたはインヒビン−Bとして存在する。αおよびβの両方のサブユニ ットは、ジスルフィド結合により結合されるとき、下垂体からの卵胞刺激ホルモ ン(「FSH」)分泌を抑制する際の生物学的活性にとって必要である。インヒ ビンのα−サブユニットのアミノ酸配列は、ブタ、ウシ、ヒト、ネズミおよび家 畜のニワトリの間で約80〜90%の類似性を示す。インヒビンの単離、製造、 検定および生物学的作用に関する優れた論評はRisbridger et al.,Current Perspectives of Inhibin Biology,Acta Endocrinologica(Copenh), 122 : 673-682,(1990)およびRivier,C.,et.al.,Studies of the Inhibin Famil y of Hormones:A Review,Hormone Research,28:104-118(1987)に見られ、そ れらは引用により本明細書に含める。 哺乳動物および鳥類において、FSHは卵胞の成長および発育に関係し、一方 黄体形成ホルモン(「LH」)は排卵を誘発すると考えられている。数種の脳お よび生殖線の因子(ペプチドホルモンとステロイドホルモン)は相互に作用して ゴナドトロピンホルモンの放出を制御する。これらの因子の中で、ゴナドトロピ ン放出ホルモン(「GnRH」)およびインヒビンは哺乳動物における下垂体F SH分泌に対して逆の制御を及ぼす。ゴナドトロピン放出ホルモンはFSHおよ びLH分泌を刺激するように作用する脳のデカペプチドであるが、インヒビンは 哺乳動物におけるFSH分泌を選択的に抑制するように明らかに作用する生殖腺 蛋白質である。 鳥における産卵の内分泌調節におけるインヒビンの役割を理解するためには鳥 の産卵過程の基本的知識が必要である。家畜の雌鶏の機能的に成熟した卵巣で成 長中の卵胞は顕著なサイズヒエラルキーで存在する。典型的な卵巣は4〜6個の 大きな、直径が2〜4センチメートルの黄身がつまった卵胞(F1〜F4、F6 )を、それより多い数の比較的小さい2〜10ミリメートルの黄色い卵胞および 多数の非常に小さい白色の卵胞と共に含んでいる。最大の産卵前卵胞(F1)は 翌日産卵される予定であり、二番目に大きいもの(F2)はその次の日(約26 時間後)の予定であり、そして以下も同様である。この階層内の卵胞補充および 成長の調節はあまり理解されていない。下垂体ゴナドトロピンが含まれることは 証明されているが、鳥のゴナドトロピン分泌の調節および産卵の調節におけるイ ンヒビンの役割は依然として明らかでない。 哺乳動物種における過剰排卵を誘発しようとする最近のストラトジーは、内因 性インヒビン活性の中和を含む方法の開発であある。例えば、種々のインヒビン 含有化合物に対する哺乳動物の能動免疫が研究されている。若い雌ウシ、ヒツジ 、若い雌ブタおよびネズミでは、インヒビンの免疫中和には排卵率の増加が伴う 。 抗原性インヒビン調剤で予防接種された哺乳動物で見られる排卵率の増加は、 卵巣の卵胞発育の促進をもたらすプラスミドFSH水準の上昇の結果であると考 えられる。哺乳動物の排卵率の上昇を示す研究では種々の抗原がワクチンとして 使用されている。哺乳動物で試験された抗原の一部には下記のものが含まれる。 インヒビンα−サブユニットの組み換えDNA由来の断片(Wrathall et al., Effects of active immunization against a synthetic peptide sequence of the inhibin α-subunit on plasma gonadotrophin concentrations,ovulation rate and lambing rate in ewes,J.Reorod.Fert.,95:175-182,1992、および Meyer et al.,Antiserum to an Inhibin Alpha-Chain Peptide Neutrali zes Inhibin Bioactivity and Increases Ovulation Rate in Sheep,Sci entific Journal Series of the Minnesota Agric.Exp.Sta. ,paper No.1 7,103,1991)、オバルブミンと結合されたウシのインヒビンα−サブユニットの N−末端配列の合成ペプチドレプリカ(Glencross et al.,Effect of active immunization of heifers against inhibin on plasma FSH concentrations,ovarian follicular development and ovulatio n rate,Journal of Endocrinology,134,11-18,1992)、ヒトの血清アルブ ミンに結合されたウシのインヒビンα−サブユニットの合成ペプチド配列(Mor ris,et al.Effect of immunization against synthetic peptide sequences o f bovine inhibin α-subunit on ovulation rate and twin-calving rate in h eifers,Journal of Reproduction and Fertility,97:255-261,1993)、およ びウシの卵胞液からの部分的に精製されたインヒビン(Morris et al,Effect of Immunizeing Prepuberal Lambs of Low and High Ovulation Rate G enotypes with Inhibin Partially Purified From Bovine Follicular F luid,Theriogenology,Vol.35 No.2,1991)。 研究された全ての周期性哺乳動物において、排卵周期中にFSHのレベルがど れくらい変動したかに関する矛盾するデータにもかかわらず、使用された抗原ま たは処置された哺乳動物種に関係なく、内因性インヒビンの免疫中和は卵巣卵胞 発育および排卵率を首尾一貫して高めた。 上記のように、鳥種における生殖機能の調整におけるインヒビンの関与は明ら かでない。これまでのところ、発表された報告は家禽におけるインヒビンの生殖 機能に限定されている。本文献の大部分は、インヒビンが哺乳動物で報告された ものと相似する生理学的役割を家禽で果たしているらしく、雌鳥ではインヒビン は卵胞補充および/または発育の調整剤として作用するという理論を支持してい る。しかしながら、鳥類では産卵率の調節におけるインヒビンの関与は下垂体F SH分泌の抑制によるものかもしれないしそうでないかもしれない。例えば、低 産卵性のメンドリは血漿中に高産卵性の雌鶏より高い水準のインヒビンと排卵前 の卵胞の顆粒細胞層を有することが見いだされているが、産卵率に関連する血漿 FSH水準では差が見られなかった。Wang et al,Increase in Ovarian α- Inhibin Gene Expression and Plasma Immunoreactive Inhibin Level i s Correlated with a Decrease in Ovulation Rate in the Domestic He n,General and Comparative Endocrinology,91,52-58,(1993)。従って、この 参考文献は、雌鳥ではインヒビンα−サブユニット遺伝子発現および血漿免疫反 応性インヒビン水準における産卵率と関連する変化は血漿FSH水準の調整を介 して産卵率に直接影響しないことを示唆している。さらに、Johnson,P.A.,I nhibin in the Hen,Poultry Science ,72:955-958,(1993)では、ウシのRIA系を使用して雌鳥の 血漿における免疫反応性インヒビンを成功裡に評価したが、免疫反応性インヒビ ンの有意のピークはLHの産卵前昂進にもかかわらず産卵周期全体にわたり検出 されなかった。従って、鳥類での卵胞発生におけるインヒビンの役割は不明のま まである。 最近、ニワトリのインヒビンのα−サブユニットが成功裡にクローン化され、 その配列が決定された。Wang and Johnson,Complementary Deoxyribonucle ic Acid Cloning and Sequence Analysis of the α-Subunit of Inhibin from Chicken Ovarian Granulosa Cells,Biology of Reproduction,49,1 -6,(1996)、引用によりそれ全体を本明細書に含める。既知の哺乳動物インヒビ ンα−サブユニット配列と鳥インヒビン配列との比較は86〜89%の相同性を 示した。分離された2つのプローブ(cINA6およびcINA12)を用いるノ ザーンブロット分析は、インヒビンα−サブユニットはニワトリの卵巣顆粒層細 胞中で発現するがニワトリの脳、腎臓、肝臓または脾臓組織中では発現しないこ とを示した。 従って、鳥類におけるインヒビンの生物学は少ししか理解されておらず、抗原 性インヒビンを用いる処置に対する鳥類の反応は未だ試みられていないか監視さ れていない。従って、平胸類市場は多くのダチョウ、エミューおよびレアの最適 でない産卵率により実質的に制限されており、必要なものはこれらの鳥類の産卵 を増加させるための組成物および方法である。鳥類における産卵開始を早めるた めの組成物および方法も必要である。一生の間に鳥が産む卵の数を増加させるた めの組成物および方法も必要である。また、鳥が抗原性インヒビン組成物を用い た処置に免疫学的に応答したかどうかを測定するための迅速で、簡単で、信頼性 があり、費用効果的(cost-effective)な方法も常に要望されている。さらに、鳥 が高水準または低水準の産卵性のホルモン的素因があるかどうかを知るための迅 速で、簡単で、信頼性がある、費用効果的な方法も要望されている。 卵の産生を増加させるための組成物および方法に関する要望は鳥類だけに限定 されるものではない。多くの動物において卵の産生を増加させるために有効な組 成物および方法に関する要望がある。例えば、ブタ、ウシ、ヒツジおよびニワト リのような農業的に飼育されている多くの動物において卵の産生を増加させるた めの要望が常にある。ミンク、キツネ、カワウソ、シロイタチおよびアライグマ のような毛皮に覆われた動物の卵の産生を増加させるための要望も常にあるし、 皮革が装飾目的に使用される他の動物に関する要望も増えている。また、外来あ るいは危険にさらされている種のような多くの動物を増やして絶滅を避けるため にも、卵の産生を増加させる組成物および方法が必要である。さらにレース、娯 楽、またはショー(コンテスト)に使用される動物、例えばウマ、イヌ、ネコ、 動物園の動物、およびサーカスの動物の卵の産生を増加させる要望も常にある。 ヒトの不妊症治療に関する要望の増加でも分かるように、ヒトの卵の産生を増加 させる要望もある。従って、多くの動物において卵の産生を増加させるための組 成物および方法に関する要望が相変わらず存在する。発明の要旨 本発明は、インヒビンまたはその断片、および担体蛋白質を含む異種蛋白質を 製造するための組成物および方法に関する。インヒビン蛋白質またはその断片は 、鳥のインヒビン、哺乳動物のインヒビン、または爬虫類のインヒビンであって よい。担体蛋白質にはとりわけマルトース結合蛋白質またはウシの血清アルブミ ンが含まれるが、それらに限定されない。好適な担体蛋白質はマルトース結合蛋 白質である。 異種蛋白質は担体蛋白質と結合されたインヒビンまたは担体蛋白質と融合した インヒビンのいずれであってもよい。融合異種蛋白質を製造する方法は、インヒ ビンまたはその断片の発現するようコードされたcDNAを、担体蛋白質の製造 用のコーディング情報を含むベクターの中に挿入することを含む。ベクターを発 現系に挿入した後に、融合異種蛋白質が系により発現される。好適には、異種蛋 白質は、平胸類のインヒビン、例えばダチョウのインヒビン、エミューのインヒ ビンおよびレアのインヒビンからなる。 本発明は、インヒビン蛋白質またはその断片、および担体蛋白質を含む本発明 の異種蛋白質の投与により動物で卵の産生を増加させる方法にも関する。この方 法は有効量の蛋白質を動物に投与して動物における卵の産生を増加させることを 含む。蛋白質に対する免疫学的応答が動物において起こることが好ましい。動物 において起こる免疫学的応答もまた動物により製造されるインヒビン蛋白質(内 因性インヒビン)に向けられることがより好ましい。この方法はインヒビンを産 生する雌の動物、例えば哺乳動物、爬虫類および平胸類のような鳥類、における 卵の産生を増加させる。特に、この方法はダチョウ、エミューおよびレアのよう な平胸類の雌における卵の産生を増加させる。 本発明は、アルファ−インヒビン鳥インヒビン蛋白質またはその断片、および 担体蛋白質を含む有効量の異種蛋白質を雌鳥に投与して卵の産生の開始を早める ステップを含む、雌鳥の卵の産生開始を促進させる方法にも関する。本発明はま た、アルファ−サブユニット鳥インヒビン蛋白質またはその断片、および担体蛋 白質を含む有効量の異種蛋白質を雌鳥に投与して鳥がより多くの低コレステロー ル卵を産生するようにさせるステップを含む、雌鳥が産生する低コレステロール 卵の数を増加させる方法にも関する。本発明はまた、アルファ−サブユニット鳥 インヒビン蛋白質またはその断片、および担体蛋白質を含む有効量の異種蛋白質 を雌鳥に投与して鳥の生涯合計産卵数を増加させるステップを含む、雌鳥の生涯 合計産卵数を増やす方法にも関する。 本発明はさらに本発明の異種蛋白質に対する抗体を製造する方法にも関する。 一般的には、異種蛋白質に対する抗体を製造する方法は、インヒビン蛋白質また はその断片、および担体蛋白質を含む有効量の異種蛋白質を動物に投与して異種 蛋白質に対する免疫学的な応答を動物において起こすことを含む。次に、血液サ ンプルを動物から得て、インヒビンに対する抗体を血液サンプルの血清から単離 する。好適には、抗体を血清から分離するのに有効な量の担体蛋白質を含有する カラム中に血清を通すことにより、抗体を血液サンプルの血清から単離する。 さらに、本発明は動物が高水準または低水準の卵産生性のホルモン的素因があ るかどうかを測定するための迅速で、簡単で、信頼性があり、費用効果的な方法 にも関する。この方法は、動物の卵産生能力と関連する、動物により産生される インヒビンの量を測定することを含む。簡単に述べると、動物の血液中のインヒ ビンの量を測定する方法は血液サンプルを動物から採取し、血液サンプルを動物 の内因性インヒビンに対して特異的な抗インヒビン抗体と接触させることを含む 。抗体をサンプル中に存在するインヒビンと選択的に相互作用させるような条件 下で血液サンプルを抗インヒビン抗体と接触させる。次に、相互作用しなかった 抗 体を相互作用した抗体から除去し、そして相互作用した抗体の量を測定する。 本発明は動物がインヒビン組成物を用いた処置に免疫学的に応答したかどうか を測定するための迅速で、簡単で、信頼性があり、費用効果的な方法にも関する 。簡単に説明すると、この方法はインヒビンすなわち本発明の異種蛋白質を固体 相と結合させ、固定化されたインヒビンを試験しようとする動物由来の血液のサ ンプルと接触させることを含む。サンプルを固定化されたインヒビンと、インヒ ビンがサンプル中の抗インヒビン抗体と選択的に相互作用するような条件下で、 接触させる。相互作用しなかった抗体をサンプルから除去した後に、第一の動物 の抗体のクラスに対する第二の動物由来の標識のついた抗体を加える。そうする とその動物抗体に対する標識抗体は次に固定化されたインヒビンと結合されてい る抗体と選択的に相互作用する。相互作用しなかった標識抗体を除去した後に、 相互作用した標識抗体の存在または量を標識を可視化することにより測定する。 このようにして、この方法は動物におけるインヒビンに対する抗体の存在および 量を検出し、従って、動物がインヒビンを含む組成物の投与に免疫学的に応答し たかどうかを測定する。 従って、本発明の目的は、動物に対する投与で動物における免疫学的応答を誘 発するインヒビン組成物を提供することである。 本発明のさらに別の目的は、インヒビン蛋白質またはその断片、および担体蛋 白質を含む異種蛋白質を提供することである。 本発明の他の目的は、インヒビンまたはその断片を含む融合異種蛋白質を含む 組成物を提供することである。 本発明の目的は、蛋白質の一つがインヒビンまたはその断片からなる異種蛋白 質を製造する方法を提供することでもある。 本発明の他の目的は、蛋白質の一つがインヒビンまたはその断片からなる融合 異種蛋白質を製造する方法を提供することである。 さらに本発明の目的は、インヒビン蛋白質またはその断片、および担体蛋白質 を含む異種蛋白質を製造する方法を提供することである。 本発明の目的は、鳥類における産卵(春機発動期)の開始を早める方法を提供 することである。 本発明の目的は、ダチョウおよびエミューのような平胸類における産卵(春機 発動期)の開始を早める方法を提供することでもある。 さらに本発明の目的は、オウム目における産卵(春機発動期)の開始を早める 方法を提供することである。 本発明の目的は、鳥の一生における合計産卵数を増加させる方法を提供するこ とでもある。 さらに本発明の1つの目的は、産卵中の鳥類が換羽する必要を減じるかまたは 排除する方法を提供することである。 本発明の他の目的は、同種の鳥が産む卵で通常見られるものより低い量のコレ ステロールを含有する卵の産生を鳥に誘発させる方法を提供することである。 本発明のさらに他の目的は、動物の卵の産生率を増加させる方法を提供するこ とである。 本発明の1つの目的はまた、哺乳動物の卵の産生率を増加させる方法を提供す ることである。 さらに本発明の1つの目的は、ヒトの卵の産生率を増加させる方法を提供する ことである。 本発明のさらに他の目的はまた、牛の卵の産生率を増加させる方法を提供する ことである。 本発明の1つの目的はまた、爬虫類の産卵率を増加させる方法を提供すること である。 本発明の他の目的は、鳥類の産卵率を増加させる方法を提供することである。 他の目的は、例えばダチョウおよびエミューのような平胸類の産卵率を増加さ せる方法を提供することである。 本発明の1つの目的はまた、ニワトリの産卵率を増加させる方法を提供するこ とである。 他の目的は、動物がインヒビンまたはその断片を含むインヒビン組成物を用い る処置に対して免疫学的に応答したかどうかを測定するための迅速で、簡単で、 信頼性があり、費用効果的な方法を提供することである。 さらに他の目的は、動物が高水準または低水準の卵産生性のホルモン的素因が あるかどうかを測定するための迅速で、簡単で、信頼性があり、費用効果的な方 法を提供することである。 1つの目的はまた、鳥が高水準または低水準の産卵性のホルモン的素因がある かどうかを測定するための迅速で、簡単で、信頼性があり、費用効果的な方法を 提供することである。 他の目的は、インヒビンまたはその断片に対する抗体を製造する方法を提供す ることである。 他の目的は、インヒビンまたはその断片を含む異種蛋白質に対する抗体を製造 する方法を提供することである。 さらに他の目的は、動物の血液中に存在するインヒビンの量を正確に測定する 方法を提供することである。 本発明の他の目的は、別の動物の抗体に対する抗体を含む組成物を提供するこ とである。 本発明の1つの目的はまた、別の動物の抗体に対する動物抗体を製造する方法 を提供することである。 本発明のこれらのおよび他の目的、特徴および利点は開示される態様および添 付された請求の範囲の以下の詳細な記載により明らかになるであろう。図面の簡単な説明 図1はSDS−PAGEゲルを示し、ここでAはダチョウ抗(ニワトリインヒ ビン−マルトース結合蛋白質)抗体であり、BはプラスミドpMALTM−cベク ター標準であり、Cは蛋白質分子量標準であり、Dは融合異種蛋白質の製造にお いて使用された実際のpMALTM−cベクターであり、Eは本発明の精製された 融合ニワトリインヒビン−マルトース結合蛋白質(異種蛋白質)であり、そして Fは異種蛋白質が負荷されていない精製カラムからの溶離液である。 図2は、cINA515によりコードされた蛋白質と融合したマルトース結合蛋 白質を用いるニホンウズラにおける雌鳥の1日の産卵数(「HDEP」)に対す るインヒビンα−サブユニット免疫中和の効果を示す。具体的には、図2は実施 例8の表2のデータのグラフ表示である。 図3は、2種類だけの注射処置、すなわち対照処置およびインヒビン免疫化が 検討された時の、cINA515によりコードされた蛋白質と融合したマルトース 結合蛋白質を用いるニホンウズラにおける雌鳥の1日の産卵数(「HDEP」) に対するインヒビンα−サブユニット免疫中和の効果を示す。具体的には、図3 は実施例8の表3のデータのグラフ表示である。詳細な説明 ここで使用される「鳥」または「家禽」という語は、主として飛ぶのに適する 温血の産卵性の脊椎動物として特徴づけられる動物の鳥綱の一員と定義される。 ここで使用される「平胸類」という語は数種の目を含んでおりそしてエミュー、 ダチョウ、キウイおよびヒクイドリを含む無飛力の、ほとんどが大型の走行する 鳥類の一群と定義される。ここで使用される「オウム目」という語はオウムを含 み、そして対指足性を示しそして強い曲がったくちばしを有する鳥の一科の目で ある。「オウム」は、短く、丈夫な、強く曲がったくちばしで区分されるオウム 科(オウム類の単一の科)鳥の一員と定義される。 「卵」という語はここでは鳥類および爬虫類が産む多孔性、石灰質または皮状 の殻の中に囲まれた大きな雌性別の細胞と定義される。ここで使用される「鳥ま たは爬虫類による産卵」は鳥の産卵行動すなわち「産卵」である。「卵子」とい う語は雌の生殖細胞と定義され、そして卵としても知られる。従って、ここで使 用される鳥類および爬虫類以外の動物における産卵は卵巣からの卵子の生産およ び放出、すなわち「排卵」と定義される。従って、ここで使用される「卵」はそ れを鳥または爬虫類が産むときには多孔性、石灰質または皮状の殻の中に囲まれ た大きな雌性別の細胞と定義され、またはそれを他の全ての動物が産むときには それは卵子であることが理解されるべきである。 「産卵」および「春機発動期」という語は、ここでは鳥に関して交換可能に使 用され、そして鳥がその最初の卵を産卵する時を示す。従って、ここで使用され る鳥類における産卵または春機発動期の「開始を促進する」という語は鳥が通常 有するであろう最初の産卵日より早く産卵を誘発することを示す。 ここで使用される、卵の「コレステロール水準を低下させる」方法とは、同種 の鳥が産む卵の平均コレステロール含有量より低いコレステロール含有量を有す る1個もしくはそれ以上の卵を産卵するように鳥を誘発する方法を示すことが理 解されるべきである。 鳥の「生涯合計産卵数」という句はその生涯期間全体にわたり鳥が産卵する合 計卵数と定義される。ここで使用される「雌鳥の1日の産卵数」すなわち「HD EP」という句は1日当たり特定群の雌鳥が産む卵の数と定義される。 鳥または家禽という語とは対照的に、ここで使用される「哺乳動物」という語 は、乳腺、毛による身体被覆、中耳内の3つの小骨、胸腔と腹腔を分ける筋肉質 の横隔膜、無核赤血球、並びに尿膜および羊膜に於ける胚の発育により特徴づけ られる動物を含む温血脊椎動物の大きな綱である哺乳類綱の一員と定義される。 ここで使用される「爬虫類」という語は、特徴的な無毛、無羽毛、および無乳 腺の陸生脊椎動物の一種である爬虫類綱の員と定義され、それらの皮膚は鱗によ り覆われており、それらは三つの室に分けられた心臓を有し、そしてそれらの胸 腔と腹腔は連続している。 ここで使用される異種蛋白質はインヒビン蛋白質またはその断片、および担体 蛋白質からなる蛋白質と定義される。「インヒビン」および「インヒビンの断片 」という語は本発明の異種蛋白質組成物、異種蛋白質の製造方法、および異種蛋 白質の使用方法では交換可能であることを理解すべきである。 ここで使用される「cINA515」は515塩基対の配列(配列番号1)を示 すか、516塩基対の配列(配列番号3)を示すか、または引用により本明細書 に含めるWang and Jhonson,Complementary Deoxyribonucleic Acid Cloni ng and Squence Analysis of the α-Subunit of Inhibin from Chicken Ovarian Granulosa Cells,Biology of Reproduction,49,p.1-6,1993の3頁 に挙げられている、ニワトリゲノムDNAから得られるcINA6の対応する配 列(概略塩基対位置番号790から始まりそして概略塩基対位置番号1310で 終わる)を示す。cINA515はダチョウのアルファ−インヒビンサブユニット の一部分、例えば配列番号2または配列番号4、をコードする。ここで使用され る「MBP−cINA515」はCINA515を組み換え宿主細胞中にクローン化し そしてマルトース結合蛋白質(「MBP」)およびcINA515によりコードさ れたインヒビン蛋白質アルファ−サブユニット断片を含む融合異種蛋白質を発現 させて、組み換え宿主細胞から発現される蛋白質複合体である。従って、「CI NA515」はヌク レオチド配列を示し、そして「MBP−cINA515」は融合異種蛋白質を示す 。 ここで使用される融合異種蛋白質は、担体蛋白質に融合したインヒビン蛋白質 またはその断片からなる蛋白質と定義される。融合した異種蛋白質は、担体蛋白 質の発現に関してコードされた遺伝子と融合した、インヒビン蛋白質またはその 断片の発現に関してコードされた遺伝子を含む融合遺伝子物質を含む発現系から 発現される。ここで使用される「融合遺伝子物質」は、インヒビン蛋白質または その断片の発現に関してコードされた遺伝子と、担体蛋白質の発現に関してコー ドされた遺伝子との融合から生ずる生成物と定義される。 ここで使用される複合異種蛋白質は、担体蛋白質に複合化されたインヒビン蛋 白質またはその断片からなる蛋白質と定義される。複合異種蛋白質は、インヒビ ン蛋白質を共有結合で担体蛋白質に結合させる化学反応により製造される。 ここで使用される、動物に投与された物質に対する動物の免疫学的応答は、そ の物質に対して特異的な動物の細胞性および/または体液応答と定義される。 ここで使用される「選択的に相互作用する」という語は、二つの目的物が共有 結合により、非共有結合により、静電的に、受容体−配位子相互作用により、酵 素−基質相互作用により、または他の結合もしくは吸着手段により互いに会合す ることと定義される。会合は、二つの目的物が特異的な様式で、特異的な位置で 、または互いにのみ相互作用するという点で選択的である。 本発明は一般的には、鳥類における産卵の開始を促進させる方法で使用される 組成物に関する。この組成物は、インヒビン蛋白質またはその断片、および担体 蛋白質を含む異種蛋白質を含む。インヒビンは、インヒビンを産生するいずれの 動物種からのインヒビンであってもよい。インヒビンには、鳥類のインヒビン、 哺乳動物のインヒビン、爬虫類のインヒビン、両生類のインヒビン、または魚類 のインヒビンが包含されるが、それらに限定されない。特に、哺乳動物のインヒ ビンは、ウシのインヒビン、ヒトのインヒビン、ウマのインヒビン、ネコのイン ヒビン、イヌのインヒビン、ヒツジのインヒビン、ミンクのインヒビン、キツネ のインヒビン、カワウソのインヒビン、シロイタチ(ferret)のインヒビン、アラ イグマのインヒビン、およびブタのインヒビンから選択できるが、それらに限定 されない。鳥類のインヒビンは、ダチョウのインヒビン、エミューのインヒビン 、 レアのインヒビン、ヒクイドリのインヒビン、キウイのインヒビン、シチメンチ ョウのインヒビン、ウズラのインヒビン、ニワトリのインヒビン、およびオウム 目の員からのインヒビンから選択できるが、それらに限定されない。好適なイン ヒビンは鳥類のインヒビンである。より好適なインヒビンは平胸類のインヒビン である。特に好適なインヒビンはダチョウのインヒビンである。他の好適なイン ヒビンはエミューのインヒビンである。さらに他の好適なインヒビンはレアのイ ンヒビンである。他の好適なインヒビンはニワトリのインヒビンである。最も好 適には、本発明の異種蛋白質はアルファ−サブユニットインヒビン蛋白質または その断片、および担体蛋白質からなる。 インヒビン蛋白質またはその断片、および担体蛋白質を含む本発明の異種蛋白 質は、鳥の生涯合計産卵数を増加させる方法でも使用される。この組成物は動物 における卵産生率を増加させる方法でも使用される。この組成物はさらに鳥の産 む卵のコレステロール含有量を減少させる方法でも使用される。この組成物はま た鳥が換羽する必要を減じるかまたは排除する方法でも使用される。これらの方 法、および鳥における産卵の開始を促進させる方法は以下でさらに詳細に説明さ れる。 インヒビンまたはその断片は動物の体液から単離することができ、発現系で遺 伝的に操作された細胞から発現させることができ、または一連の化学反応から合 成的に製造することができる。具体的には、インヒビンの断片は下記の組成物か ら選択することができるがそれらに限定されない。α−サブユニットインヒビン 、β−サブユニットインヒビン、α−サブユニットインヒビンまたはβ−サブユ ニットインヒビンの組換えDNA由来の断片、α−サブユニットインヒビンまた はβ−サブユニットインヒビンの断片の合成ペプチドレプリカ、α−サブユニッ トインヒビンまたはβ−サブユニットインヒビンのN−末端配列の合成ペプチド レプリカ、卵胞液からの部分的に精製されたインヒビンの断片、内因性α−サブ ユニットインヒビンまたはβ−サブユニットインヒビンの断片、および外因性α −サブユニットインヒビンまたはβ−サブユニットインヒビンの断片。上記のよ うに、インヒビンの断片がアルファ(α)−サブユニットインヒビンまたはその 断片であることが最も好ましい。 異種蛋白質中のインヒビンは下記のように担体蛋白質と融合するかまたはそれ に結合されている。インヒビンが担体蛋白質と融合する場合には、異種蛋白質は 「融合異種蛋白質」である。インヒビンが担体蛋白質に結合される場合には、異 種蛋白質は「複合異種蛋白質」である。好適な異種蛋白質は融合異種蛋白質であ る。 異種蛋白質中の担体蛋白質の実体は本発明の重要な面ではない。当技術分野で 既知の担体蛋白質が異種蛋白質の中で使用できる。本発明で使用できる担体蛋白 質は下記の群から選択できるが、それらに限定されない。マルトース結合蛋白質 「MBP」、ウシ血清アルブミン「BSA」、キーホールリンペット(keyholely mpet)ヘモシアニン「KLH」、オバルブミン、フラゲリン、いずれかの種の血 清アルブミン、いずれかの種のガンマグロブリン、シンジェネイック(syngenic) 細胞、Ia抗原を有するシンジェネイック細胞、並びにD−および/またはL− アミノ酸の重合体。好適な担体蛋白質はMBPである。異種蛋白質がウシまたは ウマに投与されないなら、他の好適な担体蛋白質はBSAである。異種蛋白質が 鳥に投与されないなら、さらに他の好適な担体蛋白質はオバルブミンである。最 も好適な蛋白質はMBPである。担体蛋白質がそれを投与する動物に対して免疫 原性であることが好ましい。 本発明はまた、本発明の複合異種蛋白質を製造する方法にも関する。複合蛋白 質を製造する方法は当技術分野で既知である。蛋白質に蛋白質を複合させる方法 はAntibodies,A Laboratory Manual,edited by Ed Harlow & David La ne,Coldspring Harbor Lab(1988)に完全に記載されており、それは引用する ことにより本明細書に含める。 複合蛋白質を本発明の方法において使用してもよいが、融合蛋白質が好ましい 。特に、融合異種蛋白質は均質な生成物を生成し、そこでは蛋白質の異なる部分 が常に同じ位置で融合し、そして蛋白質の部分が同じ量で融合する。また、融合 異種蛋白質は均一に、安価に、且つ大量に製造することができる。対照的に、複 合蛋白質は融合蛋白質ほど均一でない。例えば、どの蛋白質を結合させるかによ るが、複合反応は1つもしくはそれ以上の複合部を有する蛋白質、異なる位置に 複合部を有する蛋白質、または複合しないままの蛋白質の混合物を生成するかも し れない。さらに、複合部の一部は異種蛋白質をその意図する使用に関して立体的 に妨害するかもしれない(例えば、蛋白質の免疫原性部分が立体的に妨害される )。また、複合反応条件および試薬がその中で製造される蛋白質を変性させるか もしれない。例えば、複合反応ではグルタルアルデヒドが一般的に使用され、そ してそれは蛋白質の構造を変える。さらに、複合蛋白質は大量製造には融合蛋白 質より費用がかかる。 本発明はさらに、融合異種蛋白質を製造する方法にも関する。融合異種蛋白質 は、インヒビン蛋白質またはその断片の発現に関してコードされた遺伝子、およ び担体蛋白質の発現に関してコードされた遺伝子を含む融合遺伝子物質により発 現される。融合遺伝子物質および融合遺伝子物質を製造する方法は以下にさらに 完全に記載されている。簡単に記載すると、本発明の融合異種蛋白質を製造する 方法は、当技術分野で既知の方法により融合遺伝子物質をプラスミドのコーディ ング領域の中に挿入し、宿主細胞をプラスミドでトランスフェクションし、そし て融合異種蛋白質を宿主細胞から発現させることを含む。 融合異種蛋白質を製造する多くの方法が当技術分野で既知である。従って、本 発明の融合異種蛋白質を製造するためには当技術分野で既知のいずれの方法でも 使用できる。多くの商業的に入手できるベクターキットおよび発現システムを使 用して本発明の融合異種蛋白質を製造することができる。そのような商業的に入 手できるベクターキットおよび発現システムの例はマサチュセッツ州ビバリーの ニューイングランドバイオラブスのpMALTM−cである。融合異種蛋白質の細 胞質発現がpMALTM−cシステムで起きる。pMALTM−cキットから本発明 の融合異種蛋白質を製造する方法は以下の実施例1および2に完全に記載されて いる。本発明の融合異種蛋白質を製造するために使用できる他のベクターキット および発現システムの供給源はニュージャージー州ピスカタウェイのファーマシ アバイオテク、およびカリフォルニア州パロアルトのクローンテクであるが、そ れらに限定されない。 本発明はさらに、インヒビン蛋白質またはその断片の発現に関してコードされ た遺伝子、および担体蛋白質の発現に関してコードされた遺伝子を含む融合遺伝 子物質にも関する。インヒビン遺伝子はインヒビンを製造するいずれの動物種か らのものであってもよい。インヒビン遺伝子は、特に鳥類のインヒビン遺伝子、 哺乳動物のインヒビン遺伝子、爬虫類のインヒビン遺伝子、両生類の遺伝子、ま たは魚類の遺伝子であってよい。特に、哺乳動物のインヒビン遺伝子は、ウシの インヒビン遺伝子、ヒトのインヒビン遺伝子、ウマのインヒビン遺伝子、ネコの インヒビン遺伝子、イヌのインヒビン遺伝子、ヒツジのインヒビン遺伝子、ミン クのインヒビン遺伝子、キツネのインヒビン遺伝子、カワウソのインヒビン遺伝 子、シロイタチのインヒビン遺伝子、アライグマのインヒビン遺伝子、およびブ タのインヒビン遺伝子よりなる群から選択できるが、それらに限定されない。鳥 類のインヒビン遺伝子は、ダチョウのインヒビン遺伝子、エミューのインヒビン 遺伝子、レアのインヒビン遺伝子、ヒクイドリのインヒビン遺伝子、キウイのイ ンヒビン遺伝子、シチメンチョウのインヒビン遺伝子、ウズラのインヒビン遺伝 子、ニワトリのインヒビン遺伝子、オウム目の員からのインヒビン遺伝子、タカ 目からのインヒビン遺伝子、キツツキ目からのインヒビン遺伝子、フクロウ目か らのインヒビン遺伝子、スズメ目からのインヒビン遺伝子、ブッポウソウ目から のインヒビン遺伝子、クイナ目からのインヒビン遺伝子、ホトトギス目からのイ ンヒビン遺伝子、ハト目からのインヒビン遺伝子、キジ目(飼育家禽)からのイ ンヒビン遺伝子、カモ目(ガチョウ、アヒル、他の水棲家禽)からのインヒビン 遺伝子およびヘロディオン類(herodiones)からのインヒビン遺伝子、並びに下記 の鳥類、即ち、ハヤブサ、ワシ、タカ、ハトインコ、バタンインコ、マカウ(mak aw)、オウム、および木に止まる鳥(perching bird)(例えば、鳴禽(song bird) 、カケス、クロウタドリ(black bird)、フィンチ(finch)、サエズリチョウ(warb ler)およびスズメ)からのインヒビン遺伝子から選択できるが、それらに限定さ れない。好適なインヒビン遺伝子は鳥類のインヒビン遺伝子である。さらに好適 なインヒビン遺伝子は平胸類のインヒビン遺伝子である。特に好適なインヒビン 遺伝子はダチョウのインヒビン遺伝子である。他の好適なインヒビン遺伝子はエ ミューのインヒビン遺伝子である。さらに他の好適なインヒビン遺伝子はレアの インヒビン遺伝子である。他の好適な遺伝子はニワトリのインヒビン遺伝子であ る。 ブルースクリプト(カリフォルニア州、ラジョラのストラトジェン)のEco R1部位に挿入されたニワトリのインヒビンα−サブユニットcDNAクローン (cINA6;Wang and Johnson,Complementary deoxyribonucleic acid c loning and sequence analysis of the α-subunit of inhibin from chicken o varian granulosa cells,BIOLOGY OF REPRODUCTION,49:4 53-458,1993)はP.A.Johnson 氏(コーネル大学)から贈与された。cINA 6クローンはサザーンアッセイでダチョウのゲノムDNAと特異的にハイブリッ ド形成し、これらの二種間で有意のDNA相同を示した(Chouljenko et al., Expression and purification of chicken α-inhibin as a fusion protein w ith the E.coli maltose binding protein,POULTRY SCIENCE,73 (Suppl.1):84,1994)。DNA断片(「cINA515」)がcINA6クローンか らPst I 消化を用いて切り出された。cINA515DNA断片は成体ニワト リのインヒビンのα−サブユニットの大部分を包含していた。 ダチョウのインヒビンα−サブユニット配列は当技術分野で既知のポリメラー ゼ連鎖反応(PCR)法により得られた。特に、以下のプライマー即ち5′−T CTTTCGAGGAGCTGGGCTGG−3′および3′−GGGCCGT GGTACGCGAGTGACGCA−5′をWangの文献に報告されている配列 に基づき構成し、そしてダチョウのゲノムDNAとのPCR反応で使用した。c INA515のDNA配列の約75%をダチョウゲノムDNAと比較した。それに 関する限り、なされたニワトリとダチョウDNA間の比較では100%の配列相 同が証明されている。 上記のように、担体蛋白質は本発明の重要な面でないことを理解すべきである 。従って、任意の担体蛋白質を発現するようコードされた遺伝子を本発明で使用 することができる。担体蛋白質遺伝子は下記の蛋白質を発現するようコードされ た遺伝子から選択できるが、それらに限定されない。マルトース結合蛋白質「M BP」、ウシの血清アルブミン「BSA」、キーホールリンペットヘモシアニン 「KLH」、オバルブミン、フラゲリン、いずれかの種の血清アルブミン、いず れかの種のガンマグロブリン、シンジェネイック細胞、Ia抗原を有するシンジ ェネイック細胞、並びにD−および/またはL−アミノ酸の重合体。好適な担体 蛋白質遺伝子はMBPを発現するようにコードされた遺伝子である。生成する異 種蛋白質がウシまたはウマに投与されないなら、他の好適な担体蛋白質遺伝子は BSA遺伝子である。生成する異種蛋白質が鳥に投与されないなら、さらに他の 好適な担体蛋白質遺伝子はオバルブミン遺伝子である。最も好適な担体蛋白質遺 伝子はMBPを発現するようにコードされた遺伝子である。好適な担体蛋白質遺 伝子はインヒビン蛋白質に対する宿主の免疫応答の強さおよび期間の両方を増加 させる蛋白質をコードする。 本発明はさらに、インヒビン蛋白質またはその断片の発現に関してコードされ た遺伝子を、担体蛋白質の発現に関してコードされた遺伝子に融合する段階を含 む融合遺伝子物質を製造する方法にも関する。簡単に記載すると、本発明の融合 遺伝子を製造する方法は希望するインヒビン相補DNA(cDNA)を単離し、 二重鎖インヒビンDNAを製造し、二重鎖担体蛋白質DNAを得て、そして二重 鎖インヒビンDNAを二重鎖担体蛋白質DNAに融合して、融合したDNAがイ ンヒビン蛋白質またはその断片、および担体蛋白質を含む融合した異種蛋白質の 発現を可能にするような段階を含む。 遺伝子を単離しそして融合遺伝子物質を製造する多くの方法が当技術分野で既 知である。例えば、Sambrook,Fritsch & Maniatis,Molecular Cloning ,A Laboratory Manual,2nd Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Pre ss,1989,Vols.I,II,IIIを参照のこと。従って、当技術分野で既知のいずれの方 法でも本発明の融合遺伝子物質を製造するために使用することができる。本発明 の融合遺伝子物質を製造するために多くの商業的に入手できるベクターキットを 使用することができる。そのような商業的に入手できるベクターキットの例はマ サチュセッツ州ビバリーのニューイングランドバイオラブスのpMALTM−cで ある。pMALTM−cキットから本発明の融合遺伝子物質を製造する方法は以下 の実施例1に完全に記載されている。本発明の融合遺伝子物質を製造するために 使用できるベクターキットの他の供給源はニュージャージー州ピスカタウェイの ファーマシアバイオテク、およびカリフォルニア州パロアルトのクロネテクであ るが、それらに限定されない。 上記のように、ブルースクリプトのEcoR1部位に挿入されたニワトリのイ ンヒビンα−サブユニットcDNAクローン(cINA6)はP.A.Johnson 氏 (コーネル大学)から贈与された。DNA断片(「cINA515」)がcINA 6クローンからPst I 消化を用いて切り出された。この断片(cINA515 )を、マルトース結合蛋白質(「MBP」)とインフレームにプラスミドp−M ALTM−cの中へクローン化しそしてIPTG(イソプロピルβ−D−チオガラ クトピラノシド)誘導およびSDS−PAGE後に適当な大きさの融合蛋白質( レーンE、図1)を検出した。実施例8に完全に記載されているように、生じた 蛋白質複合体(「MBP−cINA515」)を使用して春機発動期前の雌のニホ ンウズラ(Coturnix coturnix japonica)を循環インヒビン水準に対して免疫化 させる抗原として使用した。 予期せぬことに本発明の組成物が鳥類における産卵の開始を促進させることが 発見された。本発明はさらに有効量の本発明の異種蛋白質(インヒビンまたはそ の断片、および担体蛋白質を含む)の投与により雌鳥の産卵すなわち春機発動期 の開始を促進させて鳥における産卵の開始を促進させる方法にも関する。「促進 させる」という語は、処置した鳥の産卵が未処置の鳥で普通始まるであろう産卵 より少なくとも約3%早く始まることを示す。好適には、産卵は少なくとも約5 %早く、そしてより好適には少なくとも約7%早く始まる。さらに好適には、産 卵は未処置の鳥で普通始まるであろう産卵より少なくとも約10%早く、そして 最も好適には未処置の鳥で普通始まるであろう産卵より少なくとも約13%早く 始まる。「処置した」鳥とは本発明の異種蛋白質が投与された鳥であると理解す べきである。好適には、鳥においてインヒビンに対して免疫学的応答が起きる。 より好適には、免疫学的応答は鳥により産生される内因性インヒビンに対するも のである。 本発明の方法は、インヒビンを製造する雌鳥のいずれの種においても産卵の開 始を促進させるために使用することができる。雌鳥は、平胸類、オウム目、タカ 目、キツツキ目、フクロウ目、スズメ目、ブッポウソウ目、クイナ目、ホトトギ ス目、ハト目、キジ目(飼育家禽)、カモ目(ガチョウ、アヒル、他の水棲家禽 )およびヘロディオン類から選択できるが、それらに限定されない。特に、雌鳥 はダチョウ、エミュー、レア、キウイ、ヒクイドリ、シチメンチョウ、ウズラ、 ニワトリ、ハヤブサ、ワシ、タカ、ハト、インコ、バタンインコ、マカウ、オウ ム、 および木に止まる鳥(例えば、鳴鳥、カケス、クロウタドリ、スズメ科メイチョ ウ、サエズリチョウ、およびスズメ)、並びにオウム目の員である。好適な鳥は 平胸類である。より好適な鳥はダチョウである。他の好適な平胸類はエミューで ある。さらに他の好適な平胸類はレアである。他の好適な鳥ははオウム目の員で ある。さらに他の好適な鳥はニワトリである。さらに他の好適な鳥はウズラであ る。本発明の方法を使用して危険にさらされている鳥の種における産卵の開始を 促進させることもできる。そのような危険にさらされている鳥にはワシ、タカ、 コンドルおよびフクロウが含まれるが、それらに限定されない。 本発明の異種蛋白質組成物中のインヒビンおよび担体蛋白質は組成物を投与し ようとする鳥の種に応じて変わる。組成物を鳥に投与しようとするときには、鳥 のインヒビンおよびマルトース結合蛋白質を使用することが好ましい。平胸類に 投与しようとするときには、好適なインヒビンは飼育ニワトリまたは平胸類のイ ンヒビンである。より好適には、組成物をダチョウに投与しようとするときには 、好適なインヒビンは飼育ニワトリまたはダチョウのインヒビンである。 異種蛋白質中のインヒビンは異種蛋白質を投与する種と同じ種からのものであ る必要はないことを理解すべきである。例えば、ダチョウに投与される異種蛋白 質はニワトリのインヒビンおよび担体蛋白質からなっていてよい。組成物はさら に、助剤、防腐剤、希釈剤、乳化剤、安定剤、および当技術分野で既知であり且 つワクチン中で使用される他の既知の成分を含有できることも理解すべきである 。当技術分野で既知のいずれの助剤でも本発明の組成物中で使用できる。好適な アジュバント系はフロイント不完全アジュバントである。他の好適なアジュバン ト系はフロイント完全アジュバントである。さらに他の好適なアジュバント系は ポリ分散(polydispersed)されたβ−(1,4)結合されたアセチル化マンナン( 「アセマンナン」)である。 本発明の異種蛋白質組成物は雌鳥に当技術分野で既知のいずれかの手段により 投与することができる。例えば、組成物は、皮下、腹腔内または筋肉内に投与す ることができる。好適には、組成物は皮下注射される。組成物は鳥に1回もしく はそれ以上投与することができる。好適には、組成物は鳥に複数回投与され、最 初の免疫化後に追加抗原免疫化が行われる。 本発明の組成物は雌鳥に鳥が産卵すなわち春機発動期に達する前に投与すべき である。本発明の組成物を動物に最初に投与する好適な齢は当該動物の種、動物 の交配期(あるなら)、鳥の大きさ、並びに組成物中の成分(インヒビンおよび 担体蛋白質)の実体に依存する。 本発明の異種蛋白質の雌鳥に対する投与量は、蛋白質が繁殖期(鳥に繁殖期が あるなら)に関連して投与されるときには、鳥の種、鳥の齢および体重、並びに 蛋白質を投与しようとする回数に応じて変わる。また、投与スケジュールすなわ ち処置スケジュールの開始も、鳥の種、その鳥の種の産卵開始の平均齢、鳥の家 族歴(産卵開始の家族歴に関する)、鳥が孵化する時期、鳥の栄養面(たくさん 餌が与えられた鳥は栄養不良のものより早く性的に成熟する)、開始時の鳥の一 般的な健康状態、鳥の長期健康歴、極端な気候条件(長期間にわたる、鳥が慣れ ていない例えば雨、熱、または風のような過度の厳しい気候)の存在、飼育条件 (過密)、並びに運動の不足に応じて変わる。 本発明の教示を考慮すれは、当技術の専門家は鳥による蛋白質に対する免疫学 的応答を誘発するのに必要な異種蛋白質の量を定型的な試験により決めることが できるであろう。 例えば、以下は実施例8に完全に記載されているニホンウズラにおける春機発 動期の開始を促進させるための本発明の方法の簡単な概略である。未処置のウズ ラに関する春機発動期の平均齢は約6〜8週間である。以下は、0.1〜0.25 ポンドの概略体重範囲を有するニホンウズラに関する処置スケジュールである。 生後25日に0.75mgの本発明の異種蛋白質の最初の(第一)注射、並びに 生後32日、39日、46日、53日、60日および90日における0.375 mgの追加抗原。 具体的には、生後25日に、100羽のウズラを以下の通り4つの注射群(1 群当たり25羽の鳥)に無作為に且つ等しく割り振った。(1)免疫刺激賦形剤 であるポリ分散されたβ−(1,4)結合されたアセチル化マンナン(「アセマ ンナン」)中のMBP−cINA515、(「MBP−cINA515/ACE」)、 (2)フロイントアジュバント中のMBP−cINA515(「MBP−cINA5 15 /FRN」)、(3)アセマンナン(免疫刺激剤対照:「ACE」)、または (4)フロイント(アジュバント対照:「FRN」)。インヒビンに対して免疫 化された鳥(群1および2)に1羽の鳥当たり約0.75mgの適当な対照賦形 剤中のMBP−cINA515を与えた。等しい賦形剤注射量(0.2mL)のAC EまたはFRNをそれぞれ群1および3並びに群2および4で使用した。全ての 注射は25ga針のついたツベルクリン注射器を用いて皮下注射された。その後 毎週1羽の鳥当たり約0.375mgのMBP−cINA515の追加抗原インヒビ ン免疫化または適当な対照処置を連続5週間にわたり皮下投与した。 生後41日(産卵周期の1日目と考えられる)から始まり、雌鳥の1日の産卵 数(「HDEP」)および死亡率(「MORT」)測定を連続12週間にわたり 記録した。さらに、最初の産卵(「FIRST」)および雌鳥が50%の産卵に 達した齢(「FIFTY」)の平均も4つの処置群の各々に関して計算した。実 施例8により完全に記載されているように、HDEPデータは2つの異なる偏差 分析を受けた。 現在までには、35日分のデータしか集められていないため情報は予備的なも のである。研究の最初の35日間の1週間隔(0、7、14、21、および35 日目)の産卵に関する累積百分率HDEP割合が図2(ここでは4つの注射群は 別個の処置と考えられた)および図3(ここでは免疫化されていない(対照)群 対インヒビン免疫化された群の比較だけが行われた)にプロットされている。 独立処置と考えられる4つの注射群に関してまとめられた第1週、第2週、第 3週、第4週、第5週、および第1週〜第5週の平均HDEP割合が表2に示さ れている。具体的には、表2の値は百分率産卵率を表す。例えば、研究の第1週 では、ACE群の鳥の5.8%だけが1日当たり一個を産卵した。研究の第2週 では、ACE群の鳥の39.56%が1日当たり一個を産卵した。(第2週の3 9.56%は第1週からの5.8%を含む。) また、表2は第4週ではMBP−cINA515/FRN注射群が産卵率が96. 57%のピークに達したことも示している。従って、表2の値から、他の3つの 注射群の産卵百分率が第4週から第5週に増加するためそれらは第4週ではピー クでなかった。第1〜5週の欄は第1週から第5週までの各注射群の産卵平均百 分率を表す。 表3は表2と同じ時間枠内の百分率による平均HDEP割合を示しており、こ こではデータは直接対照対免疫化の比較のためにプールされている。第1〜5週 の欄は、第1週から第5週までの合計対照群対合計インヒビン免疫化群の平均産 卵百分率を表す。 表4は考えられる統計的シナリオ(すなわち、4つの注射処置群およびプール されたデータの比較)の両者に関するFIRST産卵データを含む。表4におけ る最初の産卵齢は各群の全ての鳥に関する産卵の第1日の統計的平均を表してい る。表5はFRN群の鳥とMBP−cINA515/FRN群の鳥との間で産卵開 始の5日を超える促進を示していることに注意されたい。さらに表5はFRN群 の鳥とMBP−cINA515/FRN群の鳥との間で産卵開始の3日を超える促 進を示していることに注意されたい。(表2、3および4に関しては実施例8を 参照のこと。) 生殖機能に対するインヒビン免疫中和の最初の陽性の効果がある。この効果は プールされたHDEP(表3)およびFIRST(表4)データセットにおいて 特に明らかであり、そこでは含まれる観察値の数が増加することは適用された統 計的試験の能力増加を意味する。 処置に対する最もタイミングのよい生物学的応答を応答の開始、大きさおよび 期間に対する効果に関して研究する。ここでは、データは予備的なものである( すなわち産卵周期全体(産卵の開始後約12週間)にわたる情報は集められてい ない)。従って、インヒビンに対して免疫化されたウズラにおいて生殖行動がど のように変化するかに関する基礎となる機構の完全な理解は決定を待つこととな る。しかしながら、現在のデータは産卵周期の最初の部分(すなわち春機発動期 の開始)に対するインヒビン免疫中和の影響を示している。 このデータは、春機発動期の開始がインヒビン処置群で促進されたことを示し ている。これは集められたHDEPおよびFIRSTデータの両者で証明された 。研究の第1週中のインヒビン処置されたウズラで見られる比較的高い平均HD EP率には高度の統計的信頼性(P<.0095)があり、第2週のそれより少 ない信頼性(P<.0888)と差があった(表3)。第2週中に観察されたこ のぎりぎりの処置群の差は、産卵は、遅れたが対照を注射したウズラで増加しは じ めたことを表している(図2参照)。従って、第1週中の2つの処置群(インヒ ビン対非インヒビン)の間で見られた統計的差の大きさは産卵時期が進むにつれ て弱まることが予期されるであろう。実際に、第1週〜第5週からのデータがま とめられるときには、中間的な統計的信頼性(P<.0763)を有する有意に 高い平均HDEP率がインヒビンで処置された雌鳥で見られた。 ニホンウズラは産卵が高いために選択され、そして産卵能力は食卓用卵の生産 の単独目的用に商業的に飼育されている雌ニワトリ(シングルコーンホワイトレ ッグホーン)よりウズラにおける方がさらに大きいと考えられている。第二に、 免疫化されたウズラが最初に産卵する(FIRST)平均齢(生後51.98日 )は免疫化されないウズラ(生後55.33日)と比べたときに+3日ほど早ま った(P<.0373)(表4)。産卵の促進に対するインヒビン免疫化のこの 影響は生後50.38日の平均FIRSTを有するMBP−cINA515/FRN 処置されたウズラで特に顕著であった(表4)。これらの結果は、フロイントア ジュバントをMBP−cINA515用の賦形剤として使用したときにはアセマン ナンを使用したときより異種蛋白質処置に対する高い抗体価(そしてその結果と してより大きいインヒビン免疫中和)が生ずることも示している。 別の証拠により、インヒビン免疫中和がウズラにおける春機発動期の開始を促 進させたという結論が支持される。具体的には、インヒビンで処置された雌鳥の 全て(100%)がこのようにしてすでに(生後76日すなわち実験の35日目 )産卵が起きたが、対照処置された雌鳥の2羽はまだ産卵を開始させなければな らなかった。これは、2羽の残りの雌鳥が産卵を開始しないとすれば、さもない と産卵しないであろう雌鳥においてインヒビン雌鳥中和が産卵を誘発することを 示唆している。さらに、これらの同じ2羽の鳥が産卵しないか、または残りの2 羽の雌鳥が研究の最後まで(生後124日まで)のいずれかの時点で産卵を始め るとすれば、ここに報告されたFIRST産卵データにおける+3日の差は数学 的必然性によりさらに拡大するであろう。さらに、(雌鳥の約23%が50%の HDEPに達していたため)FIFTYデータの統計的試験は適用不可を示すが 、これらの比較的遅く産卵を行う鳥の大部分(約57%)は2つの対照(非免疫 化)群の員である。この知見は、春機発動期の開始がインヒビン免疫中和された ウズ ラ雌鳥において促進されたことを示唆するHDEPおよびFIRSTデータをさ らに支持するものである。 従って、上記のデータは本発明のインヒビン組成物がニホンウズラにおける春 機発動期の開始を促進させることを示している。ニホンウズラはそれらの生殖シ ステムに関してニワトリ用の許容可能な動物モデルであるため、上記のデータは 本発明の方法がニワトリにおける産卵の開始も促進させることを示している。従 って、本発明の方法により卵生産業者はより低い飼育費用でより多くの卵を生産 できるようになる。 以下は、実施例9に記載されているダチョウにおける春機発動期の開始を促進 させるための本発明の方法の簡単な概要である。未処置のダチョウに関する春機 発動期の平均齢は約28〜32月である。以下は150〜300ポンドの概略体 重範囲を有するダチョウに関する処置スケジュールである。生後第26月に5. 0mgの本発明の異種蛋白質の最初の(第一の)注射、並びに生後第27月、第 28月、第30月、第32月、第34月および第36月の2.5mgの追加抗原 。 以下は、実施例10に記載されているエミューにおける春機発動期の開始を促 進させるための本発明の方法の簡単な概要である。未処置のエミューに関する春 機発動期の平均齢は約20月である。以下は50〜90ポンドの概略体重範囲を 有するエミューに関する処置スケジュールである。生後第18月に3.0mgの 本発明の異種蛋白質の最初の(第一の)注射、並びに生後第19月、第20月、 第22月、第24月、第26月および第30月の1.5mgの追加抗原。 以下は、実施例11に記載されているニワトリにおける春機発動期の開始を促 進させるための本発明の方法の簡単な概要である。未処置のニワトリに関する春 機発動期の平均齢は約20週である。以下は2.0〜3.5ポンドの概略体重範囲 を有するニワトリに関する処置スケジュールである。生後第15週に1.5mg の本発明の異種蛋白質の最初の(第一の)注射、並びに生後第17週、第20週 、第24週、第30週、第40週および第50週の0.75mgの追加抗原。 以下は、実施例12に記載されているシチメンチョウにおける春機発動期の開 始を促進させるための本発明の方法の簡単な概要である。未処置のシチメンチョ ウに関する春機発動期の平均齢は約30週である。以下は9.0〜12ポンドの 概略体重範囲を有するシチメンチョウに関する処置スケジュールである。生後第 28週に2.0mgの本発明の異種蛋白質の最初の(第一の)注射、並びに生後 第29週、第30週、第34週、第38週、第46週および第54週の1.0m gの追加抗原。 以下は、実施例13に記載されているオウムにおける春機発動期の開始を促進 させるための本発明の方法の簡単な概要である。未処置のオウムに関する春機発 動期の平均齢は約30月である。以下は0.5〜1.25ポンドの概略体重範囲を 有するオウムに関する処置スケジュールである。生後第28月に0.75mgの 本発明の異種蛋白質の最初の(第一の)注射、並びに生後第29月、第30月、 第32月、第34月、第36月、および第38月の0.375mgの追加抗原。 本発明の他の態様は有効量の本発明の異種蛋白質(インヒビンまたはその断片 、および担体蛋白質を含む)を投与して鳥における産卵を増加させるような動物 における卵の産生の増加方法に関する。「増加させる」という後は、処置した鳥 の産卵が未処置の鳥における産卵量と比べて少なくとも約3%増加することを示 す。好適には、産卵は少なくとも約7%増加し、そしてより好適には少なくとも 約12%増加する。「処置した」鳥とは本発明の異種蛋白質が投与された鳥であ ると理解すべきである。好適には、免疫応答が動物においてインヒビンに対して 起きる。好適には、免疫学的応答は動物により製造される内因性インヒビンに対 しても向けられる。 本発明の方法は、インヒビンを製造する任意の種の雌動物の卵の産生を増加さ せるために使用することができる。動物は特に、鳥、哺乳動物、爬虫類、両生類 、または魚であってよい。特に、哺乳動物は、ウシ、ヒト、ウマ、ネコ、イヌ、 ヒツジ、ミンク、キツネ、カワウソ、シロイタチ、アライグマおよびブタよりな る群から選択できる。好適な動物は鳥である。雌鳥は、平胸類、オウム目、タカ 目、キツツキ目、フクロウ目、スズメ目、ブッポウソウ目、クイナ目、ホトトギ ス目、ハト目、キジ目(飼育家禽)、カモ目(ガチョウ、アヒル、他の水棲家禽 )およびヘロディオン類から選択できるが、それらに限定されない。特に、雌鳥 は、ダチョウ、エミュー、レア、キウイ、ヒクイドリ、シチメンチョウ、ウズラ 、ニワトリ、ハヤブサ、ワシ、タカ、ハト、インコ、バタンインコ、マカウ、オ ウム、 および木に止まる鳥(例えば、鳴鳥、カケス、クロウタドリ、スズメ科メイチョ ウ、サエズリチョウおよびスズメ)、並びにオウム目の員である。好適な鳥は平 胸類である。より好適な鳥はダチョウである。他の好適な平胸類はエミューであ る。さらに他の好適な平胸類はレアである。他の好適な鳥ははオウム目の員であ る。さらに他の好適な鳥はニワトリである。さらに他の好適な鳥はウズラである 。本発明の方法を使用して危険にさらされている鳥の種における産卵の開始を促 進させることもできる。そのような危険にさらされている鳥にはワシ、タカ、コ ンドルおよびフクロウが含まれるが、それらに限定されない。 本発明の異種蛋白質組成物中のインヒビンおよび担体蛋白質は組成物を投与し ようとする鳥の種に応じて変わる。本発明の異種蛋白質については完全に上述さ れている。組成物を鳥に投与しようとするときには、鳥のインヒビンおよびマル トース結合蛋白質を使用することが好ましい。平胸類に投与しようとするときに は、好適なインヒビンは飼育ニワトリまたは平胸類のインヒビンである。より好 適には、組成物をダチョウに投与しようとするときには、好適なインヒビンは飼 育ニワトリまたはダチョウインヒビンである。 異種蛋白質中のインヒビンは異種蛋白質を投与する種と同じ種からのものであ る必要はないことを理解すべきである。例えば、ダチョウに投与される異種蛋白 質はニワトリのインヒビンおよび担体蛋白質からなっていてよい。組成物はさら に助剤、防腐剤、希釈剤、乳化剤、安定剤、および当技術分野で既知であり且つ ワクチン中で使用される他の既知の成分を含有できることも理解すべきである。 当技術分野で既知のいずれの助剤でも本発明の組成物中で使用できる。好適なア ジュバント系はフロイント不完全アジュバントである。他の好適なアジュバント 系はフロイント完全アジュバントである。 本発明の異種蛋白質組成物は動物に当技術分野で既知のいずれかの手段により 投与することができる。例えば、組成物は、皮下、腹腔内または筋肉内に投与す ることができる。好適には、組成物は皮下注射される。組成物は動物に1回もし くはそれ以上投与することができる。好適には、組成物は動物に複数回投与され 、そこでは最初の免疫化後に追加抗原免疫化が行われる。 この組成物は雌動物にその動物が病気または齢により排卵を終わる前のいずれ かの時期に投与することができる。本発明の組成物を動物に投与する好適な齢は 、当該動物の種、動物の交配期(あるなら)、および組成物の投与の目的に依存 する。 例えば、組成物を投与して繁殖時期を有する農業動物の卵の産生を増加させる なら、組成物を投与する好適な時期は繁殖期の開始前である。対照的に、組成物 を抑制された卵の産生率を有する成体動物に投与しようとするなら、組成物は抑 制が問題であると認識された時期に投与されるであろう。 例えば、異種蛋白質は平胸類のような鳥にはいずれの齢でも投与できるが、鳥 の最初の繁殖期前の6ヶ月の間に鳥を免疫化することが好ましい。当技術の専門 家により、平均的な雌鳥は最初の繁殖期中に産卵を開始することが理解されてい る。鳥の最初の繁殖期の約6ヶ月前に免疫化しそして次に繁殖期の前に1ヶ月間 隔で追加抗原免疫化を行うことがさらに好ましい。鳥の最初の繁殖期の約6ヶ月 前に免疫化しそして次に6ヶ月にわたり1ヶ月間隔で追加抗原免疫化を行うこと が最も好ましい。 本発明の異種蛋白質の動物に投与される量は、蛋白質が繁殖期(動物が繁殖期 を有するなら)に関連して投与されるときには、動物の種、動物の齢および体重 、並びに蛋白質を投与する回数に応じて変わる。本発明の教示を考慮するば、当 技術の専門家は動物による蛋白質に対する免疫学的応答を誘発するのに必要な異 種蛋白質の量を定型的な試験により決めることができるであろう。 例えば、雌のダチョウの産卵増加における最良の結果のためには、最初の免疫 化をその最初の繁殖期の約6ヶ月前に行い、そして次に6ヶ月にわたり1ヶ月間 隔で追加抗原免疫化を行う。最初の免疫化は約0.5〜4.5mgの本発明の異種 蛋白質を含む。追加抗原免疫化は約0.3〜3.0mgの本発明の異種蛋白質を含 む。好適には、最初の免疫化は約1.5〜3.0mgの本発明の異種蛋白質を含む 。追加抗原免疫化は約0.75〜1.5mgの本発明の異種蛋白質を含む。異種蛋 白質を最初の免疫化でフロイント完全アジュバント(ミズーリ州、セントルイス のシグマ・ケミカル・カンパニー)の中に乳化させることおよび異種蛋白質を追 加抗原免疫化でフロイント不完全アジュバント(シグマ)の中に乳化させること も好ましい。さらに好適には、異種蛋白質組成物は皮下注射される。最も好適に は、 異種蛋白質組成物はダチョウの上大腿部分に沿って3つの部位に皮下注射される 。 鳥における産卵を増加させる本発明の方法は、多産系の産卵特性に関して遺伝 的に選択されていない種において産卵の大きな増加を与える。例えば、ニワトリ は1920年代後半から最大産卵数に関して遺伝的に選択されている。例えば、 Jull.M.A,1932,Poultry Breeding,John Wiley & Sonsを参照のこと。ニワト リの短い寿命のために、この特性に関する多くの選択がほぼ1928年から現在 までの期間にわたりなされてきた。対照的に、平胸類およびオウム目、並びに他 の外来鳥類は多産系の産卵特性に関して遺伝的に選択されていない。また、危険 にさらされている鳥類も多産系の産卵特性に関して遺伝的に選択されていない。 従って、ニワトリはすでに遺伝的に優れた産卵動物であるため、本発明の方法で 見られる改良の量は遺伝的に劣っているかまたは中程度の産卵動物である鳥類と 比べて限定される。従って、多産系の産卵特性に関して遺伝的に選択されていな い鳥類、例えば平胸類、オウム目、他の外来鳥類、および危険にさらされている 鳥類では本発明の方法で産卵率におけるはるかに大きい改良が見られる。 産卵を増加させる方法の他の例は以下の通りである。有効量の複合された異種 組成物を哺乳動物に投与して異種蛋白質に対して指定された哺乳動物における免 疫学的応答を起こす。異種蛋白質は好適にはマルトース結合蛋白質と複合された 哺乳動物のインヒビンからなる。他の好適な複合された異種蛋白質は鳥または爬 虫類のインヒビン、およびマルトース結合蛋白質からなる。 本発明の異種蛋白質を用いる動物の免疫化は、動物が異種蛋白質に対して選択 的に反応する抗体の産生を誘発させる。好適には、免疫化は動物が内因性インヒ ビンに対して選択的に反応する抗体の産生を誘発させる。鳥によるそのような抗 体の産生は春機発動期すなわち産卵を開始する時間を短縮する。抗体が動物の血 液流中のインヒビンの生物学的活性を中和するため、動物によるそのような抗体 の産生は動物の卵産生能力も増加させる。 下記の理論により拘束されることは望まないが、インヒビンのα−サブユニッ トがFSH受容体と結合しそしてその結果としてFSHとそのような受容体部位 との結合を競合的に抑制すると考えられる。受容体部位と結合することのできる インヒビンのレベルを低減することによって、FSH受容部位に関して競合が減 少するにつれて動物中のFSHの生物学的効果が増大する。抗体は循環インヒビ ンと相互作用することによりインヒビンを中和し、それにより相互作用したイン ヒビンのFSH受容体部位に対する結合を立体的に妨害すると考えられる。 驚くべきことに、本発明の組成物を使用して鳥の生涯合計産卵数を増加させる こともできる。「増加させる」とう語は、処置した鳥の生涯合計産卵数が未処置 の鳥の生涯合計産卵数と比べて少なくとも約3%増加することを示す。好適には 、生涯合計産卵数は少なくとも7%増加し、そしてより好適には少なくとも約1 2%増加する。最も好適には、生涯合計産卵数は少なくとも約15%増加する。 「処置した」鳥とは本発明の異種蛋白質が投与された鳥であることを理解すべき である。簡単に記載すると、有効量の本発明の異種蛋白質を投与してそれに対す る免疫学的応答を誘発し、そしてその後に有効量の異種蛋白質(追加抗原)を投 与して最大の産卵または通常の産卵より高い産卵を維持することにより、鳥の生 涯合計産卵数は増加するであろう。特に、本発明の異種蛋白質を雌鳥に、以上に 記載された産卵すなわち春機発動期の開始を促進させるための方法に開示されて いるような概略投与量で連続的に投与するなら、鳥の生涯合計産卵数は鳥が本発 明の組成物で処置されなかった場合と比べて増加するであろう。 一般的には、本発明の方法は多産系の産卵特性に関して遺伝的に選択されてい ない鳥類の種における生涯合計産卵数において大きな増加をもたらす。鳥の生涯 合計産卵数は鳥がもって生まれた生殖細胞の数により限定される。しかしながら 、ある種の鳥類は最大排卵すなわち卵の放出に関して遺伝的に選択されている。 上記の如く、例えば、ニワトリは1920年代後半から最大産卵数に関して遺 伝的に選択されてきた。ニワトリの寿命は短いために、この特性に関する多くの 選択がほぼ1928年から現在までの期間にわたりなされてきた。対照的に、平 胸類およびオウム目、並びに他の外来鳥類は多産系の産卵特性に関して遺伝的に 選択されていない。また、危険にさらされている鳥類も多産系の産卵特性に関し て遺伝的に選択されていない。従って、ニワトリはすでに遺伝的に優れた産卵動 物であるため、本発明の方法で見られる改善の度合は遺伝的に劣っているかまた は中程度の産卵動物である鳥類と比べて限定される。従って、多産系の産卵特性 に関して遺伝的に選択されていない鳥類、例えば平胸類、オウム目、他の外来鳥 類、および危険にさらされている鳥類において、本発明の方法で産卵割合におけ るはるかに大きい改善が見られる。生涯合計産卵数は、従って、同じ数の鳥から の一層多くの卵の生産をもたらし、生産業者により大きな利益を与える。 意外なことに、本発明の組成物を使用して雌鳥の換羽する必要性を減少または 排除させることもできる。特に、上記の方法で開示されているように、上記の組 成物を雌鳥に連続的に投与するなら、鳥の産卵率は本発明の組成物で処理されな かった場合と比べて、産卵率を向上させるために鳥を換羽させる必要がない程十 分高いままである。雌のニワトリ(食卓用等級卵の生産鶏であるシングルコーム ホワイトレッグホン)のような雌鳥を、その産卵数が減少して鳥の維持費が生産 される卵により得られる経済的な利益を越える時には、換羽することが当技術分 野において一般的な方法である。雌のニワトリを「換羽」するためには、鳥が換 羽し始めるまで、例えばその羽毛を失うまで、約4〜14日間の絶食期間が必要 である。換羽期間中、鳥は産卵を停止する。鳥が通常水準の飼料を与えられるよ うになってから一定期間後、産卵が再開される。絶食の開始から次の産卵周期の 開始までの全換羽期間は約2ヶ月間である。実際に、鳥の産卵率は回復する。し かしながら、ニワトリを換羽させた後、次の周期における産卵率は最初の(換羽 前の)産卵周期中の産卵とは同等ではない。M.North and D.Bell,Commerci al Chicken Production Manual,fourth edition,Chapter 19,Published by Van Norstrand Reinhold of New York。 例えば、ニワトリは約20週で産卵できるようになり、約40〜50週で経済 的に意味のある数の卵を産む。産卵のピークでは、ニワトリは10日間に8〜1 0個の卵を産む。しかしながら、約50週間の産卵後には、産卵率はピーク期の 約60%に減少する。この時点で、ニワトリに対する飼料費用はそれが産む卵の 価値より高くなる。この時点で鶏を換羽することが一般的な実施法であり、その 結果としてニワトリが産卵を再開する時に産卵率は増加する。 従って、本発明の組成物は鳥が組成物で処置されなかった場合より高い水準の 産卵率を維持するため、鳥を換羽させる必要性を減じるかまたは排除する。鳥を 換羽する必要性の減少または排除は相当な節約をもたらす。特に、鳥が換羽に時 間がかかりすぎるとそれが換羽までの飼料費に関して非生産的となり、そして飼 料供給が再開された後の一定期間にわたり非生産的となる。産卵率を高められた 水準に維持することは、従って、鳥のこれらの非生産的な面を排除または減少さ せ、それにより生産業者の費用を減らし且つ生産業者の利益を増加させる。以上 で論じたように、換羽後の産卵率は産卵の最初の周期における産卵率と等しくな いため、産卵率を高い水準に維持することは卵生産者の利益をさらに増加させる 。 簡単に述べると、本発明の異種蛋白質を有効量投与してそれに対して免疫学的 応答を誘発させ、その後に有効量の異種蛋白質(追加抗原)を投与して通常の産 卵割合より高い割合を維持することにより、鳥の産卵率が増加し、それにより鳥 を換羽させる必要性が避けられる。 本発明の他の予期せぬそして驚くべき側面は、本発明の組成物が未処置の鳥が 産んだ卵と比べて少ないコレステロールを含有する卵をより多く産むことである 。特に、上記の方法で開示されているように上記の組成物が雌鳥に投与されると 、その鳥が産んだ卵のコレステロール含有量は本発明の組成物で処置されなかっ た鳥の卵と比べて長期間にわたり減少する。従って、本発明の組成物はより多数 の低コレステロール卵を増加すなわち生産させる。 「増加」または「より多数の」という語は、処置された鳥により産卵される低 コレステロール卵の数が未処置の鳥により産卵される低コレステロール卵の数と 比べて少なくとも約5%増加することを示す。好適には、産卵される低コレステ ロール卵の数は少なくとも約10%、そしてより好適には少なくとも約15%増 加する。「処置された」鳥とは本発明の異種蛋白質を投与された鳥であることを 理解されたい。「より低いコレステロール」または「低コレステロール」という 語は、卵のコレステロール含有量がそのような鳥の寿命中にその鳥の種により産 卵される卵の平均コレステロール含有量より少なくとも約10%低いことを示す 。好適には、低コレステロール卵のコレステロール含有量は平均より少なくとも 約20%低い。より好適には、低コレステロール卵のコレステロール含有量は平 均より少なくとも約30%低い。 ニワトリでは、雌鳥(雌のニワトリ)が春機発動期に達した後に産卵する最初 の5〜6個の卵はそれが後になって産卵する卵よりコレステロールが低いことが 知られている。本発明の組成物は、雌鳥が長期間にわたりより低いコレステロー ル含有量を有する卵を産むことを誘発する。血液中の高コレステロールと関連す る健康上の影響のために、低コレステロール卵製品に関する要望がある。従って 、本発明の組成物は卵生産業者に対して強く求められているタイプの卵をより多 く提供する。 従って、産卵を増加させ鳥の産卵開始を早める本発明の方法は、本方法により 最適でなかった産卵率が増加するため、ダチョウおよびエミューのような平胸類 の棲息数を大きく増やし、その結果、それらの市場を発展させるだろう。本発明 の方法は飼育ニワトリのような家禽類およびそれらの卵に関する相変わらずの要 望も満たすであろう。 産卵を増加させるための本発明の方法の用途は鳥における産卵増加に限定され るものではない。産卵を増加させるための本方法を使用して多くの動物における 卵の産生を向上させることができる。例えば、本方法を農業飼育されている多く の動物、例えばブタ、ウシ、ヒツジおよびニワトリにおける卵の産生を増加させ るために使用することができる。さらに、本発明の方法を使用して毛皮を有する 動物、例えばミンク、キツネ、カワウソ、シロイタチおよびアライグマにおける 、並びに皮が装飾用に使用される他の動物における卵の産生を増加させることも できる。また、卵の産生を増加させるための本発明の方法を使用して外来種また は絶滅の危険にさらされている種のような多くの動物の棲息数を増加させること もできるし、危険にさらされている種に関してはこの方法がそれらの絶滅を防止 するかもしれない。本発明の方法をレース、娯楽、またはショー(コンテスト) 用の動物、例えばウマ、イヌ、ネコ、動物園の動物、およびサーカスの動物に使 用することもできる。さらに、本発明の方法をヒトの不妊症の療法として使用す ることもできる。 本発明の他の面は、本発明の異種蛋白質に対する抗体を製造する方法である。 一般には、異種蛋白質に対する抗体を製造する方法は以下のステップからなる。 つまり、インヒビン蛋白質またはその断片、および担体蛋白質を含む有効量の異 種蛋白質を動物に投与して、その動物に異種蛋白質に対する免疫学的応答を引き 起こし、動物から血液サンプルを採り、次に血液サンプルの血清からインヒビン に対する抗体を単離する、のステップである。好適には、血清を有効量の担体蛋 白質を含有するカラムに通して血清から抗体を分離することにより、抗体を血液 サンプルの血清から単離する。本発明の異種蛋白質に対する抗体を製造し精製す るために使用される技術は当技術の専門家には公知である。 本発明の異種蛋白質を希望する抗体のタイプに応じていかなる動物に対しても 投与できることも理解されたい。さらに、インヒビンは外因性であっても内因性 であってもよいことも言うまでもない。従って、本発明の異種蛋白質中のインヒ ビンのタイプおよび組成物を投与する動物の種は、どのタイプの抗体が望ましい かにより決められる。例えば、ニワトリのインヒビンとマルトース結合蛋白質を 含む異種蛋白質をダチョウに投与してダチョウ抗ニワトリインヒビン抗体を製造 することができる。また、ダチョウのインヒビンとマルトース結合蛋白質を含む 異種蛋白質をダチョウに投与してダチョウ抗ダチョウインヒビン抗体を製造する こともできる。 本発明はまた動物により製造されるインヒビンの量を測定し、その結果として 動物の卵産生能力を測定する方法にも関する。簡単に説明すると、動物の血液中 のインヒビンの量を測定する方法は、血液サンプルを動物から採取し、もしサン プル中にインヒビンが存在するなら抗体がインヒビンと選択的に相互作用できる ような条件下で、血液サンプルを動物の内因性インヒビンに対して特異的な抗イ ンヒビン抗体と接触させ、相互作用しなかった抗体を相互作用した抗体から除去 し、そして相互作用した抗体の量を測定するステップを含む。 当技術の専門家には、上記の方法で使用できる免疫検定技術が当技術分野で既 知であることが分かるであろう。従って、当技術分野で既知であるどのような免 疫検定技術、標識および可視化方法も上記の方法で使用可能である。好適な免疫 検定法はELISA(「エンザイムリンクトイムノソルベント検定法」)であり 、好適な標識はセイヨウワサビのペルオキシダーゼである。他の好適な標識は着 色されたラテックスビーズである。着色されたラテックスビーズは可視化目的に 望まれるいかなる色であってもよい。好適には、ラテックスビーズは、黄色、赤 色、青色または緑色である。着色されたラテックスビーズは中空であっても中実 であってもよいが、その重量を最少にするためには中空であるのが好ましい。ラ テックスビーズの寸法は免疫検定における使用目的に応じて変わる。当技術の専 門家 は、可視性であるが免疫検定反応を立体的に妨害しない最大のビーズ寸法を日常 的試験により定めることができるであろう。好適には、ラテックスビーズは直径 が0.5μより小さく、そして最も好適には直径が0.2μより小さい。 例えば、鳥の血液中の循環インヒビン濃度は標準的サンドイッチELISA技 術を用いて測定することができる。最初に、インヒビンの蛋白質あるいはその断 片に対する鳥の抗インヒビン抗体をマイクロタイタープレートのウエルに結合さ せる。プレートを洗浄しブロッキングした後に、試験しようとする鳥のある量の 血液血漿を加える。サンプル中にインヒビンが存在するならば、それを固定化さ れた抗インヒビン抗体と選択的に相互作用させた後に、サンプルをプレートのウ エルから洗浄する。次に、インヒビンまたはその断片の異なる部分以外に対する 、ウエル中で固定化された抗体以外の、標識のついた抗インヒビン抗体をウエル に加える。抗体は当技術分野で既知のいかなる標識(例えばセイヨウワサビのペ ルオキシダーゼ)をつけてもよい。標識のついた抗インヒビン抗体を固定化され たインヒビンと選択的に相互作用させた後に、相互作用しなかった標識のついた 抗インヒビン抗体を洗浄により全部除去する。血漿サンプル中に存在するインヒ ビンの量をELISAで使用された標識用の適当な可視化手段を用いることによ り測定してウエル中に固定化された標識のついた抗インヒビン抗体の量を定量す る。標準的なポジティブおよびネガティブの対照を隣接するプレートウエル中で 同時に実験すべきである。 インヒビンを産生する動物の生殖能力が上記の方法により測定できることが分 かる。本発明の方法を使用して、インヒビンを産生するあらゆる種の雌動物によ り産生されるインヒビンの量を測定することができる。動物は特に、鳥、哺乳動 物または爬虫類であることができる。特に、哺乳動物は、ウシ、ヒト、ウマ、ネ コ、イヌ、ヒツジ、ミンク、キツネ、カワウソ、シロイタチ、アライグマおよび ブタよりなる群から選択できるが、それらに限定されない。鳥は、ダチョウ、エ ミューおよびニワトリから選択できるが、それらに限定されない。好適な動物は 鳥である。より好適な動物は平胸類である。特に好適な動物はダチョウである。 他の好適な動物はエミューである。さらに他の好適な動物はニワトリである。 高水準のインヒビンを有する動物の生殖能力は低いので、その種類およびそれ らが農業目的のために飼育されているかどうかにより、そのような低産卵動物は 繁殖目的用に維持されずに屠殺されるかもしれない。対照的に、比較的低量のイ ンヒビンを有する農業的に飼育された動物は比較的高卵産生動物であり、一般的 には繁殖目的に使用されていて屠殺されない。 動物におけるインヒビン水準はその齢、種類、および繁殖期(あるなら)に関 する年間の時期に応じて変化する。従って、動物の卵産生能力の測定はこれらの 要素と関連しており、動物のインヒビン水準の測定値は動物が繁殖季節を有する なら同じ年間の時期におけるほぼ同じ齢の同種の動物の平均インヒビン水準と比 較した時に最も価値がある。 鳥により産生されるインヒビンの量は上記の要素に応じて変動するため、イン ヒビンの相対量は鳥の異なる齢範疇に関しては低くなる。表1は、劣悪または良 好な産卵性であるかどうか、および平胸類の齢による、エミューおよびダチョウ のような平胸類のインヒビン製造における変動を示す。 上の表で、インヒビン水準は、一繁殖季節当たりの平均50〜60個産卵する (これは良好である)雌平胸類を標準プール値の1とし、一季節当たり5個以下 しか産卵しない(これは劣悪である)機能的に非生産性の雌平胸類を標準プール 値7としてものである。 本発明のさらに他の面は、ある種の他の動物の抗体、例えばIgG、に対する 動物の抗体を製造する方法である。簡単に説明すると、他の動物のIgGに対す る抗体を動物において製造する方法は以下のステップからなる。すなわち、有効 量のある種類の第一の動物の抗体、例えば上記の方法により製造されたもの、を 第二の動物に投与して第二の動物において第一の動物の抗体に対する免疫学的応 答を起こし、第二の動物から血液サンプルを採取し、上述したとおりに血液サン プルの血漿から第二の動物の抗体を単離する、ステップである。第二の動物は第 一の動物と異なる種類であることが好ましい。 本発明はまた、動物がインヒビンを含む組成物の投与に免疫学的に応答したか どうかを測定する方法にも関する。この方法は上述のように、第一の動物のある 種の抗体に対する第二の動物の抗体を利用するものである。簡単に説明すると、 この方法はインヒビンあるいは本発明の異種蛋白質を固相に結合させ、固定化さ れたインヒビンを試験する動物の血液サンプルと接触させることを含む。インヒ ビンがサンプル中の抗インヒビン抗体と選択的に相互作用するような条件下で、 このサンプルを固定化されたインヒビンと接触させる。相互作用しなかった抗体 をサンプルから除去し、洗浄した後に、ある種の第一の動物の抗体に対する、第 二の動物からの標識のついた抗体を一定量加える。動物抗体に対する、標識のつ いた抗体は、次に固定化されたインヒビンと結合した抗体と選択的に相互作用す る。相互作用しなかった標識のついた抗体を除去した後に、相互作用した標識の ついた抗体の存在または量を標識を可視化することにより測定する。このように して、この方法は動物におけるインヒビンに対する抗体の存在を検出し、それに よって動物がインヒビンを含む組成物の投与に免疫学的に応答したかどうかを測 定する。 動物がインヒビンを含む組成物の投与に免疫学的に応答したかどうかを測定す る方法はいずれの種類の雌動物に対しても実施できることを理解すべきである。 動物は特に、鳥、哺乳動物または爬虫類であってよい。特に、哺乳動物は、ウシ 、ヒト、ウマ、ネコ、イヌ、ヒツジ、ミンク、キツネ、カワウソ、シロイタチ、 アライグマおよびブタよりなる群から選択できるが、それらに限定されない。鳥 はダチョウ、エミュー、レアおよびニワトリから選択できるが、それらに限定さ れない。好適な動物は鳥である。より好適な動物は平胸類である。特に好適な動 物 はダチョウである。他の好適な動物はエミューである。さらに他の好適な動物は レアである。 当技術の専門家には上記の方法で使用できる免疫検定技術は当技術分野で公知 であることがお分かりであろう。従って、いずれの免疫検定技術、標識、および 可視化方法でも上記の方法で使用可能である。好適な免疫検定法はELISA( 「エンザイムリンクトイムノソルベント検定法」)であり、好適な標識はセイヨ ウワサビのペルオキシダーゼである。他の好適な標識は着色されたラテックスビ ーズである。着色されたラテックスビーズは可視化目的に望まれるいかなる色で あってもよい。好適には、ラテックスビーズは、黄色、赤色、青色または緑色で ある。着色されたラテックスビーズは中空であってもまたは中実であってもよい が、その重量を最少にするためには中空であるのが好ましい。ラテックスビーズ の寸法は免疫検定における使用目的に応じて変わる。当技術の専門家は、可視性 であるが免疫検定反応を立体的に妨害しない最大のビーズ寸法を日常的試験によ り決定することができるであろう。好適には、ラテックスビーズは直径が0.5 μ以下、最も好適には直径が0.2μ以下である。 本発明の他の態様は、動物がインヒビンを含む組成物の投与に免疫学的に応答 したかどうかを測定する上記の方法に関しており、そこでは免疫検定方法は以下 のように改変される。簡単に述べると、この方法は血液のサンプルを動物から得 て、それを標識のついた動物のインヒビンまたはその断片と接触させることから なる。動物のインヒビンがサンプル中の抗インヒビン抗体と選択的に相互作用す るような条件下で、サンプルを標識のついた動物インヒビンと接触させる。相互 作用しなかった標識のついたインヒビンをサンプルから除去した後に、標識を可 視化することにより、相互作用した標識のついたインヒビンの存在または量を測 定する。この方法で使用されるインヒビンは本発明の融合した異質インヒビン蛋 白質、内因性インヒビン、またはその断片、および外因性インヒビン、またはそ の断片から選択されるが、それらに限定されない。標識のついたインヒビンは内 因性インヒビンであるのが好ましい。 本発明をさらに下記の実施例により説明するが、それらは何ら本発明の範囲に 制限を課すものではない。逆に、ここにある記述を読んだ後に当技術の専門家に 示唆される種々の他の態様、改変、および均等物を本発明の精神および/または 添付された請求の範囲から逸脱しない限り行えることが明らかに理解されよう。 実施例1 ニワトリのインヒビンを発現するようにコードされた遺伝子およびマルトース結 合蛋白質を発現するようにコードされた遺伝子を含む融合遺伝子物質を製造する 方法 以下は、アルファ−サブユニットニワトリインヒビンの断片(配列番号2また は配列番号4)を発現するようにコードされた遺伝子(cINA515)およびマ ルトース結合蛋白質を発現するようにコードされた遺伝子を含む融合遺伝子物質 を製造する方法である。本発明の融合遺伝子物質はマサチュセッツ州、ビバリー のニュー・イングランド・バイオラボのpMALTM−cベクターキットから作ら れる。 pMALTMベクターはクローン化された遺伝子または読み取り枠から発現され る蛋白質を発現する方法を提供する。クローン化された遺伝子が、マルトース結 合蛋白質(「MBP」)をコードするmalE遺伝子の下流に挿入され、MBP 融合蛋白質(「MBP−cINA515」)の発現をもたらす。この方法では、ク ローン化された配列の高水準発現、および、マルトースに関するMBPの親和力 を用いて、融合蛋白質であるMBP−cINA515用の一段階精製を行える。 以下は、インヒビン遺伝子であるcINA515をpMALTM−cベクターの中 に連結反応させる方法である。 1.20μl中0.5μgのpMALTM−cプラスミドDNAをニワトリインヒ ビン遺伝子であるcINA515と共に消化する。 2.200μl中20μgのgt11クローン由来λDNAをニワトリインヒビ ン遺伝子であるCINA515と共に消化する。 3.0.05単位の仔ウシの腸由来アルカリ性ホスファターゼ(NEB♯290 )をベクターDNA消化物に加える。37℃で1時間インキュベートする。 4.4μlのpMALTM反応物および15μlのλ反応物を0.8%のアガロー スゲル上に流すことにより消化完了を検査する。1μlおよび8μlの0.5M EDTAをそれぞれpMALTMおよびλgt11消化物に加える。 5.等量の1:1フェノール/クロロホルム混合物を制限消化物に加え、混合し 、水(頂部)相を除去し、そして新しい管の中に入れる。クロロホルムだけを用 いて繰り返す。 6.10μgのグリコーゲンまたはtRNAをベクター消化物に担体として加え る。両方の消化物について、1/10量の3M酢酸ナトリウムを加え、混合し、 次に等量のイソプロパノールを加える。室温で10分間インキュベートする。 7.15分間ミクロセントリヒュージで遠心する。上澄み液を捨て、ペレットを 70%エタノールですすぎ、そして自然乾燥させる。 8.各サンプルを25μlの10mM トリス−Cl、1mM EDTA、pH8 .0中に再懸濁させる。 9.2μlのベクター消化物、6μlの挿入消化物を混合し、8μlの水を加え 、次にそのDNA混合物を65℃で5分間加熱する。氷上で冷却し、次に4ml の5×リガーゼ緩衝液、0.5μlのNEB T4 リガーゼ(♯202、〜20 0ユニット)を加え、16℃で2時間ないし一夜にわたりインキュベートする。 10.65℃で5分間加熱し、氷上で冷却する。 11.25μlのコンピテントTB1(または任意のlacZα−相補菌株)と 混合し、氷上で5分間インキュベートする。42℃に2分間加熱する。 12.0.1mlのLBを加え、37℃で20分間インキュベートする。100 μg/mlのアンピシリンを含有するLBプレートの上にまく。37℃で一夜培 養する。コロニーを殺菌楊枝を用いてマスターLBampプレート並びに80μ g/mlのXgalおよび0.1mM IPTGを含有するLBampプレートの 上に拾い上げる。37℃で8〜16時間培養する。Lac表現型をXgalプレ ートの上で評価し、「白色」クローンをマスターから回収する。 13.以下の方法の1つまたは両方で挿入部の存在をスクリーニングする。 A.ミニプレップDNAを調整する。適当な制限エンドヌクレアーゼで消化して 挿入部の存在および配向を測定する。 B.i)5mlの培養物をLBampブロスの中で約2×108mlまで増殖させ る。 ii)1mlのサンプルを採取する。2分間ミクロセントリヒュージで遠心し、上 澄み液を廃棄し、細胞を50μlの蛋白質ゲルSDS−PAGEサンプル緩衝液 中に再懸濁させる。 iii)IPTGを残りの培養物に、0.3mMとなるまで加える(例えば15μl の0.1M株溶液を加える)。37℃で良く通気しながら2時間インキュベート する。 iv)0.5mlのサンプルを採取する。2分間ミクロセントリヒュージで遠心し 、上澄み液を廃棄し、細胞を100μlのSDS−PAGEサンプル緩衝液中に 再懸濁させる。 v)サンプルを5分間沸騰させる。15μlの各サンプルを10%SDS−PA GEゲル上で、SDS−PAGEサンプル緩衝液中の1組の蛋白質MW標準およ び15μlの供給MBPと共に電気泳動させる。ゲルをクーマシーブリリアント ブルーで染色する。誘導されたバンドは融合蛋白質の分子量に相当する位置で容 易に認識できる。MBP単独の分子量は42,000ダルトンである。 実施例2 ニワトリのインヒビンおよびマルトース結合蛋白質を含む融合異種蛋白質である 「MBP−cINA515」を製造する方法 以下は、ニワトリのインヒビンおよびマルトース結合蛋白質を含む融合異種蛋 白質である「MBP−cINA515」を製造する方法である。実施例1の融合遺 伝子物質は、融合異種マルトース結合蛋白質−インヒビン蛋白質である「MBP −cINA515」を下記の通りに発現させる。 1.80mlの富栄養ブロス+グルコースおよびアンピシリン(下記の培地およ び溶液を参照)に実施例1の融合プラスミドを含む細胞の一夜培養物を0.8m l接種する。 2.37℃で良く通気しながら2×108細胞/ml(〜0.5のA600)とな るまで増殖させる。1mlのサンプルを採取し、2分間ミクロセントリヒュージ で遠心する(未誘導細胞)。上澄み液を廃棄しそして細胞を50μlのSDS− PAGEサンプル緩衝液中に再懸濁させる。撹拌し、氷の上に置く。 3.IPTG(イソプロピルチオガラクトシド)を残りの培養物に加えて0.3 mMの最終濃度にする(例えば0.24mlのH2O中0.1Mストック溶液を加 える)(培地および溶液を参照)。37℃で培養を2時間続ける。0.5mlの サンプルを採取し2分間ミクロセントリヒュージで遠心する(誘導細胞)。上澄 み液を廃棄しそして細胞を100μlのSDS−PAGEサンプル緩衝液中に再 懸濁させる。撹拌して細胞を再懸濁させ、氷上に置く。 4.培養物を2つのアリコートに分ける。細胞を4000×gにおける10分間 の遠心により回収する。上澄み液を廃棄し1つのペレット(サンプルA)を5m lの溶菌緩衝液(培地および溶液を参照)中に再懸濁させる。もう一方のペレッ ト(サンプルB)を10mlの30mMトリス−Cl、20%スクロース、pH 8.0(各々0.1gの細胞湿潤重量に対して8ml)中に再懸濁させる。 5.サンプルをドライアイス−エタノール浴の中で(または−28℃で一夜)凍 結させる。冷水(20℃の方が70℃より効果的であるが、時間は長くかかる) の中で解凍する。 6.超音波処理し、ブラドフォード検定法により蛋白質の放出またはA260によ り核酸の放出を、それが最大に達するまで測定することにより、細胞破壊を監視 する。0.6mlの5M NaClを加える。 7.9,000×gにおいて20分間遠心する。上澄み液(粗抽出物1)をデカ ントし氷上で保存する。ペレットを5mlの溶菌緩衝液中に再懸濁させる。これ は不溶物(粗抽出物2)の懸濁液である。 以上で製造された異種融合マルトース結合蛋白質−インヒビン蛋白質である「 MBP−cINA515」のカラム精製は以下の通りである。 1.250mlのフィルターフラスコ中でアミロース樹脂(1.5g)を50m lのカラム緩衝液(培地および溶液を参照)中で30分間膨潤させる。アスピレ ーターを用いて脱気する。2.5×10cmのカラムに注ぐ。カラムを3カラム 容量の同一緩衝液+0.25%のツイーン20で洗浄する。 必要な樹脂の量は生成される融合蛋白質の量に依存する。樹脂は約3mg/m lベッド量を結合するため、45mg融合蛋白質/リットル培養物までの収量に 関しては約15mlのカラムで十分である。シラン処理したガラスウールを詰め た50mlの注射器を2.5cmカラムの代わりに使用することができる。カラ ム高さ対直径の比は4より小さいかまたはそれと等しくするべきである。 2.粗抽出物をカラム緩衝液+0.25%のツイーン20で1:5に希釈する。 希釈した粗抽出物を[10×(カラムの直径、cm)2]ml/時間の流速で充填 する。これは2.5cmのカラムでは約1ml/分である。 粗抽出物の希釈は蛋白質濃度を約2.5mg/mlに減じることを目的とする 。粗抽出物の濃度が高くないならば、それをあまり希釈しない。良好な経験則は 、1gの湿潤重量の細胞が約120mgの蛋白質を与えることである。 3.2カラム容量のカラム緩衝液+0.25%ツイーン20で洗浄する。 4.ツイーン20の加えない3カラム容量のカラム緩衝液で洗浄する。 5.融合蛋白質である「MBP−cINA515」をカラム緩衝液+10mMマル トース+0.1%SDS(場合により、10mM β−メルカプトエタノール、1 mM EGTA)で溶離する。10〜20個の3ml画分を集める。これらの画 分を蛋白質に関して、例えばブラッドフォード検定法、またはA260により検定 すると、融合蛋白質を含有する画分は容易に検出可能な蛋白質を有する。カラム のボイド容量直後に融合蛋白質が溶離する。 培地および溶液 * 富栄養培地+グルコースおよびアンピシリン=1リットル当たり10gのト リプロン、5gの酵母抽出物、5gのNaCl、2gのグルコース。オートクレ ーブ。滅菌アンピシリンを100μg/mlに加える。 * 0.1M IPTGストック=1.41gのIPTG(イソプロピル−β−O −チオガラクトシド)、H2Oを50mlまで加える。濾過し、そして滅菌する 。 * 0.5M燐酸ナトリウム緩衝液、pH7.2(ストック)= (A)69.0gのNaH2PO42OをH2Oで1リットルとする。 (B)70.9gのNa2HPO4をH2Oで1リットルとする。 117ml(A)を383ml(B)と混合する。このストックのpHは〜7. 2でなければならない。カラム緩衝液において10mMに希釈し、pHは7.0 とする。 溶菌緩衝液1リットル当たり 最終濃度 20mlの0.5M Na2HPO4 10mM 燐酸塩 1.75gのNaCl 30mM NaCl 10mlの25%ツイーン20 0.25%のツイーンj20 0.7mlのβ−メルカプト 10mM β−ME エタノール(「β−ME」)(任意) 20mlの0.5M EDTA(pH8) 10mM EDTA 10mlの1M EGTA(pH7) 10mM EGTA HCLまたはNaOHでpH7.0に調節する カラム緩衝液1リットル当たり 最終濃度 20mlの0.5M 燐酸ナトリウム、pH7.2 10mM 燐酸塩 29.2gのNaCl 0.5M NaCl 1mlの1Mナトリウムアジド 1mM アジド 0.7mMのβ−ME(任意) 10mM β−ME 1mlの1M EGTA(pH7)(任意) 1mM EGTA 必要ならpH7.0に調節する。 低塩カラム緩衝液1リットル当たり 最終濃度 20mlの0.5M 燐酸ナトリウム、pH7.2 10mM 燐酸塩 1.75gのNaCl 30mM NaCl 1mlの1Mナトリウムアジド 1mM アジド 0.7mMのβ−メルカプトエタノール(任意) 10mM β−ME 1mlの1M EGTA(pH7)(任意) 1mM EGTA 必要ならpH7.0に調節する。 融合ニワトリインヒビン−MBP異種蛋白質である「MBP−cINA515」 のカラムに通した後の純度は、図1、欄「E」に示されている。「F」と印のあ る欄はカラム上に異種蛋白質が負荷されていない時のカラムからの溶離液である (ネガティブ対照)。「B」と印のある欄はプラスミドpMALTM−cベクター 標準を表す。「C」と印がある欄は分子量標準を表す。「D」と印のある欄は実 施例2に記載したようなインヒビン遺伝子の挿入前の、融合ニワトリインヒビン −MBP異種蛋白質である「MBP−cINA515」の調製に使用された実際の pMALTM−cベクターである。上記の蛋白質をSDS−PAGEゲル上でSD S−PAGEサンプル緩衝液の中で電気泳動にかけ、クーマシーブリリアントブ ルー色素で染色した。 実施例3 インヒビンに対してダチョウを免疫化する方法 以下は、インヒビンに対してダチョウを免疫化する方法である。最初の免疫化 をダチョウの最初の繁殖期より6ヶ月前に行い、次に追加抗原免疫化を1ヶ月間 隔で6ヶ月間行う。従って、最初の免疫化をダチョウが生後約18〜24ヶ月の 間に行うことが好ましい。最初の免疫化は、約1.5〜3.0mgの、実施例1お よび2に記載された方法で製造されたニワトリのインヒビン(アルファサブユニ ットの断片)およびマルトース結合蛋白質からなる融合異種蛋白質を含む。追加 抗原免疫化は約0.75〜1.5mgの融合した異種蛋白質を含む。最初の免疫化 では融合異種蛋白質を完全フロイントアジュバント(ミズーリ州、セントルイス のシグマ・ケミカル・カンパニー)中に乳化させ、追加抗原免疫化では融合異種 蛋白質を不完全フロイントアジュバント(シグマ)中に乳化させた。融合異種蛋 白質組成物をダチョウの上大腿部に沿って3つの部位に皮下注射する。 実施例4 インヒビンに対して選択的なダチョウ抗体を製造する方法 以下は、ニワトリのインヒビンおよびマルトース結合蛋白質を含む本発明の異 種蛋白質に対して選択的なダチョウ抗体(「ダチョウ抗ニワトリインヒビン抗体 」)を製造する方法である。特に、ダチョウ抗体はIgG抗体である。使用され る異種蛋白質は実施例1および2に記載されている方法により製造された、ニワ トリ のインヒビンおよびマルトース結合蛋白質からなる融合蛋白質である。抗体を製 造するために、ダチョウを実施例3に記載された方法によりニワトリのインヒビ ン−MBP異種蛋白質を用いて免疫化する。ダチョウに投与する量はダチョウに おける異種蛋白質に対する免疫学的応答を誘発するのに十分なものでなければな らない。ダチョウから約5mlの血液を採取し、次に血液サンプルの残部からイ ンヒビンに対する抗体を単離する。当技術分野で既知のいずれの分離方法も抗体 を単離するために使用できる。好適には、標準的ELISA技術が使用される。 実施例5 ダチョウ抗体に対して選択的なヤギ抗体を製造する方法 以下は、実施例4で製造された抗体、特にIgGダチョウ抗体、を含むクラス のダチョウ抗体に対して選択的なヤギ抗体を製造する方法である。この方法では 、ヤギを0.5〜3.0mgのダチョウIgGを用いてヤギにおいてダチョウIg Gに対する免疫学的応答が生ずるように免疫化する。ダチョウIgGは異なるダ チョウからの血清プールから得られる。ヤギから血液を採取し、次に当技術分野 で既知の標準的技術を用いてヤギ抗ダチョウIgGをサンプルから単離する。 血清のプールを、50%硫酸アンモニウムを用いる沈澱およびその後のプロテ イン−Aセファロースカラムを用いる分画を含む標準的方法を用いて精製する。 好適には、IgG沈澱は以下のようにして行われる。IgGを含有する12ミリ リットルの血清を50mM−トリス(pH8.0)で1:1に希釈する。次に、 24mlの飽和硫酸アンモニウムを撹拌しながらゆっくり加え(全て4℃で)、 その混合物を約2時間撹拌する。その混合物を10,000rpmで10分間遠 心して沈澱物を集める。沈澱物を50mM−トリス/食塩水中に(12mlに) 再懸濁させ、2リットルの50mM−トリスに対して4℃で一夜透析すると、最 終的な量は20mlとなる。 好適には、プロテイン−Aセファロースカラムを用いるその後の分画は以下の 通りである。カラムはプロテイン−AセファロースCL−4B(ニュージャージ ー州、ピスカタウェイのファーマシア・バイオテク・インコーポレーテッド)を 収容する。カラムに約5ミリリットルの硫酸アンモニウム/血清沈澱物を負荷す る。サンプルをプロテイン−A−セファロースと約30分間にわたり結合させる 。 次に、カラムを0.1M燐酸塩緩衝液(pH7.5)で洗浄し、そして、吸着され たIgGを0.1Mグリシン(pH2.8)で溶離する。最後に、溶離された画分 を2、3滴の1Mトリス−HCL(pH9)を加えることにより中和する。精製 されたダチョウIgGの質をそれをヤギに投与する前にSDS−ポリアクリルア ミドゲル電気泳動後の可視化で試験する。 免疫化方法および使用されるアジュバントは本発明にとって重要でないため、 当技術分野で既知の方法とアジュバント系を使用することができる。好適には、 精製されたダチョウIgGをヤギに皮下注射する。追加抗原注射を4週間間隔で 不完全フロイントアジュバントを用いて投与することも好ましい。好適には、精 製されたIgGを完全フロイントアジュバントまたはハンタータイターマックス (Hunter's Titermax)(ミズーリ州、セントルイスのシグマ・ケミカル・カンパ ニー)と共に投与する。ヤギは3〜4回の注射後に満足のいく免疫応答を示す。 次に、5〜10mlの血液をヤギから採取し、ダチョウIgGに対するヤギの 抗体を血液サンプルから単離する。ヤギの抗体を血液サンプルから分離する際に 当技術分野で既知のいかなる方法を使用してもよい。ヤギの抗体をサンプルから 分離する好ましい方法は、血液サンプルをダチョウIgGカラムに通す方法であ る。次にカラムをグリシン緩衝液−pH8.0で洗浄することにより、カラムか らヤギの抗体が回収される。 実施例6 融合異種蛋白質を用いた予防接種後にダチョウの免疫学的応答を監視する方法 以下は、実施例1および2の方法により製造されたニワトリのインヒビンおよ びマルトース結合蛋白質を含む異種蛋白質を用いて予防接種された後のダチョウ の免疫学的応答を監視する方法であり、ここでは免疫学的応答を実施例5で製造 されたヤギの抗体を用いて監視する。ダチョウが融合インヒビン−MBP異種蛋 白質と免疫学的に反応したかどうかを測定するために、最初に異種蛋白質を固相 に結合させる。次に、5〜10mlの血液を異種蛋白質で免疫化されたダチョウ から採取し、血清を血液から単離する。異種蛋白質が血清中の抗インヒビン抗体 と選択的に相互作用するような条件下で、固定化された異種蛋白質を血清と接触 させる。洗浄後に、HRPで標識がつけられた、実施例5で製造されたヤギの抗 体を加える。次に標識がつけられたヤギの抗体を固定化された異種蛋白質に結合 されているダチョウ抗体と選択的に相互作用させる。相互作用しなかった標識の ついた抗体の除去後に、相互作用したHRP標識のついたヤギの抗体の存在また は量を標識を可視化することにより測定する。好適には、標識はHRPの基質で あるニトロブルーテトラゾリウム(「NBT」)を加えることにより可視化され る。 当技術の専門家は、上記の方法で使用される免疫検定技術が当技術分野で既知 であることを認識している。従って、いずれの免疫検定技術、標識、および可視 化方法でも上記の方法で使用することができる。好適な免疫検定法はELISA であり、好適な標識はセイヨウワサビのペルオキシダーゼである。他の好適な標 識は着色されたラテックスビーズである。 実施例7 ダチョウの生殖能力を測定する方法 以下は、ダチョウの血液中のインヒビンの量を定量することによってダチョウ の生殖能力を測定する方法である。ダチョウの血液中の循環インヒビン濃度は標 準的サンドイッチELISA技術を使用して測定することができる。最初に、実 施例4で製造された抗インヒビン抗体をマイクロタイタープレートのウェルに結 合させる。プレートを洗浄しそしてブロッキングした後に、ダチョウから採取し た一定量の血液血漿または血清をマイクロタイタープレートのウェルに加える。 サンプル中のインヒビン(存在する場合)を固定化させ、その後、抗インヒビン 抗体と選択的に相互作用させた後に、サンプルをプレートのウェルから洗浄する 。次に、セイヨウワサビのペルオキシダーゼと結合されている、実施例4で製造 されたものとは異なる抗インヒビン抗体をウェルに加える。HRPと共有結合さ れている抗インヒビン抗体は固定化された抗インヒビン抗体とは、それらがイン ヒビンの異なる部分に対して選択的である点で異なる。標識がつけられた抗イン ヒビン抗体を固定化されたインヒビンと選択的に相互作用させた後に、相互作用 しなかった標識のついた抗インヒビン抗体を洗浄により除去する。NBTをウェ ルに加え固体化された標識のついた抗インヒビン抗体をウェルの中で可視化する ことにより、血漿サンプル中に存在するインヒビンの量を測定する。標準的なポ ジ ティブおよびネガティブの対照を隣接するプレートウェルの中で同時に実験する 。多くの免疫検定技術、標識および可視化方法が当技術分野で既知である。従っ て、いずれの免疫検定方法、標識、および可視化技術でも本発明で使用すること ができる。 実施例8 ウズラにおいて産卵開始を早める方法 上記のように、ブルースクリプトのEcoR 1部位に挿入されたニワトリイ ンヒビンa−サブユニットcDNAクローン(cINA6)はP.A.Johnson 氏 (コーネル大学)から贈与されたものである。DNA断片(「cINA515」) をcINA6クローンからPstI消化を用いて切り出した。cINA515DN A断片には成体のニワトリのインヒビンα−サブユニットの殆どが含まれていた 。この断片(cINA515)をプラスミドp−MALTM−cの中でマルトース結 合蛋白質(「MBP」)とインフレームでクローン化し、そしてIPTG(イソ プロピルβ−D−チオガラクトピラノシド)の誘導およびSDS−PAGE後に 適当な分子量の融合蛋白質(レーンE、図1)を検出した。生じた蛋白質複合体 (「MBP−cINA515」)を抗原として使用して春機発動期直前の雌のニホ ンウズラ(Coturnix coturnix japonica)を、循環インヒビン水準に対して下記 のように免疫化した。 孵化したてのウズラをウズラのために改変したモデル2S−Dペーターサイム ブルーダーバッテリーの中で育雛した。最初の育雛温度は約37.8℃であり、 周囲温度に達するまで毎週約2.8℃ずつ下げた。成長期間中(すなわち生後約 6週間まで)、ウズラの初期飼料(28%のCP、2,800kcalのME/ kgの飼料)および水を随時摂取用に与え、そして連続する薄明かり(22ルク ス)に重ねて14時間の光(280〜300ルクス):10時間の暗闇を用いた 。生後25日に、100羽のウズラを以下の通り無作為に且つ等しく4つの注射 群の1つ(1群当たり25羽の鳥)に振り分けた。(1)免疫刺激賦形剤である 、ポリ分散されたβ−(1,4)結合されたアセチル化マンナン(「アセマンナ ン」)(Chinnah et al.,Antigen dependent adjuvant activity of a polydis persed β-(1,4)-linked acetylated mannan(acemannan),Vaccine,Vol.10,I ssue 8,1992,p.551-557)(「MBP−cINA515/ACE」)中のMBP−cI NA515、(2)フロイントアジュバント中のMBP−cINA515(「MBP− cINA515/FRN」)、(3)アセマンナン(免疫刺激剤対照、「ACE」 )、または(4)フロイント(アジュバント対照、「FRN」)。インヒビンに 対して免疫化された鳥(群1および2)に適当な対照賦形剤中のMBP−cIN A515を1羽の鳥当たり約0.75mg与えた。同等の賦形剤注射量(0.2mL )のACEまたはFRNをそれぞれ群1および3並びに群2および4で使用した 。全ての注射は25ga針のついたツベルクリン注射器を用いて皮下注射された 。最初の注射後、産卵ケージ中での飼育(個別)前にウズラに羽バンドをつけて 区別した。1羽の鳥当たり約0.375mgのMBP−cINA515を1週間毎に 追加抗原インヒビン免疫化するか適当な対照処置を連続5週間にわたり(すなわ ち、生後32、39、46、53、および60日に)与えた。生後6週間の始め に、ウズラの飼育飼料(21%のCP、2,750kcalME/kgの飼料) および水を与え随時摂取させた。 生後41日目(産卵サイクルの1日目と考えられる)から初めて、雌鳥の1日 の産卵数(「HDEP」)および死亡率(「MORT」)測定を連続12週間に わたり記録した。さらに最初の産卵(「FIRST」)の平均日数と雌鳥が50 %の産卵に達した日数(「FIFTY」)の平均も4つの処置群の各々に関して 計算した。 雌ニワトリの産卵データを2種の異なる分析法(「ANOVAs」)にかけ、 その各々はスプリット−プロット配置の処置で完全に無作為化されたデザインを 含んでいた。第一のANOVAでは、主要プロットは4つの注射処置(MBP− cINA515/ACE、MBP−cINA515/FRN、ACE、またはFRN) からなり7日間の12産卵期間は各々スプリットを含んでいた。第二のANOV Aでは、対照応答に対するインヒビン免疫中和の影響をさらに強力に試験するた めに、2つのインヒビン処置からのデータをプールし、2つの対照処置からのデ ータをプールした。それ故、主要なプロットは2つの注射処置(プールされたM BP−cINA515/ACEおよびMBP−cINA515/FRNデータ対プール されたACEおよびFRNデータ)からなり、7日間の12産卵期間は各々スプ リットを含んでいた。 今のところ、35日間のデータしか集められていないので情報は予備的である 。研究の最初の35日間の1週間毎の産卵間隔(0、7、14、21および35 日目)に関する累積%HDEP率を図2(ここでは4つの注射群は別個の処置と 考えられた)および図3(ここではインヒビンにより免疫化された群に対する免 疫化されない(対照)群の比較だけがなされた)にプロットする。別個の処置と 考えられる4つの注射群に関してまとめられた1週目、2週目、3週目、4週目 、5週目および1週目〜5週目までの間の平均HDEP率が表2に示されている 。 表3は、データを免疫化処置に対する直接的な対照の比較に関してプールされ たときの、同じ時間枠内の平均HDEP率を示している。表4は考えられる統計 的シナリオの両方(すなわち、4つの注射処置群およびプールされたデータ比較 )に関するFIRST産卵データを含んでいる。 今までに、4羽の鳥(3羽は対照、1羽は処置したもの)しか死亡しなかった ため死亡率は要素としなかった。そのような死亡率(4%)は生後76日に達し たウズラに関して予測される範囲に入るであろう。さらに、無殻の、薄い殻の、 および誤発生の卵の発生率は低く、通常の発生頻度内であり、4つの注射処置群 の間に均一に分布していた(すなわち、インヒビン免疫化は欠陥のある卵の産卵 数を変えなかった)。 生殖機能に対するインヒビン免疫中和の最初の正の影響は現存する。この影響 はプールされたHDEP(表3)およびFIRST(表4)データの組み合わせ で特に明らかであり、そこでは観察の数が増えることは、適用される統計試験の 能力が上がることを意味した。 データは、春機発動期の開始がインヒビン処置群において促進されたことを示 す。これは集められたHDEPデータおよびFIRSTデータの両者で証明され た。研究の第1週中にインヒビンで処置されたウズラで見られるより高い平均H DEP率には高度の統計学的信頼性(P<.0095)があり、第2週中ではそ れより少ない差が証明された(P<.0888)(表3)。第2週中に観察され たこのぎりぎりの処置群の差は、産卵が、遅れはしたが、対照が注射されたウズ ラにおいて強化され始めたことを示している(図2参照)。従って、第1週中の 2つの処置群(インヒビン処置群対非インヒビン処置群)の間で見られる統計的 差の大きさは産卵の間が進むにつれて弱まると予期されよう。実際に、第1〜5 週のデータを集めると、中間の統計学的信頼性(P<.0763)の有意に高い 平均HDEP率がインヒビンで処置された雌鳥で見られた。 また、免疫化されたウズラが最初の卵を産卵(FIRST)する平均齢(生後 51.98日)は、免疫化されなかったウズラ(生後55.33日)と比べたとき +3日早かった(P<.0373)(表4)。産卵促進に対するインヒビン免疫 化のこの影響は生後50.38日の平均FIRSTを有するMBP−cINA515 /FRN処置ウズラにおいて特に顕著であった(表4)。 実施例9 ダチョウにおける産卵開始を早める方法 蛋白質複合体(MBP−cINA515)を抗原として使用して春機発動期前の 雌のダチョウを循環インヒビン水準に対して免疫化し、それによって処置された ダチョウにおける産卵開始を早める。下記の例外を除いて実施例8に記載された 方法に従う。未処置のダチョウに関する春機発動期時の平均齢は約28〜32月 の間である。以下は150〜300ポンドの概略体重範囲のダチョウに関する処 置スケジュールである。生後第26月に、本発明の異種蛋白質5.0mgを初め て(第1回)注射、生後第27月、第28月、第30月、第32月、第34月お よび第36月に2.5mgの追加抗原。 実施例10 エミューにおける産卵開始を早める方法 蛋白質結合体(MBP−cINA515)を抗原として使用して春機発動期前の 雌のエミューを循環インヒビン水準に対して免疫化し、それによって処置された エミューの産卵開始を早める。下記の例外を除いて実施例8に記載された方法に 従う。未処置のエミューの春機発動期時の平均齢は約20月である。以下は50 〜90ポンドの概略体重範囲のエミューに関する処置スケジュールである。生後 第18月に、本発明の異種蛋白質3.0mgを初めて(第1回)注射、並びに生 後第19月、第20月、第22月、第24月、第26月および第30月に1.5 mgの追加抗原。 実施例11 ニワトリにおける産卵開始を早める方法 蛋白質結合体(MBP−cINA515)を抗原として使用して春機発動期前の 雌のニワトリを循環インヒビン水準に対して免疫化し、それによって処置された ニワトリにおける産卵開始を早める。下記の例外を除いて実施例8に記載された 方法に従う。未処置のニワトリに関する春機発動期時の平均齢は約20週である 。以下は2.0〜3.5ポンドの概略体重範囲のニワトリに関する処置スケジュー ルである。生後第15週に本発明の異種蛋白質1.5mgを初めて(第1回)注 射、並びに生後第17週、第20週、第24週、第30週、第40週および第5 0週に0.75mgの追加抗原。 実施例12 シチメンチョウにおける産卵開始を早める方法 蛋白質結合体(MBP−cINA515)を抗原として使用して春機発動期前の 雌のシチメンチョウを循環インヒビン水準に対して免疫化し、それによって処置 されたシチメンチョウの産卵開始を早める。下記の例外を除いて実施例8に記載 された方法に従う。未処置のシチメンチョウの春機発動期時の平均齢は約30週 である。以下は9.0〜12ポンドの概略体重範囲のシチメンチョウに関する処 置スケジュールである。生後第28週に本発明の異種蛋白質2.0mgを初めて (第1回)注射、並びに生後第29週、第30週、第34週、第38週、第46 週および第54週に1.0mgの追加抗原。 実施例13 オウムにおける産卵開始を早める方法 蛋白質結合体(MBP−cINA515)を抗原として使用して春機発動期前の 雌のオウムを循環インヒビン水準に対して免疫化し、それによって処置されたオ ウムの産卵開始を早める。下記の例外を除いて実施例8に記載された方法に従う 。未処置のオウムに関する春機発動期時の平均齢は約30月である。以下は0. 5〜1.25ポンドの概略体重範囲のオウムに関する処置スケジュールである。 生後第28月に本発明の異種蛋白質0.75mgを初めて(第1回)注射、並び に生後第29月、第30月、第32月、第34月、第36月および第38月に0 .375mgの追加抗原。 これまで記載したことはもちろん本発明の好適な態様にのみ関することであり 、添付された請求の範囲に示された本発明の精神および範囲から逸脱することな く、多くの改変または変更を行えることを理解すべきである。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1996年4月15日 【補正内容】 [56頁翻訳文] 溶菌緩衝液1リットル当たり 最終濃度 20mlの0.5M Na2HPO4 10mM 燐酸塩 1.75gのNaCl 30mM NaCl 10mlの25%ツイーン20 0.25%のツイーンj20 0.7mlのβ−メルカプト 10mM β−ME エタノール(「β−ME」)(任意) 20mlの0.5M EDTA(pH8) 10mM EDTA 10mlの1M EGTA(pH7) 10mM EGTA HCLまたはNaOHでpH7.0に調節する カラム緩衝液1リットル当たり 最終濃度 20mlの0.5M 燐酸ナトリウム、pH7.2 10mM 燐酸塩 29.2gのNaCl 0.5MNaCl 1mlの1Mナトリウムアジド 1mM アジド 0.7mMのβ−ME(任意) 10mM β−ME 1mlの1M EGTA(pH7)(任意) 1mM EGTA 必要ならpH7.0に調節する。 低塩カラム緩衝液1リットル当たり 最終濃度 20mlの0.5M 燐酸ナトリウム、pH7.2 10mM 燐酸塩 1.75gのNaCl 30mM NaCl 1mlの1Mナトリウムアジド 1mM アジド 0.7mMのβ−メルカプトエタノール(任意) 10mM β−ME 1mlの1M EGTA(pH7)(任意) 1mM EGTA 必要ならpH7.0に調節する。 [75〜77頁翻訳文] 7.前記担体蛋白質が、マルトース結合蛋白質、ウシ血清アルブミン、オボアル ブミン、フラジェリン、キーホールリンペットヘモシアニン、血清アルブミン、 ガンマグロブリン、シンジェネイック細胞、Ia抗原を有するシンジェネイック 細胞、およびアミノ酸の重合体よりなる群から選択される請求の範囲第1項記載 の方法。 8.アルファ−サブユニット鳥インヒビン蛋白質またはその断片、および担体蛋 白質を含む有効量の異種蛋白質を雌の平胸類に投与して平胸類の産卵を増加させ るステップを含む、雌の平胸類の産卵を増加させる方法。 9.前記平胸類が、ダチョウ、エミュー、レア、キウイおよびヒクイドリよりな る群から選択される請求の範囲第9項記載の方法。 10.前記平胸類がダチョウである請求の範囲第9項記載の方法。 11.前記インヒビン蛋白質が配列番号2と実質的に同じ配列を有するかまたは 含有する請求の範囲第8項記載の方法。 12.前記インヒビン蛋白質が配列番号4と実質的に同じ配列を有するかまたは 含有する請求の範囲第8項記載の方法。 13.前記担体蛋白質が、マルトース結合蛋白質、ウシ血清アルブミン、オボア ルブミン、フラジェリン、キーホールリンペットヘモシアニン、血清アルブミン 、ガンマグロブリン、シンジェネイック細胞、Ia抗原を有するシンジェネイッ ク細胞、およびアミノ酸の重合体よりなる群から選択される請求の範囲第8項記 載の方法。 14.アルファ−サブユニット鳥インヒビン蛋白質またはその断片、および担体 蛋白質を含む有効量の異種蛋白質を雌の鳥に投与して鳥の生涯合計産卵数を増加 させるステップを含む、雌鳥の生涯合計産卵数を増加させる方法。 15.担体蛋白質と融合したアルファ−サブユニットインヒビン蛋白質またはそ の断片を含み、該インヒビン蛋白質が配列番号2または配列番号4と実質的に同 じ配列を有するかまたは含む、該融合異種蛋白質。 16.前記担体蛋白質が、マルトース結合蛋白質、ウシ血清アルブミン、オボア ルブミン、フラジェリン、キーホールリンペットヘモシアニン、血清アルブミン 、 ガンマグロブリン、シンジェネイック細胞、Ia抗原を有するシンジェネイック 細胞、およびアミノ酸の重合体よりなる群から選択される請求の範囲第15項記 載の融合異種蛋白質。 17.(a)配列番号1または配列番号3と実質的に同じ配列を有するかまたは 含む、アルファ−サブユニットインヒビンまたはその断片がコードされた二重鎖 cDNAを提供するステップと、 (b)担体蛋白質の製造用のコーディング情報を有するベクターを提供するステ ップと、 (c)インヒビンcDNAをベクター中に連結させるステップと、 (d)連結反応したベクターを発現系の中に挿入するステップと、 (e)インヒビン蛋白質および担体蛋白質を含む融合異種蛋白質を発現させるス テップと、 からなる、融合異種蛋白質の製造方法。 18.前記担体蛋白質が、マルトース結合蛋白質、ウシ血清アルブミン、オボア ルブミン、フラジェリン、キーホールリンペットヘモシアニン、血清アルブミン 、ガンマグロブリン、シンジェネイック細胞、Ia抗原を有するシンジェネイッ ク細胞、およびアミノ酸の重合体よりなる群から選択される請求の範囲第17項 記載の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C07H 21/04 9356−4H C07K 19/00 C07K 14/575 9637−4B C12P 21/02 C 19/00 9051−4C A61K 37/02 C12N 5/10 9051−4C 37/14 15/09 ZNA 9051−4C 37/04 C12P 21/02 9282−4B C12N 15/00 ZNAA //(C12P 21/02 9282−4B 5/00 B C12R 1:91) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GE,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ, LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,MN,M W,MX,NL,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TT,UA, UZ,VN (71)出願人 ザ ボード オブ スーパーバイザーズ オブ ルイジアナ ステート ユニバーシ ティ アンド アグリカルチャラル アン ド メカニカル カレッジ アメリカ合衆国,70803 ルイジアナ,バ トン ルージュ,サウス スタジアム ロ ード,ビジネス アンド テクノロジー センター,オフィス オブ テクノロジー トランスファー(番地なし) (72)発明者 フィオレッチ,ウィリアム,シー. アメリカ合衆国,76051 テキサス,グレ ープバイン,レイクリッジ ドライブ 2224番地 (72)発明者 コウソウラス,コンスタンチン アメリカ合衆国,70810 ルイジアナ,バ トン ルージュ,ノース マイトルレイク アベニュー 10543番地 (72)発明者 サッタリー,ダニエル,ジー. アメリカ合衆国,70769 ルイジアナ,プ レーリビル,グリーンブライアー エステ イツ 18394番地

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.アルファ−サブユニット鳥インヒビン蛋白質またはその断片、および担体蛋 白質を含む有効量の異種蛋白質を雌鳥に投与して鳥の産卵開始を早めるステップ を含む、雌鳥の産卵開始を早める方法。 2.前記鳥が、平胸類、オウム目、タカ目、キツツキ目、フクロウ目、スズメ目 、ブッポウソウ目、クイナ目、ホトトギス目、ハト目、キジ目、カモ目およびヘ ロディオン類よりなる群から選択される請求の範囲第1項記載の方法。 3.前記平胸類が、ダチョウ、エミュー、レア、キウイおよびヒクイドリよりな る群から選択される請求の範囲第2項記載の方法。 4.前記鳥が、ニワトリ、シチメンチョウ、オウム、インコ、マカウ、ハヤブサ 、ワシ、ウズラ、タカ、ハト、バタンインコ、鳴禽、カケス、クロウタドリ、フ ィンチ、サエズリチョウおよびスズメよりなる群から選択される、請求の範囲第 2項記載の方法。 5.前記インヒビン蛋白質が配列番号2と実質的に同じ配列を有するかまたは含 む請求の範囲第1項記載の方法。 6.前記インヒビン蛋白質が配列番号4と実質的に同じ配列を有するかまたは含 む請求の範囲第1項記載の方法。 7.前記担体蛋白質が、マルトース結合蛋白質、ウシ血清アルブミン、オボアル ブミン、フラジェリン、キーホールリンペットヘモシアニン、血清アルブミン、 ガンマグロブリン、シンジェネイック細胞、Ia抗原を有するシンジェネイック 細胞、およびアミノ酸の重合体よりなる群から選択される請求の範囲第1項記載 の方法。 8.アルファ−サブユニット鳥インヒビン蛋白質またはその断片、および担体蛋 白質を含む有効量の異種蛋白質を雌の平胸類に投与して平胸類の産卵を増加させ るステップを含む、雌の平胸類の産卵を増加させる方法。 9.前記平胸類が、ダチョウ、エミュー、レア、キウイおよびヒクイドリよりな る群から選択される請求の範囲第9項記載の方法。 10.前記平胸類がダチョウである請求の範囲第9項記載の方法。 11.前記インヒビン蛋白質が配列番号2と実質的に同じ配列を有するかまたは 含有する請求の範囲第8項記載の方法。 12.前記インヒビン蛋白質が配列番号4と実質的に同じ配列を有するかまたは 含有する請求の範囲第8項記載の方法。 13.前記担体蛋白質が、マルトース結合蛋白質、ウシ血清アルブミン、オボア ルブミン、フラジェリン、キーホールリンペットヘモシアニン、血清アルブミン 、ガンマグロブリン、シンジェネイック細胞、Ia抗原を有するシンジェネイッ ク細胞、およびアミノ酸の重合体よりなる群から選択される請求の範囲第8項記 載の方法。 14.アルファ−サブユニット鳥インヒビン蛋白質またはその断片、および担体 蛋白質を含む有効量の異種蛋白質を雌の鳥に投与して鳥に多数の低コレステロー ル卵を産卵するようにさせるステップを含む、雌の鳥の産卵する低コレステロー ル卵の数を増加させる方法。 15.アルファ−サブユニット鳥インヒビン蛋白質またはその断片、および担体 蛋白質を含む有効量の異種蛋白質を雌の鳥に投与して鳥の生涯合計産卵数を増加 させるステップを含む、雌鳥の生涯合計産卵数を増加させる方法。 16.担体蛋白質と融合したアルファ−サブユニットインヒビン蛋白質またはそ の断片を含む融合異種蛋白質。 17.前記インヒビン蛋白質が配列番号2と実質的に同じ配列を有するかまたは 含む請求の範囲第16項記載の融合異種蛋白質。 18.前記インヒビン蛋白質が配列番号4と実質的に同じ配列を有するかまたは 含む請求の範囲第16項記載の融合異種蛋白質。 19.前記担体蛋白質が、マルトース結合蛋白質、ウシ血清アルブミン、オボア ルブミン、フラジェリン、キーホールリンペットヘモシアニン、血清アルブミン 、ガンマグロブリン、シンジェネイック細胞、Ia抗原を有するシンジェネイッ ク細胞、およびアミノ酸の重合体よりなる群から選択される請求の範囲第16項 記載の融合異種蛋白質。 20.(a)アルファ−サブユニットインヒビンまたはその断片がコードされた 二重鎖cDNAを提供するステップと、 (b)担体蛋白質の製造用のコーディング情報を有するベクターを提供するステ ップと、 (c)インヒビンcDNAをベクター中に連結させるステップと、 (d)連結反応したベクターを発現系の中に挿入するステップと、 (e)インヒビン蛋白質および担体蛋白質を含む融合異種蛋白質を発現させるス テップと、 からなる、融合異種蛋白質の製造方法。 21.前記インヒビンcDNAが配列番号1と実質的に同じ配列を有するかまた は含む請求の範囲第20項記載の方法。 22.前記インヒビンcDNAが配列番号3と実質的に同じ配列を有するかまた は含む請求の範囲第20項記載の方法。 23.前記担体蛋白質が、マルトース結合蛋白質、ウシ血清アルブミン、オボア ルブミン、フラジェリン、キーホールリンペットヘモシアニン、血清アルブミン 、ガンマグロブリン、シンジェネイック細胞、Ia抗原を有するシンジェネイッ ク細胞、およびアミノ酸の重合体よりなる群から選択される請求の範囲第20項 記載の方法。
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