JPH09510408A - 被覆されたばかりの枚葉紙を案内する装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 枚葉紙を案内する装置における課題は、エネルギ所要量を著しく減じるような第２の運転形式を提供することである。本発明によれば、このことは、ガイド面（２）のスリットノズル（４）を備えた空気供給ボックス（３）を、支持空気運転から吸引空気運転に切り換えることによって達成される。

Description

【発明の詳細な説明】 被覆されたばかりの枚葉紙を案内する装置 本発明は、請求項１の上位概念に記載の形式の、加工機械内で、一貫して延び るガイド面を介して枚葉紙を案内する装置に関する。 ドイツ連邦共和国特許第１９０７０８３号明細書に基づき、枚葉紙を浮動式に 案内するためのブローボックスが公知である。このブローボックスには、沈め込 まれた誘導面を備えたブロー開口が取り付けられている。これらのブロー開口か ら生じる空気噴流によって、枚葉紙はエアクッション上で案内される。この場合 の欠点は、このような公知の装置が、吸引空気では負荷することができず、この ようなノズルを用いては指向性を有する噴流を生ぜしめることはできないことで ある。 ドイツ連邦共和国特許第３４１１０２９号明細書においては、孔として形成さ れたエアノズルを備えた一貫して延びるガイド面が開示されている。これらのエ アノズルは、選択的に吹出ノズルまたは吸引ノズルとして運転することができる 。このようなノズルの欠点は吹出運転中には吸引作用が生じず、枚葉紙を緊張さ せるための指向性を有する力が形成されないことである。 このような公知の両構成は、枚葉紙を一方の表面で第２のエアクッションによ って緊張させ、かつ枚葉紙の乾燥を行うことができるような装置を有していない 。 互いに上下に配置されたガイド面を備えた枚葉紙のための搬送装置がドイツ連 邦共和国特許第３４４３７０４号明細書に開示されている。このようなガイド面 は、エアノズルとして使用される孔を備えている。枚葉紙は２つのエアクッショ ンの間で緊張させられる。この場合の欠点は、枚葉紙がこれらのエアクッション の間で、規定されていない位置で浮動させられ、ひいては舞い上がり易くなるこ とである。 これらのエアノズルは、多数の送風機を介して空気を供給される。これにより 大きな調整・組み付け手間がかかる。 ドイツ連邦共和国特許第１４４９６５６号明細書には、扁平な材料を舞い上が りのない状態で案内するための装置が記載されている。この場合、扁平な材料を 案内するための、スリットノズルを備えたブローボックスが設けられており、こ れらのブローボックスに対向して位置するように、直角にブロー噴流を生ぜしめ る、乾燥のためのブローボックスが配置されている。 この場合の欠点は、一貫して延びるガイド面が設けられておらず、ひいては扁 平な材料が波を形成し易いことである。さらに、枚葉紙が片面だけしか印刷され ていない場合でも、枚葉紙を案内するために費やされるエネルギーは大きい。 本発明の課題は、加工機械、有利には輪転印刷機内で、被覆されたばかりの枚 葉紙をガイド面に沿って案内する、選択的に２つの運転形式を備えた装置を提供 し、第１の運転形式である支持空気・乾燥運転では、ガイド面の空気供給ボック スと吹き当て噴流ノズルのための空気供給ボックスとを圧縮空気で負荷すること ができ、第２の運転形式である「吸引空気・乾燥運転」では、乾燥作用に殆ど影 響を与えることなく、本発明による装置のエネルギ所要量、ひいては運転コスト が従来技術のものに比べて著しく減じられるようにすることである。 このような課題は、請求項１に記載の特徴により解決される。 本発明により得られる利点は特に、第１の運転形式、つまり支持空気・乾燥運 転に加えて、第２の運転形式、つまり吸引空気・乾燥運転が本発明による装置に おいて可能であり、このような第２の運転形式において、本発明による装置のエ ネルギ所要量が第１の運転形式および従来技術とに比べて著しく減じられること である。支持空気運転は、ガイド面に向いた面が印刷されているかまたは不安定 な表面（例えばアルミニウムで被覆された表面）を有しているような枚葉紙を浮 動式に案内するのに適している。 枚葉紙の前記ガイド面に向いた面が例えば印刷されていないという理由から副 次的な意味しか有しない場合、吸引空気運転において枚葉紙はガイド面に向かっ て吸引される。これによりガイド面のブロー空気は不要になり、これにより著し いエネルギ節約が可能になる。 両運転形式相互間の切換により、吹き当て噴流ノズルを備えたブローボックス のための空気量はさほど変化しない。 浮動式の案内と、吹き当て噴流ノズル（吹き当て噴流乾燥器）を備えたブロー ボックスとの組み合わせにより、規定された枚葉紙ガイド平面が得られる。すな わち枚葉紙はガイド面に対して僅かな間隔を置いて案内することができる。吹き 当て噴流ノズルの使用は、この吹き当て噴流ノズルが比較的大きな距離を置いて も良好な乾燥作用をもたらすので有利である。これにより、吹き当て噴流ノズル を備えたブローボックスとガイド面とを、大きな相互間隔が置かれるように配置 することができるので、枚葉紙は有利には搬送用チェーンによって移動させるこ とができる。 本発明による装置を図面につき以下に詳しく説明する。 第１図は、本発明による装置を搬送方向に沿って示す概略図である。 第２図は、スリットノズルを備えたガイド面の平面 図である。 第３図は、第２図に示した部分の断面図である。 第４図は、本発明による装置を、支持空気・乾燥運転状態で、搬送方向に対し て横方向から見た状態で示す概略図である。 第５図は、第２図を吸引空気・乾燥運転状態で示す図である。 加工機械、例えば輪転印刷機には、第１図に相応して、枚葉紙１またはウェブ が、閉じられたガイド面２に沿って搬送される。このような閉じられたガイド面 ２は、空気供給ボックス３の上側部分として形成されており、多数のスリットノ ズル４を備えている。これらのスリットノズルは、ガイド面２内に斜めに沈め込 まれた誘導面６を有している（第２図および第３図）。このような空気供給ボッ クス３にブロー空気が供給されると、これらのスリットノズル４は、それぞれ、 互いに離反する方向に幅が広がる空気噴流７を生ぜしめる。この空気噴流はガイ ド面２に沿って延びる。つまりガイド面２を擦過する訳である。このような空気 噴流７によって、エアクッション８がガイド面２に形成される。このようなエア クッションは、吹き出し・吸引作用が同時に生じる（流体力学的なパラドックス ）ことにより枚葉紙１を支持し、吸引する。枚葉紙のその都度印刷されたばかり の面９に向かって、ガイド面２に所定の間隔ａ、例えば１００ｍｍの間隔を置い て対向するように、別の空気供給ボックス１１が配置されている。この空気供給 ボックスは、吹き当て噴流ノズル１２を備えている。これらの吹き当て噴流ノズ ルの空気噴流１０は、枚葉紙１の印刷されたばかりの面９にほぼ垂直に衝突し、 これらの枚葉紙を乾燥させる。これらの両空気供給ボックス３，１１のために必 要となる空気は、中央に配置された共通の送風機１３によって促進される。これ らの両空気供給ボックス３，１１は、ほぼ閉じられた室１４内に配置されている 。この室は、それぞれ端面側にのみ枚葉紙通過のための開口を有している。閉じ られた室１４の中央の個所１６、例えば室の左側の中央では、開口１６を介して 送風機１３の吸込通路１７のための空気が取り出される。この送風機１３におい ては、送風機から出たあと、選択的に５００Ｐａ〜２０００Ｐａの空気の正圧が 生じるように空気が加速される。送風機１３から出たあと、短い吹出通路１８が 、吹き当て噴流ノズル１２の空気供給ボックス１１に通じている。これにより流 れ損失を僅かに保つことができるので、吹き当て噴流ノズル１２にもほぼ５００ Ｐａ〜２０００Ｐａの圧力が選択的に提供される。このような吹出通路１８から は、ガイド面２の空気供給ボックス３のための供給通路１９が分岐している。こ のような供給通路１９は、接続通路２１を介して送風機１３の吸込通路１７に接 続されている。これによりスリットノズル４のための 空気供給ボックス３と吹き当て噴流ノズル１２のための空気供給ボックス１１と は、送風機１３と吸込通路１７と吹出通路１８と供給通路１９と接続通路２１と から成る共通の空気供給装置２０を有していることになる。 供給通路１９には、接続通路２１と吹出通路１８との間に、選択的に調節可能 な絞り装置２２が位置している。さらに、選択的に調節可能な別の絞り装置２３ ，２４が、接続通路２１にも、吸込通路１７の、開口１６と接続通路２１との間 にも１つずつ配置されている。 本発明による装置の第１の運転形式、つまり支持空気・乾燥運転においては、 ガイド面２のスリットノズル４が、下方から圧縮空気で負荷され、これにより枚 葉紙１がエアクッション８に支持される。 このために、空気供給ボックス３の供給通路１９が送風機１３の吹出通路１８ に接続され、吸込通路１７に通じる接続通路２１が閉じられる。このことは絞り 装置２２を開き、絞り装置２３を閉じることによって行われる。例えば電動モー タ式の駆動装置を備えた、例えば遠隔調節可能な位置決め駆動装置（図示せず） によって、絞り装置２２の開放位置を種々に変更することにより、スリットノズ ル４の空気供給ボックス３内の例えば２００Ｐａの空気圧が変化させられる。吸 込通路１７に設けられた絞り装置２４は、全開させら れている。この実施例では、絞り装置２２，２３，２４は位置調節可能なフラッ プとして構成されており、図示していないニューマチック式シリンダを介して動 かされる。開放位置は、調節可能なストッパを介して規定される。空気供給ボッ クス３内の空気圧を可変にしたいのであれば、サーボモータやサーボシリンダの ような、規定された位置をもたらすかまたは圧力センサを介して制御されるよう な、公知の位置決め装置または調整装置を使用することができる。 第２の運転形式、つまり吸引空気・乾燥運転において、ガイド面２のスリット ノズル４が例えば５０Ｐａの吸引空気で負荷されると、接続通路１９が吸込通路 １７に、絞り装置２３を開くことによって接続され、接続通路１９と吹出通路１ ８との接続部が、絞り装置２２を閉じることによって閉鎖される。このことは前 記位置決め駆動装置を介して行われる。これにより、送風機１３の供給量は、支 持空気・乾燥運転と比較して、ガイド面２のスリットノズル４のブロー空気量だ け減じられるので、これにより送風機１３の出力消費量も減じられる。 吹き当て噴流ノズル１２の所望の量のブロー空気を支持空気運転中にも吸引空 気運転中にも一定に維持するために、接続通路２１の絞り装置２３を介して、空 気供給ボックス３内の負圧が調節され、絞り装置２４によって空気供給ボックス １１内の空気量が制御され る。絞り装置２２，２３，２４を介した空気量の制御時に、空気圧がほぼ一定の ままであるように、使用される送風機１３の特性曲線が、変化可能な供給量にお いてほぼ一定の圧力を有していると有利である。この場合送風機１３の出力消費 量は供給量に比例する。本発明による装置の確実な運転のために、１０００〜３ ０００Ｐａの全圧上昇を有する送風機１３が適している。このような特性は例え ばドラムロータ型ラジアル送風機が満たしている。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．加工機械内、有利には輪転印刷機内で、スリットノズルを備えた第１の空 気供給ボックスのガイド面を介して枚葉紙を案内する装置であって、スリットノ ズルが、ガイド面内に沈め込まれたそれぞれ１つの斜めの誘導面を有しており、 第１の空気供給ボックスに対向して第２の空気供給ボックスが位置しており、該 第２の空気供給ボックスが、ガイド面の方向に向いた吹き当て噴流ノズルを備え ており、第１の運転形式である、枚葉紙を無接触の状態で案内するための支持空 気・乾燥運転では、枚葉紙とガイド面との間の安定したエアクッションが、第１ の空気供給ボックスを圧縮空気で負荷することにより形成されるようになってい る形式のものにおいて、 第２の運転形式である吸引空気・乾燥運転では、第１の空気供給ボックス（３ ）が吸引空気で負荷されて、スリットノズル（４）が吸込ノズルとして作用する ようになっており、第２の空気供給ボックス（１１）と第１の空気供給ボックス （３）とが共通の空気供給装置（２０）を有しており、空気供給装置（２０）の 空気供給が送風機（１３）によって行われるようになっており、該送風機の特性 曲線が、可変の体積流においてほぼ一定の圧力を有していて、送風機の出力消費 量が供給量に対してほぼ比例していることを特徴とす る、枚葉紙を案内する装置。 ２．空気供給ボックス（３）の供給通路（１９）が、送風機（１３）の吸込通 路（１７）または吹出通路（１８）に選択的に接続可能に配置されている、請求 項１記載の装置。 ３．スリットノズル（４）の空気供給ボックス（３）の供給通路および接続通 路（１９，２１）と、送風機（１３）の吸込通路（１７）とに設けられた絞り装 置（２２，２３，２４）が位置決め装置によって調節可能に配置されている、請 求項２記載の装置。 ４．送風機（１３）の吸込通路（１７）に絞り装置（２４）が配置されている 、請求項１記載の装置。 ５．送風機（１３）がドラムロータ型ラジアル送風機である、請求項１記載の 装置。