JPH09510376A - 歯科用処置法及び用具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 歯科用具２は無孔ポリマー材料から成形され、歯列アーチの歯部分を浸漬させるための窪みを設ける。歯科用具２は種々の異なる寸法の歯列アーチに適合するように造られ、さらに緩衝領域７が形成される。漂白剤、酸化防止剤その他の歯科用薬剤が歯列及び歯周組織に対して添付される。

Description

【発明の詳細な説明】 歯科用処置法及び用具 本出願は、歯を明るくする用具と方法に関して、１９９２年１１月２４日に出 願された特許出願第０７／９８０，６３５号の部分継続出願である。 〔発明の属する技術分野〕 この発明は歯科用処置法及び用具に関する。 〔発明の背景技術〕 近年、歯の保健市場に、変色歯の処置に関して家庭内漂白処置を行うことが導 入されている。この家庭内漂白処置法は、６〜１５％の過酸化尿素又はその他の 過酸化尿素化合物のような弱酸性用剤を患者自身が歯列の湾曲部に塗布し、通常 歯科医や歯科診療所で特別に作った堅い歯科用具を用いて行う技術である。歯科 の専門家の提案によれば、変色した歯の処置には、患者が特注の堅い歯科用具を 使って１日約１２０分に達する作業を数週間にわたって行い、総計２０〜４０時 間をこの家庭内漂白に使わなければならないと指示している。 現在使用可能な歯列漂白用剤は全てビスコース液が又はゲル状のものである。 漂白用剤は通常販売されており、瓶、注射器及びチューブのような区分けされた 分配容器に収納されている。この漂白用剤は患者自身が容器から取り出し、所定 量を特注の堅い歯科用具に塗布して用いる。 歯列の家庭内漂白処置が何時ごろ始まったかは正確には分からない。この技術 の最も早い報告書は、１９６０年代の中期にアーカンゾー州在住の２人の医師が 「グリオキサイド」（商標）に掲載され、マリオン・メレル・ダウ社によって商 品化された。「グリオキサイド」は通常の歯科用具又は傷口を覆う柔軟な組織の ための歯列用添え木等、歯列の漂白化に副次的な効果をもたらすために用いられ る用剤である。この「グリオキサイド」（商標）はグリセリン中に１０％の過酸 化尿素を含有する、処方箋外の薬品である。これが１９７２年処方箋外薬品市場 に売り出された後、歯科用には「プロクジゲル」（商標）として、リード・アン ド・カーンリック薬品会社から売り出されている。「プロクジゲル」（商標）は 水とグリセリン、「カーボポル」（商標）（濃厚剤）及び１０％の過酸化尿素の 化合物である。 家庭内漂白処置法の最初の報告としては、１９８９年にヘイウッドとハイマン が、「プロクジゲル」（商標）を用い、特注の歯科用具を用いて、夜間に行って 成功したしたことが報告されている。このヘイウッド・ハイマン法によれば、漂 白すべき資料は軟性プラスチック製の真空歯科容器内に、夜間平均７．５時間で 、２乃至５週間置かれたものである。また、１９８９年には、オムニ・インター ナショナル社から発売された「ホワイト・アンド・ブライト」（商標）が特に歯 列漂白用剤として、最初に商品化されたものとなっている。この「ホワイト・ア ンド・ブライト」（商標）はグリセリン中に１０％の過酸化尿素を含有する用剤 で、歯科医師専用及び特別注文品又は処方箋歯科用薬品として販売されている。 これか歯科用薬品市場に紹介された後、２０社を越える企業が類似製品を市場に 提供している。 上述した家庭内漂白処置法では、２回歯科医師の診療所を訪問することと、堅 い特注の歯科用具を作ることが必要である。最初の診療所訪問では、歯列の状態 が確認され、それから特別注文の歯科用具が作られる。熱可塑性樹脂フィルムを 用いて、多くの家庭内漂白用剤が歯列に運ばれ、充填して堅い特注の歯科用具を 作るために用いられる。熱可塑性樹脂フィルムは堅い又は半硬質のシートとして 売られ、種々の寸法及び厚さのものがえられる。ある製造業者は有孔のフォーム または低モジュールプラスチックを硬質の熱可塑性フィルムに積層させた物を提 供している。 硬い特注の歯科用具を歯列弓の石膏モデル上に組み立てる際、患者の歯列弓の 石膏モデル上で硬い熱可塑性樹脂のシートを加熱し、真空成形することが必要で ある。余剰のシートはその後除去され、その結果硬化した特注の歯科用具は歯科 医師によって磨かれ、患者の歯列弓に適合させられる。 歯科医師は歯列の漂白を行う際、伝統的に３つの型の歯科用具を用いてきた。 第１のタイプは患者の歯列弓に正確に適合する型のものである。 硬質の特注歯科用具の第２のタイプは、歯科医師が頻繁に用いる「寸法外の大 きさ」の、家庭内漂白使用者に提供する型のものである。この寸法外の大きさの 歯科用具を作る歯科用工房の技術は、歯列弓の石膏モデルの歯の表面をダイスス ペーサや軽く湾曲したアクリル樹脂等で覆って厚みを増すことを含む。次に、熱 可塑性樹脂は加熱され、それに続いて厚さを増した歯列の石膏モデルの歯列に、 真空成形により成形される。この方法の正味の効果は、「寸法外の大きさ」の硬 質特注歯科用器ということに尽きる。 第３のタイプは、さほど頻繁には用いられないが、軟質の有孔フォームから硬 質の無孔フォームに至る広い領域の積層物質からなる硬質の２層構造の、特注歯 科用具である。２層の歯科用具の、無孔の硬質熱可塑性樹脂からなる殻部分が、 内側の軟質の有孔フォーム層を包み、且つ支持している。 歯科医師による指示と前述した歯科用具の製造後に、この歯科用具を用いた歯 の漂白過程は、患者自身によって、典型的には漂白剤を毎日塗布して行われる。 患者は家庭内漂白用剤を調合して硬質の特注歯科用具に塗布し、この器具を歯列 弓の上に被せる。一般的に、要求されている処置用時間は、毎日３０分乃至１２ ０分である。処置時間の終わりに、歯科用具は取り外され、漂白剤の残りを水で 洗い流し、次の使用まで貯蔵される。 不幸なことに、硬質の特注歯科用具を得るためには、種々の困難な問題が存在 している。これらの諸問題の中には、歯列の制作にかかる時間と費用の大きさ、 ２回診療所を訪ねる不便さ、そして時には不都合に出来た器具を再成形する必要 がある。 つぎに特注の２層歯科用具の欠点として、漂白剤による閉塞および残留という 問題がある。更に、フォーム形状の歯科用具を清潔にし、維持していくことは、 表面領域が広いこと及び細孔の量から、困難である。 更に寸法外の大きさの硬質特注歯科用具の持つ問題点は、限定される訳ではな いが例示すると、閉塞性、成形時間及び費用の増加、器具の舌片が歯茎部分に当 たることによる不快感、漂白剤が目標とする領域に滞留する量が少なくなること 等が挙げられる。 このような問題点は、家庭内漂白を提供するために生み出された第４及び最終 的な型の処置法の開発の引き金となった。この方法では、硬質の特注歯科用具が 、予め決められた量の漂白剤によって満たされ、個々にパッケージされた使い捨 て型のＵ字状軟質トレイによって置き換えられている。このような器具は商業的 には、「ヴァイラル・ホワイト」（商標）の名で、カリフオルニア州オクスナー ド所在、カドコ・デンタル・プロダクツ社から売り出されている。この製品のパ ッケージに挿入された使用説明書には、患者はこの用具を彼又は彼女の歯の回り に付着させ、トレイをその位置で６０分間維持し、その時間経過後にそれを取り 去り、捨てるように指示している。カドコ社はこの６０分取り付けを２週間にわ たって１４回行うようにと指示している。 しかしながら不幸にも、カドコ社が提供した家庭内漂白法は、それ自体が問題 点を持っていることを示している。この用具の有孔のフォーム・トレイは大きく て、歯列の弓をしっかりと包む構造上の剛性を欠いている。そうして余計に唾液 を出させる原因になっている。 このようなフォーム製器具は家庭内漂白剤を患者の歯の表面上に導き、それを 包み込むようにしておくことが出来ず、そしてこの事は歯科用具、その他人体の 中又は上に付けて用いられる器具にとって、安全上及び効用上の欠陥となってい る。更に、このような漂白剤で満たされているフォーム製器具の表面は、口蓋室 内に開口しており、大量の漂白剤が器具から抽出されて口蓋内に流れ込み、患者 の食道に入ってしまう。加えて、漂白剤の泡立ち及び唾液の流出による湿気を伴 う不快感のために、患者の不満が出て、受入れ率は低いものとなる。 更に従来品の歯列漂白法の欠陥には、過敏症の反応、吐き気その他の不都合な 副作用現象が有ることが挙げられる。このような副次的効果は、漂白剤の集中的 な適用が歯列漂白法に慣れていない患者の歯列に対してなされることによる。現 在のところ、このような又はその他の禁断症状の苦痛を緩和したり、散らしたり するような薬剤は存在しない。 歯の漂白、又はその他の歯科用処置が当面克服すべき課題であるなしに関わら ず、一般的に歯や口腔の状態を改良するための薬剤はまだ普及していない。 以上のように、現在有効だとして提案されている家庭内漂白法を実施するため には、幾多の問題点が累積している。通常の、硬質の特別注文生産による歯科用 具は、時間を浪費し、歯科医師の診療所を訪問する費用が要り、夫々患者の口蓋 に合わせて歯科工房で試験をし嵌め合わせを行う必要がある。更に、患者の歯の 表面のいかなる変化、例えば詰めもの、王冠、その他口蓋に一時的又は治療によ る口蓋内の変化が、この硬質の特注歯科用具の装着に影響を与え、最初から作業 を繰り返す必要が生じる。この添え木を作りなおすことは、それに続く再漂白作 業を必要とする。 更に、歯列弓の処置のための、既知の用具を用いたシステムの欠点を挙げると 、漂白剤を歯科用具内に分配することが不適切なため、特に用剤を経験不足で薬 剤量の重要性に対する正確な知識も無い患者自身が、このような用剤を自分で計 量して分配する場合に起こる。このような防腐処置技倆の不足により、漂白剤そ の他の歯科用剤を器具内に滞留させる危険が増大する。自分で漂白処理その他の 歯科用処置を行う患者は、しばしば処置歯の使用期間全般にわたって硬質の特注 歯科用具を正しく用いるに必要な、注意深い維持、清浄化及び貯蔵の仕方を忘れ がちである。 更に他の問題点を挙げると、患者がしばしば過多量の漂白剤その他の歯科用剤 をこの歯科用具に用いる結果、この器具から口蓋内の空洞に歯科用剤が飛び散り 、口から食道へと流れ込むことが起こる。ある種の量の漂白剤を食べることは使 用者に大きな不快感を与え、過敏な拒否反応を起こさせる。このように過多量の 漂白剤を用い、その余剰を歯科用具その他の容器から漏洩させることは、歯茎の 痛み、炎症、水腫、吐き気その他のアレルギー症状を起こす結果となる。患者は 特に満足すべき治療結果を得るために多くの歯科用処置を行った後にはこのよう な過多量の漂白剤による後遺症に苦しめられる結果となる。 更にまた、スポンジ状の浸透性のある、使い捨てフォーム皿からなる器具は、 特注の歯科用具として用いるには、目標とする領域に漂白剤を集中してもちいる 機能に欠けること、及び用剤の食道への摂取という、単純な欠陥を有している。 これらの欠陥はこれで尽きるものではなく、既存の器具の様々な困難性の単なる 例示に過ぎない。従って患者の歯列及び歯周組織に対し漂白その他の歯科用処置 を行うために、明らかに根本的な改良が必要となっている。 〔発明の概要〕 本発明の用具及び方法は、前述した種々の先行技術の記述から明らかなように 、使用者の歯列及び歯周組織に対し、漂白剤その他の歯科用剤を効果的に使用す ることに関する。本発明は歯列及び歯周組織に対する歯科処置のための器具を提 供することであり、歯列弓の歯を浸漬させるための窪みをもつ無孔ポリマー材料 からなる既製の歯科用具を提供する。この歯科用具は種々の異なる歯列弓に適合 することが出来、予め計量された漂白及び／又はその他の薬剤を予め分配して使 い捨て可能な歯科用具の容器の窪み内に収納してある。この発明によれば、歯科 用具は、予め分配した漂白剤その他の薬剤をパッケージ内に収納し、これらで歯 科用具を囲むか、又は使い捨て可能な歯科用具の容器の窪み内に収納した用具一 式となっている。又はこれに代えて、前記窪みの淵上に並べて置いた、分離容器 内に歯科用薬剤を収納し、この容器が開放された時には、薬剤が直接窪み内に抽 出されるようにすることも出来る。 本発明の歯列及び歯周組織への薬剤処置は、用具をパッケージから取り出すだ けで、単純な手法で行うことが出来る。本発明による単純な漂白材の取扱いは、 衛生上から好ましいと共に、余剰量の漏出と薬剤の汚染からなる好ましくない副 作用の危険性を最小限度にする。予め計量され、分配された薬剤を用いるために 、歯列及び歯周組織に対する漂白その他の処置が正確におこなえる、失敗の余地 の無い処置法を提供する。 ここに用いられているように、既製の歯科用具は規定の寸法、又は種々の寸法 の歯列弓に適用できる大きさの用具を大量生産することが出来ることを意味する 。逆に言えば、本発明による既製の歯科用具は、個々の歯列に合うように特別注 文により提供されていた物とは異なる、ということである。 ここに用いられているように、薬剤は調剤、漂白剤その他の歯科用薬剤、栄養 補給剤又はその他の生物適合性合成物等を含み、健康状態を促進するか、又は歯 列及び歯周組織に対する漂白その他の歯科用処置の際に生じる種々の副作用を最 小限に抑える作用をする。この種の合成薬剤の中には、これに限定されないが例 えば過酸化尿素、ビタミンＥのような酸化防止剤、アロエ・ベラのような傷用薬 、歯の表面をより白い用剤、例えばポロアクスマーで被覆するための表面処理剤 、フッ化物のような抗カリエス剤、又は本発明の処置後に歯を磨くためのブラッ シングが出来る歯磨き剤等が含まれている。 本発明の一実施例によれば、一つの歯科用剤が、開放セル・フォームの最初の 細長片内に沿って、内側壁の手前に添付され、二番目の開放セル・フォームが歯 科用具の後ろの内側壁に沿って添付され、歯科用剤の封入のための貯蔵腔のよう なものが歯科用具の窪みの底部に沿って形成される。 これに代えて、開放セル・フォームの条片は、歯科用具の窪みの内面の前部に 添付され、処置の対象となる歯列弓の前面に添付されるようになっている。薬剤 は内側壁又は本発明による歯科用具の壁面に付着したセル・フォーム内に予め分 配され、あるいはこの歯科用具の窪みに隣接する、個々に分離された容器内に分 配される。 本発明の他の実施例中には、窪みの内側前部壁面は、その壁面の全長にわたっ て切り欠きを設けることが出来、その中に歯列の前部表面に接触するための処置 剤を入れるようになっている。 本発明の更に別の実施例では、処置の対象となっている歯を囲む歯周組織のま わりに緩衝領域を設けるものが含まれる。この緩衝領域は、歯周組織が活性の有 る漂白剤に付着されないように保護している。この緩衝領域は好ましくは、活性 のある漂白剤による副作用を鎮静化するか、又はその影響を最小限にするための 化学豪勢物を含有している。他の実施例では、この緩衝領域は酸化亜鉛オイゲノ ールのような粘着性流体を含有することもある。 本発明の他の実施例では、治療的効果を与えることと、漂白剤その他の処置剤 が歯と周囲の組織に対して惹起する好ましくない副次的効果を最小限度に抑える ための作用とを与えることが出来る薬剤が使用可能である。先に述べたように、 この薬剤にはビタミンＥのような酸化防止剤、ポロアクスマーのような歯の表面 をより白い用剤で包む表面処理剤、アロエ・ベラのような傷用薬、フッ化物のよ うな抗カリエス剤、又は本発明の処置後に歯を磨くためのブラッシングが出来る 歯磨き剤等が含まれている。 本発明のように、既製の歯科用具を用いることによる注目すべき利点は、従来 の歯形をとってこれに特別注文の歯科用具を作る必要が無く、種々の異なる寸法 の歯列弓に直ちに適合することが出来るようになったことである。このようにし て歯科用具は予め寸法合わせをすることも、特別注文の物をつくる必要がなく、 店頭で買えるようになった。殺菌した収納パッケージ内に保管し使用することが 出来るようになったので、本発明の用具だけを使用すれば、バクテリヤの混入に よる障害の発生を最小限度に止めることが出来、清潔に保つことが出来る。 本発明の用具と方法は更に、漂白剤のような薬剤が引き起こす副次的な作用に ついて、前述したようにこれを最小限度に抑えて、薬剤の使用を容易にしたとい う利益をもたらしている。例えば、歯の前面を漂白処理する時に、漂白処理を歯 の前面の見える所だけに施すように目標を定めると、漂白剤の量は減少させるこ とが出来、過敏症の反応その他予期せざる副作用は最小限度に抑えられる。 本発明による歯列弓とその周辺の組織の処置法の一つの方法は、既製の歯科用 具の中から種々に異なる寸法の歯列弓に適合する無孔ポリマー材料よりなる歯科 用具を選択する段階と、この歯科用具を用いて使用者の歯列を薬剤中に浸漬させ るように取り付けることからなる。 本発明による歯列弓とその周辺の組織の処置法の更に他の方法は、歯列と周辺 の組織に対して酸化防止剤を含む薬剤を添付することを含んでいる。本発明の実 施例では、このような酸化防止剤として、ビタミンＥを用いることが望ましい。 本発明の更に他の方法として、アロエ・ベラを歯列及び周囲の組織に対して用い ることが挙げられる。このような薬剤は漂白剤その他の歯科用処置剤と一緒に、 又は夫々分離させて使用することが出来る。 本発明の更に他の方法によれば、歯列弓に添付される漂白剤を積極的に集約化 することによって、より明るい歯の処置組織体を構築することが含まれる。この 処置法は次にのべるような割合で管理される。 (1) 約５％から１５％までの間の過酸化尿素その他の漂白物質を含有する、２〜 １０個の漂白剤、 (2) 約８％から１８％までの間、望ましくは１２．５％の過酸化尿素その他の漂 白物質を含有する、２〜１０個の漂白剤、 (3) 約１０％から２０％までの間、望ましくは約１５％の過酸化尿素その他の漂 白物質を含有する、２〜１０個の漂白剤。 本発明方法の更に他の実施例は、前述した他の実施例と同様に、既述した他の 歯科用剤を１乃至それ以上の種類の漂白剤と共に用いることが出来る。 〔図面の簡単な説明〕 図１は本発明による歯科用具の見取り図である。 図１Ａは本発明による歯科用具の、１Ａ−一Ａ線で切った切断面の、歯の位置 と浸漬剤との位置関係を示す断面図である。 図２は本発明による歯科用具に実際の歯を挿入した場合を示す断面図である。 図３は、緩衝領域を設けた、本発明による歯科用具の断面図である。 図４は漂白剤を含有する有孔セル・フォームを窪みの前部内部壁面に取り付け た、本発明による歯科用具の断面図である。 図５は漂白剤が窪みの前部内部壁面に集中的に取り付けられた、本発明による 歯科用具の断面図である。 図６は開放セル・フォームの帯片が、歯科用具の窪みの前部内側及び後部内側 壁面に夫々取り付けられた、本発明による歯科用具の断面図である。 図７は、本発明の歯科用具がパッケージングされ、漂泊剤が用具内に密封され た状態を示す見取り図である。 図８は予め定められた量の漂白剤が、窪みに隣接するパッケージ内に封入され た状態の、本発明による歯科用具の断面図である。 図８Ａは予め定められた量の漂白剤が、窪みに隣接するパッケージ内に封入さ れた状態で更に内幕を破って窪みの底部に侵入した状態の、本発明による歯科用 具の断面図である。 〔好適な実施例の詳細な説明〕 図１〜図２に示す用具は、予形成したＵ字状の歯科用具２により構成し、この 器具の長さ方向の水平軸線に沿って溝を有し、この溝内には予め計量した量の薬 剤３を収納し、この薬剤３に処置すべき歯４を浸すようにする。歯科用具２は無 孔質ポリマーで形成する。 図３〜図４には、実際に歯４の歯列弓（デンタルアーチ）と歯科用具２との関 係を示す。本発明の歯科用具を実用に供する際の手順としては、先ず、関連の患 者の歯の歯列弓の周りに装着するよう適切に予形成した使い捨て歯科用具２を選 択する。歯科用具２は、溝内に予計量分の薬剤３を予め分注した状態で好適には 、無菌容器にパッケージする。上述の規定により、薬剤３としては、例えば、１ ０％の過酸化尿素のような漂白剤、ビタミンＥのような酸化防止剤、ポロキサマ ー、フッ化物、アロエベラ(aloe vera)、歯科用スクラブのような歯をコーティ ングするホワイトニング界面活性剤、又は歯及び歯の周囲の組織の少なくとも一 方を処置する他の薬剤を含むものとする。 次に歯科用具２をパッケージから取り出し、歯４にもっていく。歯科用具２の 歯への当接は、図１Ａ及び図２に示すように、口の中で溝が歯４の端縁に平行に なるように歯科用具２を位置決めすることによって行う。歯４に対して歯科用具 ２の適正に配置するためには、溝を歯茎６及び本明細書中では歯列弓を包囲する 歯周組織と称する柔らかい組織８の方向に向かって押し込み、次に歯の端縁の周 りに押し込む。適正に配置できると、歯科用具２は図２に示すように、歯４と歯 列弓の歯茎６をカバーし、歯科用具２が予計量した薬剤３をパッケージを解いた 後の単に一回の簡単なステップで歯列弓の歯に供給するシステムを生ずる。 図２、図４及び図５に示すように、歯４及び歯茎６は器具内に埋め込まれ、薬 剤３と密に界面接触する。歯科用具２の適正配置によれば、溝のオリフィスの周 りに歯茎界面を形成し、これにより目標領域５内に薬剤３が位置決めし易くなる 。 図３は、薬剤３の都合の悪い副作用を防止する緩衝領域７を有する本発明の実 施例を示す。この緩衝領域７は、過酸化尿素及び他の過酸化物のような歯科用漂 白剤又は他の薬剤を安定させる生体親和剤、例えば、ビタミンＥを含有するもの とすることができ、また酸化亜鉛ユージノールを含有するものとすることができ る。緩衝領域７には、更に、薬剤３の副作用を防止する他の成分を含ませること ができる。 図４には、歯科用具２の内壁にセルが開放した発泡体１０をラミネート又は他 の方法で固着した本発明による他の実施例を示す。このセル開放発泡体１０は図 ５には、適正に使用した場合に、薬剤３が歯の前面の目標領域５に隣接する歯科 用具２の内壁の前面に閉じ込められるよう歯科用具２を形成した実施例を示す。 このようにして、歯４の前面に薬剤３を位置決めするよう反応容器が形成される 。 図６には、セル開放発泡体１０′の第１ストリップを歯科用具の内壁前面に沿 って取り付け、歯科用具の内壁後面に沿ってセル開放発泡体１０″の第２ストリ ップを取り付け、薬剤を閉じ込めるリザーバキャビティ１２が歯科用具の溝底部 に沿って形成されるようにした実施例を示す。この実施例においては、リザーバ キャビティ１２内に予め分注しておく。ユーザーの歯がリザーバキャビティ１２ 内に配置されるとき、薬剤３はセル開放発泡体１０′及び１０″内に強制的に押 し上げられ、これによりストリップによって標的にされる処置領域に制御された 状態で効率的に供給される。 図７には、パッケージ１４が薬剤３を含む歯科用具２全体を封入した本発明に よる実施例を示す。代案として、図７Ａに示すように、歯科用具２の溝のリムに シール１５を設けることができ、このシールによって薬剤３を溝内に閉じ込める 。 図８には、歯科用具２をパッケージ１４′内に封入した本発明の他の実施例を 示す。この実施例では、薬剤３を歯科用具２の溝に隣接させて配置したパッケー ジ１４′を分離可能な隔壁として閉じ込める。薬剤３は、歯科用具２の上面に隣 接するシール１５′及びこのシール１５′よりも相当薄く、また破れ易いポリマ ー製の物質で形成した孔シール１６によって隔壁内にシールする。好適には、孔 シール１６及びシール１５′はそれぞれ低い密度及び高い密度のポリ塩化ビニル で形成するとよい。歯科用具２の溝のオリフィスのリムにおけるシール１５′に 圧力を加える、又は歯科用具２の前壁及び後壁に引き絞り力を加えることによっ て、破れ易い孔シール１６の破れを引き起こし、これにより図８Ａに示すように 、予計量薬剤３がリザーバキャビティ１２内に直接押し出される。 本発明は、図示して説明した実施例の構造、作用、及び正確な材料の詳細な記 述に限定されるものではなく、他の変更例や等価例もあり得ることは当業者にと って明らかであろう。例えば、本発明による歯科用具は他の治療剤を歯に供給す るのにも適用することができる。本明細書は、添付の請求の範囲に規定する本発 明の精神及び範囲内のすべての代案、変更例、等価例をもカバーするものである 。 以下の請求の範囲はこのような限定を受けない程度に本発明の範囲を記述して ある。当業者であれば、本発明の予想される用途及び実施例は記述通りのものに 従うものではなく、請求の範囲の文言通りのものから逸脱することができるもの であることは理解できるであろう。従って、以下の請求の範囲は、請求の範囲の 精神でカバーされる明確な限定なみならず、明確な実施例をも含んでいる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ， ＣＺ，ＦＩ，ＨＵ，ＪＰ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ，Ｍ Ｇ，ＭＮ，ＭＷ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ ，ＳＫ，ＵＡ，ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．個々の歯列弓に適合するよう個別化していない歯列弓及び歯周組織を処置す るための用具において、 (a) 歯列弓の歯を浸す溝を有し、種々の寸法の歯列弓の範囲に適用できる無孔 質ポリマー材料で形成した歯科用具と、 (b) 歯科用具の溝内に予め分注した予計量した量の薬剤と、 (c) 歯科用具をシールし、薬剤を塗布するための閉じた個別化したシングルユ ースシステムをもたらすパッケージ手段と よりなることを特徴とする歯科用処置用具。 ２．前記パッケージ手段を歯科用具の溝のオリフィスのシールにより構成した請 求項１記載の歯科用処置用具。 ３．歯科用具の溝内に配置した容器に予め分注した薬剤を容器内に配置し、シー ルを開放したとき歯科用具の溝内に薬剤を直接押し出すことができるようシール した容器内に配置した請求項１記載の歯科用処置用具。 ４．歯科用具の内壁の前面に沿ってセル開放発泡体による第１ストリップを取り 付け、歯科用具の内壁後面に沿ってセル開放発泡体による第２ストリップを取り 付け、歯科用具の溝の底部に沿って薬剤を閉じ込めるリザーバキャビティを形成 した請求項１記載の歯科用処置用具。 ５．薬剤を含有するセル開放発泡体を、歯科用具の内壁の後面ではなく前面に沿 って固着し、処置すべき歯列弓の前面の接触領域に処置を集中させた請求項１記 載の歯科用処置用具。 ６．セル開放発泡体を有する溝の内壁前面に窪みを形成した請求項１，４又は５ のうちのいずれか一項に記載の歯科用処置用具。 ７．歯科用具の溝の内壁前面のほぼ全体にわたり窪みを形成し、処置すべき歯列 弓の歯の前面に接触する処置室を形成した請求項１，４，５，６又は７のうちの いずれか一項に記載の歯科用処置用具。 ８．溝の底壁又は壁の上方部分には、内方に突出して処置すべき歯列弓を包囲す る歯周そしてに接触するリップを設けた請求項１，４，５，６又は７のうちの いずれか一項に記載の歯科用処置用具。 ９．溝の内壁又は壁の上方部分には、内方に突出して処置すべき歯列弓を包囲す る歯周そしてに接触するリップを設け、リップと歯周組織との間のシールを生ず るようにした請求項１，４，５，６又は７のうちのいずれか一項に記載の歯科用 処置用具。 10．薬剤を漂白剤とした請求項１，４，５，６又は７のうちのいずれか一項に記 載の歯科用処置用具。 11．前記漂白剤を約５％〜約２０％の過酸化尿素を含むものとした請求項１，４ ，５，６又は７のうちのいずれか一項に記載の歯科用処置用具。 12．前記薬剤を酸化防止剤とした請求項１，４，５，６又は７のうちのいずれか 一項に記載の歯科用処置用具。 13．前記薬剤を漂白剤及び酸化防止剤を含むものとした請求項１，４，５，６又 は７のうちのいずれか一項に記載の歯科用処置用具。 14．前記薬剤を約５％〜約１０％の過酸化尿素及び酸化防止剤を含むものとした 請求項１，４，５，６又は７のうちのいずれか一項に記載の歯科用処置用具。 15．前記薬剤を漂白剤及びビタミンＥを含むものとした請求項１，４，５，６又 は７のうちのいずれか一項に記載の歯科用処置用具。 16．前記薬剤をフッ化物とした請求項１，４，５，６又は７のうちのいずれか一 項に記載の歯科用処置用具。 17．前記薬剤を漂白剤及びフッ化物とした請求項１，４，５，６又は７のうちの いずれか一項に記載の歯科用処置用具。 18．前記薬剤を歯の表面をコーティングする界面活性剤とした請求項１，４，５ ，６又は７のうちのいずれか一項に記載の歯科用処置用具。 19．前記薬剤を漂白剤及び歯の表面をコーティングする界面活性剤とした請求項 １，４，５，６又は７のうちのいずれか一項に記載の歯科用処置用具。 20．前記薬剤をポロキサマーとした請求項１，４，５，６又は７のうちのいずれ か一項に記載の歯科用処置用具。 21．前記薬剤を漂白剤及びポロキサマーとした請求項１，４，５，６又は７のう ちのいずれか一項に記載の歯科用処置用具。 22．前記薬剤をアロエベラとした請求項１，４，５，６又は７のうちのいずれか 一項に記載の歯科用処置用具。 23．前記薬剤を漂白剤及びアロエベラとした請求項１，４，５，６又は７のうち のいずれか一項に記載の歯科用処置用具。 24．歯列弓及び歯周組織に酸化防止剤を塗布することを特徴とする歯の状態及び 歯周処置方法。 25．酸化防止剤をビタミンＥとした請求項２４記載の歯の状態及び歯周処置方法 。 26．更に、酸化防止剤とともに漂白剤を同時に塗布する請求項２４記載の歯の状 態及び歯周処置方法。 27．前記漂白剤を約５％〜約２０％の過酸化尿素を含むものとした請求項２６記 載の歯の状態及び歯周処置方法。 28．歯列弓及び歯周組織にアロエベラを塗布することを特徴とする歯の状態及び 歯周処置方法。 29．前記アロエベラとともに漂白剤を同時に塗布する請求項２８記載の歯の状態 及び歯周処置方法。 30．前記漂白剤を約５％〜約２０％の過酸化尿素を含むものとした請求項２９記 載の歯の状態及び歯周処置方法。 31．歯列弓及び歯周組織の処置方法において、 (a) 歯列弓の歯を浸す溝を有し、この溝内に予め分注した予計量した量の薬剤 を含有し、個々の歯列弓に適合するよう個別化していない歯列弓の歯を浸し、こ れにより種々の寸法の歯列弓の範囲に適用できる無孔質ポリマー材料で形成した 歯科用具を選択し、 (b) ユーザーの歯列弓を薬剤に浸すよう歯科用具を装着する ことよりなることを特徴とする歯列弓及び歯周組織処置方法。 32．前記薬剤を漂白剤とした請求項３１記載の歯列弓及び歯周組織処置方法。 33．前記薬剤を酸化防止剤とした請求項３１記載の歯列弓及び歯周組織処置方法 。 34．前記薬剤をフッ化物とした請求項３１記載の歯列弓及び歯周組織処置方法。 35．前記薬剤を歯の表面をコーティングする界面活性剤とした請求項３１記載の 歯列弓及び歯周組織処置方法。 36．前記界面活性剤をポロキサマーとした請求項３１記載の歯列弓及び歯周組織 処置方法。 37．前記薬剤をアロエベラとした請求項３１記載の歯列弓及び歯周組織処置方法 。 38．前記薬剤に漂白剤の副作用を防止することができる成分を含ませた請求項３ ２記載の歯列弓及び歯周組織処置方法。 39．歯列及び歯周組織に対する漂白剤が次第に強く集中するよう繰り返しの処置 を管理するステップを含む歯列弓及び歯周組織処置方法。 40．前記漂白剤を次第に強く集中させて塗布するステップは、 (a) 約５〜約１５％の過酸化尿素を含有する漂白剤を約２〜６回の処置で塗布 し、 (b) 約８〜約１８％の過酸化尿素を含有する漂白剤を約２〜６回の処置で塗布 し、 (c) 約１０〜約２０％の過酸化尿素を含有する漂白剤を約２〜６回の処置で塗 布するステップよりなるものとした請求項３９記載の歯列弓及び歯周組織処置方 法。 41．前記漂白剤を次第に強く集中させて塗布するステップは、 (a) 約１０％の過酸化尿素を含む漂白剤を約５〜１０回の処置で塗布し、 (b) 約１２．５％の過酸化尿素を含有する漂白剤を約５〜１０回の処置で塗布 し、 (c) 約１５％の過酸化尿素を含む漂白剤を約５〜１０回の処置で塗布するステ ップよりなるものとした請求項３９記載の歯列弓及び歯周組織処置方法。 42．１回又はそれ以上の処置で酸化防止剤を塗布するステップを更に設けた請求 項３９，４０又は４１のうちのいずれか一項に記載の歯列弓及び歯周組織処置方 法。 43．１回又はそれ以上の処置でフッ化物を塗布するステップを更に設けた請求項 ３９，４０又は４１のうちのいずれか一項に記載の歯列弓及び歯周組織処置方法 。 44．１回又はそれ以上の処置で歯をコーティングする界面活性剤を塗布するステ ップを更に設けた請求項３９，４０又は４１のうちのいずれか一項に記載の歯列 弓及び歯周組織処置方法。 45．１回又はそれ以上の処置でアロエベラを塗布するステップを更に設けた請求 項３９，４０又は４１のうちのいずれか一項に記載の歯列弓及び歯周組織処置方 法。 46．１回又はそれ以上の処置で漂白剤の起こりうる副作用を防止する薬剤を塗布 するステップを更に設けた請求項３９，４０又は４１のうちのいずれか一項に記 載の歯列弓及び歯周組織処置方法。