JPH09509660A - アジュバント組成物 - Google Patents
アジュバント組成物Info
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Abstract
(57)【要約】
界面活性剤を含有するアジュバント組成物は、式(I):Y.A1.OC.(HR)C.C(HR1).CO.A.(CmH2mO)n.R2又は式(II):Y.A1.OC.(HR)C.C(HR1).CO.A.(CmH2mO)n.CpH2p.A.CO.(HR1)C.C(HR)CO.A1.Y(式中、置換基は明細書に定義した意味をもつ)の界面活性剤vic−ジカルボン酸ポリアルキレンオキシ半エステル誘導体と、(b)少なくとも1種の他の界面活性剤、(c)少なくとも1種の油成分、及び(d)少なくとも1種の有機溶剤のうちの少なくとも1種を含有する。アジュバント組成物は農薬処方物中、特に成長調節剤、除草剤及び/又は病虫害防除剤を含有する組成物中、又は典型的には金属防食剤を含有する金属工作組成物中で使用することができる。
Description
【発明の詳細な説明】
アジュバント組成物
本発明はアジュバント組成物、特に少なくとも2種の界面活性剤及び/又は少
なくとも1種の油を含有する組成物、前記アジュバント組成物を含有し、水に分
散及び/又は溶け易い分散性濃厚物、特に分散相の含有度が高い濃厚物、該濃厚
物を含有する希釈処方物、並びに前記アジュバント組成物、濃厚物及び希釈処方
物の調製又は使用方法に関する。
農薬を含有する濃厚物又は該濃厚物を含有する対応する希釈処方物の成分とし
て、少なくとも1種の界面活性剤を含有する組成物を使用し、前記濃厚物又は希
釈処方物に農薬を分散及び/又は溶け易くすることは農薬産業で一般に知られて
いる。前記公知組成物及び活性化学薬剤を含有する前記公知濃厚物は少なくとも
1種の油成分も含有していてもよい。
例えば農薬産業では、濃厚物又は対応する希釈処方物中に存在する任意の化学
薬剤(例えば農薬)又は他の物質の活性を高めるアジュバント組成物も必要とさ
れている。このような濃厚物の所定の所期用途、例えば殺虫剤、除草剤、殺カビ
剤又はダニ駆除剤等の所定の農薬の対応する処方物の散布方法では、組成物を含
有する対応する希釈処方物が有意高活性をもつだけでなく、処方物の調製方法が
単なる混合であることが好ましい。しかしながら、
(a)アジュバントとしての公知アジュバント組成物の効力と、
(b)得られる濃厚物が水に分散及び/又は溶け易い程度
は、分散させる化学薬剤と易分散性及び/又は可溶性界面活性剤成分の個々の組
み合わせに制限されるのが常である。
本発明は、水に分散及び/又は溶け易い濃厚物を与えると共に、農薬産業で一
般に有用な有意高活性をもつ対応する希釈処方物を与える前記アジュバント種の
類の材料を提供しようとするものである。
本発明者らは公開PCT出願第WO94/00508A号(PCT/GB93
/01335)に記載されているような類のvic−ジカルボン酸ポリアルキレ
ンオキシ半エステル誘導体を開発した。本発明は下式(I):
Y.A1.OC.(HR)C.C(HR1).CO.A.(CmH2mO)n.R2 (I)
[式中、R及びR1の一方はC6〜C22アルケニル又はアルキルであり且つ他方は
水素であり、Aは−O−又は−NR4−(式中、R4は水素又はC1〜C6アルキル
、特にメチル又はエチルである)であり、nは2〜100であり(平均であるの
で整数でなくてもよい)、mは2又は3であり(ポリアルキレン鎖により変化し
得る)、R2は水素又はC1〜C16、特にC1〜C6アルキルであり、A1は−O−
、−O-又は−NR4−(式中、R4は水素又はC1〜C6アルキル、特にメチル又
はエチルである)であり、但しA1が−O-であるとき、Yはカチオン、特にH+
、及びアルカリ金属カチオン、特にナトリウムもしくはカリウムカチオン、又は
アンモニウムイオン(特にNH4 +、アミンアンモニウム又はアルカノールアミン
アンモニウムイオン)であり、A1が−O−又は−NR4−であるとき、YはC1
〜C6アルキル基(R3)又は式(CmH2mO)nR2(式中、m、n及びR2は独立
して上記と同義である)の基である]
又は(II):
Y.A1.OC.(HR)C.C(HR1).CO.A.(CmH2mO)n.CpH2p.A.CO.(HR1)C.C(HR)CO.A1.Y(II)
(式中、n、m並びに各R、R1、A、A1及びYは独立して上記と同義であり、
pは2又は3である)
のこの一般型の化合物の適用に関する。
WO94/00508Aに記載されているように、式(I)及び(II)の化合
物の遊離酸形態は、Yが遊離酸のイオン化及び非イオン化形態の両者を含むH+
カチオンである場合として定義される。式(I)及び(II)の化合物は典型的に
は、その合成で典型的に使用される無水物開環反応の2方向に対応する異性体の
混合物である。アルキル(アルケニル)鎖は異性体比(典型的には約60:40
)に副次的立体効果をもつと思われ、主異性体はアルキル(アルケニル)基から
遠位の無水物カルボニル基の求核攻撃によって生じる。従って、特に、式(I)
及び(II)の化合物は式(Ia):
R1-CH(CO.AY)-CH2CO.AZ (Ia)
{式中、Zは式(CmH2mO)nR2[式中、n、m及びR2は上記式(I)に定義
した通りであり、nは好ましくは3〜50である]の基であり、R2は水素又は
炭素原子数1〜16、好ましくは1〜6のアルキル基であり、A及びA1は各々
独立して−O−、−O-又は−NH−基であり、A又はA1が−O-であるとき、
それぞれのYはカチオン、例えばH+又はアルカリ金属イオンであり、A又はA1
が−O−又は−NH−であるとき、それぞれのYはR2基又は(CmH2mO)nR2
基(式中、m及びR2は上記と同義であり、Z基と同一でも異なってもよい)で
あり、R1は炭素原子数6〜22、好ましくは13〜20のアルキル又はアルケ
ニル基である}
又は式(IIa):
R1-CH(COA1Y)-CH2-CO.A-D-A.OC-CH2-CH(COA1Y)-R1 (IIa)
[式中、Dは式(CmH2mO)nCpH2p−の基(式中、pは2又は3である)で
あり、R1、A、A1、m及びnは上記式(Ia)に定義した通りである]
の化合物を含む。
WO94/00508Aには、アクリルアミド逆重合系用乳化剤や羊毛精練剤
としての用途を含め、この一般型の化合物の種々の用途が記載されている。本発
明者らはアジュバント組成物中でこのような化合物を
(i)少なくとも1種の他の界面活性剤、
(ii)少なくとも1種の油成分、及び
(iii)少なくとも1種の有機溶剤
のうちの少なくとも1種と併用すると有用であることを今般知見した。
濃厚物及び該濃厚物を含有する処方物の所期用途に特異的な活性をもつ化学薬
剤を含む濃厚物を形成するために前記化合物を使用すると、濃厚物中の農薬等の
化学薬剤を水に分散及び/又は溶け易くすることができる。このような濃厚物及
び濃厚物を含有する処方物は、当然少なくとも1種の他の界面活性剤、少なくと
も1種の油成分又は少なくとも1種の有機溶剤を含有していてもよいが、(濃厚
物の成分として使用され得る上記組成物とは異なり)必ずしもその必要はない。
処方物は農薬産業で例えば除草剤、殺カビ剤又はダニ駆除剤等の農薬に用いるの
に有用である。
本発明の第1の態様によると、
(a)上記式(I)又は(II)の少なくとも1種の界面活性剤vic−ジカルボ
ン酸ポリアルキレンオキシ半エステル誘導体と、
(b)少なくとも1種の他の界面活性剤、
(c)少なくとも1種の油成分、及び
(d)少なくとも1種の有機溶剤
のうちの少なくとも1種を含有する組成物が提供される。
この第1の態様の適切なアジュバント組成物は、
(a)組成物全体の1〜90重量%、好ましくは5〜75重量%として存在する
少なくとも1種のvic−ジカルボン酸ポリアルキレンオキシ半エステル誘導体
と、
(b)組成物全体の0〜90重量%、好ましくは0〜70重量%として存在する
少なくとも1種の他の界面活性剤、
(c)組成物全体の0〜99重量%、特に0〜97重量%として存在する少なく
とも1種の油成分、及び/又は
(d)組成物全体の0〜90重量%、好ましくは0〜75重量%として存在する
少なくとも1種の有機溶剤
のうちの少なくとも1種を含有する組成物である。
成分とその割合は、全成分を単に水溶液として容易に利用できる場合には、組
成物成分を混合して得られる組成物が水溶液により導入される水の影響を受けず
に安定であるように選択するのが好ましい。
組成物は多くの場合には、アニオン基及び/又は特にアニオンにイオン化可能
な基を含む半エステル誘導体を使用する。このようなエステル誘導体としては、
本願出願人名義の同時係属出願に記載されているようなものが一般に好ましいが
、この型の好適なvic−ジカルボン酸ポリアルキレンオキシ半エステル誘導体
界面活性剤は、それぞれ式(I)又は(II)のモノ及びジエステル誘導体におい
て定義したR/R1が好ましくは8〜20個の炭素原子をもつものを含む。この
ような誘導体は特に、農薬産業で濃厚物又は対応する希釈処方物の所期用途に特
異的な活性をもつ化学薬剤を含有する分散性及び/又は可溶性濃厚物又は対応す
る希釈処方物を形成するために使用される。この型の特定エステル誘導体は、R
/R1が10〜17、好ましくは12〜14個の炭素原子をもち、特にアルケニ
ル基であるものを含む。好適なこのようなvic−ジカルボン酸ポリアルキレン
オキシ半エステル誘導体は、上記(CmH2mO)nR2基である式(I)の化合物
、又はZが上記式(CmH2mO)nR2のアルキレンオキシド(ブロック)(コ)
ポリマーであり、nが好ましくは7〜13であり、mが2及び/又は3である化
合物も含む。
他の界面活性剤が存在する場合には、濃厚物又は対応する希釈処方物の所期用
途に特異的な活性をもつ化学薬剤を含有する濃厚物又は希釈処方物の処方中でア
ジュバント組成物を使用した際に、
(a)調製後少なくとも24時間安定で且つ均質な濃厚物又は希釈処方物を与え
、
(b)濃厚物の場合には、水で希釈して処方物とした際に均質に維持されるもの
であれば任意の界面活性剤を使用できる。この条件下で濃厚物又は対応する希釈
処方物で使用するのに適した他の界面活性剤は、アニオン、カチオン、両性イオ
ンもしくは非イオン界面活性剤、又はその混合物を含む。
適切なアニオン界面活性剤としては、その直鎖もしくは分枝鎖アルキル基内の
炭素原子数が6〜16であり、例えばアルキルがラウリル(ドデシル)であるア
ルキルベンゼンスルホン酸塩等のアルカレンスルホン酸塩群のメンバー又はその
混合物;ポリ(アリールアリールアルコキシレート)リン酸塩又は硫酸塩群のメ
ンバー;アルカリールリン酸塩又は硫酸塩群のメンバー;直鎖又は分枝鎖アルキ
ル及びアルコキシル化アルキルリン酸塩又は硫酸塩群のメンバー;炭素原子数8
〜24、好ましくは12〜18の脂肪酸塩群のメンバー(例えばラウリン酸塩、
ヘプタデカン酸塩、ヘプタデセン酸塩、ステアリン酸塩及びオレイン酸塩);及
び/又はアルコキシル化カルボキシル化アルカリール及び脂肪アルコールの塩[
例えばポリ(エチレンオキシド)C12-15アルコールメチルカルボン酸塩]の群
のメンバーが挙げられる。
適切な塩の例としてはカチオンをもつものが挙げられ、このようなカチオンは
アルカリ金属(例えばナトリウム又はカリウム)、アルカリ土類金属(例えばカ
ルシウム)及び/又はアンモニウム(例えばアンモニウムカチオンの脂肪族又は
アルカノール部分が例えば炭素原子数1〜4の直鎖又は分枝鎖アルキルである脂
肪族アンモニウム、アルカノールアンモニウム)カチオン;並びにその混合物で
ある。
特に組成物が濃厚物又は対応する希釈処方物の所期用途に特異的な活性をもつ
農薬を含有する分散性及び/又は可溶性濃厚物又は対応する希釈処方物を形成す
るために農薬産業で使用される場合には、好適成分(b)アニオン界面活性剤は
、その直鎖又は分枝鎖アルキル基内の炭素原子数が6〜16であり、例えばアル
キルがラウリルであるアルキルベンゼンスルホン酸塩を含む。好適塩としてはカ
ルシウム塩が挙げられる。
このような安定性に適したカチオン界面活性剤としては、炭素原子数8〜24
、好ましくは>12、特に12〜18のアルコキシル化脂肪アミン塩、例えばポ
リ(エチレンオキシド)C12-15アミン塩(例えば塩化物塩)が挙げられる。
易乳化性濃厚物、特に農薬濃厚物では非イオン界面活性剤が特に有用である。
これらの非イオン界面活性剤は、乳化性物質を形成するために農薬産業で使用さ
れている非イオン界面活性剤、特に式:
R21.O(X)R22及び/又はR25OR26及び/又はR23−N(−XH)2
[式中、R21は適切には炭素原子数24まで、好ましくは6〜21、特に9〜1
8のアルキル基もしくはアルケニル基、そのアルキル基内の炭素原子数が6〜1
2のアルキルフェノール基、ソルビタン基、又は式R23CO(式中、R23は炭素
原子数11〜22のアルキル基である)の基であり、R22は水素、アルキル基、
カルボキシアルキル基(例えば炭素原子数2〜4のカルボキシアルキル)、又は
炭素原子数10〜22の脂肪酸残基であり、Xは平均2〜40、好ましくは2〜
13、特に2〜10のアルキレンオキシドを含むポリアルキレンオキシド基、又
は混合アルキレンオキシド基であり、R23は炭素原子数10〜22のアルキル又
はアルケニル基であり、R24はソルビタン基であり、R25は炭素原子数10〜2
2の脂肪酸残基であり、R26は炭素原子数10〜22のアルキル又はアルケニル
基である]
の非イオン界面活性剤を含む。
適切なR21基の例としては例えばラウリル、ヘプタデシル、ヘプタデセニル、
ヘプタデカジエニル、ステアリル又はオレイル部分が挙げられる。適切なR22基
の例としては例えばカルボキシメチル、エチルもしくはプロピル又はその塩;及
びラウロイル、ヘプタデカノイル、ヘプタデセノイル、ヘプタデカジエノイル、
ステアロイル又はオレオイルが挙げられる。Xの適切な例としては、アルキレン
基の炭素原子数が各々2〜8、好ましくは2又は3の基が挙げられる。適切なR25
基の例としては例えばラウロイル、ヘプタデカノイル、ヘプタデセノイル、ヘ
プタデガジエノイル、ステアロイル又はオレオイルが挙げられる。
従って、適切な非イオン界面活性剤の例としては、その脂肪酸又はアルコール
基内の炭素原子数が8〜24、好ましくは12〜18のポリ(アルコキシル化)
脂肪酸及びアルコール類;炭素原子数8〜24、好ましくは12〜18のポリ(
アルコキシル化)アルカリールアルコール類とそのリン酸及び硫酸エステル類;
ポリ(アルコキシル化)ソルビタン及びソルビトールエステル類;ポリ(エトキ
シル化)芥子油、ニーム油、ニガー種子油、オイチシカ油、パーム油、パーム核
油、落花生油、サフラワー油、ゴマ油、大豆油、及び特にヒマシ油等のポリ(ア
ルコキシル化)植物油を含むポリ(アルコキシル化)モノ、ジ及びトリグリセリ
ド類;ポリ(アルコキシル化)アリルアルコール類とそのリン酸及び硫酸エステ
ル類;ポリ(アルコキシル化)ポリ(アリールアリールアルコール類);アシル
基の炭素原子数が11〜22のソルビタンモノエステル類、並びに(ブロック)
(コ)ポリマーを含むポリ(アルキレンオキシド類)が挙げられる。
本発明の第1の態様のアジュバント組成物の1類を特に農薬産業用処方物に使
用する場合には、成分(b)(他の界面活性剤)は、
(i)少なくとも1種の非イオン界面活性剤、及び/又は
(ii)少なくとも1種のアニオン界面活性剤である。
従って、好適成分(b)非イオン界面活性剤は好適非イオン界面活性剤として
示した上記式:
R21.O(X)R22及び/又はR24OR25及び/又はR26−N(−XH)2
の非イオン界面活性剤を含む。
好適成分(b)アニオン界面活性剤としては、その直鎖又は分枝鎖アルキル基
内の炭素原子数が6〜16であり、例えばアルキルがラウリルであるアルキルベ
ンゼンスルホン酸塩が挙げられる。好適塩としてはカルシウム塩が挙げられる。
油成分は典型的には大気圧で200℃を上回る沸点と、60℃以下の融点をも
つ。このような成分は例えば鉱油、場合により水素化された植物油(例えば場合
により水素化された綿花種子油、アマニ油、芥子油、ニーム油、ニガー種子油、
オイチシカ油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、落花生油、シソ油、ケシの
実油、ナタネ油、サフラワー油、ゴマ油、又は大豆油)、C8-22脂肪酸、特にC12-18
脂肪酸のエステル(特にC1-6エステル)、又はその混合物を含み得る。
組成物中に油溶性界面活性剤が存在する場合には、当然のことながら油相と水
相に分配され得る。
この第1の態様の好適アジュバント組成物は、
(a)組成物全体の5〜90重量%、好ましくは10〜75重量%として存在す
る少なくとも1種のvic−ジカルボン酸ポリアルキレンオキシ半エステル誘導
体と、
(b)(i)全体の0〜90重量%、好ましくは0〜50重量%、例えば0〜4
0重量%、特に0〜35重量%として存在する少なくとも1種の非イオン界面活
性剤、及び/又は
(ii)全体の0〜60重量%、好ましくは0〜40重量%、例えば15
〜40重量%、特に25〜40重量%として存在する少なくとも1種のアニオン
界面活性剤、及び/又は
(c)全体の0〜97重量%、例えば0〜85重量%として存在する少なくとも
1種の油成分
を含有する組成物である。
このようなアジュバント組成物の1類は、組成物の15〜40重量%、特に2
5〜40重量%として少なくとも1種のアニオン界面活性剤を含有する組成物で
ある。別の類の組成物はアニオン界面活性剤を含有しない組成物である。
有機溶剤を特に農薬産業用処方物で使用する場合には、1種以上の水混和性及
び/又は水溶性液体及び/又は非水溶性有機溶剤であり得る。有機溶剤は、有機
溶剤の不在下では組成物の粘度が不都合に高くなってしまう場合に使用すること
が望ましい。適切な水混和性及び/又は水溶性液体の例としてはグリコール類を
含めたアルコール類、例えば炭素原子数1〜18の直鎖又は分枝鎖アルキルが挙
げられる。農薬産業で適用するのに好適な例としてはイソブタノール、n−ブタ
ノール、イソヘプチルアルコール、n−オクタノール、イソオクタノール、プロ
ピレングリコール、エチレングリコール及びその混合物が挙げられる。このよう
な液体は多くは水を含有していてもよい。
適切な非水溶性有機溶剤の例としては炭化水素類、好ましくは炭素原子数5〜
18の炭化水素類が挙げられ、芳香族炭化水素類、及び/又は直鎖もしくは分枝
鎖脂肪アルコール類及びイソパラフィン、並びにその混合物を含む。
組成物は特定化学薬剤を配合せずに例えば金属切削液に用いるために水で希釈
する前駆物質として使用してもよい。
本発明の第1の態様に該当するアジュバント組成物は、農薬産業用濃厚物又は
対応する希釈処方物で用いるためにこのような組成物の処方で好都合に使用され
る任意の順序で成分を常法通りに混合することにより調製することができる。従
って、第2の態様において本発明は、成分を相互に混合することにより組成物を
調製する方法を提供する。
本発明の第3の態様によると、
(a)少なくとも1種の上記型の界面活性剤vic−ジカルボン酸ポリアルキレ
ンオキシ半エステル誘導体と、
(e)濃厚物又は対応する希釈処方物の所期用途に特異的な活性をもつ少なくと
も1種の化学薬剤
を含有する分散性及び/又は可溶性濃厚物が提供される。濃厚物又は対応する希
釈処方物の所期用途に特異的な前記化学薬剤は例えば農薬又は金属防食剤であり
得る。
農薬が存在する場合には、典型的には1種以上の植物活性物質(例えば成長調
節剤又は除草剤)及び/又は病虫害防除剤(例えば殺虫剤、殺カビ剤又はダニ駆
除剤)である。
このような濃厚物は、第1の化学薬剤の活性を濃厚物又は対応する希釈処方物
の所期用途に対して一層特異的又は選択的とするような第2の化学薬剤を含んで
いてもよい。
このような濃厚物は典型的には例えば、
(a)第1の化学薬剤が1種以上の植物活性物質(例えば成長調節剤又は除草剤
)及び/又は病虫害防除剤(例えば殺虫剤、殺カビ剤又はダニ駆除剤)である農
薬であり、
(b)第2の化学薬剤が濃厚物又は対応する希釈処方物の植物活性、例えば成長
調節活性もしくは除草活性を調節するための植物毒性抑制剤、又は例えばイネ科
種と広葉種の間の選択性を高めるための例えばSafener抑制剤である濃厚
物を含む。
このような第2の化学薬剤は濃厚物全体の15重量%までとして存在し得る。
好適濃厚物は、濃厚物又は対応する希釈処方物の所期用途に適した分散相含有
度の高い濃厚物である。
これらの濃厚物は、農薬産業で通常は分散しにくいとして知られている特定化
学薬剤をも分散できる。
このような濃厚物の1類は、
(b)少なくとも1種の他の界面活性剤、
(c)少なくとも1種の油成分、及び
(d)少なくとも1種の有機溶剤
のうちの少なくとも1種と、
(e)濃厚物又は対応する希釈処方物の所期用途に特異的な活性をもつ少なくと
も1種の化学薬剤
を含有する濃厚物である。
成分(d)(任意成分である少なくとも1種の有機溶剤)が上記濃厚物の1成
分として存在する場合には、多くは、
(a)対応するアジュバント組成物中に存在する水混和性及び/又は水溶性液体
及び/又は非水溶性有機溶剤と同一であるか、又は
(b)このような有機溶剤を含み、その場合には濃厚物及び対応する希釈処方物
の成分を構成する。ここでも、特に農薬産業用処方物に用いる濃厚物中で使用す
る際に有機溶剤の不在下では濃厚物の粘度が不都合に高くなってしまう場合にこ
のような濃厚物の1成分として(d)を配合するのが望ましい。
本発明の濃厚物の各々は、濃厚物の成分(d)を用いる本発明の対応する希釈
処方物中に成分(a)及び(d)の合計重量の例えば10〜10,000倍の水
と共存させた際に、
(a)該当相を分散させ、希釈した濃厚物から分散相の沈殿を防止するために他
の材料を加える必要なしに安定且つ均質に維持され、
(b)活性強化のために他のアジュバント材料を加える必要なしに、処方物の所
期用途に特異的な化学薬剤の活性が有意に高い処方物を生成し、
(c)本明細書に記載の濃厚物中の分散化学薬剤、特に処理された基質に対して
良好な湿潤特性を示す。
適切且つ好適なvic−ジカルボン酸ポリアルキレンオキシ半エステル誘導体
成分は、本発明の第1の態様のアジュバント組成物の成分を構成する同一材料に
関して上述したような成分である。
このような濃厚物の適切且つ好適な任意成分即ち他の界面活性剤、油成分及び
有機溶剤等が濃厚物中に存在する場合には、一般に本発明の第1の態様のアジュ
バント組成物の成分を構成する同一材料に関して上述したような成分である。
消泡剤を配合してもよい。分離せずに濃厚物又は対応する希釈処方物の所期用
途に適した消泡効果を提供するに十分な量が望ましい。一般には、全体の0.0
5〜10市量%、好ましくは0.2〜6重量%が適切である。分散相含有度の高
い水性界面活性剤中で消泡剤として従来有用な化合物であれば任意のものを使用
することができる。消泡剤は好ましくは、特に親水基をもつ型の1種以上のポリ
シロキサンである。このような化合物は好ましくは式:
R* 3SiO[SiOR*R**]nSiR* 3
(式中、R*基は独立してアルキル基であり、好ましくは炭素原子数1〜3であ
り、好ましくはメチル基であり、R**基の1個以上はポリアルキレングリコール
の残基でもよく、残りはR*と同義である)により表される。
R*基は好ましくは1000〜20000、特に5000〜15000の分子
量をもつ。適切なポリシロキサン消泡剤の例は英国特許第1533610号及び
1554736号に開示されている。
本発明に該当する分散性及び/又は可溶性濃厚物中の他の可能な添加剤として
は、界面活性剤処方物中で従来有用な非界面活性剤、例えば粘度調節剤、安定剤
及び抗微生物剤を含む。
この型の公知粘度調節剤の1類としては、ガム(例えばキサンタンガム)及び
/又はセルロース系材料(例えばカルボキシメチル、エチル又はプロピルセルロ
ース)等の1種以上の市販の水溶性又は水混和性材料が挙げられる。これらの材
料は例えば農薬処方物中で使用する場合には、多くは特に合計濃厚物の0.01
〜5重量%として存在する。
本発明の濃厚物は例えば3(酸性)〜10(アルカリ性)、例えば6〜8のp
H値をもち得る。
本発明に該当する分散性及び/又は可溶性濃厚物は、従来使用されている任意
の順序で成分を常法通りに混合することにより調製できる。従って、第4の態様
において本発明は、成分を相互に混合することにより濃厚物を調製する方法を提
供する。この方法は例えば成分(a)及び(e)と、他の任意添加剤を加え、生
成物が均質になるまで撹拌することにより実施できる。
本発明に該当する分散性及び/又は可溶性濃厚物には、成分を特定順序で混合
することが必要なものもあり、又は例えば特定順序で混合しないと組成物の粘度
が不都合に高くなってしまう場合にはそうするのが望ましい。このような分散性
及び/又は可溶性濃厚物には、有機溶剤(d)、例えば水混和性及び/又は水溶
性液体及び/又は非水溶性有機溶剤の成分を場合により少なくとも1種の油成分
と共に常法通りに別々に混合して第1の液相を形成し、濃厚物又は対応する処方
物の所期用途に特異的な化学薬剤(e)を残りの成分、例えば他の界面活性剤(
b)と共に分散させ、第2の別の液相を形成することにより調製すべきものもあ
る。これは各相が均質になるまで撹拌下に行われる。濃厚物は第2の相を第1の
相に注意深く分散させることにより調製される。
不都合に高くなった濃厚物の粘度を調節するために、両相を中高温で高剪断混
合下に加えて調製するのが望ましい場合もある。その後、生成された濃厚分散液
を室温まで放冷させる。
分散性及び/又は可溶性濃厚物によっては、濃厚物の1種以上の固体成分、例
えば特定化学薬剤をキャリヤーに別々に噴霧して固相を形成した後、キャリヤー
を残りの成分と共に分散させることにより調製すべきものもある。分散は例えば
生成物が均質になるまで撹拌しながら実施してもよい。この方法が必要となるの
は、固体成分がこの類の農薬産業用濃厚物に通常は分散しにくいとして業界で一
般に報告されている場合である。
用途によっては、本発明の第3の態様の濃厚物をそのまま顧客に提供し、この
ような用途の使用時点で希釈形態にするのが適切な場合もある。
他の用途では、該当化学薬剤を場合により少なくとも1種の有機溶剤又は油の
共存下で且つ第2の別相中の濃厚物の残りの成分とは分離して顧客に提供し、2
組の材料を撹拌下に希釈して例えば農薬産業用希釈処方物とした後、対応する希
釈材料を混合し、化学薬剤を散布用処方物に分散させる。
いずれの形態で濃厚材料を提供するにせよ、使用時点でより希薄な形態にする
まで良好な貯蔵安定性が必要である。
第5の態様において本発明は、成分(a)及び(e)の合計重量の10〜10
,000倍、例えば30〜1,000倍の水と共に、本発明の第3の態様による
濃厚物の成分(a)及び(e)と場合により(b)、(c)及び(d)を含む混
合物である処方物を提供する。
本発明の第5の態様によるこの処方物は、当然他の成分及び添加剤を含んでも
よい。適切且つ好適なこのような成分及び添加剤は、組成物に関して上述した通
り、例えば溶剤、消泡剤、安定剤、抗微生物剤等の混和性材料であり、これを成
分(f)と呼ぶ。
上述のように、処方物は種々の方法で調製することができ、例えば、
(i)成分(a)〜(f)を適宜混合して濃厚物を形成した後、濃厚物を水と混
合して希釈し、処方物を形成するか、又は
(ii)成分(a)を(b)、(c)、(d)及び(f)から任意に選択した材
料と混合して濃厚物を形成し、濃厚物を水で希釈して対応する第1の希釈混合物
を形成し、
適宜成分(e)を混合し、これらの成分の混合物を水で希釈して第2の希釈混合
物を形成し、及び/又は
第1及び第2の希釈混合物を混合して本発明の第5の態様による所望の処方物を
形成することにより調製することができる。
本発明の第5の態様による処方物のこのような調製方法は本発明の第6の態様
を構成する。
本発明の第7の態様によると、その成分の合計重量の10〜10,000倍、
例えば30〜1,000倍の水と共に、本発明の第1の態様の組成物を含有する
希釈処方物が提供される。本発明の第7の態様によるこの処方物は例えば金属切
削液として使用できる。
第8の態様において本発明は更に、本発明の第7の態様による希釈処方物の調
製方法を提供する。この方法は、例えば成分(a)と他の任意添加剤(b)〜(
d)の少なくとも1種を加えた後、水で希釈し、生成物が均質になるまで撹拌す
ることにより実施できる。
第9の態様において本発明は更に、本発明の第5の態様による処方物を基質に
施用する方法を提供する。この方法の具体例は、
(a)農薬である特定化学薬剤を含有する本発明による前記処方物を植物及び/
又は土壌に散布することにより植物を処理する方法、及び/又は
(b)金属防食剤である特定化学薬剤を場合により含有する本発明による処方物
を金属に塗布することからなる金属の工作方法を含む。
具体例(a)において、農薬は1種以上の植物活性物質(例えば成長調節剤及
び/又は除草剤)及び/又は病虫害防除剤(例えば殺虫剤、殺カビ剤又はダニ駆
除剤)であり得る。本発明の第4の態様による処方物を施用する方法のこの具体
例は、従って、
(i)1種以上の植物活性物質(例えば成長調節剤及び/又は除草剤)である特
定化学薬剤を含有する処方物を散布することにより植物を駆除する方法、及び
(ii)1種以上の病虫害防除剤(例えば殺虫剤、殺カビ剤又はダニ駆除剤)で
ある特定化学薬剤を含有する処方物を散布することにより植物病虫害を駆除する
方法を含む。
具体例(b)において、金属の工作は例えば切削又は研磨を含み得る。
農薬の例としては、植物活性物質(例えば成長調節剤及び/又は除草剤)又は
病虫害防除剤(例えば殺虫剤、殺カビ剤又はダニ駆除剤)が挙げられる。組成物
の所期用途に適したこのような農薬の例を挙げると、1種以上の植物活性物質と
しては例えばAcetochlor、Alachlor、Nicosulfur
on、Primisulfuron、Prosulfocarb、Sulfos
ate及びTrifluralin等の除草剤が挙げられ、また、病虫害防除剤
としては、例えばFenitrothion及びProgargite等の殺虫
剤、Iprodione及びPropiconazole等の殺カビ剤、更には
式:R30.C(O).CH2.N(Z11).CH2.P(O).(R30)2(PMCM化合物)
[式中、各R30はハロゲン、−NHOH、−N(R31)2、−OR32−、−SR3 2
−及び−OMから選択され、R31は独立して水素、好ましくは炭素原子数約5
未満のアルキルもしくはヒドロキシアルキル、好ましくは炭素原子数約5未満の
アルケニル、又はフェニル部分から選択され、R32は独立して水素、好ましくは
炭素原子数約5未満のアルキル、ヒドロキシアルキルもしくはクロロアルキル、
好ましくは炭素原子数約5未満のアルコキシ、好ましくは炭素原子数約12未満
のアルキレンアミン、フェニル又はベンジル部分から選択され、Mは水素及び農
業的に許容可能な塩形成部分、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属、第2錫
、アンモニウム、有機アンモニウム、アルキルスルホニウム、アルキルスルホキ
ソニウム、アルキルホスホニウム部分又はその組み合わせから選択され、Z11は
水素、有機部分又は無機部分である]の農薬が挙げられる。
このような化合物の少なくとも一部を開示している代表的特許としては、米国
特許第3799758号、4397676号、4140513号、431576
5号、3868407号、4405531号、4481026号、441415
8号、4120689号、4472189号、4341549号及び39489
75号が挙げられる。Zが水素以外のものであるPMCM化合物を開示している
代表的特許としては、米国特許第3888915号、3933946号、406
2699号、4119430号、4322239号及び4084954号が挙げ
られる。好適PMCM化合物において、Z11は水素又は有機置換基であり、及び
/又はR32は独立して水素、好ましくは炭素原子数約5未満のアルキル、ヒドロ
キシアルキルもしくはクロロアルキル、好ましくは炭素原子数約5未満のアルコ
キシ、好ましくは炭素原子数約12未満のアルキレンアミン、フェニル又はベン
ジル部分から選択され、Mは水素及び農業的に許容可能な塩形成部分、アルカリ
金属、ホスホニウム部分又はその組み合わせから選択される。このような化合物
の少なくとも一部を開示している代表的特許としては、米国特許第379975
8号、4397676号、4140513号、4315765号、386840
7号、4405531号、4481026号、4414158号、412068
9号、4472189号、4341549号及び3948975号が挙げられる
。Z11が水素以外のものであるPMCM化合物を開示している代表的特許として
は、米国特許第3888915号、3933946号、4062699号、41
19430号、4322239号及び4084954号が挙げられる。好適PM
CM化合物において、Z11は水素又は有機置換基である。代表的な有機置換基と
してはメチレンカルボン酸、メチレンホスホン酸、及びメチレンシアノが挙げら
れる。代表的有機置換基としては更に、ホルミル、アセチル、ベンゾイル、ペル
フルオロアシル及びチオカルボニル等のカルボキシル;シアノ、カルバモイル又
はカルボキシ置換エチル等のエチレン;及びベンゼンスルホニル置換基も挙げら
れる。窒素が3個の有機置換基を含む化合物を開示している代表的特許としては
、米国特許第3455675号、3556762号、3853530号、397
0695号、3988142号、3991095号、3996040号、404
7927号、4180394号、4203756号、4261727号及び43
12662号が挙げられる。好適な第3窒素置換PMCM化合物はN,N−ビス
(ホスホノメチル)グリシンである。所望植物活性が除草活性である場合には、
Z11が水素であるPMCM化合物が最適である。上記特許は参考資料として本明
細書の一部とする。
OMなどでMにより表される農業的に許容可能な塩形成部分の例は、原子量2
2〜133までのアルカリ金属(例えばナトリウム、カリウム又はルビジウム)
、原子量24〜88までのアルカリ土類金属(例えばマグネシウム又はカルシウ
ム)、アンモニウム及び脂肪族が第1、第2、第3又は第4であり、好ましくは
合計炭素原子数が約12以下である脂肪族アンモニウム、フェニルアンモニウム
、好ましくは3個のアルキル置換基中の合計炭素数が約6以下のトリアルキルス
ルホニウム(例えばトリメチルスルホニウム、エチルジメチルスルホニウム、プ
ロピルジメチルスルホニウム等)、好ましくは3個のアルキル置換基中の合計炭
素原子数が約6以下のトリアルキルスルホキソニウム(例えばトリメチルスルホ
キソニウム、エチルジメチルスルホキソニウム、プロピルジメチルスルホキソニ
ウム等)、テトラアルキルホスホニウム(例えばテトラメチルホスホニウム、エ
チルトリメチルホスホニウム、プロピルトリメチルホスホニウム等)である。
好適化合物において、Mは独立して上記農業的に許容可能な塩形成部分及び水
素から選択される。より好適な化合物において、Mはアルカリ金属、アンモニウ
ム、モノアルキルアンモニウム又はトリアルキルスルホニウム部分である。最適
化合物において、ただ1個のMはアルカリ金属、アンモニウム、モノアルキルア
ンモニウム又はトリアルキルスルホニウム部分であり、2個のMは水素である。
代表的な最適化合物としては、イソプロピルアミンN−ホスホノメチルグリシン
、トリメチルホスホニウムN−ホスホノメチルグリシン及びナトリウムセスキ−
N−ホスホノメチルグリシンが挙げられる。2種以上のPMCM化合物の組み合
わせも本発明の濃厚物及び方法で使用できる。
成分(c)として農薬を含有する本発明の濃厚物及び処方物のうちには、農薬
の作用の助長剤又は抑制剤を含有するものもある。1種以上の植物活性物質(例
えば成長調節剤又は除草剤)である農薬と抑制剤の農薬が共存する場合には、こ
のような抑制剤は典型的には植物毒性抑制剤であり得る。適切なこのような材料
の例としてはSafenerが挙げられる。
本発明の濃厚物及び処方物のうちには、成分(c)として防食剤を含有するも
のもある。これらの濃厚物及び処方物は、このような化学薬剤を含有する本発明
による処方物を金属に塗布する段階を含む金属工作方法で使用することができる
。処理可能なほぼ全該当基質材料に適した公知防食剤の1類としては、直鎖又は
分枝鎖アルカンカルボン酸とその水溶性塩が挙げられ、例えばアルカリ金属カチ
オン(例えばナトリウム又はカリウム)又はアルカノールアンモニウムカチオン
をもつ。この型の材料は特に、炭素原子数8〜11の直鎖又は分枝鎖アルカンカ
ルボン酸の水溶性アルカノールアンモニウム塩を含む。
以下、実施例により本発明を説明する。特に指定しない限り、部及び百分率は
全て重量に基づく。実施例1
アジュバント組成物の調製
指定量の成分を適宜撹拌下に単純な混合法で加えることにより、表1及び2に
示すアジュバント組成物を調製した。表1及び2中の組成物中のvic−ジカル
ボン酸ポリアルキレンオキシ半エステル誘導体成分は式(Ib):
Y.O2C.(HR)C.C(HR1).CO2.(CmH2mO)n.R2 (I)
で表され、上記式中、
H1ではR及びR1の一方はC18直鎖アルケニルであり且つ他方は水素であり、
m=2、n=約4(PEG180鎖に等価)であり、R2はメチルであり、
H2ではR及びR1の一方はC18直鎖アルケニルであり且つ他方は水素であり、
m=2、n=約11(PEG500鎖に等価)であり、R2はメチルであり、
H3ではR及びR1の一方はC18直鎖アルケニルであり且つ他方は水素であり、
m=2、n=約14(PEG600鎖に等価)であり、R2は水素であり、
H4ではR及びR1の一方はC14直鎖アルケニルであり且つ他方は水素であり、
m=2、n=約14(PEG600鎖に等価)であり、R2は水素であり、
H5ではR及びR1の一方はC12直鎖アルケニルであり且つ他方は水素であり、
m=2、n=約14(PEG600鎖に等価)であり、R2は水素である。
実施例2
希釈処方物の調製、処方物の試験
対応する希釈処方物の所期用途に特異的な活性をもつ化学薬剤の水性分散液及
び/又は水溶液に場合により水及び他の添加剤と共に上記アジュバント組成物を
加え、撹拌して乳化させ、均質処方物を得ることにより、上記アジュバント組成
物を対応する希釈処方物に処方した。これは、各場合に該当する上記表に示した
パラメーターを用いて実施した。処方物の施用及び試験方法は種々の方法を使用
し、該当する下記サブ実施例2に詳述する。
本発明のアジュバント組成物を含有するこのような農薬産業用処方物は、本発
明のアジュバント組成物を成分として含まない対応処方物に比較して有意に高い
活性をもつ。サブ実施例2.1
殺カビ剤Iprodioneの希釈処方物の調製、処方物の試験
下記成分:
(a)分散化学薬剤として、250部に対して3部(v/v)の濃度のRovr
al FLO殺カビ剤(50%w/v Iprodione,Rhone−Po
ulenc)の水溶液と、
(b)アジュバント組成物A1及びA2
を下表3に示すように水中で混合することにより、下記処方物F1〜F6を上述
通りに調製した。
試験方法
寒天上のインゲンの葉にBotrytis cinerea菌を接種した後、
該当処方物を施用することからなるインビトロ試験法を使用した。施用段階は、
濾紙を処方物に浸した後、葉にはりつけることにより実施する。濾紙をはりつけ
てから10日後に無菌ゾーンの直径(阻害領域直径IAD、mmで表す)を測定
することにより処方物の効力を評価する。試験結果(4回の反復試験の平均)を
下表4に示す。試験は、蒸留水と0.1重量%のアジュバント組成物を含有する
対応する希釈処方物の対照に対して実施し、対照のゾーン直径を0(表4には示
さず)とした。化学薬剤0.1重量%を含有する対応する希釈処方物の対照(表
4)に対する試験も行った。
サブ実施例2.2
除草剤Prosulfocarbの希釈処方物の調製、処方物の試験
下記成分:
(a)分散化学薬剤として250部に対して3部(v/v)の濃度のDefi除
草剤(80%w/v Prosulfocarb EC,Zeneca Agr
ochem)の水溶液と、
(b)アジュバント組成物A7及びA4
を下表5に示す割合で混合することにより、下記処方物F7及びF8を上述通り
に調製した。
試験方法
Echinocloa crus−galliに感染した2葉期のコムギ(M
inaret種)に表5に示す処方物を250l/haの割合で現地試験で噴霧
した。EWRCスケール(1=無損傷→9=100%損傷)に従って除草の視覚
評価を行う。試験は未処理対照に対して行った。化学薬剤のみを含有する対応処
方物の対照(表に示す)に対する試験も行った。結果を4回の反復試験の平均と
して表6に示す。
コムギに植物毒性は観察されなかった。サブ実施例2.3
除草剤Primisulfuronの希釈処方物の調製、処方物の試験
下記成分:
(a)分散化学薬剤として、濃度0.1g/lのTell 75 WG除草剤(
75%w/v Primisulfuron,Ciba)の水溶液と、
(b)アジュバント組成物A5及びA6
を混合することにより、下記処方物F9及びF10を上述通りに調製した。
試験方法
表7に示した処方物を温室試験(温度16〜32℃、相対湿度65〜95%)
でSorghum halepense(SORHA)とAmaranthus
retroflexus(AMARE)に400l/haの割合で噴霧した。
試験は未処理対照に対して行った。化学薬剤のみを含有する対応処方物の対照に
対しても試験を行った。処理から7、14及び28日後に除草の視覚評価を行う
。未処理対照に比較した死滅植物の百分率として除草を評価した。結果を6回の
反復試験の平均として表8に示す。
サブ実施例2.4
除草剤Nicosulfuronの希釈処方物の調製、処方物の試験
下記成分:
(a)分散化学薬剤として濃度0.125%v/vのNicosulfuron
SC除草剤(10%w/v Nicosulfuron SC,Zeneca
Agrochemicals)の水溶液と、
(b)アジュバント組成物A5、A6及びA7
を下表9に示す割合で混合することにより、下記処方物F11〜F13を上述通
りに調製した。
試験方法
表9に示した処方物を温室試験(温度16〜32℃、相対湿度65〜95%)
でSorghum halepense(SORHA)とAmaranthus
retroflexus(AMARE)に400l/haの割合で噴霧した。
試験は未処理対照に対して行った。化学薬剤のみを含有する対応処方物の対照に
対しても試験を行った。処理から7、14及び28日後に除草の視覚評価を行い
、未処理対照に比較した死滅植物の百分率として除草(除草%)を評価する。結
果を6回の反復試験の平均として表10に示す。
サブ実施例2.5
除草剤Trimethylsulphonium Glyphosateの希釈
処方物の調製、処方物の試験
下記成分:
(a)分散化学薬剤として濃度0.5%v/vのSulfosate除草剤(7
0%w/w Trimethylsulphonium GlyphosateTM
)の水溶液と、
(b)アジュバント組成物A4、A5、A6及びA7
を混合することにより、下記処方物F14〜F17を上述通りに調製した。
試験方法
表11に示した処方物を温室試験(温度16〜32℃、相対湿度65〜95%
)でAgropyron repens(AGRRE)、Poa annua(
POAAN)及びAmaranthus retroflexus(AMARE
)に400l/haの割合で噴霧した。試験は未処理対照に対して行った。化学
薬剤のみを含有する対応処方物の対照に対しても試験を行った。処理から7、1
4及び28日後に除草の視覚評価を行う。無処理対照に比較した死滅植物の百分
率として除草(除草%)を評価した。結果を6回の反復試験の平均として表12
に示す。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),AU,BR,CA,CZ,F
I,HU,JP,KR,NZ,PL,SK,US
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.(a)式(I): Y.A1.OC.(HR)C.C(HR1).CO.A.(CmH2mO)n.R2 (I) [式中、R及びR1の一方はC6〜C22アルケニル又はアルキルであり且つ他方は 水素であり、Aは−O−又は−NR4−(式中、R4は水素又はC1〜C6アルキル である)であり、nは2〜100であり(平均であるので整数でなくてもよい) 、mは2又は3であり(ポリアルキレン鎖により変化し得る)、R2は水素又は C1〜C16アルキルであり、A1は−O−、−O-又は−NR4−(式中、R4は水 素又はC1〜C6アルキルである)であり、但しA1が−O-であるとき、Yはカチ オンであり、A1が−O−又は−NR4−であるとき、YはC1〜C6アルキル基( R3)又は式(CmH2mO)nR2(式中、m、n及びR2は独立して上記と同義で ある)の基である] 又は(II): Y.A1.OC.(HR)C.C(HR1).CO.A.(CmH2mO)n.CpH2p.A.CO.(HR1)C.C(HR)CO.A1.Y(II) (式中、n、m並びに各R、R1、A、A1及びYは独立して上記と同義であり、 pは2又は3である) の少なくとも1種の界面活性剤vic−ジカルボン酸ポリアルキレンオキシ半エ ステル誘導体と、 (b)少なくとも1種の他の界面活性剤、 (c)少なくとも1種の油成分、及び (d)少なくとも1種の有機溶剤 のうちの少なくとも1種を含有する組成物。 2.(a)組成物全体の1〜90重量%として存在する請求項1に記載の少なく とも1種のvic−ジカルボン酸ポリアルキレンオキシ半エステル誘導体と、 (b)組成物全体の0〜90重量%として存在する少なくとも1種の他の界面活 性剤、 (c)組成物全体の0〜99重量%として存在する少なくとも1種の油成分、及 び/又は (d)組成物全体の0〜90重量%として存在する少なくとも1種の有機溶剤の うちの少なくとも1種を含有する請求項1に記載のアジュバント組成物。 3.式(I)又は(II)の化合物が式(Ia): R1-CH(CO.AY)-CH2CO.AZ (Ia) {式中、Zは式(CmH2mO)nR2[式中、n、m及びR2は上記式(I)に定義 した通りであり、nは好ましくは3〜50である]の基であり、R2は水素又は 炭素原子数1〜16のアルキル基であり、A及びA1は各々独立して−O−、− O-又は−NH−基であり、A又はA1が−O-であるとき、それぞれのYはカチ オン、例えばH+又はアルカリ金属イオンであり、A又はA1が−O−又は−NH −であるとき、それぞれのYはR2基又は(CmH2mO)nR2基(式中、m及びR2 は上記と同義であり、Z基と同一でも異なってもよい)であり、R1は炭素原子 数6〜22、好ましくは13〜20のアルキル又はアルケニル基である} 又は式(IIa): R1-CH(COA1Y)-CH2-CO.A-D-A.OC-CH2-CH(COA1Y)-R1 (IIa) [式中、Dは式(CmH2mO)nCpH2p−の基(式中、pは2又は3である)で あり、R1、A、A1、m及びnは上記と同義である] の少なくとも1種の化合物である請求項1又は2に記載の組成物。 4.アルカレンスルホン酸塩群、ポリ(アリールアリールアルコキシレート)リ ン酸もしくは硫酸塩群、アルカリールリン酸もしくは硫酸塩群、直鎖もしくは分 枝鎖アルキル及びアルコキシル化アルキルリン酸もしくは硫酸塩群、炭素原子数 8〜24の脂肪酸塩群、及び/又は塩カチオンがアルカリ金属、アルカリ土類金 属及び/又はアンモニウム、脂肪族アンモニウムもしくはアルカノールアンモニ ウムカチオンであり、脂肪族もしくはアルカノール部分が炭素原子数1〜4のア ルキルであるアルコキシル化カルボキシル化アルカリール及び脂肪アルコールの 塩の群、又はその混合物から選択されるアニオン界面活性剤; 炭素原子数8〜24、特に12〜18のアルコキシル化脂肪アミン塩から選択さ れるカチオン界面活性剤;及び/又は 式:R21.O(X)R22及び/又はR24OR25及び/又はR26−N(−XH)2 [式中、R21は炭素原子数24までのアルキル基もしくはアルケニル基、そのア ルキル基内の炭素原子数が6〜12のアルキルフェノール基、ソルビタン基、又 は式R26CO(式中、R26は炭素原子数11〜22のアルキル基である)の基で あり、R22は水素、アルキル基、炭素原子数2〜4のカルボキシアルキル基、又 は炭素原子数10〜22の脂肪酸残基であり、Xは平均2〜40のアルキレンオ キシドを含むポリアルキレンオキシド基又は混合アルキレンオキシド基であり、 R23はソルビタン基であり、R24は炭素原子数10〜22の脂肪酸残基であり、 R26は炭素原子数10〜22のアルキル又はアルケニル基である] の非イオン界面活性剤 のうちの少なくとも1種であるか又はこれを含む少なくとも1種の他の界面活性 剤を含有する請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。 5.大気圧で200℃を上回る沸点と60℃以下の融点をもち、鉱油、場合によ り水素化された植物油、C8-22脂肪酸のC1-6エステル及びその混合物から選択 される少なくとも1種の油成分を含有する請求項1から4のいずれか一項に記載 の組成物。 6.アルコール類及びグリコール類から選択される少なくとも1種の水溶性又は 水混和性有機溶剤を含有する請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。 7.(a)組成物全体の5〜90重量%として存在する請求項1に記載の式(I )又は(II)の少なくとも1種のvic−ジカルボン酸ポリアルキレンオキシ半 エステル誘導体と、 (b)(i)全体の0〜90重量%として存在する少なくとも1種の非イオン界 面活性剤、及び/又は (ii)全体の0〜60重量%として存在する少なくとも1種のアニオン 界面活性剤、及び/又は (c)全体の0〜97重量%として存在する少なくとも1種の油成分を含有する 請求項1から6のいずれか一項に記載のアジュバント組成物。 8.(a)式(I)又は(II)の少なくとも1種の界面活性剤vic−ジカルボ ン酸ポリアルキレンオキシ半エステル誘導体と、 (e)濃厚物又は対応する希釈処方物の所期用途に特異的な活性をもつ少なくと も1種の化学薬剤 を含有する分散性及び/又は可溶性濃厚物。 9.所期用途に特異的な化学薬剤が成長調節剤、除草剤及び病虫害防除剤から選 択される1種以上の化合物である請求項8に記載の濃厚物。 10.化学薬剤が1種以上のPMCM化合物であるか又は該化合物を含む請求項 8に記載の濃厚物。 11.所期用途に特異的な化学薬剤が金属防食剤である請求項8に記載の濃厚物 。 12.請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物又は請求項8から11のい ずれか一項に記載の濃厚物を成分の合計重量の10〜10000倍の水に分散し てなる希釈処方物。 13.成分の合計重量の10〜10000倍の水に分散した請求項9又は10に 記載の濃厚物を植物に散布する段階を含む植物の処理方法。 14.成分の合計重量の10〜10000倍の水に分散した請求項11に記載の 濃厚物を会属に塗布する段階を含む金属の工作方法。
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