【発明の詳細な説明】
トリグリセリドからのポリヒドロキシ脂肪酸アミドの合成
技術分野
本発明は、洗浄性界面活性剤を製造する方法に関する。
背景技術
工業的規模におけるポリヒドロキシ脂肪酸アミド界面活性剤の合成は、かなり
の重要性を有しつつある。この種類の界面活性剤には、広範な種類の洗濯用およ
び皿洗い用組成物における有用性が見出されている。ポリヒドロキシ脂肪酸アミ
ド界面活性剤は、脂肪および油の高い除去性能を示し、皮膚および布帛に対して
刺激が少なく、そして非石油化学源から入手可能である。
ポリヒドロキシ脂肪酸アミド界面活性剤の合成は決まりきった手順でなされる
ものではない。不都合なことには、これらの物質は熱不安定性であり、そして、
合成の間に、望ましくない暗色化した着色体を形成することがある。そのうえ、
それらのポリヒドロキシ置換基は望ましくない環化を起こし、望ましくない副生
物が形成されることがある。さらに、ある種のエステル−アミド物質が形成され
ることがある。しかしながら、一般に、これらの合成の問題はアルコール溶媒、
および触媒と反応温度の適切な選択により克服することができる。このような物
質は米国特許第5,194,639号明細書に記載されている。
しかしながら、また、ポリヒドロキシアミンおよび脂肪酸メチルエステルから
のポリヒドロキシ脂肪酸アミド界面活性剤の製造は、遊離脂肪酸および/または
「発生期の」脂肪酸源で望ましくないように汚染された反応生成物が生ずること
が認識された。米国特許第5,188,769号明細書に記載されているように
、このような脂肪酸物質は別の反応工程においてそれらのアミドの形態に変換さ
せ
ることができる。しかしながら、主要な反応生成物の中に遊離脂肪酸を形成しな
いポリヒドロキシ脂肪酸アミド界面活性剤の合成を案出できるならば、望ましい
ものであろう。このことは、特に、脂肪酸不純物が少量であったとしても、その
不純物からの臭気が非常に不快であるかぎり、ポリヒドロキシ脂肪酸アミドの臭
気が製造者にとって問題である場合において言い得る。
本発明によれば、トリグリセリド、例えば、天然の脂肪および油を構成するト
リグリセリドをポリヒドロキシアミンと直接反応させて所望のポリヒドロキシ脂
肪酸アミド界面活性剤を製造することができるが、全体の反応生成物中の脂肪酸
の形成が最小であることが確認された。本明細書において記載される改良方法に
よれば、脂肪および油を最初にメチルエステルに変換する必要なしに、製造者は
それらを直接使用して作業することができる。これは時間および経費を実質的に
節約する。そのうえ、上述した米国特許第5,188,769号明細書に開示さ
れているような追加の脂肪酸の除去工程を回避することができる。重要なことに
は、本明細書に開示する改良された方法は、洗浄性界面活性剤として使用するた
めおよび他の用途に好適な、高品質の無臭のポリヒドロキシ脂肪酸アミドを高い
収率で提供する。
米国特許第5,338,487号明細書、米国特許第5,338,486号明
細書、米国特許第5,334,764号明細書、米国特許5,194,639号
明細書、米国特許第5,188,769号明細書、米国特許1,985,424
号明細書、米国特許第2,016,962号明細書、米国特許第2,653,9
32号明細書、米国特許第2,703,798号明細書、欧州特許公開(EPO
)第91917936.6号明細書、欧州特許(EP)第558,515号明細
書、欧州特許(EP)第556,348号明細書、特開平3[1991]−24
6265号明細書およびドイツ国特許(DE)第4,235,783号明細書お
よびドイツ国特許(DE)第4,235,784号明細書、すべてはポリヒド
ロキシ脂肪酸アミドの合成の種々の面に関するものである。
発明の開示
本発明は、脂肪酸エステルをN−アルキル、N−アルコキシまたはN−アリー
ルオキシポリヒドロキシアミンと反応させることにより、ポリヒドロキシ脂肪酸
アミド界面活性剤反応生成物を製造する方法において、脂肪酸エステルとして脂
肪酸トリグリセリドを使用し、かつ、1価アルコール溶媒の非存在下において前
記反応を実施し、これにより前記反応生成物の脂肪酸含量を前記反応生成物の約
1重量%以下、典型的には前記反応生成物の約0.2重量%以下のレベルに最小
化することを含んでなる改良を包含する。さらに、本発明における反応生成物は
、典型的には、約1〜4重量%程度の少ない範囲、さらには0.1重量%程度の
少量のポリヒドロキシアミン反応成分を含有するであろう。本発明の好ましい方
法において、反応生成物は約0.2重量%より少ない、好ましくは約0.1重量
%より少ない、脂肪酸と、約0.2重量%より少ない、好ましくは約0.1重量
%より少ない、未反応のポリヒドロキシアミンとを含んでなる。
本発明における反応はアルコール溶媒を使用しないが、最も好ましくは反応を
アルコキシル化アルコール(好ましくは、NEODOL)またはアルコキシル化
アルキルフェノールの存在下において実施することを包含する。そのうえ、反応
は好ましくはポリヒドロキシアルコールのアルカリ金属塩、特にエチレングリコ
ール、1,2−または1,3ープロピレングリコールまたはグリセロールから選
択されるアルコキシド触媒の存在下において実施される。
本明細書におけるすべての百分率、比および比率は、特に断わらない限り、重
量基準による。すべての引用した文献の関係する部分は参考文献としてここに編
入する。
発明を実施するための最良の形態
本発明により提供されるN−アルキルポリヒドロキシ脂肪酸アミド界面活性剤
は、下記の式の物質を含んでなる。すなわち、
本発明により提供されるN−アルコキシまたはN−アリールオキシポリヒドロ
キシ脂肪酸アミド界面活性剤は、下記の式の物質を含んでなる。すなわち、
式中、式(I)および(II)において、R3はC5−C31ヒドロカルビル、好ま
しくはC9−C17ヒドロカルビルであり、直鎖状および分枝鎖状のアルキルおよ
びアルケニル、またはそれらの混合物を包含し、R1はC2−C8ヒドロカルビル
であり、直鎖状、分枝鎖状または環状(アリールを包含する)好ましくはC2−
C4アルキレン、すなわち、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−および-CH2
(CH2)2CH2−であり、R2はC1−C8直鎖状、分枝鎖状または環状のヒドロ
カルビルであり、アリールおよびオキシ−ヒドロカルビルを包含し、好ましくは
C1−C4アルキル、特にメチルまたはフェニルである。式(I)の化合物におい
て、R4は典型的にはC1−C8アルキルまたはヒドロキシアルキルであり、メチ
ル(好ましい)、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシ
ル、ヘプチル、オクチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピルなど
である。Zは線状ヒドロカルビル鎖に直接接続された少なくとも2つ(グリセル
アルデヒドの場合において)または少なくとも3つ(他の還元糖の場合において
)を有するポリヒドロキシヒドロカルビル部分、またはそのアルコキシル化誘導
体(好ましくはエトキシル化またはプロポキシル化された)である。Zは好まし
くは還元アミン化反応において還元糖から誘導されるであろう。最も好ましくは
Zはグリシチル部分である。適当な還元糖は、グル
コース、フルクトース、マルトース、ラクトース、ガラクトース、マンノース、
およびキシロース、ならびにグリセルアルデヒドを包含する。原料として、高い
ブドウ糖のコーンシロップ、高いフルクトースのコーンシロップ、および高いマ
ルトースのコーンシロップならびに上に列挙した個々の糖を利用することができ
る。これらのコーンシロップはZについての糖の混合物を生ずることができる。
他の適当な原料を排除することを意図することを意味しないことを理解すべきで
ある。Zは好ましくは−CH2−(CHOH)n−CH2OH、−CH(CH2OH
)−(CHOH)n-1−CH2OH、−CH2(CHOH)2(CHOR’)(CH
OH)−CH2OHから成る群より選択され、式中nは1〜5の整数であり、そ
してR’はHまたは環状モノ−またはポリ−サッカライド、およびそのアルコキ
シル化誘導体である。記載したように、グリシチル(ここでnは4である)、特
に−CH2−(CHOH)4−CH2OHは最も好ましい。
上記式(II)において、アミン置換基-R1−O−R2の非限定的例は、例え
ば、下記の通りであることができる。すなわち、2−メトキシエチルー、3−メ
トキシプロピル−、4−メトキシブチル−、5−メトキシペンチル−、6−メト
キシヘキシル−、2−エトキシエチル−、3−エトキシプロピル−、2−メトキ
シプロピル、メトキシベンジル−、2−イソプロポキシエチル−、3−イソプロ
ポキシプロピル−、2(t−ブトキシ)エチル−、3−(t−ブトキシ)プロピ
ル−、2−(イソブトキシ)エチル−、3−(イソブトキシ)プロピル−、3−
ブトキシプロピル、2−ブトキシエチル−、2−フェノキシエチル−、メトキシ
シクロヘキシル−、メトキシシクロヘキシルメチル−、テトラヒドロフルフリル
−、テトラヒドロピランオキシエチル−、3−[2−メトキシエトキシ]プロピ
ル−、2−[2−メトキシエトキシ]エチル−、3−[3−メトキシプロポキシ
]プロピル−、2−[3−メトキシプロポキシ]エチル−、3−[メトキシポリ
エチレンオキシ]プロピル−、3−[4−メトキシブトキシ]プロピル−、
3−[2−メトキシイソプロポキシ]プロピル、CH3OCH2CH(CH3)−
およびCH3OCH2CH(CH3)CH2−O−(CH2)3−。
上記式(I)および(II)の化合物において、R3−CO−N<は、例えば
、ココアミド、ステアラミド、オレアミド、ラウラミド、ミリスタミド、カプリ
カミド、パルミタミド、タロウアミドなどであることができる。
全体の提案として、これらの界面活性剤の改良された合成法は、1価アルコー
ル溶媒を使用しないで、しかし好ましくはエトキシル化アルコール、例えば、N
EODOLを使用して、特定の型のアルコキシド触媒の存在において典型的には
約50℃〜約140℃の温度においてバッチ式方法において、対応するN−置換
ポリヒドロキシアミンを脂肪酸トリグリセリドと反応させて、望ましい低いレベ
ルの前述の脂肪酸ばかりでなく、かつまた低いレベル(好ましくは1%より少な
い)のエステルアミドまたは環化副生物を有し、そしてまた、改良された臭気お
よび改良された色安定性、例えば、約4以下、好ましくは0〜2のガードナーカ
ラーを有する生成物の高い収率(90〜98%)を得ることを含んでなる。連続
的方法のために、約180℃までの温度を使用することができる。所望ならば、
生成物の中に残る未反応のポリヒドロキシアミンは酸無水物、例えば、無水酢酸
、無水マレイン酸などで、水中で50℃〜85℃において、アシル化して、生成
物中のこのような残留アミンの全体のレベルを最小とすることができる。しかし
ながら、本発明の方法は、最終生成物中の未反応のポリヒドロキシアミンのレベ
ルを0.1%程度に低くすることができ、従って、この追加の工程をしばしば省
略することができるという利点を有する。
本発明において「環化副生物」とは、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド中の複数の
ヒドロキシル基が環構造を形成し得ると考えられる一次反応の望ましくない反応
副生物を意味する。二糖類およびそれ以上のサッカライド、例えば、マルトース
、を使用するポリヒドロキシ脂肪酸アミドの製造は、線状置換基Z(多数のヒド
ロ
キシ置換基を含有する)がポリヒドロキシ環構造により自然に「キャップ」され
る、ポリヒドロキシ脂肪酸アミドの形成を生ずることを化学の分野における当業
者は理解するであろう。このような物質は、本明細書において定義されるような
、環化された副生物ではない。
所望ならば、本発明における固体状ポリヒドロキシ脂肪酸アミド界面活性剤の
水溶性を、溶融物からの急冷により増強することができる。理論によって拘束さ
れることを意図しないが、このような急冷は溶融物を水中において純粋な結晶の
形態のポリヒドロキシ脂肪酸アミドよりも溶解性である準安定性固体状物に再固
化するものと考えられる。このような急冷は、任意の便利な手段により、例えば
、冷却した(0℃〜10℃)ローラーにより、溶融物を冷却した表面、例えば、
冷却した鋼板上に流延することにより、溶融物の中に浸漬した冷却コイルなどに
より達成することができる。この追加の処理工程は、N−アルコキシポリヒドロ
キシ脂肪酸アミドを使用するとき特に有用であるが、その使用はそれに限定され
ない。
トリグリセリド反応成分 − 本発明の方法において使用するトリグリセリド
は、任意のよく知られている脂肪および油、例えば、食物または脂肪酸源として
好都合に使用されるものであることができる。非限定的例は、下記のものを包含
する。すなわち、CRISCOR油、パーム油、高オレイルのヒマワリ油および
高エウリシン酸の(euricic)ナタネ油、パーム核油、コーン油、綿実油
、大豆油、獣脂、ラード、カノーラ油(canola oil)、ナタネ油、落
花生油、桐油、オリーブ油、メンハーデン油、ヤシ油、ヒマシ油、ヒマワリ実油
、パームステアリン、および対応する「硬化」すなわち水素化油である。所望な
らば、低分子量物質または揮発性物質を油から水蒸気ストリッピング、真空スト
リッピング、炭素または「漂白土(bleaching earth)」(ケイ
藻土)による処理、または常温調質(cold tempering)により除
去
して、本発明の方法により製造された界面活性剤中の悪臭の副生物の存在をさら
に最小とすることができる。
N−置換ポリヒドロキシ脂肪酸アミド反応成分 − 本発明において使用する
N−アルキル、N−アルコキシまたはN−アリールオキシポリヒドロキシアミン
は商業的に入手可能であるか、または対応するN−置換アミンを還元糖と、典型
的には水素およびこの分野において記載されているようなニッケル触媒の存在に
おいて、反応させることによって製造することができる。このような物質の非限
定的例は下記のものを包含する。すなわち、N−メチルグルカミン(本発明にお
いて好ましい)、N−(3−メトキシプロピル)グルカミン、N−(2−メトキ
シエチル)グルカミン、N−プロピルグルカミン、N−ブチルマルタミン、N−
ヘキシルグルカミンなどである。
触媒 − 本発明において好ましい触媒は、少なくとも2つのヒドロキシル基
を有するポリヒドロキシアルコールのアルカリ金属塩である。ナトリウム塩(好
ましい)、カリウム塩またはリチウム塩を使用することができる。1価アルコー
ルのアルカリ金属塩(例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、
立体障害1価アルコール、例えば、ナトリウムt−ブトキシドなどは、また、好
ましい)を本発明において使用できるが、悪臭の短鎖メチルエステルなどが形成
される可能性があるために、好ましくない。むしろ、ポリヒドロキシアルコール
のアルカリ金属塩を使用してこのような問題を回避することは有利であることが
発見された。典型的には、このような触媒の非限定的例は下記のものを包含する
。すなわち、ナトリウムグリコレート、ナトリウムグリセレートおよびプロピレ
ングリコレート、例えば、ナトリウムプロピレングリコレート(1,3−および
1,2−グリコレートの双方を使用することができる、1,2−異性体は好まし
い)、および2−メチル−1,3−プロピレングリコレート。NEODOL型エ
トキシル化アルコールのナトリウム塩を、また、使用することができる。
反応媒質 − 本発明における方法は、好ましくは、1価アルコール、例えば
、メタノール、の存在下においては実施しない。なぜなら、悪臭の酸エステルが
形成されることがあるからである。しかしながら、転相剤として作用して、ポリ
ヒドロキシアミンおよびトリグリセリドの反応成分の実質的に均質な反応混合物
を形成させる物質、例えば、界面活性剤型のアルコキシル化アルコールまたはア
ルコキシル化アルキルフェノールの存在において反応を実施することが好ましい
。このような物質の典型的な実施例は下記のものを包含する。NEODOL10
−8、NEODOL23−3、NEODOL25−12ならびにNEODOL1
1−9およびGENAPOL26−L−5。前もって形成した量の式(I)およ
び(II)の化合物を、また、この目的に使用することができる。典型的なモー
ドにおいて、反応媒質は合計の反応成分の約10〜約25重量%を構成する。
反応条件 − 本発明における方法は好ましくは溶融物中で実施される。N−
置換ポリヒドロキシアミン、転相剤(好ましいNEODOL)およびトリグリセ
リド油を真空下に120〜140℃において約30分間共溶融する。ポリヒドロ
キシアミンに対して約5モル%の触媒(好ましくは、ナトリウムプロピレングリ
コレート)を反応混合物に加える。反応物は数秒で均質となる。反応混合物を直
ちに約85℃に冷却する。この時点において、反応はほぼ完結する。反応混合物
を真空下にさらに1時間保持し、この時点において完結する。
別のモードにおいて、NEODOL、油、触媒およびポリヒドロキシアミンを
室温において混合する。この混合物を真空下に85〜90℃に加熱する。反応物
は約75分で透明(均質)になる。反応混合物を真空下に約90℃にさらに2時
間維持する。この時点において、反応は完結する。
前の反応において、トリグリセリド油:ポリヒドロキシアミンのモル比は典型
的には約1:2〜1:3.0の範囲である。
生成物の検査: 本発明の方法による生成物は、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド
とグリセロールを含有するであろう。このグリセロールは、所望により、蒸留に
より除去することができる。
以後、この合成を一層詳細に説明しかつ例示する。
少ない着色および少ない臭気のポリヒドロキシ脂肪酸アミドの製造
完全に水素化されたパーム核油(738.8g、1.0418モル、1.0モ
ル当量)を溶融し、70〜100℃において0.5〜1時間真空下に配置して揮
発性物質を除去する。NEODOL25−12(320g)を、また、溶融し、
70〜100℃において0.5〜1時間真空下に配置して揮発性物質を除去する
。60℃において、パーム核油およびNEODOL25−12を窒素雰囲気下に
3リットルの3首丸底フラスコの中に入れる。このフラスコに機械的撹拌機、温
度計およびガス入口/出口を取り付ける。混合物を撹拌し、その間粉末状N−メ
チルグルカミン(E.Merck、521.6g、2.6720モル、2.56
モル当量)を添加する。すべてのN−メチルグルカミンを添加した後、反応混合
物を真空下に配置し、85℃に加熱する。1,2−プロピレングリコレート(5
4.73gのプロピレングリコール中の24%溶液、0.1336モル、N−メ
チルグルカミンに関して5モル%)溶液を触媒として添加する。反応混合物を真
空下に配置する。スラリーは1〜2時間以内に透明となる。反応混合物を85℃
において合計4時間撹拌する。未反応のN−メチルグルカミンの小片を濾過し、
そして反応混合物壜にいれ、固化させる。脂肪酸アミドの界面活性剤へのN−メ
チルグルカミンの変換は典型的には95〜99%であり、そして反応条件および
使用する油の比に依存して99.95%程度に高くできる。この物質は臭気が少
なく、典型的には、ガスクロマトグラフィーにより測定して0.2重量%より少
ない脂肪酸汚染物質を含有する。
N−メチルグルカミンの代わりにN−(3−メトキシプロピル)グルカミンを
使用して、上記手順を実施して対応する脂肪酸アミドの界面活性剤を得ることが
できる。
下記は本発明の方法により製造したポリヒドロキシ脂肪酸アミド界面活性剤の
工業的使用を例示するが、その限定を意図するものではない。顆粒、バー、フレ
ーク、液体およびゲルの形態の種々の洗濯、皿洗いおよび個人用クリーニング組
成物を、本発明において提供される界面活性剤を使用して配合することができる
。
実施例I
液体洗濯用洗剤組成物は下記成分を含んでなる。成分
重量%
C12-14EO2.25サルフェート 15.0
C12-14 アルキルサルフェート 6.0
脂肪酸N−メチルグルカミド* 6.0
クエン酸ナトリウム 6.0
モノエタノールアミン 2.5
水/1,2−プロピレングリコール/エタノール
(100:1:1) 残部
*硬化パーム核脂肪酸を使用して製造された。
上記処方物において、グルカミド界面活性剤の代わりに同等量のN−(3−メ
トキシプロピル)グルカミンの硬化パーム核脂肪酸アミドを使用して、布帛間の
染料移動の抑制の改良を保証することができる。
以下に本発明の方法をさらに例示する。一般に、操作パラメーターは好ましく
は下記の4つの因子を考慮している。
1. N−メチルグルカミン(NMG)を120℃に加熱し、次いで100mm
Hgより低い真空を30分間使用することによって脱水する。
2. 予熱した硬化パーム核油(70℃)をN−メチルグルカミン溶液に添加す
る。追加の水を抽出すべきである。120℃およびわずかの真空にほぼ
30分間維持する。
3. NEODOLまたはプロピレングリコール中にナトリウムメチラート粉末
(5モル%、好ましくは8〜10モル%)をスラリー化し、それを反応混
合物に添加する。これは混合物の温度を低下させる。最適な反応温度は
100〜105℃である。反応を200〜300mmHgにおいて、また
は、窒素雰囲気において実施する。
4. おおよその反応時間は3〜4時間である。反応を約2時間実施した後、多
少の(例えば、1〜2%の触媒の添加は、より高い変換率を生ずることが
できる。
実施例II
Neodol11−9とのH−PKOグルコースアミドの溶融反応
内部の温度計、真空ライン、窒素ラインおよび機械的撹拌機を装備した100
0mlの3首丸底フラスコに、粉末状N−メチルグルカミン(245.98g、
1.26モル)を添加する。N−メチルグルカミンを130〜140℃において
溶融し、真空下に乾燥する。内部の温度計および真空ラインを装備した別の10
00mlの丸底フラスコに、硬化パーム核油(305g、0.434モル)およ
びNeodol11−9(102.36g)を添加する。硬化パーム核油(Hー
PKO)/Neodol11−9を130〜140℃に加熱し、真空下に乾燥す
る。乾燥したN−メチルグルカミンに、混合しながら、乾燥した硬化パーム核油
/Neodol11−9混合物を添加する。この混合物に、136℃において、
ナトリウムメトキシド(3.40g、0.63モル)をメタノール中の25重量
%溶液として添加し、完全な真空を直ちに適用してメタノールを除去する。混合
物は1分で均質となり、この時ゆっくり冷却する。混合物を27分で95℃に冷
却し、反応期間の間ほぼ95〜100℃に維持する。混合物を60分において注
ぎ出す。GCによる分析は1%より少ない残留N−メチルグルカミンを示した。
実施例III
100ポンドのH−PKOグルコースアミド
内部の温度計、真空ライン、窒素ライン(真空を破壊するために)および機械
的撹拌機を装備した72リットルの3首丸底フラスコに、硬化パーム核油(15
.357kg、21.804モル)およびNeodol25−12(6.803
kg)を添加する。いったん添加が完結すると、混合物を50℃に加熱し、真空
下に乾燥する。乾燥した混合物に、混合しながら、粉末状N−メチルグルカミン
(11.067kg、56.69モル)を添加し、次いでナトリウムプロピレン
グリコレート(1.111g、2.8345モル)を添加し、混合物を70〜8
0℃に加熱し、真空下に配置する(ほぼ5”Hg)。混合物は1時間で均質にな
る。3時間後、混合物を注ぎ出す。GCによる分析は1%より少ない残留N−メ
チルグルカミンを示す。
実施例IV
H−PKOグルコースアミドの低温スラリー
内部の温度計、真空ライン、窒素ライン(真空を破壊するために)および機械
的撹拌機を装備した500mlの3首丸底フラスコに、硬化パーム核油(126
.60g、0.17973モル)およびNeodol11−9(51.14g)
を添加する。いったん添加が完結すると、混合物を100℃に加熱し、真空下に
乾燥する。乾燥した混合物を50〜60℃に冷却し、混合物に、ナトリウムメト
キシド(1.38g、0.02561モル)をメタノール中の25重量%溶液と
して添加する。混合物を90〜95℃に加熱し、メタノールを真空下に除去する
。メタノールをストリッピングした混合物に、粉末状N−メチルグルカミン(1
00.00g、0.51224モル)を添加し、真空を適用する。混合物は1時
間で均質になる。4時間後、混合物を注ぎ出す。GCにより分析する。
実施例V
プロピレングリコールとのH−PKOグルコースアミドの溶融反応
内部の温度計、真空ライン、窒素ラインおよび機械的撹拌機を装備した500
mlの3首丸底フラスコに、粉末状N−メチルグルカミン(127.45g、0
.67285モル)を添加する。N−メチルグルカミン(NMG)を130〜1
40℃において溶融し、真空下に乾燥する。内部の温度計および真空ラインを装
備した別の500mlの丸底フラスコに、硬化パーム核油(156.41g、0
.22206モル)を添加する。硬化パーム核油を130〜140℃に加熱し、
真空下に乾燥する。乾燥したN−メチルグルカミンに、混合しながら、乾燥した
硬化パーム核油およびプロピレングリコール(31.54g)を添加する。この
混合物に、120℃において、ナトリウムメトキシド(1.76g、0.032
64モル)をメタノール中の25重量%溶液として添加し、真空(15”Hg)
を直ちに適用してメタノールを除去する。混合物は1.5分で均質となり、この
時冷却する。混合物を7分で90℃に冷却し、反応期間の間ほぼ90℃に維持す
る。混合物を85分において注ぎ出し、GCにより分析する。
HPKOをNMGに添加した後、真空を適用することによって、系中の水の量
をさらに減少することができることが観察された。(NMGは水を放出する傾向
をもたない。)全体の反応混合物中の最後の1〜5%の水をからの最小(約0.
1%より少ない)に減少することによって、脂肪酸の形成は実質的に最小となり
(1%以下の、典型的には約0.5%より少ない脂肪酸)そして触媒の有効性は
実質的に増加する。
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(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
C11D 1/66 9546−4H C11D 1/66
// C07B 61/00 300 7419−4H C07B 61/00 300
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),CA,CN,JP,MX,V
N
(72)発明者 シャーマン,ジョー フレデリック
アメリカ合衆国オハイオ州、シンシナチ、
ウィンドワード、ウェイ、ナンバー209、
7051