JPH09509068A - 複合成分混合体混合分与装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 複合成分混合体を混合しかつ分与する方法及び装置を提供する。好ましい実施例においては混合室として及び混合された混合体を分与するためにシリンジ胴（２２）が使用されている。混合要素は、好ましくはパドル部材（３２）と、該パドル部材（３２）を回転する指把持部材（３４）と、を有しており、所望の混合をもたらすためシリンジ胴（２２）内へ差し込まれる。スクレーパー要素（５２）は、混合が完了した後パドル要素（３２）を取り出す際にシリンジ胴（２２）内へ混合された成分を保持するように混合要素から該混合された成分を掻き落とすために使用されている。好ましくは混合は複数の成分の一方を他方の頂部へ配置するよりもシリンジ胴（２２）内に並置するようにこれらの成分を配置することにより達成される。

Description

【発明の詳細な説明】 複合成分混合体混合分与装置 発明の背景 技術分野 本発明は歯科用セメント又は印象材すなわち型取材料などのマルチ・コンポー ネント・コンポジション（ｍｕｌｔｉ−ｃｏｍｐｏｎｅｎｔ ｃｏｍｐｏｓｉｔ ｉｏｎｓ）即ち複合成分混合体を混合しかつ分与するのに使用するための方法及 び装置に関する。より詳細には本発明はシリンジ形態をした混合及び分与方法及 び装置に関する。背景技術 多くの最近生成された物質は、しばしば部分Ａ及び部分Ｂのような２つの部分 に包装されている。混合に際してこれらのＡ成分及びＢ成分は通常化学反応を受 け、そこで生じた成分をある所望の状態にセットアップする。 例えば、歯科医療の分野においては、２部分から成る幾つかの生成された物質 が広く使用されている。ガラス・アイオノマー・セメント（ｇｌａｓｓ ｉｏｎ ｏｍｅｒ ｃｅｍｅｎｔｓ）や樹脂質・ルーテイング・セメント（ｒｅｓｉｎｏ ｕｓ ｌｕｔｉｎｇ ｃｅｍｅｎｔｓ）等は、デンタル・キャップ（ｄｅｎｔａ ｌ ｃａｐｓ）を所定位置へ固着するような用途にしばしば使用されている。歯 科印象は、Ａ成分及びＢ成分を使用している。 適切に作業を行うためには、これらの２部分システムを構成しているＡ成分及 びＢ成分は迅速にかつ完全に正しい比率で混合されることが重要である。迅速な 混合が行われないと、その結果生じる混合体と共に、有用な作業時間を失うこと になり、またそのような混合体は不均一な状態で準備されるために完全な混合を 得るための能力を妨げることになる。完全な混合を失敗すると最適な特性よりも 劣る特性を有する混合体がもたらされることになる。例えば、もし混合状態がう まくない混合体をセメントとして使用すると、そのようなセメント部分は長期間 作用する接合剤として要求される化学的強度を発揮することが出来ないことにな ろう。 迅速かつ均一な混合を得る上で、Ａ成分とＢ成分との差異が問題を複雑にして いる。しばしば２つの液体同士を混合したり、液体と粉末とを混合する必要があ る。ある場合にはＡ成分とＢ成分とが等量であったり、また別の場合には一方が 他方よりも多いこともある。またあるときには２つの成分が同じような粘性を有 していたり、またあるときには２つの成分が互いに非常に異なる粘性を有してい ることもある。 Ａ成分とＢ成分とを混合するために用いられている基本的な手段には、混合ボ ール又はパッド及びへらのような撹拌器具等の単純な機械的混合手段がある。こ のような方法は幾分乱雑で時間のかかる作業である。またしばしば混合が十分完 全に達成されたかどうかを知ることが困難である。 またある場合には、その混合体内に小さい気泡が入り込むのを防止することが 困難である。その混合工程の際に、へら又は同様の混合器具を使用した混合作業 では、そこで混合された混合体内へ気泡を導入することになりその結果、混合体 内へ空気が混入する。さらにほとんどの歯科用混合体は最終的にシリンジから分 与され、こうすることにより分与される量を制御し、歯科用混合体の正確な位置 への付与を可能とし、混合体構成成分の早期の蒸発を防止している。このことは 一般に混合された混合体をシリンジへ詰め込む作業を必要とする。このためその 作業の際にさらに空気の混入が発生することになる。混入された気泡は通常不利 益となる。 さらにパッド上で又はボール内で混合体を混合し次いでその混合体をシリンジ へ移すことは時間のかかることであり、実際に混合体を使用するための作業時間 を減少させることになる。このように混合体を混合しシリンジへ充填する間に時 間が立ち過ぎ、混合した混合体が実際に使用することが出来なくなると言うこと は珍しいことではない。 このような時間のかかる作業を解消し、パッド上で又はボール内で混合体を混 合し次いでこの混合体をシリンジへ充填するというような手間のかかる作業を解 消するため、シリンジ又はコーキングガンで直接材料を混合する多くの試みがな された。それらの試みは、材料がシリンジ又はコーキングガンから分与されると きに幾分かの混合をもたらすように特別に形成した先端部を使用するものである 。Ａ成分とＢ成分とを混合するために使用される時間を最小化するという観点か らは有用であるが、通常混合状態は不完全である。さらに使用されるこの混合先 端部は高価であり再使用するということが困難である。 発明の概要 以下において本件発明の利点を詳述する。この発明の利点は発明の実施により 認識されよう。 ここに具体化しかつ概括的に記述した発明によれば、本件発明は混合室として かつ混合された混合体の分与のためにシリンジ胴を使用している。 好ましくは、パドル部材と、該パドル部材を回転するための指把持部材と、か ら構成される混合要素が、所望の混合をもたらすために、シリンジ胴内へ挿入さ れている。 好ましくは、混合は、一方が他方の上方へ配置されるよりも、シリンジ胴内へ 互いに並置して配置した複合成分により達成される。 混合作業の後に、この混合要素は取り除かれ、代わりにプランジャー要素が差 し込まれて公知の方法にてシリンジ胴から混合された材料を分与するために使用 される。混合要素を取り除くときにシリンジ胴内へ材料を保持するようにパドル 部材から該混合された材料を掻き落とすためスクレーパー要素が使用される。 別の実施例においては、プランジャーが取り外し可能なピストンを装備してい る。混合作業の後に、中心部分を貫通して設けてある通気孔を有している該ピス トンが、独立してシリンジ胴内へ配置され、混合された材料まで押し込まれる。 こうして該通気孔を介してシリンジ胴内から空気が排出される。その後、プラン ジャー要素が前記通気孔を封止するように差し込まれ、シリンジを使用して公知 の方法にて該材料を分与する。 図面の簡単な説明 本発明を実施するための最上の方法を示している添付図面において： 図１は、マルチ・パート コンポジション（ｍｕｌｔｉ−ｐａｒｔ ｃｏｍｐ ｏｓｉｔｉｏｎ）即ち複数部分混合体を混合しかつ搬出するために使用するのに 適切なシリンジ装置の斜視図である。 図２は、図１に示すシリンジ装置のシリンジ胴コンポーネント即ちシリンジ胴 成分を示す斜視図である。 図３は、複数部分混合体の混合を行うのに使用される混合要素の好ましい実施 例を示す斜視図である。 図４は、本発明によって混合するために図２に示すようなシリンジ胴内へ２部 分混合体を構成する２つの成分を導入するために使用するマルチ・シリンジ装置 即ち複数シリンジ装置の斜視図である。 図５は、混合を行う混合要素とともに使用するスクレーパー要素の一つの好ま しい実施例を示す斜視図である。 図６は、図５に示すスクレーパー要素の反対側を示す斜視図である。 図７は、図２に示すシリンジ胴及び図５及び図６に示すスクレーパー要素を一 緒に組み付けた図３の混合要素の斜視図である。 図８は、混合が行われている一つの方法を矢印を使用して示している概略形態 を示す、図７の線８−８に沿って見た断面図である。 図９は、混合要素の別の実施例を示している立面図である。 図１０は、図５に示す混合要素と共に示されている、山形形状の孔を有するシ リンジ胴の斜視図である。 図１１は、図１０のシリンジ胴と共に使用するのに適切なスクレーパー部材の 側立面図である。 図１２は、図１１のスクレーパー部材の端立面図である。 図１３は、シリンジ装置の別の実施例を示している分解斜視図である。 図１４は、図１３に示すシリンジ装置の斜視図であり、ピストンがシリンジ胴 内を前進して該胴内に押し込まれた部分から空気を排出する方法を示している図 である。 図１５は、図１４の線１５−１５に沿って見た断面図である。 図１６は、図１３に示すシリンジ装置の斜視図であり、混合された混合体の搬 出をするためのシリンジプランジャーとプランジャーピストンとの相互関係を示 している図である。 好ましい実施例についての詳細な記載 本発明は歯科用セメント又は印象材のようなマルチ・コンポーネント・コンポ ジション（ｍｕｌｔｉ−ｃｏｍｐｏｎｅｎｔ ｃｏｍｐｏｓｉｔｉｏｎｓ）即ち 複合成分混合体を混合しかつ分与するための方法及び装置に関する。より詳細に は本件発明は複合成分混合体を迅速かつ完全に混合しその後その混合された混合 体を分与するのに有用なシリンジ状態の混合及び分与システムに関する。 図１は、本発明による、歯科用セメント及び接合材料のような混合体を分与す るのに有用なシリンジ状態の装置１０を示している。このシリンジ装置１０は、 シリンジ胴２２を有している。このシリンジ胴２２には該シリンジ胴内に収容さ れた材料即ち物質を先端部２６から分与するための公知の形状を有するプランジ ャー要素２４が嵌合している。この先端部２６は特定の用途に使用するために適 切な形状とすることが出来るが、図においては歯科用混合体を分与するのに有用 な構造を有するように示している。この明細書においては本件発明を歯科用混合 体の混合及び分与のために有用なように述べているが、それ以外の材料もここに 開示されかつ特許請求された方法及び装置を使用して混合されかつ分与されるこ とは理解されよう。 図２は図１のシリンジ胴２２を独立的に示している。このシリンジ胴２２は、 望ましくは、孔２８を備えている。この孔２８は、混合後に、プランジャー要素 ２４がシリンジ胴へ差し込まれたときに、該シリンジ胴２２内に含まれている空 気を排出するための手段として機能している。シリンジ胴２２内に収容された材 料即ち物質が排出端から充填される時に、この孔２８は、プランジャー要素２４ と接触する該材料の端部位置と実質的に同一の高さに位置付けてあるべきである 。シリンジ胴２２の長さに沿ってより高い位置へ孔２８を位置付けることは、該 シリンジ胴２２内に残存空気をもたらし、材料を分与するため当該シリンジ装置 １０を使用する際に、気泡を取り込む結果となる可能性がある。一方、シリンジ 胴２２の長さに沿ってより低い位置へ孔２８を位置付けることは、当該シリンジ 装 置１０から材料を分与するためプランジャー要素２４へ圧力を加えたときに、材 料が当該孔から漏れ出すことになろう。したがって、この孔２８は、混合されか つ分与されることが望まれている所定量の材料を収容するために使用する際に、 形成することが望まれるであろう。または、混合及び分与のために使用される材 料の最適量をマークした種々の位置へ孔を有しているあらかじめ用意したシリン ジ胴を提供することが望まれるであろう。シリンジ胴はその内部で混合されかつ そこから分与されるべきマルチ・コンポーネント・コンポジションの成分を具備 し、かつ最適位置へ配置された孔２８を具備していることが分かる。 本件発明の重要な特徴はシリンジ胴２２内に配置された材料即ち物質を混合す るための混合手段の提供にある。この混合手段の好ましい実施例は図３に示され ているミキサー要素即ち混合要素３０である。この混合要素３０は細長いパドル 部材３２を有している。この細長いパドル部材３２は、該パドル部材３２と共に 使用されるシリンジ胴２２の長さとほぼ同一長さを有している。該パドル部材３ ２の幅は、好ましくは、ほぼシリンジ胴の内径と同一であり、これによりシリン ジ胴の壁面から材料を掻き出すことによってより完全な混合をもたらし、この材 料が該シリンジ胴内に収容されている残存材料とを混合するようにしている。 種々の形状のパドル部材がシリンジ胴内に収容されている材料即ち物質の混合 をもたらすために使用出来る。図３に示すように、好ましくはこのパドル部材３ ２は、該パドル部材の本体から切り取ったほぼ“Ｄ”字形状の複数の内部切り抜 き部３２Ａと、該パドル部材３２の側面から切り取ったほぼ“Ｄ”字形状の複数 の付加的な縁部切り抜き部３２Ｂと、を有している。これらの切り抜き部３２Ａ ，３２Ｂの使用は下記に詳述するようにパドル部材が回転されるときに乱流の発 生を助けるのである。これらの切り抜き部３２Ａ，３２Ｂはパドル部材３２の長 さに沿って示してあるが、これらの切り抜き部は混合が起こる領域にのみ使用さ れることが理解されるべきである。よってもし僅かな量の材料のみが混合される 場合には、これらの切り抜き部はパドル部材の端部付近にのみ設けることが望ま しいのである。 混合要素３０はまた好ましくは、シリンジ胴内に収容された材料即ち物質の混 合をもたらすようにパドル部材を回転する手段として作用するフィンガー・グリ ッ プ部材即ち指把持部材３４を備えている。 しばしば、ある歯科用セメントと接合材料のような、マルチ・コンポーネント ・コンポジション即ち複合成分混合体の種々の成分を一緒に混合することが望ま れることがある。簡潔に述べると、原則的には、ここに含まれる論議はしばしば Ａ及びＢ成分システムとして言及される２つの成分システムの使用に関する。そ れにもかかわらず、この発明の方法及び装置は２以上の成分を有するシステムを 供給するであろうことが理解されるべきである。 シリンジ胴２２内での混合要素３０の回転は、Ａ及びＢ成分を迅速かつ完全に 混合する非常に有効なものであることが分かっている。本件発明の装置を使用し ているＡ及びＢ成分の最も有効な混合は、一方を他方の上部へ供給するよりもシ リンジ胴内へ２つの成分を側方に並べて供給することによって達成されることが 分かっている。このような側方に並べて供給することは、図４に示されるような ２シリンジ装置３６の使用によって好ましい状態で達成出来る。図４はクランプ ４０Ａ、４０Ｂ、４０Ｃによって互いに連結されている２つのシリンジ胴３８Ａ ，３８Ｂを使用している状態を示している。これらの２つのシリンジ胴３８Ａ、 ３８Ｂの出口端にはチップ４２Ａ、４２Ｂが取り付けてある。これらのチップ４ ２Ａ、４２Ｂは、それぞれ一端部がシリンジ胴へ固着されており、他端部にはチ ューブ部材４４Ａ、４４Ｂが設けてある。これらのチューブ部材４４Ａ、４４Ｂ を一緒に固着するためにカラー４６が使用されており、これらの２つのチューブ 部材は同一位置にて終わっている。 使用に先立って、図４に示すシリンジ胴３８Ａ，３８Ｂには、２成分混合体を 構成するＡ成分及びＢ成分がそれぞれ充填される。シリンジ胴２２の出口端は図 ７に示すキャップ４８のような部材により封止されている。チューブ部材４４Ａ 、４４Ｂの出口端は、出来る限りシリンジ胴２２内に差し込んであり、これによ り材料はシリンジ胴２２の出口端付近から供給されるようになる。その後、チュ ーブ部材４４Ａ，４４Ｂをシリンジ胴２２内部からゆっくり引き出すと同時に２ つのプランジャー５０Ａ，５０Ｂを同時に押し込む。これにより、シリンジ胴２ ２内に、互いに並置されている各シリンジ胴３８Ａ，３８Ｂから、材料即ち物質 が配置される。 ２つの成分よりも多くの成分を供給しようとする場合には、図４の装置に更に 付加的なシリンジ胴３８とこれと協働する要素とが付加されるであろうことが理 解されよう。更に、シリンジ胴３８Ａ，３８Ｂの直径は、Ａ成分とＢ成分との比 率を異ならすことが必要なときには変更することが出来る。例えば、もしＡ成分 とＢ成分とが実質的に同量だけ加えられようとする場合には、両方のシリンジ胴 ３８Ａ，３８Ｂは実質的に同じ寸法となろう。しかしながら、もしＡ成分を２部 、Ｂ成分を１部だけ加えたい場合には、シリンジ胴３８Ａは、シリンジ胴３８Ｂ の２倍の断面積を有するようにすればよい。これ以外の混合比率を得たいと思う ときには、シリンジ胴３８Ａ，３８Ｂの各寸法をその比率に応じて変更すればよ いことは理解されよう。シリンジ胴３８Ａ，３８Ｂの側面には目盛りを目盛るこ とも出来る。こうすることにより、所望量の材料をシリンジ胴２２内へ供給する ことが出来、又はシリンジ胴２２に設けた目盛り又は孔２８の位置を視覚的に見 ることが出来、Ａ成分及びＢ成分を所望量だけ計量することが出来るようになる のである。 上述したような方法を使用してシリンジ胴２２内へ並置した状態でＡ成分及び Ｂ成分が充填された後、該シリンジ胴２２内に混合要素３０を挿入することによ って、図７に示すように、混合が行われる。 本発明装置の特徴は、混合が完了した後、混合要素３０を構成しているパドル 部材３２の表面から材料即ち物質を取り去るためのスクレーパー手段即ち引っ掻 き手段が設けてあることである。適切なスクレーパー手段の好ましい１実施例と しては、図５及び図６に示すような、スクレーパー部材５２がある。このスクレ ーパー部材５２は、図８においては、本発明の他の要素と組み合わせた状態で示 してある。 図６においてより良く示してあるように、このスクレーパー部材５２の片側に は好ましくは円筒形のプラグ部材５２Ａが設けてある。このプラグ部材５２Ａは シリンジ胴２２内へしっかり嵌合するようになっている。スクレーパー部材には 溝５２Ｂが設けてある。この溝５２Ｂは前記パドル部材３２の幅及び厚みの寸法 と実質的に同様の寸法と有している。使用の前に、パドル部材３２は指把持部材 ３４まで完全に当該溝５２Ｂ内へ挿入され、次いでスクレーパー部材５２と混合 要素３０との組合せ体は、図７に示すように、シリンジ胴２２へ取り付けられる 。溝５２Ｂへパドル部材を挿入しかつそこから該パドル部材を取り出す作業を容 易に行うためには、スクレーパー部材５２がスリット即ち細長孔５２Ｃ及びノッ チ即ち切欠５２Ｄを有しているのが望ましい。 シリンジ胴２２内へ収容された材料の混合は混合要素３０を回転することによ って達成出来る。スクレーパー部材５２は混合要素３０と一緒に回転する。この ためパドル部材３２を回転するための手段として、該スクレーパー部材５２を使 用し、独立した指把持部材３４の使用を不要とすることが可能である。 切り抜き部３２Ａ，３２Ｂの提供は、混合要素３０が回転されるときに材料内 へ乱流を発生するのである。即ち、これらの切り抜き部はシリンジ胴内へ乱流を 発生する手段として機能し、このため、より迅速でかつ完全な混合が得られので ある。かかる混合は気泡の導入をほとんど伴うことなく達成出来るのである。図 ８はパドル部材３２の回転に応答して乱流を発生する該略形態を示している。混 合が完了した後、混合要素３０は、スクレーパー部材をその位置へ保持したまま 、シリンジ胴から引き出される。このため材料はシリンジ胴２２内へ保持された ままになるのである。混合要素を引き出した後、スクレーパー部材は取り外され 、次いで該シリンジ胴２２から材料を供給するのに使用するためプランジャー要 素２４が所定位置へ嵌合される。キャップ４８が取り外されそこへ先端部２６を 取り付ける。 上述した広範な機能が保持される限りにおいて、本発明装置を構成している要 素の変形がなし得ることは理解されよう。例えば、図９は別の実施例を示してい る混合要素１３０である。当業者はここに開示した内容に照らしてこれ以外の多 くの作動可能な変形例を想定することが出来るであろう。 図１０〜図１２には、上述の実施例とは構成が異なるが機能が異ならない本発 明の別の好ましい実施例を示している。図１０はシリンジ胴１２２を示している 。このシリンジ胴１２２はシリンジ胴内へ取り込まれた空気を抜くための手段と しておおむね山形形状を有する孔１２８を備えている。パドル部材３２は山形の 孔１２８の中央部を二分していることが分かる。スクレーパー部材１５２（図１ １及び図１２参照）は一対の突出指状片１５２Ａ，１５２Ｂを含むように形成さ れ ている。これらの突出指状片１５２Ａ，１５２Ｂは孔１２８を介して延びかつパ ドル部材３２を抱き込むようになっている。スクレーパー部材１５２を把持し、 孔１２８を介して指状片１５２Ａ，１５２Ｂを配置し、かつその後、スクレーパ ー部材を取り外すために、ノブ１５２Ｃが使用される。好ましくは、突出指状片 １５２Ａ，１５２Ｂの外端部はカットされており、これによりスクレーパー要素 が差し込まれるときにシリンジ胴１２２の遠いほうの壁面へ対してぴったり嵌合 するようになっている。これによりシリンジ胴は混合要素を取り除いている間は 該突出指状片１５２Ａ，１５２Ｂに対する支持体を提供している。 混合作用の前に混合要素３０へ接続されかつ該混合要素と共に回転するスクレ ーパー部材５２とは異なり、この実施例のスクレーパー部材１５２は混合要素と 一緒に回転することはない。しかして、図１０〜図１２に示す一般的形態のスク レーパー部材を使用する場合には、このスクレーパー部材は混合が完了する後ま で傍らに置いてある。混合が完了した後、スクレーパー部材が孔１２８内へ差し 込まれる。その後、混合要素が取り出され、該スクレーパー要素が取り出され、 プランジャー要素を差し込んでシリンジ胴内から材料を分与するのである。 ここで再度強調されるべきことは、本発明の範囲内においてその他の変形例が 考えられることである。例えば、シリンジ胴２２内に含まれた空気を排出する手 段を、図１０に示す山形形状の孔の代わりに実質的に真直な孔とし、更にスクレ ーパー部材をそれに対応するような形状にすることが出来る。 本発明の更に別の好ましい実施例が図１３〜図１６に示してある。図１３はシ リンジ装置を概括的に番号１０ａで示してある。このシリンジ装置１０ａもまた 歯科用のセメント及び接合材料のような混合物を分与するために使用出来るので ある。このシリンジ装置１０ａは前述の実施例と同様な機能を提供するのである が、その構造及び用法が幾分異なっている。 図１３に示されるように、このシリンジ装置１０ａは、シリンジ胴２２２と、 該シリンジ胴２２２内へ収容された材料を図示していない搬出チップ即ち搬出先 端部から搬出するためのプランジャー要素２２４と、を有している。図１に示す 実施例と同様に、この搬出先端部はある特定の用途に使用するのに適当な形状を 有していることが出来る。更に図１３に示すように、このシリンジ装置１０ａは 、 更にピストン２３０のような、シリンジ胴内の複合成分混合体を搬出先端部から 押し出すためのピストン手段を有している。このピストン２３０は、好ましくは 円筒形状を有しており、エラストマーゴム材料によって製造され、かつ前記シリ ンジ胴２２２内へ密な嵌合状態であるが移動可能な状態に受け入れられるような 寸法を有している。ピストン２３０は更に複合成分混合体が供給される前に、シ リンジ胴内に含まれている空気を排気するための、通気孔２３２のような排気手 段を有している。この通気孔２３２は、図１５に断面図で示してあるように、ピ ストン２３０の長手方向中央部分を完全に貫通するように形成されている。 図１３を更に参照すると、プランジャー要素２２４の先端にはテーパー付きチ ップ部２３４が形成されている。これらのテーパー付きチップ部２３４及び通気 孔２３２は、ピストン２３０の弾性特性との組合せにより、該テーパー付きチッ プ部２３４が通気孔２３２内へ実質的に空気密状態に受け入れられうるように形 成されている。テーパー付きチップ部２３４が通気孔２３２内へ受け入れられる と、プランジャー２２４とピストン２３０との組立体は一緒になって公知の方法 にて先端部からシリンジ胴内に収容された材料を搬出するように使用されるので ある。 図１に示すシリンジ胴２２においては空気を排出する手段として孔２８が形成 されているが、この実施例ではそれとは異なり、シリンジ胴２２２には孔が形成 されていない。その代わりに図１３に示す実施例では、ピストン２３０内に形成 された通気孔２３２が、シリンジ胴２２２内に収容された材料２４２を混合した 後該材料２４２を搬出する前に、該シリンジ胴内から空気を排出するための手段 として機能している。このため、混合された混合体内に気泡が存在するというこ とはない。 シリンジ胴２２２内から空気を排出する様子が図１４及び図１５に示してある 。種々の混合体が並置した状態でシリンジ胴２２２内へ配置され、上述のように それらの混合体が混合された後、ピストン２３０が単独でシリンジ胴２２２内へ 差し込まれる。次いでプランジャー要素のテーパー付きチップ部２３４の先端部 ２３６が、図１４及び図１５に示すように、通気孔２３２を塞がないようにしな がらピストン２３０の頂部面２３８上に配置される。その後、このプランジャー 要 素２２４はピストン２３０を押し込むために使用される。この結果、ピストン２ ３０はシリンジ胴２２２を介して、該ピストン２３０の底部面２４０がシリンジ 胴２２２内に収容されている材料に接触するまで、押し込まれる。 ピストン２３０がシリンジ胴２２２内を推し進められると、シリンジ胴内に存 在する空気がピストンの通気孔２３２を介して絞り出される。空気がシリンジ胴 ２２２内へ入らないようにするためは、ピストン２３０の底部面２４０が、図１ ５において符号２４２にて示すような材料が、シリンジ胴２２２内に充填される 位置まで直角に前進されるべきである。更に、このピストン２３０の前進はこの 点で止め、シリンジ胴内に収容されている材料２４２が通気孔２３２から押し出 されるのを防止する。 このようにしてピストン２３０を前進させることにより、シリンジ胴２２２内 の全ての空気は絞り出され、これにより、材料を供給する際にシリンジ装置１０ ａの使用中気泡の導入を防止する。空気が押し出される際に、シリンジ装置１０ ａは図１６に示すように公知のシリンジとして使用されうることが可能なのであ る。こうして、ピストン２３０がシリンジ胴２２２内に収容されている材料へ対 して位置付けられているとき、テーパー付きチップ部２３４がピストン２３０の 通気孔２３２内に配置され、これにより該通気孔２３２がシールされる。その後 、シリンジ装置１０ａは、シリンジプランジャー要素２２４とピストン２３０と の組立体を前進することによって材料を搬出先端部２２６から分与するために使 用出来る。重要なことは、テーパー付きチップ部２３４が実施的に空気密状態に て通気孔２３２内に受け入れられるので、プランジャー要素２２４が前進してシ リンジ胴２２２内に圧力が形成されるときに、材料が通気孔２３２から漏れ出る ことが無いということである。 上述事項から分かるように、シリンジ胴２２２から空気を抜くための手段とし てピストン２３０と組合わさる通気孔２３２を使用するということは、上記図１ において図示しかつ記載したような、シリンジ胴の側方に孔を形成するという必 要性が無くなるのである。そうすることにより、与えれらた用途のための必要な 量の材料がシリンジ胴２２２内に配置されかつ混合され、図１の実施例に関して 上述したように、材料がシリンジ胴内に形成された孔を介して漏れるか否かにつ いて心配するような必要はもはや無くなっている。このことは使用の際に孔２８ を形成すること、又は異なる用途のために異なる位置に孔を備えたシリンジ胴を 予め準備すること、の必要性を不要としている。 上述の事項から、本発明は複数成分混合体を混合しかつ分与するための改良さ れた方法及び装置を提供することが分かる。本発明は、これまでのシリンジ混合 装置と異なり、混合された混合体内への気泡の導入を実質的に防止しながら迅速 なかつ完全な混合を達成することが出来るのである。更にシリンジ胴内での混合 を達成することにより、本発明の方法及び装置は混合された材料即ち物質の直接 的かつ容易な分与を可能としているのである。 本発明はその精神又は基本的な特徴から出ることなく上述以外の特定の形態に ても実施されうるであろう。上述の実施例は単に図示のためのものでありこれに 限定されるべきではなく、本発明の精神は上述の記載によってではなく、添付の 請求の範囲の記載により表示されるものである。これらの請求の範囲の意味及び その均等物に属する全ての変形は本件発明の範囲に含まれるものである。

【手続補正書】 【提出日】１９９６年５月１５日 【補正内容】 「請求の範囲」を下記の通り訂正する。 『１．複合成分混合体を混合しかつ分与する装置であって、 混合されるべき複合成分を受け入れるシリンジ胴と、 該シリンジ胴内にて前記複数の成分を混合する混合手段であって、前記シリン ジ胴内に差し込まれる細長いパドル部材と、内部に収容された成分の混合を有効 に行うためシリンジ胴内でパドル部材を回転する回転手段と、を有している混合 手段と、 混合が完了した後、パドル部材を除去するときにシリンジ胴内へ前記成分を保 持するため該パドル部材表面から前記成分を除去するスクレーパー手段と、 より成る複合成分混合体混合分与装置。 ２．パドル部材がシリンジ胴の内部の全長と実質的に同じ長さにわたり伸びて おりかつシリンジ胴の内部の直径を実質的に横切る幅を有して伸びている寸法を 備えている請求項１に記載の複合成分混合体混合分与装置。 ３．パドル部材がシリンジ胴内部の成分を混合するのを補助するため乱流を引 き起こす手段を備えている上記請求項のいずれか１に記載の複合成分混合体混合 分与装置。 ４．乱流を引き起こす手段がパドル部材に設けた切り抜き部により形成されて いる請求項３に記載の複合成分混合体混合分与装置。 ５．パドル部材に設けた切り抜き部が概ねＤ字形状を有している請求項４に記 載の複合成分混合体混合分与装置。 ６．切り抜き部がパドル部材の縁部及びその縁部の内部に設けられている請求 項４又は５に記載の複合成分混合体混合分与装置。 ７．スクレーパー手段が、シリンジ胴の端部へ配置されるプラグ部材と、混合 手段を受け入れる溝と、を有するスクレーパー部材から構成されている上記請求 項のいずれか１に記載の複合成分混合体混合分与装置。 ８．内部に収容された材料を分与するため、シリンジ胴内へプランジャー要素 を差し込む際にシリンジ胴から空気を排出するために該シリンジ胴の側面に該シ リンジ胴の内部から外部まで通じる孔を更に有している上記請求項のいずれか１ に記載の複合成分混合体混合分与装置。 ９．孔が細長く、スクレーパー手段が該孔を介して前記混合要素の両側面に差 し込まれる２つの突出指状片を有するスクレーパー要素から成り、これにより前 記混合要素が取り出されるときに該スクレーパー手段が該混合要素から材料を引 っ掻き落とす作用をする請求項８に記載の複合成分混合体混合分与装置。 １０．シリンジ胴内にてパドル部材を回転する手段が、パドル部材の端部へ固 着された指把持グリップである上記請求項のいずれか１に記載の複合成分混合体 混合分与装置。 １１．シリンジ胴内に収容された複合成分混合体を前進させるピストン手段を 更に有し、該ピストン手段が、前記複合成分混合体が分与される前に、シリンジ 胴内へ収容された空気を排出する排出手段を有している上記請求項のいずれか１ に記載の複合成分混合体混合分与装置。 １２．ピストン手段が円筒形状のゴムピストンにより構成されている請求項１ １に記載の複合成分混合体混合分与装置。 １３．排出手段がピストン手段を介して形成されている排気孔により構成され ており、これによりピストン手段がシリンジ胴を介して前進されるときにシリン ジ胴内に収容されている該空気が該排気孔を介して排出される請求項１１に記載 の複合成分混合体混合分与装置。 １４．該排気孔が、シリンジ胴内に収容された材料を分与するのに使用するた め該シリンジ胴内へ差し込まれるプランジャー要素の先端部を実質的に空気密の 状態にて受け入れることが出来るような寸法となっている請求項１３に記載の複 合成分混合体混合分与装置。 １５．プランジャー要素の先端部がテーパ付き形状となっている請求項１４に 記載の複合成分混合体混合分与装置。 １６．複合成分混合体を形成するため少なくとも２つの成分を混合する混合方 法であって、 分与シリンジの分与胴内へ所定の量の少なくとも２つの成分を側方に並置した 状態で同時に配置すること、 分与胴の実質的に全長に沿って混合を生じるように、分与シリンジの分与胴内 へ収容された少なくとも２つの成分を混合するためパドル部材を使用し、こうし て複合成分混合体を形成すること、 の諸工程から成る複合成分混合体を形成するため少なくとも２つの成分を混合 する混合方法。 １７．前記配置する工程が、 複数のシリンジ胴であってそれぞれが内部へ配置可能なプランジャーを有して おりかつ互いに同延をなすように配列された出口端を有する該複数のシリンジ胴 を備えた複数のシリンジ装置の各シリンジ胴内へ独立的に所定量の各成分を導入 すること、 この分与シリンジ胴内へ同延をなす出口端を配置すること、 複数のシリンジプランジャーの各々を押すことにより同延をなす出口端から分 与シリンジ胴内へ前記成分を射出しこれにより並置状態をなす分与シリンジ胴内 へ少なくとも２つの成分の配置をもたらすこと、 から成る請求項１６に記載の混合方法。 １８．前記同延をなす出口端を分与シリンジ胴の末端部から該分与シリンジ胴 の上端部の方へ所定の充填位置までゆっくり引き込ませる工程をさらに含み、該 引き込ませる工程が射出工程と同時に起こる上記請求項のいずれか１に記載の混 合方法。 １９．複数のシリンジ装置の各プランジャーが、射出工程を行いながら同時に 押圧される請求項１８に記載の混合方法。 ２０．混合工程が、 分与シリンジ胴内へパドル部材を差し込む段階と、 分与シリンジ胴内でパドル部材を回転し、該分与シリンジ胴の全長に沿って同 時にこれらの成分の有効な混合を行う段階と、 分与シリンジ胴内からパドル部材を取り出す段階と、 から成る上記請求項のいずれか１に記載の混合方法。 ２１．さらに、混合段階が完了後パドル部材が分与シリンジ胴から取り出され る際に混合体が分与シリンジ胴内に保持されるようにパドル部材の表面から混合 体を取り除くためにスクレーパーが使用される引っ掻き段階を有している上記請 求項のいずれか１に記載の混合方法。 ２２．さらに、混合を行う段階の後に空気を取り除く段階を有しており、混合 された混合体内に気泡が取り込まれることを防止するため分与シリンジ胴内の空 気が除去される上記請求項のいずれか１に記載の混合方法。 ２３．前記空気を取り除く段階が、 分与シリンジ胴内へ、内部に通気孔が形成されているプランジャーピストンを 配置する段階と、 該プランジャーピストンを前記分与シリンジ胴を介してその内部に収容されて いる混合された混合体まで前進し、シリンジ胴内に収容されている余分な空気を 置換し前記通気孔を介して排出する段階と、 プランジャー要素を分与シリンジ胴内へ差し込み、プランジャー要素の末端部 が該通気孔内へ受け入れられかつ実質的に空気密シールを形成する段階と、 から成る請求項２２に記載の混合方法。 ２４．プランジャーピストンが、前記通気孔を塞がないようにしてプランジャ ー要素の末端部でピストンを押すことにより分与シリンジ胴を介して前進する請 求項２３に記載の混合方法。』

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＡＵ，ＣＡ，ＪＰ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．複合成分混合体を混合しかつ分与する装置であって、 混合されるべき複合成分を受け入れるシリンジ胴と、 該シリンジ胴内にて前記複数の成分を混合する混合手段であって、前記シリン ジ胴内に差し込まれる細長いパドル部材と、内部に収容された成分の混合を有効 に行うためシリンジ胴内でパドル部材を回転する回転手段と、を有している混合 手段と、 混合が完了した後、パドル部材を除去するときにシリンジ胴内へ前記成分を保 持するため該パドル部材表面から前記成分を除去するスクレーパー手段と、 より成る複合成分混合体混合分与装置。 ２．パドル部材がシリンジ胴の内部の全長と実質的に同じ長さにわたり伸びてお りかつシリンジ胴の内部の直径を実質的に横切る幅を有して伸びている寸法を備 えている請求項１の複合成分混合体混合分与装置。 ３．パドル部材がシリンジ胴内部の成分を混合するのを補助するため乱流を引き 起こす手段を備えている請求項１の複合成分混合体混合分与装置。 ４．乱流を引き起こす手段がパドル部材に設けた切り抜き部により形成されてい る請求項３の複合成分混合体混合分与装置。 ５．パドル部材に設けた切り抜き部が概ねＤ字形状を有している請求項４の複合 成分混合体混合分与装置。 ６．切り抜き部がパドル部材の縁部及びその縁部の内部に設けられている請求項 ４の複合成分混合体混合分与装置。 ７．スクレーパー手段が、シリンジ胴の端部へ配置されるプラグ部材と、混合手 段を受け入れる溝と、を有するスクレーパー部材から構成されている請求項１の 複合成分混合体混合分与装置。 ８．内部に収容された材料を分与するため、シリンジ胴内へプランジャー要素を 差し込む際にシリンジ胴から空気を排出するために該シリンジ胴の側面に該シリ ンジ胴の内部から外部まで通じる孔を更に有している請求項１の複合成分混合体 混合分与装置。 ９．孔が細長く、スクレーパー手段が該孔を介して前記混合要素の両側面に差し 込まれる２つの突出指状片を有するスクレーパー要素から成り、これにより前記 混合要素が取り出されるときに該スクレーパー手段が該混合要素から材料を引っ 掻き落とす作用をする請求項８の複合成分混合体混合分与装置。 １０．シリンジ胴内にてパドル部材を回転する手段が、パドル部材の端部へ固着 された指把持グリップである請求項１の複合成分混合体混合分与装置。 １１．シリンジ胴内に収容された複合成分混合体を前進させるピストン手段を更 に有し、該ピストン手段が、前記複合成分混合体が分与される前に、シリンジ胴 内へ収容された空気を排出する排出手段を有している請求項１の複合成分混合体 混合分与装置。 １２．ピストン手段が円筒形状のゴムピストンにより構成されている請求項１１ の複合成分混合体混合分与装置。 １３．排出手段がピストン手段を介して形成されている排気孔により構成されて おり、これによりピストン手段がシリンジ胴を介して前進されるときにシリンジ 胴内に収容されている該空気が該排気孔を介して排出される請求項１１の複合成 分混合体混合分与装置。 １４．該排気孔が、シリンジ胴内に収容された材料を分与するのに使用するため 該シリンジ胴内へ差し込まれるプランジャー要素の先端部を実質的に空気密の状 態にて受け入れることが出来るような寸法となっている請求項１３の複合成分混 合体混合分与装置。 １５．プランジャー要素の先端部がテーパ付き形状となっている請求項１４の複 合成分混合体混合分与装置。 １６．複合成分混合体を形成するため少なくとも２つの成分を混合する混合方法 であって、 分与シリンジの分与胴内へ所定の量の少なくとも２つの成分を側方に並置した 状態で同時に配置すること、 分与胴の実質的に全長に沿って混合を生じるように、分与シリンジの分与胴内 へ収容された少なくとも２つの成分を混合するためパドル部材を使用し、こうし て複合成分混合体を形成すること、 の諸工程から成る複合成分混合体を形成するため少なくとも２つの成分を混合 する混合方法。 １７．前記配置する工程が、 複数のシリンジ胴であってそれぞれが内部へ配置可能なプランジャーを有して おりかつ互いに同延をなすように配列された出口端を有する該複数のシリンジ胴 を備えた複数のシリンジ装置の各シリンジ胴内へ独立的に所定量の各成分を導入 すること、 この分与シリンジ胴内へ同延をなす出口端を配置すること、 複数のシリンジプランジャーの各々を押すことにより同延をなす出口端から分 与シリンジ胴内へ前記成分を射出しこれにより並置状態をなす分与シリンジ胴内 へ少なくとも２つの成分の配置をもたらすこと、 から成る請求項１６の混合方法。 １８．前記同延をなす出口端を分与シリンジ胴の末端部から該分与シリンジ胴の 上端部の方へ所定の充填位置までゆっくり引き込ませる工程をさらに含み、該引 き込ませる工程が射出工程と同時に起こる請求項１７の混合方法。 １９．複数のシリンジ装置の各プランジャーが、射出工程を行いながら同時に押 圧される請求項１８の混合方法。 ２０．混合工程が、 分与シリンジ胴内へパドル部材を差し込む段階と、 分与シリンジ胴内でパドル部材を回転し、該分与シリンジ胴の全長に沿って同 時にこれらの成分の有効な混合を行う段階と、 分与シリンジ胴内からパドル部材を取り出す段階と、 から成る請求項１６の混合方法。 ２１．さらに、混合段階が完了後パドル部材が分与シリンジ胴から取り出される 際に混合体が分与シリンジ胴内に保持されるようにパドル部材の表面から混合体 を取り除くためにスクレーパーが使用される引っ掻き段階を有している請求項１ ６の混合方法。 ２２．さらに、混合を行う段階の後に空気を取り除く段階を有しており、混合さ れた混合体内に気泡が取り込まれることを防止するため分与シリンジ胴内の空気 が除去される請求項１６の混合方法。 ２３．前記空気を取り除く段階が、 分与シリンジ胴内へ、内部に通気孔が形成されているプランジャーピストンを 配置する段階と、 該プランジャーピストンを前記分与シリンジ胴を介してその内部に収容されて いる混合された混合体まで前進し、シリンジ胴内に収容されている余分な空気を 置換し前記通気孔を介して排出する段階と、 プランジャー要素を分与シリンジ胴内へ差し込み、プランジャー要素の末端部 が該通気孔内へ受け入れられかつ実質的に空気密シールを形成する段階と、 から成る請求項２２の混合方法。 ２４．プランジャーピストンが、前記通気孔を塞がないようにしてプランジャー 要素の末端部でピストンを押すことにより分与シリンジ胴を介して前進する請求 項２３の混合方法。 ２５．複合成分混合体を形成するように少なくとも２つの成分を混合する混合方 法であって、 分与シリンジの分与胴内へ所定量の少なくとも２つの成分を側方に並置して同 時に配置すること、 分与シリンジ胴内へパドル部材を差し込むこと、 分与シリンジ胴の全長に沿って成分を同時に混合するように分与シリンジ胴内 でパドル部材を回転し複合成分混合体を形成すること、 分与シリンジ胴内からパドル部材を取り出すこと、 混合された混合体内に気泡が取り込まれることを防止するため分与シリンジ胴 内から空気を取り除くこと、 から成る少なくとも２つの成分を混合する混合方法。