JPH095087A - 角速度センサ - Google Patents

角速度センサ

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JPH095087A
JPH095087A JP7156095A JP15609595A JPH095087A JP H095087 A JPH095087 A JP H095087A JP 7156095 A JP7156095 A JP 7156095A JP 15609595 A JP15609595 A JP 15609595A JP H095087 A JPH095087 A JP H095087A
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vibrator
angular velocity
fixing member
velocity sensor
vibration
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Application number
JP7156095A
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English (en)
Inventor
Tetsushi Hayashi
哲史 林
Takehiro Watarai
武宏 度會
Kazuhiko Miura
和彦 三浦
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 振動子として圧電体を用いた角速度センサ
を、検出信号のSN比を劣化させることなく、被測定物
に固定できるようにする。 【構成】 圧電体単体からなる振動子4と、振動子4と
被測定物Mとの間に介在して振動子4を被測定物Mに固
定する固定部材6とを備え、固定部材6は、振動子4の
底面に接続され振動子4と共に振動する接続部32,振
動子4の振動中心に位置し、振動子4の幅より狭く形成
された細径部34を備える。固定部材6は、加工が容易
な金属からなり、圧電体からなる振動子4を加工する場
合に比べ高精度な細径部34を形成できるので、振動子
4の振動のバランスを劣化させることがなく、またこの
細径部34により、振動子4の振動の節は略一定位置に
固定されるので、振動子4の振動を、振動洩れの少ない
安定したものとすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車の車両制御用や
ビデオの手振れ防止用等に、或は移動体のナビゲーショ
ン用ジャイロとして使用される角速度センサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の角速度センサとし
て、例えば、特開昭61−294311号公報には、圧
電体にて形成され、一端を被測定物に固定して使用する
音叉形状の振動子を備え、その表面に、外部から信号を
与えて振動子を所定の振動方向に振動(駆動振動)させ
るための駆動電極、振動子が駆動振動している状態で、
回転を加えた時に圧電体が歪むことにより生じる電圧を
検出するための検出電極等を配設することにより、被測
定物に加えられた所定軸回りの角速度を、電圧信号から
検出するようにされたものが開示されている。
【0003】このように構成された角速度センサにおい
ては、検出信号の感度が、主に駆動振動の強度(振幅,
周波数)により決まるため、精度のよい安定した検出を
行うには、振動子の駆動振動を一定の状態に保つ必要が
ある。そのためには、駆動振動のエネルギーが振動子の
固定端を介して被測定物に逃げたり、逆に被測定物等の
振動のエネルギーが固定端を介して振動子に侵入したり
する振動洩れが発生することのないように、振動子が一
点を節として振動するよう、振動子と被測定物とを一点
にて固定する必要がある。
【0004】ところが、現実的に一点にて固定すること
は不可能であるため、振動子自体の重量や外部からの衝
撃力に耐える強度を保持できる範囲で、振動子の固定端
の幅(断面積)をできるだけ小さなものに形成すること
により、振動洩れを抑制することが行われており、しか
も、振動洩れを充分に抑制するには、振動のバランスが
くずれることのないように、振動子のアーム部まで含め
た形状が振動中心に対して正確に左右対称な形状となる
ように精度良く形成する必要があった。特にこの種の角
速度センサは極めて小さなものであるため、このような
振動子の加工には、0.1〜0.01mmオーダーの精
度が必要であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、振動子として
圧電体を用いた場合、セラミック等からなる圧電体は、
一般的に精密な加工が困難であるため、充分な加工精度
が得られず、その結果、振動洩れを抑制するために振動
子を加工しても、振動子が非対称的な形状になるだけで
なく、圧電体のもろさのために固定端の幅を十分小さな
ものに加工できないため、充分に振動洩れを抑制するこ
とができず、延いては、検出信号のSN比を劣化させて
しまうという問題があった。
【0006】本発明は、上記問題点を解決するために、
振動子として圧電体を用いた角速度センサを、検出信号
のSN比を劣化させることなく、被測定物に固定できる
ようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
になされた請求項1に記載の発明は、圧電体単体からな
る振動子を備え、該振動子の一端を固定した状態で該振
動子を所定方向に励振させると共に、励振時に励振方向
とは直交する所定方向の振動状態を検出することによ
り、該振動状態から振動子に加わった所定軸回りの角速
度を検出する角速度センサにおいて、上記振動子の固定
端に、該振動子とは別体に形成され、該振動子と外部か
ら角速度を受ける被測定物との間に介在して該振動子を
被測定物に固定するための固定部材を設け、該固定部材
は、上記振動子の振動中心に上記振動子の幅より狭く形
成された細径部を有することを特徴とする。
【0008】また請求項2に記載の発明は、請求項1に
記載の角速度センサにおいて、上記細径部は、上記振動
中心に対して左右対称に設けられていることを特徴とす
る。次に請求項3に記載の発明は、請求項1または請求
項2に記載の角速度センサにおいて、上記固定部材は、
上記振動子との接続部が、上記振動子の固定端と同じ形
状に形成されていることを特徴とする。
【0009】また次に請求項4に記載の発明は、請求項
3に記載の角速度センサにおいて、上記振動子は、上記
接続部に接続される基部と、該基部から上記接続部とは
反対側に立設された一対のアーム部とからなる音叉形状
に形成され、更に、上記振動子の基部の厚さをa,及び
上記固定部材の接続部の厚さをb、上記振動子及び上記
固定部材のヤング率を夫々Ea,Ebとした場合に、 Ea・a=Eb・b なる関係が成り立つように形成されていることを特徴と
する。
【0010】また、請求項5に記載の発明は、請求項3
に記載の角速度センサにおいて、上記振動子は、上記接
続部に接続される基部と、該基部から上記接続部とは反
対側に立設された一対のアーム部とからなる音叉形状に
形成され、更に、上記振動子の基部の厚さをa,及び上
記固定部材の接続部の厚さをb、上記振動子及び上記固
定部材のヤング率を夫々Ea,Ebとした場合に、 なる関係が成り立つように形成されていることを特徴と
する。
【0011】また次に、請求項6に記載の発明は、請求
項1ないし請求項3のいずれかに記載の角速度センサに
おいて、上記振動子は、四角柱状に形成されていること
を特徴とする。また、請求項7に記載の発明は、請求項
1ないし請求項6のいずれかに記載の角速度センサにお
いて、上記振動子と上記固定部材とは、厚さが20μm
以下の接着層を介して固定されていることを特徴とす
る。
【0012】
【作用および発明の効果】上記のように構成された請求
項1に記載の角速度センサにおいては、振動子の一端
が、固定部材を介して被測定物に固定される。そして、
被測定物に加えられる所定軸回りの角速度を測定するた
めに、振動子の開放端を所定方向に励振させると、固定
部材に形成された細径部が振動の節となることにより、
振動子は、節が略一定位置に固定された状態で振動す
る。
【0013】なお、固定部材は、振動子とは別体に形成
されるため、その材料として、金属等、加工の容易な材
料を用いることができ、圧電体からなる振動子の固定端
を加工して細径部を形成する従来装置に比べて、高精度
に細径部を形成できる。従って、本発明によれば、細径
部を対称性よく形成可能なため、この細径部を設けるこ
とにより振動子の振動のバランスを悪化させてしまうこ
とがなく、しかも、この細径部により振動の節が略一定
位置に固定されるため、振動洩れを充分に抑制でき、振
動子に安定した振動を発生させることができる。その結
果、当該角速度センサの感度を一定とすることができ、
延いては、SN比の優れた検出信号を得ることができ
る。
【0014】つまり、本発明によれば、このような固定
部材を備えることにより、当該角速度センサを、検出信
号のSN比劣化させることなく、被測定物に取り付ける
ことができるのである。また、請求項2に記載の角速度
センサにおいては、細径部が、振動子の振動中心に対し
て左右対称に設けられている。即ち、細径部は、振動子
の幅より狭く形成されていればよく、例えば、複数の支
柱を、振動子の幅より狭い範囲に、左右対称に配置する
ことにより構成してもよい。
【0015】また、請求項3に記載の角速度センサにお
いては、固定部材は、振動子との接続部が、振動子の固
定端と同じ形状に形成されており、例えば、振動子と固
定部材とを接着により固定する場合、両者の接続強度を
最大限に確保することができる。
【0016】次に、請求項4に記載の角速度センサにお
いては、音叉形状をした振動子の一対のアーム部を互い
に接近/離隔するように振動させると、この振動に応じ
て、振動子と固定部材との接続により一体化された振動
子の基部及び固定部材の接続部は、その両端部が細径部
を節として振動する。
【0017】ところで、この種の角速度センサにおい
て、角速度の検出感度を向上させるには、振動子に加え
られる振動の振幅を大きくすればよい。そして、上述の
ように構成された角速度センサにおいて、振動子を最も
効率よく(振動の振幅を損なうことなく)振動させるに
は、振動子と固定部材との接続面を、曲げの応力が零と
なる中立面に一致させればよい(接続によるロスを最小
限とするため)。
【0018】即ち、本発明においては、振動子の基部の
厚さをa,及び固定部材の接続部の厚さをb、振動子及
び固定部材のヤング率を夫々Ea,Ebとした場合に、 Ea・a=Eb・b ・・・(1) なる関係が成り立つように形成されているので、振動子
と固定部材との接続面が中立面に一致する。
【0019】従って、本発明によれば、当該角速度セン
サの検出感度を最大限に引き出すことができ、信号レベ
ルの大きな検出信号、延いてはSN比の優れた検出信号
を得ることができる。しかし、(1)式から明かなよう
に、振動子の基部の厚さaが小さい場合、または固定部
材のヤング率Ebが大きい場合には、固定部材の接続部
の厚さbを非常に小さなものとしなければならず、強度
や加工精度の面から、実現不可能な場合がある。
【0020】そこで、振動の振幅を、(1)式を満たす
場合に得られる振幅の90%まで許容し、このような条
件を満たす領域を実験的に求め研究を重ねた結果、
(2)式に示す関係が導かれた。 即ち、請求項5に記載の角速度センサによれば、振動子
の基部の厚さa、及び固定部材の接続部の厚さbが、
(2)式の関係が成り立つように形成されていることに
より、(1)式を満たす場合に得られる振幅の90%以
上の振幅で振動子が振動するので、当該角速度センサの
検出感度を充分に大きくすることができ、従来装置に比
べて充分にSN比の優れた検出信号を得ることができ
る。しかも、請求項4に記載の角速度センサに比べて、
より振動子の基部の厚さaの小さいものや、固定部材を
構成する材料のヤング率Ebの大きいものにも適用する
ことができ、広い範囲に適用できる。
【0021】次に、請求項6に記載の角速度センサにお
いては、振動子が、四角柱状に形成されている。従っ
て、本発明によれば、音叉形状の振動子に比べて、形状
が単純であるため作製が容易であり、しかも、アーム部
が一本だけなので、より狭い場所にも取り付けることが
可能となり、当該角速度センサを用いて構成される装置
を小型化できる。
【0022】また、請求項7に記載の角速度センサにお
いては、振動子と固定部材との接続に接着剤を用い、そ
の接着層の厚さを20μm以下とすることにより、接続
によるロスを最小限にすることができる。
【0023】
【実施例】以下に本発明の第1実施例を図面と共に説明
する。図1は、第1実施例の角速度センサの全体構成を
表す斜視図、図2(a)は、その正面図、図2(b)は
その右側面図である。
【0024】図1及び図2に示すように、本実施例の角
速度センサ2は、圧電体単体からなり、表面に各種電極
が取り付けられた振動子4と、ステンレス鋼からなり、
振動子4と被測定物Mとの間に介在して、振動子4を被
測定物Mに固定するために使用される固定部材6とによ
り構成されている。
【0025】このうち、振動子4は、固定部材6に接続
される底面4aを有する基部10と、基部10から底面
4aとは反対方向に向けて略平行に立設された一対のア
ーム部12,14とからなり、音叉形状に形成されてい
る。また、振動子4の正面4bには、一対のアーム部1
2,14を互いに近接/離隔する方向(以後、X軸方向
とよぶ)に励振させる駆動信号を入力するための駆動電
極16,18と、振動子4の振動状態に応じた信号を取
り出すための制御電極20と、振動子4の分極処理(後
述する)時に使用する処理電極24とを備えている。
【0026】また、振動子4の右側面4cには、当該角
速度センサ2に加えられる回転の角速度Ωに比例した検
出信号を取り出すための検出電極26が、また振動子4
の左側面4dには、検出電極26と対向する位置に、検
出電極26と同様の検出信号を取り出すための検出電極
28(図示せず)が形成されている。
【0027】更に、振動子4の裏面4e全体には、振動
子4の分極処理時に使用されると共に、角速度Ωの測定
時には、接地電位に保持される共通電極30が形成され
ている。一方、固定部材6は、振動子4の底面4aと同
じ形状に形成された接続面6aを有する接続部32と、
接続部32の中心部に位置し、接続部32の幅より狭く
形成された細径部34と、当該固定部材6を被測定物M
に固定するための固定面6bを有する固定部36とから
なり、断面H状に形成されている。
【0028】なお、角速度センサ2は、振動子4の底面
4aと、固定部材6の接続面6aとを互いに接着(図2
に示す状態)し、更に、固定面6bを被測定物Mの所定
位置に固定した状態にて使用される。また、固定部材6
の被測定物Mへの固定は、接着,溶接,ネジ止め,ロー
付け等の手段により行われる。
【0029】また、振動子4の底面4aと、固定部材6
の接続面6aとの接着層の厚さは、この部分における駆
動振幅のロスを最小限とするために、20μm以下にす
る必要がある。後述する実験結果は、接着層の厚さを2
0μm以下としたものであり、接着層を厚くすると所定
の駆動振動が得られない。
【0030】以上のように構成された角速度センサ2に
おいては、まず、使用前に、駆動電極16,18,処理
電極24,及び制御電極20を同電位とし、共通電極と
の間に所定電圧を印加することにより、圧電体からなる
振動子4の分極方向を図中白抜き矢印にて示す方向にす
る分極処理がなされる。
【0031】その後、角速度センサ2に、駆動信号とし
て所定周波数で逆位相の交流信号を駆動電極16,18
間に印加すると、これに応じて一対のアーム部12,1
4は励振され、図3に示すように、互いに接近/離隔す
るようにX軸に沿って対称的な振動(以後、駆動振動と
よぶ)を繰り返す。この時、接着により一体化された振
動子4の基部10及び固定部材6の接続部32も、アー
ム部12,14の駆動振動に従い、細径部34を節とし
てアーム部12,14が形成された両端部が振動する。
そして、この駆動振動が行われている時に、制御電極2
0からは、この駆動振動の振動状態に応じた制御信号が
出力される。なお、この制御信号は、例えば駆動信号の
生成回路にフィードバックされ、安定した駆動振動を維
持するために使用される。
【0032】このような駆動振動時に、振動子4にアー
ム部12,14の立設方向(以後、Z軸方向とよぶ)に
沿った軸回りの角速度Ωが加えられると、この回転によ
り誘起されるコリオリ力により、アーム部12,14
は、X軸,及びZ軸のいずれにも直交する方向(以後、
Y軸方向とよぶ)に沿って互いに逆方向に振動する。こ
の振動に基づきアーム部12,14に生じる圧縮又は引
張応力によって検出電極26,28には、角速度Ωに比
例した電圧信号が誘起され、これが検出信号として検出
される。
【0033】ところで、角速度センサ2において、印加
された角速度Ωに対する検出信号の感度は、駆動振動の
振幅及び周波数によって決定される。このうち、駆動振
動の振幅は、駆動振動に応じて一体となって振動する基
部10及び接続部32に大きく影響され、振動子4と固
定部材6との接続面4a,6aを、基部10及び接続部
32の振動において応力が零となる曲げの中立面に一致
させると、最大振幅となる(接続によるロスが最小限と
なるため)。
【0034】そこで、本実施例では、振動子4の基部1
0の厚さa,及び固定部材6の接続部の厚さb(図4参
照)を、次式の関係を満たすように設定している。 Ea・a=Eb・b ・・・(3) なお、Ea,Ebは、夫々、振動子4及び固定部材6の
ヤング率である。
【0035】例えば、振動子4を形成する圧電体のヤン
グ率Eaが50GPa、基部10の厚さaが3mmであ
る場合、固定部材6を形成するステンレス鋼のヤング率
Ebが197GPaであるので、接続部32の厚さb
は、0.76mmに設定される。また、固定部材6を銅
(Eb=117GPa)にて作製した場合は、接続部3
2の厚さbは、1.28mmに設定される。
【0036】図5は、基部10の厚さaを3mmとし、
ステンレス鋼からなる固定部材6の接続部32の厚さb
を様々に変化させた時に、駆動振動の振幅Aが変化する
様子を実験的に検証した結果を示すグラフであり、グラ
フにおいて振幅Aは、(3)式を満たす時、即ち接続部
32の厚さbを0.76mmに設定した時の振幅を10
0%とした相対値を示す。
【0037】図5に示すように、駆動電極16,18に
同等の電気エネルギーを与えて駆動振動を発生させて
も、接続部32の厚さbが(3)式を満たすポイント
(b=0.76mm)から離れるに従い、その振幅Aは
悪化、即ち、駆動電極16,18から供給されるエネル
ギーが振動子の駆動振動に使用されることなく、振動洩
れ等となって外部に洩れ出てしまう割合が大きくなるこ
とがわかる。
【0038】なお、ステンレス鋼以外の材質からなる固
定部材6を用いた場合、及び基部10の厚さaが3mm
以外の振動子4を用いた場合であっても、略同様の結果
が得られる。以上説明したように、本実施例の角速度セ
ンサ2においては、振動子4が、細径部34が形成され
た固定部材6を介して被測定物Mに固定されるようにさ
れており、しかも、固定部材6が加工の容易なステンレ
ス鋼にて形成されている。
【0039】従って、本実施例によれば、固定部材6の
細径部34を駆動振動の振動中心に精度よく形成できる
ので、細径部34を形成したことで振動子4の振動のバ
ランスを劣化させてしまうことがなく、また、この細径
部34が形成されていることにより、振動の節が略一定
位置に固定されるため、駆動振動は、非常に安定したも
のとなり、当該角速度センサ2の検出感度を一定にする
ことができる。
【0040】また、本実施例によれば、固定部材6の接
続部32の厚さbが(3)式に基づき、駆動振動の振幅
Aが最大となるように設定されているので、当該角速度
センサ2の検出感度を、最大限に引き出すことができ
る。このように、振動子4とは別体に形成され細径部3
4を有する固定部材6により被測定物Mに固定された角
速度センサ2からは、感度変動がなく、しかも信号レベ
ルの大きい検出信号、即ちSN比の優れた検出信号が得
られることになり、従って、本実施例によれば、当該角
速度センサ2を、検出信号のSN比を劣化させることな
く被測定物Mに固定できる。
【0041】ところで、上記実施例においては、基部1
0の厚さa,及び接続部32の厚さbが、(3)式を満
たすように設定されているが、基部10の厚さaが小さ
い場合や、固定部材6のヤング率Ebが大きい場合に
は、接続部32の厚さbを、非常に小さなものとしなけ
ればならないため、加工精度の困難さや強度上の問題か
ら、実現することが不可能な場合がある。
【0042】しかしながら、駆動信号の振幅Aが、
(3)式を満たすように設定した場合の振幅Aの90%
以上の範囲にあれば、従来装置に比べて充分に検出信号
のSN比を改善することができ、実用上何等問題なく使
用できる。従って、この条件を満たす領域を研究し探し
た結果、次式のような関係式が導かれた。
【0043】 (3)式を用いて具体的に接続部32の厚さbを算出し
た時の条件を、この(4)式に当てはめると、ステンレ
ス鋼からなる固定部材6の接続部32の厚さbは、1.
33mm以下となり、上記実施例の0.76mmに比べ
て、略倍近くまで許容されることになる。従って、
(4)式を用いて接続部32の厚さbの設計を行えば、
上記実施例に比べて、広い範囲の寸法を適用することが
可能となる。
【0044】なお、(4)式は、図5に示した測定結果
等を用いて実験的に求めたものであり、固定部材6の材
質は、ステンレス鋼に限らず、銅など他の材質であって
も、満たすものである。次に第2実施例について説明す
る。
【0045】図6は、第2実施例の角速度センサ42の
全体構成を表す斜視図である。図6に示すように、本実
施例の角速度センサ42は、第1実施例の角速度センサ
2と同様に、圧電体単体からなり、表面に各種電極が配
設された振動子44と、ステンレス鋼からなり、振動子
44と被測定物Mとの間に介在して、振動子44を被測
定物Mに固定するために使用される固定部材46とによ
り構成されている。
【0046】このうち、振動子44は、四角柱状に形成
され、第1実施例の振動子4に形成されたものと全く同
様の機能を有する駆動電極16,18(なお、いずれか
一方は制御電極として使用する)、処理電極24、検出
電極26、共通電極30を備えている。
【0047】一方、固定部材46は、X軸に沿った幅
が、振動子44の底面44aの幅より狭い四角柱状に形
成されている。そして、角速度センサ42は、固定部材
46が振動子44の中心部に位置するように、固定部材
の接続面46aと振動子の底面44aとを接着し、更
に、固定部材46の固定面46bを被測定物Mの所定位
置に固定した状態にて使用される。
【0048】以上のように構成された角速度センサ42
においては、まず、第1実施例と全く同様に、振動子4
4の分極方向が図中白抜き矢印にて示す方向になるよう
に分極処理がなされる。その後、駆動電極16(又は1
8)に、所定周波数の交流信号を印加すると、振動子4
4は励振され、固定部材46を節としてX軸に沿った振
動(駆動振動)を繰り返す。このように振動子44が駆
動振動している時に、Z軸回り角速度Ωが加えられる
と、振動子44は、第1実施例のアーム部12と全く同
様に作用して、検出電極26から回転の角速度Ωに比例
した検出信号が得られる。
【0049】以上説明したように、本実施例の角速度セ
ンサ2においては、振動子44が、振動子44の幅より
狭幅に形成された固定部材46を介して被測定物Mに固
定されるように構成されている。従って、本実施例によ
れば、固定部材46全体が、第1実施例の細径部34と
同様に作用することにより、振動子44の振動の節は略
一定位置に固定され、しかも、精密な加工の困難な振動
子44を加工することなく、固定部材46を取り付ける
だけ、このような振動の節となる幅の狭い部分を形成で
きるので、駆動振動のバランスを劣化させることもな
い。その結果、第1実施例と同様に、当該角速度センサ
42を、検出信号のSN比を劣化させることなく被測定
物Mに固定できるという効果を得ることができる。
【0050】以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲において様々な態様にて実
施することができる。例えば、固定部材6,46の形状
は、第1実施例の断面H状、第2実施例の四角柱状に限
らず、図7(a)〜(e)に示すようなものでもよい。
【0051】即ち、上記実施例では細径部34や固定部
36の形状を、断面四角形に形成しているが、図7
(a)(d)(e)に示すように、例えば断面円形に形
成してもよく、少なくとも駆動振動の振動方向に対称性
があればどのような形状にしてもよい。また、上記実施
例では細径部34を1個で構成しているが、図7(c)
に示すように、2個,或はそれ以上の支柱を振動子4の
幅より狭い所定範囲内に左右対称となるように配置する
ことで構成してもよい。更に、図7(b)(c)(d)
に示すように、固定部36を省略してもよい。又更に、
上記実施例では固定部材6を、振動子4と被測定物Mと
が同一線上に並ぶような配置で固定するように構成して
いるが、図7(c)(e)に示すように、振動子4の底
面4aと、被測定物Mの固定面とが直交するような配置
で固定するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例の角速度センサ2の全体構成を表
す斜視図である。
【図2】 角速度センサ2の正面図、及び右側面図であ
る。
【図3】 角速度センサ2の振動子4の動きを表す説明
図である。
【図4】 振動子4の基部10、及び固定部材6の接続
部32の寸法を表す説明図である。
【図5】 接続部32の寸法と振動子4の振幅との関係
を表すグラフである。
【図6】 第2実施例の角速度センサ42の全体構成を
表す斜視図である。
【図7】 固定部材6,46の他の形状を表す説明図で
ある。
【符号の説明】
2…角速度センサ 4,44…振動子 6,4
6…固定部材 10…基部 12,14…アーム部 16,1
8…駆動電極 20…制御電極 24…処理電極 26,28
…検出電極 30…共通電極 32…接続部 34…細径
部 36…固定部 42…角速度センサ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電体単体からなる振動子を備え、該振
    動子の一端を固定した状態で該振動子を所定方向に励振
    させると共に、励振時に励振方向とは直交する所定方向
    の振動状態を検出することにより、該振動状態から振動
    子に加わった所定軸回りの角速度を検出する角速度セン
    サにおいて、 上記振動子の固定端に、該振動子とは別体に形成され、
    該振動子と外部から角速度を受ける被測定物との間に介
    在して該振動子を被測定物に固定するための固定部材を
    設け、 該固定部材は、上記振動子の振動中心に上記振動子の幅
    より狭く形成された細径部を有することを特徴とする角
    速度センサ。
  2. 【請求項2】 上記細径部は、上記振動中心に対して左
    右対称に設けられていることを特徴とする請求項1に記
    載の角速度センサ。
  3. 【請求項3】 上記固定部材は、上記振動子との接続部
    が、上記振動子の固定端と同じ形状に形成されているこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2に記載の角速度
    センサ。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の角速度センサにおい
    て、 上記振動子は、上記接続部に接続される基部と、該基部
    から上記接続部とは反対側に立設された一対のアーム部
    とからなる音叉形状に形成され、 更に、上記振動子の基部の厚さをa,及び上記固定部材
    の接続部の厚さをb、上記振動子及び上記固定部材のヤ
    ング率を夫々Ea,Ebとした場合に、 Ea・a=Eb・b なる関係が成り立つように形成されていることを特徴と
    する角速度センサ。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の角速度センサにおい
    て、 上記振動子は、上記接続部に接続される基部と、該基部
    から上記接続部とは反対側に立設された一対のアーム部
    とからなる音叉形状に形成され、 更に、上記振動子の基部の厚さをa,及び上記固定部材
    の接続部の厚さをb、上記振動子及び上記固定部材のヤ
    ング率を夫々Ea,Ebとした場合に、 なる関係が成り立つように形成されていることを特徴と
    する角速度センサ。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載の角速度センサにおいて、 上記振動子は、四角柱状に形成されていることを特徴と
    する角速度センサ。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6のいずれかに記
    載の角速度センサにおいて、 上記振動子と上記固定部材とは、厚さが20μm以下の
    接着層を介して固定されていることを特徴とする角速度
    センサ。
JP7156095A 1994-11-28 1995-06-22 角速度センサ Pending JPH095087A (ja)

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