JPH09506790A - 椎間脊椎の融合のための補綴埋め込み部材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ブロックあるいはプラグの埋め込み部材が脊柱中の隣接する椎骨のための重量を担う支持を与えており、かつそれらは骨の治癒および融合を可能にするように自家組織の骨の移植片の詰め込みのためにそのプラグ間およびその側面に十分な領域を作っている。このプラグは内部への骨成長あるいは側部からの血液の供給を可能にし、かつこの恒久的な装置を生きている骨と共に所定の位置にロックすることが出来る横方向に向けられたスロットを有している。このプラグは椎骨をつかむためのパターン化された表面を有している。Ｌ４−５およびＬ５−Ｓ１における融合のために使われるプラグはこれらの椎間板の正常な形を再生するためにウェッジ型にされており、このプラグは後方に比べて前方が高くなっている。プラグの高さはその幅よりも大きい。この埋め込み部材は生物学的に適合可能なカーボン繊維強化型のポリマーから構成されており、あるいはその代案としてクロムコバルト、ステンレス鋼、あるいはチタンのような典型的なな整形外科用埋め込み部材から構成されている。外科手術に際しては隣接する椎骨を継いでいる損傷を受けていない環状の繊維質の椎間板組織は残して置かれる。そして側面が隣接した一対の埋め込みプラグが残っている環状体を引き延ばしかつ椎骨を通して加えられる体重を支持するように隣接する椎骨中に設けられた側面が隣接する横方向に延びるチャンネル中に押し込まれる。そのプラグは皮質骨上のチャンネル中でその底面を接しかつ骨の内部成長および融合はプラグの中央部へおよび隣接する２つのプラグの側面およびその間に患者自身の移植片を詰め込むことによって容易に行われる。

Description

【発明の詳細な説明】 発明の名称 椎間脊椎の融合のための補綴埋め込み部材発明の背景 発明の分野 本発明は椎間板が崩壊したかあるいは変質した患者の背中あるいは首の痛みを 治療あるいは阻止するために隣接する椎骨間に埋め込まれる補綴装置に関する。 もっと具体的に云うと、本発明は巾よりも高さの方が高い隣接する椎骨を支持す るための実質的に広い表面を粗らされた頂部および底部の表面領域を有しかつ外 科手術によるそれらの埋め込に際して要求されている露出部分の損傷および神経 の根元の収縮を最少に留めるために狭くて滑らかな側面を有する長方形あるいは もっと具体的には平行六面体の形をした隣接する椎骨からの骨の内部への成長を 容易にするプラグあるいはブロックの形をした補綴用のつっ張り支柱の改良に関 する。このプラグは骨の移植片材料を詰め込むための受け部を与えるための水平 あるいは横方向のスロットを有しており、その先端にはテーパーが付いており、 その後端は埋め込みの際の道具を受け入れることが出来るようになっており、か つ手術後の骨の回復を目で見ることが出来るようにＸ線透過型の堅い不活性の材 料から構成されている。従来技術についての説明 私の米国特許第4,743,256 、4,834,757、4,878,915 、および5,192,327 で指 摘したように、下部の背中の痛みの主たる原因は腰部の椎間板の崩壊あるいは変 質によるものである。下端部の痛み（座骨痛）は椎骨間の損傷した椎間板によっ て脊椎神経根が圧迫されることによって引き起こされ、また下方の背中の痛みは その椎間板の崩壊および損傷した不安定な椎骨の結合部を通して体の重量の大半 を担うと云う逆の作用によって引き起こされている。 後方腰椎体内融合（posterior lumbar interbody fusion,ＰＬＩＦ）を利用し た椎間板の摘出は身体と神経系構造間の正常な解剖学的関係を再構成し多くの利 点を有している。椎骨間の硬い骨が融合した塊体を通して体重を支えることによ って、従来からの不安定な変質した椎間板の機械的な痛みは柔らげられかつ一般 的に長期に渡る椎間板の崩壊あるいは一層変質して行くことを防止する。椎間板 の完全摘出はその変質した椎間板のヘルニアの再発を防止する。 しかし、このＰＬＩＦ手法は幾つかの重大な欠陥を持っている。即ちこれは技 術的に非常に難しくかつ従ってなかなかうまく行かない、あるいは期待されてい る程広く利用されてはいない。それは椎骨によって全体重を担うつっぱり支持を 達成するために体内の骨の移植を必要としかつ恒久的な融合を達成するために移 植された骨の治癒を必要とする。 移植された骨は“徐々は進行する置換”として知られるプロセスによって治癒 することは整形外科手術の分野で良く知られている。即ち先ず毛細血管が移植さ れた骨の中に延びて 行き、この移植された骨が再吸収され、そして次に新しい骨のセルがその移植片 の骨のマトリックスに沿って植え付けられる。この骨の移植片が再吸収されてい る期間にはその重量を支える強さは少なくとも５０％低下しており、そのため移 植片がつぶれてしまい手術の失敗の原因となる。 上で指摘した私の以前に出願した米国特許第4,743,256 は骨の内部成長を容易 にする表面を持ちかつ椎骨の準備した場所に底を接する堅い不活性の埋め込み部 材を使って隣接する椎骨間の椎間板空間をまたがせ椎骨とその埋め込み部材を一 体化させかつその椎間板空間を維持しながら恒久的な重量の支持つっ張りを与え ることによって崩壊あるいは変質した椎間板によって引き起こされる脊椎による 背中の痛みを取り除くための改良した外科手術の方法を開示している。 先に指摘した私の以前に出願した米国特許第4,878,915は、準備した場所への その挿入を容易にするための道具を受け入れる端部空間を有しかつ骨の成長を促 進するため埋め込み部材の縁部に面を粗らした幾何学的なパターンを有する硬い 埋め込み部材あるいはブロックを与えることによってさらに改良した手術の手法 を開示している。 上で指摘した私の以前に出願した米国特許第 4,834,757は骨の移植材料で埋め られる貫通型のスロットの形をして凹部を有するさらに改良した補綴埋め込み部 材を開示している。 先に指摘した私の以前に出願した米国特許第5,192,327 は前方腰椎の体内融合 あるいは骨折あるいは腫瘍による椎骨の再構築のための積み重ね可能な玉子型の 埋め込み部材を開示している。 Bagby の米国特許第4,501,269 は脊椎結合部の骨を横方向にまたいで開けられ た円筒状の穴の中に着座する円筒状のバスケットを開示している。これは骨とバ スケット間の自由な揺動の回転を可能にしかつバスケット中に詰め込まれた骨の 破片はバスケット中の通穴を通してのみ連通出来るものである。バスケットの回 転をロックする手段は何ら示されておらず、かつ血液の供給はこの通穴によって 制限されている。 Ray の米国特許第4,961,740 は椎骨中の円筒状のドリル溝にねじ込むことが出 来るねじ切りされた表面を有する円筒状のドエルプラグ型の埋め込み部材を開示 している。この中空の埋め込み部材はその中に骨の移植材料を詰め込むことを可 能にしているが、その通穴は非常に小さく血液の供給による内部への成長を制限 し骨の治癒を阻害している。この装置はシリンダー状でありかつシリンダー状の 穴の中に着座しているので相対的な回転あるいは揺動を可能にしこれが骨の融合 を阻害あるいは破壊している。 Michelson の米国特許第5,015,247 は同様に椎骨柱の円筒型ドリル溝に入れら れる円筒状ドエル型プラグの埋め込み部材を開示しており、これは治癒中のプラ グと椎骨間の回転および相対的な動きを可能としている。このプラグ中に詰め込 まれた骨の移植材料は小さな穴を通してのみ椎骨と連通出来従ってこれは血液の 供給および骨の内部成長を制限する。 本発明は重量を担う支持のための大きな面積を与える穴のあいてない連続的な 頂部および底部面を有しかつ骨の成長材料で十分に満たされかつ途中に障害物無 しで椎骨に十分にさらすことが出来るように構成された内部を有する側面が互い に離間した関係にある隣接した椎骨中に設けられたはめ合い溝あるいはチャンネ ル中に埋め込まれる不活性で狭い矩形あるいは平行六面体のプラグあるいはブロ ックを提供することによってこの対象としている技術をさらに改良するものであ る。このプラグの狭い幅の寸法はこのプラグを受け入れる溝の幅を最少とし、隣 接する神経との間に互いに十分な離間距離を与えかつ移植骨の面積を増大する。 重量を担う頂部および底部表面あるいは面は椎骨中に噛み込む歯を与えるために その表面が粗らされ、望ましくは鋸歯状にされている。このプラグはまた隣接す る骨の面への損傷を防止するためおよびその挿入を容易にするために滑らかな側 面を有している。この発明は特に底部の腰椎レベルにおいて正常な脊椎配列を回 復するためにウェッジ型のプラグあるいはブロックを含んでいる。発明の要約 本発明は堅くて不活性のかつ幅の狭い椎骨補綴埋め込み用のプラグあるいはブ ロックを提供するものであり、これは幅より高さが高く、隣接する椎骨表面に噛 み込む鋸の歯あるいは突出する頂部を有している穴の無い頂部および底部の重量 を担う表面、隣接する椎骨表面に損傷を与えない滑らかな側面および同様に骨の 移植材料を詰め込むことが出来る隣接する椎骨間の空間と連通出来るように設け られた防たげることのない開いた側部の横方向の窓あるいはスロットを有してい る。この頂部および底部の重量を担う表面は望ましくは椎骨に噛み込む歯を提供 しかつ骨の内部成長を容易にするための 隣接する谷を与えるために横方向に鋸歯状にされている。 この狭いプラグは約７〜９mmの幅しか必要としない。そうしてこれらの重量を 担う頂部および底部表面にはスロットが切られていないので、これらは縦方向に スロットを切られたプラグに比べて狭いにもかかわらず重量を担う領域は増加し ている。典型的なプラグあるいはブロックはその高さが8.5 〜12.5mmである。そ して望ましくは３つのサイズ8.5 ；10.5；あるいは 12.5 mmのサイズで供給され る。 重量を担う表面から突出している歯あるいは鋸歯状の歯はその高さが0.75〜1. 5 mmでそのピーク間の距離は２〜 2.5mmである。 典型的なプラグの長さは２１〜２５mmでありかつ望ましくは３つのサイズ２１ 、２３あるいは２５mmのサイズで供給される。 プラグに設けられた典型的な水平あるいは横方向に向けられたスロットあるい は窓はプラグのほぼ全長に渡って延びておりかつ約2.5 〜3.5 mmの頂部および底 部のつっ張りを与えるに十分な幅あるいは高さである。このスロットの端部は３ 〜６mmの幅を持った強くて頑丈なつっ張り支持を与えるためにプラグの先端およ び後端から内側に離間している。 このプラグはその両側部および頂部および底部面から約30°傾斜する周縁にテ ーパーの付いた先端部あるいは鼻部を有している。 人間の脊柱の腰椎Ｌ４−５およびＬ５−Ｓ１のレベルのためのウェッジ型のプ ラグがこの発明によって与えられる。このプラグは正常な椎間板輪郭の回復およ び矢状縫合面の配列 を可能にするように後方より前方が高くされている。この点は底部の２つの腰椎 の椎間板、Ｌ４−５およびＬ５−Ｓ１について非常に重要なことである。 このウェッジ型プラグの典型的な後方の高さは8.5 〜12.5mmであり望ましくは ３つの寸法8.5 、10.5 あるいは12.5mmのサイズで供給される。このプラグの前 方端の典型的な高さは１１〜１５mmであり３つのサイズ１１、１３あるいは１５ mmのサイズで供給される。こうすることによって典型的なには 2.0mm のウェッ ジ効果が生じる。 骨の移植片は同様に骨の移植片材料が詰め込まれている水平方向あるいは横方 向の側部スロットと十分に連通出来るように２つの隣接する埋め込み部材間およ びその側部に詰め込まれている。 この埋め込み部材はＰＥＥＫ（ポリエーテルケトン）あるいは Ultrapek（ポ リエーテルケトンエーテルケトンケトン）のようなカーボン繊維強化型のポリマ ーのようなＸ線透過型の材料から造られる。これらの代わりにガラスあるいはカ ーボン繊維で満たされたポリカーボネイト、ポリプロピレン、ポリエチレン、あ るいはポリスルホン型を使うことが出来る。これらの材料はＩＣＩインダストリ ーズ、デラウエア、Fiber-Riteコーポレーシヨン、ウィノア、ミネソタあるいは ＢＡＳＦから入手出来る。ステンレス鋼、チタンおよびクロームコバルトのよう なその他の整形外科用の埋め込み部材も有用である。望ましい実施例 本発明の望ましい実施例が添付した図面に図示されている。ここで： 図１はその一部が破断されて断面図で示されている人間の脊柱の低い部分の側 立面図であり、隣接する椎骨の対向する面に設けられた矩形の溝あるいはチャン ネル中に挿入されるその溝中に底面を接する最大の頂部および底部支持領域およ び骨の移植片で満たされた水平方向の窓あるいはスロットを有する滑らかな面の 側部領域を有し、損傷を受けおよびヘルニア化した組織を取り除くためにその一 部が摘出されたその間の人間の椎間板の代わりに椎骨を支持しかつ隣接する椎骨 の融合を加速するために椎骨によって再吸収される移植された骨を提供するため の本発明による狭くかつ側面が平坦な矩形あるいは平行六面体の補綴埋め込み用 のプラグあるいはブロックを図示している。 図２は図１の線II−IIに沿って取った図１の後方部分の立面図である。 図３は図２の線III−IIIに沿って取った一部立面でその他は破断断面で示した 横方向断面図である。 図４は本発明の恒久的な埋め込みプラグの望ましくい１つの形の斜視図である 。 図５は図４の埋め込みプラグの側部立面図である。 図６は図５の埋め込みプラグの支柱領域鋸歯状歯あるいは歯の断片的に拡大し た詳細図である。 図７は図４および図５の埋め込みプラグの頂部平面図である。 図８は図５の線VIII−VIIIに沿って取った端部の図である。 図９は図５の直線IX−IXに沿って取った端部の図である。 図１０は本発明の埋め込みプラグのための１つの代案であるウェッジ型のブロ ックの形態斜視図である。 図１１は図１０のウェッジ型ブロックの側面図である。 図１２は図１１の左側端部図である。 図１３は図１１の右側端部図である。望ましい実施例についての説明 図１から３において、参照番号１０は全体として本発明の補綴埋め込みブロッ クあるいはプラグ１１に支持された隣接する椎骨を有する人間の椎骨中の底部を 図示している。 図１において、椎骨柱１０は番号１〜５をふった５つの底部の椎骨を示してい る。隣接する椎骨２および３および隣接する椎骨３および４は本発明の補綴埋め 込みブロックあるいはプラグ１１によって分離されかつ支持されている。椎骨１ および２および椎骨４および５は隣接する椎骨間に椎間板空間１３を維持しなが ら健全なあるいは変質していない人体の椎間板によって支持されかつ分離されて いる様子を図示している。 自然のままの人間の椎間板１２の損傷を受けた部分が埋め込みブロックあるい はプラグ１１によって椎間板の空間１４を維持しながら椎骨２および３および３ および４から摘出されている。椎骨間の椎間板１２の健全な環状組織は出来るだ け多く残しておくことが望ましい。そうすると残った椎間板の組織１２ａは少な くとも部分的にこの埋め込み部材を包囲 しかつこれらの埋め込み部材によってテンションがかかった状態に保持される。 しかし、これらの残った椎間板の組織の幾らかはこれらの埋め込みプラグのため の空間を空けるために摘出されねばならぬこともある。 その間に損傷を受けた椎間板を有する隣接する椎骨の対向面は脊椎柱１０の軸 を横断する。そこに切り込まれた側面を平坦にそろえた矩形のチャンネルあるい は溝１５を有している。これらの横方向に延びるチャンネル１５は中央の柔らか い海綿状の骨をまたぐために十分な深さと幅を有しておりかつ隣接する椎骨の堅 い皮質骨を含んでいる。椎骨間に残す損傷されていない人間の椎間板１２は出来 るだけ多くの健全な環状の繊維組織がその埋め込み部材を取り囲めるように埋め 込み部材１１を受け入れるように切り込みあるいは刈り込んで整えられる。 望ましい平坦な側面を有する矩形のチャンネルは埋め込み部材がぶつかること が出来るように盲端部１６を有する。図２および３に示すように、この埋め込み 部材１１は横方向に延びるチャンネル１５中に真直ぐに挿入される一対の側面が 隣接した矩形（具体的には平行六面体）のプラグの形をしている。これらのチャ ンネルは矩形プラグの頂部および底部端あるいは面および側面部をしっくりと抱 きかかえるように平坦な底部および側壁を有している。椎骨の柔らかい海綿状の 骨は図３に１７として図示されておりかつこれは堅い皮質骨１８によって包囲さ れている。このチャンネル１５はこの堅い皮質骨の部分を含んでおり従ってこの 埋め込み部材は柔らかい海綿状の骨をまたぎそして堅い皮質骨１８上に留まっ ている。 このチャンネルはほぞ穴を切るのみによって形成することが出来、そして椎間 板組織１２ａがそのプラグ１１の道を閉ぐ時には、その道を開くためにその組織 は刈り込んで整えるかあるいは押し広げられる。 埋め込みプラグあるいはブロックは上で説明したように剛体、不活性、中実、 矩形（平行六面体）、幅狭、幅より高さが高くかつ高さより長さが長い。 これらのプラグ１１は平坦で連続したスロットの無い頂部および底部１１ａ、 平坦で滑らかな側部１１ｂ、平坦な前端壁１１ｃおよび平坦な後端壁１１ｄを有 している。この前端壁１１ｃはコーナー１１ｆを有するテーパーの付いた平坦な 側壁１１ｅによって包囲された縮少された矩形の鼻部に面取りされている。後端 壁１１ｄは内側にネジ切りされた盲の軸穴１１ｇをその壁の中央のところに有し ている。 このプラグの頂部および底部１１ａはそれを横切る横方向の歯あるいは鋸の歯 １９を有して連続しておりかつスロットが切られていない。これらのの歯は傾斜 の付いた側壁１９ｂを有する鋭い尖ったピーク１９ａおよびこのピーク間の谷部 １９ｃを有している。これらのピーク１９ａはプラグが装着された時隣接する椎 骨の面に噛み込み、一方これらの谷部１９ｃは骨の移植片材料を受け入れるかあ るいは骨の内部成長のために開けたままにして置くことが出来る。 外科手術の進行中には、隣接する椎骨はチャンネルが切り込まれた椎骨間の繊 維質の椎間板繊維を引き延ばすためにテンションがかけられている。チャンネル １５の位置決めをす るためにその組織中にスロットが切り込まれる。隣接する椎骨を接続しかつ挿入 されたブロック１１を取り囲んでいる環状の繊維組織を残しながら損傷した椎間 板１２から細胞核のパルプ質部を取り除くことが望ましい。挿入具２０がブロッ ク１１の後端壁１１ｄのネジ切りされたタップ付き端部穴１１ｇにネジ込まれる 。 プラグ１１はその滑らかな側面にその長手方向の軸に沿って障害物の無い開放 端を有する単一の水平方向スロット２１を有している。この水平スロットは全体 的にその形状は長方形でありかつ丸みを付けた端部２１ａとすることも出来る。 このスロットは望ましくはその高さがブロックの高さの約1/3でありかつその長 さはブロックの前後端１１ｃおよび１１ｄの近くまで延びている。スロットのこ れらの端部の厚さは最も不利な条件下で椎骨の全負荷をこのプラグが受けた時そ の高さを維持出来るに十分に堅い接続脚を提供出来るものである。 このスロット２１には骨の移植片材料２２が詰め込まれている。この骨の移植 片材料はこのプラグ間およびその側部および椎骨間の椎間板空間のプラグの囲り にも詰め込まれている。 歯１９は望ましくはチャンネル１５の対向する平坦な底部にしっかりと噛み込 む鋸の歯状の歯を与えるようにプラグの頂部および底部１１ａの幅全体に渡って 延びている。外科手術の進行中にこのチャンネルあるいは溝中に底部に接する時 には隣接する椎骨間の椎間板空間は出来ればプラグの高さを越えて広げられる。 そしてプラグの滑らかな側面１１ｂは溝 の側面を傷付けること無くチャンネル中に滑り込まされる。挿入具２０はかくし て溝中の所定の位置にそのプラグをゆっくりと導くことが出来、そしてそのプラ グの幅は狭いのでそれらを受け入れる溝あるいはチャンネルもその幅を小さくす ることが出来、従って椎骨の隣接する神経との間に十分なスペースを取ることが 出来、従ってその手術の技術を非常に容易なものにする。 プラグがそれらの溝およびチャンネル中に着座した後椎骨を広げることによっ て引き起こされていたテンション負荷がはずされると、押し広げられていた椎間 板の組織が椎骨面を互いに引き寄せることを許し、その結果プラグを所定の位置 に固定しそしてかつそれをチャンネルあるいは溝の底にしっかりと底部を接する ように鋭い歯および鋸の歯を係合せしめる。この歯は治癒時に椎骨とプラグ間の いかなる相対的な動きをも阻止するようにしっかりと固定する。プラグの面取り された先端部はこれを受け入れる椎骨のチャンネルあるいは溝中の適切な位置へ のプラグの挿入を容易にする。この挿入具はプラグが椎骨チャンネルあるいは溝 中に適切に着座した時プラグのネジ切り穴１１ｇから取り除かれる。 図１０から１３に示した変形例１０ａにおいては図１−９の実施例に適用した と同じ参照番号がプラグの同じ部分を示すのに使われている。しかし、この実施 例１０ａにおいてはプラグ３０はウェッジ効果を与えるために後方端３２より高 い前方端３１を有するウェッジ型に形成されている。従ってこのプラグ３０は隣 接する椎骨中に切り込まれたチャンネルあるいは溝の後端部が椎骨の前方側より も近くに引っ張られ ることを可能にしている。しかし、このチャンネルはプラグ１０について上で説 明したように同じ深さに切り込まれているので、離間させられた隣接する椎骨へ のテンション負荷が取り除かれた時には対向する椎骨面はそのプラグと十分に着 座する係合状態になるように引き付けられる。その結果正常な椎間板輪郭の回復 および矢状縫合面の配列が可能となる。この特徴は底部の２つの腰椎椎間板Ｌ４ −５およびＬ５−Ｓ１にとって重要である。手術の進行に際して、プラグの全長 に渡って十分な噛み込み係合を達成するために椎骨の対向面を互いに引き寄せる ことが出来るように、引けば締まるような輪になった縫合糸を使っても良い。 ここまで望ましい実施例に関連して本発明を説明してきたが、本発明はこれら の実施例に限定されるものではなく、以下で定義される発明の範囲内において種 々の変更修正が行われ得るものである。

【手続補正書】特許法第１８４条の７第１項 【提出日】１９９５年５月９日 【補正内容】 補正請求の範囲 １．隣接する椎骨の端面中にその長さ方向に沿って均一の深さに切り込まれた底 部を備え、その椎骨を共に融合することを容易にする骨の移植片材料を阻害する こと無しに供給出来るように構成された後方から前方に横切り開放端および平坦 な側面を備えたチャンネルを有する脊柱中の隣接する椎骨間の正常な椎間板空間 を維持するための手術用の補綴装置であって、この補綴装置は頂部、底部、側部 および端部壁によって画成される矩形のウェッジ型ブロックを有しており、上記 ブロックはその幅より高さが高くかつ高さよりも長さが長く構成されており、上 記頂部および底部壁は穴無しでかつチャンネルの前端から後端に向けて収斂する ように方向付けられており、従ってチャンネル中にブロックを受け入れた時椎骨 が共に引き寄せられ、正常な椎間板輪郭と矢状縫合面の配列を回復することを可 能にしており、上記ブロックの側部壁はチャンネル側部の損傷を阻止するように 滑らかに構成されており、上記側部壁はまたブロックの囲りに詰め込まれる骨の 成長材料を受け入れるための室を与えるスロットを有しており、ブロックの端部 壁の１つはチャンネル中へのブロックの挿入を容易にするための道具受け入れ凹 部を有しており、かつブロックの頂部および底部壁はチャンネルの底部と噛み合 うための歯を有していることを特徴とする外科用の補綴装置。 ２．請求項１に記載の装置であって、上記ウェッジ型のブロ ックは後方端に比べて約２mm高い前方端を有することを特徴とする装置。 ３．ブロックは約８．５〜１２．５mmの後方端高さおよび約１１〜１５mmの前方 端高さを有することを特徴とする請求項１記載の装置。 ４．その長さ方向に沿って均一な深さの一対の横方向に離間した椎骨の後方から 前方に向かう矩形のチャンネルを調した脊柱中の椎間板をはさんで離間して隣接 した椎骨を共に融合するために構成された外科用の補綴装置であって、この装置 は幅より高さが高くかつ高さより長さの長い不活性で狭い強固なウェッジ型プラ グを有し、上記プラグは頂部、底部、側部および端部壁から構成されており、上 記プラグの頂部および底部壁は穴無しでかつ隣接する椎骨の底部壁と共働するロ ック手段を有し、上記プラグの頂部および底部壁はまたチャンネルの後方端に向 かって収斂するように傾斜が付けられており、上記プラグの側部壁はそのプラグ の隣接する椎骨への融合を容易にする骨の成長材料を受け入れるためのそこを貫 通するスロットを有し、かつプラグの頂部および底部壁を上記隣接する椎骨のチ ャンネルの底壁上にその底を接しかつプラグの頂部および底部壁の傾斜によって 正常な椎間板の輪郭を回復しかつ椎骨の矢状縫合配列を維持するよう椎骨を互い に引き寄せることを許すように上記プラグは隣接する椎骨間へのプラグの挿入を 容易にするための道具受け入れ部を有することを特徴とする装置。 ５．上記ロック手段は隣接する椎骨中に噛み込むように構成された歯であること を特徴とする請求項４に記載の装置。 ６．上記スロットはプラグの長手方向に延びていることを特徴とする請求項４に 記載の装置。 ７．上記プラグの側部壁は滑らかであることを特徴とする請求項４に記載の装置 。 ８．上記道具受け入れ部分はプラグの一方の端部壁に設けられた凹部であること を特徴とする請求項４に記載の装置。 ９．隣接する椎骨面中に横方向に離間して後方から前方に向かう一対の矩形のチ ャンネルを備えた脊柱中の離間して隣接した椎骨を共に融合するように構成され た一対のウェッジ型補綴装置であって、この一対の装置の各々は融合機能とは別 の穴の無い支持機能を有しており、上記装置は頂部、底部、側部および端部壁に より画成された一対のウェッジ型をした不活性で剛体のプラグを有しおり、上記 プラグの各々は実質的に高さより幅が狭くかつ高さより長さが長く構成されてお り、上記頂部および底部壁はチャンネルの底部と係合する表面を有しており、か つプラグを受け入れるチャンネルの後方端に向かってその長さ方向に沿って収斂 するように方向付けられており、上記側部壁はチャンネルの側部に面するように 形成され骨の成長を受け入れる窓を備えた滑らかで平坦な面を有しており、かつ 各プラグの上記端部壁の１つはチャンネルへのプラグの挿入を容易にするための 道具受け入れ凹部を有していることを特徴とする一対のウェッジ型補綴装置。 １０．各々のプラグの窓はプラグを貫通するスロットであることを特徴とする請 求項９に記載の装置。 １１．上記窓はプラグを貫通する水平方向スロットによって与えられていること を特徴とする請求項９に記載の装置。

───────────────────────────────────────────────────── 【要約の続き】 い環状の繊維質の椎間板組織は残して置かれる。そして 側面が隣接した一対の埋め込みプラグが残っている環状 体を引き延ばしかつ椎骨を通して加えられる体重を支持 するように隣接する椎骨中に設けられた側面が隣接する 横方向に延びるチャンネル中に押し込まれる。そのプラ グは皮質骨上のチャンネル中でその底面を接しかつ骨の 内部成長および融合はプラグの中央部へおよび隣接する ２つのプラグの側面およびその間に患者自身の移植片を 詰め込むことによって容易に行われる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．隣接する椎骨の端面中にその長さ方向に沿って均一の深さに切り込まれ、そ の椎骨を共に融合することを容易にする骨の移植片材料を阻害すること無しに供 給出来るように構成された後方から前方に横切り開放端および平坦な側面を備え たチャンネルを有する脊柱中の隣接する椎骨間の正常な椎間板空間を維持するた めの手術用の補綴装置であって、この補綴装置は頂部、底部、側部および端部壁 を有する矩形のウェッジ型ブロックを有しており、上記ブロックはその幅より高 さが高くかつ高さよりも長さが長く構成されており、上記頂部および底部壁は穴 無しでかつチャンネルの後端から前端に向けて収斂するように構成されており、 従ってチャンネル中にブロックを受け入れた時椎骨が共に引き寄せられ、正常な 椎間板輪郭と矢状縫合面の配列を回復することを可能にしており、上記ブロック の側部壁はチャンネル側部の損傷を阻止するように滑らかに構成されており、上 記側部壁はまたブロックの囲りに詰め込まれる骨の成長材料を受け入れるための 室を与えるスロットを有しており、ブロックの端部壁の１つはチャンネル中への ブロックの挿入を容易にするための道具受け入れ凹部を有しており、かつブロッ クの頂部および底部壁はチャンネルの底部と噛み合うための歯を有していること を特徴とする外科用の補綴装置。 ２．脊柱中の離間した隣接する椎骨を共に融合するための外 科用補綴装置であって、この装置は幅より高さが高く高さより長さの長い不活性 で幅の狭い剛体のウェッジ型プラグを有しており、上記プラグは頂部、底部、側 部および端部壁を有しており、上記頂部および底部壁は穴無しでありかつ隣接す る椎骨と共にロックするための手段を備えており、上記頂部および底部壁はまた 傾斜が付けられておりかつ一方の端部壁に向けて収斂しており、上記側部壁は隣 接する椎骨へのプラグの融合を容易にするための骨成長材料を受け入れるための それを貫通するスロットを有しており、かつ上記プラグは上記頂部および底部壁 が上記隣接する椎骨上にその底を接するようにかつ上記頂部および底部壁の傾斜 が椎骨の矢状縫合配列を維持出来るように隣接する椎骨間にそのプラグの挿入を 容易にするための道具受け入れ部分を有していることを特徴とする外科用の補綴 装置。 ３．隣接する椎骨面中に横方向に離間して後方から前方に向かう一対の矩形のチ ャンネルを備えた脊柱中の離間して隣接した椎骨を共に融合するための一対のウ ェッジ型補綴装置であって、この一対の装置の各々は融合機能とは別の穴の無い 支持機能を有しており、上記装置は頂部、底部、側部および端部壁を有する一対 の全体として平行六面体の不活性で剛体のプラグを有しおり、上記プラグの各々 は実質的に高さより幅が狭くかつ高さより長さが長く構成されており、上記頂部 および底部壁はチャンネルの底部と係合する表面を有しており、かつプラグを受 け入れるチャンネル の前方端に向かってその長さ方向に沿って収斂するように構成されており、上記 側部壁はチャンネルの側部に面して骨の成長を受け入れる窓を備えた滑らかで平 坦な面を有しており、かつ上記端部壁の１つはチャンネルへのプラグの挿入を容 易にするための道具受け入れ凹部を有していることを特徴とする一対のウェッジ 型補綴装置。 ４．請求項１に記載の装置であって、上記ウェッジ型のブロックは後方端に比べ て約２mm高い前方端を有することを特徴とする装置。 ５．ブロックは約８．５〜１２．５mmの後方端高さおよび約１１〜１５mmの前方 端高さを有することを特徴とする請求項１記載の装置。 ６．上記ロック手段は隣接する椎骨中に噛み込むように構成された歯であること を特徴とする請求項２に記載の装置。 ７．上記スロットはプラグの長手方向に延びていることを特徴とする請求項２に 記載の装置。 ８．上記プラグの側部壁は滑らかであることを特徴とする請求項２に記載の装置 。 ９．上記道具受け入れ部分はプラグの一方の端部壁に設けられた凹部であること を特徴とする請求項２に記載の装置。 １０．各々のプラグの窓はプラグを貫通するスロットであることを特徴とする請 求項３に記載の装置。 １１．上記窓はプラグを貫通する水平方向スロットによって与えられていること を特徴とする請求項３に記載の装置。