JPH09506769A

JPH09506769A - 魚用成長促進組成物及びその使用方法

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Publication number: JPH09506769A
Application number: JP7517011A
Authority: JP
Inventors: ジェイコブズ，マーティン・ジェイ; ハート，フレッド・ジェイ
Original assignee: マリンクロッド・ヴェタラネリィ・インコーポレイテッド
Priority date: 1993-12-15
Filing date: 1994-12-14
Publication date: 1997-07-08
Anticipated expiration: 2017-07-29
Also published as: CN1048384C; NO962450D0; NO962450L; WO1995016359A1; JP3308541B2; AU1404495A; CN1137223A; US5593978A; EP0734209A1

Abstract

(57)【要約】低レベル用量のゼアララノールを魚に投与するすることを含む魚の成長を促進する方法。ゼアララノールは、飼料中の１〜２０ｐｐｍの範囲の比較的低い量のゼアララノールで通常の飼料混合物を補強した新規な魚飼料調合物によって魚に都合よく投与するすることができる。別の態様では、ゼアララノールは、成長過程をさらに高める、ゼアララノールとシクロデキストリン化合物との新規な錯体の形で魚に投与することができる。

Description

【発明の詳細な説明】魚用成長促進組成物及びその使用方法発明の背景発明の分野本発明は一般に水産養殖及び魚養殖に関するものであり、特に魚の加速成長と高い飼料転換効率を促進する組成物及びその新規な使用方法に関する。関連技術の説明食用及びその他の商業的又は娯楽的の目的で海水魚及び淡水魚を生産することは米国をはじめ世界中で急成長している産業である。製品需要を満たすため及び高い収量を持続させるため、水産養殖業者は魚の成長を高め、促進する方法の開発に長い間努力してきた。この目的のために、成長に貢献する、ストレスのない魚養殖環境を与える水質及び病気の管理技術がこれまで用いられ、現在も開発が続けられている。さらに、栄養学的研究により、可能な最大成長を達成するように、各種の魚が必要とする栄養素のタイプと量についての知見が得られている。畜産業でのよく知られた成功に誘発されたこともあって、水産養殖業者も、家畜において組織の加速成長を促し、飼料転換効率を高め、脂肪に対する赤味の比率を増すことが知られている種々の方法を検討してきた。例えば、成長ホルモン（ＧＨ）の放出を促す特別に調製されたポリペプチド配列体を家畜に投与すると正の成長応答が認められている。ポリペプチドは現在では魚の脳下垂体ホルモンの放出を同様に促すように開発されている。ボーガン（Vaughan）らの米国特許第４，８４３，０６４号。この方法は魚の成長を促進する点で有用であると伝えられているが、これを水産養殖に用いる場合、いくつかの実用上の欠点がある。最もよく知られているのは、ＧＨ刺戟ポリペプチドは一般に腸管外注射又は移植により魚に投与する必要があるということである。それは、経口投与を行うと、消化管内の消化酵素がポリペプチド鎖を切断し、破壊すると考えられるからである。腸管外投与は選択された家畜の急速成長を促進する飼育目的に適しているかも知れないが、商業的漁業操作における成長促進の方法としては実行可能な又は原価効率のよい方法とは一般に考えられない。水産業者はまた、成長を高める方法として魚にステロイド類を投与することを検討した。アンドロゲン化合物とエストロゲン化合物のいずれも家畜産業において広く用いられ、大きな成功をおさめたが、魚での結果は現在のところさまざまである。例えばアンドロゲン化合物、特にアンドロゲンメチルテストステロンは魚に正の成長促進効果を示した。ドナルドソン，イー・エム、ユー・エッチ・エム・ファガーランド、ディー・エー・ヒッグス及びジェー・アール・マックブライド著、１９７９年、「ホルモンによる成長増進」（“Hormonal Enhancement o f Growth”）、４５５〜５７８頁、ダブリュー・エス・ホアー、ディー・ジェー・ランダル及びジェー・アール・ブレット〔編〕魚生理学（Fish Physiology）、第８巻、アカデミック・プレス刊、ニューヨーク，ニューヨークを参照。しかし、メチルテストステロンは癌との結び付きが立証されたため、特に、消費される魚に残る残留物が人間に与える影響に関する懸念から、魚養殖に用いる望みを減少した。一方、エストロゲン化合物の投与は魚にほとんど成長増進効果を示さなかったし、魚の甲状腺レベルに負に作用して、ある種の魚では成長を抑制することさえあった。マリソン，ジェー・エー、シー・ディー・ベスト、ティー・ビー・カイエス、シー・エッチ・アマンドソン及びビー・シー・ウェントワース著、１９８５年、「イエローパーチにおけるホルモンによる成長促進及びエストラジアル−１７に応答した寸法関連差に対する証拠」（“Hormonal Growth Promot ion and Evidence for a Size-Related Difference in Response to Estradial- 17 in Yellow Perch.(Perca flavesens)”）、カナダ魚水産養殖科学雑誌（Cana dian Journal of Fisheries and Aquatic Science）４２１６２７−１６３３頁を参照。前記に鑑み、本発明の主要な目的は、商業的漁業操作において使用に便利でかつ原価効率が高い魚成長促進組成物を提供することである。本発明の他の目的は、魚の重量増加速度を加速させる組成物及びその使用方法を提供することである。本発明の関連目的は、魚の脂肪に対する赤味の比率を増大させる組成物及びその使用方法を提供することである。本発明の別の目的は、魚に都合よく口から投与することができる成長促進組成物を提供することである。本発明のさらに別の目的は、魚飼料に補強剤として加えると魚の成長促進に有効である組成物を提供することである。本発明の別の目的は、魚の加速成長を効果的に促進する飼料調合物を提供することである。本発明のさらに他の目的は、若いバラムンダ（ラテス・カルセリファー）（Ba rramundi fish（Lates calcerifer））の成長を促進する組成物及びその使用方法を提供することである。本発明の他の目的は、消費できる魚に使用して比較的安全である促進組成物及びその使用方法を提供することである。発明の要約上記及びその他の目的は、魚に投与する成長促進組成物であって、該組成物が式を有するゼアララノールとして知られる化合物を含む該組成物によって達成される。他の条件を同じにして、魚飼料を少量のゼアララノールで補強したとき、体重増加による成長速度は有意に（Ｐ＜０．０５）高いことがわかった。この発見は特に驚くべきことである。というのは、長年にわたって当業者はエストロゲン類似化合物、特にゼアララノールが魚には効果がないと結論づけていたからである。〔エー・ジェー・マッティ著、魚内分泌学（ティンバー・プレス刊、１９８５年）（Fish Endocrinology,A.J.Matty(Timber Press,1985)）及び前記マリソン・ジェー・エーを参照〕。本発明によれば、成長促進ゼアララノール組成物は従来の飼料成分と混合されて新規な飼料調合物を提供することができる。このようにして、ゼアララノール組成物は、例えば商業的漁業における比較的大きな魚群に、便利にかつ安全に投与され、費用のかかる、やっかいな腸管外注射を必要としない。成長促進剤は常用飼料と一緒に魚に日量基準で一様に供給される。魚は一般にその大きさに応じた量の飼料を食べ尽くすので、個別的な投与を必要とせずに、魚群内の大きさの変動には無関係に各魚に適正量のゼアララノールが与えられる。成長促進組成物は公知のいずれの形状のゼアララノールも含むことができるが、本発明の好ましい態様では、ゼアララノールはゼアララノールとシクロデキストリン化合物との新規な錯体として提供される。この独特な錯体は、これまでに説明されたように、例えば魚飼料調合物中の飼料補強剤として投与されると、魚の成長増進と飼料転換効率の点で相乗効果を示すことがわかった。この態様では新規な成長促進錯体は、シクロデキストリン化合物の水溶液と溶剤系のゼアララノール溶液とを混合し、錯体を含む生成沈殿を回収することにより合成することができる。発明の詳細な説明本発明に従えば、式（式申、Ｒは水素又は置換若しくは非置換アルキル、例えばメチル、エチル、ヘキシルといった低級アルキルを表し、水素が好ましい）を有し、ゼアララノール¹として知られるレゾルシル酸が魚の体重加速増加を促進するのに十分な低レベルの使用量で魚に投与される。本発明の目的に用いられるゼアララノール成分は商業的に入手できるゼアララノール組成物を含むことができ、又は当該技術分野で周知の方法により製造することができる。１用語ゼアララノールは、テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Letter s)、パーガモン・プレス社(Pergamon Press,Ltd.) No.27,3109-14に記載の命名法に従う。一般に、ゼアララノールは微生物ジベレラ・ゼアエ（ゴードン）（Gibberella zeae (Gordon)）を培養して得られる先駆体エストロゲン化合物ゼアラレノンを変性することにより合成され、そのような変性として水素の存在下でゼアラレノンを接触還元（即ち、ラネ−ニッケル還元）してゼアララノールのジアステレオ異性体（diasteroisomers）混合物を得ることが挙げられる。この還元法は、１９６６年３月８日に発行されたホッジ（Hodge）らの米国特許第３，２３９，３４５号に一層詳細に記載されている。この米国特許を引用により本明細書に組み入れる。こうして得られたゼアララノールのラセミ混合物はさらに処理することなく、本発明におけるゼアララノール成分として用いることができる。しかし好ましい態様として、ゼアララノールジアマー（diamers）は、高融点のジアマー、即ち７α−ゼアララノールジアマーを少なくとも５０重量％又はそれ以上含むゼアララノール成分を与えるように分離される。最も好ましくは、ゼアララノール成分は、成長促進剤としての活性がより高いと考えられる７α−ゼアララノールを８５重量％を超える量で含む。ゼアララノールジアマーを分離する慣用の方法は当該技術分野で周知であり、例として１９６６年３月８日発行の米国特許第３，２３９，２４５号、１９７１年４月６日発行の米国特許第３，５７４，２３５号及び１９７２年８月２９日発行の米国特許第３，６８７，９８２号に記載の方法が挙げられ、これらの米国特許を引用により本明細書に組み入れる。適当なゼアララノール源はインディアナ州テレニホートのピットマン−ムーア社（Pitm 入手できる。ゼアララノールを含む成長促進組成物は経口又は腸管外投与を含む、当該技術分野で公知の適当な方法により魚に投与される。好ましい態様では、ゼアララノールは１日当り魚の体重１ｋｇにつき３〜３６００μｇ、好ましくは３０〜１５００μｇ、最も好ましくは９０〜１８０μｇの範囲の低い投与量で魚に投与される。これらの範囲内での最適投与濃度は処理される魚の種類、年令及び大きさに一部依存し、同じ結果を得るには大きい魚程、１日当り一般に多量のゼアララノールを必要とする。成長促進ゼアララノール組成物はゼアララノール化合物自体から成ることができるが、本発明の好ましい態様では、ゼアララノールはゼアララノールとシクロデキストリン化合物の新規な錯体中で配位子（ligand）として存在する。ゼアララノールをゼアララノール−シクロデキストリン錯体の形で魚に投与することによりゼアララノールの影響を受ける総成長は増大する。本発明者らは理論により限定されることを望まないが、ゼアララノールをシクロデキストリンに、又は同様の錯体を形成し得る他の有機化合物に結合させることにより、魚によるゼアララノールの完全消化を高めることができるものと考えられる。さらに、結合ゼアララノールは、飼料調合物又は同様のものに含まれると、給餌の際に水に入れたとき、調合物から早期に浸出しにくくなり、こうして魚への完全な投与が保証される。本発明のこの態様によれば、新規なゼアララノール−シクロデキストリン錯体はゼアララノールと錯体を形成し得るいずれのシクロデキストリン化合物も含むことができ、シクロデキストリン化合物の例として、α−シクロデキストリン； γ−シクロデキストリン；ヒドロキシアルキルシクロデキストリン（例えば、ヒドロシキエチル−β−シクロデキストリン、２−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン）；メチル又はジメチル化シクロデキストリン（例えば、２，６ −ジ−ｏ−メチル−β−シクロデキストリン）；α，β及びγ−シクロデキストリンの誘導体（例えば、グルコシル−α−シクロデキストリン又はマルトシル− β−シクロデキストリン）及びこれらの混合物が挙げられ、α−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン及びこれらの混合物が最も好ましい。ゼアララノール−シクロデキストリン錯体は、当該技術分野で公知の方法で合成することができるが、シクロデキストリン成分の水溶液をゼアララノールの溶剤系溶液と混合し、新規な錯体を含む生成沈殿を取り出すことにより合成するのが好ましい。ゼアララノールに加えられるシクロデキストリンの相対量は最終錯体中のこれらの化合物のモル比によって異なるが、これらの量は重量で一般にシクロデキストリン０．５〜１．０対ゼアララノール５．０〜１．０の範囲であり、デキストリン１．０〜３．０対ゼアララノール３．０〜１．０が好ましい。モル過剰のシクロデキストリン化合物を用いて、比較的高価なゼアララノールを全部有効に利用し、無駄な流れの形成を最小にすることが好ましい。ゼアララノール−シクロデキストリン錯体を製造する好ましい方法によれば、シクロデキストリン成分は水溶液総量中でシクロデキストリンが１〜４５重量％、好ましくは溶液総量中でシクロデキストリンが２〜２０重量％、そして最も好ましくは溶液の４〜８重量％の範囲の量で水に溶解される。溶液申でのシクロデキストリンの溶解度を上げるためにはシクロデキストリン溶液を攪拌しながら５０〜８０℃の範囲の温度に加熱するとよい。次いで、温シクロデキストリン溶液は攪拌しながら溶剤系ゼアララノール溶液に加えられる。溶剤中のゼアララノール濃度は一般に溶液総量の１〜５０％、好ましくは溶液総量の２〜２５％、そして最も好ましくは溶液総量の２〜１０重量％の範囲とすることができる。これらの目的には、適合するいずれの水混和性溶剤を用いることができ、これらの溶剤の例としてメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、２−ブチルアルコール、イソブタノール、第三ブチルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルスルホキシド及びジメチルホルミド（dimethylformide）が挙げられる。合わされたシクロデキストリン溶液とゼアララノール溶液は次いで数時間の間に室温まで冷却される。その後、錯体を含む固体沈殿を濾過により捕集し、洗浄し、乾燥させることができる。本発明の好ましい態様によれば、成長促進ゼアララノール組成物（ゼアララノール化合物単独であろうとゼアララノール−シクロデキストリン錯体であろうと）は通常の飼料成分と混合されて、魚に投与される新規な魚飼料調合物となる。このようにして、寸法の異なることが多い魚の大集団において適正量のゼアララノールが個々の魚に投与される。成長促進剤はこうして常用飼料と共に容易にかつ都合よく魚に投与され、魚が所望量のゼアララノールを継続的にかつ日量基準で摂取することが保証される。本発明の新規な飼料調合物は一般に、通常の魚飼料成分に魚の成長促進に十分な量のゼアララノール成長促進組成物を補強した混合物を含む。この調合物は当該技術分野で公知の方法により加工して魚が摂取するのによく適したフレーク又はペレットにすることができる。養殖される個々の魚種に特有の栄養学的必要性を考慮して、正常の成長と発育にとって栄養学的にバランスのとれた通常の飼料成分配合物を本発明の目的に使用することができる。一般に、飼料は好ましくは飼料総量の１０〜７０重量％の範囲、最も好ましくは飼料総量の３５重量％以上の実質的な量の蛋白質源を含む。適当な蛋白質として大豆粉、魚粉、落花生粉、綿の実、肉、骨粉及びミートミールが挙げられる。飼料の蛋白質成分は養殖される魚の種類によって必要とされる完全なアミノ酸成分を含むべきであり、又はこの目的で追加のアミノ酸を加えることができる。炭水化物もエネルギー源及び増量剤として、好ましくは飼料総量の１〜３５重量％の範囲の量で飼料に加えることが勧められる。コーン、小麦又は穀物副産物といった穀物及び原繊維は本発明の目的に合った良好な炭水化物源である。飼料はまた少量の、魚油といった脂肪を追加のエネルギー源として飼料総量の好ましくは１〜５重量％の量で含むことができる。付加的アスコルビン酸を含めた補強ビタミン類、ミネラル類及び微量元素を魚が１日当り必要とするのに十分な量と、消費用魚に使用するために登録された抗菌剤及び抗生物質といったその他の化合物を飼料に含有させることができる。ゼアララノール組成物はこれまで説明した飼料成分に、魚の加速成長応答の促進に十分な量で添加される。この目的に必要なゼアララノール化合物の量は一般に飼料調合物総量の約１〜２０ｐｐｍ（重量基準）、好ましくは２〜１０ｐｐｍ、そして最も好ましくは飼料調合物総量の約３〜８ｐｐｍである。この調合物は完全な魚飼料として用いられる、即ち、それが魚にとって唯一の重要な栄養源である場合、成長促進の点で最大の効果を有する。そうではなく、もし飼料調合物が補強用として用いられるなら、即ち、魚が周囲の供給源から実質的な栄養を摂取するなら、飼料中のゼアララノールの量は、これまでに説明したように、推奨される１日当たりのゼアララノール投与量となるように増加させるべきである。新規な成長促進飼料調合物を製造する際、ゼアララノール成長促進組成物は他の飼料成分と十分に混合し、ゼアララノールを調合物全体に均一に分配されるべきである。最良の結果を得るには、ゼアララノールを１種又は２種以上の、大豆粉又は微粉コーンといった他の成分の一部と混合してから飼料混合物の他の成分のバルクに加えるのがよい。好ましい態様によれば、ゼアララノール組成物は飼料成分と混合する前に、先ずコーンスターチといった担体に添加される。このような担体の使用によりゼアララノールの混合性が改善され、ゼアララノールの水中溶解性も減少し、ゼアララノール含有飼料調合物が給餌のため水に入れられても、ゼアララノールが直ちに浸出することはない。魚飼料の水中安定性と凝集性をさらに改善するために、加工前の飼料混合物全体に粘結剤を含有させることができる。この目的に適した粘結剤としてリグノスルホネートがある。次いで、新規な飼料調合物は、押出法又はペレット成形法を含む、当該技術分野で現在公知の、又はあとで開発される手段によって加工することができる。押出法の場合、押出成形されたフレークが水に入れると通常は浮くように、一般にかなりの量の空気が最終製品に加えられる。他方、ペレット成形法の場合、水に入れると沈む緻密なペレットが得られる。最終飼料調合物の所望の形態は養殖される魚の種類と摂餌習慣によって異なる。最終の加工飼料の含水量は、飼料成分の適切な凝集を保証するように、飼料総量の１〜２０重量％、好ましくは３〜１２重量％の範囲であるのが好ましい。一般に飼料の各成分はこの目的を満たすのに十分な含水量を本来有しているが、必要なら加工前に追加水を飼料混合物に加えることができる。このような場合、常法に従って、過剰の水分を乾燥又はその他の手段により加工飼料から除くことができる。望ましい場合、他の添加剤又は補助剤を被覆剤として最終加工飼料に加えることもできる。例えば、加工されたペレットをかなりの量の油又は脂肪で被覆してペレットの水申安定性と凝集性を高めることは知られている。新規なゼアララノール補強飼料調合物を水面に手で又は機械式給餌装置から自動的に撒布することにより、魚に満腹量まで１日に１回以上給餌することができる。本発明による最大成長を達成するために、魚の１日当りの栄養所要量が満たされねばならない。さらに、病気と水質の管理技術を用いて、正常な成長と発育に必要な、健全でストレスのない環境を与えるべきである。本発明の飼料組成物及びその調合方法と投与方法の変更と変化は前記の詳細な説明から当業者には明らかである。そのような変更と変化は補正された請求の範囲内で行われるものである。以下の実施例は本発明の重要な面を具体的に示すものであり、本発明は以下に記載の特定の材料、量及び操作、又は用いた特定の種類と年令の魚に限定されるものではない。実施例Ｉゼアララノール−シクロデキストリン錯体の製造約５〜２０ｇのβ−シクロデキストリンを４０〜１００ｍｌの水に加えてシクロデキストリン水溶液を調製し、この溶液を攪拌しながら約５０〜８０℃に加熱した。約１〜５ｇのゼアララノール²を約１０〜５０ｍｌの、メタノールといった水混和性溶剤に溶解して溶剤系ゼアララノール溶液を調製した。次に、溶剤系ゼアララノール溶液を攪拌しながらシクロデキストリンの温溶液に加え、溶液を数時間かけて室温まで冷却した。生成した固体沈殿を濾過により捕集し、限られた量の水で洗浄し、空気乾燥して易流動性のゼアララノール−シクロデキストリン固形物を得た。２６−（６，１０−ジヒドロキシウンデシル）−β−レゾルシル酸−μ−ラートのピットマン−ムーア社（Pitman-moore,Inc．）から入手できる。ゼアララノール−シクロデキストリン錯体の生成が示差走査熱量測定法（ＤＳＣ）により確認され、ゼアララノールはホストシクロデキストリン分子のキャビティに吸藏されていた。実施例II 対照調合物とゼアララノール含有飼料調合物の製造若いバラムンダの栄養所要量を満たす通常の魚飼料混合物、即ち、バジル（ba sil）飼料プレミックスを次の通り製造した。ゼアララノール補強飼料調合物は、ゼアララノールをコーンスターチと十分に混合した後、その他のバジル成分と混合し、ペレット化して製造した。ゼアララノールはコーンスターチ１ｋｇ当り１００ｍｇ含有させた。次いで、得られたゼアララノールプレミックスを混合物総量の約５重量％の量でその他のバジル成分に添加して約５ｐｐｍのゼアララノールを含有した飼料を得た。ゼアララノール−シクロデキストリン補強飼料調合物も、まず実施例Ｉで合成したゼアララノール−シクロデキストリン錯体の約５００ｍｇをコーンスターチ約１ｋｇと混合して製造した。得られたゼアララノール−シクロデキストリンプレミックスをその他のバジル飼料成分に混合物総量の約５重量％の量で添加してゼアララノール５ｐｐｍを含有した飼料を得た。次いで、これらの飼料混合物を卓上ペレット成形機で圧縮して４ｍｍ×２ｍｍのペレットに成形した。ペレットの総含水量はペレット総量の約８重量％であった。これらのペレットは約２０℃の空調室で密封ドラム容器に別々に保存した。実施例III 魚の総体重増加に与えるゼアララノールの効果この実施例では、若いバラムンダ（ラテス・カルカリファー（Lates calcarif er ））は生息と成長に適した環境条件に置かれている。上記実施例IIで製造したゼアララノール補強飼料が魚の総体重増加に与える効果を調べた。実験１５０尾のバラムンダを各２５尾ずつ６処理群に無作為に配分した。０週における各群の平均重量は約７４ｇであった。各群をケージ（長さ４００ｍｍ×幅４００ｍｍ×深さ４００ｍｍ）に入れ、６個のケージ全部を同一のコミュニティタンク（流量３６ｌ／ｍｉｎ）の中に置いた。全実験期間にわたって水温と水質をバラムンダの成長に最適な条件に保った。魚には実験期間中、３種の飼料の１種を給餌した。２つの群には対照としてゼアララノールを含有しないペレット状のバジル飼料プレミックスを給餌した。２つの群にはゼアララノール補強ペレットを給餌し、残りの２つの群にはゼアララノール−シクロデキストリン錯体補強ペレットを給餌した。魚には１日に１回、満腹量を給餌した。この処理は３週間続けた。個々の魚の重量測定は、０週目、１週目、２週目及び３週目に行った。結果（式中、ｘ_iは区画内のｉ番目の魚の重量、ｎは区画内の魚の数である）これらの計算を下記に示す通り、０週目、１週目、２週目及び３週目について行った。ｂ）１区画当りの重量増加は最後（４番目）のデータから最初のデータを引いて計算した。対照群に比較して、ゼアララノール群とゼアララノール−シクロデキストリン群は総生体重量においてそれぞれ４．６％と４．９％増加した。ｃ）魚の重量と時間との間の線形関係を線形回帰線を用いて計算した。線形回帰線は測定値に「最も適合した」線である。この線はＷ−Ａ＋ＢＴである。式中、Ｗは魚の重量であり、Ｔは時間である。Ｂは次式から計算される。式中、Ｗ_iは時間ｔにおける魚の平均重量である。Ｔ_iは時間（即ち、１，２，３，４）である。Ａは次式から計算される。これらの回帰線を各区画について計算した。回帰係数は成長速度を示す。対照群に比較して、ゼアララノール補強群は成長速度を４．４％（Ｐ＜０．１）改善し、ゼアララノール−シクロデキストリン群は成長速度を４．８％（Ｐ＜０．０５）改善した。両ゼアララノール群を一緒にした平均成長速度は対照群より有意に（Ｐ＜０．００５）大きかった。

【手続補正書】特許法第１８４条の７第１項【提出日】１９９５年５月５日【補正内容】請求の範囲１．魚の成長促進に有用な飼料組成物であって、該組成物は魚飼料とゼアララノール成分との混合物を含み、ゼアララノール成分は魚の成長促進に十分な量で存在ずる該組成物。２．該飼料が該魚の１日当りの必要栄養素を含む請求の範囲１記載の組成物。３．該ゼアララノール成分が式（式中、Ｒは水素又は置換若しくは非置換のアルキルを表す）のゼアララノール化合物を含む請求の範囲１記載の組成物。４．該ゼアララノール成分が、該ゼアララノールと結合してゼアララノール− シクロデキストリン錯体を形成しているシクロデキストリンをさらに含む請求の範囲３記載の組成物。５．該ゼアララノールが組成物総量の１〜２０ｐｐｍの範囲の量で該組成物中に存在する請求の範囲３記載の組成物。６．該ゼアララノールが組成物総量の３〜７ｐｐｍの範囲の量で該組成物中に存在する請求の範囲５記載の組成物。７．該組成物が該魚の主栄養源である請求の範囲５記載の組成物。８．該組成物がさらに粘結剤を含む請求の範囲１記載の組成物。９．該組成物がペレット状である請求の範囲１記載の組成物。１０．該組成物が押出材状である請求の範囲１記載の組成物。【手続補正書】特許法第１８４条の８【提出日】１９９６年２月１２日【補正内容】請求の範囲１．魚の成長促進に有用な飼料組成物であって、該組成物は魚飼料と加速成長促進ゼアララノール成分との混合物から本質的に成り、ゼアララノール成分は魚の成長促進に十分な量で存在する該組成物。２．該飼料が該魚の１日当りの必要栄養素を含む請求の範囲１記載の組成物。３．該ゼアララノール成分が式（式中、Ｒは水素又は置換若しくは非置換のアルキルを表す）のゼアララノール化合物を含む請求の範囲１記載の組成物。４．該ゼアララノール成分が、該ゼアララノールと結合してゼアララノール− シクロデキストリン錯体を形成しているシクロデキストリンをさらに含む請求の範囲３記載の組成物。５．該ゼアララノールが組成物総量の１〜２０ｐｐｍの範囲の量で該組成物中に存在する請求の範囲３記載の組成物。６．該ゼアララノールが組成物総量の３〜７ｐｐｍの範囲の量で該組成物中に存在する請求の範囲５記載の組成物。７．該組成物が該魚の主栄養源である請求の範囲５記載の組成物。８．該組成物がさらに粘結剤を含む請求の範囲１記載の組成物。９．該組成物がペレット状である請求の範囲１記載の組成物。１０．該組成物が押出材状である請求の範囲１記載の組成物。１１．該ゼアララノール成分が該飼料と均一に混合されている請求の範囲１記載の組成物。１２．魚の成長を促進する方法であって、式（式中、Ｒは水素又は置換若しくは非置換アルキルを表す）のゼアララノール化合物から本質的に成るゼアララノール成分を該魚に投与することから本質的に成る該方法。１３．該ゼアララノール成分がさらにシクロデキストリン化合物を含み、該シクロデキストリンが該ゼアララノールに結合してゼアララノール−シクロデキストリン錯体を形成している請求の範囲１２記載の方法。１４．該ゼアララノール成分を１日当り該魚の体重１ｋｇにつき３〜３６００ μｇの範囲の量で該魚に投与する請求の範囲１２記載の方法。１５．該ゼアララノール成分を１日当り該魚の体重１ｋｇにつき９０〜１８０ μｇの範囲の量で該魚に投与する請求の範囲１４記載の方法。１６．該ゼアララノールを該魚の口から投与する請求の範囲１２記載の方法。１７．該投与段階が、該ゼアララノール成分で補強した飼料調合物を該魚に給餌することを含む請求の範囲１２記載の方法。１８．該投与段階が、飼料調合物中でゼアララノールが１〜２０ｐｐｍの範囲の量の該ゼアララノール成分で補強した該飼料調合物を該魚に給餌することを含む請求の範囲１７記載の組成物。１９．ゼアララノールとシクロデキストリン化合物との錯体を含む、魚の成長促進に有用な成長促進組成物。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＮ，ＣＺ，ＦＩ，ＨＵ，ＪＰ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ，ＬＶ，ＭＧ，ＭＮ，ＭＷ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＫ，ＵＡ，ＵＺ，ＶＮ (72)発明者ハート，フレッド・ジェイオーストラリア国、エヌ・エス・ダブリュ 2560 グレン・アルパイン、ビショップス・コート・プレイス 14

Claims

【特許請求の範囲】１．魚の成長促進に有用な飼料組成物であって、該組成物は魚飼料と加速成長促進ゼアララノール成分との混合物を含み、ゼアララノール成分は魚の成長促進に十分な量で存在する該組成物。２．該飼料が該魚の１日当りの必要栄養素を含む請求の範囲１記載の組成物。３．該ゼアララノール成分が式（式中、Ｒは水素又は置換若しくは非置換のアルキルを表す）のゼアララノール化合物を含む請求の範囲１記載の組成物。４．該ゼアララノール成分が、該ゼアララノールと結合してゼアララノール− シクロデキストリン錯体を形成しているシクロデキストリンをさらに含む請求の範囲３記載の組成物。５．該ゼアララノールが組成物総量の１〜２０ｐｐｍの範囲の量で該組成物中に存在する請求の範囲３記載の組成物。６．該ゼアララノールが組成物総量の３〜７ｐｐｍの範囲の量で該組成物中に存在する請求の範囲５記載の組成物。７．該組成物が該魚の主栄養源である請求の範囲５記載の組成物。８．該組成物がさらに粘結剤を含む請求の範囲１記載の組成物。９．該組成物がペレット状である請求の範囲１記載の組成物。１０．該組成物が押出材状である請求の範囲１記載の組成物。１１．該ゼアララノール成分が該飼料と均一に混合されている請求の範囲１記載の組成物。１２．魚の成長を促進する方法であって、式（式中、Ｒは水素又は置換若しくは非置換アルキルを表す）のゼアララノール化合物を含むゼアララノール成分を該魚に投与することを含む該方法。１３．該ゼアララノール成分がさらにシクロデキストリン化合物を含み、該シクロデキストリンが該ゼアララノールに結合してゼアララノール−シクロデキストリン錯体を形成している請求の範囲１２記載の方法。１４．該ゼアララノール成分を１日当り該魚の体重１ｋｇにつき３〜３６００ μｇの範囲の量で該魚に投与する請求の範囲１２記載の方法。１５．該ゼアララノール成分を１日当り該魚の体重１ｋｇにつき９０〜１８０ μｇの範囲の量で該魚に投与する請求の範囲１４記載の方法。１６．該ゼアララノールを該魚の口から投与する請求の範囲１２記載の方法。１７．該投与段階が、該ゼアララノール成分で補強した飼料調合物を該魚に給餌することを含む請求の範囲１２記載の方法。１８．該投与段階が、飼料調合物中でゼアララノールが１〜２０ｐｐｍの範囲の量の該ゼアララノール成分で補強した該飼料調合物を該魚に給餌することを含む請求の範囲１７記載の組成物。１９．ゼアララノールとシクロデキストリン化合物との錯体を含む、魚の成長促進に有用な成長促進組成物。２０．該ゼアララノールが式（式中、Ｒは水素又は置換若しくは非置換のアルキルを表す）の化合物を含む請求の範囲１９記載の組成物。２１．該シクロデキストリン化合物がα−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、ヒドロキシアルキルシクロデキストリン、メチル又はジメチル化シクロデキストリン、α，β及びγシクロデキストリンの誘導体及びこれらの混合物から成る群から選ばれる請求の範囲１９記載の組成物。２２．該シクロデキストリンがα−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン及びこれらの混合物から成る群から選ばれる請求の範囲２１記載の組成物。