JP3422834B2 - 飼料添加剤 - Google Patents

飼料添加剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はキラヤ抽出物を有効成分
として含む飼料添加剤および該飼料添加剤を添加したこ
とを特徴とする動物用飼料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近時、畜産、ペット産業等では悪臭公害
の問題が顕在化しその解決が急務とされている。この問
題を解決すべく種々の方策が試みられており、その一つ
として糞尿中のアンモニア発生をコントロールする物
質、例えばユッカ抽出物を飼料に添加する手段がとられ
ている。
【0003】しかしながら、糞尿中に含まれている悪臭
物質はアンモニアのみでなく、メチルメルカプタン、ト
リメチルアミン、酢酸、n−酪酸、アセトアルデヒド等
があり、上記の手段による悪臭抑制の効果は不十分なも
のであった。それ故、動物の糞尿による悪臭の抑制によ
り高い効果を有する飼料添加剤が求められていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、動
物の糞尿による悪臭の抑制に高い効果を有する飼料添加
剤を提供することを目的とする。また、本発明は、動物
の糞尿による悪臭の抑制に高い効果を有する飼料添加剤
を添加した動物用飼料を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
した結果、キラヤ抽出物を添加した飼料を動物に摂取さ
せることにより、糞尿中のアンモニアの発生が抑制され
るのみならず、糞尿の臭いが刺激の少ないものになるこ
とを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち本
発明は、キラヤ抽出物を有効成分として含む飼料添加剤
を提供するものである。また、本発明は、前記飼料添加
剤を添加したことを特徴とする動物用飼料を提供するも
のである。
【0006】本発明に使用されるキラヤ抽出物は、シャ
ボンノキ属バラ科の植物であるクイライア・サポナリア
・モリナ(Quillaia Saponaria Molina)の木及び/又
は樹皮から抽出される複数の成分を含む混合物である。
こ れには、サポニン類が含まれていることが知られて
いる(1991年4月15日 平凡社発行「世界有用植物事
典」第885頁)。通常、上記樹木あるいは樹皮を採取
し、水で抽出した成分を濾過などして、精製し、濃縮
し、所望により、噴霧乾燥などにより乾燥することによ
り、キラヤ抽出物を得ることができる。
【0007】本発明の飼料添加剤は、キラヤ抽出物を有
効成分として含むが、その他に、ビタミン、ミネラル等
の栄養補強剤などを含んでもよい。また、これらは、配
合飼料に混合する場合に配合し易くするため、あるいは
動物に給与する場合に一定量を与え易くするため、脱脂
米糠、コーングルテンミールなどのキャリヤと混合する
のが望ましい。
【0008】また、糞尿中のアンモニアの発生を抑制す
るユッカ抽出物などを含んでもよい。ユッカ抽出物は、
イトラン(ユッカ)属リュウゼツラン科の植物である単
子葉植物から抽出され、サポニンを含有するものであ
る。飼料添加剤の形態としては、液体、粉末あるいはペ
レット等いかなる形態でも使用可能であるが、特に、噴
霧乾燥した粉末が取扱い上からも望ましい。
【0009】キラヤ抽出物を有効成分として含む飼料添
加剤は、畜水産動物用飼料、ペットフード、実験動物用
飼料、水産動物用飼料等の動物用飼料に添加することが
できる。その添加率は、動物の種類、サイズ等に応じて
任意に選択できるが、飼料中20〜100ppmが適当であり、
30〜50ppm程度が望ましい。添加方法は、特に限定され
るものではないが、例えば、脱脂米糠、コーングルテン
ミールなどをキャリヤーとし、ビタミン類、ミネラル類
などとともに配合して本発明のキラヤ抽出物を有効成分
として含む飼料添加剤となし、更に動物用飼料に添加す
ることができる。
【0010】本発明の動物用飼料は、鶏、牛、豚などの
畜産動物、犬、猫、九官鳥などのペット動物、マウス、
ラットなどの実験動物、その他、淡水魚、海産魚、甲殻
類などの水産動物等あらゆる動物に適応できる。以下、
本発明を実施例により、具体的に説明するが、本発明の
範囲はこれらにより限定されるものではない。
【0011】
【実施例】
〔製造例1〕Quillaia Saponaria Molinaの樹皮を採取
し、天日乾燥させ破砕処理したもの1部に対し水10部を
加えて一夜放置した後、圧搾して得た抽出液を噴霧乾燥
し、キラヤ抽出物を得た。 〔実施例1〕製造例1で得たキラヤ抽出物を市販の肉豚
用飼料(商品名:ウイニー肉豚M、日本農産工業社製)
に30ppm添加した飼料を作製した。この飼料を6頭を一
区とした3か月齢の体重約55kgの豚に自由摂取させて、
自動カーテン装着の開放型肥育豚舎内コントリート床豚
房にて41日間飼育した。飲水はニップルにて自由飲水で
きるようにした。飼育後、飼育した豚の体重および飼料
摂取量を測定した。また、飼育した豚から直腸糞および
尿を採取して混合し、その混合物を一定量(2g)用い
てアンモニア測定用ドジチューブ(ガステック社製)に
てアンモニア発生量をまた、官能検査により臭いを検査
した。この試験区を本発明区1とする。
【0012】さらに、キラヤ抽出物添加飼料に代えて、
上記と同様の肉豚用飼料に製造例1で得たキラヤ抽出物
を15ppmおよび Norchem社製ユッカ抽出物を15ppm添加し
て作製した飼料を自由摂取させた他は、上記の手順を繰
り返した。この試験区を本発明区2とする。なお、対照
区としてキラヤ抽出物無添加の肉豚用飼料を自由摂取さ
せる区を、比較区としてユッカ抽出物(30%品、Norche
m社製)を100ppm添加した肉豚用飼料を自由摂取させる
区を設置し、同様の条件で飼育した後、飼育した豚の体
重および飼料摂取量を測定し、同様の方法で飼育した豚
の糞尿中のアンモニア発生量および糞尿の臭いを検査し
た。
【0013】糞尿中のアンモニア発生量および糞尿の臭
いの検査結果を表1に示す。糞尿中のアンモニア発生量
は、対照区の平均値を100とした場合のそれぞれの区の
平均値の指数で表したものである。本発明区1(キラヤ
抽出物添加)の糞尿中のアンモニア発生量および糞尿の
臭いは、対照区(キラヤ抽出物無添加)ならびに比較区
(ユッカ抽出物添加)のものに比較して、それぞれ、著
しく減少および緩和された。さらに、本発明区2(キラ
ヤ抽出物およびユッカ抽出物添加)の糞尿中のアンモニ
ア発生量および糞尿の臭いは、本発明区1のものより
も、更に軽減された。
【0014】
【表1】
【0015】また、飼育結果(体重、増体重、飼料摂取
量及び飼料要求率)を表2に示す。本発明区1(キラヤ
抽出物添加)は体重の増加量および飼料摂取量が多い上
に、飼料要求量が少なく、飼育成績は良好なものであっ
た。従って、キラヤ抽出物は、安全性が高いのみなら
ず、動物の体重を効率良く増加させることがわかった。
さらに、本発明区2(キラヤ抽出物およびユッカ抽出物
添加)は、増体量は対照区と変わらないが、飼料摂取量
が少なく、飼料要求量は優れたものであった。
【0016】
【表2】
【0017】〔実施例2〕実施例1で使用したものと同
じキラヤ抽出物無添加飼料とキラヤ抽出物添加飼料を、
滅菌したシャーレ内に各10gを量りとり、相対温度92.4
%のデシケーター内に入れ、温度30℃の恒温器に静置
し、カビの発生状況を観察した。その結果を表3に示
す。この結果から、キラヤ抽出物は防黴効果を有するこ
とが認められる。
【0018】
【表3】
【0019】
【発明の効果】本発明のキラヤ抽出物を有効成分として
含む飼料添加剤を添加した飼料を動物に摂取させること
により、糞尿中のアンモニア量を低減させ、かつ糞尿の
臭いを刺激臭の少ないマイルドなものとすることができ
る。その結果、畜産業においては悪臭公害を防止するこ
とができ、またペット動物を家庭など飼育する場合にお
いては部屋内の臭いを軽減することができる。
【0020】また、本発明のキラヤ抽出物を有効成分と
して含む飼料添加剤を添加した飼料を畜産動物に摂取さ
せることにより、効率良く体重を増加させることがで
き、経済的な利益も享受できる。さらに、キラヤ抽出物
は防黴効果を有するため、本発明のキラヤ抽出物を有効
成分として含む飼料添加剤を飼料に添加すると、飼料に
おけるカビの発生が遅れるという効果が認められる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−107923(JP,A) 特開 平5−7462(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23K 1/00 - 1/20

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キラヤ抽出物を有効成分として含む豚用
    飼料添加剤。
  2. 【請求項2】 さらにユッカ抽出物を含む、請求項1記
    載の豚用飼料添加剤。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の豚用飼料添加
    剤を添加したことを特徴とする豚用飼料。
JP01551194A 1994-02-09 1994-02-09 飼料添加剤 Expired - Lifetime JP3422834B2 (ja)

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