【発明の詳細な説明】
水性床清浄剤
本発明は、硬表面、より具体的には床のクリーニング(清浄化)および保護の
ために希釈形態で使用し得る水性組成物に関する。
少なからず床被覆用の新規原材料の開発のゆえに、床のクリーニングおよび保
護のための多くの新しい方法および組成物が最近の数年間および数十年間に開発
されている。実際上、組成物の選択は、表面を主にクリーニングするのかまたは
主に保護するのかによって大部分が決定されている。即ち、多かれ少なかれ硬い
耐性の皮膜を与える組成物が、表面の保護および保存のために使用されることが
多い。この目的のために、組成物(通常は乳化した形態にある)は、ワックスまた
は皮膜形成ポリマーおよび架橋剤、通常は重金属塩を含有し、これらが一体とな
って乾燥後に処理表面上に自己光輝または磨き可能な皮膜を形成する。このよう
にして表面の長期保護を得ることができ、また、激しい機械的応力付加が皮膜の
性質に応じて吸収される。しかし、例えば汚染または損傷により必要とされると
きに、このような皮膜を除去するのは過激な条件下でのみ可能である。対照的に
、主としてクリーニング用を意図された組成物は高い界面活性剤の含有量を有し
、アルカリ性物質、有機溶媒または研磨剤を共に含有することが多い。多くの場
合、このような組成物を用いて汚れおよび古い皮膜を完全に除去することができ
るが、次いでこのようにクリーニングされた表面を保護処理にかけなければ、こ
れら表面は再汚染に対して何の保護もなく暴露されるのが普通である。
多くの場合、同程度に床表面をクリーニングおよび保護するのが望ましいので
、上に挙げた組成物に加えて、単一操作でのクリーニングおよび保護が可能な組
成物も開発されている。このような組成物の例は、例えば、GB-PS 1,528,592、
ドイツ特許出願 35 33 531および本願前の未公開ドイツ特許出願 P 43 06 899に
見ることができる。床拭き組成物としても知られているこれら組成物は、アルカ
リ可溶性の皮膜形成ポリマーに加えて十分量の界面活性剤、より具体的には非イ
オ
ンおよび陰イオン界面活性剤を含有しているので、これら組成物を保護およびク
リーニングに等しく用いることができる。しかし、このような種類の組成物を繰
返して適用したときであっても、追加的な光沢は床に付与されないことに注意す
べきである。しかし、多くの場合、高いクリーニング効果および顕著な光沢の増
加が、激しく応力付加される床に特に必要とされる。同時に、処理された表面の
再汚染が最少のままであるべきである。本発明が指向する課題の1つは、これら
性質の全てを兼ね備えた組成物を提供することであった。
本発明は、界面活性剤、皮膜形成ポリマーおよび可塑剤、ならびに所望により
他の通常の床拭き組成物の構成成分を含有する分散剤の形態にある含水床清浄組
成物であって、pH値12で水に不溶性である高分子量ポリマーとpH値9で水に
可溶性である低分子量ポリマーの両方を含有することを特徴とする組成物に関す
る。
この新規な組成物は優れたクリーニング力を持ち、繰返し適用時に増加する極
めて均一かつ顕著な光輝を有する床表面を乾燥後に与える。これにもかかわらず
、こうしてクリーニングされた床の再汚染に対する傾向は極めてわずかである。
特に、架橋成分として重金属塩を使用することなく、光沢のある皮膜が得られる
ことに注目すべきである。
この新規な組成物は2種類の異なるポリマーが同時に存在することを特徴とす
るが、その1つは高分子量であり、強アルカリ中であっても不溶性であり、一方
、第2のポリマーは比較的低分子量であり、pH値9またはそれ以下であっても
水中で透明な溶液を形成する。勿論、いくつかの化学的に異なる種類のある種の
またはその他のポリマーが存在していてもよい。これら高分子量ポリマーと低分
子量ポリマーの両方はホモポリマー、または、好ましくは少なくとも部分的にア
クリル酸もしくはメタクリル酸のエステルから構成されるコポリマーである。高
分子量ポリマーは、好ましくはポリアクリレートおよびアクリレート/スチレン
コポリマーからなる群から選択され、含んでいるとしてもごく少量のカルボキシ
ル基だけを含んでいる。低分子量ポリマーは、好ましくはアクリル酸またはメタ
クリル酸とアクリル酸エステル、メタクリル酸エステルまたはスチレンとのコポ
リ
マーである。高分子量ポリマーの分子量は、通常は約5x105〜2.5x106
であり、好ましくは1.0x106〜2.0x106である。低分子量ポリマーの分
子量は、通常は約100,000を越えることはなく、好ましくは30,000〜
80,000である。両種類のポリマーは市販品から入手可能であり、大部分は
約30〜50重量%の固体含量および実質的に中性ないしやや酸性のpH値を有
する水性分散液の形態にある。高分子量ポリマーの中で、pH値12のときであ
っても水に不溶性であるポリマーが本発明の組成物に適している。この性質を試
験するために、5重量部のポリマーまたはこれに対応してさらに大きな量のその
水性分散液を、蒸留水で100重量部に調製し、室温で撹拌しながら10%水酸
化ナトリウム溶液でpH12.0に調節する。この処理中に、ポリマーは10分以
内に溶解すべきではない。対照的に、低分子量ポリマーの中では、水中5%分散
液の形態で、pH値9.0になるようにアンモニア水を添加して10分以内に室温
で透明溶液を形成する種類のポリマーだけが本発明の組成物に適している。
いくつかの市販されている種類の高分子量ポリマーの例は、ローム・アンド・
ハース(Rohm & Haas)の製品プリマール(Primal)NT−2624、プリマールN
T−2819、プリマールNT−2611、ゼネカ(Zeneca)の製品ネオクリル(N
eocryl)AS8−BおよびネオクリルAS19、スタポール(Stapol)の製品ユバ
トール(Ubatol)U4138、バズフ(BASF)の製品ポリゲン(Poligen)ES9
666Xおよびモートン・インターナショナル(Morton International)の製品D
40−3Aである。これら高分子量ポリマーは、40〜80℃の最低皮膜形成温
度を有しているのが好ましい。適当な低分子量の市販製品の例は、ローム・アン
ド・ハースのプリマールE1531ポリマーおよびゼネカのネオクリルXK39
ポリマーである。本発明の組成物中の上記ポリマーの総含有量は、好ましくは3
〜15重量%であり、より好ましくは5〜12重量%である。高分子量ポリマー
と低分子量ポリマーの重量比は、好ましくは1:4〜4:1であり、より好まし
くは1:1〜3:1である。
異なる分子量の少なくとも2種類のポリマーの組合せに加えて、本発明の組成
物は、少なくとも1つの界面活性剤および1つの可塑剤を含有する。これら界面
活性剤の含有量は、組成物の全重量を基準に、好ましくは1〜6重量%であり、
より好ましくは1.5〜3重量%である。可塑剤の含有量は、ここでも組成物の
全重量を基準に、好ましくは0.3〜5重量%であり、より好ましくは0.6〜3
重量%である。
存在する界面活性剤は、非イオンまたは陰イオン界面活性剤であるのが好まし
い。基本的に、本発明の組成物のための適当な非イオン界面活性剤は、それらが
低起泡要件を満たすならば、あらゆる種類の非イオン界面活性剤である。対応す
る非イオン界面活性剤は、特に、第一C8〜C20アルコールとの、例えばココヤ
シ脂肪アルコールもしくは獣脂脂肪アルコール、オレイルアルコール、オキソア
ルコール、または同じ鎖長の第二アルコールとのエチレンオキシド(EO)3〜2
0モル付加物である。他の適当な非イオン界面活性剤は、他の長鎖化合物、例え
ばアルキル部分に8〜16個の炭素原子を含有するアルキルフェノールならびに
12〜18個の炭素原子を含有する脂肪酸および脂肪酸アミドの対応するエトキ
シル化産物である。これら産物の全てにおいて、エチレンオキシドの一部をプロ
ピレンオキシド(PO)によって置換することができる。他の適当な非イオン界面
活性剤は、脂肪酸のモノおよびジエタノールアミドおよび長鎖アミンオキシドま
たはスルホキシド、例えば、化合物N−ココヤシアルキル−N,N−ジメチルア
ミンオキシドである。本発明に従って使用することができる他の非イオン界面活
性剤は、ポリプロピレングリコール、アルキレンジアミンポリプロピレングリコ
ールおよびアルキル鎖に1〜10個の炭素原子を含有するアルキルポリプロピレ
ングリコール(ここで、ポリプロピレングリコール鎖は疎水性の機能を発揮する)
とのエチレンオキシドの水溶性付加物である(20〜250のエチレングリコー
ルエーテル基と10〜100のプロピレングリコールエーテル基を含有する)。
上記の非イオン界面活性剤のなかで、オキソアルコール、特に天然の脂肪アルコ
ールからなる群からの10〜16個の炭素原子を含有する長鎖第一アルコールと
のエチレンオキシド3〜10モルの付加物が本発明の組成物中に存在しているの
が好ましい。
本発明の組成物のための最も好ましい種類の非イオン界面活性剤は、アルキル
ポリグリコシドである。アルキルポリグリコシドは、以下の一般式(I):
R−O(−G)n (I)
[式中、Rは8〜22個の炭素原子を含有する長鎖アルキル基であり、Gは単糖
のグリコシド結合した残基であり、そしてnは1〜10の値である]
に対応する界面活性剤である。これらの界面活性剤を本発明の組成物において使
用すると、少量の界面活性剤を用いたときであっても、再汚染に対する極めてわ
ずかの傾向とともに極めて高いクリーニング力が達成される。従って、本発明の
好ましい態様においては、アルキルポリグリコシドが、本発明の組成物の全界面
活性剤含有量の主要成分を構成する。特に好ましい態様においては、アルキルポ
リグリコシドのみを本発明の組成物中の界面活性剤として使用する。
アルキルポリグリコシドは、50年以上にわたって表面活性物質として知られ
ており、種々の方法によって製造することができる(特に、欧州特許出願362 671
を参照;これにはより以前の方法に関する文献も挙げられている)。(−G)がグ
ルコースから導かれるアルキルグリコシドが、本発明の目的に使用するのに好ま
しい。アルキル部分Rは、長鎖の所望により不飽和の好ましくは第一アルコール
(分岐していてもよいが、分岐していないのが好ましい)から導くのが好ましい。
この例は、9〜15個の炭素原子を含有する合成オキソアルコールおよび天然脂
肪酸から得られる8〜22個の炭素原子を含有する脂肪アルコールである。グリ
コシド成分が1〜2個のグリコース単位からなり、アルキル成分が8〜10個の
炭素原子を含有する脂肪アルコールから導かれるアルキルポリグリコシドが、本
発明の目的に使用するのに好ましい。
本発明の組成物中に存在する陰イオン界面活性剤は、特に合成の陰イオン界面
活性剤、とりわけスルホネートおよびスルフェート型のものであってよい。
スルホネート型の界面活性剤には、C9〜C15アルキル基を有するアルキルベ
ンゼンスルホネート、およびオレフィンスルホネート、即ち、例えば末端または
内部二重結合を有するC12〜C18モノオレフィンから三酸化硫黄ガスによるスル
ホン化とそれに続くスルホン化産物のアルカリまたは酸加水分解によって得られ
るアルケンおよびヒドロキシアルカンのスルホネートおよびジスルホネートの混
合物が含まれる。スルホネート型の他の適当な界面活性剤は、C12〜C18アルカ
ンからスルホ塩素化またはスルホキシド化とそれに続く加水分解または中和によ
って、またはオレフィンへのビスルファイト付加によって得ることができるアル
カンスルホネート、およびα−スルホ脂肪酸のエステル、例えばα−スルホン化
した水素化ココヤシ油、ヤシ種油または獣脂脂肪酸のメチルまたはエチルエステ
ルである。
スルフェート型の適当な界面活性剤は、天然または合成起源の長鎖第一アルコ
ール、即ち脂肪アルコール、例えばココヤシ脂肪アルコール、オレイルアルコー
ル、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコールもしく
はステアリルアルコール、またはC10〜C20オキソアルコールまたは同じ鎖長を
有する第二アルコールの硫酸モノエステルである。また、1〜6モルのエチレン
オキシド(EO)でエトキシル化した脂肪族長鎖第一アルコールまたはエトキシル
化した第二アルコールの硫酸モノエステルも適している。さらに、硫酸化した脂
肪酸アルカノールアミド、硫酸化した脂肪酸モノグリセリドおよび長鎖スルホコ
ハク酸エステルも適している。これら陰イオン界面活性剤は、アルカリ金属塩、
より具体的にはナトリウム塩の形態で用いるのが好ましいが、アンモニウム塩ま
たは2〜6個の炭素原子を含有するアルカノールアミンの塩を用いることもでき
る。本発明の目的に対して特に好ましい陰イオン界面活性剤は、脂肪アルコール
スルフートおよび脂肪アルコールエーテルスルフェート、例えば、C12/C18コ
コヤシアルコールスルフェートNaおよびC12/C14ココヤシアルコール+2E
Oスルフェートである。
陰イオン界面活性剤は、非イオン界面活性剤と組合せて使用するのが好ましい
。特に好ましい組合せは、脂肪アルコールスルフェートと3〜6個のエチレンオ
キシド単位を含有する脂肪アルコールエトキシレートからなる。
上に挙げた非イオンおよび陰イオン界面活性剤に加えて、特別の効果を得るの
に適し、かつ本組成物の他の好ましい性質に影響を及ぼさないならば、本発明の
組成物は、比較的少量の他の界面活性剤、より具体的には両性界面活性剤および
石鹸を含有していてもよい。石鹸は、好ましくは12〜18個の炭素原子を含有
する長鎖脂肪酸の水溶性の塩、例えば、ココヤシ脂肪酸ナトリウム塩および獣脂
脂肪酸ナトリウム塩である。両性界面活性剤は、親水性成分が陽イオンに荷電し
た中心(通常は第三アミノ基または第四アンモニウム基)と陰イオンに荷電した中
心(通常はカルボキシレート基またはスルホネート基)からなる長鎖化合物である
。このような界面活性剤の例は、N−ココヤシアルキル−N,N−ジメチルアミ
ノアセテートおよびN−ドデシル−N,N−ジメチル−3−アミノプロパンスル
ホネートである。
本発明の組成物中に存在する可塑剤は、一時可塑剤および永久可塑剤の両方で
あってよい。ほとんどの場合、両種類の混合物が使用される。可塑剤の機能は、
一方でクリーニング組成物の乾燥時におけるポリマー皮膜の形成を容易にするこ
とであり、そして、同時に乾燥後の皮膜の脆化を防止することである。一時可塑
剤は、室温でかなりの揮発性を示し、従って一定時間の後に床保護皮膜から蒸発
する可塑剤であり、一方、永久可塑剤は不揮発性であり、皮膜中に残存する。適
当な一時可塑剤の例は、モノエチレングリコール、ジエチレングリコールおよび
トリエチレングリコールのエーテル、およびジプロピレングリコールおよびトリ
プロピレングリコールのエーテル、およびこれらエーテルのアセテートである(
これらが、水に十分可溶性であり、においの観点から許容性であれば)。適当な
永久可塑剤の例は、トリブトキシエチルホスフェート、フタル酸のモノおよびジ
アルキルエステル、2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオールモノおよ
びジイソブチレート、および2−メチルピロリジンである。
上記の構成成分に加えて、本発明の組成物は床拭き組成物の他の通常の構成成
分を含有することができる。この点についての唯一の要件は、勿論、それら成分
の存在によって組成物の陽性の性質が悪影響を受けないことである。ここで言う
通常の構成成分には、特に、組成物の床保護特性をさらに改変し得るワックスが
含まれる。適当なワックスは天然起源のワックスおよび合成起源のワックスの両
方であり、例えば、カルナバワックスおよびカンデリラワックスまたはポリエチ
レンワックスおよびモンタンエステルワックスである。モンタンエステルワック
スは、75〜90℃の滴点および15〜40の酸値を有するものである。ポリエ
チレンワックスは100〜140℃の滴点を有するものが好ましい。これらワッ
クスは、本発明の組成物の5重量%以下、より具体的には0.1〜2重量%を構
成しているのが好ましい。
他の通常の添加剤の例には、完全に水と混和する有機溶媒が含まれ、これは効
果を高めるためおよび所望により湿潤力を改善するために使用される。2または
3個の炭素原子を含有する低級アルコールを用いるのが好ましい。これらは、未
希釈組成物の全重量を基準に、10重量%以下の量で、好ましくは約0.2〜5
重量%の量で用いる。他の添加剤の例は、芳香油、染料、粘度調節剤、pH調節
剤および防腐剤である。これらの物質は、通常は5重量%以下の量で、好ましく
は0.01〜2重量%の量で用いる。
組成物のpH値は、好ましくは7〜11であり、より具体的には8〜10であ
る。しかし、個々の場合において、これら範囲の外側の値、例えばやや酸性の範
囲内の値を、それが何らかの特定の理由のために適切であるときに選択すること
もできる。アルカリ範囲内のpH値は、通常のアルカリ、例えばKOH、NaOH
、Na2CO3、NH3およびアルカノールアミンの添加によって、好ましくはアン
モニアおよび/またはNaOHの添加によって調節する。
本組成物は、初めに水で希釈することによって不揮発性成分の含有量が約1〜
4g/Lである組成物の配合物を調製することにより使用する。最初の組成物の
濃度に依存して、この濃度は約1:200〜1:15の比に希釈することによっ
て達成する。次いで、この希釈配合物を、吸収性の物品、例えば拭取り布または
スポンジを用いて、清浄にすべき表面に適用し、次いで、汚れとともに表面から
部分的に除去する。この処理後に表面を濯がないので、残存するクリーニング溶
液が乾燥して均一な保護皮膜を形成することができる。ここで言う組成物が拭取
り組成物としても知られているのはこの適用方法のゆえである。本発明の組成物
は、多くの汚れの種類に対する強力なクリーニング効果によって区別され、同時
に、再汚染に対する優れた保護を与える耐性皮膜を形成する。この皮膜は激しい
応力付加を受けた床であっても追加の輝きを付与し、これは本組成物の繰返し適
用とともに増加する。本組成物は、床の保護およびクリーニングに特に適してお
り、石床、シールされた寄木張り、タイル、リノリウムおよびプラスチック床に
優れた結果を与える。本組成物の床保護特性はマット表面において特に注目に値
し、この表面は本組成物の適用によって追加の輝きを付与される。
本組成物を種々の形態に調製するのには何の困難もない。通常、初めに低分子
量ポリマーを所望によりアルカリ化剤とともに水に溶解し、次いで、界面活性剤
を必要な濃度で導入し、次いで、通常は分散液の形態にある高分子量ポリマーを
添加する。可塑剤およびその他の添加剤は最後に加えるのが普通である。
実施例
表1に挙げた本発明の組成物1〜7ならびに比較組成物8〜14を、水中で個
々の構成成分を混合することによって調製した。これら組成物すべてのpH値は
アンモニアで9.0に調節した。表1中の各構成成分に対する数字は重量%を示
し、100重量%の残りは水である。これら組成物の25g量を水で1Lに希釈
し、この形態でクリーニング力、輝きおよび再汚染挙動の試験に用いた。これら
試験結果も表1に記載する。
それぞれの試験は次のように実施した。
1.クリーニング力の試験
拭取り組成物のクリーニング効果は、インドゥストリーフェルバント・プーツ
・ウント・プフレゲミッテル・エー・ファウ(Industrieverband Putz- und Pfle
ge
se)、108、526-528頁(1982)]の品質標準に記載されているガードナー(Gardner)
洗浄性および除去性テスターを用いて調べた。この方法において、白色PVCフ
ィルムにすすとグリースからなる試験的汚れを被覆し、クリーニング組成物をし
み込ませたスポンジを用いて、規格化条件下で機械的に拭いた。クリーニング効
果は、反射率(%)の光電測定によって測定した。
2.輝き
輝き試験は、15x30cmの表面積を有する、無煙炭で着色した白みがかった
含有物を含むテラゾタイル上で行った。試験溶液3mlをこのタイルに適用し、湿
らせて徹底的に絞っておいた綿布で均一に分布させた。1回毎に新しい布を用い
、2回の適用の間の時間を少なくとも1時間として各回毎に表面が均一に乾燥し
得るようにして、上記の処理を合計20回実施した。次いで、ランゲ(Dr.Lange
)の反射計(測定角60°)を用いて輝きを測定し、未処理タイルの開始値と比較
した。これら2つの測定値の間の差異を、輝きの増加として表に示す。これら測
定値は、6つの異なる点での測定の平均値として決定した。本発明の組成物の場
合には、測定値が平均値から1単位を越えて相違することは全くなかった。
3.再汚染挙動の試験
この試験のために、白色PVC被覆物(75x21cm)を25x21cmの3つの
等しい切片に分けた。試験溶液の1.2ml量を、綿布を用いてそれぞれの表面に
適用した。この拭取り操作を、乾燥後に9回繰返した。次いで、特別のドラム中
にこのPVC被覆物を設置し、特別の汚れ混合物36gとともに25rpmで30分
間回転させて乾燥させた後に再汚染挙動を試験した。この試験汚れは次の組成を
有していた:
3gのふるい分けした真空クリーナー汚物[ヴェシェライフォルシュンク
3gの焼成した海砂
15gのプラスチック顆粒[デュレタン(Durethan)WKV30;バイエル社
(Bayer AG)、レーフェルクーゼン(Leverkusen)の製品]
15gの鋼製球体(直径6〜7mm)
この汚染処理の後、試験被覆物をドラムから取出し、軽くたたき、そして3人
で視覚的に評価した。評価は次の基準に基づいた:
1=被覆物が非常に白みがかっており、ほとんど汚染がない
2=被覆物が白みがかっており、やや汚染されている
3=被覆物が白みがかった灰色であり、中程度に汚染されている
4=被覆物が灰色であり、大きく汚染されている
5=被覆物が暗い灰色であり、非常に大きく汚染されている
表1に示した試験結果から、本発明の組成物が高いクリーニング力を示し、さ
らに、最少の再汚染で顕著な輝きの増加を与えることが明らかである。