JPH09503409A - 改良に係る大静脈フィルタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 血管フィルタ（１０）は、中央領域にて接続され且つ前記血管壁に係合し得る構造とされ、軸線に関して拡がる関係にて血管（４２）に沿って所定の方向に伸長する一組みのら旋フィルタ・ワイヤー（３０）を有する塞栓捕捉部分を備えている。自由端を有するワイヤーの長さの主要な中空部分は、有孔な塞栓捕捉列（２６）を形成し得るよう、協働可能に関係付けられた略ら旋状の形態をしている。ストラット（４０）と定着装置（３８）とで形成された別個の組立体により定着が行われる。ストラット組立体を支持する平行四辺体及び大静脈壁に線状に係合するその他の手段が図示されている。該平行四辺形の構造体は、同様にそれ自体でフィルタ機構を備えるものとして示してある。

Description

【発明の詳細な説明】 改良に係る大静脈フィルタ 本発明は、血液フィルタ、より具体的には、人間の大静脈等に植え込むことを 目的とするフィルタに関する。 発明の背景 大静脈フィルタは、塞栓が血流を介して肺動脈内に移動するのを防止すべく塞 栓を捕捉することを目的とする。大静脈フィルタは、典型的に、血管の穿刺箇所 を通じて挿入したカテーテルを介して配置される。挿入するためには、該フィル タをカテーテル内で収縮させ、カテーテルが大静脈に入った後に解放する。 収縮形態にある公知の大静脈フィルタは、比較的大径のカテーテルを必要とし 、これに対応して、比較的大きい穿刺口が必要となり、このため、全体として、 最大の血管、即ち、大腿部分血管及び頚静脈血管からしか挿入出来ない。比較的 大きい穿刺傷口は合併症を引き起こすことが多い。 発明の概要 本発明は、存在する、相当範囲の寸法の大静脈に亙って人間の大静脈内で自然 に中心決めする小形で収縮した構造のフィルタを提供するものである。また、本 発明は、フィルタを配置するとき、非常な均一性及び反復性を提供し、また、フ ィルタをより確実に固着するため、アンカー箇所の上方で組織が成長する迄、特 に、急性段階のときに、完全に動かないようにフィルタを血管壁に確実に固着す るものである。 本発明は、それぞれが改良に寄与し、また、組み合わせの選択により、より小 形の収縮形態を現実し且つ性能の改善を可能にする各種の形態から成っている。 具体的には、一つの重要な形態において、ろ過及び定着機能を二組み又はそれ 以上の組みの脚部又はストラットに分離することにより、その組みの各々を小径 に収縮して、望ましい程度に長さの短い構造とするとこを可能にし、この構造に おいて、その組みの軸方向に離間した壁接触点が広範囲の大静脈寸法に亙って自 然の中心決めが為されるようにする、大静脈フィルタが提供される。また、定着 装置が確実に係合する結果として、何れの方向にも動かないように正確な位置に 確実に定着される。 本発明の一つの原理によれば、大静脈の寸法に対応して広範囲の円錐角度に亙 って展開することが可能であり、血栓捕捉機能を果たすことが出来る、一組みの フィルタ・ワイヤーが提供される。これらのフィルタ・ワイヤーは、中央の接続 領域から略上流に、壁係合の自由端まで伸長している。この組みのフィルタ・ワ イヤーは、小形の寸法に容易に収縮可能な構造にて有効な血栓捕捉の特徴を発揮 する略ら旋状の適合した形態であることが望ましい。フィルタ・ワイヤーの自由 端の接触領域から軸方向に離間した位置にて血管壁に確実に係合する、収縮可能 なストラット構造体がこの軸線から伸長している。組みのら旋状フィルタ・ワイ ヤーによってろ過作用の略全てが為されるため、ストラット構造体の設計は、そ のろ過機能を対象にする必要はない。特定の状況下では、その他の断面が作用可 能であるが、ストラットは、矩形の横断面、即ち、ストリップの形態であること が好ましく、この断面の長手方向寸法は、周方向に配置され、また、ストラット はフィルタ・ワイヤーの場合よりも、長手方向軸線に対する角度が急峻な角度で 有効に伸長するようにすることが好ましい。この急峻な角度は、大静脈壁に対す るその力付与機能に有利に作用する。しかしながら、特定の状況下では、楕円形 又は円形のようなその他のストラット断面も可能である。 特定の好適な実施例におけるストラットの構造は、自然の中心決め作用を果た し得るように、フィルタ・ワイヤーの軸方向と反対の軸方向に向けてその壁接触 点まで拡がる。このストリップ形態の構造のため、これらのストラットは、外側 領域にて多数のアンカー又は突起をそのそれぞれの長さに沿って容易に支持して 、小静脈及び大静脈の双方において確実な定着機能を持たせることが出来る。別 の好適な形態において、ストラット構造体は、フィルタ・ワイヤー構造体と同一 の軸方向に伸長するが、フィルタ・ワイヤーの壁接触領域から軸方向に離間され た位置に確実に定着し得るように、その有効角度がより急峻な角度である。この 場合にも、この構造体は、広い寸法範囲の大静脈に亙って確実な自然の中心決め 機能を発揮する。好適な実施例の自然の中心決め機能は、ストラット構造体によ り支持された、軸方向に平行な直線状の壁係合要素を採用する構造体ことで容易 となる。ストラット構造体がフィルタ・ワイヤーと同一方向に拡がる実施例にお いて、これらの要素は、特に有利であるが、ストラット構造体が組みのフィルタ ・ ワイヤーの方向と反対の方向に拡がる、単一の支持点である、「スキー状」の形 態にも、この要素を適用可能である。 特定の好適な実施例において、線形の壁係合要素の両端における平行四辺形状 のストラット支持体は、重要な特徴である。このストラット支持体は、線形の壁 要素がフィルタの軸線に対するその平行な関係を保ち、これにより、ある寸法範 囲に亙りフィルタを自然に中心決めすることを可能にする。この新規な平行四辺 形の支持体は、一又は複数の組みのら旋状のフィルタ・ワイヤーと組み合わさっ て、性能を著しく向上させる一方で、また、ストラット支持体が、ろ過機能を持 つような構造及び配置とされ、又はかかるストラット構造体は、その他のフィル タ列と組み合わせることが可能であるという有利な点がある。 応力／歪み曲線内の直線状部分にて作用するニッケル・チタニウム合金のよう な弾性材料で製造することが現在は好ましいが、その他の材料も有効に使用する ことが出来る。超弾性金属、形状記憶合金、及び新しく開発された材料を含む、 その他の金属又は重合体系材料を有効に使用することが可能である。フィルタ・ ワイヤー及び支持体を表面処理することは、その効果に有効である。本明細書に 記載した思想に従い、特定の状況にて、大腿部血管又は頚静脈血管から挿入し得 ないとき、より小径の血管に非侵襲的に導入することの出来るように十分に小さ い大静脈フィルタを製造することが可能となる。 本発明の上記及びその他の目的並びに利点は、本発明の特定の特徴に関する以 上の概要、及び図面に関する現在の好適な実施例に関する以下の詳細な説明から 理解されよう。 本発明の一つの形態によれば、人間の血流内を塞栓が移動するのを防止するた め、血管内に配置される血管フィルタが提供される。該フィルタは、血管に沿っ た所定の方向に中央領域から拡がり、塞栓捕捉列を形成する、一組みのフィルタ ・ワイヤーを備えており、また、上記の組みのフィルタ・ワイヤーは、血管壁の 係合部分を備えている。該フィルタは、上記組みのフィルタ・ワイヤーと中心に て接続された少なくとも一組みのストラットにより画成される定着組立体を備え ている。この定着組立体の部分は、フィルタを所定位置に定着する方法にて血管 壁に係合し得るような構造及び配置とされている。この定着領域は、上記組みの フィ ルタ・ワイヤーと上記血管壁との接触領域から離間されている。 好適な実施例において、該定着組立体は、ストラットにより支持され且つ血管 壁と係合し得るように配置された定着部分を備えている。該定着部分の各々は、 壁組織に係合し且つストラットを該壁組織に定着させる、先の尖った突起を少な くとも一つ備えている。 特定の好適な実施例において、この定着部分の各々は、先の尖った突起を少な くとも一対、備えている。該対の突起は、血管に沿って反対方向に方向決めされ ており、その各々の突起は、血管壁組織に貫入し得る角度としてある。この対の 突起は、ストラットが血管に沿って何れかの方向に変位するのを防止する効果が ある。また、好適な実施例において、ストラットにより支持された壁係合部分は 、血管壁と略線状の接触状態に保ち得るような構造及び配置とされる。 本発明のこの形態の好適な実施例において、組みのフィルタ・ワイヤーは、大 きさの異なる血管に対応すべく容易に膨脹し且つ収縮することの出来る有効な血 栓捕捉列を形成し得るようにら旋状の形態及び配置とされている。 本発明のもう一つの形態によれば、人間の血流中で塞栓が移動するのを防止す るため血管内に配置される血管フィルタが提供される。該血管フィルタは、中央 領域にて接続された一組みのフィルタ・ワイヤーであって、血管に沿って所定の 方向に伸長し且つ血管壁に係合し得る構造とされた自由端にて終端となる一組み のフィルタ・ワイヤーを有する塞栓捕捉部分を備えている。該ワイヤーは、フィ ルタの軸線に対して拡がる関係にある。該フィルタは、自由端を有する一組みの ワイヤーの長さの少なくとも主要な中間部分が略ら旋状の形態をした、有効な塞 栓捕捉列を形成し得るように協働可能に関係付けられることを特徴としている。 本発明のこうした形態の好適な実施例は、次の特徴の一つ又は複数を備えてい る。 フィルタ・ワイヤーは、著しく小さい横断面を有し、また小径の束に収縮可能 である。該フィルタ・ワイヤーは、円形断面の弾性金属で出来ており、そのら旋 部分は、6.35ｍｍ（1/4インチ）乃至12.7ｍｍ（1/2インチ）の程度の半径にて曲 線状に形成され、また、ストラットは、ストリップの厚さ方向が半径方向に方向 決めされた状態で配置された平坦なストリップ状の形態の材料から成っている。 該フィルタ・ワイヤーは、弾性材料から成っており、該ワイヤーは、圧縮した とき、協働可能に関係付けられて、弾性的に直線状と成り、また、互いに緊密に 係合して、小径となることを可能にする。また、血管内に挿入し得るようにその 組みのワイヤーを半径方向に圧縮して、約９フランス、又はより小さい外径の導 入子カテーテルにすることを可能にする。カテーテルから血管内に解放されたと きのワイヤーは、有効な塞栓捕捉列を形成し得るように伸長可能な構造となる。 該フィルタは、ある寸法範囲に亙って血管内に配置可能な構造とされており、 自由端に隣接するフィルタ・ワイヤー部分は、比較的直線状であり、ある寸法範 囲の血管に亙ってワイヤーの端部が血管壁と略接触することを可能にする。 全てのフィルタ・ワイヤーは、同一の略ら旋の方向に湾曲していることが好ま しい。これと代替的に、組みのフィルタ・ワイヤーは、多数の副組みを備え、一 組みのワイヤーが別の副組みのワイヤーのら旋状の湾曲方向と反対のら旋方向に 湾曲するようにしてもよい。 フィルタを定着させるため、定着組立体は、フィルタの周りに配分された定着 部分を提供する。これらの定着部分には、血管壁に関して略同一の姿勢を保つ一 方で、ある範囲の寸法に亙って血管壁に対応し得るように配置された平行四辺形 状の支持体が設けられている。該平行四辺形状の支持体は、フィルタの全長を変 化させずに収縮状態から膨脹し得るような構造及び配置であることが好ましい。 本発明の上述の形態の特定の好適な実施例において、ストラットは、フィルタ ・ワイヤーが拡がる方向と反対方向に中央領域から拡がり、ストラットは、血管 壁との係合部分にて終端となる。フィルタ・ワイヤー及びストラットが血管壁に 接触する領域の間隔は、フィルタを略中心決めした関係にて血管内で安定させ得 るように選択する。かかる実施例において、ストラットにより支持された壁係合 部分は、血管壁と略線状の接触状態を保つような構造及び配置とされることが好 ましく、また、壁係合部分は、組みのストラットによりその中間領域にて支持さ れた線形要素とすることが好ましい。 別の好適な実施例において、ストラットは、フィルタ・ワイヤーに比べて短く 、また、フィルタ・ワイヤーと同一方向に拡がるが、フィルタの長手方向軸線に 対する角度がより大きい。フィルタ・ワイヤー及びストラットが血管壁に接触す る 領域の間隔は、フィルタを略中心決めした関係にて血管内で安定化させるように 選択する。 かかる実施例において、ストラットにより支持された壁係合部分、好ましくは 、外側係合部分は、血管壁に略線状に接触する状態を保ち得る構造及び配置とさ れ、この壁係合部分は、その各々がその中間領域にて組みのストラットにより支 持された線形要素とする。 好適な実施例において、壁係合部分は、線形要素であり、該線形要素は、一端 にて組みのストラットにより支持され、線形要素の各々の他端は、組立体の第二 の組みのストラットに接続され且つ該ストラットにより支持されており、線形要 素の各々は、それぞれの支持ストラットの少なくともストラットにおける一体の 伸長部を備えている。第二の組みのストラットは、第一の組みのストラットが接 続される領域から軸方向に離間された位置にて互いに中央にて接続され、線形の 壁係合要素に対し有効な平行四辺形状の支持体を提供し、ある寸法範囲の血管に 亙って血管壁と確実に略線状に接触するようにする。 その他の好適な実施例において、ストラットは、血管壁に係合し得る構造とさ れた自由端部分を備えており、また、該ストラットには、複数の定着部分が設け られている。これらの定着部分の配置は、一つの定着部分が比較的大きい寸法の 血管壁に定着するのに比較的より有効である一方、もう一方の定着部分がより寸 法の小さい血管壁に定着するのに比較的より有効であるようにされる。 該定着部分は、先の尖った突起を少なくとも一つ備えることが好ましい。特定 の好適な実施例において、定着部分の各々は、先の尖った突起を少なくとも一対 を備えており、該対の突起は、血管壁に沿って反対方向に方向決めされて、該突 起の各々は、壁組織に貫入し得る角度とされ且つストラットが血管に沿って何れ かの方向に変位するのを防止する効果がある角度とされる。 特定の実施例において、フィルタ・ワイヤーは、円形断面であり、また、スト ラットは矩形の横断面で、ストラットの断面の薄い径部分が半径方向に配置され るようにすることが好ましい。 特定の実施例において、ストラット及び／又はワイヤーには、その効果を向上 させる表面処理を施すことが好ましい。特定の実施例において、この処理は、生 体適合性のある重合体被覆とし、また、他の実施例では、金属被覆とする。 本発明の一つの特別な形態において、人間の血流内を塞栓が移動するのを防止 するため、血管内に配置される血管フィルタが提供される。該フィルタは、該フ ィルタの周りに配分された定着部分を有する定着組立体を備えており、該定着部 分は、ある範囲の寸法の血管壁を受け入れ得るように配分された平行四辺形状支 持体に取り付けられる。 本発明のこの形態の好適な実施例は、次の特徴を含むことが出来る。 平行四辺形の支持体がそれ自体、塞栓捕捉列の少なくとも一部を形成する。外 壁係合要素は、血管壁と略線状に接触し得る構造及び配置とされており、血管壁 係合要素の各々の一端は、第一の組みのストラットに接続され且つ該ストラット により支持され、壁係合要素の各々の他端は、第二の組みのストラットのそれぞ れのストラットに接続され且つ該ストラットにより支持される。第二の組みのス トラットは、第一の組みのストラットが接続された領域から軸方向に離間した位 置にて互いに中央にて接続され、直線状の外壁係合要素に対して平行四辺形状支 持体を効果的に提供する。該線形壁係合要素の各々は、それぞれの支持ストラッ トの少なくとも一つのストラットにおける一体の伸長体を備えることが好ましい 。 図面の簡単な説明 図１は、本発明の好適な実施例が所定位置にあるときの人間の一部切欠き正面 図、 図２乃至図８は、大静脈内に植え込んだ本発明のそれぞれの好適な実施例の側 面図、 図２ａ乃至図８ａは、図２乃至図８の実施例の縦軸線方向に見たときのそれぞ れ断面図、 図２ｂ乃至図８ｂは、図２乃至図８に示したものよりも小径の大静脈内に植え 込んだ図２乃至図８の実施例のそれぞれ側面図、 図２ｃ乃至図８ｃは、図２ｂ乃至図８ｂの実施例の縦軸線方向に見たときのそ れぞれ断面図、 図９及び図９ａは、大静脈内を移動する塞栓１６と相互作用するら旋状ワイヤ ー及び直線状ワイヤーを有する、フィルタの流れ方向に見たときの比較のための 横断面図、 図１０は、直線状の端部分と湾曲部分とを備えるフィルタ・ワイヤーの二次元 的な側面図、 図１０ａは、図１０に示したフィルタ・ワイヤーの端面図、 図１１は、先の尖った突起の形態であることが好ましいストラットの一端部分 の正面図、 図１２は、図１１の先の尖った形態の側面図、 図１３及び図１４、図１５及び図１６、図１７及び図１８、図１９及び図２０ 、図２１及び図２２、図２３及び図２４は、それぞれ先の尖った突起の別の実施 例を示す、図１１及び図１２と同様の対の図である。 現在の好適な実施例の説明 図１に図示するように、大静脈フィルタ１０は、人間１４の下行大静脈１２内 に植え込まれており、足の血管１８内に生じた塞栓１６を捕集し得る設計とされ ている。大静脈フィルタ１０を植え込まないならば、塞栓１６は、血管内を流れ る血液（血液の流動方向は矢印で図示）により運ばれ、心臓２０を通って肺動脈 ２２に達する。肺動脈２２は、大静脈１２よりも小径であるから、塞栓１６が詰 まって、肺２４の一方への血液の流れを制限する。この結果、身体の酸素の供給 が一部分又は完全に遮断されて、死亡する虞れがある。 次に、全体として図２乃至図７を参照すると、大静脈フィルタ１０は、塞栓捕 捉部分２６と、定着部分２８とから成っている。塞栓捕捉部分２６は、一組みの フィルタ・ワイヤー３０から成っており、該ワイヤーは共通の頂点３２にて接続 され、仮想円錐形面３６（図１０に点線で図示）に適合し得るように所定の方向 に拡がる状態で伸長する。 塞栓捕捉部分２６は、軸方向に見たとき、ら旋を形成し得るようにら旋状に伸 長するフィルタ・ワイヤー３０から成っている。この形状のため、塞栓はフィル タの中央の頂点部分３４内に流れることが出来る。該フィルタは、大静脈内で同 心状に配置されるため、該フィルタは、取り込んだ塞栓を血流の最も速い箇所で ある大静脈の中央部付近に保持する。塞栓は、速い速度で流れる血流中に取り込 み、身体の自然の溶解過程によりその塞栓を十分に溶解させ得るようにすること が重要である。各種寸法の大静脈に使用されるフィルタの断面図は、図２ａ乃至 図８ａ、及び図２ｃ乃至図８ｃに示してある。フィルタ・ワイヤーの見掛けの曲 率は、塞栓捕捉列が圧縮されるため、小径の場合（図２ｃ乃至図８ｃ）の方が大 きい。 図９乃至図９ａは、ら旋状のフィルタ・ワイヤーパターン（図９）が線状のワ イヤーの形態（図９ａ）の場合よりも、大静脈内を流れる塞栓１６に対する捕捉 効果がより大きいことを示す。このように、ワイヤーのら旋状の形状は、塞栓と フィルタ・ワイヤーとの有利な相互作用を実現し、その結果、血流を著しく妨害 せずに、塞栓を有利に捕捉することが可能となる。 これと同時に、フィルタ・ワイヤー３０のら旋状の形状は、小径のカテーテル での植え込みを更に容易にする。その理由は、ワイヤーを恒久的に変形させずに 、ワイヤーの曲率を一層、線状にして、これにより、挿入のため、構造体を小さ い形態に収縮させることが出来るからである。 フィルタ・ワイヤー３０は全て、図２、図４、図５、図６及び図７に図示する ように、一方向にら旋状であるそことが現在、好ましい。比較的少数のワイヤー で有効な塞栓捕捉列を形成することが出来、細いワイヤーで出来た構造体は、例 えば、９フランス径の小径の導入子カテーテル内に嵌まり得るように収縮させる ことが出来る。しかしながら、特定の状況のとき、フィルタ・ワイヤー３０が反 対方向にら旋状となる、図３に示した小径のフィルタの使用も可能である。 好適な実施例において、個々のフィルタ・ワイヤーの中間部分は、ら旋状に湾 曲している一方、その他の部分はその湾曲率が小さく、または、完全に線状でさ えもある。頂点３２から伸長するかかる個々のフィルタ・ワイヤー３０の線状部 分及び湾曲部分は、図１０及び図１０ａに示してある。好適な実施例において、 頂点付近のフィルタ・ワイヤーの最初の部分（図１０ａにて最初の部分Ｌ１とし て図示）もまた、略直線状である。該中間部分（中間部分Ｌ１）は、円錐体３６ の縦軸線に関して約30°の角度で湾曲しており、外端部分（Ｌ２）は、同様に線 状である。線状の外端部分は、フィルタを小径の内腔に挿入したときでも、その 挿入したフィルタのフィルタ・ワイヤー３０の先端が大静脈の中心に向けて内方 に曲がって、血流を妨害する可能性を解消する。 ６つのフィルタ・ワイヤーを使用することにより、単一方向ら旋状フィルタに て、及び８つのフィルタ・ワイヤーを使用することにより、二重ら旋フィルタに て、十分な塞栓の捕捉効果を実現することが可能となる。フィルタ・ワイヤー３ ０は、ニッケル・チタニウム合金で製造することが好ましいが、特定の状況下に て、チタニウム、チタニウム合金、ステンレス鋼、又は生体適合性のあるその他 の弾性材料を有利に使用することが出来る。ニッケル・チタニウム合金を使用す る好適な実施例において、ワイヤーは、合金の応力／歪み曲線の直線状部分で作 用するが、本発明の利点を達成する一方で、超弾性領域にて作用するワイヤーを 採用することも可能である。同様に、本発明により提供される幾何学的及び空間 的制約の下で、熱応答性のある形状記憶合金を採用することも可能である。また 、開発された新しい材料も有用であると考えられる。生体適合性のある重合体系 被覆のような被覆、及び貴金属による溶着のような表面処理もワイヤー及びスト ラットに有利に適用することが可能である。 ら旋ワイヤーの径は、二つの条件により設定し得ることが確認された。即ち、 ワイヤーは、略ら旋で且つ円錐状の形状を保つのに十分な剛性でなければならな い一方、望ましい程に小径の導入子カテーテルに嵌まるように収縮するのに十分 、小さくなければならない。現在の好適なフィルタ・ワイヤーの径は0.2032乃至 0.508ｍｍ（0.008乃至0.020インチ）の範囲にあり、また、好ましくは、0.3048 乃至0.4064ｍｍ（0.012乃至0.016インチ）の範囲である。現在の好適な実施例に おいては、ワイヤーは、円形の断面をしているが、その他の形状でも作用可能で ある。 定着部分２８は、共通の頂点３２にて接続され且つ所定の方向に拡がる状態で 伸長する一組みのストラット３８を備えている。図２、図３及び図６において、 この定着部分は、フィルタ・ワイヤーが伸長する方向と反対方向に伸長するが、 図４、図５及び図７において、定着組立体及びフィルタ・ワイヤーは、同一の方 向に伸長し、その各々の構造体には、特定の重要な利点がある。図１１乃至図２ ４に関して以下により詳細に説明するように、先の尖った突起４０は、大静脈壁 ４２に係合し且つフィルタ所定位置に保持し得るようにストラット３８の上に配 置することが好ましい。 内腔壁に係合するためのストラット又はフィルタは、接触点又は接続領域を有 するリングを形成し、このリングの径は、フィルタ・ワイヤーと組織との間の接 続点のリングと略同一径であり、又該リングから離間されている。 このように、ストラット３８は、大静脈フィルタの傾動に抵抗し且つこのフィ ルタを中心決めして、該大静脈フィルタが心臓又は脚に向けて移動しないように する働きをする。挿入したときに、大静脈フィルタが自然に中心決めし得ること は、広範囲の内腔の形態及び配置技術に従って、極めて効果的なフィルタ機能を 現実することを可能にする。 フィルタを所定位置に十分に保持するため、ストラット３８は、大静脈壁に対 して直角に半径方向への力を加える。また、ストラット３８は、十分に弾性的で あり、導入子カテーテル内に圧縮し、また、解放させた後に、その最初の形状を 回復することが出来る。現在の好適な実施例において、矩形又はストリップ状の 断面を有するワイヤーが採用されているが、楕円形又は円形の断面もまた採用可 能である。矩形又は楕円形の断面の場合、長手方向寸法が大静脈壁に対し平行で 且つ大静脈壁に隣接するように、ワイヤーを方向決めすることが好ましい。スト ラット・ワイヤーの厚さは、0.0762乃至0.381ｍｍ（0.003乃至0.015インチ）の 範囲、より好ましくは、0.127乃至0.2286ｍｍ（0.005乃至0.009インチ）の範囲 とする。ストラット・ワイヤーの幅は、0.508乃至1.143ｍｍ（0.020乃至0.045イ ンチ）の範囲、より好ましくは、0.635乃至0.889ｍｍ（0.025乃至0.035インチ） の範囲とする。 ストラット・ワイヤーは、ニッケル・チタニウム合金、チタニウム、チタニウ ム合金、又はステンレス鋼、又は適宜の物理的性質を有するその他の任意の生体 適合性材料のような、フィルタ・ワイヤーと同一の材料で形成することが出来る 。 図２乃至図４に図示した実施例におけるストラット・ワイヤー３８は、フィル タ・ワイヤー３０よりも短いことが好ましい。それは、下行大静脈１２内にフィ ルタ１０を植え込むためのスペースが僅かしかないからである。更に、長さの短 いストラットの使用により、大静脈壁に対してより大きい半径方向への力を加え ることが出来るため、フィルタに対する安定性を増すことが出来る。 ストラット・ワイヤー３８と大静脈壁４２との接触長さは、大静脈径に対応す る。図２及び図２ｂには、各種径の血管内で大静脈壁との接触を保つために先の 尖った突起を多数、利用する方法が示してある。 図５に図示するように、好適な実施例において、定着部分２８は、定着頂点４ ４にて接続された二組みのストラット３８ａ、３８ｂから成っている。第一の組 みのストラット４６は、その長さの一部に亙って軸線に沿って互いに接続されて 、中央ステム４８を形成し、この中央ステムは、定着する頂点４４から、拡がる フィルタ・ワイヤーとの共通の接続部３２まで伸長している。この領域から、ス トラット４６は、ストラット５０に対し平行な状態にて拡がる。ストラットが中 心軸線から拡がる角度は、フィルタ・ワイヤーが拡がる角度よりも遥かに急峻で あり、また、ストラットの長さは遥かに短い。ストラット４６、５０の双方は、 略「Ｓ」字形の湾曲部分を有している。次に、ストラット５０の外側の一体の伸 長部は、曲がり且つ直線状となり、軸線に対して平行に伸長して、それぞれのス トラット４６の外端との接続部52に達する。ストラット５０の直線状部分は、大 静脈壁と直線状に係合し得るように露出されて、大静脈壁に対して平行であり、 ストラット４６、５０の端部は、フィルタ・ワイヤー３０の端部と同一方向を指 している。ストラットは、僅かな程度、フィルタ・ワイヤーに重なり合う。先の 尖った突起４０は、大静脈壁に係合し得るようにストラット５０の直線状部分に 配置されている。このように、ストラット４６、５０は、定着組立体内に安定的 な「平行四辺形」の形状体を形成する。共通の頂点３２にて第一の組みのストラ ット４６に接続されたフィルタ・ワイヤー３０は、上記の他の実施例と同様にら 旋状の形態をしている。 図５において、ストラット５０の平行な伸長部５０ａは、大静脈壁と線状に接 触した状態で示してある。図５ｂに示した小径の大静脈の場合、組立体を圧縮し たときの平行四辺形の支持体の動作のため、大静脈壁４２とストラット５０の平 行な伸長部５０ａとの接触状態が保持される。小径の大静脈の場合、定着部分２ ８は、圧縮されるが、該部分は、フィルタ・ワイヤーとの重なり合いを増すだけ であり、このため、基本的に、フィルタユニットの全長は不変である。 図６及び図７に示した代替的な実施例において、壁に係合するバー５４がスト ラット３８の端部に配置されている。該バー５４が血管壁と線状に接触するため 、 フィルタユニット１０に安定性が付与され、大静脈１２内に配置したならば、フ ィルタが自然に中心決めすることが確実になる。バー５４の好ましい断面寸法は 、ストラット３８に対して設定した範囲内である。 ストラット３８及び先の尖った突起４０は、同一面にて対向する側部のバー５ ４に取り付けられ、このため、ストラットからの半径方向への力は、先の尖った 突起に直接、付与されて、該突起が大静脈壁４２に確定に固定されるようにする ことが好ましい。これらの取り付け箇所は、バー５４の中間領域であることが好 ましい。 図８及び図８ｂに図示するように、図５の定着部分は、大静脈フィルタとして 単独で使用することが出来る。ストラット４６、５０は、ら旋状ではないため、 各組み中におけるストラットの数は、十分な血栓捕捉機能を増し得るように、図 示したものよりも多数にしてよい。大静脈の縦軸線方向に見たときの定着部分の 図は、大径の大静脈（図８ａ）及び小径の大静脈（図８ｃ）の場合のものが示し てある。理解し得るように、この実施例において、二組みのストラットは、血流 に対する血栓捕捉機能を増し得るように、互いに周方向にずらして配置されてい る。 次に、図１１乃至図２４を参照すると、先の尖った突起は、大静脈壁４２に係 合し得るように、定着部分２８に配置することが好ましい。図２乃至図４に示し たフィルタの場合、大静脈壁との接触領域は、ストラット３８の端部である。「 平行四辺形」の形状の二重取り付けストラット構造（図５及び図８）、又はバー 型式のストラット構造（図６及び図７）を採用するフィルタの場合、先の尖った 突起は、平行なストラット伸長部５０ａ又はバー５４上の中央に配置されること が好ましい。大静脈フィルタを定着するため、先の尖った各種の突起を使用する ことが出来るが、この先の尖った突起は、大静脈壁に完全に貫入するのを防止し 得るように、その長さが短くなければならない。 図１１乃至図２４には、フック部分の位置を図示し得るように拡大図で示し た定着部分２８の壁接触領域の対の正面図及び側面図が示してある。図１１乃至 図１４、図１９乃至図２２に図示するように、この先の尖った突起は、一端にて 一体であるままにして、壁接触要素の沿部の一部から金属（又はその他の適宜の 材料）ストリップを切断し、該ストリップを上方及び内方に恒久的に曲げること により形成される。先の尖った突起は、壁接触要素の両縁部に配置され、一方向 を指すようにこの形態に形成される。 これと代替的に、図１５及び図１６に図示するように、壁接触要素を二ヵ所で 分割し、スリット内に別個の片を織り込んでフック部分４０を形成してもよい。 先の尖った突起を形成するもう一つの方法は、ストラット３８又はバー５４の 端部を整形して、図１７及び図１８に図示するように、該端部を折り重ねること により形成する方法である。先端が僅かに外方に曲がるならば、安定的で且つ確 実なフック部分を形成することが出来る。更にもう一つの方法は、図２３及び図 ２４に図示するように、壁接触要素に対し、別個のフック状部材の平行な部分を 正面を向くように接合する方法である。 突起は、図１１乃至図１６、図２３及び図２４に図示するように何れかの方向 を指すようにすることが好ましい。大静脈フィルタは、大静脈内で何れかの方向 に移動する抵抗性を付与しなければならない。両方向を指す突起は、この効果が 得られるように、移動を防止する一層優れた保護手段を提供することが出来る。 隣接するストラットに設けられた個々の突起は、反対方向を指すように方向決め することが出来、又は、反対方向に伸長する対の突起を採用してもよい。 更にその他の実施例は、請求の範囲に記載されている。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 サンドック，デービッド・エル アメリカ合衆国マサチューセッツ州01460, リトルトン，フォス・プレイス １ (72)発明者 ノット，セピデー・エイチ アメリカ合衆国マサチューセッツ州02021, カントン，アーバリータム・ウェイ 223

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．人間の血流内で塞栓が移動するのを防止し得るように血管内に配置される 血管フィルタにして、 血管から所定の方向に中央領域から拡がり、塞栓捕捉列を形成する一組みのフ ィルタ・ワイヤーであって、前記血管壁に係合する部分を有する前記フィルタ・ ワイヤーと、 該組みのフィルタ・ワイヤーと中央にて接続された少なくとも一組みのストラ ットにより画成された定着組立体とを備え、 該定着組立体の部分が、前記フィルタを所定位置に定着する状態で前記血管壁 に係合し得る構造及び配置とされ、 前記定着領域が、前記組みのフィルタ・ワイヤーが前記血管壁に接触する領域 から離間されることを特徴とする血管フィルタ。 ２．請求の範囲第１項に記載の血管フィルタにして、 前記定着組立体が、その各々が前記血管壁に支持され且つ該血管壁と係合し得 るように配置された定着部分を備え、 該定着部分が、血管壁組織に係合して前記ストラットを該血管壁組織に定着さ せる構造とされた先の尖った突起を少なくとも一つ備えることを特徴とする血管 フィルタ。 ３．請求の範囲第２項に記載のフィルタにして、 前記定着部分が、先の尖った突起を少なくとも一対備え、 該対の突起が、前記血管に沿って反対方向に方向決めされ、 該突起の各々が血管壁組織内に貫入する角度とされ、 前記対の突起が、前記ストラットが前記血管に沿って何れかの方向に向けて変 位するのを防止するのに有効であることを特徴とするフィルタ。 ４．請求の範囲第１項の記載のフィルタにして、 前記ストラットにより支持された壁係合部分が、前記血管壁と略線状の接触状 態を保ち得る構造及び配置とされることを特徴とする血管フィルタ。 ５．請求の範囲第１項の記載のフィルタにして、 前記組みのフィルタ・ワイヤーが、ら旋状の形態とされ且つら旋状に配置され て、仮想円錐体に略適合して有効な血栓捕捉列を形成し、該血栓捕捉列が、寸法 の異なる血管に対応し得るように半径方向に膨脹し且つ収縮し得るようにしたこ とを特徴とする血管フィルタ。 ６．人間の血流内で塞栓が移動するのを防止し得るよう血管内に配置される血 管フィルタにして、 血管から所定の方向に中央領域から拡がる一組のフィルタ・ワイヤーを有する 塞栓捕捉列を備え、 前記ワイヤーが、前記血管壁に接触し得る構造とされた自由端にて終端となり 、該自由端を有するワイヤーの長さの少なくとも主要な中間部分が、有効な塞栓 捕捉列を形成し得るように協働可能に関係付けられた略仮想状の円錐体に適合す る略ら旋状の形態であることを特徴とする血管フィルタ。 ７．請求の範囲第５項又は第６項に記載のフィルタにして、 前記フィルタ．ワイヤーが、円形断面の弾性的な金属で出来ており、 前記ストラットが、ストリップの厚さ方向が半径方向に方向決めされるように 配置された平坦なストリップ形態の材料から成ることを特徴とするフィルタ。 ８．請求の範囲第５項又は第６項に記載のフィルタにして、 前記フィルタ・ワイヤーが弾性材料から成り、 前記ら旋ワイヤーが、圧縮されたときに、協働可能に関係付けられて、弾性的 に直線状となり且つ互いに緊密に係合し、小さい寸法に収縮可能となり、前記組 みのフィルタ・ワイヤーを半径方向に圧縮して、血管内に挿入可能なように外径 約９フランス又はそれ以下の導入子カテーテルにすることを可能にし、 前記ワイヤーが、前記カテーテルから血管内に解放されたときに膨脹して前記 有効な塞栓捕捉列を形成し得る構造とされることを特徴とするフィルタ。 ９．ある範囲の血管に亙って血管内に配置し得る構造とされた、請求の範囲第 ５項又は第６項に記載のフィルタにして、 前記自由端に隣接する前記ワイヤーの部分が比較的直線状であり、前記寸法範 囲の血管に亙って前記ワイヤーが前記血管壁と端部にて略接触することを可能な ようにしたことを特徴とするフィルタ。 １０．請求の範囲第５項又は第６項に記載のフィルタにして、 前記組みの前記ワイヤーの全てが略同一のら旋方向に湾曲していることを特徴 とするフィルタ。 １１．請求の範囲第５項又は第６項に記載のフィルタにして、 前記組みのワイヤーが多数の副組みを含み、一つの副組みのワイヤーが、別の 副の組みのら旋状の湾曲方向から反対のら旋方向に湾曲していることを特徴とす るフィルタ。 １２．請求の範囲第１項、第４項又は第５項に記載のフィルタにして、 前記定着組立体が、前記フィルタの周りに配分された定着部分を備え、 該定着部分が、前記血管壁に関して略同一の姿勢を保ちつつ、ある寸法範囲に 亙って血管壁に適合し得るように配置された平行四辺形状の支持体上に取り付け られることを特徴とするフィルタ。 １３．請求の範囲第１２項に記載のフィルタにして、 前記平行四辺形状の支持体が、前記フィルタの全長を変化させずに、膨脹状態 と収縮状態との間で動き得る構造及び配置とされることを特徴とするフィルタ。 １４．請求の範囲第１項又は第５項に記載のフィルタにして、 前記組みのストラットが、前記組みのフィルタ・ワイヤーが拡がる方向と反対 方向に向けて、前記中央領域から拡がり、 前記ストラットが、前記血管壁に係合する部分にて終端となり、 前記組みのフィルタ・ワイヤー及び前記ストラットが前記血管壁に接触する領 域の間隔が、前記フィルタを前記血管内で略中心決めされた関係に安定化させる ように選択されることを特徴とするフィルタ。 １５．請求の範囲第１４項に記載のフィルタにして、 前記ストラットにより支持された壁係合部分が、前記血管壁と略線状の接触状 態を保ち得る構造及び配置とされることを特徴とする血管フィルタ。 １６．請求の範囲第１５項に記載のフィルタにして、 前記血管壁係合部分が、その各々が前記組みのストラットによりその中間領域 にて支持された線形要素であることを特徴とするフィルタ。 １７．請求の範囲第１項又は第５項に記載のフィルタにして、 前記ストラットの長さが、前記フィルタ・ワイヤーに比べて短く且つ前記フィ ルタ・ワイヤーと同一方向であるが、前記フィルタの縦軸線に関してより大きい 角度で拡がり、 前記フィルタ・ワイヤー及び前記ストラットが血管壁に接触する領域の間隔が 、前記フィルタを前記血管内で略中心決めした関係にて安定化させ得るように選 択されることを特徴とするフィルタ。 １８．請求の範囲第１７項に記載のフィルタにして、 前記ストラットにより支持された壁係合部分が、前記血管壁と略線状の接触状 態を保ち得る構造及び配置とされることを特徴とする血管フィルタ。 １９．請求の範囲第１８項に記載のフィルタにして、 前記血管壁係合部分が、その各々が前記組みのストラットによりその中間領域 にて支持された線形要素であることを特徴とするフィルタ。 ２０．請求の範囲第１８項に記載のフィルタにして、 前記血管壁係合部分が、その各々が一端にて前記組みのストラットのそれぞれ により支持された線形要素であり、前記線形要素の各々の前記他端が前記組立体 の第二の組みのストラットに接続され且つ該第二の組みのストラットにより支持 されることを特徴とするフィルタ。 ２１．請求の範囲第２０項に記載のフィルタにして、 前記線形要素の各々が、前記それぞれの支持ストラツトの少なくとも一つの一 体の伸長部を備えることを特徴とするフィルタ。 ２２．請求の範囲第２０項に記載のフィルタにして、 前記第二の組みの前記ストラットが、前記第一の組みのストラットが接続され る領域から軸方向に離間した位置で中央にて接続され、 前記第二の組みの前記ストラットが、前記線形壁係合要素に対して平行四辺形 状の支持体を有効に提供し、ある寸法範囲の血管に亙って前記血管壁と略線状に 確実に接触し得るように配置されることを特徴とするフィルタ。 ２３．請求の範囲第１項又は第５項に記載のフィルタにして、 前記ストラットが、前記血管壁に係合し得る構造とした自由端部分を備え、 前記ストラットに複数の定着部分が形成され、 該定着部分が、該定着部分の一つが比較的大きい寸法の血管壁に定着させるの に相対的により有効であり、前記他方の定着部分が、より小径の血管壁に定着さ せるのに相対的により有効であるようにしたことを特徴とするフィルタ。 ２４．請求の範囲第２３項に記載のフィルタにして、 前記定着部分の各々が、先の尖った突起を少なくとも一つ備えることを特徴と するフィルタ。 ２５．請求の範囲第２３項に記載のフィルタにして、 前記定着部分の各々が、先の尖った突起を少なくとも一対備え、該対の突起が 血管に沿って反対方向に方向決めされ、 該突起の各々が、血管壁組織に貫入し得る角度とされ、 前記対の突起が、前記血管に沿って何れかの方向に前記ストラットが変位する のを防止する効果があることを特徴とするフィルタ。 ２６．請求の範囲第５項に記載のフィルタにして、 前記フィルタ・ワイヤーが、円形の断面であることを特徴とするフィルタ。 ２７．請求の範囲第１項、第５項又は第２６項に記載のフィルタにして、 前記ストラットが、矩形の横断面であり、前記ストラットの断面の厚さの薄い 部分が半径方向に配置されることを特徴とするフィルタ。 ２８．請求の範囲第１項又は第５項に記載のフィルタにして、 前記ストラット又はワイヤーにその作用を向上させる表面処理が施されること を特徴とするフィルタ。 ２９．請求の範囲第２８項に記載のフィルタにして、 前記表面処理が、生体適合性の重合体被覆を含むことを特徴とするフィルタ。 ３０．請求の範囲第２８項に記載のフィルタにして、 前記表面処理が金属被覆を含むことを特徴とするフィルタ。 ３１．人間の血流内で塞栓が移動するのを防止し得るように血管内に配置される 血管フィルタにして、 該フィルタの周りに配分された定着部分を備え、 該定着部分が、ある寸法範囲の血管に亙って血管壁に適合し得るように配置さ れた平行四辺形状の支持体に取り付けられることを特徴とする血管フィルタ。 ３２．請求の範囲第３１項に記載の血管フィルタにして、 前記支持体自体が、塞栓捕捉列の少なくとも一部を形成することを特徴とする 血管フィルタ。 ３３．請求の範囲第３１項又は第３２項に記載の血管フィルタにして、 前記外壁係合要素が、前記血管壁と略線状に接触し得る構造及び配置とされ、 該壁係合要素の各々の一端が、第一の組みのストラットに接続され且つ該ストラ ットにより支持され、 前記壁係合要素の各々の他端が、第二の組みのストラットのそれぞれのストラ ットに接続され且つ該ストラットにより支持され、 前記第二の組みのストラットが、前記第一の組みのストラットが接続される領 域から軸方向に離間した第二の位置にて中央で接続され、該第二の組みのストラ ットが、前記線形の外壁係合要素に対して有効な平行四辺形状支持体を提供し得 るように配置されることを特徴とする血管フィルタ。 ３４．請求の範囲第３３項に記載の血管フィルタにして、 前記線形の壁係合要素の各々が、前記それぞれの支持ストラットの少なくとも 一つの一体の伸長部を備えることを特徴とする血管フィルタ。