JPH09503216A - 抗菌性組成物に関する改良 - Google Patents
抗菌性組成物に関する改良Info
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Abstract
(57)【要約】
本発明は特定化合物からなる抗菌性組成物、抗菌剤としての前記化合物の使用、前記化合物からなる治療用もしくは医療用組成物の製造、および物体を前記化合物で処理することを含む物体の消毒方法に関するものである。これら化合物は少なくとも5kDの分子量を有すると共に残基の個数で少なくとも15%のアルギニン、リジン、オルニチンもしくはその混合物と、残基の個数で少なくとも15%のアルギニン、リジン、オルニチン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファンもしくはその混合物とからなるペプチドとして同定される。本発明を食品および口内衛生の分野での使用に関し説明するが、本発明は家庭および/または工業衛生の分野で特に有用である。
Description
【発明の詳細な説明】
抗菌性組成物に関する改良 発明の技術分野
:
本発明は、特定化合物からなる抗菌性組成物、抗菌剤としての前記化合物の使
用、前記化合物からなる治療用もしくは医療用組成物の製造、および物質を前記
化合物で処理する工程を含む物質の消毒方法に関するものである。本発明を食品
および口内衛生の分野での使用に関し説明するが、本発明は家庭および/または
工業衛生の分野で特に有用である。発明の背景
:
ペプチドはアミノ酸のポリマーである。アミノ酸は一般にα−アミノカルボン
酸であって、殆どがα−炭素にて置換された他の官能基を有する。ペプチドは単
一種類のアミノ酸またはアミノ酸の混合物を縮合させて合成することができる。
天然に存在するペプチドは分子量および性質において著しく相違するが、一般
に約20個の天然アミノ酸モノマーの種々異なる個数のポリマーで構成される。
これらは「標準的」アミノ酸として知られ、一般にL−キラル性を有すると共に
、高度に構造化された配列を有するペプチドを形成する。
ランダムペプチドは実験室にて比較的容易に合成しうるのに対し、特定の構造
化された配列を有するペプチドはより複雑な合成法を必要とする。合成ペプチド
が統計上ランダムでない構造だけを有することが望ましければ、これは合成の過
程で反応混合中に存在するアミノ酸のモル比を変化させて達成することができる
。
より高度に構造化されたペプチドについては格別の注意を払って個々の工程で
反応が進行することを確保せねばならず、これには反応ブロック剤またはいわゆ
る固相合成のいずれかの使用を必要とし、ペプチドを成長させて過剰の反応体を
洗出しうるような巨視的基質を用いる。次いで反応混合物の性質を各延長化工程
の間で変化させて、特定配列が生成されるよう確保することができる。
本明細書において、「プソイド−ランダム」という用語は完全ランダムなペプ
チドおよびペプチド連鎖の単一工程延長にペプチド成長を抑制もしくは制限して
残基の規則配列を生成させる工程を用いていないペプチドの両者を意味すべく使
用される。天然に存在するよりもずっと少ない構造化を有するこれらペプチドが
公知であり、薬物キャリヤとして或いは免疫学分析技術
における試薬として使用されている。
特定アミノ酸配列を有する高度に構造化されたペプチドは、特定の生化学反応
に関与することが知られている。この種のペプチドの例はたとえばインシュリン
のようなホルモンおよびたとえばアミラーゼのような酵素を包含し、特異的な代
謝機能を有する。これらペプチドにおけるアミノ酸配列の若干の変化は、完全で
はないが部分的な機能の変化をもたらしうる。
天然に存在する或る種の高度に構造化されたペプチドは、微生物をこれらに露
出すると抑制もしくは溶解活性を示すことが知られている。たとえば或る種のヘ
ビ毒成分のような、高級植物もしくは動物の細胞に対し同様な活性を示す他のペ
プチドも知られている。
EP 510912号(森永乳業)は1つもしくはそれ以上の特定群のアミノ
酸配列を有する抗菌性ペプチドを開示しており、これら配列は牛ラクトフェリン
の全配列から誘導されると思われ、この蛋白質の酵素分解によって単離すること
ができる。さらにEP 510912号は、一般にシェパード等の方法[ジャー
ナル・オブ・ケミカル・ソサエティー・パーキンI、第538頁(1981)]
にしたがい、特定ペプチドを産生さ
せるため自動化ペプチド合成技術を用いる合成法により産生されるペプチドにも
関するものである。
一般に、いわゆる「遺伝子工学」ルートによる若干複雑なペプチドの合成は比
較的簡単な仕事であると思われる。しかしながら近年の相当な進歩にも拘らず特
定配列の特定ペプチドの合成は工業規模ではまだ高価であって、たとえば薬理学
的興味を有する特に貴重な化合物など比較的数少ないペプチドおよび或る種の酵
素に限定されている。したがって構造的に高度に特異的な抗微生物ペプチドも知
られているが、これらは高価かつ製造困難である。
抗菌性物質の毒性は「ログ−キルス(log−kills)」の用語で現すの
が便利であり、たとえば培養における細胞の生存カウント数を99.9%減少さ
せる物質は3ログ−キルスにて効果的であるのに対し、生存カウント数を1 0
00 000のファクターで減少させる物質は6ログ−キルスにて効果的である
。多くの抗菌性物質の用途につき、3〜5ログ−キルスが優秀な性能であると考
えられる。歯科病原体については2ログ−キルスが充分な性能を示すと考えられ
る。
明らかなように、特定抗菌性物質の効果は1部には物質が作
用する環境および物質の濃度によって決定される。特に細菌集団においては或る
細胞が物質に対し耐性であり、高濃度においてさえ効果が100%(無限のログ
−キルス)に達しえない一方、ずっと低い濃度でも3〜5ログ−キルスを達成し
うることに注目すべきである。さらに、毒性は細菌の種類毎に変化すると予想さ
れる。
上記から判るように或る種の有効な抗菌性ペプチドが知られているが、これら
は比較的多量に製造するのが高価につくとと予想される。
抗菌作用は簡単なペプチドでも観察されている。EP 0149254号(ニ
ューヨーク州立大学:1985)において、ポリL−ヒスチジン(約10000
の平均分子量を有する)は抗細菌作用と抗カビ作用とを有することが示されてい
る。この作用は、ヒトおよび旧大陸サルの口内に存在する天然産のヒスチジンリ
ッチなペプチドに対する前記分子の構造類似性に基づくと思われる。
EP 0254419号は、特に細菌ストレプトミセス・アルブスのサブ群(
Dep3834 FRI)により産生されるポリリジンが抗ウィルス活性を有す
ることを開示している。
GB 1237918号は、一般式R−L−プロピル−L−ロイシル−L−グ
リシンアミドおよびその塩[式中、Rはグリシン、チロシン、ロイシン、トリプ
トファン、セリン、3−ヒドロキシピコリン酸、アスパラギン、フェニルアラニ
ン、プロリン、グルタミン酸、アルギニンおよびヒスチジンから選択されるアミ
ノ酸である]を有するテトラペプチドが広範囲の細菌に対し抗菌作用を示すこと
を開示している。
たとえば家庭用清浄組成物および家庭用衛生組成物のような製品に抗菌性化合
物を使用するには、これらを低価格にて多量に入手しえねばならず、比較的低レ
ベルで存在しても広範囲の細菌に対し高ログ−キルスにて有効でなければならな
い。発明の簡単な説明
:
今回アルギニン、リジンおよびオルニチンの1種もしくはそれ以上からなるプ
ソイド−ランダムペプチドは広範囲の細菌に対し驚異的に有効な抗菌特性を示し
、その結果として比較的容易に得られると共に広範囲の用途に使用しうることが
突き止められた。これらペプチドは、従来技術にて公知のポリ−ヒスチジンより
も抗菌剤として効果的であると思われる。
本発明は特に、媒体中に0.1mg/mL程度に低いペプチ
ド濃度で存在させた場合に細菌細胞集団に対し3以上のログ−キルスを達成する
プソイド−ランダムペプチドに関するものである。
特に、これらペプチドは残基の個数で少なくとも15%のアルギニン、リジン
、オルニチンもしくはその混合物と、残基の個数で少なくとも15%のアルギニ
ン、リジン、オルニチン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファンもしく
はその混合物とからなるアミノ酸の混合物のランダム縮合によって生成されるも
のである。発明の詳細な説明
:
本発明の第1面は抗菌剤としてのプソイド−ランダム合成ペプチドの使用であ
り、このペプチドは少なくとも5kDの分子量を有すると共に残基の個数で少な
くとも15%のアルギニン、リジン、オルニチンもしくはその混合物と、残基の
個数で少なくとも15%のアルギニン、リジン、オルニチン、フェニルアラニン
、チロシン、トリプトファンもしくはその混合物とで構成される。
本発明の他面によればプソイド−ランダム合成ペプチドを含む液状もしくはペ
ースト状抗菌性組成物が提供され、このペプ
チドは少なくとも5kDの分子量を有すると共に残基の個数で少なくとも15%
のアルギニン、リジン、オルニチンもしくはその混合物と、残基の個数で少なく
とも15%のアルギニン、リジン、オルニチン、フェニルアラニン、チロシン、
トリプトファンもしくはその混合物とで構成される。
他面において本発明は細菌病を処置するための薬剤もしくは治療組成物を製造
する際のプソイド−ランダム合成ペプチドの使用であり、このペプチドは少なく
とも5kDの分子量を有すると共に残基の個数で少なくとも15%のアルギニン
、リジン、オルニチンもしくはその混合物と、残基の個数で少なくとも15%の
アルギニン、リジン、オルニチン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファ
ンもしくはその混合物とで構成される。
さらに他面において本発明は人体もしくは動物体で実施される治療法以外の物
体の消毒方法であり、この方法は物体を抗菌性プソイド−ランダム合成ペプチド
で処理することからなり、前記ペプチドは少なくとも5kDの分子量を有すると
共に残基の個数で少なくとも15%のアルギニン、リジン、オルニチンもしくは
その混合物と、残基の個数で少なくとも15%のアルギニン、リジン、オルニチ
ン、フェニルアラニン、チロシン、
トリプトファンもしくはその混合物とで構成される。
本発明の背景から明らかなように、抗菌活性を有するとは従来思われていなか
った本発明の各具体例で使用されるプソイド−ランダムペプチドは比較的低価格
で得ることができる。さらに、これらペプチドは広範囲の細菌株に対し驚くほど
効果的であることも判明した。正確な配列の必要がないので、ペプチドの製造コ
ストは自動化ペプチド合成技術および/またはたとえば細胞原料の遺伝子工学の
ような他の生物工学技術を必要とせず、著しく低下する。ペプチド
:
典型的にはペプチドは7より高い等電点を有するアルギニン、リジン、オルニ
チンもしくはその混合物から選択される少なくとも1種のアミノ酸と、アルギニ
ン、リジン、オルニチン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファンもしく
はその混合物から選択される嵩高の官能基を有する少なくとも1種のアミノ酸と
のコポリマーを含む。
これらプソイド−ランダムペプチドは3より高いログ−キルスを達成すること
ができ、多くの場合は0.1mg/mL程度に低い濃度で存在する際に6を越え
るログ−キルスを達成しう
ることが突き止められた。特定の理論に拘束されるものでないが、効果的な抗菌
活性には塩基性アミノ酸残基と嵩高アミノ酸残基との両者の存在が必要とされる
と思われるが、残基の正確な配列は一般に無関係である。嵩高の基は全部で5個
もしくはそれ以上の炭素および異原子を有するものである。これらはトルイル環
(フェニルアラニンおよびチロシンの場合)およびインドール(トリプトファン
の場合)から誘導される芳香族基、並びにたとえばアルギニンのグアニジン基お
よびリジンのアミノ基のような充分長い側鎖を包含する。
非標準的なアミノ酸も本発明による組成物に存在させうるが、入手性と生物分
解性とコストとの理由から本発明のアミノ酸は天然に存在するものとするのが好
適である。これらは、必須アミノ酸でないが充分高い等電点(10に近い)を有
するオルニチンを包含する。
アルギニン、リジンおよびオルニチンは充分高い等電点と側鎖における充分嵩
高の官能基とを有して、そのホモポリマー(すなわちポリ−アルギニン、ポリ−
リジンおよびポリ−オルニチン)は本発明の各具体例にて有効なペプチドとなる
ことに注目すべきである。
特に好適なペプチドはアルギニン、リジンもしくはオルニチンのホモポリマー
およびリジンとフェニルアラニンとのコポリマー、アルギニンとトリプトファン
とのコポリマーおよび/またはリジンとトリプトファンとのコポリマーからなる
ものである。混合系も可能である。大して好ましくないが1種の分子はオルミチ
ンとトリプトファンとのコポリマーであり、これはより狭い範囲の細菌に対して
活性であると思われるからである。
上記アミノ酸は全てLキラル性にて天然に存在し、したがってこの形態のアミ
ノ酸を使用するのが好適である。
2種類のアミノ酸のモル比は好ましくは5:1〜1:2であり、塩基性アミノ
酸が同等もしくは優勢なモル量が好適である。
他のアミノ酸残基もペプチド中に存在させうる。下記の実施例で示すように、
セリンおよびアラニンも組成物の効能を低下させることなく存在させることがで
きる。塩基性もしくは芳香族アミノ酸以外のアミノ酸を50%未満の量でペプチ
ド中に存在させることが好適である。
本発明によるペプチドは典型的には5000個までのアミノ酸残基、より好ま
しくは3000個までのアミノ酸残基で構成される。これら範囲内でより長い連
鎖はより短い連鎖よりも効
果的であると思われる。5kD未満の分子量を有するペプチドは抗菌剤としてず
っと低い効果を示すことが判明した。
液状もしくはペースト状の生成物におけるペプチドの典型的レベルは0.00
1〜10重量%の範囲であり、好適レベルは0.01〜1.0重量%である。ペ
プチドの有効濃度は0.1〜10mg/mLの範囲であり、約0.5〜1mg/
mLの濃度が特に好適である。
羊赤血球の血液分解データが示すところでは、本発明のペプチドは通常の使用
条件下で哺乳動物に対し有害となるほど血液分解性でない。
本発明のペプチドは他の抗微生物剤および処置(たとえば抗生物質、高温度お
よび高圧力)と組合せて使用することができる。しかしながら、高められた圧力
および温度における処理は特に家庭用清浄では回避するのが好ましい。表面活性剤
:
表面活性剤は本発明による組成物の必須成分でない。
表面活性剤は好ましくは非イオン型、両性イオン型、双性イオン型もしくは陽
イオン型である。陰イオン型表面活性剤は、ペプチドと相互作用して特にグラム
陰性細菌に対するペプチド
の抗微生物活性を妨げ或いは減少させるので大して好適でない。
表面活性剤は好ましくは非イオン型表面活性剤、両性イオン型表面活性剤また
はこれら2種の混合物である。
好ましくは非イオン型表面活性剤はアルコキシル化された非イオン型表面活性
剤である。エトキシル化された非イオン型表面活性剤が特に好適である。
好ましくは両性イオン型表面活性剤はベタインである。
好適な表面活性剤レベルは組成物に対し1〜30重量%の範囲である。組成物
:
本発明の特に好適な具体例は次の成分を含む:
(a)0.001〜2.0重量%の上記ペプチド、
(b)1〜30重量%の非イオン型表面活性剤、
(c)組成物の残部としての適合性の水性液体媒体。
特に好適な抗菌性組成物は次の成分を含む:
(a)少なくとも5kDの分子量を有すると共に残基の個数で少なくとも15%
のアルギニン、リジン、オルニチンもしくはその混合物と、残基の個数で少なく
とも15%のアルギニン、リジン、オルニチン、フェニルアラニン、チロシン、
ト
リプトファンもしくはその混合物とからなる0.001〜0.1重量%のペプチ
ド、
(b)1〜30重量%の表面活性剤(この表面活性剤はエトキシル化アルコール
、ベタインもしくはその混合物を含む)、および
(c)組成物の残部としての適合性の水性媒体。
上記必須成分の他に、本発明による組成物はさらに組成物の用途を考慮して選
択される成分を含むこともでき、ただしこれら成分はペプチドに対し適合性のも
のとする。
組成物の用途は好ましくは家庭用の清浄および衛生組成物であるが、本発明は
ヒトの皮膚、歯もしくは毛髪に対し化粧、洗浄もしくはクレンジングの目的で使
用する製品とすることもできる。この種の組成物は限定はしないが化粧石鹸、顔
もしくは人体の液体洗浄剤、歯磨、マウスウォッシュ、発汗防止剤および脱臭剤
、シェービングフォーム、クリームおよび石鹸、シャワーゲル、化粧品およびシ
ャンプー製品を包含する。本発明による組成物の医療および治療組成物における
使用も排除されない。
ここに非限定的に説明した本発明の具体例につき、特定種類
の細胞に対する特定プソイド−ランダムペプチドの効果は、ペプチドの存在下で
培養した細胞培養物とペプチドの不存在下で培養した同様な細胞培養物との間の
生存カウント数の比較により決定することができる。これは比較的簡単な技術で
あって、その使用により特定用途に適するペプチドを確認することができる。こ
こに記載した或る種のヘテロポリマーは抗ウィルス、抗カビもしくは抗真菌活性
を有することも了解されよう。
以下、非限定的実施例により本発明をさらに説明する。実施例
:
以下の実施例は、本発明による組成物の抗微生物活性を特に細菌に対する活性
を参照して例示する。
これら実施例に使用した材料は次のように同定される。
ペプチドは角括弧にて標準的表示法で示した成分アミノ酸により表中に示され
、必要に応じこれらアミノ酸の比およびペプチドの平均分子量をも示す。ペプチ
ドの大部分は1種のアミノ酸のホモポリマーまたは2種のアミノ酸のヘテロポリ
マーのいずれかである。これらペプチドは全てシグマ社から入手しうる。
幾つかの実施例にて[Pro,Gly−Pro]が使用される。このペプチド
は[L−プロリンおよびL−グリシン−L−
プロリン]単位の反復ブロックで構成され、p6665としてシグマ社から入手
しうる。
他の実施例においては[Arg,Pro、Thr]として同定される物質を使
用する。この物質はアルギニン、プロリンおよびスレオニンの6:3:1の比に
おけるランダムポリマーである。この物質はシグマ社から入手しうる。
これら実施例の組成物に存在させる表面活性剤および他の成分を以下に示す:
SDS:ドデシル硫酸ナトリウム、陰イオン型洗剤、BDH社。
トリトン:トリトンX−100(商標)、非イオン型表面活性剤、BDH社。
ツイーン:ツイーン(商標)80。実施例1
:
下表1〜3に示したように液体媒体における組成物を作成し、2時間にわたり
培養し、次いで一連の希釈にて試料を栄養寒天(オキソイド(商標))に塗沫し
て全生存カウント数/mLを測定し、さらにペプチドの存在下および不存在下に
おける寒天プレートの培養後に形成されたコロニーをカウントすることにより抗
微生物活性を決定した。
存在させる場合、ペプチドは2.5mg/mLの濃度で存在させた。毒性の結
果は、2.5×106〜2.3×108の生存細胞数/mLの初期細菌濃度につき
対数死亡数(log deaths)として示す。より高い尺度はより効果的な抗微生物性
組成物を示し、すなわち5は生存細胞カウント数における10-5の減少である。
便宜上、3より大のログ−キルスが観察された例を太字で示す。
第1表に示した結果から見られるように、本発明による組成物は殆ど全ての環
境にてS.アウレウスの生存カウント数における顕著な低下を示したのに対し、
他のランダムペプチドが存在する組成物は表面活性剤SDSが存在する場合を除
き生存カウント数を減少させない。驚くことに、SDSはS.アウレウスに対し
抗微生物活性を示すと思われ、したがってSDSの存在下における生存カウント
数の低下も予想されるが、SDS単独では生存カウント数を減少させない。
これら結果から見られるように、ペプチドにおける成分アミ
ノ酸の種類が特に重要である。アルギニン、オルニチンもしくはリジンが唯一の
成分として存在する場合、許容しうる死滅が一般に得られる。これら成分が存在
しない場合は、許容しうる死滅が得られない。
これら結果が示すように、アミノ酸の相対比は或る程度重要である。リジンと
チロシンもしくはトリプトファンのいずれかとを1:9の比で用いた実施例にお
いて、15%未満のリジンを両者の場合に存在させてると不良な死滅が観察され
る。この比が一層均衡してリジンとチロシンもしくはトリプトファンとの比が1
:1または一層良好には4:1となれば許容しうる死滅が観察される。
これら結果は、ペプチドの寸法が或る程度重要であることを示す。ポリ−リジ
ンを使用する例において、3.97kDの分子量を有するポリマーは貧弱な結果
を示したのに対し、7.9〜224.5kDの分子量を有するポリマーは許容し
うる死滅を示した。ポリ−アルギニンを用いた実施例につき見られるように、こ
の菌株に対し境界的結果が8.9kDの分子量にて得られた。
幾つかの変則的な結果が認められる:すなわちポリ−オルニ
チンは23kDおよび46kDの両者にて許容しうる結果を与えるのに対し、類
似した分子量(31kD)を有するオルニチン/トリプトファンの4:1コポリ
マーは貧弱な結果を示す。しかしながら、後記の実施例で示すように、このコポ
リマーは或る種の細菌に対し有効である。
6.3kDの分子量を有する[His,His]は比較的不良の死滅を示すこ
とが注目される。
第2表に示した結果から見られるように、本発明による組成物は殆ど全ての環
境にて大腸菌の生存カウント数における顕著な減少を示したのに対し、他のラン
ダムペプチドが存在する組成物は生存カウント数を減少させない。第1表の場合
と同様に、表面活性剤SDSが存在すれば異なる性能が示されることも判るであ
ろう。ペプチドおよびSDSは大腸菌に対しいずれか一方の場合よりも大きい相
互親和性を有すること、したがってSDSの存在下における生存カウント数の低
下は予想されない。
一般に第2表における結果は、第1表の場合と同じ効果を分子量および各成分
の比に基づいて示す。第2表で見られるように、8.9kDの分子量を有するポ
リ−アルギニンはより高い分子量のポリ−アルギニンよりもこの菌株に対しずっ
と効果が低い。さらに[His,His]はより良好な比較例の1つであるが、
効果は本発明のペプチドで得られるよりもずっと低いことが判るであろう。
第3表に示した結果から見られるように、本発明による組成物は殆ど全ての環
境にてP.エアロギノーサの生存カウント数における顕著な減少を示したのに対
し、他のランダムペプチドが存在する組成物は生存カウント数を減少させない。
第2表の場合と同様に、表面活性剤SDSが存在すれば異なる性能が示されるこ
とも判るであろう。さらにペプチドとSDSとはP.エアロギノーサに対しいず
れか一方の場合よりもP.エアロギノーサに対し大きい相互親和性を有し、した
がってSDSの存在下における生存カウント数の低下は予想されない。
さらにオルニチンとトリプトファンとのヘテロポリマーはP.エアロギノーサ
に対し或る程度の活性を示すのに対し、このポリマーは第1表および第2表に示
した微生物に対し殆どまたは全く活性を示さないことも判るであろう。実施例2
:
下記表4は、ポリ−リジン(132.4kD)およびポリ−アルギニン(13
9.2kD)の濃度を変化させる効果を、これらポリアミノ酸で得られるログ−
キルスに関して示す。これら全ての場合、初期摂取材料は3.7×108〜2.
1×109生存細胞数/mLで構成し、培養を室温にて2時間にわたり進行させ
た。
実施例3:
上記実施例1および2は、一般的な家庭細菌である細菌株に関するものである
。本発明の一層広い利用性を例示するため、以下の実施例はストレプトコッカス
ミュータンス、すなわちヒト口内に一般的に存在してデンタルカリエスの発生に
関与すると認められた細菌に関するものである。これら実施例は異なる鎖長のペ
プチドの作用をも示す。
抗微生物活性は、ストレプトコッカスミュータンスNCTC 10449の細
胞をブロス中でペプチドの不存在下または特定分子量のポリ−アルギニンペプチ
ドの存在下で培養して決定した。
存在させる場合、ペプチドは分子量とは無関係に1.0mg/mLの全濃度に
て存在させた。下記表5に示す毒性の結果は、所定時間におけるブロスの試料中
の生存カウント数として示す。
第5表から見られるように、比較試料は指数増殖を示したのに対し、ポリ−ア
ルギニンを含有する試料は全て実験の時間経過にわたり極めて低いカウント数を
示した。高レベルの抑制がペプチドの分子量とは無関係に得られたが、より高い
分子量における一層顕著な抑制に対する一般的傾向が見られる。より高い分子量
にて、比例的に少ないペプチド分子が試料中に存在することに注目すべきである
。
下記表6は、一定分子量のペプチドを用い、存在する[Arg,Trp]ペプ
チドのレベルを変化させる効果を示すデータである。この実施例において見られ
るように、ストレプトコッカスミュータンスNCTC 10449の増殖はペプ
チドの存在により抑制された。
第7表は一定分子量のペプチドを用い、存在する[Lys,Trp]ペプチド
のレベルを変化させる効果を示すデータである。この実施例において、S.ミュ
ータンスNCTC 10449の増殖はペプチドの存在により抑制されたことが
判るであろう。
実施例3
第8表は、アクチノミセス・ビスカスT14Vの増殖に対する本発明によるペ
プチドの抑制作用を示す。
データをポリ[arg,trp]およびポリ[lys,trp]につき示し、
これらは初期生存カウント数(1,000,000)および濃度を変化させたペ
プチドの存在下で4時間にわたり培養した後の最終生存カウント数(1,000
,000)を示す。
実施例4:
第9表は、大腸菌およびL.イノキュラに対し評価した数種のペプチドに関す
る最小抑制濃度(MIC)をmg/mLで示す。MICはPGY培地にて次のよ
うに測定した。PGY培地における試験微生物の1晩培養物を、PGY培地にお
ける10000 CFU/mLの出発接種レベルまで希釈した。測定は2.5、
1.25、0.625、0.31、0.155、0.078、0.039および
0.02mg/mLの一連の希釈物、並びに無菌培地およびポリアミノ酸を含ま
ない対照を有するブランクウェルに対する対比を用いタイテレック(商標)プレ
ートで行った。
これらの結果から見られるように、ペプチドは比較的低い濃度にて有効である
。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1995年8月29日
【補正内容】
抗菌性組成物に関する改良 発明の技術分野
:
本発明は、特定化合物からなる抗菌性組成物、抗菌剤としての前記化合物の使
用、前記化合物からなる治療用もしくは医療用組成物の製造、および物質を前記
化合物で処理する工程を含む物質の消毒方法に関するものである。本発明を食品
および口内衛生の分野での使用に関し説明するが、本発明は家庭および/または
工業衛生の分野で特に有用である。発明の背景
:
ペプチドはアミノ酸のポリマーである。アミノ酸は一般にα−アミノカルボン
酸であって、殆どがα−炭素にて置換された他の官能基を有する。ペプチドは単
一種類のアミノ酸またはアミノ酸の混合物を縮合させて合成することができる。
天然に存在するペプチドは分子量および性質において著しく相違するが、一般
に約20個の天然アミノ酸モノマーの種々異なる個数のポリマーで構成される。
これらは「標準的」アミノ酸として知られ、一般にL−キラル性を有すると共に
、高度に構造化された配列を有するペプチドを形成する。
ランダムペプチドは実験室にて比較的容易に合成しうるのに対し、特定の構造
化された配列を有するペプチドはより複雑な合成法を必要とする。合成ペプチド
が統計上ランダムでない構造だけを有することが望ましければ、これは合成の過
程で反応混合中に存在するアミノ酸のモル比を変化させて達成することができる
。
より高度に構造化されたペプチドについては格別の注意を払って個々の工程で
反応が進行することを確保せねばならず、これには反応ブロック剤またはいわゆ
る固相合成のいずれかの使用を必要とし、ペプチドを成長させて過剰の反応体を
洗出しうるような巨視的基質を用いる。次いで反応混合物の性質を各延長化工程
の間で変化させて、特定配列が生成されるよう確保することができる。
本明細書において、「プソイド−ランダム」という用語は完全ランダムなペプ
チドおよびペプチド連鎖の単一工程延長にペプチド成長を抑制もしくは制限して
残基の規則配列を生成させる工程を用いていないペプチドの両者を意味すべく使
用される。天然に存在するよりもずっと少ない構造化を有するこれらペプチドが
公知であり、薬物キャリヤとして或いは免疫学分析技術
における試薬として使用されている。
特定アミノ酸配列を有する高度に構造化されたペプチドは、特定の生化学反応
に関与することが知られている。この種のペプチドの例はたとえばインシュリン
のようなホルモンおよびたとえばアミラーゼのような酵素を包含し、特異的な代
謝機能を有する。これらペプチドにおけるアミノ酸配列の若干の変化は、完全で
はないが部分的な機能の変化をもたらしうる。
天然に存在する或る種の高度に構造化されたペプチドは、微生物をこれらに露
出すると抑制もしくは溶解活性を示すことが知られている。たとえば或る種のヘ
ビ毒成分のような、高級植物もしくは動物の細胞に対し同様な活性を示す他のペ
プチドも知られている。
EP 510912号(森永乳業)は1つもしくはそれ以上の特定群のアミノ
酸配列を有する抗菌性ペプチドを開示しており、これら配列は牛ラクトフェリン
の全配列から誘導されると思われ、この蛋白質の酵素分解によって単離すること
ができる。さらにEP 510912号は、一般にシェパード等の方法[ジャー
ナル・オブ・ケミカル・ソサエティー・パーキンI、第538頁(1981)]
にしたがい、特定ペプチドを産生さ
せるため自動化ペプチド合成技術を用いる合成法により産生されるペプチドにも
関するものである。
一般に、いわゆる「遺伝子工学」ルートによる若干複雑なペプチドの合成は比
較的簡単な仕事であると思われる。しかしながら近年の相当な進歩にも拘らず特
定配列の特定ペプチドの合成は工業規模ではまだ高価であって、たとえば薬理学
的興味を有する特に貴重な化合物など比較的数少ないペプチドおよび或る種の酵
素に限定されている。したがって構造的に高度に特異的な抗微生物ペプチドも知
られているが、これらは高価かつ製造困難である。
抗菌性物質の毒性は「ログ−キルス(log−kills)」の用語で現すの
が便利であり、たとえば培養における細胞の生存カウント数を99.9%減少さ
せる物質は3ログ−キルスにて効果的であるのに対し、生存カウント数を1 0
00 000のファクターで減少させる物質は6ログ−キルスにて効果的である
。多くの抗菌性物質の用途につき、3〜5ログ−キルスが優秀な性能であると考
えられる。歯科病原体については2ログ−キルスが充分な性能を示すと考えられ
る。
明らかなように、特定抗菌性物質の効果は1部には物質が作
用する環境および物質の濃度によって決定される。特に細菌集団においては或る
細胞が物質に対し耐性であり、高濃度においてさえ効果が100%(無限のログ
−キルス)に達しえない一方、ずっと低い濃度でも3〜5ログ−キルスを達成し
うることに注目すべきである。さらに、毒性は細菌の種類毎に変化すると予想さ
れる。
上記から判るように或る種の有効な抗菌性ペプチドが知られているが、これら
は比較的多量に製造するのが高価につくとと予想される。
抗菌作用は簡単なペプチドでも観察されている。EP0149254号(ニュ
ーヨーク州立大学:1985)において、ポリL−ヒスチジン(約10000の
平均分子量を有する)は抗細菌作用と抗カビ作用とを有することが示されている
。この作用は、ヒトおよび旧大陸サルの口内に存在する天然産のヒスチジンリッ
チなペプチドに対する前記分子の構造類似性に基づくと思われる。
EP 0254419号は、特に細菌ストレプトミセス・アルブスのサブ群(
Dep3834 FRI)により産生されるポリリジンが抗ウィルス活性を有す
ることを開示している。
GB 1237918号は、一般式R−L−プロピル−L−ロイシル−L−グ
リシンアミドおよびその塩[式中、Rはグリシン、チロシン、ロイシン、トリプ
トファン、セリン、3−ヒドロキシピコリン酸、アスパラギン、フェニルアラニ
ン、プロリン、グルタミン酸、アルギニンおよびヒスチジンから選択されるアミ
ノ酸である]を有するテトラペプチドが広範囲の細菌に対し抗菌作用を示すこと
を開示している。
たとえば家庭用清浄組成物および家庭用衛生組成物のような製品に抗菌性化合
物を使用するには、これらを低価格にて多量に入手しえねばならず、比較的低レ
ベルで存在しても広範囲の細菌に対し高ログ−キルスにて有効でなければならな
い。発明の簡単な説明
:
今回アルギニン、リジンおよびオルニチンの1種もしくはそれ以上からなるプ
ソイド−ランダムペプチドは表面活性剤の存在下で広範囲の細菌に対し驚異的に
有効な抗菌特性を示し、その結果として比較的容易に得られると共に広範囲の用
途に使用しうることが突き止められた。これらペプチドは、従来技術にて公知の
ポリ−ヒスチジンよりも抗菌剤として効果的であると思われる。
本発明は特に、媒体中に0.1mg/mL程度に低いペプチド濃度で存在させ
た場合に細菌細胞集団に対し3以上のログ−キルスを達成するプソイド−ランダ
ムペプチドに関するものである。
特に、これらペプチドは残基の個数で少なくとも15%のアルギニン、リジン
、オルニチンもしくはその混合物と、残基の個数で少なくとも15%のアルギニ
ン、リジン、オルニチン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファンもしく
はその混合物とからなるアミノ酸の混合物のランダム縮合によって生成されるも
のである。発明の詳細な説明
:
本発明の第1面は少なくとも1重量%の表面活性剤とプソイド−ランダム合成
ペプチドとを含む液状もしくはペースト状抗菌性組成物であり、このペプチドは
少なくとも5kDの分子量を有すると共に残基の個数で少なくとも15%のアル
ギニン、リジン、オルニチンもしくはその混合物と、残基の個数で少なくとも1
5%のアルギニン、リジン、オルニチン、フェニルアラニン、チロシン、トリプ
トファンもしくはその混合物とで構成される。
他面において本発明は人体もしくは動物体で実施される治療法以外の物体の消
毒方法であり、この方法は物体を少なくとも1%の表面活性剤と抗菌性プソイド
−ランダム合成ペプチドとからなる組成物で処理することからなり、前記ペプチ
ドは少なくとも5kDの分子量を有すると共に残基の個数で少なくとも15%の
アルギニン、リジン、オルニチンもしくはその混合物と、残基の個数で少なくと
も15%のアルギニン、リジン、オルニチン、フェニルアラニン、チロシン、ト
リプトファンもしくはその混合物とで構成される。
本発明の背景から明らかなように、抗菌活性を有するとは従来思われていなか
った本発明の各具体例で使用されるプソイド−ランダムペプチドは比較的低価格
で得ることができる。さらに、これらペプチドは広範囲の細菌株に対し驚くほど
効果的であることも判明した。正確な配列の必要がないので、ペプチドの製造コ
ストは自動化ペプチド合成技術および/またはたとえば細胞原料の遺伝子工学の
ような他の生物工学技術を必要とせず、著しく低下する。ペプチド
:
典型的にはペプチドは7より高い等電点を有するアルギニン、
リジン、オルニチンもしくはその混合物から選択される少なくとも1種のアミノ
酸と、アルギニン、リジン、オルニチン、フェニルアラニン、チロシン、トリプ
トファンもしくはその混合物から選択される嵩高の官能基を有する少なくとも1
種のアミノ酸とのコポリマーを含む。
これらプソイド−ランダムペプチドは3より高いログ−キルスを達成すること
ができ、多くの場合は0.1mg/mL程度に低い濃度で存在する際に6を越え
るログ−キルスを達成しうることが突き止められた。特定の理論に拘束されるも
のでないが、効果的な抗菌活性には塩基性アミノ酸残基と嵩高アミノ酸残基との
両者の存在が必要とされると思われるが、残基の正確な配列は一般に無関係であ
る。嵩高の基は全部で5個もしくはそれ以上の炭素および異原子を有するもので
ある。これらはトルイル環(フェニルアラニンおよびチロシンの場合)およびイ
ンドール(トリプトファンの場合)から誘導される芳香族基、並びにたとえばア
ルギニンのグアニジン基およびリジンのアミノ基のような充分長い側鎖を包含す
る。
非標準的なアミノ酸も本発明による組成物に存在させうるが、入手性と生物分
解性とコストとの理由から本発明のアミノ酸は
天然に存在するものとするのが好適である。これらは、必須アミノ酸でないが充
分高い等電点(10に近い)を有するオルニチンを包含する。
アルギニン、リジンおよびオルニチンは充分高い等電点と側鎖における充分嵩
高の官能基とを有して、そのホモポリマー(すなわちポリ−アルギニン、ポリ−
リジンおよびポリ−オルニチン)は本発明の各具体例にて有効なペプチドとなる
ことに注目すべきである。
特に好適なペプチドはアルギニン、リジンもしくはオルニチンのホモポリマー
およびリジンとフェニルアラニンとのコポリマー、アルギニンとトリプトファン
とのコポリマーおよび/またはリジンとトリプトファンとのコポリマーからなる
ものである。混合系も可能である。大して好ましくないが1種の分子はオルミチ
ンとトリプトファンとのコポリマーであり、これはより狭い範囲の細菌に対して
活性であると思われるからである。
上記アミノ酸は全てLキラル性にて天然に存在し、したがってこの形態のアミ
ノ酸を使用するのが好適である。
2種類のアミノ酸のモル比は好ましくは5:1〜1:2であ
り、塩基性アミノ酸が同等もしくは優勢なモル量が好適である。
他のアミノ酸残基もペプチド中に存在させうる。下記の実施例で示すように、
セリンおよびアラニンも組成物の効能を低下させることなく存在させることがで
きる。塩基性もしくは芳香族アミノ酸以外のアミノ酸を50%未満の量でペプチ
ド中に存在させることが好適である。
本発明によるペプチドは典型的には5000個までのアミノ酸残基、より好ま
しくは3000個までのアミノ酸残基で構成される。これら範囲内でより長い連
鎖はより短い連鎖よりも効果的であると思われる。5kD未満の分子量を有する
ペプチドは抗菌剤としてずっと低い効果を示すことが判明した。
液状もしくはペースト状の生成物におけるペプチドの典型的レベルは0.00
1〜10重量%の範囲であり、好適レベルは0.01〜1.0重量%である。ペ
プチドの有効濃度は0.1〜10mg/mLの範囲であり、約0.5〜1mg/
mLの濃度が特に好適である。
羊赤血球の血液分解データが示すところでは、本発明のペプチドは通常の使用
条件下で哺乳動物に対し有害となるほど血液分解性でない。
本発明のペプチドは他の抗微生物剤および処置(たとえば抗生物質、高温度お
よび高圧力)と組合せて使用することができる。しかしながら、高められた圧力
および温度における処理は特に家庭用清浄では回避するのが好ましい。表面活性剤
:
表面活性剤は本発明による組成物の必須成分である。
表面活性剤は好ましくは非イオン型、両性イオン型、双性イオン型もしくは陽
イオン型である。陰イオン型表面活性剤は、ペプチドと相互作用して特にグラム
陰性細菌に対するペプチドの抗微生物活性を妨げ或いは減少させるので大して好
適でない。
表面活性剤は好ましくは非イオン型表面活性剤、両性イオン型表面活性剤また
はこれら2種の混合物である。
好ましくは非イオン型表面活性剤はアルコキシル化された非イオン型表面活性
剤である。エトキシル化された非イオン型表面活性剤が特に好適である。
好ましくは両性イオン型表面活性剤はベタインである。
好適な表面活性剤レベルは組成物に対し1〜30重量%の範囲である。組成物
:
本発明の特に好適な具体例は次の成分を含む:
(a)0.001〜2.0重量%の上記ペプチド、
(b)1〜30重量%の非イオン型表面活性剤、
(c)組成物の残部としての適合性の水性液体媒体。
特に好適な抗菌性組成物は次の成分を含む:
(a)少なくとも5kDの分子量を有すると共に残基の個数で少なくとも15%
のアルギニン、リジン、オルニチンもしくはその混合物と、残基の個数で少なく
とも15%のアルギニン、リジン、オルニチン、フェニルアラニン、チロシン、
トリプトファンもしくはその混合物とからなる0.001〜0.1重量%のペプ
チド、
(b)1〜30重量%の表面活性剤(この表面活性剤はエトキシル化アルコール
、ベタインもしくはその混合物を含む)、および
(c)組成物の残部としての適合性の水性媒体。
上記必須成分の他に、本発明による組成物はさらに組成物の用途を考慮して選
択される成分を含むこともでき、ただしこれら成分はペプチドに対し適合性のも
のとする。
組成物の用途は好ましくは家庭用の清浄および衛生組成物であるが、本発明は
ヒトの皮膚、歯もしくは毛髪に対し化粧、洗浄もしくはクレンジングの目的で使
用する製品とすることもできる。この種の組成物は限定はしないが化粧石鹸、顔
もしくは人体の液体洗浄剤、歯磨、マウスウォッシュ、発汗防止剤および脱臭剤
、シェービングフォーム、クリームおよび石鹸、シャワーゲル、化粧品およびシ
ャンプー製品を包含する。本発明による組成物の医療および治療組成物における
使用も排除されない。
ここに非限定的に説明した本発明の具体例につき、特定種類の細胞に対する特
定プソイド−ランダムペプチドの効果は、ペプチドの存在下で培養した細胞培養
物とペプチドの不存在下で培養した同様な細胞培養物との間の生存カウント数の
比較により決定することができる。これは比較的簡単な技術であって、その使用
により特定用途に適するペプチドを確認することができる。ここに記載した或る
種のヘテロポリマーは抗ウィルス、抗カビもしくは抗真菌活性を有することも了
解されよう。
以下、非限定的実施例により本発明をさらに説明する。実施例
:
以下の実施例は、本発明による組成物の抗微生物活性を特に細菌に対する活性
を参照して例示する。
これら実施例に使用した材料は次のように同定される。
ペプチドは角括弧にて標準的表記法で示した成分アミノ酸により表中に示され
、必要に応じこれらアミノ酸の比およびペプチドの平均分子量をも示す。ペプチ
ドの大部分は1種のアミノ酸のホモポリマーまたは2種のアミノ酸のヘテロポリ
マーのいずれかである。これらペプチドは全てシグマ社から入手しうる。
幾つかの実施例にて[Pro,Gly−Pro]が使用される。このペプチド
は[L−プロリンおよびL−グリシン−L−プロリン]単位の反復ブロックで構
成され、p6665としてシグマ社から入手しうる。
他の実施例においては[Arg,Pro、Thr]として同定される物質を使
用する。この物質はアルギニン、プロリンおよびスレオニンの6:3:1の比に
おけるランダムポリマーである。この物質はシグマ社から入手しうる。
これら実施例の組成物に存在させる表面活性剤および他の成分を以下に示す:
SDS:ドデシル硫酸ナトリウム、陰イオン型洗剤、BDH社。
トリトン:トリトンX−100(商標)、非イオン型表面活性剤、BDH社。
ツイーン:ツイーン(商標)80。実施例1
:
下表1〜3に示したように液体媒体における組成物を作成し、2時間にわたり
培養し、次いで一連の希釈にて試料を栄養寒天(オキソイド(商標))に塗沫し
て全生存カウント数/mLを測定し、さらにペプチドの存在下および不存在下に
おける寒天プレートの培養後に形成されたコロニーをカウントすることにより抗
微生物活性を決定した。
存在させる場合、ペプチドは2.5mg/mLの濃度で存在させた。毒性の結
果は、2.5×106〜2.3×107の生存細胞数/mLの初期細菌濃度につき
対数死亡数(log deaths)として示す。より高い尺度はより効果的な抗微生物性
組成物を示し、すなわち5は生存細胞カウント数における10-5の減少である。
便宜上、3より大のログ−キルスが観察された例を太字で示す。
第1表に示した結果から見られるように、本発明による組成物は殆ど全ての環
境にてS.アウレウスの生存カウント数における顕著な低下を示したのに対し、
他のランダムペプチドが存在する組成物は表面活性剤SDSが存在する場合を除
き生存カウント数を減少させない。驚くことに、SDSはS.アウレウスに対し
抗微生物活性を示すと思われ、したがってSDSの存在下における生存カウント
数の低下も予想されるが、SDS単独では生存カウント数を減少させない。
これら結果から見られるように、ペプチドにおける成分アミ
ノ酸の種類が特に重要である。アルギニン、オルニチンもしくはリジンが唯一の
成分として存在する場合、許容しうる死滅が一般に得られる。これら成分が存在
しない場合は、許容しうる死滅が得られない。
これら結果が示すように、アミノ酸の相対比は或る程度重要である。リジンと
チロシンもしくはトリプトファンのいずれかとを1:9の比で用いた実施例にお
いて、15%未満のリジンを両者の場合に存在させると不良な死滅が観察される
。この比が一層均衡してリジンとチロシンもしくはトリプトファンとの比が1:
1または一層良好には4:1となれば許容しうる死滅が観察される。
これら結果は、ペプチドの寸法が或る程度重要であることを示す。ポリ−リジ
ンを使用する例において、3.97kDの分子量を有するポリマーは貧弱な結果
を示したのに対し、7.9〜224.5kDの分子量を有するポリマーは許容し
うる死滅を示した。ポリ−アルギニンを用いた実施例につき見られるように、こ
の菌株に対し境界的結果が8.9kDの分子量にて得られた。
幾つかの変則的な結果が認められる:すなわちポリ−オルニ
チンは23kDおよび46kDの両者にて許容しうる結果を与えるのに対し、類
似した分子量(31kD)を有するオルニチン/トリプトファンの4:1コポリ
マーは貧弱な結果を示す。しかしながら、後記の実施例で示すように、このコポ
リマーは或る種の細菌に対し有効である。
6.3kDの分子量を有する[His,His]は比較的不良の死滅を示すこ
とが注目される。
第2表に示した結果から見られるように、本発明による組成物は殆ど全ての環
境にて大腸菌の生存カウント数における顕著な減少を示したのに対し、他のラン
ダムペプチドが存在する組成物は生存カウント数を減少させない。第1表の場合
と同様に、表面活性剤SDSが存在すれば異なる性能が示されることも判るであ
ろう。ペプチドおよびSDSは大腸菌に対しいずれか一方の場合よりも大きい相
互親和性を有すること、したがってSDSの存在下における生存カウント数の低
下は予想されない。
一般に第2表における結果は、第1表の場合と同じ効果を分子量および各成分
の比に基づいて示す。第2表で見られるように、8.9kDの分子量を有するポ
リ−アルギニンはより高い分子量のポリ−アルギニンよりもこの菌株に対しずっ
と効果が低い。さらに[His,His]はより良好な比較例の1つであるが、
効果は本発明のペプチドで得られるよりもずっと低いことが判るであろう。
第3表に示した結果から見られるように、本発明による組成物は殆ど全ての環
境にてP.エアロギノーサの生存カウント数における顕著な減少を示したのに対
し、他のランダムペプチドが存在する組成物は生存カウント数を減少させない。
第2表の場合と同様に、表面活性剤SDSが存在すれば異なる性能が示されるこ
とも判るであろう。さらにペプチドとSDSとはP.エアロギノーサに対しいず
れか一方の場合よりもP.エアロギノーサに対し大きい相互親和性を有し、した
がってSDSの存在下における生存カウント数の低下は予想されない。
さらにオルニチンとトリプトファンとのヘテロポリマーはP.エアロギノーサ
に対し或る程度の活性を示すのに対し、このポリマーは第1表および第2表に示
した微生物に対し殆どまたは全く活性を示さないことも判るであろう。実施例2
:
下記表4は、ポリ−リジン(132.4kD)およびポリ−アルギニン(13
9.2kD)の濃度を変化させる効果を、これらポリアミノ酸で得られるログ−
キルスに関して示す。これら全ての場合、初期摂取材料は3.7×108〜2.
1×109生存細胞数/mLで構成し、培養を室温にて2時間にわたり進行させ
た。
実施例3:
上記実施例1および2は、一般的な家庭細菌である細菌株に関するものである
。本発明の一層広い利用性を例示するため、以下の実施例はストレプトコッカス
ミュータンス、すなわちヒト口内に一般的に存在してデンタルカリエスの発生に
関与すると認められた細菌に関するものである。これら実施例は異なる鎖長のペ
プチドの作用をも示す。
抗微生物活性は、ストレプトコッカスミュータンスNCTC 10449の細
胞をブロス中でペプチドの不存在下または特定分子量のポリ−アルギニンペプチ
ドの存在下で培養して決定した。
存在させる場合、ペプチドは分子量とは無関係に1.0mg/mLの全濃度に
て存在させた。下記表5に示す毒性の結果は、所定時間におけるブロスの試料中
の生存カウント数として示す。
第5表から見られるように、比較試料は指数増殖を示したのに対し、ポリ−ア
ルギニンを含有する試料は全て実験の時間経過にわたり極めて低いカウント数を
示した。高レベルの抑制がペプチドの分子量とは無関係に得られたが、より高い
分子量における一層顕著な抑制に対する一般的傾向が見られる。より高い分子量
にて、比例的に少ないペプチド分子が試料中に存在することに注目すべきである
。
下記表6は、一定分子量のペプチドを用い、存在する[Arg,Trp]ペプ
チドのレベルを変化させる効果を示すデータである。この実施例において見られ
るように、ストレプトコッカスミュータンスNCTC 10449の増殖はペプ
チドの存在により抑制された。
第7表は一定分子量のペプチドを用い、存在する[Lys,Trp]ペプチド
のレベルを変化させる効果を示すデータである。この実施例において、S.ミュ
ータンスNCTC 10449の増殖はペプチドの存在により抑制されたことが
判るであろう。
実施例3
第8表は、アクチノミセス・ビスカスT14Vの増殖に対する本発明によるペ
プチドの抑制作用を示す。
データをポリ[arg,trp]およびポリ[lys,trp]につき示し、
これらは初期生存カウント数(1,000,000)および濃度を変化させたペ
プチドの存在下で4時間にわたり培養した後の最終生存カウント数(1,000
,000)を示す。
実施例4:
第9表は、大腸菌およびL.イノキュラに対し評価した数種のペプチドに関す
る最小抑制濃度(MIC)をmg/mLで
示す。MICはPGY培地にて次のように測定した。PGY培地における試験微
生物の1晩培養物を、PGY培地における10000 CFU/mLの出発接種
レベルまで希釈した。測定は2.5、1.25、0.625、0.31、0.1
55、0.078、0.039および0.02mg/mLの一連の希釈物、並び
に無菌培地およびポリアミノ酸を含まない対照を有するブランクウェルに対する
対比を用いタイテレック(商標)プレートで行った。
これらの結果から見られるように、ペプチドは比較的低い濃度にて有効である
。
請求の範囲
1. 少なくとも1%の表面活性剤とプソイド−ランダム合成ペプチドとからな
る液状もしくはペースト状の抗菌性組成物において、前記ペプチドが少なくとも
5kDの分子量を有すると共に残基の個数で少なくとも15%のアルギニン、リ
ジン、オルニチンもしくはその混合物と、残基の個数で少なくとも15%のアル
ギニン、リジン、オルニチン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファンも
しくはその混合物とからなることを特徴とする液状もしくはペースト状の抗菌性
組成物。
2. 人体もしくは動物体で実施される治療法以外の細菌感染された物体の消毒
方法において、前記物体を少なくとも1%の表面活性剤と抗菌性プソイド−ラン
ダム合成ペプチドとからなる組成物で処理することを含み、前記ペプチドが少な
くとも5kDの分子量を有すると共に残基の個数で少なくとも15%のアルギニ
ン、リジン、オルニチンもしくはその混合物と、残基の個数で少なくとも15%
のアルギニン、リジン、オルニチン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトフ
ァンもしくはその混合物とからなることを特徴とする物体の消毒方法。
3. ペプチドがアルギニン、オルニチンもしくはリジンのホモポリマーからな
る請求の範囲第1項に記載の組成物。
4. ペプチドがリジンとフェニルアラニンとのコポリマー、アルギニンとトリ
プトファンとのコポリマーおよびリジンとトリプトファンとのコポリマーよりな
る群から選択される請求の範囲第1項に記載の組成物。
5. ペプチドが最高5000個のアミノ酸残基からなる請求の範囲第1項に記
載の組成物。
6. 液状もしくはゲル状であって、0.001〜10重量%の前記抗菌性ペプ
チドを含む請求の範囲第1項に記載の組成物。
7. 表面活性剤が非イオン型、両性型、双性イオン型、陰イオン型および陽イ
オン型の表面活性剤よりなる群から選択される請求の範囲第1項に記載の組成物
。
8. 表面活性剤が非イオン型もしくは両性型の表面活性剤である請求の範囲第
1項に記載の組成物。
9. 表面活性剤が組成物に対し1〜30重量%のレベルで存在する請求の範囲
第1項に記載の組成物。
10. (a)少なくとも5kDの分子量を有すると共に残基の個数で少なくと
も15%のアルギニン、リジン、オルニチン
もしくはその混合物と、残基の個数で少なくとも15%のアルギニン、リジン、
オルニチン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファンもしくはその混合物
とからなる0.001〜0.1重量%のペプチドと、
(b)1〜30重量%の非イオン型表面活性剤と、
(c)組成物の残部としての適合しうる水性媒体と
からなる抗菌性組成物。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
A61K 9/06 7329−4C A61K 9/06 K
9/08 7329−4C 9/08 M
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TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ),AM,
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,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LT,
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,TJ,TT,UA,UZ,VN
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. プソイド−ランダム合成ペプチドが少なくとも5kDの分子量を有すると 共に残基の個数で少なくとも15%のアルギニン、リジン、オルニチンもしくは その混合物と、残基の個数で少なくとも15%のアルギニン、リジン、オルニチ ン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファンもしくはその混合物とからな ることを特徴とするプソイド−ランダム合成ペプチドの抗菌剤としての使用。 2. プソイド−ランダム合成ペプチドからなる液状もしくはペースト状の抗菌 性組成物において、前記ペプチドが少なくとも5kDの分子量を有すると共に残 基の個数で少なくとも15%のアルギニン、リジン、オルニチンもしくはその混 合物と、残基の個数で少なくとも15%のアルギニン、リジン、オルニチン、フ ェニルアラニン、チロシン、トリプトファンもしくはその混合物とからなること を特徴とする液状もしくはペースト状の抗菌性組成物。 3. 細菌性疾病を処置するための薬剤もしくは治療組成物を製造する際のプソ イド−ランダム合成ペプチドの使用において、 前記ペプチドが少なくとも5kDの分子量を有すると共に残基の個数で少なくと も15%のアルギニン、リジン、オルニチンもしくはその混合物と、残基の個数 で少なくとも15%のアルギニン、リジン、オルニチン、フェニルアラニン、チ ロシン、トリプトファンもしくはその混合物とからなることを特徴とするプソイ ド−ランダム合成ペプチドの使用。 4. 人体もしくは動物体で実施される治療法以外の細菌感染された物体の消毒 方法において、前記物体を抗菌性プソイド−ランダム合成ペプチドで処理し、前 記ペプチドが少なくとも5kDの分子量を有すると共に残基の個数で少なくとも 15%のアルギニン、リジン、オルニチンもしくはその混合物と、残基の個数で 少なくとも15%のアルギニン、リジン、オルニチン、フェニルアラニン、チロ シン、トリプトファンもしくはその混合物とからなることを特徴とする物体の消 毒方法。 5. ペプチドがアルギニン、オルニチンもしくはリジンのホモポリマーからな る請求の範囲第2項に記載の組成物。 6. ペプチドがリジンとフェニルアラニンとのコポリマー、アルギニンとトリ プトファンとのコポリマーおよびリジンとトリプトファンとのコポリマーよりな る群から選択される請求の 範囲第2項に記載の組成物。 7. ペプチドが最高5000個のアミノ酸残基からなる請求の範囲第2項に記 載の組成物。 8. 液状もしくはゲル状であって、0.001〜10重量%の前記抗菌性ペプ チドを含む請求の範囲第2に記載の組成物。 9. 表面活性剤をさらに含む請求の範囲第2項に記載の組成物。 10. 表面活性剤が非イオン型、両性型、双性イオン型、陰イオン型および陽 イオン型の表面活性剤よりなる群から選択される請求の範囲第9項に記載の組成 物。 11. 表面活性剤が非イオン型もしくは両性型の表面活性剤である請求の範囲 第10項に記載の組成物。 12. 表面活性剤が組成物に対し1〜30重量%のレベルで存在する請求の範 囲第11項に記載の組成物。 13. (a)少なくとも5kDの分子量を有すると共に残基の個数で少なくと も15%のアルギニン、リジン、オルニチンもしくはその混合物と、残基の個数 で少なくとも15%のアルギニン、リジン、オルニチン、フェニルアラニン、チ ロシン、トリプトファンもしくはその混合物とからなる0.001〜 0.1重量%のペプチドと、 (b)1〜30重量%の非イオン型表面活性剤と、 (c)組成物の残部としての適合しうる水性媒体と からなる抗菌性組成物。
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