JPH0950303A - 繰り返し補償器およびこの繰り返し補償器を備えたディスク装置 - Google Patents

繰り返し補償器およびこの繰り返し補償器を備えたディスク装置

Info

Publication number
JPH0950303A
JPH0950303A JP19963595A JP19963595A JPH0950303A JP H0950303 A JPH0950303 A JP H0950303A JP 19963595 A JP19963595 A JP 19963595A JP 19963595 A JP19963595 A JP 19963595A JP H0950303 A JPH0950303 A JP H0950303A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
compensator
memory
output
gain
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP19963595A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3536455B2 (ja
Inventor
Takeshi Katayama
剛 片山
Masahito Nagasawa
雅人 長沢
Masaharu Ogawa
雅晴 小川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP19963595A priority Critical patent/JP3536455B2/ja
Publication of JPH0950303A publication Critical patent/JPH0950303A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3536455B2 publication Critical patent/JP3536455B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)
  • Feedback Control In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 繰り返し補償器を備えた制御装置において、
繰り返し補償器の入力に外乱信号が混入する制御装置の
目標値への追従性能を向上すること。特に、光ディスク
装置などのディスク装置において、ディスクの傷や装置
の振動外乱が存在する場合でも、目標値の追従性能を損
なわない繰り返し補償器を得る。 【解決手段】 従来の繰り返し補償器の構成要素である
入力信号の1周期分を記憶する学習メモリ4と、ローパ
スフィルタ3と、ゲイン要素2と、信号加算要素1に、
ゲインk(0≦k≦1)を有するゲイン要素5と、ゲイ
ン1−k(0≦k≦1)を有するゲイン要素6と、信号
加算要素7を追加し、kの値を調節することで学習メモ
リ4に入力信号の誤差成分を長期間保持できるようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制御系に用いる繰
り返し補償器に関するもので、例えば、ディスク装置の
トラッキング・フォーカス制御系に用いられるものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図10〜15は、1992年電子情報通
信学会春季大会講演論文集(4)のC−364 片山
剛 著:「DSPを用いた光ディスクの学習トラッキン
グ制御」の理論説明図、図10は繰り返し型学習制御系
の位相余裕量に対する学習限界を示す図、図11は繰り
返し型学習制御系の安定性を示すナイキスト線図であ
る。
【0003】図11において、各記号は下記の意味を表
す。 Im:虚軸 Re:実軸 H(s):動特性補償器(進み補償) G(s):アクチュエータ ‖K(s)‖:安定化補償器のゲイン量
【0004】図12は繰り返し補償器の周波数特性を示
す制御系のボード線図、図13はDSPを用いた繰り返
し型学習制御系のブロック図である。図13において、
各記号は下記の意味を表す。 A/D:アナログ・ディジタル変換器 K(s):安定化補償器 e-Ls :記憶部(学習メモリ) H(s):動特性補償器(進み補償) D/A:ディジタル・アナログ変換器 DR:ドライバ G(s):アクチュエータ
【0005】図14は繰り返し補償器の入出力信号の実
測図、図15はトラックエラーの実測図である。
【0006】光ディスク装置のトラッキング制御は、記
録密度の向上に伴い、安定性、速応性を損なわず追従能
力を上げることが要求されている。そこで、トラッキン
グ制御およびフォーカス制御に、繰り返し型学習制御理
論を応用することで飛躍的に追従能力を向上できる。ま
た、DSP(ディジタルシグナルプロセッサ)を用いた
ソフトウェアサーボによっても実現できる。
【0007】次に、学習能力と安定性の関係について説
明する。図10はシステムの安定性に対する学習限界を
示したものである。図より位相余裕量が増えると学習能
力が向上し、特に制御帯域付近の周波数特性が重要であ
ることがわかる。これは図11に示す学習安定円に対す
るシステムのベクトル軌跡からも明かで、学習ループの
高周波成分を減衰させるフィルタ(学習制御の安定化フ
ィルタ)を挿入することにより、基本周波数の学習能力
および安定性がより向上できることを示している。
【0008】図12に従来のシステムにおける繰り返し
補償器の周波数特性を示す。図中、学習によるピーク
は、学習ループのゲインが1に近づくほど大きくなるも
ので、学習能力に比例している。図12で示した繰り返
し補償器では、約20dBの学習能力を有している。
【0009】図13に、従来のDSPを用いた繰り返し
型学習制御系のブロック図を示す。このシステムは、多
段のIIR型ディジタルフィルタよりなる安定化補償器
と、学習メモリ(記憶部)とで構成された光ディスクの
制御系の繰り返し補償器(学習補償器)と、動特性補償
器からなる。
【0010】ここで従来においては、図10の安定性を
満足させるため、多段のディジタルフィルタで構成した
K(s)で示される安定化補償器が必要となる。また、
H(s)で示される動特性補償器を進みフィルタ構成す
ることにより、繰り返し補償器がない場合の位相余裕量
を確保し、学習システムの動特性を定めることができ
る。
【0011】従って、安定化補償器H(s)による動特
性の設定と、繰り返し補償器による追従性の設定が別々
に行えるようになる。また、以上のシステムは、一つの
ソフトウェア上で構成することができる。
【0012】一例として、実際の動作例を図において説
明する。ここで、DSPのサンプリング周期は、50k
Hz、制御帯域は3kHz、位相余裕量は、約60de
gである。
【0013】図14は繰り返し補償器の入出力信号の波
形を示した図で、学習動作後、制御偏差がほぼなくなっ
ているのがわかる。このとき繰り返し補償器は、ディス
ク偏心の学習結果を出力し続けている。
【0014】図15はディスクを2mm偏心させたとき
のトラックエラーを示したもので、繰り返し型学習制御
がない場合は約0.7μmの偏差が残っているが、同じ
制御帯域での学習制御後、偏差は殆どなくなっている。
このように実際の有効性が確認できる。
【0015】従来のシステムは、フォーカス制御の場合
もまったく同様に実現できることは言うまでもない。
【0016】従来の光ディスク装置のトラッキング・フ
ォーカス制御は、以上のように構成され、記録密度の向
上に伴い、安定性、速応性を損なわず追従能力を上げる
ことが要求されている。
【0017】従来の直結フィードバック制御からなるト
ラッキング・フォーカス制御は、アクチュエータの高次
機械共振や、ディスクのピット列による光の変調成分が
制御系へ外乱として混入し、制御帯域の高帯域化が妨げ
られ、無理に制御帯域を広げようとすると位相余裕が減
少し、制御系が発振するなどの問題が生じた。
【0018】これに対し、上述した繰り返し型学習制御
方式は、従来の制御帯域を広げずに周期的な追従目標に
対する追従能力を向上させることができるため、より狭
トラックなシステムや偏芯の大きなシステム、ディスク
回転数の高いシステム(転送レートの高いシステム)に
対応することができる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した繰り
返し型学習制御は、図11に示したナイキスト線図から
もわかるように、従来の直結フィードバック制御では、
(−1,0)の点を左に見ながら(0,0)に集束すれ
ば安定であった(ナイキストの安定原理)のに対し、
(−1,0)の点を中心とする円の外側をまわるように
しなければならず、安定余裕が劣化している。
【0020】また、繰り返し型学習制御は、一周期前の
偏差信号を記憶し、記憶した結果をもとの制御システム
にフィードフォワード加算する方式であるため、ディス
クの傷や装置に加わる振動などの外乱によって周期的で
ない追従目標が与えられた場合、これを学習することは
かえって制御システムに不要なノイズを混入することと
等しくなってしまう。
【0021】そのため、振動が加わったりディスクの傷
などが混入した際の制御システムの安定性の向上や、メ
モリに学習されてしまう不要な無周期成分の影響を無く
すことが要求されていた。
【0022】また、制御系は、一般に複数の制御モード
を有する場合が多く、従来の繰り返し補償器を適用した
制御系においては、制御モードを切り換える度に繰り返
し補償器のメモリの内容が失われるため、再度元の制御
モードに戻ったときに新たに繰り返し補償器が集束する
までの間、繰り返し補償器の効果が現れないと言う問題
点があった。
【0023】具体的には、例えば、光ディスク装置、ま
たは磁気ディスク装置のトラッキング制御系に繰り返し
補償器を適用した場合、シーク動作の直後にトラッキン
グ制御モードに切り換える度に繰り返し補償器の内部の
メモリにディスク1回転に相当する制御誤差信号が蓄積
されるまで繰り返し補償器の効果は現れない。したがっ
て、シーク直後に情報を書き込みまたは読み出しする場
合は、繰り返し補償器を適用した効果が無く、トラッキ
ング制御偏差が大きくなるという問題点があった。
【0024】
【課題を解決するための手段】この発明に係る繰り返し
補償器は、制御系の誤差信号などの被補償信号が入力さ
れる第1の加算手段と、この第1の加算手段の出力信号
を1周期分づづ順次フィードバックして上記第1の加算
手段に入力するフィードバック信号系とを備え、上記フ
ィードバック信号系が、上記第1の加算手段の出力信号
に0以上1以下のゲインkを乗ずる第1のゲイン要素
と、この第1のゲインkが乗ぜられた信号が入力される
第2の加算手段と、この第2の加算手段の1周期前の出
力信号にゲイン1−kを乗じて上記第2の加算手段に入
力する第2のゲイン要素と、上記第2の加算手段の出力
信号を1周期分づつ順次更新記憶するメモリと、このメ
モリに記憶されている1周期分の信号に1以下のゲイン
βを乗じて上記第1の加算手段に入力する第3のゲイン
要素とで構成したものである。
【0025】また、入力された被補償信号の周期的成分
の強弱を検出する相関検出手段と、周期性が弱い成分が
検出された時は上記第1および第2のゲイン要素のkの
値をほぼ0とし、周期性が強い成分が検出された時は上
記kの値をほぼ1に調節するゲイン調節手段を備えたも
のである。
【0026】また、この発明に係るディスク装置は、入
力された制御系の誤差信号などの被補償信号の周期的成
分の強弱を検出する相関検出手段と、上記被補償信号が
入力される第1の加算手段、およびこの第1の加算手段
の出力信号を1周期分づづ順次フィードバックして上記
第1の加算手段に入力するフィードバック信号系とで構
成された短期型の補償系と長期型の補償系とを有する繰
り返し補償器と、上記相関検出手段によって周期性の弱
い成分が検出された時は上記繰り返し補償器の短期型の
補償系の出力成分が長期型の補償系の出力成分よりも多
く、また、周期性の強い成分が検出された時は長期型の
補償系の出力成分が短期型の補償系の出力成分よりも多
くなるように上記繰り返し補償器の補償特性を調節する
手段とで構成されたディスク装置である。
【0027】また、光または磁気によりディスクに情報
を記録し再生するディスク装置において、上記光または
磁気を発生させるヘッドを上記ディスクの所定の位置に
位置決めするためのアクチュエータまたはモータの制御
システムに、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に
記載の繰り返し補償器を備えたことを特徴とするディス
ク装置である。
【0028】また、請求項1または請求項2に記載の繰
り返し補償器において、kの値を切り換える制御モード
切換指令発生手段を備えたものである。
【0029】また、請求項1または請求項2に記載の繰
り返し補償器と、情報を記録または再生するヘッドを所
定の位置に位置決めするトラッキング制御手段と、トラ
ッキング制御モードオンオフ指令発生手段とを有し、上
記トラッキング制御モードオンオフ指令発生手段の出力
に基づきトラッキング制御手段の動作中は上記繰り返し
補償器のkの値をほぼ1とし、また、トラッキング制御
手段が動作していないときはkの値をほぼ0に調整する
ように構成されたディスク装置である。
【0030】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態である繰り
返し補償器においては、1周期分の入力信号を繰り返し
記憶するために設けられた正帰還ループを含む学習メモ
リの入力信号が、現在の信号にkを乗じた信号とさらに
1周期前の学習メモリの出力に1-kを乗じた信号とで
構成され、kの値によって学習メモリの内部の情報が、
1周期前の情報だけでなく、多周期にわたる情報に重み
付けをした情報となるよう作用し、重みがkの値によっ
て変化するように作用する。
【0031】また、繰り返し補償器の入力の周期的成分
の強弱に応じて、繰り返し補償器内部のゲインkの値を
変化させ、周期的成分が弱い場合には学習メモリへの入
力信号がさらに1周期前の入力信号にほぼ一致し、周期
的成分が強い場合には現在の入力信号にほぼ一致するよ
うに作用する。
【0032】また、この発明の実施の形態であるディス
ク装置においては、繰り返し補償器が、短期記憶型の繰
り返し補償系と長期記憶型の繰り返し補償系の両方の構
成を有し、周期的な相関の強い追従目標や外乱に対して
は、ほぼ短期記憶型の補償器として作用し、相関が弱い
場合は、長期記憶型の補償器として作用する。
【0033】また、記憶装置の位置決め制御系において
トラック相関や外乱の周期性が強い場合には、短期記憶
型の補償器の出力が重視されて、ほぼ1周期前の制御誤
差信号に基づいて制御系が作用し、突発的なキズや外乱
がある場合には長期記憶型の補償器の出力が重視されて
過去の多周期にわたる制御誤差信号を小さくするよう制
御系が作用する。
【0034】また、この発明の実施の形態である繰り返
し補償器においては、制御モード切換指令発生手段の出
力に応じて、繰り返し補償器内部のゲインkが切り替わ
り、制御系が動作中は繰り返し補償器が学習を続け、制
御系が不動作の時はkがほぼ0となって不要な入力信号
を学習しないように作用する。
【0035】また、この発明の実施の形態であるディス
ク装置においては、光ディスク装置や磁気ディスク装置
のトラッキング制御系において、トラッキング制御手段
の動作中は、kがほぼ1となって繰り返し制御系が学習
を続け、制御系が不動作の時はkがほぼ0となって、学
習しないように作用する。さらにシーク動作が完了して
トラッキング動作を再び開始した直後は繰り返し補償器
はシーク動作開始前のトラッキング制御中に学習した値
を初期値として学習を続ける。
【0036】以下、この発明をその実施の形態を示す図
面に基づいて具体的に説明する。 実施の形態1.光ディスクの分野においては、高密度化
の要求に伴い、安定性・速応性を損なわずに追従能力を
上げることが望まれている。従来は、図13に示すよう
に、1周期分のメモリを一つの正帰還ループに持つ繰り
返し補償器が用いられていた。この繰り返し補償器は、
一般的な形として、様々な分野で実用化されてきたもの
である。しかし、この繰り返し補償器は1周期分の記憶
部しかもたないため、キズ等の外乱が混入すると、この
外乱が正帰還ループを何巡もし、外乱に対する影響が後
々残ってしまう問題点があった。
【0037】そのため、1周期前のさらに古い記憶が行
える繰り返し補償器が求められていた。これを構成する
ための最も簡単な方法は、メモリの容量を増やして必要
な周期の分だけメモリを直結する方法がある。しかし、
この方法を用いると、メモリの容量や数量が増大し、ま
た、メモリの容量の範囲内でしか、過去の情報に遡って
記憶することができなかった。図13に示した適応型繰
り返し制御は、無周期性成分混入時における不必要な学
習を防ぐ利点があったが、その時の追従能力の向上は不
可能であった。
【0038】そこで、さらに長期記憶・短期記憶の概念
を導入することによって、無周期性成分の混入時におい
ても、良好な追従能力を実現する方法について検討し
た。
【0039】図1は、長期にわたって入力の周期的成分
を記憶できる繰り返し補償器のブロック図である。この
繰り返し補償器は、加算点1、ゲイン要素2、ローパス
フィルタ3、学習メモリ4、ゲイン要素5,6、および
加算点7で構成されるフィードバックループより成って
いる。
【0040】図1に示すように、まず、加算点1におい
て左側からの入力信号と、ゲイン要素2の出力信号との
和が繰り返し補償器の出力となる。この、繰り返し補償
器の出力信号は、ゲイン要素5にてk倍され、学習メモ
リ4の出力をゲイン要素6にて1−k倍した値とを加算
点7にて加算した信号を学習メモリ4に入力する。学習
メモリ4の出力は、ローパスフィルタ3に入力され、ゲ
イン要素2にて1以下のゲインを乗じて加算点1へフィ
ードバックされる。加算点1で1周期分のトラッキング
エラー信号とフィードバックループの出力が加算され出
力されると同時に、フィードバックループ内のゲイン要
素5に入力される。
【0041】ゲイン要素5に入力された信号はk倍さ
れ、その信号が学習メモリ4に入力される。さらに1−
kのゲイン要素6で構成された正帰還されるブロックを
挿入することで、1回の記憶がゲイン要素6を介して長
期間にわたり持続される。この学習メモリ4の出力がロ
ーパスフィルタ3を通ってゲイン要素2によってβ倍さ
れ、このβ倍された出力信号が加算点1に加算されるこ
とによって、長期にわたる周期的成分を記憶できる繰り
返し補償器が実現できる。
【0042】図1の動作を以下に説明する。kは0から
1の値を取りうるので、例えば、k=1とすると、ゲイ
ン要素6のゲインが0になるため、学習メモリ4自身の
出力は加算点7に伝達されず、学習メモリ4にフィード
バックされることはない。したがって、学習メモリ4の
出力信号は、1周期(時間L)前の繰り返し補償器の出
力と一致する。
【0043】また、k=0とすると、学習メモリ4に
は、繰り返し補償器自身の出力が入力されず、1周期前
の学習メモリ4自身の出力が入力される。すなわち、k
=0の間は、以前に学習した繰り返し補償器入力の周期
的成分が永遠に繰り返し出力されると同時に、繰り返し
補償器が新たな入力に対して学習することはない。
【0044】また、kをほぼ0に近い値の一例としてk
=0.02に設定すると、学習メモリ4の入力信号の
内、2%が現在の繰り返し補償器の出力となり、98%
が1周期前の学習メモリ4の出力となる。このことは、
時間を1周期(L)だけさかのぼって考えても全く同じ
ことが言える。すなわち、繰り返し補償器に入力される
信号の過去の成分は、1周期毎に0.98の係数を乗じ
て徐々に薄れていき、1周期前までの、時刻に応じた重
みを付けた周期的成分と、現在時間の繰り返し補償器の
出力の2%が加算され、制御系が抑圧すべき信号として
学習メモリ4の出力となる。1−kはいわゆる忘却係数
となる。
【0045】このように、1−kの値を1以下に設定す
ることによって、学習メモリ4内に記憶された情報は徐
々に減衰するため、これが記憶課程における忘却係数と
して任意に設定することが可能となった。
【0046】ここで、一例として、1周期前の繰り返し
補償器の入力信号と、現在の繰り返し補償器の入力信号
との差の絶対値を比較し、この差が小さい場合は互いに
波形が似ており、相関性が強い。逆に、前記絶対値が大
きい場合は、互いに波形が似ておらず、相関性が弱いと
する。
【0047】一般的な制御システムにおいては、追従目
標や外乱の相関性が強い場合は、繰り返し補償器内の学
習メモリに1周期分以上の記憶をさせる必要がない。一
方、相関性が弱い場合は、なるべく過去の記憶を用いる
必要があり、かつ、学習メモリに相関性の少ない情報を
入力させないようにすることが重要である。これは、例
えば、光ディスクにおけるディスク面のキズや装置の振
動等による相関のない誤差信号を繰り返し補償器の学習
メモリに記憶させないことに相当する。
【0048】そこで、図1に示すように、学習メモリ4
の手前にゲインkのゲイン要素5を直列に設け、相関性
が強い場合は突発的な外乱の混入がないと考えられるの
で、kの値を1に近づけるとともに、学習メモリ4にお
ける正帰還ループを構成しているゲイン1−kのゲイン
要素6を0に近づけて長期間の記憶を行わないようにす
る。
【0049】逆に、相関性が弱い信号が入力された場合
は、突発的な外乱が混入したと考えられるので、kの値
を0に近づけて学習メモリ4への無周期性成分の入力を
防ぐと共に、ゲイン要素6の1−kの値を1に近づけて
1周期以上前の入力信号が再び学習メモリ4に入力され
るので、ローパスフィルタ3以後に外乱信号は伝達され
ない。また、ゲイン要素5のゲインがほぼ0になるの
で、学習メモリ4にも不要な外乱信号は混入されず、誤
った信号を避けることができる。
【0050】繰り返し補償器を用いるためには、制御の
安定条件を満足する必要がある。この安定条件は、繰り
返し補償器全体の正帰還ループを開いたときのオープン
ループゲイン(例えば、図中の第3のゲイン要素2と加
算点1との間を切ったときのオープンループゲイン)が
1以下である必要がある。これは、従来のオープンルー
プゲインの安定条件から、1以上になるとゲインが無限
大になり、回路が発振するからである。図1のように、
1−kとkのブロックでシステムを構成すると、kから
F(s)までのゲインが1となり、βを1以下にするこ
とにより安定条件が満足されることがわかる。このよう
に構成することによって任意の忘却係数を持ち、学習メ
モリへの制限が可能な繰り返し補償器が実現可能となっ
た。
【0051】実施の形態2.図2は、この発明の実施の
形態2のブロック図である。図中、図1と同じ符号の要
素は同じ構成要素を意味する。11はAD変換器、15
はDA変換器、16はローパスフィルタ、20は周期メ
モリである。図1は連続時間系の表現であり、いわゆる
アナログ回路で実現できる。図2は離散時間系の表現
で、いわゆるディジタル回路で実現した場合の例であ
る。図2の周期メモリ20は信号遅延素子で、いわゆる
FIFO(first in first out)メモリである。図2におい
て、Z-n=e-sτ(τはサンプリング周期)であり、周
期メモリ20における遅延時間nτは、抑圧したい入力
信号の1周期に一致するよう選ばれる。
【0052】図2に示すように、まず、加算点1におい
てAD変換器11によってディジタルに変換された繰り
返し補償器の入力信号と、フィードバックループの出力
が加算され、DA変換器15に出力されると同時に、ゲ
イン要素5によってk倍され、その信号が周期メモリ2
0に入力される。さらに1−kのゲイン要素6の正帰還
されるブロックを挿入することで、1回の記憶が1−k
のゲイン要素6を介して長期間にわたり持続される。こ
の周期メモリ20の出力がローパスフィルタ16を通っ
てゲイン要素2によってβ倍される。このβ倍された出
力信号が加算点1に加算されることで、長期にわたる周
期的成分を記憶できる繰り返し補償器が実現できる。
【0053】実施の形態3.図3は、この発明の実施の
形態3のブロック図である。図中、図1または図2と同
じ符号の要素は同じ構成要素を意味する。201はクロ
ック発生手段である。前記実施の形態1および実施の形
態2においては、ディスクの回転が一定でない場合、デ
ィスクの内周と外周でディスク1回転分の周期が異なる
ため、繰り返し補償器が有効に動作しない場合がある。
図2ではサンプリング周期τは一定であるが、クロック
発生手段201をモータの回転速度を検知するFGとす
れば、モータの回転速度が一定でない場合においても繰
り返し補償器が有効に動作する。
【0054】図3に示すように、まず、加算点1におい
てAD変換器11によってディジタルに変換された繰り
返し補償器の入力信号と、フィードバックループの出力
が加算され、DA変換器15に出力されると同時に、ゲ
イン要素5によってk倍された信号が周期メモリ20に
入力される。また、周期メモリ20にはモータの回転速
度を検知するクロック発生手段201からの信号が入力
される。さらに1−kのゲイン要素6で正帰還されるブ
ロックを挿入したことで1回の記憶がゲイン要素6を介
して長期間にわたり持続される。この周期メモリ20の
出力がローパスフィルタ16を通ってゲイン要素2によ
ってβ倍される。このβ倍された出力信号が加算点1で
入力信号に加算されることで、長期にわたる周期的成分
を記憶できる繰り返し補償器が実現できる。
【0055】実施の形態4.図4は、この発明の実施の
形態4のブロック図である。図中、図2または図3と同
じ符号の要素は同じ構成要素を意味する。301は相関
検出器、31はローパスフィルタ、13は絶対値検出
器、14はコンパレータを示す。
【0056】以下、相関検出器301の動作を説明す
る。AD変換器11において、ディジタルに変換された
繰り返し補償器の入力信号は、ローパスフィルタ31に
入力され、ローパスフィルタ31の出力信号との差が絶
対値回路13に入力される。すなわち、絶対値回路13
の入力は、繰り返し補償器の入力信号の高周波成分を抜
き出したものである。さらに、絶対値回路13の出力
は、コンパレータ14によって所定のレベルと比較さ
れ、所定のレベルを超えたかどうか判断される。その結
果、例えば、所定のレベルを超えたものは本来制御系が
追従すべき誤差信号ではなく、高周波のノイズであると
し、繰り返し補償器のゲイン要素5,6のkの値をk=
0とし、所定のレベル以下であればk=1とする。この
ように構成することで、周期メモリ20の入力には学習
不要なノイズが混入することが無く、繰り返し補償器は
正常な信号を出すことができる。
【0057】なお、図4では、相関検出器301を絶対
値回路13とコンパレータ14で構成したが、ウインド
ウコンパレータだけで構成してもよい。また、絶対値回
路13の入力部の要素は、ハイパスフィルタで構成して
もよい。すなわち、本来学習すべきでない外乱信号を検
出できる手段であればよい。
【0058】実施の形態5.図5は、この発明の実施の
形態5のブロック図である。図中、図4と同じ符号の要
素は同じ構成要素を意味する。この実施の形態5は、短
期記憶型の繰り返し補償系と長期記憶型繰り返し補償系
を組み合わせた繰り返し補償器を有しており、21は周
期メモリ、17,18,401,402はゲイン要素、
403は短期型の周期メモリブロック、404は長期型
の周期メモリブロックを示す。
【0059】図5において、相関検出器301にて、繰
り返し補償器の入力信号にノイズ成分が検知されない通
常の場合は、例えば、ゲイン要素5と401においてk
=k1=1とすれば、周期メモリ20には、現在の繰り
返し補償器の出力のみが入力され、周期メモリ20から
は1周期前の繰り返し補償器の出力が出力される。
【0060】また、相関検出器301にて、繰り返し補
償器の入力信号にノイズ成分が検知された場合は、例え
ば、ゲイン要素5と401においてk=k1=0とすれ
ば、周期メモリ20には、1周期前の周期メモリ20の
出力のみが入力され、周期メモリ20は不要な学習を避
けられる。
【0061】一方、ゲイン要素17,18において、例
えばα=0.98とすれば、周期メモリ21にはゲイン
要素17の出力と18の出力の和が入力されるので、周
期メモリ21自身の出力98%と、周期メモリ20の入
力の2%の和が周期メモリ21の入力となる。すなわ
ち、周期メモリ21は長期型の周期メモリとして動作す
る。
【0062】ここで、周期メモリ21はゲインkの値に
かかわらず学習を続けるが、前述の通り、周期メモリ2
0の入力、すなわち、ゲイン要素17の入力は、kを0
または1に切り換えることで、不要なノイズが除かれて
いるので、長期型の周期メモリブロック404は不要な
ノイズを学習することはない。この場合、αは忘却係数
と呼ばれる。
【0063】さらに、ゲイン要素401,402のk1
をゲインkと連動させて0、または1に切り換えること
で、短期型の周期メモリブロック403と長期型の周期
メモリブロック404の出力が交互にローパスフィルタ
16に入力され、図5に示した繰り返し補償器全体が、
ノイズの検出、不検出に応じて長期または短期型の繰り
返し補償器として動作する。
【0064】なお、本実施の形態5においては、kまた
はk1を0と1とに切り換えたが、かならずしも0と1
ではなく、それぞれ0と1に近い値に設定しても同様の
効果を得られる。さらに、αの値として0.98も一例
であり、0と1の間の値であればよく、制御システム全
体で必要とされる学習期間に相当するようαの値を設定
すればよい。なお、本システムの安定条件は、実施の形
態1と同様に、βの値を1以下にすることである。
【0065】実施の形態6.以下に、この発明の実施の
形態6を説明する。実施の形態5に示した繰り返し補償
器を、光ディスクのトラッキング・フォーカシングシス
テムに導入することによって極めて高い追従能力を確保
することが可能となる。通常のトラッキング・フォーカ
シング制御時においては、図2または図3に示した短期
記憶型の繰り返し補償器を動作させることによって追従
目標の相関性を利用し、従来の直結フィードバック制御
系に比べて20dB以上の能力向上が可能となる。
【0066】一方、キズや振動等の外乱が混入した場合
においては、図5に示した繰り返し補償器の動作を長期
記憶型繰り返し補償器の加算比を増やすことによって過
去のキズや振動の混入する前の相関性の強い情報を利用
し、高い追従能力を確保した状態のままで、キズ等の突
発的な外乱が繰り返し補償器の内部の正帰還ループを巡
回することを防ぐようにしたものである。このように構
成することによって、いかなる突発的な状態においても
安定に繰り返し補償器を動作させることが可能となっ
た。
【0067】実際に、図5に示した長期と短期の両方の
周期成分学習機能を持つ繰り返し補償器を光ディスク装
置のトラッキング制御系に適用して動作させると、図9
の様になる。図9(c)に見られるように、誤差信号に
ディスクの傷の影響があってもトラック偏差が小さく維
持されているのがわかる。
【0068】実施の形態7.図6は、この発明の実施の
形態7のブロック図である。図中、図2と同じ符号の要
素は同じ構成要素を意味する。図において、501は制
御モード切換指令発生手段である。繰り返し補償器を適
用した制御系が動作中の場合は、例えばゲインkを1と
し、制御系が不動作の場合は0とする。k=0の間は、
繰り返し補償器はk=1の期間に学習した周期成分をD
Aコンバータ15から出力し続ける。さらに、その後再
び制御系が動作するときには、k=1とすることで、制
御系が不動作になる以前の情報を初期値として、再び周
期メモリ20が学習を開始する。
【0069】実施の形態8.図7は、この発明の実施の
形態8のブロック図である。図中、図2と同じ符号の要
素は同じ構成要素を意味する。図において、601は制
御系全体の安定化補償器、602は制御ループオンオフ
スイッチ、603は駆動回路をも含む制御対象、604
はトラッキング制御モードオンオフ指令発生手段、60
5は信号加算手段である。
【0070】以下、動作について説明する。図6に示し
た構成と同じ構成の繰り返し補償器の出力信号が、安定
化補償器601に入力され、その出力は制御ループオン
オフスイッチ602を介して、駆動回路をも含む制御対
象603に伝達される。制御対象603の出力は、信号
加算手段605にて目標位置信号から減算され、繰り返
し補償器の入力であるADコンバータ11に入力され
る。
【0071】例えば、制御対象603が光ディスク装置
のトラッキングアクチュエータであるとすると、トラッ
キング動作中は、スイッチ602がオンとなり、ゲイン
要素5,6のkの値がk=1となって、繰り返し補償器
が動作する。さらにトラッキング動作開始前や、シーク
動作時にはスイッチ602がオフとなるので、同時にゲ
イン要素5,6のkの値をk=0とすることで、周期メ
モリ20は不要な学習を行わない。
【0072】その後、シーク動作完了直後には再びスイ
ッチ602がオンとなり、ゲイン要素5,6のkの値が
k=1となって繰り返し補償器が動作する。このとき、
周期メモリ20はシーク動作開始前の入力トラッキング
制御エラー信号の周期成分をメモリしているので、DA
コンバータ15からは直ちにトラッキング制御エラー信
号の周期成分を補償する信号が出力され、結果的に信号
の加算点1の出力であるトラッキングエラー信号のレベ
ルが小さくなり、光スポットの目的トラックへの追従性
能がトラッキング動作開始直後から向上する。
【0073】なお、この実施の形態8は、光ディスク装
置だけでなく、磁気ディスク装置のトラッキング制御系
にも全く同様に適用できる。
【0074】実施の形態9.図8は、この発明の実施の
形態9のブロック図である。図中、図7と同じ符号の要
素は同じ構成要素を意味する。図8に示すように、安定
化補償器601を離散時間系において実現してもよく、
制御ループオンオフスイッチ602は繰り返し補償器の
入力側に設置してもよい。このとき、図7との動作の違
いは、シーク中にも制御対象であるトラッキングアクチ
ュエータ603に繰り返し補償器の出力が伝達され、ト
ラッキングアクチュエータがシーク中にもディスクのト
ラック振れ成分に追従する。
【0075】このように構成することで、シーク中に光
スポットがディスクの偏芯の影響を受けることが無く、
シーク中の横断トラック数を正確にカウントできる。さ
らに、安定化補償器601を制御ループオンオフスイッ
チ602の直前、または直後に配置してもよく、安定化
補償器601と制御ループオンオフスイッチ602の配
置は特に問わない。また、DAコンバータ15は必ずし
も必要ではなく、PWM出力でもよい。
【0076】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように構成さ
れているので、以下に示すような効果を奏する。
【0077】請求項1の発明においては、ゲインkの値
を0から1の間の値に設定することで、繰り返し補償器
の学習時間を自由に設定できる。したがって、繰り返し
補償器を入力信号の1周期から無限時間まで学習時間を
変更できる。
【0078】請求項2の発明においては、繰り返し補償
器の入力信号の周期成分の強弱を検出する手段の出力に
応じてゲインkを切り換えるようにしたので、繰り返し
補償器が不規則外乱などの影響を受けることなく動作す
るため、信頼性の高い学習が可能となる。
【0079】請求項3の発明においては、長期型の周期
メモリと短期型の周期メモリを組み合わせる構成とし、
不規則外乱検出結果に応じて短期型と長期型の繰り返し
制御器として動作する。通常は短期型の繰り返し制御器
として動作し、集束が速くなる効果がある。また、不規
則外乱検出時には長期型の繰り返し制御器として動作
し、よりいっそうノイズ外乱に強い繰り返し補償器を実
現できる。
【0080】請求項4の発明においては、光ディスク装
置または磁気ディスク装置において、ディスクの1周期
分を記憶するメモリとフィードフォワード加算する短期
の繰り返し補償器と長期記憶型の繰り返し補償器を用
い、制御系の誤差信号に含まれる周期性の強弱に応じ
て、短期記憶と長期記憶の出力加算比を変化させること
で振動やディスクのキズ等の突発的な外乱に影響される
ことのないトラッキング、またはフォーカシング制御シ
ステムを実現できる。
【0081】請求項5の発明においては、制御モード切
換指令発生手段の出力に基づいてゲインkの値を切り換
える構成としたので、制御系の動作が中止されても繰り
返し補償器の内部の周期メモリの内容がリセットされる
ことが無く、その後再び制御系が動作した直後に繰り返
し補償器が正常に動作し、従来のように繰り返し補償器
が集束するまでの待ち時間が無くなる。
【0082】請求項6の発明においては、光ディスク装
置または磁気ディスク装置などディスク装置のトラッキ
ング制御系に繰り返し補償器を適用した場合、シーク動
作中も繰り返し補償器の内容がリセットされることが無
く、シーク動作完了直後にトラッキング動作を再会する
瞬間から繰り返し補償器が正常に動作し、トラッキング
エラーが抑圧されるという効果があり、さらに、光ディ
スク装置においては、シーク中にも繰り返し補償器の出
力をトラッキングアクチュエータに加える構成とするこ
とで、シーク中にも光スポットが、ディスクの偏芯に追
従するため、シーク中の横断トラック数を正確にカウン
トでき、精度の良いシーク動作を実現できるという効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による繰り返し補償
器のブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態2による繰り返し補償
器のブロック図である。
【図3】 この発明の実施の形態3によるクロック発生
手段を有する繰り返し補償器のブロック図である。
【図4】 この発明の実施の形態4による相関検出器を
有する短期記憶型の繰り返し補償器と長期記憶型の繰り
返し補償器のブロック図である。
【図5】 この発明の実施の形態5による短期記憶型の
繰り返し補償器と長期記憶型の繰り返し補償器を組み合
わせた繰り返し補償器のブロック図である。
【図6】 この発明の実施の形態7による短期記憶型の
繰り返し補償器と長期記憶型の繰り返し補償器を組み合
わせた繰り返し補償器のブロック図である。
【図7】 この発明の実施の形態8による短期記憶型の
繰り返し補償器と長期記憶型の繰り返し補償器を組み合
わせたブロック図である。
【図8】 この発明の実施の形態9による短期記憶型の
繰り返し補償器と長期記憶型の繰り返し補償器を組み合
わせたブロック図である。
【図9】 この発明の各実施の形態による動作結果を示
す波形図である。
【図10】 従来の繰り返し型学習制御系の位相余裕量
に対する学習限界を示す図である。
【図11】 従来の繰り返し型学習制御系の安定性を示
す図である。
【図12】 従来の繰り返し補償器の周波数特性を示す
図である。
【図13】 従来のDSPを用いた繰り返し型学習制御
系のブロック図である。
【図14】 従来の繰り返し補償器の入出力信号の実測
図である。
【図15】 従来のトラックエラー信号の実測図であ
る。
【符号の説明】
1 加算点、2 ゲイン要素、3 ローパスフィルタ、
4 学習メモリ、5,6 ゲイン要素、7 加算点、1
1 AD変換器、13 絶対値検出器、14 相関検出
器、15 DA変換器、16 ローパスフィルタ、1
7,18ゲイン要素、20,21周期メモリ、31 ロ
ーパスフィルタ、201 クロック発生手段、301
相関検出器、401,402ゲイン要素、403 短期
の周期メモリブロック、404 長期のメモリブロッ
ク、501 制御モード切り換え指令発生手段、601
制御系全体の安定化補償器、602 制御ループオン
オフスイッチ、603 駆動回路を含む制御対象、60
4 トラッキング制御モードオンオフ指令発生手段、6
05 信号加算手段。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御系の誤差信号などの被補償信号が入
    力される第1の加算手段と、 この第1の加算手段の出力信号を1周期分づづ順次フィ
    ードバックして上記第1の加算手段に入力するフィード
    バック信号系とを備え、 上記フィードバック信号系が、 上記第1の加算手段の出力信号に0以上1以下のゲイン
    kを乗ずる第1のゲイン要素と、 この第1のゲインkが乗ぜられた信号が入力される第2
    の加算手段と、 この第2の加算手段の1周期前の出力信号にゲイン1−
    kを乗じて上記第2の加算手段に入力する第2のゲイン
    要素と、 上記第2の加算手段の出力信号を1周期分づつ順次更新
    記憶するメモリと、 このメモリに記憶されている1周期分の信号に1以下の
    ゲインβを乗じて上記第1の加算手段に入力する第3の
    ゲイン要素とで構成された繰り返し補償器。
  2. 【請求項2】 入力された被補償信号の周期的成分の強
    弱を検出する相関検出手段と、 周期性が弱い成分が検出された時は上記第1および第2
    のゲイン要素のkの値をほぼ0とし、周期性が強い成分
    が検出された時は上記kの値をほぼ1に調節するゲイン
    調節手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の繰り
    返し補償器。
  3. 【請求項3】 入力された制御系の誤差信号などの被補
    償信号の周期的成分の強弱を検出する相関検出手段と、 上記被補償信号が入力される第1の加算手段、およびこ
    の第1の加算手段の出力信号を1周期分づづ順次フィー
    ドバックして上記第1の加算手段に入力するフィードバ
    ック信号系とで構成された短期型の補償系と長期型の補
    償系とを有する繰り返し補償器と、 上記相関検出手段によって周期性の弱い成分が検出され
    た時は上記繰り返し補償器の短期型の補償系の出力成分
    が長期型の補償系の出力成分よりも多く、また、周期性
    の強い成分が検出された時は長期型の補償系の出力成分
    が短期型の補償系の出力成分よりも多くなるように上記
    繰り返し補償器の補償特性を調節する手段とを備えたデ
    ィスク装置。
  4. 【請求項4】 光または磁気によりディスクに情報を記
    録し再生するディスク装置において、上記光または磁気
    を発生させるヘッドを上記ディスクの所定の位置に位置
    決めするためのアクチュエータまたはモータの制御シス
    テムに、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載
    の繰り返し補償器を備えたことを特徴とするディスク装
    置。
  5. 【請求項5】 kの値を切り換える制御モード切換指令
    発生手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求
    項2に記載の繰り返し補償器。
  6. 【請求項6】 情報を記録または再生するディスク装置
    において、 請求項1または請求項2に記載の繰り返し補償器と、 情報を記録または再生するヘッドを所定の位置に位置決
    めするトラッキング制御手段と、 トラッキング制御モードオンオフ指令発生手段とを有
    し、 上記トラッキング制御モードオンオフ指令発生手段の出
    力に基づきトラッキング制御手段の動作中は上記繰り返
    し補償器のkの値をほぼ1とし、また、トラッキング制
    御手段が動作していないときはkの値をほぼ0に調整す
    るように構成されたディスク装置。
JP19963595A 1995-08-04 1995-08-04 繰り返し補償器およびこの繰り返し補償器を備えたディスク装置 Expired - Lifetime JP3536455B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19963595A JP3536455B2 (ja) 1995-08-04 1995-08-04 繰り返し補償器およびこの繰り返し補償器を備えたディスク装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19963595A JP3536455B2 (ja) 1995-08-04 1995-08-04 繰り返し補償器およびこの繰り返し補償器を備えたディスク装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0950303A true JPH0950303A (ja) 1997-02-18
JP3536455B2 JP3536455B2 (ja) 2004-06-07

Family

ID=16411133

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19963595A Expired - Lifetime JP3536455B2 (ja) 1995-08-04 1995-08-04 繰り返し補償器およびこの繰り返し補償器を備えたディスク装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3536455B2 (ja)

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030085345A (ko) * 2002-04-30 2003-11-05 주식회사 에이엠티 광디스크 드라이브의 포커스 및 트랙킹 서보 시스템
KR100467490B1 (ko) * 2000-07-31 2005-01-24 주식회사 대우일렉트로닉스 디스크 드라이브 포커싱 제어 방법
JP2006073178A (ja) * 2004-08-05 2006-03-16 Matsushita Electric Ind Co Ltd 周回メモリ、及びディスク装置
US7215606B2 (en) 2002-07-30 2007-05-08 Kabushiki Kaisha Toshiba Optical disk device and disturbance learning method for optical disk device
WO2007094387A1 (ja) * 2006-02-15 2007-08-23 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 周回メモリ、及びディスク装置
US7280448B2 (en) 2001-02-07 2007-10-09 Nec Corporation Positioning control device and positioning control method
WO2009057457A1 (ja) * 2007-10-30 2009-05-07 Hitachi, Ltd. ディスク装置
JP2009170102A (ja) * 2004-01-16 2009-07-30 Panasonic Corp 繰り返し制御装置、及び光ディスク装置
JP2010049725A (ja) * 2008-08-19 2010-03-04 Yokohama National Univ Rptcによるrro補償を行う磁気ディスク装置の制御装置および制御方法
US7869314B2 (en) 2005-04-20 2011-01-11 Panasonic Corporation Disc control device
JP2011034672A (ja) * 2004-08-05 2011-02-17 Panasonic Corp 周回メモリ、及びディスク装置
US7969833B2 (en) 2007-12-13 2011-06-28 Hitachi, Ltd. Optical disc apparatus
CN113325785A (zh) * 2021-06-11 2021-08-31 哈尔滨工业大学 一种基于数据存储的位置重复控制方法
WO2021210483A1 (ja) * 2020-04-14 2021-10-21 ファナック株式会社 機械学習装置、制御装置及び機械学習方法

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100467490B1 (ko) * 2000-07-31 2005-01-24 주식회사 대우일렉트로닉스 디스크 드라이브 포커싱 제어 방법
US7280448B2 (en) 2001-02-07 2007-10-09 Nec Corporation Positioning control device and positioning control method
KR20030085345A (ko) * 2002-04-30 2003-11-05 주식회사 에이엠티 광디스크 드라이브의 포커스 및 트랙킹 서보 시스템
US7215606B2 (en) 2002-07-30 2007-05-08 Kabushiki Kaisha Toshiba Optical disk device and disturbance learning method for optical disk device
JP2009170102A (ja) * 2004-01-16 2009-07-30 Panasonic Corp 繰り返し制御装置、及び光ディスク装置
US7649815B2 (en) 2004-01-16 2010-01-19 Panasonic Corporation Repetitive control device and optical disc device
JP2006073178A (ja) * 2004-08-05 2006-03-16 Matsushita Electric Ind Co Ltd 周回メモリ、及びディスク装置
JP2011034672A (ja) * 2004-08-05 2011-02-17 Panasonic Corp 周回メモリ、及びディスク装置
US7869314B2 (en) 2005-04-20 2011-01-11 Panasonic Corporation Disc control device
WO2007094387A1 (ja) * 2006-02-15 2007-08-23 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 周回メモリ、及びディスク装置
US8284645B2 (en) 2006-02-15 2012-10-09 Panasonic Corporation Cyclic memory and disc device
WO2009057457A1 (ja) * 2007-10-30 2009-05-07 Hitachi, Ltd. ディスク装置
US8488268B2 (en) 2007-10-30 2013-07-16 Hitachi, Ltd. Disk device
US7969833B2 (en) 2007-12-13 2011-06-28 Hitachi, Ltd. Optical disc apparatus
JP2010049725A (ja) * 2008-08-19 2010-03-04 Yokohama National Univ Rptcによるrro補償を行う磁気ディスク装置の制御装置および制御方法
WO2021210483A1 (ja) * 2020-04-14 2021-10-21 ファナック株式会社 機械学習装置、制御装置及び機械学習方法
CN113325785A (zh) * 2021-06-11 2021-08-31 哈尔滨工业大学 一种基于数据存储的位置重复控制方法
CN113325785B (zh) * 2021-06-11 2022-08-12 哈尔滨工业大学 一种基于数据存储的位置重复控制方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3536455B2 (ja) 2004-06-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3536455B2 (ja) 繰り返し補償器およびこの繰り返し補償器を備えたディスク装置
US5867342A (en) Tracking servo system for magnetic disc drive with reduced head-settling time
JP3761904B2 (ja) サーボル−プの自動利得制御回路
US5056074A (en) Tracking servo system with a variable equalizing characteristic
Katayama et al. High-precision tracking control system for digital video disk players
JPH11328696A (ja) 光学的記憶装置
US6473373B1 (en) Optical disk apparatus having compensation for objective lens dislocation
US5742568A (en) Tracking controller and seek controller for optical recording device
KR20020008083A (ko) 디스크 저장 장치
CN100444255C (zh) 光盘装置
JP2006073178A (ja) 周回メモリ、及びディスク装置
KR20090027148A (ko) 위치 결정 제어 시스템 및 위치 결정 제어 방법
US6198085B1 (en) Repeat control apparatus, information reproducing apparatus and information recording apparatus
JP4287842B2 (ja) 光ディスク装置
JP2001210032A (ja) ディスク装置におけるアクチュエータ制御装置
JP2606385B2 (ja) ディジタル制御装置
US5247502A (en) Optical information recording and/or reproducing apparatus and method for sampling an irradiation state error signal
US5659527A (en) Optical disk drive with use of sampled preceding focus or tracking error signal in response to detection of spiked noise or offset
Ryoo et al. Disturbance observer design for track-following control in optical disk drive using structured singular value
JP2733965B2 (ja) フォーカス制御回路及び光ディスク装置
EP0442712B1 (en) Optical information recording and/or reproducing apparatus
US20100195456A1 (en) Optical disc control device
JP2001023186A (ja) デジタル方式定電流制御回路
JP3361662B2 (ja) 光学記憶装置のシーク制御方法及び光学記憶装置
Zhou et al. A cost-effective scheme to improve radial tracking performance for higher-speed optical disk drives

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20031202

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20040128

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040224

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20040308

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080326

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090326

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100326

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100326

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110326

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110326

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120326

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130326

Year of fee payment: 9