JPH09502982A - 新規なオリゴ糖含有14‐アミノステロイド化合物および新規なジアステレオ選択的アミノステロイド法の化学 - Google Patents

新規なオリゴ糖含有14‐アミノステロイド化合物および新規なジアステレオ選択的アミノステロイド法の化学

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、一般式(I)を有するオリゴ糖含有14アミノステロイド化合物および薬学上許容可能なその酸塩またはエステルに関し、但し、a) R1は(i) COOR5(式中、R5は水素、1〜6個の炭素を有する低級アルキル、アミノ基で置換された1〜6個の炭素を有する低級アルキル、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルまたは炭素環)、または(ii)CHR6OH(式中、R6は水素原子、または1:6個の炭素を有する低級アルキル基、または(iii) COR′″(式中、R′″は水素、1〜6個の炭素を有する低級アルキル、1〜6個の炭素を有する低級アルキルで置換したアミノ、アミノまたはジアルキルアミノ)であり、b) R2は−NR78(式中、R7およびR8は、同一でもまたは異なっていてもよく、水素原子または1〜6個の炭素を有する低級アルキル)であり、c) R3は、(i) 構造(II)を有するオリゴ糖の糖残基であり、但し、R9は水素、メチル、ヒドロキシ、カルボキシ、アセトキシ、アリールアルキルオキシ、ヘテロアリールアルキルオキシまたはベンゾキシであり、R10は水素、メチル、カルボキシ、アセトキシ、アリールアルキルオキシ、ヘテロアリールアルキルオキシ、ベンゾキシまたはヒドロキシであり、R11は酸素であり、更にR11が末端単糖の糖残基上の置換基であるときには、R11はOH、メチル、アセトキシ、アリールアルキルオキシ、ヘテロアリールアルキルオキシであり、R12は水素、メチル、メチルヒドロキシメチル、またはアセトキシメチルであり、または(ii)構造(III) を有するオリゴ糖の糖残基であり、但しR14およびR15は、同一でもまたは異なっていてもよく、水素、1〜6個の炭素を有する低級アルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールまたはアリールであり、R17は水素、ヒドロキシ、アセトキシまたはベンゾキシであることができ、R18およびR19はヒドロキシ、アセトキシ、およびベンゾキシであり、または(iii) 構造(IV)を有するオリゴ糖残基であり、但しR14およびR15は、同一でもまたは異なっていてもよく、水素、1〜6個の炭素を有する低級アルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールまたはアリールであり、R14a は酸素であり、更にR14a が末端単糖の糖残基上の置換基であるときには、R14a はヒドロキシ、メチル、アセトキシ、アリールアルキルオキシまたはヘテロアリールアルキルオキシでなければならず、d) R4は(i) OH、または(ii)H、または(iii) OR13であり、但し、R13は単糖の糖残基、アセトキシ、ベンゾキシ、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルであり、e) Zは(i)−CH−、但し、aおよびbは単結合であるか、または(ii)=C、但し、aまたはbのいずれ化は二重結合である。本発明は、ステロイド核の14位にアミノ基を導入する方法において、前記アミノ基を、a)ステロイド核の14−15位の二重結合にヨウ化イソシアネートを付加し、b)脱ハロゲン化し、c)ステロイド核の14位でイソシアネートをアミン残基に転換する、段階を含んでなるヨウ化イソシアネート付加によって、ステロイド核の14位にジアステレオ選択的に導入することを特徴とする方法にも関する。

Description

【発明の詳細な説明】 新規なオリゴ糖含有14−アミノステロイド化合物および新規な ジアステレオ選択的アミノステロイド法の化学 発明の背景 本発明は、新規なオリゴ糖を含有する14−アミノステロイド化合物に関する 。本発明は、これらの新規な化合物を含有する医薬組成物、並びに本発明の化合 物を用いる鬱血性心不全(CHF)の治療法にも関する。本発明は、ステロイド 核の14位にアミノ基を導入する新規な方法にも関する。 CHFは、心臓が次第に、酸素化された血液を末梢組織に送るための経時的に 心臓によって送り出される血液の容積である心拍出量(CO)を適正に供給でき なくなる、進行性疾患である。心臓が最初に機能しなくなると、身体の残りの部 分がCOの損失を補償し、このような補償機構は最終的にCHFとして知られる 症候群を生じさせる。CHFが進行すると、構造的および血行力学的損傷が引き 起こされる。このような構造的損傷は、巨視的には心筋層における心室肥大とし て、微視的には心室壁における介在性で、脈管周囲の置換性線維形成として現わ れ、心筋の毛細管密度を減少させ、心筋細胞の死をもたらす。心筋組織に線維形 成が起こると、心臓の機能が低下するのであり、残っている生活心筋細胞に一層 大きな作業負荷がかかるからである。 血行力学的には、心不全においては、収縮期(心室からの血液の拍出が起こる 心臓周期における相)中に力を発生する能力が低下する。従って、所定の外部作 業を行なうには、一層大きな拡張終期容積(心臓周期の拡張期には、心室の充填 が起こる)が必要となる。心不全では、作業能力と負荷との不釣合によって生じ る拍出の減少により、拡張終期圧および肺動脈毛細管圧が上昇する。肺動脈鬱血 および末梢血管の浮腫が現れることも多い。患者の観察からは、CHFが進行す ると、患者は疲労や呼吸困難の症状が益々悪化する。 CHFの効果的治療には、可能であればその病因の決定が必要であり、CHF の病因によっては独自の治療形態があるからである。CHFは多種多様な病因が あり、冠状動脈疾患または心筋炎などの心筋層の疾患、僧帽弁逸脱または大動脈 狭窄などの弁の疾患、心膜疾患、鬱血性心疾患、肺動脈疾患、不整脈、高血圧、 および糖尿病が挙げられる。例えば、CHFの病因が心筋炎または不整脈である 場合には、患者にそれぞれ抗微生物薬または抗不整脈薬を投与することにより、 患者の心機能を正常に回復させることができる。 しかしながら、他の治療法に反応しない病因を除外してしまえば、下記の3種 類の治療法の一つ以上による治療が開始される。1) ジギタリスのような変力剤 の投与による心拍出容量の改善、2) 安静によるおよび/またはカプトプリルな どの血管拡張薬の投与による心臓の作業負荷の減少、および3) 低ナトリウム食 またはチアジドなどの利尿剤の投与によるナトリウムおよび水保持の調節。 CHFの治療は、患者の症候およびある種の薬剤の耐性に従って独特なものとな っている。例えば、患者によってはジギタリスの毒性を現わす強い傾向を有する ことがあるが、症状の軽い他の患者ではより大きな治療指数を有する利尿薬が有 効なことがある。更に、現在の知識によれば、利尿薬が適当な第一線のCHF治 療であり、かつ利尿薬治療の後に血管拡張薬やジギタリス治療を行なうべきであ る。重傷のCHFに罹っている患者ではジギタリスが最も有効であることも指摘 されている。総括的には、Braunwald,心疾患:循環器医薬教本(Heart Diseases: A Textbook of Cardiovascular Medicine),Vol.(3rd ed.1988)、Chung,E.K. ,循環器疾患に対する生文献(Quick Reference to Cardiovascular Diseases), Chapter 27(2d ed.1983)、およびFowler,N.O.,心臓診断および治療(Cardia c Diagnosis and Treatment),Chapter 12(2d ed.1976)を参照された い。 ジギタリスは重傷のCHFの血行力学的問題点に伴う症状を改善するのに用い られるが、その治療指数が低いため、事実上治療での利用が限定される。総括的 には、Braunwald,心疾患:循環器医薬教本(Heart Disease;A Textbook of Card iovascular Medicine),Vol.(3rd ed.1988)、Chung,E.K.,循環器疾患に対す る生文献(Quick Reference to Cardiovascular Diseases),Chapter 27(2d ed. 1983)、およびFowler,N.O.,心臓診断および治療(Cardiac Diagnosis and Trea tment),Chapter 12(2d ed.1976)、およびGoodman and Gilman,治療の薬理 学的基礎(The Pharmacological Basis of Therapeutics),Chapter 34(8th ed. ,1990)を参照されたい。 ジギタリスに伴う毒性の問題により、より安全性の高い心作用性化合物の開発 が盛んに試みられるようになった。心作用性のステロイド核を含む化合物が、下 記の特許明細書に記載されている。1987年7月16日公表のChiodiniらの国 際公開WO87/04167号明細書には、3位がアミノ糖残基によって14位 がアセタール結合によって置換されたアミノグリコシドステロイド誘導体が記載 されている。この開示には、これらの化合物が高血圧の治療に有効であることが 述べられている。1990年8月17日公表のGuina のフランス国特許第2,6 42,973号明細書には、ジギタリス様化合物の、2,3−ジオキシメチル− 6−メチル−3−β−D−グルコース−ストロファンチジンであって、3位がグ ルコース残基で、17位がラクトン残基で、14位がヒドロキシル基で置換され たステロイド核を含むものが記載されている。この開示には、ジギタリスが処方 される心不全から生じる病的状態の防止および動脈内カルシウム沈着による高血 圧から生じる病的状態の防止に、この化合物が悠揚であることが述べられている 。Guina 化合物も、正の変力剤(inotrope)、末梢血管拡張薬、および抗不整脈薬 であるとされている。1987年7月16日のChiodiniらの国際公開WO87/ 04168号明細書には、2−アミノまたは2−アルキルアミノ−2−デオキシ ヘキソピラノシル、3−アミノまたは3−アルキルアミノ−3−デオキシ−ヘキ ソ−ピラノシル、3−アミノまたは3−アルキル−アミノ−3,6−ジデオキシ −ヘキソピラノシル、3−アミノまたは3−アルキルアミノ−2,3,6−トリ デオキシ−ヘキソピラノシル、4−アミノまたは4−アルキルアミノ−2,4, 6−トリデオキシ−ヘキソピラノシル残基のような3位にアルキル置換アミノ糖 および17位に勘定アミド(ラクタム)を有するアミノグリコシドステロイドが 開示されている。14位は、Hで置換されている。この化合物は、抗高血圧薬と して有用であるといわれている。1991年11月14日に公表されたKenny ら の国際公開WO91/17176号明細書には、昇圧薬として有用であり、3位 にペントース、ヘキソースまたはそれらの組合わせなどの糖残基を、17位にラ クトン環を有し、14位がOH、HまたはF、Cl、BrまたはNH2で置換さ れているステロイドグリコシドが開示されており、1991年12月5日に許可 されたDD296,502A5号明細書には、心不全治療用のステロイドアミド であって、3位がスルホニルアミノ基で置換され、17位が5または6員のラク トン環で置換され、14位がOHで置換されているものが開示されている。19 92年9月1日のLaBella の米国特許第5,144,017号明細書には、心臓 興奮薬として用いられ、3位がβ−D−グルコシド、α−L−ラムノシド、トリ ジギトキソシドなどのグリコシド基で置換され、17位がアセトキシ基またはア ミノ基で置換され、14位がOH基を有するステロイド化合物が開示されており 、1992年12月29日のMcCallの米国特許第5,175,281号明細書に は、脊髄損傷、頭部外傷およびそれに続く大脳の血管攣縮の治療に用いられ、心 肺蘇生後の損傷および心筋梗塞を防止するピリミジニルピペラジニルステロイド 化合物であって、3位がOH、CH3O、COOHまたはベンゾキシであり、1 4位がHであり、17位が複素環式アミンであるものが開示されている。198 8年 4月27日にWunderwaldらに付与されたDD256,134A1号明細書には、 心作用性ステロイドの製造法において、ステロイド分子の3位がモルホリノホル ミルオキシ残基で置換され、ステロイド核の17位がラクトン環で置換され、1 4位がOH、Hまたはオレフィンで置換されているものが開示されている。この 化合物は、心収縮性を増加させるのに有用であることが述べられている。199 2年10月15日公開のIchikawaらの特開平4−290899号明細書には、強 心性ステロイド化合物であって、ステロイド核の3位がオリゴ糖で置換され、こ のオリゴ糖が3個のグルコピラノシル残基からなり、14位がOH基で置換され 、17位がラクトン環で置換されているものが開示されている。Templeton らは 36 J.Med.Chem.,42-45(1993)に、14−ヒドロキシ−21−ノル−5β,1 4β−プレグナンおよび5β,14β−プレグナンC−3α−L−ラムノシドお よびトリス−β−D−ジギトキソソドの誘導体の合成が開示されている。これら の化合物は、有効な強心剤であることが報告されている。C−17βCHCH2 OH、CH2OH、CO2H、CO2Me、CH2NH2またはCH2NO2基を有す るこれらの誘導体は、心筋のジギタリスレセプター認識部位に結合する。Temple ton らの1J.Chem.Sci.Perkin Trans.,2503-2517(1992)には、20α−およ び20β−アセタミド−、アミノ−、ニトロ−およびヒドロキシ−3β−グリコ シド(α−L−ラムノピラノシドおよびトリス−β−D−ジギトキソシド)、お よび14−ヒドロキシ−5β,14β−プレグナンとC−20オキシム、ヒドラ ゾンおよびアミジノヒドラゾンとのゲニン誘導体の合成が開示されている。これ らの化合物は、有効な強心剤であるとされている。 また、アンギオテンシン変換酵素阻害剤(ACEI)が、CHF患者の死亡率 を減少させることが示されている。Nicklas,J.M.およびPitt,B.ら(SOLVD 研 究者)の「左心室駆出率の低下および鬱血性心不全の患者の生存に対するエナラ プリルの効果(Effect of Enalapril on Survival in Patients with Reduced Left Ventricular Ejection Fractions and Congestive Heart Failure)」Engl .J.Med.,325(5):293(1991)を参照されたい。 しかしながら、4百万人の患者が、未だにCHFに罹っている。CHFの診断 後の5年生存率は、男性で60%であり、女性で45%である。このことは、C HF治療用の更に良好な治療法が必要であることを明らかに示している。 Parmley,W.W.,「鬱血性心不全の病理生理学および現在の治療法(Pathophysiolo gy and Current Therapy of Congestive Heart Failure)」J.Am.Col. Cardiol .,13:771-785(1989);Francis,G.S.ら、「鬱血性心不全:病理生理学および 治療法(Congestive Heart Failure:Pathophysiology and Therapy」、Cardiova scular Pharmacology,3rd Edition(1990)を参照されたい。 14−アミノステロイド化合物は、心収縮性を増加することによってCHFの 治療に有効であることが示されている。これらの化合物は、心収縮性を増加させ るという治療上の利点を有し、ジキタリスの副作用を示さない。これらの14− アミノステロイドおよびそれらの製造法は下記の3種類の特許明細書に記載され ており、これらの特許明細書の内容は、その開示の一部として本明細書に引用さ れる。1982年4月20日発行のJarreau らの米国特許第4,325,879 号明細書(米国′879号明細書)(フランス国特許出願第2,464,270 号明細書と同等)、1985年11月12日発行のJarreau らの米国特許第4, 552,868号明細書(米国′868号明細書)、1986年4月22日発行 のJarreau らの米国特許第4,584,289号明細書(米国′289号明細書 )および1989年12月5日発行のJarreau らの米国特許第4,885,28 0号明細書(米国′280号明細書)。これらの4件の特許明細書には、強心作 用を有する14−アミノステロイド化合物、およびそれらの製造法が記載されて いる。米国′879号、′868号、′289号および′280号明細書の総て に、ヒドラゾン酸を用いて、14位のアジド誘導体を形 成し、これを次に還元してアミノ基とすることが開示されている。Adeoti,S.B. ら、「プロゲステロンおよびデオキシコール酸から、ステロイド環への14β− 硝酸化官能基の導入による心作用性分子、14β−アミノ−5β−プレグナン− 3β,20β−ジオール(Introduction of A 14β-Amino-5β-Pregnane-3β,20 β-Diol,From Progesterone and Deoxycholic Acid))」、45(12),Tetrahedron Letters,3717-3730(1989)には、1) N3H、BF3・Et2Oまたはアンモニ アの存在下での環化反応、または2) ステロイド核のN3H、BF3・Et2Oに よる処理からなる、14β−アミノ官能基をステロイド分子に導入する2つの方 法が開示されている。これらの方法では、心作用性の14β−アミノ−5β−プ レグナン−3β,20β−ジオールの製造が可能である。Naidoo,B.K.ら、「強 心性ステロイドI:ジギトキシゲニンにおける14β−ヒドロキシ基の重要性(C ardiotonic Steroids I: Importance of 14β-hydroxy Group in Digitoxigenin )」、63(9),Jnl Pharm Sci.,1391-1394(1974)には、ヨウ化イソシアネートを 用いる14β−アミノステロイド化合物を製造するための実験的試みが開示され ている。しかしながら、この研究者らは、ヨウ化イソシアネート化学を利用して ステロイド核の14位にアミノ基を導入することに成功しなかった。ヨウ化イソ シアネート化学のステロイド化合物の合成への適用可能性は、Ponsold,K,らの 「14,15−不飽和アンドロスタンのカップリング付加反応、正ハロゲンの位 置選択性に対する影響(Gekoppelt Additionsreakionen an 14,15-ungesattigte n Androstanen Einfluss des positiven Halogens auf die Regioselektivitat) 」、Journal f.prakt.Chemie,Band 325,Heft 1,1983,S.123-132; Ponsol d,K.らの「14,15−位に複素環式四員環を有するエストロ−1,3,5( 10)−トリエンの合成および反応性(Synthese und Reaktivitat von Estra-1, 3,5(10)-trienen mit heterocyclischen Vierringen in 14,15-Stellung)」、Jo urnal f.prakt.Chemie,Band328,Heft 5/6,1986, S.673-681;およびBohl,M.ら、「C14,C15が置換されたエストロゲン性 ステロイドの定量的構造−活性の関係(Quantitative structure-activity relat ionship of estrogenic steroids substituted at C14,C15)」Steroid Biochem .,Vol.26,No.5,pp.589-597,1987に、総括的に開示されている。 本発明の14−アミノステロイドにおいて、3−位がオリゴ糖残基で置換され ているものは一層有効な変力剤(inotropes)であることが見いだされた。このオ リゴ糖含有14−アミノステロイドは代謝に対して一層耐性であり、従って先行 技術の14−アミノステロイドよりも長時間の変力活性(inotropic activity)を 提供する。先行技術の方法よりも安全性が高くかつ一層効率的なヨウ化イソシア ネートを用いる方法によって、ステロイド核の14−位にアミノ基を導入するこ とができることも見いだした。 発明の要約 下記の一般式を有するオリゴ糖−含有14−アミノステロイド化合物、および それらの薬学上許容可能な酸の塩またはエステル: (式中、 a) R1は (i) COOR5 (但し、R5は水素、1〜6個の炭素を有するアルキル、アミノ基 で置換された1〜6個の炭素を有する低級アルキル、アリールアルキルまたはヘ テロアリールアルキルまたは炭素環)、または (ii) CHR6OH (但し、R6は水素原子または1〜6個の炭素を有する低級アルキ ル)、または 6個の炭素を有する低級アルキル置換アミノ、アミノまたはジアルキルアミノ) 、および b) R2は−NR78 (但し、R7およびR8は、同一でもまたは異なっていてもよく、水素原子、 または1〜6個の炭素を有する低級アルキル基)、および c) R3は (i) 下記の構造を有するオリゴ糖の糖残基 (式中、R9は水素、メチル、ヒドロキシ、カルボキシ、アセトキ シ、アリールアルキルオキシ、ヘテロアリールアルキルオキシ、またはベンゾキ シであり、R10は水素、メチル、カルボキシ、アセトキシ、アリールアルキルオ キシ、ヘテロアリールアルキルオキシ、 ベンゾキシ、またはヒドロキシであり、R11は酸素であり、但し、R11が末端単 糖の糖残基上の置換基であるときには、R11はOH、メチル、アセトキシ、ヘテ ロアリールアルキルオキシ、アリールアルキルオキシであり、R12は水素、メチ ル、メチルヒドロキシメチル、またはアセトキシメチルである)、または (ii) 下記の構造を有するオリゴ糖の糖残基 (式中、R14およびR15は、同一でもまたは異なっていてもよく、 水素、1〜6個の炭素を有する低級アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリー ルアルキル、ヘテロアリールまたはアリールであり、R17は水素、ヒドロキシ、 アセトキシまたはベンゾキシであることができ、R18およびR19はヒドロキシ、 アセトキシおよびベンゾキシである)、または (iii) 下記の構造を有するオリゴ糖の糖残基 (式中、R14およびR15は、同一でもまたは異なっていてもよく、 水素、1〜6個の炭素を有する低級アルキル、ヘテロアリールアルキル、アリー ルアルキルまたはアリールであり、R14a は酸素であり、但しR14a が末端単糖 残基上の置換基であるときには、R14a はヒドロキシ、メチル、アセトキシ、ア リールアルキルオキシまたはヘテロアリールアルキルオキシでなければならない )、 d) R4は (i) OH、または (ii) H、または (iii) OR13(但し、R13は単糖の糖残基、アセトキシ、ベンゾキシ、ア リールアルキル、またはヘテロアリールアルキル)であり、 e) Zは (i) −CH−(但し、aおよびbは単結合)、または (ii) =C(但し、aまたはbは二重結合)。 本発明は、ステロイド核の14位にアミノ基を導入する方法において、このア ミノ基が、 a) ステロイド核の14〜15位の二重結合へのヨウ化イソシアネート の付加、および b) 脱ハロゲン化、および c) ステロイド核の14位でのイソシアネートのアミン残基への変換 の段階を含んでなるヨウ化イソシアネート付加を介してステロイド核の14位に ジアステレオ選択的に導入される方法も包含する。 用語の定義および使用法 下記のものは、本発明で用いられる用語の定義のリストである。 「アミノステロイド」は、ステロイド核上にアミノ基を有するステロイド環化 合物である。 「アルキル」は、1〜8個の炭素原子、好ましくは、特に断らなければ、1〜 4個の炭素原子を有する、未置換または置換の、直鎖、環状または分岐した、飽 和炭化水素鎖である。好ましいアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル 、イソプロピルおよびブチルが挙げられるが、これらに限定されず、メチルのよ うに、脂肪族炭化水素から1個のHを除去することによって誘導される一価の基 が挙げられる。低級アルキル基は、1〜6個の炭素原子を含む。 本発明で用いられる「ヘテロアルキル」は、3〜8員を有しかつ炭素原子と1 または2個のヘテロ原子とを含んでなる未置換または置換の飽和鎖である。 「アルケニル」は、2〜8個の炭素原子、好ましくは2〜4個の炭素原子を有 し、かつ少なくとも1個のオレフィン性二重結合を有する未置換または置換の直 鎖または分岐した炭化水素鎖である。 「アルキニル」は、2〜8個の炭素原子、好ましくは2〜4個の炭素原子を有 し、かつ少なくとも1個の三重結合を有する未置換または置換の直鎖または分岐 した炭化水素鎖である。 「アセテート」:CH3COO−基を含む酢酸の塩。 「アセトキシ」:アセチルオキシ。基CH3COO−。 「アセチル」:アシル基CH3CO−。 「アグリコン」:グリコシドの成分、例えば植物色素であり、糖ではない。 本発明で用いられる「炭素環式環」または「炭素環」は、一般的に3〜8個の 原子、好ましくは5〜7個の原子を含む未置換または置換の、飽和、不飽和また は芳香族炭化水素環である。 本発明で用いられる「複素環式環」または「複素環」は、環中に炭素原子と1 個以上のヘテロ原子とを含んでなる未置換または置換の、飽和または不飽和また は芳香族環である。複素環式環は、一般的には3〜8個、好ましくは5〜7個の 原子を含む。特に断らなければ、ヘテロ原子は、窒素、硫黄および酸素から独立 に選択することができる。 「アリール」は芳香族炭素環状環である。アリール基としては、フェニル、ト リル、キシリル、クメニルおよびナフチルが挙げられるが、これらに限定される ものではなく、芳香族炭化水素から1個の原子を除去することによって誘導され 有機基であり、例えばベンゼンからのフェニルである。 「ヘテロアリール」は、芳香族複素環式環である。好ましいヘテロアリール基 としては、チエニル、フリル、ピロリル、ピリジニル、ピラジニル、オキサゾリ ル、チアゾリル、キノリニル、ピリミジニル、およびテトラゾリルが挙げられる が、これらに限定されるものではない。 「アルコキシ」は炭化水素鎖置換基を有する酸素原子であり、炭化水素鎖がア ルキルまたはアルケニルであるものであり(例えば、−O−アルキルまたは−O −アルケニル)、「アルコキシ」は、メトキシのように、分子の残りに酸素によ って結合したアルキル基である。好ましいアルコキシ基としては、メトキシ、エ トキシ、プロポキシおよびアルキルオキシが挙げられるが、これらに限定される ものではない。 「ヒドロキシアルキル」は、ヒドロキシ置換基(例えば、−OH)を有しかつ 他の置換基を有することができる置換炭化水素鎖である。好ましいヒドロキシア ルキル基としては、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、フェニルヒドロア ルキルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。 「カルボキシアルキル」は、カルボキシ置換基(例えば、−COOH)を有し かつ他の置換基を有することができる置換炭化水素鎖である。好ましいカルボキ シアルキル基としては、カルボキシメチル、カルボキシエチル、およびそれらの 酸およびエステルが挙げられる。 「アミノアルキル」は、アミン残基(例えば、NH−アルキル−)で置換され た炭化水素鎖(例えば、アルキル)であり、例えばジメチルアミノアルキルであ る。 「アルキルアミノ」は、1または2個のアルキル置換基を有するアミノ残基で ある(例えば、−N−アルキル)。 「アルケニルアミノ」は、1または2個のアルケニル置換基を有するアミノ残 基である(例えば、−N−アルケニル)。 「アルキニルアミノ」は、1または2個のアルキニル置換基を有するアミノ残 基である(例えば、−N−アルキニル)。 「アルキルイミノ」は、1または2個のアルキル置換基を有するイミノ残基で ある(例えば、N=アルキル−)。 「アリールアルキルオキシ」は、アリールアルキル置換基を有する酸素原子で あり、例えばフェノキシメチル、フェニルメチレンオキシである。 「ヘテロアリールアルキルオキシ」は、ヘテロアリールアルキルを有する酸素 原子であり、例えば下記の構造を有するものである。 「アリールアルキル」は、アリール基で置換されたアルキル残基である。好ま しいアリールアルキル基としては、ベンジルおよびフェニルエチルが挙げられる 。 「ヘテロアリールアルキル」は、ヘテロアリール基で置換されたアルキル残基 である。 「アリールアミノ」は、アリール基で置換されたアミノ残基(例えば、−NH −アリール)である。 「アリールオキシ」は、アリール置換基を有する酸素原子(例えば、−O−ア リール)である。 「アシル」または「カルボニル」は、カルボン酸からヒドロキシを除去するこ とによって形成される残基(例えば、R−C(=O)−)である。好ましいアル キルアシル基としては、アセチル、プロピオニル、およびブタノイルが挙げられ るが、これらに限定されるものではない。 「アシルオキシ」は、アシル置換基を有する酸素原子(例えば、−O−アシル )であり、例えば、−O−C(=O)−アルキルである。 「アシルアミノ」は、アシル置換基を有するアミノ残基(例えば、−N−アシ ル)であり、例えば、−NH−(C=O)−アルキルである。 「ベンゾキシ」:ベンゾイルオキシ基。 「ベンゾイル」:安息香酸から誘導されるアリール基、C65CO−。 「ベンゾイルオキシ」:ベンゾキシ。安息香酸から誘導される基C65COO −。 「カルバメート」:カルバミン酸の塩。−NCO2−基を含み、当該技術分野 でウレタンまたはカルバミン酸エステルとしても知られている。 「カルボキシ」:酸性カルボキシル基を意味する接頭辞。 「エステル」:アルコール(塩基)と有機酸とから水を除去することによって 形成される有機塩。カルボン酸の官能基誘導体は、単純な加水分解によってカル ボン酸に変換される化合物である。最も一般的な誘導体は、ヒドロキシ基がアル コキシ基で置換されているエステルであり、例えば下記の構造を有するものであ る。 「グリコシド」:糖と他の物質との天然物化合物であり、糖と主成分(とに加 水分解する:(例えば、コニフェリンは、グルコースと主成分としてのコニフェ リルアルコールを生成し、グルコシドはグルコースを生成し、フルクトシドはフ ルクトースを生成し、ガラクトシドはガラクトースを生成する、などである。炭 水化物の環状アセタール。 「ハロ」、「ハロゲン」または「ハロゲン化物」は、クロロ、ブロモ、フルオ ロまたはヨード原子基である。クロロ、ブロモおよびフルオロが、好ましいハロ ゲン化物である。 「ラクトン」:ヒドロキシカルボン酸のヒドロキシおよびカルボキシル基から水 1分子を失って形成される酸の内部エステルの種類のいずれかであり、環中にカ ルボニル−オキシ基を有することを特徴とし、親酸のヒドロキシ基の位置によっ て分類される。環状エステル。 「薬学上許容可能な」塩は、任意の酸性基(例えば、カルボキシル基)で形成 されるカチオン性塩、または任意の塩基性基(例えば、アミノ基)で形成される アニオン性塩である。多数のこのような塩が当該技術分野で知られており、19 87年9月11日公表のJohnstonらの国際公開87/05297号明細書に記載 されており、前記特許明細書の内容は、その開示の一部として本明細書に引用さ れる。好ましいカチオン性塩としては、アルカリ金属(例えば、ナトリウムおよ びカリウム)塩、およびアルカリ土類金属(例えば、マグネシウムおよびカルシ ウム)塩が挙げられる。好ましいアニオン性塩としては、ハロゲン化物(例えば 、塩化物)塩が挙げられる。 「塩」:酸と塩基との反応により生成する物質。金属(陽性)および非金属 (陰性)基の化合物:M・OH(塩基)+HX(酸)=MX(塩)+H2O(水 )。 「ステロイド核」:ステロール、胆汁酸、心臓グリコシド、サポニン、および 性ホルモンを含んでなる脂質化合物の群の一般名。 「置換基」:親化合物の水素を置換する任意の原子または基。 「置換する」:化合物の1つの元素または基を置換基によって置き代えること 。 「置換された」:置換を行なった化合物に関する。 「置換」:(通常は有機の)分子中の原子または原子の群が別のものに交換さ れる反応。 置換基は、それ自身が置換されることもある。このような置換は、1個以上の 置換基を有することもある。このような置換基としては、C.Hansch およびA.Le o、化学および生物学における相関分析の置換基定数(Substituent Constants fo r Correlation Analysis in Chemistry and Biology)) (1979)に記載の置換基が 挙げられ、前記文献の内容は、その開示の一部として本明細書に引用される。好 ましい置換基としては、アルキル、アルケニル、アルコキシ、ヒドロキシ、オキ ソ、アミノ、アミノアルキル(例えば、アミノメチルなど)、シアノ、ハロ、カ ルボキシ、アルコキシアセチル(例えば、カルボエトキシなど)、チオール、ア リール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル(例えば、ピ ペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ピロリジニルなど)、イミノ、チオ キソ、ヒドロキシアルキル、アリールオキシ、アリールアルキル、およびそれら の組合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。 「単糖」は単一の糖残基、例えば、ヘキソース、2−デオキシグルコース、6 −デオキシヘキソース、2,6−ジデオキシヘキソースなど、ラムノース、グル コース、アラビノース、ジギトキソース、フルクトース、ガラクトース、ラムノ ピラノース、ヘキソピラノース、6−デオキシグルコース、4,6−ジデオキシ グリコピラノース、マンノース、シマロース、キシロース、リキソース、リボー ス、ジギタロース、4−アミノ−2,4,6−トリデオキシリキソヘキソピラノ ース、4−アミノ−4,6−ジデオキシグルコピラノース、2,3−ジデオキシ ラムノピラノース、4−メトキシ−4,6−ジデオキシラムノピラノースである 。 「オリゴ糖」は、2〜8個、好ましくは2〜3個の単糖の糖残基を有する糖で ある。オリゴ糖の最後の単糖残基は、「末端」単糖残基として知られている。オ リゴ糖を含んでなる単糖残基は、同一でもまたは異なっていてもよい。この単糖 残基は、1つの単糖残基のOH基から他の単糖残基のアノマー炭素へグリコシド 結合によって結合されている。 「単糖」または「オリゴ糖」残基は、環または椅子型形状のいずれかで図示す ることができる。例えば、グルコース(1つの単糖)は、下記のように表わすこ とができる。 発明の詳細な説明 本発明は、ある種のオリゴ糖を含有する14−アミノステロイド化合物、その 製造法、その医薬組成物、およびこれらの新規化合物およびその組成物を用いる ヒトまたは他の哺乳動物での鬱血性心不全の治療法を包含する。従って、本発明 に用いられる具体的化合物および組成物は、薬学上許容可能でなければならない 。 本発明で用いられるこのような「薬学上許容可能な」成分は、ヒトおよび/また は他の哺乳動物に用いるのに好適であり、不都合で好ましくない副作用(例えば 、毒性、刺激およびアレルギー反応)がなく、合理的利益/危険の比率が釣り合 っているものである。 作用物質 下記の一般式を有するオリゴ糖−含有14−アミノステロイド化合物、および それらの薬学上許容可能な酸の塩またはエステル: [式中、 a) R1は (i) COOR5 (但し、R5は水素、1〜6個の炭素を有する低級アルキル、アミ ノ基で置換された1〜6個の炭素を有する低級アルキル、アリールアルキルまた はヘテロアリールアルキルまたは炭素環)、または (ii) CHR6OH (但し、R6は水素原子または1〜6個の炭素を有する低級アルキ ル)、または 6個の炭素を有する低級アルキル置換アミノ、アミノまたはジアルキルアミノ) 、および b) R2は−NR7R (但し、R7およびR8は、同一でもまたは異なっていてもよく、水素原子、 または1〜6個の炭素を有する低級アルキル基)、および c) R3は (i) 下記の構造を有するオリゴ糖の糖残基 (式中、R9は水素、メチル、ヒドロキシ、カルボキシ、アセトキ シ、アリールアルキルオキシ、ヘテロアリールアルキルオキシ、またはベンゾキ シであり、R10は水素、メチル、カルボキシ、アセトキシ、アリールアルキルオ キシ、ヘテロアリールアルキルオキシ、ベンゾキシ、またはヒドロキシであり、 R11は酸素であり、但し、R11が末端単糖の糖残基上の置換基であるときには、 R11はOH、メチル、アセトキシ、ヘテロアリールアルキルオキシ、アリールア ルキルオキシであり、R12は水素、メチル、メチルヒドロキシメチル、またはア セトキシメチルである)、または (ii) 下記の構造を有するオリゴ糖の糖残基 (式中、R14およびR15は、同一でもまたは異なっていてもよく、 水素、1〜6個の炭素を有する低級アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリー ルアルキル、ヘテロアリールまたはアリールであり、R17は水素、ヒドロキシ、 アセトキシまたはベンゾキシであることができ、R18およびR19はヒドロキシ、 アセトキシおよびベンゾキシである)、または (iii) 下記の構造を有するオリゴ糖の糖残基 (式中、R14およびR15は、同一でもまたは異なっていてもよく、水素、1〜6 個の炭素を有する低級アルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールまた はアリールであり、R14a は酸素であり、但しR14a が末端単糖残基上の置換基 であるときには、R14a はヒドロキシ、メチル、アセトキシ、アリールアルキル オキシまたはヘテロアリールアルキルオキシでなければならない)、 d) R4は (i) OH、または (ii) H、または (iii) OR13(但し、R13は単糖の糖残基、アセトキシ、ベンゾキシ、ア リールアルキル、またはヘテロアリールアルキル)であり、 e) Zは (i) −CH−(但し、aおよびbは単結合)、または (ii) =C(但し、aまたはbは二重結合)]。 本発明で用いられる「〜」という記号は、立体化学が定義されておらず、ステ ロイド核上の置換基がαまたはβ配置のいずれをとることもできることを示して いる。好ましくは、ステロイド核への前記置換基はβ配置である。また、オリゴ 糖残基を含む単糖単位はステロイド核の3位にαまたはβ配置のいずれの配置で もあり得る。また、炭水化物化学の当業者は、所定の糖残基上の置換基の配置は 特定の名称の糖によって定義されることを理解している。 本発明は、ステロイド核の14位にアミノ基を導入する方法において、このア ミノ基が、 a) ステロイド核の14〜15位の二重結合へのヨウ化イソシアネート の付加、および b) 脱ハロゲン化、および c) ステロイド核の14位でのイソシアネートのアミン残基への変換 の段階を含んでなるヨウ化イソシアネート付加を介してステロイド核の14位に ジアステレオ選択的に導入される方法も包含する。 本発明のオリゴ糖を含有する14−アミノステロイド化合物 ステロイド核 本発明の新規なオリゴ糖を含有する14−アミノステロイド化合物は、ステロ イド核であって、このステロイド核が様々に置換されているものからなっている 。 ステロイド核上の置換基 1置換基1置換基は、ステロイド核の17位にある。3種類の可能なR1置換基がある 。R1はカルボン酸エステル、COOR5(但し、R5は水素、1〜6個の炭素を 有する低級アルキル基、アミノ基で置換された1〜6個の炭素を有する低級アル キル基、アリールアルキル基またはヘテロアリールアルキル基、または炭素環式 環)であることができる。好ましいR5置換基は、1〜6個の炭素を有する低級 アルキル、アリールアルキル、または炭素環であり、更に好ましいR5は、1〜 6個の炭素を有する低級アルキルであり、最も好ましいR5はメチルであり、従 ってR1はCOOCH3(カルボキシメチルエステル)である。 R1はCHR6OHであることもでき、但しR6は水素原子または1〜6個の炭 素原子を有する低級アルキル基であり、好ましいR6はHまたはCH3であり、従 ってR1はCH2OHまたはCH(CH3)OHである。 を有する低級アルキル、メチルアミノ、アミノまたはジアルキルアミノである。 あり、従ってR1はCONH2である。 ステロイド核上の最も好ましいR1置換基は、カルボン酸エステル、COOR5 であって、R5がメチルであるもの(COOCH3)である。 2置換基2置換基は、ステロイド核の14位にある。1種類のR2置換基がある。 R2は−NR78であって、R7およびR8は同一でもまたは異なっていてもよく 、水素原子または1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル基であるものである 。R7およびR8がHであるのが好ましく、従ってR2はNH2である。 3置換基3置換基はステロイド核の3位にある。3種類の可能なR3置換基がある。R3 は、下記の構造を有するオリゴ糖を含む残基であることができる。 (式中、R9は水素、メチル、ヒドロキシ、カルボキシ、アセトキシ、アリール アルキルオキシ、またはベンゾキシであり、R10は水素、メチル、カルボキシ、 アセトキシ、アリールアルキルオキシ、ヘテロアリールアルキルオキシ、ベンゾ キシまたはヒドロキシであり、R11は酸素であって、R11が末端単糖の糖残基上 の置換基であるときには、R11はOH、メチル、アセトキシ、アリールアルキル オキシ、ヘテロアリールアルキルオキシであり、R12は水素、メチル、メチルヒ ドロキシメチル、またはアセトキシメチルであるものである。)本発明の化合物 において、R11が酸素の場合は、この酸素はグリコシド結合により単糖残基を結 合する働きをする。 オリゴ糖残基は、2または3個の単糖単位好ましくは3個の単糖単位を含んで なることができる。この単糖単位は、同一でもまたは異なっていてもよい。好ま しい単糖単位は、ジデオキシリボヘキソピラノースおよびラムノピラノースであ る。 好ましいR9置換基は、水素、メチルおよびヒドロキシである。最も好ましい R9は水素である。好ましいR10置換基は、水素、メチルおよびヒドロキシであ る。最も好ましいR10はヒドロキシである。R11は酸素であり、R11がオリゴ糖 の糖残基の末端単糖の糖残基上の置換基である場合を除く。末端単糖の糖残基上 の好ましいR11置換基は、ヒドロキシである。 好ましいR12置換基は、水素およびメチルである。最も好ましいR12置換基は メチルである。 R3は、下記の構造を有するオリゴ糖を含む残基でもある。 (式中、R14およびR15は、同一でもまたは異なっていてもよく、水素、1〜6 個の炭素を有する低級アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、 ヘテロアリールまたはアリールであり、R17は、水素、ヒドロキシ、アセトキシ またはベンゾキシであることができ、R18およびR19は、ヒドロキシ、アセトキ シおよびベンゾキシである。) オリゴ糖残基は、2または3個の単糖単位、好ましくは3個の単糖単位を含ん でなることができる。この単糖単位は、同一でもまたは異なっていてもよい。好 ましい単糖単位は、ジデオキシリボヘキソピラノースおよびラムノピラノースで ある。 好ましいR14置換基は、水素および1〜6個の炭素を有する低級アルキルであ る。更に好ましいR14置換基は1〜6個の炭素を有する低級アルキルである。最 も好ましいR14は、メチル基である。好ましいR15置換基は、水素および1〜6 個の炭素を有する低級アルキルである。更に好ましいR15置換基は、1〜6個の 炭素を有する低級アルキルである。最も好ましいR15置換基はメチル基である。 好ましいR17置換基は、水素アセトキシおよびヒドロキシである。最も好ましい R17置換基は、水素である。好ましいR18置換基は、ヒドロキシおよびアセトキ シである。最も好ましいR18置換基は、ヒドロキシである。好ましいR19置換基 は、ヒドロキシおよびアセトキシである。最も好ましいR19置換基は、ヒドロキ シである。 最後に、R3は下記の構造を有するオリゴ糖残基である。 (式中、R14およびR15は、同一でもまたは異なっていてもよく、水素、1〜6 個の炭素を有する低級アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、 ヘテロアリールまたはアリールであり、R14a は、酸素であって、更にR14a が 末端単糖残基上の置換基であるときには、R14a はヒドロキシ、メチル、アセト キシ、アリールアルキルオキシまたはヘテロアリールアルキルオキシである。) 本発明の化合物において、R14a が酸素であるときには、この酸素はグリコシド 結合により単糖残基を結合する働きをする。 オリゴ糖残基は、2または3個の単糖単位、好ましくは3個の単糖単位を含ん でなることができる。この単糖単位は、同一でもまたは異なっていてもよい。好 ましい単糖単位は、ジデオキシリボヘキソピラノースおよびラムノピラノースで ある。 好ましいR14およびR15は、1〜6個の炭素を有する低級アルキルであり、最 も好ましいR14およびR15はメチルである。R14a が末端単糖残基上の置換基で あるときには、好ましいR14a はヒドロキシである。 4置換基4置換基は、ステロイド核の12位にある。R4はOH、HまたはOR13であ ることができ、但しR13は単糖の糖残基、アセトキシ、ベンゾキシ、アリールア ルキル、またはヘテロアリールアルキルである。好ましいR4置換基はHまたは OR13であって、R13が単糖残基であるものである。この単糖残基は、ヘキソー ス、2−デオキシグルコース、6−デオキシヘキソース、2,6−ジデオキシヘ キソース、ラムノース、グルコースおよびアラビノース、ジギトキソース、フル クトース、ガラクトース、ラムノピラノース、ヘキソピラノース、6−デオキシ グルコース、4,6−ジデオキシ−グリコピラノース、マンノース、シマロース 、キシロース、リキソース、リボース、ジギタロース、グルコサミン、4−アミ ノ−2,4,6−トリデオキシキシロヘキソピラノース、4−アミノ−4,6− ジデオキシ−グリコピラノース、2,3−ジデオキシラムノピラノース、4−メ トキシ−4,6−ジデオキシラムノピラノース、好ましくはそれらのβ−Dまた はα−Lアノマーである。 最も好ましいR4置換基はHである。 Zは−CH−であって、aおよびbが単結合であるものであるか、=Cであっ て、aまたはbのいずれかが二重結合であるものである。好ましいZは−CHで あって、aおよびbが単結合であるものである。 本発明の好ましいオリゴ糖含有14アミノステロイド化合物は、下記の通りで ある。 (3β,5β,14β,17β)−14−アミノ−3−[(O−2,6−ジデオ キシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−O−2,6−ジデオキシ −β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−O−2,6−ジデオキシ−β −D−リボ−ヘキソピラノシル)オキシ]−N−メチルアンドロスタン−17− カルボキサミド (3β,5β,14β,17β)−14−アミノ−3−[[O−2,6−ジデオ キシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−6−デオキシ−2,3− O−(1−メチルエチリデン)−α−L−マンノピラノシル]オキシ]アンドロ スタン−17−カルボン酸、メチルエステル (3β,5β,14β,17β)−14−アミノ−3−[(O−2,6−ジデオ キシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−O−2,6−ジデオキシ −β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−2,6−ジデオキシ−β−D −リボ−ヘキソピラノシル)オキシ]アンドロスタン−17−カルボキサミド (3β,5β,14β,17β)−14−アミノ−3−[(O−2,6−ジデオ キシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル)−(1→4)−2,6−ジデオキシ− β−D−リボ−ヘキソピラノシル)オキシ]アンドロスタン−17−カルボン酸 、メチルエステル (3β,5β,14β,17β)−14−アミノ−3−[(O−2,6−ジデオ キシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−O−2,6−ジデオキシ −β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−2,6−ジデオキシ−β−D −リボ−ヘキソピラノシル)オキシ]アンドロスタン−17−カルボン酸、メチ ルエステル 14β−アミノ−3β−[α−(L)−ラムノピラノシルオキシ−(1→4)− α−(L)−ラムノピラノシルオキシ]−5β−アンドロスタン−17β−カル ボン酸、メチルエステル 14β−アミノ−3β−[α−(L)−ラムノピラノシルオキシ−(1→4)− 2′,3′−O−イソプロピリデン−α−(L)−ラムノピラノシルオキシ]− 5β−アンドロスタン−17β−カルボン酸、メチルエステル 14β−アミノ−3β−[2″,3″−O−イソプロピリデン−α−(L)−ラ ムノピラノシルオキシ−(1→4)−2′,3′−O−イソプロピリデン−α− (L)−ラムノピラノシルオキシ]−5β−アンドロスタン−17β−カルボン 酸、メチルエステル 14β−アミノ−3β−[2″,3″,4″−トリ−O−アセチル−α−(L) −ラムノピラノシルオキシ−(1→4)−2′,3′−O−イソプロピリデン− α−(L)−ラムノピラノシルオキシ]−5β−アンドロスタン−17β−カル ボン酸、メチルエステル 14β−アミノ−3β−[4″−O−アセチル−2″,3″−O−アセチル−β −(L)−ラムノピラノシルオキシ−(1→4)−2′,3′−O−イソプロピ リデン−α−(L)−ラムノピラノシルオキシ]−5β−アンドロスタン−17 β−カルボン酸、メチルエステル (3β,5β,14β,17β)−14−アミノ−3−[(2,6−ジデオキシ −β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−6−デオキシ−α−L−ラム ノピラノシル)−オキシ]−アンドロスタン−17−カルボン酸、メチルエステ ル 本発明のオリゴ糖含有14−アミノステロイド化合物の製造 本発明は、ステロイド核の14位にアミノ基を導入する方法も包含する。米国 特許第4,325,879号明細書、米国特許第4,552,868号明細書、 米国特許第4,552,868号明細書、米国特許第4,584,289号明細 書、および米国特許第4,885,280号明細書による先行技術の化学では、 ステロイド核の14位にアジド残基を導入するのにヒドラゾ酸が用いられ、前記 の特許明細書の内容は、その開示の一部として本明細書に引用される。次に、ア ジド残基を還元して、ステロイド核の14位アミノ基とした。ヨウ化イソシアネ ートの使用を伴う本発明の方法は当該技術分野の改良であり、危険なヒドラゾ酸 が除かれ、一層大規模な製造作業に更に容易に適合させることができ、14アミ ノステロイド化合物の収率を更に向上させ、ステロイド核に他の酸感受性官能基 の存在下にて14位アミノ基を導入することができるからである。ステロイド核 の3位のオリゴ糖残基は、酸感受性残基であり、ヒドラゾ酸開裂を受けやすい。 従って、ヨウ化イソシアネート化学を使用することにより、ステロイド核からオ リゴ糖残基を開裂する問題が除かれる。 本発明の方法はステロイド核の14−15位の二重結合にヨウ化イソシアネー トを付加した後、脱ハロゲン化し、イソシアネートをアミン残基に転換すること によって、ステロイド核の14位にアミノ基をジアステレオ選択的に導入する。 14−15位の二重けつごうにヨウ化イソシアネートを付加した後、ヨード基を 脱ハロゲン化によって除去し、次いでイソシアネートを14位のアミノ基に転換 するのである。 具体的には、本発明の方法は、 a) 酢酸エチル、酢酸イソプロピルまたは酢酸プロピルのようなエステル、アセ トニトリルまたはプロピオンニトリルのようなニトリル、塩化メチレン、クロロ ホルムまたはジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフラン または第三ブチルメチルエーテルのようなエーテル、またはそれらの混合物など 、これらに限定されない適当な溶媒中で、好ましくはシアン酸銀およびヨウ素な ど、これらに限定されないものを用いるヨウ化イソシアネートのその場(in sit u)での生成。ヨウ化イソシアネート付加の温度は、−30℃〜100℃、最も 好ましくは−10℃〜5℃の範囲とすることができる。イソシアネート付加の反 応時間は、1〜6時間、好ましくは1〜3時間とすることができる。試薬は任意 の順序および任意の速度で添加することができ、最も好ましくはヨウ素を溶媒中 で、ステロイドおよびシアン酸銀を溶媒中で混合した物に30〜60分の時間を かけて加える。 b) 好ましくは、酢酸エチル、酢酸イソプロピルまたは酢酸プロピルのようなエ ステル、アセトニトリルまたはプロピオンニトリルのようなニトリル、塩化メチ レン、クロロホルムまたはジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素、ジエチ ルエーテル、テトラヒドロフランまたは第三ブチルメチルエーテルのような炭化 水素、ヘキサンまたはヘプタンのような炭化水素、ベンゼンまたはトルエンのよ うな芳香族化合物、またはそれらの混合物など、これらに限定されない好適な溶 媒中で、水素化トリ−n−ブチルスズのような水素化アルキルスズ、または水素 化ジフェニルスズまたは水素化トリフェニルスズのような水素化アリールスズな ど、これらに限定されない水素化有機スズ試薬、および2,2′−アゾビスイソ ブチロニトリル(AIBN)、またはベンゾイルペルオキシドまたは第三ラウリ ルペルオキシドのような過酸化物など、これらに限定されないラジカル開始剤を 用いる処理による脱ハロゲン化。好ましい溶媒としては、芳香族化合物が挙げら れ、更に好ましくはトルエンおよびハロゲン化炭化水素、最も好ましくは塩化メ チレンが挙げられる。脱ハロゲン化の反応温度は、0℃〜100℃、最も好まし くは15℃〜30℃の範囲にすることができる。反応時間は、1〜6時間、最も 好ましくは2〜4時間である。 c) 塩酸、硫酸、臭化水素酸またはトリフルオロ酢酸など、これらに限定されな い強酸、または水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチ ウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、または水性媒質中で水酸化物イオンを精 製することができるトリエチルアミンまたはピリジンのような他の塩基など、こ れらに限定されない塩基を用いるイソシアネート基のアミンへの水性加水分解。 加水分解反応に好適な補助溶媒としては、アセトニトリルまたはプロピオンニト リルのような水混和性ニトリル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンまたは ジオキサンのような水混和性エーテル、またはN,N′−ジメチルホルムアミド またはジメチルスルホキシドのような他の水混和性溶媒、またはそれらの混合物 が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい溶媒としては、水混和性ニト リル、更に好ましくはアセトニトリル、および水混和性エーテル、最も好ましく はテトラヒドロフラン、ジメトキシエタンおよびジオキサンが挙げられる。加水 分解反応の反応温度は、酸接触加水分解では0℃〜60℃、最も好ましくは15 ℃〜30℃の範囲とすることができ、塩基接触加水分解では周囲温度〜100℃ 、最も好ましくは80℃〜100℃の範囲にすることができる。酸接触加水分解 の反応時間は4〜72時間、最も好ましくは12〜36時間の範囲にすることが でき、塩基接触加水分解では2〜48時間、最も好ましくは2〜12時間の範囲 にすることができる。下記の非制限的実施例により、ステロイド核の14位にア ミノ基を導入するためのヨウ化イソシアネート法を説明する。 実施例1 (3β,5β,14β,17β−14−アミノ−3−[(O−2,6−ジデオキ シ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−O−2,6−ジデオキシ− β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−O−2,6−ジデオキシ−β− D−リボ−ヘキソピラノシル)オキシ]アンドロスタン−17−カルボン酸、メ チルエステル A. (3β,5β)−3−[(O−3,4−ジ−O−アセチル−2,6−ジデ オキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−O−3−O−アセチル −2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−3−O −アセチル−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル)オキシ] −14−ヒドロキシ−カルド−20(22)−エノリド ジギトキシン(2.0g,0.0026モル)を無水ピリジン(50ml)に 溶解する。乾燥した無水酢酸(25ml)を加え、溶液を80℃に3時間加熱す る。周囲温度まで冷却した後、反応を氷/水(500ml)に投入して琥珀色固 形物を形成させる。混合物を塩化メチレン(2×100ml)で抽出する。有機 層を合わせて、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(2×100ml)、飽和塩化ナト リウム水溶液(1×100ml)で洗浄して、乾燥し(硫酸マグネシウム)、ダ ルコ(darco)で処理して、濾過する。濾液を減圧下にて濃縮して固形物とする。 微量のピリジンを、トルエン(2×20ml)、次いでメタノール(2×20m l)と共沸蒸留によって除去して、白色固形物としててを1.8g(74%) 生成する。 B. (3β,5β,14β,17β)−3−[(O−3,4−ジ−O−アセチ ル−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−O− 3−O−アセチル−2,6−ジデオキシ−β−D−リボヘキソピラノシル−(1 →4)−3−O−アセチル−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノ シル)オキシ]−14,21−ジヒドロキシ−プレグナン−20−オン 化合物(0.93g,0.001モル)を塩化メチレン(100ml)に溶 解し、−78℃に冷却する。冷却した溶液をオゾンで8分間処理すると濃青色と なる。この時点で、オゾンの添加を中止し、反応を更に0.5時間攪拌する。次 に、酸素を緩やかな速度で溶液に15分間通じた後、青色が消失するまで窒素を 通じる。反応を周囲温度まで上げ、飽和炭酸カリウム水溶液(50ml)を加え 、 生成する混合物を20時間攪拌する。2相を分離し、有機相を水(1×50ml )、飽和塩化ナトリウム水溶液(1×50ml)で洗浄し、乾燥して(硫酸マグ ネシウム)、濾過する。濾液を減圧下にて濃縮して、白色発泡性固形物とする。 固形物をシリカゲル(230〜400メッシュ)上で97:3塩化メチレン:メ タノールを溶離剤として用いてクロマトグラフィ処理を行なう。純粋な生成物を 含む画分を合わせて、減圧下にて濃縮し、24時間真空乾燥し、白色固形物とし て、0.6g(62%)を得る。NMRおよび質量スペクトルは、構造と一致 する。この化合物を次の段階に用いる。 C. (3β,5β,14β,17β)−3−[(O−3,4−ジ−O−アセチ ル−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−O− 3−O−アセチル−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−( 1→4)−3−O−アセチル−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラ ノシル)オキシ]−14−ヒドロキシアンドロスタン−17−カルボン酸 化合物(17g,0.187モル)をアセトン(200ml)に溶解したも のに、炭酸カリウム(3.88g,0.028モル)を水(25ml)に溶解し たものを加え、次いで過ヨウ素酸ナトリウム(12g,0.056モル)を水( 50ml)に溶解したものを加える。生成混合物を、周囲温度で24時間攪拌す る。反応を水(250ml)で希釈した後、1N塩酸で酸性にしてpH1とする 。酸性にしたならば、溶液を素早く塩化メチレン(2×300ml)で抽出する 。合わせた有機相を5%塩酸水溶液(1×200ml)、水(1×200ml) で洗浄し、乾燥して(硫酸マグネシウム)、濾過する。濾液を減圧下にて濃縮し て、白色固形物とする。固形物をシリカゲル上で97.5:2.5塩化メチレン :メタノールを溶離剤として用いてクロマトグラフィ処理を行なう。純粋な生成 物を含む画分を合わせて、減圧下にて濃縮して、白色固形物として、16.2 g(97%)を得る。この化合物を次の段階に用いる。 D. (3β,5β,14β,17β)−3−[(O−3,4−ジ−O−アセチ ル−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−O− 3−O−アセチル−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−( 1→4)−3−O−アセチル−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラ ノシル)オキシ]−14−ヒドロキシアンドロスタン−17−カルボン酸、メチ ルエステル 化合物(15g,0.017モル)を無水アセトニトリル(100ml)に 溶解したものに、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン( DBU,2.4ml,2.89g,0.019モル)を加え、次いでヨードメタ ン(1.18ml,2.7g,0.019モル)を加える。反応溶液を、周囲温 度で20時間攪拌する。反応を水(1リットル)で希釈し、塩化メチレン(5× 200ml)で抽出する。合わせた抽出液を飽和塩化ナトリウム水溶液(2×2 00ml)で洗浄し、乾燥し(硫酸マグネシウム)、濾過する。濾液を減圧濃縮 して、固形物を得る。この固形物をシリカゲル(230〜400メッシュ)上で 、溶離剤として99:1塩化メチレン:メタノールを用いてクロマトグラフィ処 理を行なう。純粋な生成物を含む画分を減圧濃縮して固形物を得てこれを真空乾 燥し、白色固形物として、13.68g(90%)を得る。この化合物を次の 段階に用いる。 E. (3β,5β,17β)−3−[(O−3,4−ジ−O−アセチル−2, 6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソ−ピラノシル−(1→4)−O−3−O −アセチル−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4 )−3−O−アセチル−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル )オキシ]アンドロスト−14−エン−17−カルボン酸、メチルエステル 化合物(4.02g,0.0044モル)を無水ピリジン(20ml)に溶 解し、溶液を氷/メタノール槽中で−5℃まで冷却する。塩化チオニル(5ml ) を無水ピリジン(5ml)に溶解したものを、25分間かけて滴加する。次に、 反応を氷水(400ml)に投入し、氷が融解するまで(10分間)攪拌する。 生成混合物を酢酸エチル(3×150ml)で抽出する。合わせた抽出液を1N 塩酸(1×100ml)、水(2×100ml)、飽和重炭酸ナトリウム水溶液 (2×100ml)飽和塩化ナトリウム水溶液(1×100ml)で洗浄し、乾 燥し(硫酸マグネシウム)、濾過する。濾液を減圧下にて濃縮して、発泡性固形 物とする。固形物をシリカゲル(230〜400メッシュ)上で、溶離剤として 30:70酢酸エチル:ヘキサンを用いてクロマトグラフィ処理を行なう。純粋 な生成物を含む画分を合わせて、減圧濃縮して、白色固形物として、3.26 g(83%)を得る。この化合物を次の段階に用いる。 F. (3β,5β,14β,17β)−3−[(O−3,4−ジ−O−アセチ ル−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−O− 3−O−アセチル−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−( 1→4)−3−O−アセチル−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラ ノシル)オキシ]−15−ヨード−14−イソシアナト−アンドロスタン−17 −カルボン酸、メチルエステル 化合物(0.27g,0.3ミリモル)を酢酸エチル(1.35ml)およ びアセトニトリル(2.7ml)に溶解し、この溶液を氷/メタノール槽で1℃ に冷却する。シアン酸銀(0.054g,0.36ミリモル)を加えた後、ヨウ 素(0.081g,0.32ミリモル)を酢酸エチル(4ml)に溶解したもの を滴加する。ヨウ素の添加が終了した後、反応を更に1.5時間低温で攪拌を継 続する。次に、反応を酢酸エチル(20ml)で希釈し、セライトで濾過する。 濾液を1%亜硫酸ナトリウム水溶液(1×10ml)で洗浄した後、有機層を減 圧濃縮し、発泡性固形物として、0.32g(99%)を得る。この化合物を 次の段階に用いる。 G. (3β,5β,14β,17β)−3−[(O−3,4−ジ−O−アセチ ル−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−O− 3−O−アセチル−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−( 1→4)−3−O−アセチル−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラ ノシル)オキシ]−14−イソシアナト−アンドロスタン−17−カルボン酸、 メチルエステル 窒素雰囲気下で炎乾燥した装置で、(0.32g,0.3ミリモル)を無水 塩化メチレン(10ml)に溶解する。この溶液に、触媒量の2,2′−アゾビ スイソブチロニトリル(AIBN,0.003g)、続いて水素化トリブチルス ズ(0.085ml,0.091g,0.31ミリモル)を加える。生成する溶 液を周囲温度で1時間攪拌した後、減圧濃縮して油状生成物と下。この油状生成 物をヘキサンで粉砕して白色固形物として、これを濾別して、風乾し、、0. 25(89%)を得る。この化合物を次の段階に用いる。 H. (3β,5β,14β,17β)−3−[(O−3,4−ジ−O−アセチ ル−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−O− 3−O−アセチル−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−( 1→4)−3−O−アセチル−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラ ノシル)オキシ]−14−アミノ−アンドロスタン−17−カルボン酸、メチル エステル 化合物(0.3g,0.32ミリモル)をアセトニトリル(15ml)に溶 解したものに、炭酸カリウム(0.66g,4.8ミリモル,15当量)を水( 10ml)に溶解したものを加える。反応を還流温度で4時間攪拌する。室温ま で冷却した後、反応を減圧濃縮し、アセトニトリルを除去する。残りの水性残渣 に水(20ml)を加え、混合物を1N塩酸で酸性にしてpH1とした後、濃水 酸化アンモニウム出速やかに塩基性(pH9)にする。この水性混合物を塩化 メチレン(2×30ml)で抽出し、合わせた層を乾燥し(硫酸マグネシウム) 、濾過する。濾液を減圧濃縮して固形物として、これを真空乾燥して、粗製の 、0.23g(79%)を得る。この化合物を、直接次の段階で用いる。 I. (3β,5β,14β,17β)−14−アミノ−3−[(O−2,6− ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−O−2,6−ジデ オキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−2,6−ジデオキシ− β−D−リボ−ヘキソピラノシル)オキシ]アンドロスタン−17−カルボン酸 、メチルエステル 窒素雰囲気下で炎乾燥した装置で、化合物(0.23g,0.3ミリモル) を無水メタノール(9ml)に溶解する。ナトリウムメトキシド(0.063g ,1.2ミリモル,4当量)を無水メタノール(2ml)に溶解したものを加え 、反応を周囲温度で3時間攪拌する。次に、反応を減圧下にて濃縮して白色残渣 を得る。この残渣を水(30ml)に溶解し、氷/水槽出冷却する。この溶液を 、1N塩酸で酸性にしてpH1とした後、濃水酸化アンモニウムで速やかに塩基 性(pH9)とする。水性混合物を塩化メチレン(2×30ml)で抽出する。 合わせた抽出物を乾燥し(硫酸マグネシウム)、濾過する。濾液を減圧濃縮して 固形物とする。この固形物を、シリカゲル(230〜400メッシュ)上で0. 5%濃水酸化アンモニウムを含む9:1塩化メチレン:メタノールを溶離剤とし て用いて、クロマトグラフィ処理を行なう。純粋な生成物を含む画分を合わせて 、減圧濃縮して、固形物を得て、これを真空乾燥して、(3β,5β,14β, 17β)−14−アミノ−3−[(O−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘ キソピラノシル−(1→4)−O−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソ ピラノシル−(1→4)−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシ ル)オキシ]アンドロスタン−17−カルボン酸、メチルエステル、である最終 生成物を得る。 実施例2 (3β,5β,14β,17β)−14−アミノ−3−[(O−2,6−ジデオ キシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−O−2,6−ジデオキシ −β−D−リボ−ヘキソピラノシル)オキシ]アンドロスタン−17−カルボン 酸、メチルエステル A. (3β,5β,17β)−3−[(O−2,6−ジデオキシ−β−D−リ ボ−ヘキソ−ピラノシル−(1→4)−O−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ −ヘキソピラノシル−(1→4)−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソ ピラノシル)オキシ]アンドロスト−14−エン−17−カルボン酸、メチルエ ステル (3β,5β,17β)−3−[(O−3,4−ジ−O−アセチル−2,6− ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−O−3−O−アセ チル−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−3 −O−アセチル−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル)オキ シ]アンドロスト−14−エン−17−カルボン酸、メチルエステルの製造につ いては、前記実施例2の製造を参照されたい。 窒素雰囲気下にて炎乾燥した装置で、(3β,5β,17β)−3−[(O− 3,4−ジ−O−アセチル−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノ シル−(1→4)−O−3−O−アセチル−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ −ヘキソピラノシル−(1→4)−3−O−アセチル−2,6−ジデオキシ−β −D−リボ−ヘキソピラノシル)オキシ]アンドロスト−14−エン−17−カ ルボン酸メチルエステル(2.29g,0.0025モル)を無水メタノール( 50ml)に溶解する。ナトリウムメトキシド(0.72g,0.014モル) を無水メタノール(10ml)に溶解したものを加え、反応を周囲温度で3時間 攪拌する。反応を減圧濃縮して固形物を得た後、これを水(50ml)に溶解す る。混合物を1N塩酸で酸性にしてpH1とした後、濃水酸化アンモニウムで速 やかに塩基性(pH9)にする。生成する混合物を塩化メチレン(2×50ml )で抽出する。合わせた抽出物を乾燥し(硫酸マグネシウム)、濾過する。濾液 を減圧濃縮して固形物を得て、これを真空乾燥して、、1.9g(100%) を得る。NMRおよび質量スペクトルは構造と一致する。この化合物を次の段階 に 用いる。 B. (3β,5β,17β)−3−[(O−2,6−ジデオキシ−4−O−[ 1−(1−メチル−2−オキソエトキシ)−3−オキソプロピル]−β−D−リ ボ−ヘキソ−ピラノシル−(1→4)−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘ キソピラノシル)オキシ]アンドロスト−14−エン−17−カルボン酸メチル エステル 化合物(1.9g,0.0012モル)を95:5エタノール:水(100 ml)に溶解したものを、過ヨウ素酸ナトリウム(1.9g,0.009モル) を水(20ml)に溶解したものに加える。反応を、周囲温度で20時間攪拌す る。反応を濾過紙、濾液を減圧濃縮して、固形物を得る。この固形物を水(10 0ml)に溶解し、塩化メチレン(3×50ml)で抽出する。合わせた抽出物 を1%重炭酸ナトリウム(1×50ml)、水(2×50ml)で洗浄し、乾燥 し(硫酸マグネシウム)、濾過する。濾液を減圧濃縮して、発泡性白色固形物を 得て、これを真空乾燥して、、1.81g(96%)を得る。この化合物を次 の段階に用いる。 C. (3β,5β,17β)−3−[(O−2,6−ジデオキシ−4−O−[ 3−ヒドロキシプロピル−1−(2−ヒドロキシ−1−メチルエトキシ)]−β −D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−2,6−ジデオキシ−β−D−リ ボ−ヘキソピラノシル)オキシ]アンドロスト−14−エン−17−カルボン酸 メチルエステル (1.81g,0.0025モル)を95:5メタノール:水(100ml )に溶解したものに、水素化ホウ素ナトリウム(0.94g,0.025ml) を加え、この溶液を周囲温度で1時間攪拌する。反応に酢酸を滴加して、pHを 7とする。この反応を次に減圧濃縮して、固形物を得る。この固形物を水(30 ml)に溶解して、塩化メチレン(3×25ml)で抽出し、乾燥し(硫 酸マグネシウム)、濾過する。濾液を減圧濃縮して固形物をえて、これを真空乾 燥して、、1.31g(72%)を得る。この化合物を次の段階に用いる。 D. (3β,5β,17β)−3−[(O−2,6−ジデオキシ−β−D−リ ボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキ ソピラノシル)オキシ]アンドロスト−14−エン−17−カルボン酸メチルエ ステル 化合物(1.3g,0.0018モル)をメタノール(100ml)に溶解 したものに0.05N塩酸(22.1ml)を加える。この反応を、周囲温度で 3時間攪拌する。この反応を、次に飽和重炭酸ナトリウム水溶液で中和して、減 圧濃縮して、固形物を得る。この固形物を水(50ml)に溶解し、塩化メチレ ン(3×25ml)で抽出する。合わせた抽出物を乾燥し(硫酸マグネシウム) 、濾過する。濾液を減圧濃縮して、発泡性固形物を得て、これを真空乾燥して、 、1.0g(94%)を得る。この化合物を次の段階に用いる。 E. (3β,5β,17β)−3−[(O−3,4−ジ−O−アセチル−2, 6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−O−3−アセ チル−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル)オキシ]アンド ロスト−14−エン−17−カルボン酸メチルエステル 化合物(1.0g,0.0017モル)を無水ピリジン(15ml)に溶解 する。乾燥した無水酢酸(15ml)を加え、反応を80℃で3時間攪拌した後 、反応を周囲温度まで徐冷し、18時間攪拌する。反応を水(200ml)に投 入し、10分間攪拌する。水性混合物を塩化メチレン(2×75ml)で抽出す る。合わせた抽出物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(3×100ml)、水(1 ×100ml)で洗浄し、乾燥し(硫酸マグネシウム)、濾過する。濾液を減圧 濃縮して、発泡性固形物とし、これを真空乾燥して、、0.78g(64%) を得る。この化合物を次の段階に用いる。 F. (3β,5β,14β,15β,17β)−3−[(O−3,4−ジ−O −アセチル−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4 )−O−3−アセチル−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル )オキシ]−15−ヨード−14−イソシアナト−アンドロスタン−17−カル ボン酸、メチルエステル 化合物(0.76g,0.001モル)を酢酸エチル(4.5ml)および アセトニトリル(9ml)に溶解し、この溶液を氷/メタノール槽で1℃に冷却 する。シアン酸銀(0.19g,0.0013モル)を加えた後、ヨウ素(0. 30g,0.0012モル)を酢酸エチル(13.5ml)に溶解したものを滴 加する。ヨウ素の添加が完了した後(20分)、反応を更に1時間低温で攪拌を 継続する。次いで、反応を酢酸エチル(50ml)で希釈し、セライトで濾過す る。濾液を1%亜硫酸ナトリウム水溶液(1×50ml)で洗浄した後、有機層 を減圧濃縮して、発泡性固形物として、0.9g(96%)を得る。この化合 物を次の段階に用いる。 G. (3β,5β,14β,17β)−3−[(O−3,4−ジ−O−アセチ ル−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−O− 3−アセチル−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル)オキシ ]−14−イソシアナト−アンドロスタン−17−カルボン酸、メチルエステル 窒素雰囲気下にて炎乾燥した装置で、(0.9g,0.001モル)を無水 塩化メチレン(18ml)に溶解する。この溶液に、触媒量の2,2′−アゾビ スイソブチロニトリル(AIBN,0.001g)を加えた後、水素化トリブチ ルスズ(0.3ml,0.32g,0.001モル)を加える。生成する溶液を 周囲温度で3時間攪拌した後、減圧濃縮して油状物とする。この油状物をヘキサ ンで粉砕して、白色固形物を形成させ、これを濾過によって回収し、風乾して、 、0.65g(84%)を得る。この化合物を、次の段階に用いる。 H. (3β,5β,14β,17β)−3−[(O−3,4−ジ−O−アセチ ル−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−O− 3−アセチル−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル)オキシ ]−14−アミノ−アンドロスタン−17−カルボン酸、メチルエステル 化合物(065g,0.00085モル)をアセトニトリル(25ml)に 懸濁したものに、炭酸カリウム(1.8g,0.013モル,15当量)を水( 10ml)に溶解したものを加える。反応を、還流温度で3時間攪拌する。室温 まで冷却した後、反応を減圧濃縮して、アセトニトリルを除去する。残留してい る水性残渣に水(10ml)を加え、混合物を1N塩酸で酸性にして、pH1と し、次いで速やかに濃水酸化アンモニウムで塩基性(pH9)とする。水性混合 物を塩化メチレン(2×50ml)で抽出し、合わせた層を乾燥し(硫酸マグネ シウム)、濾過する。濾液を減圧濃縮して固形物とし、これを真空乾燥して粗製 の、0.6g(96%)を得る。この化合物を次の段階で直接用いる。 I. (3β,5β,14β,17β)−14−アミノ−3−[(O−2,6− ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−O−2,6−ジデ オキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル)オキシ]−アンドロスタン−17− カルボン酸、メチルエステル 窒素雰囲気下にて炎乾燥した装置で、化合物8(0.60g,0.0082モ ル)を無水メタノール(25ml)に溶解する。ナトリウムメトキシド(0.3 5g,0.007モル)を無水メタノール(10ml)に溶解したものを加え、 反応を周囲温度で1時間攪拌する。次いで、反応を減圧濃縮して、白色残渣とす る。この残渣を水(50ml)に溶解し、氷/水槽で冷却する。溶液を1N塩酸 で酸性にしてpH1とした後、速やかに濃水酸化アンモニウムで塩基性(pH9 )にする。水性混合物を塩化メチレン(3×25ml)で抽出する。合わせた抽 出物を乾燥し(硫酸マグネシウム)、濾過する。濾液を減圧濃縮して、 固形物とする。この固形物をシリカゲル(230〜400メッシュ)上で0.5 %濃水酸化アンモニウムを含む9:1塩化メチレン:メタノールを溶離剤として 用いてクロマトグラフィ処理を行なう。純粋な生成物を含む画分を合わせて、減 圧濃縮して固形物とし、これを真空乾燥して、最終生成物として(3β,5β, 14β,17β)−14−アミノ−3−[(O−2,6−ジデオキシ−β−D− リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−O−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ −ヘキソピラノシル)オキシ]−アンドロスタン−17−カルボン酸、メチルエ ステルを生成する。 実施例3 (3β,5β,14β,17β)−14−アミノ−3−ヒドロキシ−アンドロス タン−17−カルボン酸、メチルエステル A. (3β,5β,14β,15α,17β)−3−アセチルオキシ−15− ヨード−14−イソシアナト−アンドロスタン−17−カルボン酸、メチルエス テル (3β,5β,17β)−3−アセチルオキシ−アンドロスト−14−エン− 17−カルボン酸メチルエステルの製造は、米国特許第4,855,280号明 細書、米国特許第4,584,289号明細書および第4,325,879号明 細書に記載されており、前記特許明細書の内容は、その開示の一部として本明細 書に引用される。 (3β,5β,17β)−3−アセチルオキシ−アンドロスト−14−エン− 17−カルボン酸メチルエステル(50g,0.134モル)を酢酸エチル(1 60ml)およびアセトニトリル(320ml)に溶解し、この溶液を氷/メタ ノール槽で1℃に冷却する。シアン酸銀(23.7g,0.158モル)を加え た後、ヨウ素(37.2g,0.147モル)を酢酸エチル(480ml)に溶 解したものを滴加する。ヨウ素の添加を終了した後、反応を更に1時間低温で攪 拌を継続する。次いで、反応を濾過し、濾液を1%亜硫酸ナトリウム水溶液(1 ×500ml)で洗浄する。次に、有機層を減圧濃縮して、油状物として、7 0g(96%)を生成する。この化合物を次の段階に用いる。 B. (3β,5β,14β,17β)−3−アセチルオキシ−14−イソシア ナト−アンドロスタン−17−カルボン酸、メチルエステル 化合物(65g,0.121モル)を塩化メチレン(325ml)に溶解す る。この溶液に触媒量の2,2′−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN,0 .005g)を加え、次いで水素化トリブチルスズ(33.3ml,36g,0 .126モル)を加える。生成する溶液を、29℃で2.5時間攪拌した後、減 圧濃縮して油状物とする。この油状物をヘキサン(350ml)で粉砕して白色 固形物を形成させ、これを濾過によって回収し、風乾して、、38.3g (77%)を得る。この化合物を次の段階に用いる。 C. (3β,5β,14β,17β)−14−アミノ−3−ヒドロキシ−アン ドロスタン−17−カルボン酸、メチルエステル 化合物2をアセトニトリル(247ml)および濃塩酸(133ml)と合わ せて、攪拌する。3時間後、水(133ml)を加え、反応を周囲温度で48時 間攪拌を継続する。次いで、反応を氷/水槽で冷却して25℃を下回る温度に保 持ながら、濃水酸化アンモニウムを滴加して、溶液を塩基性(pH約9)にする 。次に、生成する混合物を塩化メチレン(4×200ml)で抽出し、合わせた 抽出物を水(1×250ml)で洗浄し、乾燥し(硫酸マグネシウム)、減圧濃 縮して、最終生成物である(3β,5β,14β,17β)−14−アミノ−3 −ヒドロキシ−アンドロスタン−17−カルボン酸、メチルエステルを得る。 更に、前記の実施例1,2,3に例示したヨードイソシアネート化学に従って 製造した17位のカルボン酸エステル化合物は、実施例4、5、6および7に例 示した17位がカルボキサミド誘導体に転換することができる。 実施例4 (3β,5β,14β,17β)−14−アミノ−3−[(O−2,6−ジデオ キシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−O−2,6−ジデオキシ −β−D−リボ−ヘキソピラノシル)オキシ]−N−メチル−アンドロスタン− 17−カルボキサミド ステンレス鋼ボンベで、A、(3β,5β,14β,17β)−14−アミノ −3−[(O−2,6−ジデオキシ−b−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→ 4)−O−2,6−ジデオキシ−b−D−リボ−ヘキソピラノシル)オキシ]ア ンドロスタン−17−カルボン酸、メチルエステル(0.61g,0.001モ ル)をメタノール(15ml)に溶解し、この溶液を氷/水槽中で冷却する。次 に、ガス状メチルアミンを溶液に通じて(15分)、飽和し、反応容器を密封し て、90℃で10日間加熱する。周囲温度まで冷却した後、反応容器を開き、内 容物を減圧濃縮して、固形物とする。この固形物をシリカゲル上で1%濃水酸化 アンモニウムを含む80:20塩化メチレン:メタノールを溶離剤として用いて 精製する。純粋な生成物を含む画分を合わせて、減圧濃縮し、真空乾燥して、純 粋な生成物を得る。 実施例5 (3β,5β,14β,17β)−14−アミノ−3−[(O−2,6−ジデオ キシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−O−2,6−ジデオキシ −β−D−リボ−ヘキソピラノシル)オキシ]−アンドロスタン−17−カルボ キサミド ステンレス鋼ボンベで、A、(3β,5β,14β,17β)−14−アミノ −3−[(O−2,6−ジデオキシ−b−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→ 4)−O−2,6−ジデオキシ−b−D−リボ−ヘキソピラノシル)オキシ]ア ンドロスタン−17−カルボン酸、メチルエステル(0.61g,0.001モ ル)をメタノール(15ml)に溶解し、この溶液を氷/水槽中で冷却する。次 に、アンモニアガスを溶液に通じて(15分)、飽和し、反応容器を密封して、 90℃で10日間加熱する。周囲温度まで冷却した後、反応容器を開き、内容物 を減圧濃縮して、固形物とする。この固形物をシリカゲル上で1%濃水酸化アン モニウムを含む75:25塩化メチレン:メタノールを溶離剤として用いて精製 する。純粋な生成物を含む画分を合わせて、減圧濃縮し、真空乾燥して、純粋な 生成物を得る。 実施例6 (3β,5β,14β,17β)−14−アミノ−3−[(O−2,6−ジデオ キシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−O−2,6−ジデオキシ −β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−2,6−ジデオキシ−β−D −リボ−ヘキソピラノシル)オキシ]アンドロスタン−17−カルボキサミド ステンレス鋼ボンベに、1、(3β,5β,14β,17β)−14−アミノ −3−[(O−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→ 4)−O−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4) −2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル)オキシ]アンドロス タン−17−カルボン酸、メチルエステル298mg(0.0004モル)およ びメタノール10mlを加えた後、氷/水槽中で冷却しながらNH3ガスを通じ て飽和させる(15分)。透明な溶液をボンベに密封し、90℃で10日間加熱 する。TLCに基づいて、反応が完結したならば、淡黄色反応混合物を減圧下に てロータリーエバポレーター上で濃縮して、灰白色固形物残渣を得る。この物質 を、25%MeOH/CH2Cl2+NH4OHの移動相を用いるフラッシュクロ マトグラフィによって精製する。TLCに基づいて、TLC上でRf0.23で 1スポットを示す合わせた画分(43〜81)をロータリーエバポレーター上 で減圧濃縮して灰白色固形物を得る。この固形物を55℃で一晩真空乾燥して、 純粋な最終生成物を得る。 実施例7 (3β,5β,14β,17β)−14−アミノ−3−[(O−2,6−ジデオ キシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−O−2,6−ジデオキシ −β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−2,6−ジデオキシ−β−D −リボ−ヘキソピラノシル)オキシ]N−メチルアンドロスタン−17−カルボ キサミド ステンレス鋼ボンベに、1、(3β,5β,14β,17β)−14−アミノ −3−[(O−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→ 4)−O−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4) −2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル)オキシ]アンドロス タン−17−カルボン酸、メチルエステル298mg(0.0004モル)およ びメタノール10mlを加えた後、氷/水槽中で冷却しながらメチルアミンを通 じて飽和させる(約15分)。透明な溶液をボンベに密封し、90℃で10日間 加熱する。 ボンベをオーブンから取りだし、開いて、TLCによってチェックする。 TLCの結果出発物質が見られないならば、淡黄色反応混合物を減圧下にてロー タリーエバポレーター上で濃縮して、半固形残渣を得る。この半固形残渣を、2 0%MeOH/CH2Cl2+NH4OH(初期比率:20/80/0.9;最終 比率:20/80/1.8)の移動相を用いるフラッシュクロマトグラフィによ って精製する。TLCに基づいて、TLC上でRf0.43(20%MeOH/ CH2Cl2+NH4OH)で1スポットを示す合わせた画分(43〜81)をロ ータリーエバポレーター上で減圧濃縮して灰白色固形物を得る。この固形物を冷 エーテルで粉砕し、濾過によって回収して灰白色の固形状最終生成物を得て、こ れを55℃で48時間真空乾燥して、純粋な最終生成物を得る。 本発明の新規化合物は、先行技術の米国特許第4,325,879号明細書、 米国特許第4,552,868号明細書、米国特許第4,552,868号明細 書、米国特許第4,584,289号明細書、および米国特許第4,885,2 80号明細書に記載の化学に準じても製造され、前記特許明細書の内容は、その 開示の一部として本明細書に引用される。下記の非制限的実施例により、本発明 の化合物を先行技術に従って製造することができる方法を例示する。 実施例8 (3β,5β,14β,17β)−14−アミノ−3−[[O−2,6−ジデオ キシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−6−デオキシ−2,3− O−(1−メチルエチリデン)−α−L−マンノピラノシル]オキシ]アンドロ スタン−17−カルボン酸、メチルエステル 米国特許第4,885,280号明細書に記載され、その内容が、その開示の 一部として本明細書に引用される手順によって製造されるA、(3β,5β,1 4β,17β)−14−アミノ−3−[[6−デオキシ−2,3−O−(1− メチルエチリデン)−α−L−マンノピラノシル]オキシ]アンドロスタン−1 7−カルボン酸、メチルエステル1.125g(2.1ミリモル)と、2,6− ジデオキシ−1,3,4−D−(4−ニトリルベンゾイル)−D−リボヘキサノ ピラノシド1,250g(2.1ミリモル)をCH2Cl260ml中で混合した ものに、モレキュラーシーブ、4A°、8〜12メッシュ、3.0gを加える。 この混合物を室温で15分間攪拌した後、乾燥した氷/アセトン槽で冷却し、次 に、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(Lancaster)2.0mlを CH2Cl210.0mlに溶解したものを滴加する。混合物を約−80°で6時 間攪拌した後、トリエチルアミン8.0mlをこの低温混合物に加え、攪拌を1 0分間継続する。混合物を冷蔵庫中で徐々に一晩暖める。 溶媒を真空留去し、残渣をシリカ上でクロマトグラフィ処理を行なう。混入材 料をCH2Cl2で溶出した後、所望の画分をEtOAc/CH2Cl2(1:4) で溶出して、1.98gを得る。 前記p−ニトロベンゾイル化した二糖400mg(0.415ミリモル)を乾 燥メタノール(Aldrich,無水)1.0mlに溶解したものに、0.1217mM のNaOCH3を乾燥メタノール(Aldrich)に溶解したもの7.2mlを注射器で 添加する。混合物を0°で6時間攪拌し、生成物が反応混合物から沈澱して、最 終生成物(3β,5β,14β,17β)−14−アミノ−3−[[O−2,6 −ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−6−デオキシ− 2,3−O−(1−メチルエチリデン)−α−L−マンノピラノシル]オキシ] アンドロスタン−17−カルボン酸、メチルエステルが得られる。 実施例9 14β−アミノ−3β−[α−(L)−ラムノピラノシルオキシ−(1→4)− 2′,3′−O−イソプロピリデン−α−(L)−ラムノピラノシルオキシ]− 5β−アンドロスタン−17β−カルボン酸、メチルエステル 米国特許第4,885,280号明細書および米国特許第4,325,879 号明細書に記載され、それらの特許明細書の内容が、その開示の一部として本明 細書に引用される手順によって製造される14β−アジド−3β−[2′,3′ −O−イソプロピリデン−α−(L)−ラムノピラノシルオキシ]−5β−アン ドロスタン−17β−カルボン酸、メチルエステル260mgをアセトニトリル 12mlに溶解し、この溶液を、モレキュラーシーブ(130mg,3A)、お よびトリ−O−アセチル−ラムノシルブロミド325mgの存在下にて15分間 攪拌する。シアン酸水銀を加え、反応混合物を室温で3時間攪拌する。 重炭酸ナトリウムの飽和溶液の添加、濾過、トルエンによる抽出、および加圧 下でのシリカゲルカラム上でのクロマトグラフィで酢酸エチル/ヘキサン混合物 (1:2)での溶出による精製の後、14β−アジド−3β−[トリ−2″,3 ″,4″−O−アセテート−α−(L)−ラムノピラノシルオキシ]−(1→4 )−2′,3′−O−イソプロピリデン−α−(L)−ラムノピラノシルオキシ ]5β−アンドロスタン−17β−カルボン酸、メチルエステル252mgが得 られる。 このジーラムノシル−1−4アジド誘導体は、エチルエーテル/石油エーテル 混合物中で結晶化させることができる。 アルゴンによって脱酸素化した無水エチルアルコール8.5ml、テルル粉末 99.5mg、および水素化ホウ素ナトリウム74mgの混合物であって、前記 ジーラムノシル−14−アジド誘導体250mgを含むものを室温で24時間攪 拌する。 セライトで濾過し、留去し、酢酸エチルで抽出し、水で洗浄した後、残渣を加 圧下にてシリカカラム上でクロマトグラフィを行ない、クロロホルム/エチルア ルコール/水酸化アンモニウム(89:10:1)混合物で溶出することによっ て精製すると、14β−アミノ−3β−[α−(L)−ラムノピラノシルオキシ −(1→4)−2′,3′−O−イソプロピリデン−α−(L)−ラムノピラノ シルオキシ]−5β−アンドロスタン−17β−カルボン酸、メチルエステルが 得られる。 実施例10 14β−アミノ−3β−[トリ−2″,3″,4″−O−アセチル−α−(L) −ラムノピラノシルオキシ−(1→4)−2′,3′−O−イソプロピリデン− α−(L)−ラムノピラノシルオキシ]−5β−アンドロスタン−17β−カル ボン酸、メチルエステル 実施例8に示した方法で得られたトリ−ヒドロキシ誘導体5.0gを塩化メチ レン37mlに溶解し、この溶液を氷槽で冷却する。無水酢酸(2.4ml)お よびジメチルアミノピリジン(313mg)を溶液に加え、反応混合物を室温で 一晩攪拌する。 水酸化ナトリウムの水溶液を反応混合物に投入し、攪拌を5分間継続した後、 塩化メチレンで抽出を行なう。 有機相をH2O+NH4OHで洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発乾燥する。 このようにして得られた粗製のトリアセチル化生成物をシリカカラム上でフラッ シュクロマトグラフィを行ない、塩化メチレン/メチルアルコール/水酸化アン モニウム混合物(97:2.7:0.27)で溶出することによって精製し、1 4β−アミノ−3β−[トリ−2″,3″,4″−O−アセチル−α−(L)− ラムノピラノシルオキシ−(1→4)−2′,3′−O−イソプロピリデン−α −(L)−ラムノピラノシルオキシ]−5β−アンドロスタン−17β−カルボ ン酸、メチルエステルを生成する。 実施例11 14β−アミノ−3β−[2″,3″−O−イソプロピリデン−α−(L)−ラ ムノピラノシルオキシ−(1→4)−2′,3′−O−イソプロピリデン−α− (L)−ラムノピラノシルオキシ]−5β−アンドロスタン−17β−カルボン 酸、メチルエステル 実施例8に示した方法で得られたトリ−ヒドロキシ誘導体11.2gをアセト ン77mlに溶解したものに、ジメトキシプロパン97mlおよびp−トルエン スルホン酸・H2O3.5gを加える。反応混合物を室温で1時間攪拌し、水酸 化ナトリウムの水溶液を数分間攪拌しながら反応混合物に投入した後、塩化メチ レン/メチルアルコール混合物で抽出する。 有機相をH2O+NH4OHで洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発乾燥する。 このようにして得られる粗製生成物を、イソプロピルエーテル中で結晶すること によって生成し、14β−アミノ−3β−[2″,3″−O−イソプロピリデン −α−(L)−ラムノピラノシルオキシ−(1→4)−2′,3′−O−イソプ ロピリデン−α−(L)−ラムノピラノシルオキシ]−5β−アンドロスタン− 17β−カルボン酸、メチルエステルを生成する。 実施例12 14β−アミノ−3β−[α−(L)−ラムノピラノシルオキシ−(1→4)− α−(L)−ラムノピラノシルオキシ]−5β−アンドロスタン−17β−カル ボン酸、メチルエステル 実施例8に記載の方法で得られるトリ−ヒドロキシ誘導体8(103mg)を 、トリフルオロ酢酸0.2mlおよび幾らかの水(1%)の存在下にてクロロホ ルム2mlに溶解させる。反応は、室温で1時間行なう。 塩化メチレン/メチルアルコール混合物(85:15)で抽出し、飽和炭酸水 素溶液、水で洗浄し、蒸発乾燥した後、残渣をシリカカラム上で加圧下にてクロ マトグラフィを行ない、塩化メチレン/メチルアルコール/水酸化アンモニウム 混合物(84:15:1)で溶出することによって精製すると、14β−アミノ −3β−[α−(L)−ラムノピラノシルオキシ−(1→4)−α−(L)−ラ ムノピラノシルオキシ]−5β−アンドロスタン−17β−カルボン酸、メチル エステルを生成する。 薬理活性の評価 強心性ステロイド化合物の正の変力効果は、心筋細胞の筋細胞膜におけるNa 、Kポンプに対するその効果によると考えられる。具体的には、強心性ステ ロイドはNa、Kによって活性化されるアデノシン三リン酸を阻害し、これ が次に細胞内カルシウムを増加させる。従って、収縮機構を活性化するには、カ ルシウムが更に用いられる。総括的には、Goodman およびGilman、「治療の薬理 学的基礎(The Pharmacological Basis of Therapeutics)」、34章、(第8版 、1990年)を参照されたい。 新規な化学的実体の正の変力活性は、単離した心臓組織および全動物モデルの 両方で評価される。単離した組織は、組織の反応に影響を与えることがある代謝 、神経ホルモンおよび吸収干渉が実質的にないから、変力ポテンシャルの直接的 測定値を提供する。イン・ビボアッセイでは、単離した組織アッセイで欠けてい る生理学的パラメーターを考慮する評価を提供する。 変力活性のアッセイでは、モルモットの心臓からの乳頭筋ストリップを用いる 。乳頭筋は弁機能と一層関係しているが、この筋によって示される基本的収縮反 応は心室筋の反応と同じである。アッセイでは、モルモットの心臓から切除した 乳頭筋の一部を、細胞機能に必要な基質を含む温度制御された水性環境を組織に 提供する臓器浴に懸垂する。筋ストリップの自由末端に力トランスデューサーを 結 合して、筋が固定基部とトランスデューサーとの間に懸垂されるようにし、電気 刺激を加えることによって、様々な濃度の試験化合物に応答する短縮または収縮 を測定することができる。典型的な条件下では、正の変力は未知の化合物によっ て誘導される収縮力の増加として定義され、このデーターは通常はベースライン からの収縮力の50%増加を誘導するのに必要な薬剤の濃度として報告される( EC50)。イン・ビボでの正の変力の評価は、2つの方法で行なう。第一の方法 は、収縮力を測定するのに心臓の外側に緊張ゲージを縫合する点で、イン・ビボ 法について記載した測定と極めて類似している。第二の方法では、力トランスデ ューサーを左心室に挿入して圧力変化を検出する。心筋収縮力は左心室内の圧力 発生の速度と相関し、+dP/dtとして表わされる。いずれの場合にも、デー ターは収縮性の30%増加または+dP/dt(すなわちED30)のような活性 の水準を達成するのに必要な薬剤の量として報告され、薬剤のmg数/動物の体 重kg数として表わされる。 医薬組成物 本発明の新規なオリゴ糖含有14−アミノステロイド化合物は、経口糖よ形態 および注射(静脈内、筋肉内、腹腔内および皮下)など、これらに限定されない 様々な経路によってヒトまたは他の動物に投与することができる。本発明の新規 オリゴ糖含有14−アミノステロイド化合物を含む多数の他の投与形態は、下記 に定義される好適な薬学賦形剤を用いて、当業者が容易に処方することができる 。患者のコンプライアンスを考慮するには、経口投与形態が通常は最も好ましい 。 本発明で用いられる「医薬組成物」という用語は、オリゴ糖含有14−アミノ ステロイド化合物活性成分の安全かつ有効量またはその混合物と、薬学上許容可 能な賦形剤とを含んでなる組み合わせを意味する。 本発明で用いられる「安全かつ有効量」という用語は、治療を行なう症状およ び/または状態を有意に正に改質するのに十分なほど多量であるが、重い副作用 を回避するのに十分なほど少量(合理的な利益/危険比率)であり、適切な医学 的判定の範囲内にある化合物または組成物の量を意味する。本発明の方法で用い られる医薬組成物に用いられる活性成分の安全かつ有効量は治療を行なう特定の 状態、治療を受ける患者の年齢および身体的条件、症状の重さ、治療の期間、同 時に行なわれる治療の性質、用いられる特定の活性成分、用いられる特定の薬学 上許容可能な賦形剤、および担当医の知識および専門的技術の範囲内の同様な因 子によって変化する。 本発明で用いられる「薬学上許容可能な賦形剤」という用語としては、任意の 生理学的に不活性であり、当業者に知られている薬理学的に不活性な材料であっ て、使用のため選択される特定のオリゴ糖含有14−アミノステロイド化合物活 性成分の物理的および化学的特性と適合するものが挙げられる。薬学上許容可能 な賦形剤としては、ポリマー、樹脂、可塑剤、充填剤、結合剤、潤滑剤、滑剤、 崩壊剤、溶剤、補助溶剤、緩衝剤系、界面活性剤、防腐剤、甘味料、芳香剤、薬 学級の染料または色素、および粘性剤が挙げられるが、これらに限定されない。 本発明で用いられる「経口投与形態」という用語は、個体の口を介して個体の 消化管に送ることによって個体に漸進的に投与することを目的とする任意の医薬 組成物を意味する。本発明の目的では、送られる形態は、コーティングしたまた はコーティングしていない錠剤、溶液、懸濁液、またはコーティングしたまたは コーティングしていないカプセルの形態であることができる。 本発明で用いられる「注射」という用語は、活性成分を含む溶液またはエマル ジョンの配送を経て、前記個体の皮膚を突き破り、前記溶液またはエマルジョン を静脈内、筋肉内、腹腔内または皮下注射によって個体の循環器系に送り、ヒト または他の哺乳動物に漸進的に投与することを目的とする任意の医薬組成物を意 味する。 全身的配送の速度は、下記のいずれか1つ以上を操作することによって、当業 者が十分に制御することができる。 (a) 適当な活性成分、 (b) 薬学上許容可能な賦形剤:変異体が、選択される特定の活性成分の 活性に緩衝しない限り、 (c) 賦形剤の種類、および前記賦形剤の付随する所望な厚みおよび浸透 性(膨潤特性)、 (d) この賦形剤自身のおよび/または賦形剤内部の時間依存性の状態 (e) 粒状化した活性成分の粒度、および (f) 賦形剤のpH依存条件。 前記のように、薬学上許容可能な賦形剤としては、樹脂、充填剤、結合剤、潤 滑剤、溶剤、滑剤、崩壊剤、補助溶剤、界面活性剤防腐剤、甘味料、芳香剤、緩 衝剤系、薬学級染料または色素、および粘性剤が挙げられるが、これらに限定さ れない。 好ましい溶剤は水である。 本発明で用いられる芳香剤としては、Remington's Pharmaceutical Sciences, 第18版、Mack Publishing Company,1990,pp.1288-1300に記載のものが挙げ られ、前記文献の内容は、その開示の一部として本明細書に引用される。本発明 で用いるのに好適な医薬組成物は、通常は0〜2%の芳香剤を含む。 本発明で用いられる染料または色素としては、the American Pharmaceutical Association & the Pharmaceutical Society of Great Britain、Handbook of P harmaceutical Excipients,pp.81-90に記載のものが挙げられるが、前記文献 の内容は、その開示の一部として本明細書に引用される。本発明の医薬組成物は 、通常は0〜2%の染料または色素を含む。 好ましい補助溶剤としては、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール 、ポリエチレングリコールが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の医 薬 組成物としては、0〜50%の補助用材が挙げられる。 好ましい緩衝剤系としては、酢酸、ホウ酸、炭酸、リン酸、コハク酸、マレイ ン酸、酒石酸、クエン酸、酢酸、安息香酸、乳酸、グリセリン酸、グルコン酸、 グルタル酸、グルタミン酸、およびそれらのナトリウム、カリウム、およびアン モニウム塩が挙げられるが、それらに限定されない。特に好ましい物は、リン酸 、酒石酸、クエン酸、および酢酸および塩である。本発明の医薬組成物は、通常 は0〜5%の緩衝剤系を含む。 好ましい界面活性剤としては、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル 、ポリオキシエチレンモノアルキルエーテル、スクロースモノエステル、および ラノリンエステルおよびエーテル、アルキル硫酸塩、脂肪酸のナトリウム、カリ ウムおよびアンモニウム塩が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の医 薬組成物は、0〜2%の界面活性剤を含む。 好ましい防腐剤としては、フェノール、パラヒドロキシ安息香酸、o−フェニ ルフェノール安息香酸、およびその塩、ホウ酸およびその塩、ソルビン酸および その塩、クロロブタノール、ベンジルアルコール、チメロサール、酢酸および硝 酸フェニル第二水銀、ニトロメルソール、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピ リジニウム、メチルパラベン、およびプロピルパラベンが挙げられるが、これら に限定されない。特に好ましいものは、安息香酸、塩化セチルピリジニウム、メ チルパラベン、およびプロピルパラベンである。本発明の組成物は、通常は0〜 2%の防腐剤を含む。 好ましい甘味料としては、スクロース、グルコース、サッカリン、ソルビトー ル、マンニトール、およびアスパルタームが挙げられるが、これらに限定されな い。特に好ましいものは、スクロースおよびサッカリンである。本発明の医薬組 成物は0〜5%の甘味料を含む。 好ましい粘性剤としては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナ トリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー ス、アルギン酸ナトリウム、カルボマー(carbomer)、ポビドン、アラビアゴム、 グアールゴム、キサンタンゴム、トラガカントゴムが挙げられるが、これらに限 定されない。特に好ましいものは、メチルセルロース、カルボマー、キサンタン ガム、グアールガム、ポビドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、およ びケイ酸マグネシウムアルミニウムである。本発明の組成物は、0〜5%の粘性 剤を含む。 好ましい充填剤としては、ラクトース、マンニトール、ソルビトール、リン酸 三塩基性カルシウム、、リン酸二塩基性カルシウム、圧縮可能な糖、澱粉、硫酸 カルシウム、デキストロおよび微晶質セルロースが挙げられるが、これらに限定 されない。本発明の組成物は、0〜75%の充填剤を含む。 好ましい準滑剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、および タルクが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の医薬組成物は0.5〜 2%の潤滑剤を含む。 好ましい滑剤としては、タルクおよびコロイド状二酸化ケイ素が挙げられるが 、これらに限定されない。本発明の組成物は、1〜5%滑剤を含む。 好ましい崩壊材としては、澱粉、グリコール酸澱粉ナトリウム、クロスポビド ン、クロスカルメロースナトリウム、および微晶質セルロースが挙げられるが、 これらに限定されない。本発明の医薬組成物は、4〜15%の崩壊剤を含む。 好ましい結合剤としては、アラビアゴム、トラガカントゴム、ヒドロキシプロ ピルセルロース、予備ゼラチン化澱粉、ゼラチン、ポビドン、ヒドロキシプロピ ルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、スク ロースおよびソルビトールのような糖溶液、およびエチルセルロースが挙げられ るが、これらに限定されない。本発明の組成物は、1〜10%の結合剤を含む。 本発明の化合物は、本発明の医薬組成物の約0.1重量%〜約99.9重量% であることができる。好ましくは、本発明の化合物は、本発明の医薬組成物の約 20重量%〜約80重量%である。 従って、本発明の医薬組成物は、オリゴ糖含有14−アミノステロイド化合物 活性成分またはその混合物15〜95%、芳香剤0〜2%、補助溶剤0〜50% 、緩衝剤系0〜5%、界面活性剤0〜2%、防腐剤0〜2%、甘味料0〜5%、 粘性剤0〜5%、充填剤0〜75%、潤滑剤0.5〜2%、滑剤1〜5%、崩壊 剤4〜15%、および結合剤1〜10%を含む。 好適な医薬組成物は、本明細書に記載される。本明細書記載の非制限的実施例 を変更して広汎な医薬組成物を得ることは、十分当業者の能力の範囲内にある。 本発明のオリゴ糖含有14−アミノステロイド化合物と共に用いられる薬学上 許容可能な賦形剤の選択は、基本的には化合物を投与すべき方法によって決定さ れる。化合物を注射しようとするときには、好ましい薬学キャリヤーは滅菌した 生理食塩水であって、そのpHが約7.4に調整されているものである。局所投 与に好適な薬学上許容可能なキャリヤーとしては、クリーム、ゲル、テープなど に用いるのに好適なものが挙げられる。 本発明のオリゴ糖含有14−アミノステロイド化合物を投与する好ましい様式 は、経口投与である。従って、好ましい単位投与形態は、錠剤、カプセルなど、 本発明のオリゴ糖含有14−アミノステロイド化合物の安全かつ有効量を含むも のである。経口投与のための単位投与形態の製造に好適な薬学上許容可能なキャ リヤーは、当該技術分野で周知である。その選択は、味、価格、および保存安定 性のような本発明の目的には決定的ではない二次的な点を考慮することによって 変わり、当業者によって容易に選択される。 錠剤、カプセル、顆粒およびバルク粉末のような固形形態など様々な経口投与 形態を用いることができる。これらの経口投与形態は、オリゴ糖含有14−アミ ノステロイドの安全かつ有効量、好ましくは0.25mg〜5.0mgを含む。 更に好ましくは、これらの経口投与形態は、オリゴ糖含有14−アミノステロイ ド0.5mg〜1.0mgを含む。錠剤は、好適な結合剤、潤滑剤、希釈剤、崩 壊剤、着色料、芳香剤、流動誘発剤、および融解剤を含む、腸溶コーティングし た、糖コーティングした、フィルムコーティングした、または複合圧縮した圧縮 錠剤粉砕物であることができる。液体経口投与形態としては、水溶液、エマルジ ョン、懸濁液、溶液および/または非発泡性顆粒から再構成した懸濁液、および 発泡性顆粒から再構成した発泡性製剤であって、好適な溶剤、防腐剤、乳化剤、 懸濁剤、希釈剤、甘味料、融解剤、着色料および芳香剤を含むものが挙げられる 。経口投与に好ましいキャリヤーとしては、ゼラチン、プロピレングリコール、 綿実油、および胡麻油が挙げられる。 本発明の組成物は、被験者の表皮または上皮組織に組成物を直接積層しまたは 塗布することによって、被験者に局所投与することもできる。このような組成物 としては、例えばローション、クリーム、溶液、ゲルおよび固形物が挙げられる 。これらの局所用組成物は、オリゴ糖含有14−アミノステロイドの安全かつ有 効量、好ましくは約0.5mg〜2.0mgを含む。更に好ましくは、これらの 局所用組成物は、オリゴ糖含有14−アミノステロイド1.0mgを含む。局所 投与に好適なキャリヤーは、好ましくは皮膚の所定位置に連続フィルムとして残 り、発汗または水への浸漬により除去され難い。一般的には、このキャリヤーは 性質が有機性であり、その中にオリゴ糖含有14−アミノステロイドを分散また は溶解させることができる。このキャリヤーは薬学上許容可能な皮膚軟化剤、乳 化剤、増粘剤および溶剤を含むことができる。 本発明の組成物は、吸入経路によって投与することもできる。このような組成 物は水またはグリコールのような溶剤、メチルまたはプロピルパラベンのような 防腐剤、および窒素または二酸化炭素のような噴射剤を含んでなるマトリックス で製造される。 また、本発明の組成物は、シリコーンエラストマー、エチレンビニルアセテー トコポリマーまたは乳酸−グリコール酸コポリマーから形成される皮下移植物を 介して投与することができる。 本発明の新規化合物を含む医薬組成物の製造法を例示するため、医薬組成物の 実施例を下記に示すが、これらは制限のためのものではない。 医薬組成物実施例 実施例1 (3β,5β,14β,17β)−14−アミノ−3−[(O−2,6−ジデ オキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−O−2,6−ジデオキ シ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−O−2,6−ジデオキシ− β−D−リボ−ヘキソピラノシル)オキシ]−N−メチルアンドロスタン−17 −カルボキサミドを含む直接放出経口投与形態(錠剤)は、下記の組成を有する 。活性成分 (3β,5β,14β,17β)−14−アミノ−3− 1.0mg [(O−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピ ラノシル−(1→4)−O−2,6−ジデオキシ−β− D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−O−2,6− ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル)オキシ] −N−メチルアンドロスタン−17−カルボキサミド賦形剤 微晶質セルロース 28.5mg ラクトース、無水物 67.2mg クロスポビドン 3.0mg ステアリン酸マグネシウム 0.3mg製造法:(10,000錠当たり) 1) 薬剤10.0g、微晶質セルロース285.0g、ラクトース672.0 g、およびクロスポビドン30.0gをPatterson-Kelley(PK)または他の好 適なブレンダーで混合する。 2) 前記混合物をPKまたは他の好適なブレンダーでステアリン酸マグネシウ ム3.0gと混合する。 3) 前記の最終ブレンドを好適な錠剤成型機で圧縮して100.0mg錠剤と する。 実施例2 (3β,5β,14β,17β)−14−アミノ−3−[[O−2,6−ジデ オキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−6−デオキシ−2,3 −O−(1−メチルエチリデン)−α−L−マンノピラノシル]オキシ]アンド ロスタン−17−カルボン酸、メチルエステルを含み、静脈内(I.V.)注射 として用いるのに好適な非経口投与形態は、下記の組成を有する。活性成分 (3β,5β,14β,17β)−14−アミノ−3− 1.0mg [[O−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピ ラノシル−(1→4)−6−デオキシ−2,3−O− (1−メチルエチリデン)−α−L−マンノピラノシル] オキシ]アンドロスタン−17−カルボン酸、メチルエステル賦形剤 マンニトール 200.0mg クエン酸/クエン酸ナトリウム pHを5.5〜6.5 に調整するのに十分な 量製造法:(1000バイアル当たり) 1) 薬剤1.0g、マンニトール200.0g、および十分な量のクエン酸ナ トリウムおよびクエン酸を、注射用の滅菌脱イオン水2200.0mlに溶解す る。 2) この溶液を0.22ミクロンの滅菌メンブランフィルターで濾過する。 3) BK滅菌溶液2.2mlをI型ガラスバイアルに充填した後、適当な凍結 乾燥機で凍結乾燥する。 4) 凍結乾燥の後、バイアルにブロモブチルまたは他の好適な栓で栓をして、 密封する。凍結乾燥生成物を、使用直前に注射用滅菌水2.0mlで再構成する 。 実施例3 (3β,5β,14β,17β)−14−アミノ−3−[(O−2,6−ジデ オキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−O−2,6−ジデオキ シ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−O−2,6−β−D−リボ −ヘキソピラノシル−(1→4)−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソ ピラノシル)オキシ]アンドロスタン−17−カルボキサミドを含む徐放性経口 投与形態は、下記の組成を有する。活性成分 (3β,5β,14β,17β)−14−アミノ 5.0mg −3−[(O−2,6−ジデオキシ−β−D− リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−O− 2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピ ラノシル−(1→4)−O−2,6−β−D− リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−2,6− ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル) オキシ]アンドロスタン−17−カルボキサミド賦形剤 ヒドロキシプロピルメチルセルロース 120.0mg ラクトース、無水物 120.0mg ステアリン酸マグネシウム 12.0mg コロイド状二酸化ケイ素 4.0mg製造法:(10,000錠当たり) 1) 薬剤50.0g、ヒドロキシプロピルメチルセルロース1.2kg、およ びラクトース1.2kgを、二軸Patterson-Kelleyまたは好適なミキサーで十分 に混合する。 2) この混合物に、ステアリン酸マグネシウム120gおよびコロイド状二酸 化ケイ素40gを加え、これを適当なミキサーで軽く混合する。 3) このブレンドを、適当な錠剤プレスで圧縮して錠剤重量261.0mgと する。 他の実施例 前記3つの実施例の他に、薬剤活性成分を処方して、多数の異なる投与形態と する。 1) 溶剤(例えば、水、グリコール)、防腐剤(メチルまたはプロピルパラベ ン)、および噴射剤(窒素、二酸化炭素)または他の適当な賦形剤を含む薬学エ アゾール。 2) カカオ油またはポリエチレングリコールを含む直腸用座薬。 3) シリコーンエラストマー、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、乳酸−グリ コール酸コポリマー、およびヒドロゲルまたは他の適当なポリマーを含む皮下移 植物。 4) 市販の移植可能な装置。 5) エチレン−酢酸ビニルコポリマー膜中にシリコーン流体、またはイオン導 入法の助けを借りてまたは助けなしで配送に好適な他の成分を含む経皮系。 6) ヒドロコロイドポリマー(ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシ−プ ロピルセルロース、ポビドン)および他の好適なポリマーを含む頬粘膜接着パッ チ。 治療法 本発明で用いられる「鬱血性心不全(「CHF」)という用語は、血行力学的 容量ならびに心臓自体の構造的一体性が次第にかつ不可逆的に劣化する進行性疾 患を表わす。患者の症状によるCHFの進行は、New York Heart Association( NYHA)によって4つの機能的な部類に分類されている。 New York Heart Associationの機能的分類クラス I. 心臓疾患を有するが、肉体的活動が制限されない患者。通常の肉体的活動 は、過度の疲労、動悸、呼吸困難、または狭心症の痛みを引き起こさない。 II. 心臓疾患を有し、肉体的活動が若干制限される患者。患者は安静時には快 適である。通常の肉体的活動では、疲労、動悸、呼吸困難、または狭心症の痛み を引き起こす。 III. 心臓疾患を有し、肉体的活動が著しく制限される患者。患者は安静時には 快適である。通常の肉体的活動以下でも、疲労、動悸、呼吸困難、または狭心症 の痛みを引き起こす。 IV. 心臓疾患を有し、不快感なしに肉体的活動を行なうことができなくなる患 者。心不全および狭心症の症状が、安静時にもみられる。肉体的活動を行なうと 、不快感が増加する。 公然鬱血性心不全とも呼ばれるNYHAのクラスIII およびIVは、正の変力効 果を発揮することによって心臓収縮性を増加させる化合物を投与することによっ て治療することが多い。心臓収縮性を増加させるリファレンス化合物は、経口用 のジゴキシンである。変力剤を投与して身体の代謝の必要量に見合うCOを増加 させることによる公然CHFの症状の治療により、CHF患者の生命の性質を改 善することができ、心臓は身体の代謝に必要なものを良好に供給できるからであ る。しかしながら、従来の知見は、ジギタリスのような変力剤は死亡率を増加さ せることがあることを示しており、変力作用が心臓の余分な作業負荷を生じるか らである。更に、ジギタリスは、治療:毒性用量比が狭いので、クラスIII のN YHA機能的分類より以前にジギタリスを投与することは賢明でないことがある 。 また、ビピリジン変力剤のMilrinone は、心室不整脈を増加させ、死亡率を高 める可能性があることが示されている。DiBiancoら、「慢性心不全の患者の治療 における経口用Milrinone、 Digoxin、およびそれらの組み合わせの比較(A Com parison of Oral Milrinone,Digoxin,and Their Combination in the Treatme nt of Patients with Chronic Heart Failure)」,N.Engl.J.Med.,320: 677 (1989)を参照されたい。 本発明で用いられる「血行力学的」という用語は、心臓の機械的容量を表わす 。心不全の初期の血行力学的症状は、それぞれの心拍に送り出される血液の量の 尺度である心拍容積の減少である。次に心臓は補償を行なってCOを増加して、 生活器官への血流を保持する。心不全が悪化すると、心室内充填圧力ならびに肺 動脈および静脈圧力が上昇する。心臓は、益々、必要なCOを供給できなくなる 。 本発明で用いられる「構造上の損傷」という用語は、CHFの患者の心臓での 微視的および巨視的変化を表わす。構造的には、微視的水準では、下記の変化が 起こる。心臓肥大の初期段階は、形態学的には筋原線維およびミトコンドリアの 大きさの増加ならびにミトコンドリアおよび核の拡大を特徴とする。筋肉細胞は 通常の細胞より大きいが、細胞組織はほとんど保存されている。心臓肥大の更に 進行した段階では、特定の小器官、例えばミトコンドリアの大きさまたは数が優 先的に増加し、細胞の局在化した部分に粗棚収縮性要素が不規則に付加し、細胞 組織および外形の微妙な異常を生じる。隣接の細胞同士は、拡大の程度が異なる ことがある。 長期間の心臓肥大に罹っている細胞は、細胞組織において更に明瞭な分裂を示 し、例えば著しく小葉に分裂した膜を有する著しく拡大した核であって、隣接筋 原線維を移動させ、正常なZ帯記録(Z-band registration)が崩壊する。ミトコ ンドリアにおける初期の優先的な増加は、筋原線維の容積による優位にお気か割 る。心臓肥大の後期段階は、細胞死およびZ帯の著しい崩壊を伴う収縮性要素の 喪失、肉腫の正常な平行配置の崩壊、T細管の膨脹および蛇行性の増加、および 線維症を伴う収縮性要素の置換を特徴とする。Braunwald,「心臓疾患:循環器薬 教本(Heart Diseases: ATextbook of Cardiovascular Medicine)」、第1巻(第 3版、1988年)を参照されたい。これらの微視的変化は、心臓肥大または心 臓の拡大による巨視的水準で明らかになる。肥大した心臓は、収縮性要素の喪失 および線維症性の沈澱を引き起こす微視的変化により効率が低下し、患者の臨床 的症状は、それぞれのNYHAの機能分類によって進行するに従って悪化する。 本発明の化合物は、心臓収縮性を増加させる。投与量範囲は、1日当たり0. 001mg〜5mg/kgであり、投与様式、CHFの重篤度、および治療の器 官に従って、担当医によって決められる。 CHFの治療のため、これらの新規なオリゴ糖含有14−アミノステロイド化 合物の特定の有用性を例示するために、下記に非制限的な臨床例を示す。 臨床例 実施例1 非インシュリン依存性糖尿病性頬炎および高血圧の20年の病歴を有し、2年 前に心筋梗塞に罹った肥満した65才の白人女性を、急性下壁心筋梗塞の症状の 12時間後に冠状動脈疾患集中治療病棟に収容する。この患者の病院経路は、急 性肺動脈水腫によって複雑であり、安静時に重篤な呼吸困難、起座呼吸、頸静脈 拡張、中央肩甲骨(mid-scapula)に対する左右のラ音、心臓拡張およびCXRで の両側浸潤を示す。この患者に、モルヒネ、酸素、静脈内ニトログリセリン、ル ープ利尿薬、および(3β,5β,14β,17β)−14−アミノ−3−[( O−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−O− 2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−O−2, 6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル)オキシ]−N−メチルアン ドロスタン−17−カルボキサミド0.25mgを4時間毎に静脈内投与した後 (3β,5β,14β,17β)−14−アミノ−3−[(O−2,6−ジデオ キシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−O−2,6−ジデオキシ −β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−O−2,6−ジデオキシ−β −D−リボ−ヘキソピラノシル)オキシ]−N−メチルアンドロスタン−17− カルボキサミド0.25mgを一日1回経口投与する。この患者は、この療法に より回復し、軽度の努力を要する呼吸困難(軽度の鬱血性心不全、NYHAクラ スII)が見られたが10日で退院し、糖尿病については外来患者として予後観察 し、ACE阻害剤、ニトログリセリン、および一日当たり(3β,5β,14β ,17β)−14−アミノ−3−[(O−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ− ヘキソピラノシル−(1→4)−O−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキ ソピラノシル−(1→4)−O−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピ ラノシル)オキシ]−N−メチルアンドロスタン−17−カルボキサミド0.2 5mgを経口投与している。 実施例2 長期間の未制御高血圧の病歴と中度(NYHAクラスIII)の鬱血性心不全の 1年の病歴を有する44才の黒人男性は、以前は2週間に亙る予備失神を数回起 こしている。この患者は、血圧降下すると疲労および呼吸困難も訴えている。医 薬としては、ジゴキシン(0.25mg/日)、ラシックスおよびACE阻害剤 が挙げられる。この患者は、S3奔馬調律、圧痕足根関節水腫、左心室肥大、お よびECGに対する偶発性PVCを有する。更に評価すると、頻繁な多病巣性心 室変位およびHolterモニターでは一連の非持続性心室性頻脈、放射性核種心室像 影法による30%の放出画分、および結成ジゴキシン濃度が2.2ng/mlで ある。不整脈および予備失神はジギタリス毒性の結果と考えられ、この薬剤は投 与中止する。(3β,5β,14β,17β)−14−アミノ−3−[(O−2 ,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−6−デオキ シ2,3−O−(1−メチルエチリデン)−α−L−ラムノピラノシル)オキシ ]アンドロスタン−17−カルボン酸メチルエステルを、1日当たり0.25m gの経口投与量に代える。疲労と呼吸困難が持続しているため、用量を次の6週 間は一日1mgまで増加しても予備失神は見られず、PVCは減少し、放出画分 は38%に増加する。着衣な度の自己監視活動による呼吸困難は解消し、軽度の 偶発的な呼吸困難(NYHAクラスII)は見られるものの、庭で作業することが できる。1年の予後観察では、この状態は変化していない。 実施例3 24才の以前は健康であった中国人女性は、激しい努力を伴う呼吸困難の2ケ 月の病歴を有する。家族には心臓疾患の病歴はなく、この患者は非喫煙者であり 、酒も飲まない。肉体的検査は正常であるが、頻脈および最大インパルスの横移 動点(a laterally displaced point of maximum impulse)が見られる。心拍数は 105であり、非特異的T波平坦化がECGで見られ、CXRの結果心臓肥大が 明らかになっている。超音波心臓検査図では、両心室が拡大し、全体的に運動低 下、および40%の放出画分が見られる。弁は性状と思われる。症状に限定した 足踏み車運動試験では、虚血の証拠は見られない。特発性の拡張心筋症、NYH AクラスIの診断を行なう。ACE阻害剤で最初に治療すると止まらない咳がで るので、投与を中止した。(3β,5β,14β,17β)−14−アミ ノ−3−[(O−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1 →4)−O−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4 )−O−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル)オキシ]アン ドロスタン−17−カルボキサミドを1日2回1mgの投与量で経口投与すると 、翌月には、彼女の運動能力は向上した。放出画分(超音波心室像影法による) は55%まで増加し、足踏み車運動試験での運動時間は200秒に増加する。 実施例4 過去に2回の心筋梗塞の病歴を有し、患者の父親が50才で突然死している5 5才の白人男性は、2年間イソソルビッドジニトレートとβ遮断薬を連用してお り、狭心症が安定している。しかしながら、先月、この患者は階段を上る際に呼 吸困難、夜間は足根関節の膨脹、および偶発的、発作性の夜間呼吸困難を発症し ている。 この患者の安静時心拍数は90であり、足根関節の圧痕水腫1+、S3奔馬調 律、CXRに対する拡大心臓およびKerly B ラインを有する。虚血性心臓疾患に よる軽度(NYHAクラスII)の鬱血性心不全の診断を行なう。この患者のβ遮 断薬は徐々に減少させて投与を中止し、ACE阻害剤および利尿剤を加えたがこ の新たな療法では患者の鬱血性心不全は悪化する。(3β,5β,14β,17 β)−14−アミノ−3−[(O−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソ ピラノシル)−(1→4)−2,6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノ シル)オキシ]アンドロスタン−17−カルボン酸メチルエステルを、1日1回 4mgの投与量で経口投与する。この患者の呼吸困難および水腫は解消し(NY HAクラス、I)、心拍数は75に減少し、S3は消失し、心臓の大きさは減少 し、CXR上の鬱血は解消する。1月後に行なった足踏み車試験では運動時間の 増加は170秒である。引き続く2年間は、悪化は全く起こらない。 実施例5 3度の心筋梗塞とその結果の重篤な(NYHAクラスIV)鬱血性心不全の病歴 を持つ60才の黒人女性は、ラシックス、イソソルビッドジニトレート、ジゴキ シンおよびACE阻害剤の最大耐性用量で治療したにも拘らず、急性代謝不全を 過去6週間に4回起こして入院した。症状には、水腫、安静時の呼吸困難、3枕 起座呼吸、著しい疲労、および精神的混乱が挙げられる。ジゴキシンの投与中止 を決定し、(3β,5β,14β,17β)−14−アミノ−3−[(O−2, 6−ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル)−(1→4)−2,6−ジ デオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−2,6−ジデオキシ −β−D−リボ−ヘキソピラノシル)オキシ]アンドロスタン−17−カルボン 酸メチルエステル0.5mgを1日一回経口投与を開始したが、この患者の症状 を適正に制御するのに一日3回2mgまでの点滴を2か月間行なう必要があった 。2か月後に、この患者の起座呼吸、混乱および水腫は解消し、呼吸困難なしに 自分で着衣などの日常生活の活動を行なうことができるまでに回復した(NYH AクラスIII、中度鬱血性心不全)。この患者の放出画分も20から35%まで 回復した。この患者は、その後3ケ月に亙り、症状が安定している。 実施例6 飲酒し、30年の喫煙歴を有する最近(2ケ月)禁酒している60才の白人男 性は、次第に悪化する活動時の呼吸困難、疲労、起座呼吸、水腫および発作性の 夜間呼吸困難の3ケ月の病歴で入院している。この患者は、歯磨をしている際に 呼吸困難になる。身体検査の結果、呼吸数が30回/分、心拍数が110bpm 、血圧90/50、S3奔馬調律、膝に対する圧痕水腫2+、頸静脈拡張、肝腫 大、腹水、両基部ラ音、(bibasilar rales)、および心臓拡大を有する中度ジス トレスにおける悪液質男性であった。更に評価を行なったところ、慢性アルコー ル性肝炎、慢性閉塞性肺動脈疾患、および毒性(アルコール性)心筋症による中 度 (NYHAクラスIII)の鬱血性心不全の診断が得られた。ヒドロクロルチアジ アジド、ACE阻害剤および14β−アミノ−3β−[α−(L)−ラムノピラ ノシルオキシ(1→4)−α−(L)−ラムノピラノシルオキシ]−5β−アン ドロスタン−17β−カルボン酸、メチルエステルを1日当たり0.25mgの 一日経口投与量で治療を開始する。この患者は速やかに回復し、1週間で退院し た。20ポンド体重を減少した後、この患者は、軽度の呼吸困難はあったが、郵 便受けまで歩くことができるようになった(NYHAクラスII)。この患者の呼 吸数は20、心拍数は90、S3はもはや聞こえず、水腫およびラ音は解消した 。肝腫大には変化がなく、腹水は若干減少した。放出画分は32から45%まで 増加し、心臓の大きさは減少した。 実施例7 70才の座りがちな白人女性は、白内障の選択的な手術の前に行なったCXR で心臓拡大が見られることが指摘された。この患者は、胸の痛み、呼吸困難の病 歴も、高血圧、糖尿病または心臓疾患の病歴も否定した。この患者のECGは、 非特異的ST−T波動変化を示し、標準的な臨床検査室の評価は正常であった。 足踏み車運動試験は、冠状動脈疾患の証拠はなかったが、疲労により終了した。 超音波心室像影図は、両心室の拡大を示し、弁は正常であり、放出画分は30% であった。この患者に、予防的方法で14β−アミノ−3β−[α−(L)−ラ ムノピラノシルオキシ−(1→4)−2′,3′−O−イソプロピリデン−α− (L)−ラムノピラノシルオキシ]−5β−アンドロスタン−17β−カルボン 酸、メチルエステルを1日当たり経口で0.25mg投与する。この患者の放出 画分は40%まで増加し、この患者は5年後の第二の白内障の手術の為の入院の 時点まで自覚症状はない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ),AM, AU,BB,BG,BR,BY,CA,CN,CZ,E E,GE,HU,JP,KG,KP,KR,KZ,LK ,LR,LT,LV,MD,MG,MN,NO,NZ, PL,RO,RU,SI,SK,TJ,TT,UA,U Z,VN (72)発明者 ムース,ランディ スチュアート アメリカ合衆国ニューヨーク州、プールビ ル、ボックス、147ユー,アールアール、 1 (72)発明者 リウ,ソン アメリカ合衆国ニューヨーク州、ノーウィ ッチ、ローカスト、ストリート、44 (72)発明者 ポートロック,デイビッド エドワード アメリカ合衆国ニューヨーク州、ノーウィ ッチ、ボックス、553、アールアール、1 【要約の続き】 ヒドロキシ、メチル、アセトキシ、アリールアルキルオ キシまたはヘテロアリールアルキルオキシでなければな らず、d) R4は(i) OH、または(ii)H、または(iii) OR13であり、但し、R13は単糖の糖残基、アセトキ シ、ベンゾキシ、アリールアルキルまたはヘテロアリー ルアルキルであり、e) Zは(i)−CH−、但し、aお よびbは単結合であるか、または(ii)=C、但し、aま たはbのいずれ化は二重結合である。本発明は、ステロ イド核の14位にアミノ基を導入する方法において、前 記アミノ基を、a)ステロイド核の14−15位の二重結 合にヨウ化イソシアネートを付加し、b)脱ハロゲン化 し、c)ステロイド核の14位でイソシアネートをアミン 残基に転換する、段階を含んでなるヨウ化イソシアネー ト付加によって、ステロイド核の14位にジアステレオ 選択的に導入することを特徴とする方法にも関する。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 下記の一般式を有するオリゴ糖含有14−アミノステロイド化合物、お よび薬学上許容可能なその塩またはエステル: [式中、 a) R1は (i) COOR5 (但し、R5は水素、1〜6個の炭素を有する低級アルキル、アミ ノ基で置換された1〜6個の炭素を有する低級アルキル、アリールアルキルまた はヘテロアリールアルキルまたは炭素環)、または (ii) CHR6OH (但し、R6は水素原子または1〜6個の炭素を有する低級アルキ ル)、または 6個の炭素を有する低級アルキル置換アミノ、アミノまたはジアルキルアミノ) 、および b) R2は−NR78 (但し、R7およびR8は、同一でもまたは異なっていてもよく、水素原子、 または1〜6個の炭素を有する低級アルキル基、好ましくは水素)、および c) R3は (i) 下記の構造を有するオリゴ糖の糖残基 (式中、R9は水素、メチル、ヒドロキシ、カルボキシ、アセトキ シ、アリールアルキルオキシ、ヘテロアリールアルキルオキシ、またはベンゾキ シであり、R10は水素、メチル、カルボキシ、アセトキシ、アリールアルキルオ キシ、ヘテロアリールアルキルオキシ、ベンゾキシ、またはヒドロキシであり、 R11は酸素であり、但し、R11が末端単糖の糖残基上の置換基であるときには、 R11はOH、メチル、アセトキシ、ヘテロアリールアルキルオキシ、アリールア ルキルオキシであり、R12は水素、メチル、メチルヒドロキシメチル、またはア セトキシメチルである)、または (ii) 下記の構造を有するオリゴ糖の糖残基 (式中、R14およびR15は、同一でもまたは異なっていてもよく、水素、 1〜6個の炭素を有する低級アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアル キル、ヘテロアリールまたはアリールであり、R17は水素、ヒドロキシ、アセト キシまたはベンゾキシであることができ、R18およびR19はヒドロキシ、アセト キシおよびベンゾキシである)、または (iii)下記の構造を有するオリゴ糖の糖残基 (式中、R14およびR15は、同一でもまたは異なっていてもよく、水素、1〜6 個の炭素を有する低級アルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルキル、 ヘテロアリールまたはアリール、好ましくは水素、1〜6個の炭素を有する低級 アルキル、アリールアルキルまたはアリールであり、R14a は酸素であり、但し R14a が末端単糖残基上の置換基であるときには、R14a はヒドロキシ、メチル 、アセトキシ、アリールアルキルオキシまたはヘテロアリールアルキルオキシで な ければならない)、 d)R4は (i)OH、または (ii)H、または (iii)OR13(但し、R13は単糖の糖残基、アセトキシ、ベンゾキシ、アリール アルキル、またはヘテロアリールアルキル)であり、 e)Zは (i)−CH−(但し、aおよびbは単結合)、または (ii)=C(但し、aまたはbは二重結合)]。 2. R1がCOOR5であり、R5が1〜6個の炭素を有する低級アルキルで あり、R2がNH2であり、R3が下記のオリゴ糖の糖残基である、請求の範囲第 1項に記載の化合物。 (式中、R9は水素、メチル、ヒドロキシ、カルボキシ、アセトキシ、ヘテロア リールアルキルオキシ、アリールアルキルオキシまたはベンゾキシであり、R10 は水素、メチル、カルボキシ、アセトキシ、アリールアルキルオキシ、ヘテロア リールアルキルオキシ、ベンゾキシまたはヒドロキシであり、R11は酸素であっ て、R11が末端単糖の糖残基上の置換基であるときには、R11はOH、メチル、 アセトキシ、アリールアルキルオキシであり、R12は水素、メチル、メチルヒド ロキシメチル、またはアセトキシメチルである。) 3. R1がCOOR5であり、R5が1〜6個の炭素を有する低級アルキルで あり、R2がNH2であり、R3が下記のオリゴ糖の糖残基である、請求の範囲第 1項または第2項に記載の化合物。 (式中、R14およびR15は、同一でもまたは異なっていてもよく、水素、1〜6 個の炭素を有する低級アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、 ヘテロアリールまたはアリールであり、R17は、水素、ヒドロキシ、アセトキシ またはベンゾキシであることができ、R18およびR19は、ヒドロキシ、アセトキ シおよびベンゾキシである。) 4. R1がCOOR5であり、R5が1〜6個の炭素を有する低級アルキルで あり、R2がNH2であり、R3が下記のオリゴ糖の残基である、請求の範囲第1 3項のいずれか1項に記載の化合物。 (式中、R14およびR15は、同一でもまたは異なっていてもよく、水素、1〜6 個の炭素を有する低級アルキル、アリールアルキル、またはアリールであり、R14a は、酸素であって、更にR14a が末端単糖の糖残基上の置換基であるときに は、R14a はヒドロキシ、メチル、アセトキシ、アリールアルキルオキシまたは ヘテロアリールアルキルオキシである。) アミノである、請求の範囲第1〜4項のいずれか1項に記載の化合物。 6. (3β,5β,14β,17β)−14−アミノ−3−[(O−2,6 −ジデオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−O−2,6−ジ デオキシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−O−2,6−ジデオ キシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル)オキシ]−N−メチルアンドロスタン −17−カルボキサミド、 (3β,5β,14β,17β)−14−アミノ−3−[[O−2,6−ジデオ キシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−6−デオキシ−2,3− O−(1−メチルエチリデン)−α−L−マンノピラノシル]オキシ]アンドロ スタン−17−カルボン酸,メチルエステル、 (3β,5β,14β,17β)−14−アミノ−3−[(O−2,6−ジデオ キシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−O−2,6−ジデオキシ −β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−2,6−ジデオキシ−β−D −リボ−ヘキソピラノシル)オキシ]アンドロスタン−17−カルボキサミド( 3β,5β,14β,17β)−14−アミノ−3−[(O−2,6−ジデオキ シ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル)一(1→4)−2,6−ジデオキシ−β −D−リボ−ヘキソピラノシル)オキシ]アンドロスタン−17−カルボン酸, メチルエステル、 (3β,5β,14β,17β)−14−アミノ−3−[(O−2,6−ジデオ キシ−β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−O−2,6−ジデオキシ −β−D−リボ−ヘキソピラノシル−(1→4)−2,6−ジデオキシ−β−D −リボ−ヘキソピラノシル)オキシ]アンドロスタン−17−カルボン酸、メチ ルエステル、 14β−アミノ−3β−[α−(L)−ラムノピラノシルオキシ−(1→4)− α−(L)−ラムノピラノシルオキシ]−5β−アンドロスタン−17β−カル ボン酸,メチルエステル、 14β−アミノ−3β−[α−(L)−ラムノピラノシルオキシ−(1→4)− 2′,3′−O−イソプロピリデン−α−(L)−ラムノピラノシルオキシ]− 5β−アンドロスタン−17β−カルボン酸,メチルエステル、 14β−アミノ−3β−[2″,3″−O−イソプロピリデン−α−(L)−ラ ムノピラノシルオキシ−(1→4)−2′,3′−O−イソプロピリデン−α− (L)−ラムノピラノシルオキシ]−5β−アンドロスタン−17β−カルボン 酸,メチルエステル 14β−アミノ−3β−[2″,3″,4″−トリ−O−アセチル−α−(L) −ラムノピラノシルオキシ−(1→4)−2′,3′−O−イソプロピリデン− α−(L)−ラムノピラノシルオキシ]−5β−アンドロスタン−17β−カル ボン酸,メチルエステル 14β−アミノ−3β−[4″−O−アセチル−2″,3″−O−アセチル−β −(L)−ラムノピラノシルオキシ−(1→4)−2′,3′−O−イソプロピ リデン−α−(L)−ラムノピラノシルオキシ]−5β−アンドロスタン−17 β−カルボン酸,メチルエステルからなる群から選択される、請求の範囲第1〜 5項のいずれか1項に記載の化合物。 7. 請求の範囲第1〜6項のいずれか1項に記載の化合物またはその混合物 を15〜95%の安全かつ有効量、および薬学上許容可能な賦形剤5〜85%を 含んでなる医薬組成物において、前記薬学上許容可能な賦形剤がポリマー、樹脂 、可塑剤、充填剤、潤滑剤、滑剤、崩壊剤、溶剤、補助溶剤、緩衝剤系、界面活 性剤、防腐剤、甘味料、芳香剤、薬学級の染料または色素、および粘性剤からな る群から選択されることを特徴とする、医薬組成物。 8. 請求の範囲第1〜7項のいずれか1項に記載の化合物(またはその混合 物)15〜95%、芳香剤0〜2%、補助溶剤0〜50%、緩衝剤系0〜5%、 界面活性剤0〜2%、防腐剤0〜2%、甘味料0〜5%、粘性剤0〜5%、充填 剤0〜75%、潤滑剤0.5〜2%、滑剤1〜5%、崩壊剤4〜15%、および 結合剤1〜10%を含んでなる、請求の範囲第7項に記載の医薬組成物。 9. 鬱血性心不全に罹っているヒトまたは他の哺乳動物の治療法において、 前記ヒトまたは他の哺乳動物に請求の範囲第1〜8項のいずれか1項に記載の化 合物またはその混合物を含む請求の範囲第7項または第8項に記載の医薬組成物 の安全かつ有効量を投与することを特徴とする、治療法。 10. ステロイド核の14位にアミノ基を導入する方法において、前記アミ ノ基を、 a) ヨウ化イソシアネートをステロイド核の14−15位の二重結合へ付加し、 好ましくは前記脱ハロゲン化をシアン酸銀およびヨウ素を用いて行ない、 b) 脱ハロゲン化、好ましくは前記脱ハロゲン化を水素化アルキルスズ、好まし くは水素化トリ−N−ブチルスズと、ラジカル開始剤、好ましくは過酸化ベンゾ イルとを用いて行ない、 c) ステロイド核の14位で、好ましくは水性加水分解、最も好ましくは塩酸ま たは炭酸カリウムを添加することによって、イソシアネートをアミン残基へ転換 する 段階を含んでなるヨウ化イソシアネート付加によりジアステレオ選択的に導入す ることを特徴とする、方法。 11. 請求の範囲第1項に記載の14−アミノステロイド化合物を含むオリ ゴ糖の製造法において、ステロイド核の14位のアミノ基を、 a) ステロイド核の14−15位の二重結合にヨウ化イソシアネートを付加し、 b) 脱ハロゲン化し、および c) ステロイド核の14位でイソシアネートをアミン残基に転換する 段階を含んでなるヨウ化イソシアネート付加によって、ステロイド核の14位に ジアステレオ選択的に導入することを特徴とする、方法。
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