JPH09502728A - α▲下1▼−酸性糖タンパク質の精製方法及び精製物 - Google Patents
α▲下1▼−酸性糖タンパク質の精製方法及び精製物Info
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Abstract
(57)【要約】
精製されたα1−酸性糖タンパク質及び精製されたα1−酸性糖タンパク質の調製方法。本発明の方法は、純度の低いタンパク質画分を提供する工程と、α1−酸性糖タンパク質以外の汚染物をカチオン交換媒体に結合させる工程と、α1−酸性糖タンパク質をアニオン交換媒体に結合させる工程と、そしてそのα1−酸性糖タンパク質をアニオン交換媒体から溶離させる工程を含む。
Description
【発明の詳細な説明】
α1−酸性糖タンパク質の精製方法及び精製物発明の分野
本発明は、α1−酸性糖タンパク質を血漿中の他のタンパク質から分離するの
に有用な方法に関する。発明の背景
α1−酸性糖タンパク質は、オロソムコイドとしても知られているが、正常な
血漿中に約55〜140 mg/dl の濃度で存在している。このタンパク質の分子量は約
40,000、等電点pH(pI)は約 2.7、そして炭水化物含有率は約42%である。α1
−酸性糖タンパク質は、プロゲステロンのようなホルモンと結合することが知ら
れているが、その機能についてはいまだに知られていない。
α1−酸性糖タンパク質は、薬理活性物質を標的組織へ配送するための運搬体
として有用であることが知られている。とりわけ、精製後のα1−酸性糖タンパ
ク質を硫酸で化学変性させ、α1−酸性糖タンパク質分子のタンパク質部分と炭
水化物部分とを分離することができる。次いで、残存している炭水化物基にリジ
ンを結合させ、そして所望の遺伝子をコードしているDNAをそのリジン残基に
結合させることで、特定の遺伝子を標的組織へ送り込む。
α1−酸性糖タンパク質は、このように処理されると、肝臓表面のレセプター
に特異的となるため、肝臓を標的にしそこへ遺伝子を送り込むための手段として
作用することが知られている。
上記の遺伝子治療法には精製されたα1−酸性糖タンパク質を使用することが
必要である。α1−酸性糖タンパク質を精製するために従来より採用されてきた
方法では、血漿を透析してから DEAE-及
びCM- トリスアクリル精製を行うが、純度の低いα1−酸性糖タンパク質調製物
しか得られない。報告されている最も純度の高い場合でも50%にすぎない。遺伝
子治療用の配送分子として使用するためには、非常に純度の高いα1−酸性糖タ
ンパク質が望まれる。α1−酸性糖タンパク質調製物に含まれる汚染性タンパク
質は、α1−酸性糖タンパク質へ所望の遺伝子を結合させるために用いられる化
学修飾反応体と相互作用する恐れがあり、α1−酸性糖タンパク質に対するDN
Aの結合効率を望ましくないほどに低下させてしまいかねない。また、患者に注
射することができる物質の量には限度があり、しかも所望の遺伝子を標的組織へ
配送する際にはα1−酸性糖タンパク質に結合したDNAしか有効ではないので
、汚染性タンパク質は1回の処置で配送できるDNAの量を減少させる。それゆ
え、高純度α1−酸性糖タンパク質を調製するための精製法に対するニーズが存
在する。
本発明は、高純度α1−酸性糖タンパク質を調製するための方法に関するもの
である。発明の概要
本発明は、精製したα1−酸性糖タンパク質及び精製したα1−酸性糖タンパク
質を調製するための方法に関する。
本発明の方法は、純度の低いタンパク質画分を提供する工程と、α1−酸性糖
タンパク質をアニオン交換媒体に結合させる工程と、そのアニオン交換媒体から
α1−酸性糖タンパク質を溶離させる工程とを含む。
本発明の一実施態様では、本発明の方法はさらに、純度の低いタンパク質画分
をカチオン交換媒体と接触させる工程と、そのカチオン交換媒体にα1−酸性糖
タンパク質以外の汚染物を結合させる工程とを含む。
本発明の方法によって調製されたα1−酸性糖タンパク質の純度は約99%であ
る。詳細な説明
本発明は、α1−酸性糖タンパク質と望ましくない汚染物とを含有する純度の
低いタンパク質画分からα1−酸性糖タンパク質を分離するための方法を提供す
るものである。本発明のα1−酸性糖タンパク質精製法に出発材料として用いら
れる純度の低いタンパク質画分としては、コーン分画法(Cohnら、J.Amer.Che
m.Soc.,68,459-475,1946;米国特許第 2,710,294号、いずれも本明細書では
参照することにより取り入れたものとする)で得られる画分V析出物もしくは画
分V上清液、その他血漿由来画分、組換えDNA法由来の組成物、又はその他α1
−酸性糖タンパク質を含有する適当な画分を用いることができる。
本発明の方法によると、純度の低いタンパク質画分から汚染物を除去すること
によって純度の高いα1−酸性糖タンパク質の溶液が得られる。この汚染物はア
ニオン交換又はアニオン及びカチオン交換クロマトグラフィーによって除去され
る。
必要であれば、純度の低いタンパク質画分のpHを約3以上の値に調整する。
このpH値では、pIが 2.7であるα1−酸性糖タンパク質は負に帯電する。本
発明の実施態様の一例では、α1−酸性糖タンパク質を精製するための純度の低
いタンパク質画分として、コーンの低温エタノール法で調製された画分Vの析出
物又は上清液を用いる。画分Vの析出物又は上清液を使用した場合、その上清液
のpH又は蒸留水に再懸濁させた時の析出物のpHは約 4.1〜4.5 であり、pH
を調整せずに使用することができる。本発明の一実施態様では、純度の低いタン
パク質画分のpHを約 4.5〜約 4.7に調整する。
本発明の一実施態様では、純度の低いタンパク質画分をアニオン交換媒体にア
プライする。この純度の低いタンパク質画分中に存在するα1−酸性糖タンパク
質はアニオン交換媒体に結合する。次いで、そのアニオン交換媒体を洗浄し、結
合していないすべての物質をアニオン交換媒体から除去する。未結合物質を除去
した後、α1−酸性糖タンパク質を溶離し、その溶離液を集める。
本発明の別の実施態様では、以下に説明するように、アニオン交換媒体からの
溶離液を集めた後、それをカチオン交換媒体と接触させ、次いでアニオン交換媒
体に結合させる。
本発明の別の実施態様では、純度の低いタンパク質画分をカチオン交換媒体と
接触させた後、α1−酸性糖タンパク質をアニオン交換媒体に結合させる。α1−
酸性糖タンパク質は負に帯電しているので、カチオン交換媒体には結合せずに溶
液中に残存する。純度の低いタンパク質画分に含まれる正に帯電している汚染物
は、カチオン交換媒体に結合し、分離される。結合しなかった画分を濾過法で集
める。
次いで、未結合画分をアニオン交換媒体にアプライする。α1−酸性糖タンパ
ク質がアニオン交換媒体に結合し、そしてその媒体を洗浄して未結合タンパク質
を除去する。未結合タンパク質を除去した後、アニオン交換媒体からα1−酸性
糖タンパク質を溶離させる。この溶離液を集める。
本発明の好ましい実施態様では、α1−酸性糖タンパク質をアニオン交換媒体
から 1M NaCl水溶液のような適当な高濃度塩溶液を使用して溶離する。アニオン
交換媒体から溶離されたα1−酸性糖タンパク質を透析濾過(diafiltration)/限
外濾過又はその他適当な方法で回収、濃縮及び洗浄し、精製を終えたα1−酸性
糖タンパク質溶液を得る。
本発明の方法によって調製されたα1−酸性糖タンパク質溶液の純度は非常に
高くなり、溶液中に存在するタンパク質の99%以上がα1−酸性糖タンパク質で
ある。
本発明によれば、いずれの種類のアニオン交換媒体を使用してもα1−酸性糖
タンパク質を精製することができる。このような媒体として、スウェーデン、Up
psala の Pharmacia社より商品名「DEAE-SEPHADEX」、「DEAE-SEPHAROSE FF」及
び「Q-SEPHAROSE FF」として市販されているもの、並びにイギリス、Maidstone
の Whatman International 社より商品名「DE52 CELLULOSE」として市販されて
いるものが挙げられる。本発明の実施態様の一例として、高多孔性架橋デキスト
ランにジエチルアミノエチル(DEAE)リガンドが結合されているDEAE-SEPHADEX A-
50媒体を使用する。
本発明によれば、いずれの種類のカチオン交換媒体を使用してもα1−酸性糖
タンパク質を精製することができる。このような媒体として、スウェーデン、Up
psala の Pharmacia社より商品名「SP-SEPHADEX」、「CM-SEPHAROSE」及び「S-S
EPHAROSE」として市販されているものや、イギリス、Maidstone のWhatman Inte
rnational社より商品名「CM CELLULOSE」として市販されているものが挙げられ
る。本発明の実施態様の一例として、繊維状セルロースにカルボキシメチル(CM)
リガンドが結合されているものを使用する。
α1−酸性糖タンパク質の精製にはカラム式クロマトグラフィーでもバッチ式
クロマトグラフィーでも使用することができる。本発明の好ましい実施態様では
、カチオン交換媒体及びアニオン交換媒体によるバッチ式クロマトグラフィーを
使用する。実施例1 画分Vの析出物及び上清液の調製
酢酸でpHを4.0 に調整した0.8 M 酢酸ナトリウム溶液を使用し
て3438 kg のヒト血漿のpHを約7に調整した。次いで、そのpHが7の血漿に
低温(約−15℃)の95%(vol/vol)エタノールを添加してエタノール濃度を8%(
vol/vol)にした。その8%エタノール溶液の温度は、低温エタノール溶液を添加
するにつれて約−1℃から約−3℃まで徐々に低下した。その8%エタノール溶
液を約15分間混合すると、その間に画分Iが析出した。酢酸でpHを4.0 に調整
した0.8 M 酢酸ナトリウム溶液を添加することにより、その8%エタノール溶液
のpHを 6.8に調整した。得られた溶液を約15分間混合した後、低温(約−15℃
)の95%(vol/vol)エタノールを添加してエタノール濃度を約20%(vol/vol)にし
た。その20%エタノール溶液の温度は、低温エタノール溶液を添加するにつれて
約−4℃から約−6℃まで徐々に低下した。その20%エタノール溶液を約60分間
混合すると、その間に画分II+IIIが析出した。画分I及び画分II+IIIの析出物
を遠心分離法で除去し、その上清液を保持した。次いで、α1−酸性糖タンパク
質を含有する20%エタノール上清液のpHを、酢酸でpHを4.0 に調整した約20
%(vol/vol)のエタノールを含有する0.8 M 酢酸ナトリウム溶液を添加すること
により5.2 に調整した。得られた溶液を約−4℃〜約−6℃で約2時間混合する
と、その間に画分IV1が析出した。次いで、pHを1M重炭酸ナトリウム緩衝液
で 5.8に調整し、混合をさらに15分間継続した。低温(約−15℃)の95%(vol/v
ol)エタノールを添加することによって、20%エタノール溶液を約40%(vol/vol)
エタノール溶液にした。そのエタノール添加によってpHが約 5.9から約5.95に
上昇した。その40%エタノール溶液を約−4℃〜約−6℃で約2時間混合すると
、その間に画分IV1が析出した。画分IV1及び画分IV1の析出物を遠心分離法で除
去し、その上清液を保持した。
α1−酸性糖タンパク質を含有する40%エタノール上清液をさら
に処理して画分Vの析出物を集めた。画分Vを析出させるため、酢酸でpHを4.
0 に調整した0.8 M 酢酸ナトリウム溶液を添加することにより、その40%エタノ
ール上清液のpHを 4.8に調整し、その溶液の温度を約−6℃〜約−12℃に低下
させ、そしてその溶液を約2時間混合した。画分Vの析出物を遠心分離法で除去
し、得られた画分Vの析出物と上清液を使用時まで−15℃で保存した。実施例2 画分V析出物からのα1−酸性糖タンパク質の分離
実施例1に記載したような方法によって調製された画分Vの析出物に、その1
kg当たり2kgの蒸留水を7℃において混合した。その析出物が完全に再構成され
たら、低温の蒸留水を加えてタンパク質濃度を9%に調整した。再懸濁させた画
分Vの析出物のタンパク質濃度はその屈折率によって測定した。
その再懸濁させた画分Vの析出物に、析出物1kg当たり1.5 グラムのDEAE-SEP
HADEX A-50(製造業者の指示書により蒸留水で水和及び平衡化したアニオン交換
媒体。米国特許第 5,250,662号明細書にも記載されており、本明細書では参照す
ることによりその全体を取り入れる。)を添加し、そしてその混合物を5℃にお
いて4時間穏やかに攪拌した。画分V析出物1kg当たり2.5 g のCELITE 512粉末
を添加し、その溶液をさらに15分間混合した。DEAE-SEPHADEX A-50媒体に結合し
たα1−酸性糖タンパク質を含有する懸濁液を、ZETA PLUS 10C 及び 90SP、0.4
及び 0.2μm膜(Cuno社、Meriden,Connecticut より市販)で濾過して集めた
。α1−酸性糖タンパク質をDEAE-SEPHADEX A-50媒体からこれを1M NaCl で洗浄
することにより溶離させた。その溶離液を集めた。
その溶離液を、Millipore 社(Bedford,Massachusetts)のミリポア製品部より
供給されたMILLIPORE PELLICONカセット 10K NMWL に
おいて透析濾過/限外濾過した。実施例3 画分V上清液からのα1−酸性糖タンパク質の分離
実施例1に記載したような方法によって調製された画分Vの上清液20リットル
に、300 mlの CM-セルロース(製造業者の指示書により蒸留水で水和及び平衡化
したカチオン交換媒体。)を5℃において90分間混合した。画分V析出物1kg当
たり2.5 g のCELITE 512粉末を添加し、その溶液をさらに15分間混合した。CM-
セルロースと CM-セルロースに結合した汚染物を、ZETA PLUS 10C 及び 90SP、0
.4 及び 0.2μm膜で濾過して除去した。濾液の試料を SDSゲル電気泳動法で分
析した。その結果、α1−酸性糖タンパク質の純度は少なくともこの段階におい
て90%を上回ることが示された。
その濾液を集め、300 mlの水和DEAE-SEPHADEX と90分間混合し、α1−酸性糖
タンパク質をDEAE-SEPHADEX に結合させた。画分V析出物1kg当たり2.5 g のCE
LITE 512粉末を添加し、その溶液をさらに15分間混合した。DEAE-SEPHADEX A-50
媒体に結合したα1−酸性糖タンパク質を含有する懸濁液を、ZETA PLUS 10C 及
び90SP、0.4及び 0.2μm膜で濾過して集めた。このDEAE-SEPHADEX A-50媒体か
らα1−酸性糖タンパク質を、蒸留水中1 M NaClを5リットル使用して溶離させ
た。その溶離液を集めた。
その溶離液を、MILLIPORE PELLICONカセット 10K NMWL において蒸留水に対し
て透析濾過/限外濾過した。実施例4 画分V析出物からのα1−酸性糖タンパク質の分離
実施例1に記載したような方法によって調製された画分Vの析出物に、その1
kg当たり2kgの蒸留水を7℃において混合した。その析出物が完全に再構成され
たら、低温の蒸留水を加えてタンパク質
濃度を9%に調整した。その画分Vの析出物を構成するタンパク質の量は屈折率
によって測定した。
その第一の水溶液に、1.5 グラムのDEAE-SEPHADEX A-50(蒸留水で水和及び平
衡化した)を添加し、そして5℃において4時間穏やかに攪拌した。画分V析出
物1kg当たり2.5 g のCELITE 512粉末を添加し、その溶液をさらに15分間混合し
た。DEAE-SEPHADEX A-50媒体に結合したα1−酸性糖タンパク質を含有する懸濁
液を、ZETA PLUS 10C及び90SP、0.4 及び 0.2μm膜で濾過して集めた。α1−酸
性糖タンパク質をDEAE-SEPHADEX A-50媒体から1M NaCl によって溶離させ、その
溶離液を集めた。
その溶離液を、MILLIPORE PELLICONカセット 10K NMWL において蒸留水に対し
て透析濾過/限外濾過した。
透析濾過後の溶離液1容積と 0.1容積の CM-セルロース(蒸留水で水和及び平
衡化)とを5℃で90分間混合した。画分V析出物1kg当たり2.5 g のCELITE 512
粉末を添加し、その溶液をさらに15分間混合した。CM-セルロースを、結合した
汚染物と共に、ZETA PLUS 10C 及び 90SP、0.4 及び 0.2μm膜で濾過して除去
した。
その濾液を集め、0.1容積の水和DEAE-SEPHADEX と90分間混合し、α1−酸性糖
タンパク質をDEAE-SEPHADEX に結合させた。α1−酸性糖タンパク質をDEAE-SEPH
ADEX A-50媒体から蒸留水中1 M NaClを使用して溶離させた。その溶離液を集め
た。
その溶離液を、MILLIPORE PELLICONカセット 10K NMWL において蒸留水に対し
て透析濾過/限外濾過した。実施例5 精製したα1−酸性糖タンパク質の分析
実施例3で調製した精製α1−酸性糖タンパク質画分を SDSポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動にかけてα1−酸性糖タンパク質の純
度を測定した。クマシー・ブルーで染色した SDSゲルから、α1−酸性糖タンパ
ク質の純度は99%以上、すなわち精製α1−酸性糖タンパク質画分中のタンパク
質の99%以上がα1−酸性糖タンパク質である、と推定された。
また、4−レート比濁分析法及び放射状免疫拡散法によっても、α1−酸性糖
タンパク質画分を分析した。これらの方法によっても同様にα1−酸性糖タンパ
ク質の純度が99%以上であることが示された。
α1−酸性糖タンパク質を生産するための方法の実施態様についてのこれまで
の説明は例示を目的としたものである。当業者には変更が明白であるため、本発
明は上記の特定の実施態様に限定されるものではない。本発明の範囲は添付の請
求の範囲によって規定される。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1995年9月22日
【補正内容】
請求の範囲(請求の範囲翻訳文第11頁〜第12頁)
請求の範囲
1.画分Vの上清液と画分Vの析出物とから成る群から選ばれ、α1−酸性糖タ
ンパク質及びタンパク質汚染物を含む純度の低いタンパク質画分を提供する工程
と、
前記純度の低いタンパク質画分をアニオン交換媒体と接触させることにより、
前記純度の低いタンパク質画分中に存在するα1−酸性糖タンパク質を前記アニ
オン交換媒体に結合させる工程と、
前記α1−酸性糖タンパク質を前記アニオン交換媒体から溶離させる工程と、
前記純度の低いタンパク質画分をカチオン交換媒体と接触させることにより、
α1−酸性糖タンパク質以外の汚染物を前記カチオン交換媒体に結合させる工程
と、
前記α1−酸性糖タンパク質を回収する工程とを含む、α1−酸性糖タンパク質
を精製するための方法。
2.前記α1−酸性糖タンパク質を、塩化ナトリウムを含む水性溶離剤によって
前記アニオン交換媒体から溶離する、請求の範囲1に記載の方法。
3.前記塩化ナトリウムの濃度が1Mである、請求の範囲2に記載の方法。
4.さらに、α1−酸性糖タンパク質を結合させるために用いられる前記アニオ
ン交換媒体が、架橋デキストランマトリックスにジエチルアミノエチルリガンド
を結合させたものである、請求の範囲1に記載の方法。
5.汚染物を結合させるために用いられる前記カチオン交換媒体が、
繊維状セルロースマトリックスにカルボキシメチルリガンドを結合させたもので
ある、請求の範囲1に記載の方法。
6.α1−酸性糖タンパク質及びタンパク質汚染物を含む純度の低いタンパク質
画分を提供する工程と、
前記純度の低いタンパク質画分をカチオン交換媒体と接触させることにより、
α1−酸性糖タンパク質以外の汚染物を前記カチオン交換媒体に結合させる工程
と、
前記純度の低いタンパク質画分に含まれ、前記カチオン交換媒体に結合しない
タンパク質を集める工程と、
前記結合しないタンパク質画分に含まれるα1−酸性糖タンパク質をアニオン
交換媒体に結合させる工程と、
前記α1−酸性糖タンパク質を前記アニオン交換媒体から溶離させる工程とを
含む、α1−酸性糖タンパク質を精製するための方法。
7.前記α1−酸性糖タンパク質を、塩化ナトリウムを含む水性溶離剤によって
前記アニオン交換媒体から溶離する、請求の範囲6に記載の方法。
8.前記塩化ナトリウムの濃度が1Mである、請求の範囲7に記載の方法。
9.前記純度の低いタンパク質画分がコーン画分V上清液である、請求の範囲6
に記載の方法。
10.前記純度の低いタンパク質画分がコーン画分V析出物である、請求の範囲6
に記載の方法。
11.α1−酸性糖タンパク質及びタンパク質汚染物を含む純度の低いタンパク質
画分を提供する工程と、
前記純度の低いタンパク質画分を第一アニオン交換媒体と接触させることによ
り、前記純度の低いタンパク質画分中に存在するα1−酸性糖タンパク質を前記
アニオン交換媒体に結合させる工程と、
前記α1−酸性糖タンパク質を前記アニオン交換媒体から溶離させてα1−酸性
糖タンパク質溶離液を提供する工程と、
前記α1−酸性糖タンパク質溶離液をカチオン交換媒体と接触させることによ
り、α1−酸性糖タンパク質以外の汚染物を前記カチオン交換媒体に結合させる
工程と、
前記結合しなかったα1−酸性糖タンパク質を前記カチオン交換媒体から回収
する工程と、
前記カチオン交換媒体から回収されたα1−酸性糖タンパク質を第二アニオン
交換媒体に結合させる工程と、
前記第二アニオン交換媒体からα1−酸性糖タンパク質を溶離させてそのα1−
酸性糖タンパク質を回収する工程とを含む、α1−酸性糖タンパク質を精製する
ための方法。
12.前記α1−酸性糖タンパク質を、塩化ナトリウムを含む溶液によって前記第
一及び第二アニオン交換媒体から溶離する、請求の範囲11に記載の方法。
13.前記塩化ナトリウム溶液中の塩化ナトリウムの濃度が1Mである、請求の範
囲12に記載の方法。
14.前記純度の低いタンパク質画分がコーン画分V上清液である、請求の範囲11
に記載の方法。
15.前記純度の低いタンパク質画分がコーン画分V析出物である、請求の範囲11
に記載の方法。
16.α1−酸性糖タンパク質を結合させるために用いられる前記第一及び第二ア
ニオン交換媒体が、架橋デキストランマトリックスにジエチルアミノエチルリガ
ンドを結合させたものである、請求の範囲11に記載の方法。
17.汚染物を結合させるために用いられる前記カチオン交換媒体が、繊維状セル
ロースマトリックスにカルボキシメチルリガンドを結合
させたものである、請求の範囲11に記載の方法。
18.α1−酸性糖タンパク質及び汚染物を含むpHが 4.5〜4.7 の画分Vの上清
液を提供する工程と、
前記画分Vの上清液をアニオン交換媒体と接触させることにより、ジエチルア
ミノエチルリガンドを含む前記アニオン交換媒体にα1−酸性糖タンパク質を結
合させる工程と、
前記α1−酸性糖タンパク質を1M NaCl 溶液によって前記アニオン交換媒体
から溶離させてα1−酸性糖タンパク質溶離液を提供する工程と、
前記α1−酸性糖タンパク質溶離液をカチオン交換媒体と接触させることによ
り、α1−酸性糖タンパク質以外の汚染物を前記カチオン交換媒体に結合させる
工程と、
前記結合しなかったα1−酸性糖タンパク質を前記カチオン交換媒体から回収
する工程とを含む、α1−酸性糖タンパク質を精製するための方法。
19.前記α1−酸性糖タンパク質を塩化ナトリウムによって前記アニオン交換媒
体から溶離する、請求の範囲18に記載の方法。
20.前記塩化ナトリウム溶液中の塩化ナトリウムの濃度が1Mである、請求の範
囲19に記載の方法。
21.α1−酸性糖タンパク質を結合させるために用いられる前記アニオン交換媒
体が、架橋デキストランマトリックスにジエチルアミノエチルリガンドを結合さ
せたものである、請求の範囲18に記載の方法。
22.汚染物を結合させるために用いられる前記カチオン交換媒体が、繊維状セル
ロースマトリックスにカルボキシメチルリガンドを結合させたものである、請求
の範囲18に記載の方法。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD),AM,AT,
AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C
N,CZ,CZ,DE,DE,DK,DK,EE,ES
,FI,FI,GB,GE,HU,JP,KE,KG,
KP,KR,KZ,LK,LR,LT,LU,LV,M
D,MG,MN,MW,NL,NO,NZ,PL,PT
,RO,RU,SD,SE,SI,SK,SK,TJ,
TT,UA,UZ,VN
(72)発明者 エクス,キアング
アメリカ合衆国,カリフォルニア 91801,
アルハンブラ,サウス フィフス ストリ
ート 215,アパートメント ビー
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.画分Vの上清液と画分Vの析出物とから成る群から選ばれた純度の低いタン パク質画分を提供する工程と、 α1−酸性糖タンパク質をアニオン交換媒体に結合させる工程と、 前記α1−酸性糖タンパク質を前記アニオン交換媒体から溶離させる工程と、 前記純度の低いタンパク質画分をカチオン交換媒体と接触させる工程と、 α1−酸性糖タンパク質以外の汚染物を前記カチオン交換媒体に結合させる工 程とを含む、α1−酸性糖タンパク質を精製するための方法。 2.前記α1−酸性糖タンパク質を塩化ナトリウムによって前記アニオン交換媒 体から溶離する、請求の範囲1に記載の方法。 3.前記塩化ナトリウムの濃度が1Mである、請求の範囲2に記載の方法。 4.前記α1−酸性糖タンパク質を結合させるために用いられるアニオン交換媒 体が、架橋デキストランマトリックスにジエチルアミノエチルリガンドを結合さ せたものである、請求の範囲1に記載の方法。 5.前記汚染物を結合させるために用いられるカチオン交換媒体が、繊維状セル ロースマトリックスにカルボキシメチルリガンドを結合させたものである、請求 の範囲1に記載の方法。 6.純度の低いタンパク質画分を提供する工程と、 前記純度の低いタンパク質画分をカチオン交換媒体と接触させる工程と、 α1−酸性糖タンパク質以外の汚染物を前記カチオン交換媒体に 結合させる工程と、 α1−酸性糖タンパク質をアニオン交換媒体に結合させる工程と、 前記α1−酸性糖タンパク質を前記アニオン交換媒体から溶離させる工程とを 含む、α1−酸性糖タンパク質を精製するための方法。 7.前記α1−酸性糖タンパク質を塩化ナトリウムによって前記アニオン交換媒 体から溶離する、請求の範囲6に記載の方法。 8.前記塩化ナトリウムの濃度が1Mである、請求の範囲7に記載の方法。 9.前記純度の低いタンパク質画分がコーン画分V上清液である、請求の範囲6 に記載の方法。 10.前記純度の低いタンパク質画分がコーン画分V析出物である、請求の範囲6 に記載の方法。
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Family Applications (1)
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