JPH09502216A

JPH09502216A - 安定な水性ポリオレフィンワックス分散液

Info

Publication number: JPH09502216A
Application number: JP7508425A
Authority: JP
Inventors: ヴォルフガングミュラー，ミヒャエル; クリンゲルヘーファー，パウル; ヴァイス，シュテファン
Original assignee: BASF SE
Current assignee: BASF SE
Priority date: 1993-09-08
Filing date: 1994-08-27
Publication date: 1997-03-04
Also published as: EP0717758A1; US5746812A; DE4330342A1; DE59406233D1; ATE167209T1; CN1133055A; EP0717758B1; WO1995007313A1

Abstract

(57)【要約】Ａ）１〜５０μｍの平均粒径及びＫＯＨ５ｍｇ／ワックスｇより小さい酸価を有するポリエチレン−又はポリプロピレンワックス５〜６５重量％及びＢ）分散剤としての、Ｃ原子２〜４個を有する１，２−アルキレンオキシド１〜５０モルと反応させた、付加的にヒドロキシル基を含有していてよい主にエチレン性モノ−又はポリ不飽和Ｃ₁₆〜Ｃ₂₂−モノカルボン酸のグリセリド０．５〜２０重量％を含有する、安定な水性ポリオレフィンワックス分散液。この分散液は、床−及び石手入れ剤、靴手入れ剤、自動車手入れ剤、印刷インキ、印刷ペースト、ラッカー、包装材料、グリース、ワセリン、画用材料、電気部材用の封止−及び絶縁材料、水性木用釉薬、ホットメルト被覆、化粧処方物及び歯磨き粉の製造のために、プラスチック加工において、製紙において及び防食において、織物及び糸の仕上げ加工のために及び皮革処理のために並びに非鉄金属の重力ダイカスト、加圧ダイカスト及び遠心鋳造における離型剤として適当である。

Description

【発明の詳細な説明】安定な水性ポリオレフィンワックス分散液本発明は、Ａ）１〜５０μｍの平均粒径及びＫＯＨ５ｍｇ／ワックスｇより小さい酸価を有するポリエチレン−又はポリプロピレンワックス５〜６５重量％及びＢ）分散剤としての、Ｃ原子２〜４個を有する１，２−アルキレンオキシド１〜５０モルと反応させた、付加的にヒドロキシル基を含有していてよい主にエチレン性モノ−又はポリ不飽和（ein-oder mehrfach unges ０．５〜２０重量％を含有する、新規の水性ポリオレフインワックス分散液に関する。ポリエチレン又はポリプロピレンを基礎とする水性ワックス分散液は、原則的に、２つの方法により製造できる：第１の分散液としては、圧力下及び開始剤系の存在下での界面活性剤含有水相中でのエチレンもしくはプロピレンの重合により、又は第２の分散液としては、適当な分散装置系を用いる分散可能粉末状ポリエチレン−もしくはポリプロピレンワックスの分散による。乳化可能ワックスとは、ここでは、通常、カルボキシレート−、ケト−又はヒドロキシル基で官能化された(funktionalisierte)低分子量ポリオレフィン鎖を意味する；これは、エチレンもしくはプロピレンと例えば不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸との共重合によって、又はポリオレフィンワックスの空気酸化によって製造される。第１の分散液は、一般的に０．０１−０．２５μｍの範囲の粒径を有し、安定な第２の分散液は、従来は、１μｍ足らずの平均粒径までしか製造できなかった。大きい粒子を有する分散液は、低密度及びポリオレフィンワックスの疎水性に基づいて、相分離する傾向がある。双方の製造方法においては、通常、約３５重量％までの固体含有率のみが得られる。より高いワックス含量は、困難のもとで、かつ比較的高い量の適当な助剤の共使用によってのみ得ることができる。米国特許（ＵＳ−Ａ）第４３７１６５８号明細書からは、水性エマルション中の種々異なる乳化剤、酸価約１４〜３２を有する酸化されたポリエチレン及びアルカリ金属水酸化物からなる混合物である、ポリアミド糸を製造するための紡績助剤が公知である。乳化剤成分として、エチレンオキシド２〜１６モルと反応させたヒマシ油が挙げられている。本発明の課題は、使用技術的要件に基づいて明らかに１μｍより大きい平均粒径を有し、実質的に無制限に貯蔵可能である、安定な水性ポリオレフィンワックス分散液を提供することであった。更に、この分散液は、できるだけ簡単に、かつできるだけ僅かな助剤を用いて製造されるべきである。分散液は、官能化されていない、すなわち安定化作用するカルボキシレート基を有しないポリオレフィンワックスを基礎とすべきである。従って、冒頭で定義した水性ポリオレフィンワックス分散液が見つけられた。分散剤系Ｂの選択により、所望の特性を有するポリオレフィンワックス分散液が、相応する微細な（マイクロ化された(mikronisierten)）ワックス粉末を、室温で、分散剤と共に、水中へ簡単に撹拌導入することにより得ることができる。その際に、６５重量％までの固体含有率が実現可能である。本発明における分散液中のポリオレフィンワックスＡの平均粒径は、１〜５０ μｍ、殊に３〜２０μｍ、とりわけ５〜１５μｍである。平均粒径は、コールター法(Coulter-Verfahren)により最良に測定することができる。５００〜１００００ｇ／モル、殊に１０００〜５０００ｇ／モルの範囲の重量平均分子量を有する市販の官能化されていないポリエチレンワックス又は５０００〜５００００ｇ／モル、殊に１５０００〜３００００ｇ／モルの範囲の重量平均分子量を有するポリプロピレンワックス又はそれらの混合物を使用する。このワックス中のポリエチレンもしくはポリプロピレンの含有率は、９９重量％より大きい。これらのワックスを、慣例の方法により粉砕し、従って、これらは、必要な粒径を有する。これらは、ＫＯＨ５ｍｇ／ワックスｇより小さい、特にＫＯＨ３ｍｇ／ワックスｇより小さい、殊にＫＯＨ２ｍｇ／ワックスｇより小さい、とりわけＫＯＨ１ｍｇ／ワックスｇより小さい酸価を有し、このことは、実質的に汚染としてのみみなされるワックス中の酸性成分を示唆している。本発明による分散液は、高い固体含有率でも問題なく注入−及び撹拌可能であり、かつ一般的にブルックフイールド(Brookfield)による粘度２００〜５０００ｍｍ²／ｓ、殊に５００〜１６００ｍｍ²/ｓを有する。本発明による分散液は、主要成分として、ワックスＡ５〜６５重量％、特に１０〜６０重量％、殊に２０〜５５重量％、とりわけ４０〜５０重量％及び分散剤Ｂ０．５〜２０重量％、特に１〜１５重量％、殊に３〜１２重量％、とりわけ４〜１０重量％を含有する。所望に応じて、更に付加的に慣例の助剤、例えばあわ止め剤、例えばオルガノホスフェート、可溶化剤、例えばＮ−メチルピロリドン、殊に５０重量％より高い固体含有率での流動向上剤、生物致死剤（Biozide）、フレグランス、着色剤、耐食剤又は同様のものを供給することができる。アルコキシル化されたグリセリドＢ中の脂肪酸は、主に、すなわち、５０重量％より多くまで、特に７０重量％より多くまで、殊に８０重量％より多くまでの、付加的にヒドロキシル基を含有していてよいエチレン性モノ−又はポリ−、特にエチレン性モノ−〜トリ不飽和Ｃ₁₆〜Ｃ₂₂−モノカルボン酸、特にＣ₁₈−モノカルボン酸を含有していてよい。このような脂肪酸の例は、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸及び１２−ヒドロキシ−９−シス− オクタデセン酸（１２−ヒドロキシオレイン酸、リシノール酸）である。従属的割合まで、アルコキシル化されたグリセリドＢ中へ飽和脂肪酸、例えばミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸又はセロチン酸が組み込まれていてもよい。グリセリドは、大抵又は主に、トリグリセリドとして存在するが、エステル化されていないヒドロキシル基を有するモノ−及び／又はジグリセリド−構造も存在し、かつ更に、これは、脂肪酸残基がアルキレンオキシドとの反応のためのヒドロキシル基を含有していない場合には必要である。１，２−アルキレンオキシドとして、殊にエチレンオキシド、更に又プロピレンオキシド又はブチレンオキシドがこれに該当する。前記アルキレンオキシドの混合物も、グリセリドとの反応のために使用することができる。アルコキシル化度は、グリセリド１モル当たりアルキレンオキシド１〜５０モル、特に２〜３０モル、殊に３〜２０モル、とりわけ５〜１５モルである。有利な１実施態様形において、成分Ｂとして、エチレンオキシド３〜２０モルと反応させた、主にエチレン性モノ−〜トリ不飽和の、少なくとも部分的に付加的にヒドロキシル基を含有するＣ₁₈−モノカルボン酸のグリセリドを使用する。「少なくとも部分的に」とは、モノカルボン酸の一部又は全量が、すなわち通常モノカルボン酸の５０〜１００重量％、特に７０〜１００重量％、殊に８０〜１００重量％が、１個以上のヒドロキシル基を含有することを意味する。殊に、エトキシル化されたグリセリドＢは、Ｃ₁₈−モノカルボン酸として、主として、すなわち５０重量％より多くまで、特に７０重量％より多くまで、殊に８０重量％より多くまでの１２−ヒドロキシ−９−シス−オクタデセン酸（リシノール酸）を含有することが有利である。殊に優れた結果は、成分Ｂとしての天然に存在するヒマシ油の相当するエトキシル化生成物を用いて得られる。ヒマシ油は、通常、リシノール酸グリセリド８０〜８５重量％、オレイン酸グリセリド約７重量％、リノール酸グリセリド約３重量％、パルミチン酸グリセリド約２重量％及びステアリン酸グリセリド約１重量％を含有する。エチレンオキシド５〜１５モルと反応させたヒマシ得られる。Emulan ELPは、主として、植物油、例えば落花生油、ココヤシ油、亜麻仁油、トウモロコシ胚しゅ油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、菜種油、ヒマシ油、大豆油又はひまわり油のための乳化剤として使用される。本発明の目的は、Ｃ原子２〜４個を有する１，２−アルキレンオキシド１〜５０モルと反応させた、付加的にヒドロキシル基を含有していてよい主にエチレン性モノ−又はポリ不飽和Ｃ₁₆〜Ｃ₂₂−モノカルボン酸のグリセリドを、１〜５０ μｍの平均粒径及びＫＯＨ５ｍｇ／ワックスｇより小さい酸価を有するポリエチレン−又はポリプロピレンワックスを含有する水性ポリオレフィンワックス分散液用の分散剤として使用することでもある。本発明による安定な水性ポリオレフインワックス分 nd Steinpflegemitteln)、靴手入れ剤、自動車手入れ剤、印刷インキ、印刷ペースト、ラッカー、殊に水性ラッカー、例えば食品のための包装材料、グリース、ワセリン、画用材料(Ziehmitteln)、電気部材用の封性木用釉薬、ホットメルト被覆、化粧処方物及び歯磨き粉の製造のために、プラスチック加工において、製紙において及び防食において、織物及び糸の仕上げ加工のために及び皮革処理のために並びに非鉄金属の重力ダイカスト、加圧ダイカスト及び遠心鋳造における離型剤として使用される。ここで、本発明によるワックス分散液は、平滑特性又は摩擦抵抗の改良のために大抵使用され、それにより、これは、その特異な粒度により優れていて適当である。本発明による分散液は、毒物学的に全く危険がなく、かつ従って、食品領域及び化粧品において使用するために問題なく使用することができる。これらは、同様に、生態学的面から全く危険性がない。それというのも、これは、天然材料又は天然材料使用物質を基礎とする乳化剤であるからである。本発明によるワックス分散液は、実質的に、無制限に安定であり、すなわち、数カ月又は数年の貯蔵後ですら、容器壁及び−底での沈降又は沈殿を示さない。高い平均粒径により、所望の使用特性を生じる。本発明による分散液は、容易にかつ問題なく製造可能であり、かつ高い固体濃度により、特に、できた生成物の貯蔵及び輸送が非常に経済的である。例エチレンオキシド５〜１５モルと反応させたヒマシ油（BASF社のEmulan ELP）６．５ｇを、完全脱塩水４３．５ｇ中に装入し、かつ激しく撹拌下に、重量平均分子量３０００及び酸価（ＤＩＮ５３４０２による）＜ＫＯＨ０．１ｍｇ／ｇを有するマイクロ化されたポを２０℃で撹拌導入した。使用したワックスは、約８μｍの粒径を有した（コールターカウンターにより測定）。得られたワックス分散液は、ブルックフィールドによる粘度６００ｍｍ²／ｓを有し、かつ無制限な時間安定であった（相分離なし）。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号庁内整理番号ＦＩＣ０９Ｄ 4/02 ＰＤＱ 9268−4ＦＣ０８Ｊ 3/03 ＣＥＳＰＤＷ (72)発明者ヴァイス，シュテファンドイツ連邦共和国Ｄ―69151 ネッカーゲミュントカール―ベック―シュトラーセ 46

Claims

【特許請求の範囲】１．Ａ）１〜５０μｍの平均粒径及びＫＯＨ５ｍｇ／ワックスｇより小さい酸価を有するポリエチレン−又はポリプロピレンワックス５〜６５重量％及びＢ）分散剤としての、Ｃ原子２〜４個を有する１，２−アルキレンオキシド１〜５０モルと反応させた、少なくとも部分的に付加的にヒドロキシル基を含有する主にエチレン性モノ−又はポリ不飽和Ｃ₁₆〜Ｃ₂₂−モノカルボン酸のグリセリド０．５〜２０重量％を含有する、安定な水性ポリオレフインワックス分散液。２．成分Ａとして、３〜２０μｍの平均粒径及びＫＯＨ２ｍｇ／ワックスｇより小さい酸価を有するポリエチレン−又はポリプロピレンワックスを含有する、請求項１記載の安定な水性ポリオレフィンワックス分散液。３．Ａ）成分Ａ２０〜５５重量％及びＢ）成分Ｂ３〜１２重量％を含有する、請求項１又は２記載の安定な水性ポリオレフィンワックス分散液。４．成分Ｂとして、エチレンオキシド３〜２０モルと反応させた、少なくとも部分的に付加的にヒドロキシル基を含有する主にエチレン性モノ−〜トリ不飽和Ｃ₁₈−モノカルボン酸のグリセリドを含有する、請求項１から３までのいずれか１項記載の安定な水性ポリオレフインワツクス分散液。５．エトキシル化されたグリセリドＢは、Ｃ₁₈−モノカルボン酸として主に１２−ヒドロキシ−９−シス−オクタデセン酸（リシノール酸）を含有する、請求項４記載の安定な水性ポリオレフィンワックス分散液。６．成分Ｂとして、天然に存在するヒマシ油のエトキシル化生成物を使用する、請求項５記載の安定な水性ポリオレフインワックス分散液。７．１〜２５μｍの平均粒径及びＫＯＨ５ｍｇ／ワックスｇより小さい酸価を有するポリエチレン−又はポリプロピレンワックスを含有する水性ポリオレフィンワックス分散液用の乳化剤としての、Ｃ原子２〜４個を有する１，２−アルキレンオキシド１〜５０モルと反応させた、少なくとも部分的に付加的にヒドロキシル基を含有する主にエチレン性モノ−又はポリ不飽和Ｃ₁₆〜Ｃ₂₂−モノカルボン酸のグリセリドの使用。８．床−及び石手入れ剤、靴手入れ剤、自動車手入れ剤、印刷インキ、印刷ペースト、ラッカー、包装材料、グリース、ワセリン、画用材料、電気部材用の封止−及び絶縁材料、水性木用釉薬、ホットメルト被覆、化粧処方物及び歯磨き粉の製造のための、プラスチック加工における、製紙における及び防食における、織物及び糸の仕上げ加工のための及び皮革処理のための並びに非鉄金属の重力ダイカスト、加圧ダイカスト及び遠心鋳造における離型剤としての、請求項１から６までのいずれか１項記載の安定な水性ポリオレフィンワックス分散液の使用。