JPH09500482A - 光放射用積層リフレクター、その製造法及びその使用法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、ａ）光放射を透過する耐引っかき性を持つ外側の層（２）、ｂ）少なくとも外側の層（２）との接触側（７）においてすべり性を備えられているところの、外側の層（２）に結合された第一樹脂層（３）を含み、そして、該第一樹脂層は、ｃ）その反対側において光放射を反射する層（４）で覆われており、そして、それは、結合層（６）の介在によりｄ）少なくとも該結合層との接触側と反対側の開放された外表面（８）においてすべり性を有するところの第二樹脂層（５）に積層されている光放射用積層リフレクター（１）に関する。本発明はまた、リフレクター並びにそれから得られる自己接着性リフレクター（１５）及び光放射構造物（１６）を製造するための方法及び中間製品に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 光放射用積層リフレクター、その製造法及びその使用法 本発明は、光放射用リフレクターに関する。とりわけ、本発明は、ランプ付属 品又は支持体において使用され、そして高められた耐久性、例えば、その外表面 の改善された耐引っかき性及びより優れた耐化学性を持つリフレクターに関する 。 滑かな外表面を持ち、かつその反対側の表面上に反射層が付けられている、光 透過を可能にするところのプラスチック箔を含む、ランプ支持体のための高い光 沢を持つ、積層された、かつ可とう性のリフレクター基体を作ることは公知であ る。耐腐食性保護カバーが、反射層上に存在する。この積層基体は、適切なにか わ又は接着剤により金属支持体に結合されることができる。 この高い光沢を持つリフレクター中の反射層は、箔の実質的な厚みの故に適度 に保護されているけれども、その表面は十分には硬くないであろうし、そしてそ れ故、それは耐引っかき性ではない。言い換えれば、リフレクターの外表面は、 あまりに低い耐磨耗性を有する。加えて、なかんずく化学洗浄剤に対する表面の 耐化学性は、不満足である。 これらの欠点を避けることが、本発明の目的である。 本発明は、 ａ）光放射を透過する耐引っかき性を持つ外側の層、 ｂ）少なくとも外側の層との接触側においてすべり性を備えられているところの 、外側の層に結合された第一樹脂層を含み、そして、該第一樹脂層は、 ｄ）少なくとも上記結合層との接触側と反対側の開放された外表面においてすべ り性を有するところの第二樹脂層に積層されている 光放射用積層リフレクターを提供することにより、この目的を満足させる。 このリフレクターを製造するための方法を提供することが、本発明の他の目的 である。とりわけ、本発明は、積層リフレクターを作るための適切な手段を提供 する。 本発明によれば、この目的は、次のプロセス段階を使用することにより達成さ れる。即ち、前に述べられた外側の層で更に覆われているところの積層コアシー トがまず、組立てられる。コアシートの製造のために、 ａ）一つの側においてすべり性を持っている第一のプラスチック又は樹脂箔が、 その反対側において反射層で覆われ、そして次に、 ｂ）このようにして得られた基体は、すべり性を持つ外表面を有する第二樹脂箔 上に固定される。 発明の詳細は、添付図面及び実施例を参照して、今説明されるであろう。追加 の特徴及びそれらの利点は、それにより説明されるであろう。 図１は、支持体に固定された本発明に従うリフレクターの積層構造の断面図で ある。 図２は、自己接着性リフレクターの構造に関する。 図３は、リフレクターのための中間製品としてのコアシートを示す。 リフレクター１は、第一の透明な、即ち光透過性樹脂層３を基体として含み、 これは少なくとも外側の層２との接触側において公知のすべり性を備えた領域７ を持っている。この層３は好ましくは、箔の容易な巻取及び巻出しを可能にする ところの慣用のすべり被覆７で一つの側を覆われているところの市販入手可能な プラスチック箔、例えばポリエステル、とりわけポリエチレンテレフタレート箔 である。箔厚みは、好ましくは１０〜３０μｍである。２３μｍの厚みを持つ光 学的に透明な箔ＭＹＬＡＲ Ｄ［商標、デュポン デ ニモアス(Du Pont de Ne mours)社製］が、好都合である。１２μｍの厚さ（及びヘイズファクター０．５ ％）を持つＭＥＬＩＮＥＸ ４４２箔（商標、ＩＣＩ社製）が、等しく使用可能 である。適切なフィラー１４（例えば、ＳｉＯ₂粒子）が、要求されたすべり性 を与えるという観点から存在することができる。層３はまた、例えば、ウールス ケール(wool scale)（ＩＳＯ標準 １０５‐Ｂ０１）の等級５又はそれ以上を満 足させる、紫外線放射に対して十分な抵抗力を保証するために処理され又は添加 剤を含むことができる。この第一の樹脂層３は、滑かな反射層４を後でそれに付 けることを考慮して、滑かな表面をその反対側に持っている。例えば銀からのこ の反射層は、プラズマスパッタリング技術（直流マグネトロンスパッタリング） により付けられ得る。金、アルミニウム又はクロームがまた、反射層４として使 用され得る。層４の厚さはしばしば、０．０８〜０．２μｍで選ばれるであろう 。 そして、第二樹脂層５は、慣用の結合層６、例えばポリエステル接着層の介在 によりこの二重積層基体１２の層４の開放面に固定又は結合される。第二樹脂層 は、光学的に透明であってはならない。しかし、それは、結合層６の反対側にす べり層８を持たなければならない。ここでも、適切なフィラー１４（例えば、Ｓ ｉＯ₂粒子）が、要求されたすべり性の観点からこの中に存在し得る。１２μｍ の厚さを持つタイプＡＨ５０００のポリエステル箔が、好都合である。より厚い 箔が、同様に適している。このようにして、両側においてすべり性を持ち従って 、中間製品として容易に巻き取られ、かつ繰出され得る反射コアシート１１が、 図３に示されたように構成される。 そして、外側の層２は、その在庫から繰出されるべきコアシート１１のすべり 層７上に付けられ得る。この外側の層が、架橋されたアクリレート樹脂を含むと き、これは、例えば、ロールコーティング法により、すべり層７上に樹脂の粘ち ょうな溶液をキャストすることにより、そして溶媒を蒸発させて外側の層として 硬い被覆２を得ることによりなされ得る。別の方法によれば、外側の層２は、滑 かなドラム表面でのトランスファーコーティング、（部分的に）そこで硬化、そ して次に、すべり層７上に置くことにより作られることができる。外側の層２の 樹脂は好ましくは、 ＡＳＴＭ試験Ｄ１００３の試験法Ａに従って測定されたとき、それへ入射する光 束の少なくとも９０％の固有合計視感透過(intrinsic total luminous transmis sion)（ＴＬＴ）を持つ。空気及び外側の層の物質が、異なる回折指数を持つ故 に、得られうる最大の合計視感透過Ｔｌは、入射光束の９２％より通常大きくな い。外側の層２の厚みは、２〜１０μｍに選ばれ、そして好ましくは約４μｍで ある。もし必要なら、例えば、ウールスケール（ＩＳＯ標準 １０５‐Ｂ０１） において等級５又はそれ以上に従う、紫外線放射に対するその抵抗力を保持する ために外側の層２の樹脂に物質が加えられるであろう。ＵＳ Ｌａｍｃｏ社の樹 脂タイプＤＹＮＥＬ又はＲｅｘｈａｍ社の樹脂タイプＲＥＦＬＥＸが、適切なも のとして挙げられ得る。このようにして、高い光沢を持つリフレクターが製造さ れる。例えば帯電防止剤のような他の添加剤がまた、層２中に加えられ得る。 層２はまた、十分な硬度又は耐引っかき性、即ち十分な耐磨耗性を示さなけれ ばならない。実際に、これは、ＡＳＴＭ Ｄ １０４４ テーバー式磨耗試験(t aber abrasion test)を使用することによるＣＳ１０‐Ｆの輪において５００ｇ の荷重での拡散率の変化が限られている、即ち滑かな表面が余りに容易に粗くな らないことを意味する。とりわけ、拡散率が、１０磨耗サイクル後に最大３．５ ％だけ増加してよく、そして好ましくは５０サイクル後又は１００サイクル後で さえも３．５％より大きくない。 この積層構造１は従って、外側の層２を持つコアシート１１が適切なすべり性 を持つ表面８をやはり有しているという事実のために、やはり簡便に巻き取られ 、そして巻出され得る。 本発明は、高い光沢を持つリフレクター、即ち、最大３％の拡散率を持つリフ レクターを製造するために特に適している。しかし、また、低い光沢又は多少低 い光沢のリフレクターが、あるエンボスされた又はザラついたパターンを外側の 層２の表面に付けることにより製造され得る。この表面はそれにより、ある程度 に粗くされ、そして、入射光放射は部分的に拡散し、そしてＡＳＴＭ試験Ｄ１０ ０３の試験法Ａに従って定義された拡散視感透過(diffuse luminous transmitta nce)Ｔｄは、所望の値まで実質的に９０％未満に減少する。エンボスされた組織 に依存して、この値（Ｔｄ）は、５％より大きく選ばれる。もし、半光沢のリフ レクターが所望なら、その時拡散率は約５０％に調節される。低い光沢のリフレ クターのために、拡散率は約７３％である。Ｔｄ／Ｔｌは、定義によりヘイズフ ァクターである。コーティングロールはその時、外側の層の表面に粗いエンボス された表面を刻印することに鑑みて、レーザー処理により得られた粗い表面を持 つであろう。コーティングロール表面の粗度はもちろん、層２の所望の拡散率に 鑑みて選ばれるであろう。所望の粗さはまた、樹脂中に適切な添加剤を混合する ことにより達成され得る。 感圧接着層９が、リフレクター１のすべり領域８に付け られることができ、該層９は、剥離箔１３、例えば、公知のシリコン処理された ポリエステル箔により覆われている。このようにして、積層結合物１５は、図２ に示されたような自己接着性リフレクターのために製造される。 接着層９及び箔１３はおそらく、連続プロセスにおいて外側の層２の取付け及 び硬化に続く一つのプロセス段階で付けられ得る。 台としての支持体１０上にリフレクターを付けるとき、箔１３はリフレクター から取除かれ、そして感圧接着層９を持つリフレクターが圧力により固定されて 光放射構造物１６を形成する。リフレクター１はまた、平らな板状支持体１０の 上に付けられることができ、その後、そのように覆われた板は、切断され又は細 く切られ、そして所望の形に曲げられる。にかわ又は接着剤がもちろんまた、支 持体１０に使用されることができ、そして次にその上に積層リフレクター１が押 し付けられて、構造物１６を形成することができる。 コアシート１１は、例えばまた、在庫から連続的に巻出されることができ、そ して巻出される支持体１０上に接着層９により固定され得る。耐引っかき性の被 覆層２が次に、層１０、９及び１１を含むこの積層結合物１７上に付けられ得る 。そのように得られた反射構造物１６は、巻き取られかつ巻出されることができ 、そしてリフレクターのための所望の寸法を持つ細片が、巻出される間にそこか ら切取られ得る。 あるいは、コアシート１１は、感圧接着層９及び剥離箔１３で覆われ得る。中 間製品は、自己接着性リフレクター１５の製造のためにそのように提供される。 この積層されたサブストラクチャー１１、９、１３は次に、箔１３の取り外し後 に支持体１０に固定され得る。その後、耐引っかき性の層２が、このように得ら れた積層結合物１７に付けられ得る。 更に、とりわけ、高い光沢を持つリフレクターのために、第二樹脂層５の存在 は、支持体表面のありうる凹凸が、反射層４中に刻まれないという利点を提供す る。 支持体１０はまた、ガラス板であることができ、そしてリフレクター１により 一部分だけ覆われることができる。反射表面は次に、特別な照明効果に鑑みて、 透明なガラス領域と結合され得る。 リフレクター１又は自己接着性リフレクター１５は、連続的にそれを巻取るこ とにより、又は直接に所望の形状にそれを切取りそしてそれを包装することによ り集められる。 透明な外側の層２はまた、所望の拡散率及び耐磨耗性を持つ薄い無機の層であ り得る。例えば３０ｎｍの厚さを持つＳｉＯ₂及び／又はＡｌ₂Ｏ₃層並びにダイ ヤモンドのようなの炭素の層が付けられ得る。これらの層はまた、プラズマスパ ッタリング技術により付けられ得る。好ましくは、これらは光放射の少なくとも ９０％を透過するであろう。リフレクターが戸外での使用を意図されるとき、耐 候性樹脂組成物が使用され得る。例えば国際特許出願公開第 ９０／１４３９３号公報中に述べられたようなアクリル／フルオロポリマーに基 く組成物が、その時推奨される。 本発明はもちろんまた、積層リフレクター１が例えば接着層９によりその上に 固定されている支持体１０を含む覆われた支持体１６に関する。金属板の他に、 プラスチック板又はプラスチックシートを支持体１０として使用できる。更に、 発光体付属品におけるリフレクターの使用の他に、積層リフレクター１を持つ支 持体又は台１０の複合構造物が、太陽エネルギー捕集機における使用のために適 している。リフレクター１を伴う支持体１０は次に、凹面側にリフレクター層１ を持つ凹面のシリンダー状形に曲げられ得る。次に、例えば、発電所用のスチー ムタービンを運転するために加熱されるべきスチームを循環する観点から、曲げ られた表面の焦点に、かつシリンダー状表面に平行に配管システムが配置される 。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ Ｆ２１Ｖ 7/22 0380−3Ｋ Ｆ２１Ｖ 7/22 Ｚ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．光放射用積層リフレクター（１）において、 ａ）光放射を透過する耐引っかき性を持つ外側の層（２）、 ｂ）少なくとも外側の層（２）との接触側（７）においてすべり性を備えられて いるところの、外側の層（２）に結合された第一樹脂層（３）を含み、そして、 該第一樹脂層は、 ｃ）その反対側において光放射を反射する層（４）で覆われており、そして、そ れは、結合層（６）の介在により ｄ）少なくとも該結合層との接触側と反対側の開放された外表面（８）において すべり性を有するところの第二樹脂層（５）に積層されているところのリフレク ター。 ２．剥離箔（１３）が、感圧接着層（９）により、すべり領域（８）上に結合さ れているところの請求項１記載の自己接着性であるリフレクター（１５）。 ３．外側の層（２）が、架橋されたアクリレート樹脂である請求項１記載のリフ レクター。 ４．外側の層（２）が、最大３％の拡散率を持つ請求項１記載の高い光沢を持つ リフレクター。 ５．エンボスされたパターンが、外側の層（２）の表面に 存在する請求項１記載のリフレクター。 ６．反射層（４）が、プラズマスパッタリング技術により付けられた銀層である 請求項１記載のリフレクター。 ７．第一樹脂層（３）が、ポリエステル箔である請求項１記載のリフレクター。 ８．第二樹脂層（５）が、ポリエステル箔である請求項１記載のリフレクター。 ９．フィラー（１４）が、所望のすべり性を与えるために、夫々、第一樹脂層（ ３）及び／又は第二樹脂層（５）中に存在する請求項１記載のリフレクター。 １０．第一樹脂層（３）、第二樹脂層（５）、反射層（４）及び該樹脂層間の結 合層（６）を含み、そして該樹脂層の外側の表面（７、８）がすべり性を有する ところの、請求項１記載のリフレクターを製造するための中間製品としての反射 コアシート（１１）。 １１．剥離箔（１３）が、感圧接着層（９）により、その上に結合されていると ころのコアシート（１１）を含む、請求項２記載の自己接着性のリフレクター（ １５）の製造のための中間製品としての積層されたサブストラクチャー （１１、９、１３）。 １２．請求項１記載の積層リフレクター（１）が、接着層（９）により、その上 に固定されているところの支持体（１０）を含む光放射構造物（１６）。 １３．コアシート（１１）が、接着層（９）によりその上に固定されているとこ ろの支持体（１０）を含む反射構造物（１６）の製造のための積層結合物（１７ ）。 １４．反射コアシート（１１）を製造するための方法において、 ａ）一つの側（７）においてすべり性を有する第一のプラスチック又は樹脂箔（ ３）を、その反対側において反射層（４）で覆うこと、そして次に、 ｂ）すべり性を持つ外側の表面（８）を有する第二樹脂箔（５）上に接着層（６ ）により、上記のように得られた基体（１２）を結合すること の連続段階を含む方法。 １５．太陽エネルギー捕集機において反射構造物（１６）を用いる方法。