JPH09500085A - ガラス繊維組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 次の重量％の成分を特徴とする生物分解性のガラス繊維組成物。

Description

【発明の詳細な説明】 ガラス繊維組成物 本発明は、生物分解性のガラス繊維組成物に関する。 従来技術は、生物分解性と称されるいくつかのガラス繊維組成物を開示してい る。 ガラス繊維組成物の生物分解性は非常に重要であり、理由として種々の研究に おいて、３μｍ未満の程度の非常に小さい直径を有するいくつかのガラス繊維は 発癌性である一方で、そのような直径の生物分解性のガラス繊維は発癌性を示さ ないことを指摘しているためである。 しかしながら、生物分解性だけでなく、ガラス繊維又はそれから製造される製 品の機械的・熱的特性、ガラス繊維の抵抗性、及びガラス繊維の加工性もまた極 めて重要である。例えば、ガラス繊維は断熱目的に広範囲に使用されている。こ れらの用途においては、十分な耐湿性が必要である。 また、ガラス繊維組成物は、例えば遠心技術、特には内側遠心技術（この技術 は、例えば米国特許第４２０３７４５号明細書に開示されている）のような公知 の方法によって、小さい直径を有するガラス繊維を製造する加工が可能でなけれ ばならない。 本発明は、生物分解性を特徴とし、水分に対する良好な安定性と抵抗性を有し 、且つ加工が容易で新規なガラス繊維組成物を提供するといった課題を基本にす る。 本発明は、この課題が、かなりの量のアルカリ酸化物とホウ素酸化物を含有し 、さらにチタン酸化物、ジルコニウム酸化物、亜鉛酸化物、マンガン酸化物、バ リウム酸化物、又はこれら酸化物の２種 以上の混合物を含むガラス繊維組成物によって解決することができるといった発 見に基づくものである。 このようなガラス繊維組成物は必要な特性、即ち、生物分解性、耐湿性、及び 良好な加工性の組み合わせを満足することが分かっている。 本発明の目的は、次の重量％の成分によって特徴づけられる生物分解性のガラ ス繊維組成物である。 ＳｉＯ₂ ５０〜６０ Ａｌ₂Ｏ₃ ２未満 ＣａＯ＋ＭｇＯ １０〜１６ Ｎａ₂Ｏ＋Ｋ₂Ｏ １４〜１９ Ｂ₂Ｏ₃ ７〜１６ ＴｉＯ₂ ０〜４ ＺｒＯ₂ ０〜５ ＺｎＯ ０〜５ ＭｎＯ ０〜４ ＢａＯ ０〜５ ＴｉＯ₂、ＺｒＯ₂、及び １〜６ ＺｎＯ、ＭｎＯ、ＢａＯ Ｆｅ₂Ｏ₃、ＳｒＯ ０〜２ Ｆ、Ｌｉ₂Ｏ ０〜２ Ｐ₂Ｏ₃ ０〜４ 本発明のガラス繊維組成物は、遠心技術によって加工することができる。得ら れる繊維は良好な耐湿性を有する。驚くべきことに、このガラス繊維組成物は生 物分解性を示す。平均の繊維直径は、好ましくは１０μｍ以下であり、特には２ ．５〜５μｍである。 好ましい態様に従うと、本発明のガラス繊維組成物は１〜４重量 ％のチタン酸化物を含む。 もう１つの好ましい態様に従うと、この組成物は１〜４重量％のマンガン酸化 物を含む。 もう１つの好ましい態様に従うと、この組成物は１〜４重量％の亜鉛酸化物を 含む。 もう１つの好ましい態様に従うと、この組成物は０．５〜５重量％、特には０ ．５〜３重量％のジルコニウム酸化物を含む。 もう１つの好ましい態様に従うと、この組成物は０．５〜４重量％のバリウム 酸化物を含む。 中でも、ジルコニウム酸化物、亜鉛酸化物、チタン酸化物、バリウム酸化物、 及びマンガン酸化物の混合酸化物を使用することが好ましく、特にはこれら酸化 物の２種又は３種の混合物である。 好ましい態様は、チタン酸化物又は亜鉛酸化物と混合された１〜４重量％の量 のバリウム酸化物である。 さらに好ましい態様において、亜鉛酸化物にチタン酸化物と随意の追加のジル コニウム酸化物が混合され、それにより、これら成分の各々が１〜３重量％の量 で存在することができる。 さらに好ましい態様は、ジルコニウム酸化物と、亜鉛酸化物、チタン酸化物、 バリウム酸化物、又はマンガン酸化物の混合物であり、これらの成分が０．５〜 ４重量％、特には０．５〜１．５重量％の量で存在する。 ジルコニウム酸化物及び／又はバリウム酸化物を含む組成物は、その組成物が ０．５〜２重量％のフッ素及び／又はリチウム酸化物もまた含む場合に有益であ る。 アルミニウム酸化物は、少なくとも０．１重量％、特には少なくとも０．５重 量％の量で存在することができる。 五酸化リンは生物分解性を高める。組成物は、好ましくは０．１ 〜２重量％のＰ₂Ｏ₅を含む。 さらに好ましい態様に従うと、組成物は２重量％未満のマグネシウム酸化物を 含む。 本発明のガラス繊維組成物の耐湿性は、ＤＧＧ法として知られる標準的な方法 によって測定した。ＤＧＧ法において、約３６０〜４００μｍの粒子サイズまで 微細に粉砕した１０ｇのガラスを、１００ｍｌの沸騰水の中に５時間入れる。そ の物質を急冷した後、溶液を濾過し、ある体積の濾液を蒸発乾燥させる。このよ うにして得られた乾燥物質の重量から、水の中に溶解したガラスの量を計算する ことができる。その量は、試験したガラスの１ｇあたりのｍｇで表す。 本発明のガラス組成物の生物分解性は、前記のＤＧＧ法と同様にし、１ｇのガ ラス粉末を下記の組成と７．４のｐＨを有する生理的溶液に分散させることによ って試験した。 ＮａＣｌ ６．７８ ＮＨ₄Ｃｌ ０．５３５ ＮａＨＣＯ₃ ２．２６８ ＮａＨ₂ＰＯ₄Ｈ₂Ｏ ０．１６６ （Ｎａ₃シトレート）２Ｈ₂Ｏ ０．０５９ グリシン ０．４５０ Ｈ₂ＳＯ₄ ０．０４９ ＣａＣｌ₂ ０．０２２ ＳｃｈｏｌｚｅとＣｏｎｒａｄｔの記載に従った動的試験条件を選択した。流 量は３００ｍｌ／日とした。試験期間は１４日間とした。この結果は、１４日後 の溶液中のＳｉＯ₂％×１００で表した。 次に例を参照しながら本発明をより詳細に説明する。 例 表１と２に示す組成のガラスを溶解させた。 いずれのガラス組成物も遠心技術によって良好に加工することができた。 後ろから２行目はＤＧＧ法によって測定した値を示す。最後の行は、前記の測 定法に従った生物分解性の値を示す。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＡＵ，ＢＲ，ＣＡ，ＣＮ，Ｃ Ｚ，ＦＩ，ＨＵ，ＪＰ，ＫＲ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ ，ＳＩ，ＳＫ，ＵＳ (72)発明者 ホルシュタイン，ボルフガング ドイツ連邦共和国，デー―67744 ホムベ ルク，ヘルダーシュトラーセ ２ (72)発明者 モージェンドル，ステファーヌ フランス国，エフ―60460 プレシー―ス ール―オワス，リュ ガストン ワトー, 21

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．次の重量％の成分を特徴とする生物分解性のガラス繊維組成物。 ＳｉＯ₂ ５０〜６０ Ａｌ₂Ｏ₃ ２未満 ＣａＯ＋ＭｇＯ １０〜１６ Ｎａ₂Ｏ＋Ｋ₂Ｏ １４〜１９ Ｂ₂Ｏ₃ ７〜１６ ＴｉＯ₂ ０〜４ ＺｒＯ₂ ０〜５ ＺｎＯ ０〜５ ＭｎＯ ０〜４ ＢａＯ ０〜５ ＴｉＯ₂、ＺｒＯ₂、及び １〜６ ＺｎＯ、ＭｎＯ、ＢａＯ Ｆｅ₂Ｏ₃、ＳｒＯ ０〜２ Ｆ、Ｌｉ₂Ｏ ０〜２ Ｐ₂Ｏ₃ ０〜４ ２．二酸化チタンの含有率が１〜４重量％であることを特徴とする請求の範囲 第１項に記載のガラス繊維組成物。 ３．マンガン酸化物の含有率が１〜４重量％であることを特徴とする請求の範 囲第１項に記載のガラス繊維組成物。 ４．亜鉛酸化物の含有率が１〜４重量％であることを特徴とする請求の範囲第 １項に記載のガラス繊維組成物。 ５．ジルコニウム酸化物の含有率が０．５〜３重量％であることを特徴とする 請求の範囲第１項に記載のガラス繊維組成物。 ６．バリウム酸化物の含有率が０．５〜４重量％であることを特徴とする請求 の範囲第１項に記載のガラス繊維組成物。 ７．その組成物がジルコニウム酸化物及び／又はバリウム酸化物を含む場合、 ０．５〜２重量％のフッ素及び／又はリチウム酸化物もまた含むことを特徴とす る請求の範囲第１項に記載のガラス繊維組成物。 ８．その組成物が、ジルコニウム酸化物、亜鉛酸化物、チタン酸化物、及び／ 又はマンガン酸化物と混合されたバリウム酸化物を含むことを特徴とする請求の 範囲第１項に記載のガラス繊維組成物。 ９．その組成物が、亜鉛酸化物、チタン酸化物、バリウム酸化物、及び／又は マンガン酸化物と混合されたジルコニウム酸化物を含むことを特徴とする請求の 範囲第１項に記載のガラス繊維組成物。 １０．その組成物が、２重量％未満のマンガン酸化物を含むことを特徴とする 請求の範囲第１項に記載のガラス繊維組成物。