JPH0949822A - 光走査型二次元pH分布測定装置の校正方法 - Google Patents

光走査型二次元pH分布測定装置の校正方法

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JPH0949822A
JPH0949822A JP8141067A JP14106796A JPH0949822A JP H0949822 A JPH0949822 A JP H0949822A JP 8141067 A JP8141067 A JP 8141067A JP 14106796 A JP14106796 A JP 14106796A JP H0949822 A JPH0949822 A JP H0949822A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 幅広いpH範囲で同時に校正を行うことがで
き、しかも再現性よく高精度な測定を可能とする光走査
型二次元pH分布測定装置の校正方法を提供すること。 【解決手段】 等電点電気泳動用ゲルを校正用ゲル21
として光走査型二次元pH分布測定装置の平面的なセン
サ面7に当接させることにより校正を行うようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光走査型二次元
pH分布測定装置の校正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶液のpHを測定する装置における校正
には、pH4、pH7、pH9の緩衝液を用いるのが一
般的である。そして、平面的な電極を有するpH測定装
置の場合、これらの緩衝液の使用に代えて、寒天などの
ゲルに前記緩衝液の成分を入れたpH4、pH7、pH
9の校正ゲル体を用いるようにしている。
【0003】ところで、近年、液体中あるいは物質中に
しみこんだ液体中に溶存している物質のpHを二次元的
に測定する装置の研究・開発が行われ、この二次元pH
分布の測定を行う手法の一つに、LAPS(Light
−AddressablePotentiometri
c Sensor)がある。このLAPSセンサは、近
年、液体中あるいは物質中にしみこんだ液体中に溶存し
ている物質のpHを二次元的に測定するため開発された
ものであり、このようなセンサは、例えば、Jpn.
J.Appl.Phys.Vol.33(1994)p
p L394−L397に記載してあるように、イオン
などに感応するセンサ面を形成した半導体基板を適宜の
光でスキャンし、このスキャンによって、半導体基板中
に誘発された光電流を取り出すことにより測定を行うこ
とができる。
【0004】前記装置のセンサ面を直接計測したい対象
物質に挿入したり接触させることによって溶存物質の濃
度分布を測定する。得られたデータはコンピュータ処理
により、二次元または三次元の濃度分布画像として出力
される。ある時間での濃度分布のみならず、その変化の
様子をリアルタイムに追跡することができる。リアルタ
イムに得られた画像を、目視、CCDカメラなどによっ
て得られた電磁波画像と容易に比較できる。
【0005】なお、この出願の出願人は、上記pHなど
のイオン濃度の二次元分布を測定するのに用いる装置
を、「光走査型デバイス」として平成7年2月4日付け
にて特許出願している(特願平7−39114号)。
【0006】上述の光走査型二次元pH分布測定装置の
場合、大きなゲル体を細分して平坦なセンサ面に配列
し、これをセンサ面上で順次動かすことによって校正を
行うことができるといったことは容易に推察できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高精度
な空間分解能を有する画面となると、各測定点で校正を
行うことはかなりの困難さを伴う。
【0008】この発明は、上述の事柄に留意してなされ
たもので、幅広いpH範囲で同時に校正を行うことがで
き、しかも再現性よく高精度な測定を可能とする光走査
型二次元pH分布測定装置の校正方法(以下、単に校正
方法という)を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の校正方法は、等電点電気泳動用ゲルを校
正用ゲルとして光走査型二次元pH分布測定装置の平面
的なセンサ面に当接させることにより校正を行うように
したことを特徴としている。
【0010】この場合、等電点電気泳動用ゲルに直流電
圧を印加した状態で校正を行ってもよく、また、直流電
圧印加後校正を行うようにしてもよい。
【0011】また、ポリアクリルアミドpHグラディエ
ントゲルを校正用ゲルとして用いてもよい。
【0012】等電点電気泳動法に使用されるゲルは、両
性担体にアクリルアミドや寒天などの支持体で構成さ
れ、ある大きさの直流電界を所定時間印加することによ
り、電極間に、例えばpH3〜11のような値でpH勾
配が形成される。等電点電気泳動法では、このpH勾配
上の試料成分の等電点と等しいpH部分の場所に泳動さ
れる。このpH勾配が形成された状態(電界を印加した
状態または電界の印加を解除し、pH勾配が安定して再
現性のある状態)で、光走査型二次元pH分布測定装置
のセンサ面に載置する。このセンサ面全体のpH応答範
囲を確認するには、pH3〜11の広い範囲において校
正用ゲルを用いればよい。
【0013】また、ポリアクリルアミドpHグラディエ
ントゲルは、電界を印加しなくてもそのままで、例えば
図4(A)に示すようなpH勾配を永久に維持している
ゲルであり、このような一端側から他端側まで特定のp
H勾配を持っているゲルを用いることにより、光走査型
二次元pH分布測定装置を校正することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好ましい実施例
を、図を参照しながら説明する。
【0015】この発明の校正方法を説明する前に、この
校正方法が適用される光走査型二次元pH分布測定装置
の一例について、図1を参照しながら説明する。図1に
おいて、1は測定装置本体で、センサ部2とこれにプロ
ーブ光3を照射するための光照射部4とからなる。
【0016】前記センサ部2は、例えばシリコンなどの
半導体よりなる適宜の大きさ(例えば縦50mm×横5
0mm×厚さ100μm)の基板5の一方の面(図示例
では上面)にSiO2 層6、Si3 4 層7を熱酸化、
CVDなどの手法によって順次形成してなるもので、水
素イオンに応答するように形成されている。8はセンサ
部2のセンサ面(この場合、Si3 4 層7)を含み、
これに臨むようにして設けられるセルで、樹脂材料ある
いは他の適宜の材料よりなり、内部に溶液やゲルなどの
試料9が収容される。そして、CE、REはセル8内の
試料9に接触するようにして設けられる対極、比較電極
で、後述するポテンショスタット13に接続されてい
る。また、OCは半導体基板5に設けられる電流信号取
出し用のオーミック電極で、後述する電流−電圧変換器
14および演算増幅回路15を介してポテンショスタッ
ト13に接続されている。
【0017】そして、10はセンサ部2を二次元方向、
つまり、X方向(図示例では左右方向)とY方向(図示
例では、紙面に垂直な方向)に走査するセンサ部走査装
置で、走査制御装置11からの信号によって制御され
る。
【0018】また、前記光照射部4は、例えばレーザ光
源からなるとともに、半導体基板5の下面側(センサ面
7とは反対側)に設けられており、後述するインターフ
ェイスボード16を介してコンピュータ17の制御信号
によって断続光を発するとともに、センサ部走査装置1
0によって二次元方向に走査されるセンサ部2の半導体
基板5に対して最適なビーム径になるように調整された
プローブ光3を照射するように構成されている。
【0019】12は測定装置本体1を制御するための制
御ボックスであって、半導体基板5に適宜のバイアス電
圧を印加するためのポテンショスタット13、半導体基
板5に形成されたオーミック電極OCから取り出される
電流信号を電圧信号に変換する電流−電圧変換器14、
この電流−電圧変換器14からの信号が入力される演算
増幅回路15、この演算増幅回路15と信号を授受した
り、走査制御装置11や光照射部4に対する制御信号を
出力するインターフェイスボード16などよりなる。
【0020】17は各種の制御や演算を行うとともに、
画像処理機能を有する制御・演算部としてのコンピュー
タ、18は例えばキーボードなどの入力装置、19はカ
ラーディスプレイなどの表示装置、20はメモリ装置で
ある。
【0021】上記構成の光走査型二次元pH分布測定装
置を用いて、溶液の水素イオン濃度(pH)を測定する
場合について説明すると、セル8内に溶液9を入れる。
これにより、センサ面7に溶液9が接する。そして、対
極CEおよび比較電極REを溶液9に浸漬する。
【0022】上記の状態で、半導体基板5に空乏層が発
生するように、ポテンショスタット13からの直流電圧
を比較電極REとオーミック電極OCとの間に印加し
て、半導体基板5に所定のバイアス電圧を印加する。こ
の状態で半導体基板5に対してプローブ光3を一定周期
(例えば、10kHz)で断続的に照射することによっ
て半導体基板5に交流光電流を発生させる。このプロー
ブ光3の断続照射は、コンピュータ17の制御信号がイ
ンターフェイスボード16を介して入力されることによ
って行われる。前記光電流は、半導体基板5の照射点に
対向する点で、センサ面7に接している溶液9における
pHを反映した値であり、その値を測定することによ
り、この部分でのpH値を知ることができる。
【0023】さらに、センサ部走査装置10によって、
センサ部2をX,Y方向に移動させることにより、半導
体基板5にはプローブ光3が二次元方向に走査されるよ
うにして照射され、溶液9における位置信号(X,Y)
と、その場所で観測された交流光電流値により、表示装
置19の画面上にpHを表す二次元画像が表示される。
【0024】なお、上記二次元pH分布測定装置におい
て、比較電極REを省略し、対極CEを介してバイアス
電圧を印加してもよい。但し、比較電極REを設けてい
た場合の方が半導体基板5にバイアス電圧をより安定に
印加することができる。
【0025】そして、上記光走査型二次元pH分布測定
装置において、センサ部2をX,Y方向に移動させるの
に代えて、光照射部4に光照射部走査装置を設け、光照
射部4をX,Y方向に移動させるようにしてもよく、ま
た、光照射部4とセンサ部2との間にプローブ光走査装
置を設け、プローブ光3をX,Y方向に移動させるよう
にしてもよい。
【0026】さらに、上記光走査型二次元pH分布測定
装置においては、光照射部4によるプローブ光3を半導
体基板5のセンサ面7とは反対側から照射するようにし
ていたが、これに代えて、センサ面7側から照射するよ
うにしてもよい。そして、光照射部4として、例えば特
願平7−39114号に示すように、半導体基板5に組
み込まれた光照射部を採用してもよい。
【0027】このように、溶液などにおけるpHの二次
元分布を測定し表示する光走査型二次元濃度分布測定装
置については、この出願人の一人が例えば特願平7−3
9112号、特願平7−39114号、特願平7−32
9837号など多数特許出願している。
【0028】次に、上記構成の光走査型二次元pH分布
測定装置を校正するのに用いる器材を説明すると、図2
において、21はこの発明で用いる校正用ゲルで、この
校正用ゲル21は、例えば、ファルマライト〔Phar
malyte(商品名)、Pharmacia社製〕や
バイオライト〔Bio−Lyte(商品名)、BIO−
RAD社製〕などの等電点泳動用担体を、アクリルアミ
ドゲルやその他のグリセロールなど一般的なゲル調整試
薬成分に混ぜて溶液とし、この溶液を50mm四方のフ
ッ素樹脂製容器22に流し込んで、厚さ0.3〜0.4
mmのゲル体に形成したものである。
【0029】そして、前記校正用ゲル21は、図3
(A)に示すように、電圧を印加してない状態では均一
なpH分布となっているが、同図(B)に示すように、
二つの炭素電極23間に直流電源24Bを接続して、校
正用ゲル21に所定の直流電圧を印加、例えば、100
Vで15分→200Vで15分→450Vで60分とい
うように、電圧の大きさと印加時間を変えるとともに、
高電圧になるに伴って通電する電流を小さくすることに
より、校正用ゲル21にpH勾配が生ずる。同図(B)
中の符号25で示す線は、pHの境界を便宜上示すもの
であり、26はpHエリアである。
【0030】図4(A),(B)は、pH勾配が生じた
校正用ゲル21と、この校正用ゲル21における例えば
左端からの距離とpHとの関係を模式的に表したグラフ
である。
【0031】そして、前記校正用ゲル21に印加する電
界条件を種々変えることにより、上記図3(B)や図4
(A)に示すもののほか、図5(A)に示すような全面
が均一に分布した(単一のpHエリア26しか持たな
い)校正用ゲル21や、同図(B)に示すような複数の
境界25によって縦方向に複数のpHエリア26を有す
る校正用ゲル21や、同図(C)に示すような田の字型
の分布をするものなど適宜作製することができる。
【0032】上記校正用ゲル21は、所定の電圧が印加
されているときに、pH勾配を生ずるものであるので、
その保管時にも所定の電圧を印加できるケースに収容し
ておくことが好ましく、このゲル収容ケースの一例を図
6に示す。すなわち、この図において、27はゲル収容
ケースで、ベース基板28とこの上面に設けられる枠体
29とからなる。
【0033】前記ベース基板28は、例えばポリエチレ
ンテレフタレート(PET)などのように電解質を含有
する溶液中に接触しても十分に高い電気絶縁性を有する
材料から構成され、その上面は、グラフト加工およびシ
ランカップリング剤などによるアンカー処理を施した上
で、Agのような電気良導体を含むペーストを、シルク
スクリーン印刷して付着させることにより、一対(2
個)の電極30が形成されている.そして、電極30の
ベース基板28の一端縁部に位置する基端部分はそのま
までリード部30aとされ、枠体29より内側の部分
は、炭素系材料で被覆され、印加電極部30bに形成さ
れている。
【0034】そして、前記枠体29は、前記PETなど
の絶縁性に優れた材料により構成され、適宜の高分子接
着剤を用いて前記ベース基板28の電極30側に接着さ
れている。
【0035】なお、図6においては、図示してないが、
枠体29の上面を覆うための蓋が開閉自在に設けられて
いる。
【0036】このように構成されたゲル収容ケース27
においては、校正用ゲル21を収容し、二つのリード部
30aに直流電源を接続して所定の電界を校正用ゲル2
1に印加することにより、校正用ゲル21におけるpH
勾配を所定の状態に維持することができるとともに、取
扱いにくい校正用ゲル21を簡単に保管することができ
る。
【0037】次に、上記校正用ゲル21を用いて光走査
型二次元pH分布測定装置を校正する手順の一例を説明
する。 (1)まず、光走査型二次元pH分布測定装置のセンサ
面7の全面校正を行う。ここで、全面校正とは、図5
(A)に示すような全面が均一に分布した(単一のpH
エリア26しか持たない)校正用ゲル21を用いてセン
サ面7のpH応答具合を見ることであり、例えば、pH
7、pH4、pH9の校正用ゲル21を用いて順次行
う。
【0038】この場合、各校正用ゲル21は、上述した
ゲル収容ケース27にそれぞれ収容されているので、こ
れをそれぞれ取り出して、センサ面7に載置するのであ
る。この場合、センサ面7に載置した校正用ゲル21に
所定の直流電圧を印加するようにしてもよく、また、ゲ
ル収容ケース27内において所定の直流電圧を印加した
後直ちにセンサ面7に載置するようにしてもよい。
【0039】上述のように、センサ面7に校正用ゲル2
1を載置したときのセンサ面7のpH応答の具合をコン
ピュータ17の表示装置19に表示されるpH値または
pH値を表す電圧値を目視によって確認する。この全面
校正が終わると、次の分割校正に移行する。
【0040】(2)分割校正とは、例えば図5(B),
(C)や図4(A)に示すように、複数の異なるpHエ
リア26を有する校正用ゲル21を用いてセンサ面7の
pH応答の具合を確認することで、例えば、図7におい
て符号I〜IVに示すように、分布具合の異なる複数の校
正用ゲル21を、前記センサ面7に順次載置して、上記
(1)の場合と同様に校正を行う。
【0041】この分割校正においては、図7において符
号Iと符号IIとでは、同じ校正用ゲル21を向きを変え
ることにより、異なったpH分布となり、センサ面7の
pH応答の再現性を確認することができる。
【0042】上記全面校正と分割校正を行うことによ
り、光走査型二次元pH分布測定装置のセンサ面7の校
正を行うことができる。そして、センサ面7全体のpH
応答範囲を確かめるには、例えば、pH3〜11といっ
た広い範囲のpHを有する校正用ゲル21を用いる。ま
た、光走査型二次元pH分布測定装置の測定対象物が生
物のように中性付近であれば、成分調整を行うことによ
りpH4〜6といった範囲の校正用ゲル21を作製し、
センサ面7内でのpHの調整範囲を適宜設定すればよ
い。
【0043】このように、校正範囲によって、校正用ゲ
ル21の大きさやそのpH範囲あるいは配置変更を適宜
変更することができる。
【0044】ところで、上述の校正用ゲル21として、
スタンダードゲル(標準ゲル)を用いることもできる。
このスタンダードゲルとは、一般にpH勾配の確認のた
めに、等電点の異なる6〜9種類の非変成たんぱく質を
添加したゲルである。この添加物は自然色があるので、
電気泳動によりゲル中の特定のpHで変色する。このよ
うに、スタンダードゲルにおいては、特定のpH値を表
す色線が表れる。そして、このスタンダードゲルは透明
ではなく、着色の線によって校正値を特定することがで
きる。したがって、このようなスタンダードゲルを校正
用ゲル21として用いた場合、前記着色線の一をセンサ
で検出し、校正位置を特定することができ、表示装置1
9の画面上における確認を容易に行うことができる。
【0045】上述の実施例においては、校正用ゲル21
が電圧印加タイプのものであったが、これに代えて、校
正用ゲルとして電圧非印加タイプのものを用いることが
できる。以下、これについて説明する。
【0046】すなわち、アクリルアミド系の重合体の側
鎖に各種の等電点を持つ有機物を結合させたポリアクリ
ルアミドpHグラディエントゲル〔この種のゲルとし
て、例えばファルマシア社のキャリアアンフォライトで
あるイモビライン(immobiline)がある〕
は、電界を印加しなくてもそのままで、例えば図4に示
すようなpH勾配を永久に維持しているゲルであり、こ
のような一端側から他端側まで特定のpH勾配を持って
いるゲルを校正用ゲルとして用いることにより、光走査
型二次元pH分布測定装置を校正することができる。
【0047】図8は、このような電界非印加タイプの校
正用ゲルを収容するケースの一例を示し、この図におい
て、31は例えばPETなどの電気絶縁性に優れたケー
ス本体、32は電界非印加タイプの校正用ゲルである。
【0048】そして、この電界非印加タイプのゲル32
を校正用ゲルとして用いる場合も、上述の実施例のよう
に、全面校正および分割校正を行うようにすればよい。
【0049】また、上記光走査型二次元pH分布測定装
置によって、測定対象物のpH測定を行っている際に、
適宜の大きさの校正用ゲル21をセンサ面7の端部に載
置することにより、測定精度を向上させることができ
る。
【0050】以上説明したように、上述の各実施例によ
れば次のような効果を奏する。 同時に幅広いpH範囲での校正が可能になる。 pH勾配を持つゲルによって再現のよい校正を行う
ことができる。 高分解能の画像表示に狭い範囲のゲルで高分解能の
pH勾配を得ることができる。 同一の校正用ゲルを繰り返し使用でき、校正用ゲル
の向きを適宜変えるなどセンサ面との接触を工夫するこ
とにより、センサ面のpHの再現性を効率よく確認でき
る。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、光走査型二次元pH分布測定装置の校正を幅広いp
H範囲で同時に行うことができ、再現性よく高精度な校
正を迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の校正方法が適用される光走査型二次
元pH分布測定装置の構成例を示す図である。
【図2】前記校正方法で用いる校正用ゲルおよびこれを
製作するのに用いる容器の一例を示す図である。
【図3】前記校正方法で用いる校正用ゲルの一例を示す
図で、(A)は電界を印加してない状態を示す図であ
り、(B)は電界を印加している状態を示す図である。
【図4】(A)はpH勾配が生じた校正用ゲルの一例を
示す図であり、(B)はこの校正用ゲルにおける左端か
らの距離とpHとの関係を模式的に表したグラフであ
る。
【図5】前記校正用ゲルの態様を示す図で、(A)は全
面が均一に分布したもの、(B)は縦方向に複数のpH
エリアを有するもの、(C)は田の字型の分布をするも
のをそれぞれ示している。
【図6】前記校正用ゲルを収容するケースの一例を示す
斜視図である。
【図7】校正手順の一例を示す図である。
【図8】この発明の校正方法で用いる校正用ゲルおよび
これを収容するケースの一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
7…センサ面、21,32…校正用ゲル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田辺 裕貴 京都府京都市南区吉祥院宮の東町2番地 株式会社堀場製作所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 等電点電気泳動用ゲルを校正用ゲルとし
    て光走査型二次元pH分布測定装置の平面的なセンサ面
    に当接させることにより校正を行うようにしたことを特
    徴とする光走査型二次元pH分布測定装置の校正方法。
  2. 【請求項2】 等電点電気泳動用ゲルに直流電界を印加
    した状態でまたは直流電圧印加後校正を行う請求項1に
    記載の光走査型二次元pH分布測定装置の校正方法。
  3. 【請求項3】 ポリアクリルアミドpHグラディエント
    ゲルを校正用ゲルとして光走査型二次元pH分布測定装
    置の平面的なセンサ面に当接させることにより校正を行
    うようにしたことを特徴とする光走査型二次元pH分布
    測定装置の校正方法。
JP14106796A 1995-05-29 1996-05-10 光走査型二次元pH分布測定装置の校正方法 Expired - Fee Related JP3229812B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008065986A1 (fr) * 2006-12-01 2008-06-05 Nec Corporation Procédé de séparation de points isoélectrique et procédé de détermination de gradient de concentration d'ion hydrogène dans le champ de séparation

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008065986A1 (fr) * 2006-12-01 2008-06-05 Nec Corporation Procédé de séparation de points isoélectrique et procédé de détermination de gradient de concentration d'ion hydrogène dans le champ de séparation

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JP3229812B2 (ja) 2001-11-19

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