JPH0948313A - エアバッグカバー - Google Patents

エアバッグカバー

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JPH0948313A
JPH0948313A JP7205657A JP20565795A JPH0948313A JP H0948313 A JPH0948313 A JP H0948313A JP 7205657 A JP7205657 A JP 7205657A JP 20565795 A JP20565795 A JP 20565795A JP H0948313 A JPH0948313 A JP H0948313A
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layer
thermoplastic elastomer
airbag
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樹広 上野
Chiharu Totani
千春 戸谷
Tetsuya Fujii
哲也 藤井
Kenichi Furuta
剣一 古田
Chiho Yamazaki
千穂 山崎
Akiyoshi Nagano
昭義 永野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産性を低下させることなく、破断荷重を低
減でき、また、裏面側の層へのスキン層の接着力を強固
にしなくとも、低温破断時のスキン層の飛散を防止でき
るエアバッグカバーを提供すること。 【解決手段】 エアバッグカバー10は、装飾シート1
2と射出成形により形成される芯材11とからなり、エ
アバッグ2の膨張時に破断する破断予定部16を備え
る。装飾シート12は、外表面側のオレフィン系熱可塑
性エラストマーからなるスキン層13と、芯材11の射
出成形時にスキン層13を保護するためのバリア層15
と、の少なくとも2層を備える。バリア層15と芯材1
1とは、オレフィン系熱可塑製エラストマー若しくはス
チレン系熱可塑性エラストマーから形成される。破断予
定部16は、スキン層13・バリア層15・芯材11に
それぞれに形成される引張強度の低い引張脆弱部63・
62・61から構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エアバッグ装置の折り
畳まれたエアバッグを覆う自動車のインストルメントパ
ネル、ドアトリム、シートバック、ステアリングホイー
ルのパッド等の合成樹脂製のエアバッグカバーに関す
る。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来、この種のエアバッグカ
バーとしては、合成樹脂製の芯材と、芯材の表面側に発
泡層を介在させて配置するスキン層と、を配設させて構
成するものが知られている(特開平4−151345号
公報等参照)。
【0003】そして、スキン層が軟質塩化ビニル製と
し、発泡層がウレタン製とし、芯材が硬質合成樹脂製と
していた。
【0004】さらに、このエアバッグカバーでは、エア
バッグの膨張時に破断する破断予定部として、スキン層
には薄肉部を形成し、芯材には、一部を分離させたよう
な切除部を形成して、構成していた。
【0005】しかしながら、軟質塩化ビニル製のスキン
層であると、エアバッグ膨張時に破断し易いように薄肉
部を形成しても、破断荷重を低減させ難かった。
【0006】この場合、スキン層の破断予定部の部位と
して、薄肉部の肉厚を薄くすることが考えられるが、肉
厚管理が困難となり、生産性が低下してしまう。
【0007】また、軟質塩化ビニル製のスキン層である
と、−30℃といった低温時には、脆化が激しくなっ
て、破断時にスキン層の小片が飛散する虞れが生ずるこ
とから、接着剤を利用して強固に発泡層に接着させなけ
ればならなくなっていた。
【0008】本発明は、上述の課題を解決するものであ
り、生産性を低下させることなく、破断荷重を低減で
き、また、裏面側の層へのスキン層の接着力を強固にし
なくとも低温破断時のスキン層の飛散を防止することが
できるエアバッグカバーを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係るエアバッグ
カバーは、表面側の装飾シートと、該装飾シートの裏面
側に配置されて射出成形により形成される芯材と、から
構成されて、エアバッグの膨張時に破断する破断予定部
を備えたエアバッグカバーであって、前記装飾シート
が、外表面側のオレフィン系熱可塑性エラストマーから
なるスキン層と、該スキン層の裏面側に配置されて、前
記芯材の射出成形時に前記スキン層を保護するためのオ
レフィン系熱可塑製エラストマー若しくはスチレン系熱
可塑性エラストマーからなる前記バリア層と、の少なく
とも2層を備えて構成され、前記芯材が、オレフィン系
熱可塑製エラストマー若しくはスチレン系熱可塑性エラ
ストマーから形成され、前記破断予定部が、前記スキン
層・バリア層・芯材にそれぞれに形成される引張強度の
低い引張脆弱部から構成されていることを特徴とする。
【0010】前記装飾シートとしては、前記スキン層と
前記バリア層との間に発泡層を介在させた3層構造とし
ても良い。
【0011】
【発明の効果】本発明に係るエアバッグカバーは、スキ
ン層が、軟質塩化ビニル製でなく、オレフィン系熱可塑
性エラストマーから形成されており、−30℃の低温で
も脆化がなく、接着剤を利用して裏面側の層へ強固にス
キン層を接着させなくとも、熱融着程度の簡単な接合
で、低温破断時のスキン層の飛散を防止することができ
る。
【0012】また、スキン層の引張脆弱部の肉厚が軟質
塩化ビニル製のものと同じとしても、破断荷重を低減で
き、このことは、逆に、スキン層の引張脆弱部の肉厚を
厚くしても、軟質塩化ビニル製のものと同じ破断荷重を
確保できることとなって、スキン層の肉厚管理が容易と
なり、生産性を向上させることができる。
【0013】なお、本発明に係るエアバッグカバーで
は、芯材を射出成形により形成しているものの、スキン
層は、バリア層で保護されているため、射出成形時にス
キン層の外表面に影響を及ぼすような損傷を防止するこ
とができる。
【0014】また、バリア層と芯材とが、共に、オレフ
ィン系熱可塑性エラストマー若しくはスチレン系熱可塑
性エラストマーからなり、相互に相溶性を有しているた
め、装飾シートを芯材の射出成形型に単にセットして、
キャビティ内に芯材の成形材料を注入すれば、接着剤を
利用することなく、装飾シートと芯材とが強固に接合さ
れて芯材を成形できる。そのため、エアバッグ膨張時
に、破断予定部が破断する際、装飾シートが芯材から剥
れることを防止でき、エアバッグカバーを円滑に破断予
定部で破断させることができる。
【0015】したがって、本発明に係るエアバッグカバ
ーでは、生産性を低下させることなく、破断荷重を低減
でき、また、裏面側の層へのスキン層の接着力を強固に
しなくとも低温破断時のスキン層の飛散を防止すること
ができ、さらに、装飾シートと芯材との剥れも防止でき
ることから、エアバッグ膨張時に円滑に破断させること
ができる。
【0016】そして、装飾シートとして、スキン層とバ
リア層との間に発泡層を介在させれば、エアバッグカバ
ーの感触を良好にすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0018】実施形態のエアバッグカバー10は、図1
〜3に示すように、自動車の内装部材であるインストル
メントパネル(以下、インパネと略す)8の一部として
形成され、インパネ8は、インパネ本体9とエアバッグ
カバー10とで構成されている。
【0019】インパネ本体9は、硬質としたフィラー入
りのポリプロピレンから形成される基材9aと、後述す
る装飾シート12が延設されて基材9aを覆うように配
置される装飾シート9bと、から構成されている。
【0020】エアバッグカバー10は、エアバッグ装置
1の折り畳まれたエアバッグ2の上方を覆う位置に配置
され、芯材11と、芯材11の表面側に配置される装飾
シート12と、から構成されている。
【0021】なお、エアバッグ装置1について説明する
と、エアバッグ装置1は、折り畳まれて収納される袋状
のエアバッグ2と、エアバッグ2に膨張用のガスを供給
するシリンダタイプのインフレーター3と、インフレー
ター3からのガスを拡散させてエアバッグ2内に流入さ
せる筒状のディフューザー4と、エアバッグ2・インフ
レーター3・ディフューザー4の周囲を覆う箱形状のケ
ース5と、を備えて構成されている。
【0022】なお、4aは、インフレーター3からのガ
スをエアバッグ2内へ拡散させて流入させるガス流通孔
であり、4bは、ディフューザー4から複数突設される
ボルトであり、これらのボルト4bは、ナット6止めす
ることにより、ケース5、エアバッグ2、ディフューザ
ー4を一体化するとともに、車両のフレームから突設さ
れるブラケット7にエアバッグ装置1を取付固定するも
のである。
【0023】また、ケース5は、側壁部位が、インナー
パネル5aとアウターパネル5bとの二重構造として構
成され、アウターパネル5bには、切り起こされてイン
ナーパネル5a側に延びる所定数の爪5cが形成されて
いる。これらの爪5cは、後述するブラケット11aを
係止するものである。
【0024】エアバッグカバー10は、上方から見て
「H」字形状に破断予定部16を配置させて、エアバッ
グ2の膨張時に、2つの扉部17・18を開かせるよう
に構成されている。なお、破断予定部16の「H」字の
上下端の間の位置が、扉部17・18が開く際の回転中
心部位としてのヒンジ部19となる。
【0025】そして、芯材11は、射出成形で成形で
き、かつ、ヒンジ部19の破断せずに曲がる性質を確保
するために、オレフィン系熱可塑性エラストマー若しく
はスチレン系熱可塑性エラストマーから形成されてい
る。ちなみに、これらの材質は、基材9aを形成してい
るフィラー入りのポリプロピレンと相溶性を有してお
り、接着剤を利用することなく、芯材11の射出成形時
に基材9aと簡単に接合されることとなる。なお、実施
形態の場合には、芯材11がオレフィン系熱可塑性エラ
ストマーから形成されている。
【0026】また、芯材11には、外周縁の裏面側に、
四角筒形状のブラケット11aが突設され、ブラケット
11aには、エアバッグ装置1のケース5の爪5cを挿
入係止させる取付孔11bが形成されている。このブラ
ケット11aは、破断予定部16や扉部17・18を、
折り畳まれたエアバッグ2の上方位置に、精度良く配置
させるように、エアバッグカバー10の部位をエアバッ
グ装置1のケース5と連結させるために形成されてい
る。
【0027】装飾シート12は、外表面側のオレフィン
系熱可塑性エラストマーからなるスキン層13と、スキ
ン層13の裏面側に配置される発泡層14と、発泡層1
4の裏面側に配置されて芯材11の射出成形時における
スキン層13・発泡層14を保護するための、オレフィ
ン系熱可塑性エラストマー若しくはスチレン系熱可塑性
エラストマーからなるバリア層15と、を備えて、予
め、3層が接着剤を利用することなく熱融着により一体
のシート状となって構成されている。
【0028】実施形態の場合、発泡層14は、発泡ポリ
プロピレンから形成され、バリア層15は、芯材11と
同じオレフィン系熱可塑性エラストマーから形成されて
いる。また、スキン層13の肉厚は、0.7mm、発泡層
14の肉厚は、3.0mm、バリア層15の肉厚は、0.
7mmとしている。
【0029】そして、破断予定部16の部位には、引張
脆弱部とするために、芯材11に凹部61aを形成され
た薄肉の引張脆弱部61が形成され、バリア層15に切
除部62aを形成された引張脆弱部62が形成され、ス
キン層13には、表面側から裏面側に押し伸ばされて中
央に薄肉部63bを配置させて断面略V字状の湾曲部6
3aとした引張脆弱部63が形成されている。
【0030】なお、湾曲部63aは、破断予定部16の
「H」字に沿って、連続的に形成され、凹部61a・切
除部62aは、破断予定部16の「H」字に沿って、連
続的に形成しても良いし、断続的に形成しても良い。実
施形態の場合には、凹部61a・切除部62aは、連続
的に形成されている。
【0031】また、湾曲部63aにおける最小肉厚の薄
肉部63bの肉厚は、実施形態の場合、0.15mmとし
ている。
【0032】このエアバッグカバー10及びインパネ8
の製造について述べると、まず、装飾シート9bの部位
も含めたシート状の装飾シート12を、図4のAに示す
ように、加熱ヒータ20で加熱軟化させた後、図4のB
に示すように、真空成形型21に当てて真空成形して、
インパネ8に埋設可能な所定形状に賦形させる。その
際、真空形成型21の型面21aに形成されている凸部
21bにより、スキン層13が押し伸ばされて、スキン
層13に、引張脆弱部63としての薄肉部63bを有し
た湾曲部63aが形成されることとなる。
【0033】その後、図4のCに示すように、超音波ウ
エルダの加工ホーン22を利用して、バリア層15に切
除部62aを設ける。
【0034】そして、インパネ本体9の基材9aを射出
成形する成形型に、所定形状に賦形させた装飾シート1
2・9をセットして、基材9aを形成し、さらに、エア
バッグカバー10の芯材11の射出成形型にセットし
て、芯材11を成形する。なお、この時、実施形態で
は、バリア層15に切除部62aを設けた後に、芯材1
1を成形しており、発泡層14やスキン層13が、芯材
11の成形時の熱や射出圧で、損傷するのではと考えら
れるが、切除部62aが、その幅を狭くしていることか
ら(0.1〜0.5mm)、装飾シート12の外表面まで
影響を与える程、発泡層14やスキン層13が損傷する
ことはない。
【0035】その後、再度、超音波ウエルダの加工ホー
ンを利用して、凹部61aを形成し、さらに、取付孔1
1bを形成すれば、インパネ8を製造することができ
る。
【0036】ちなみに、凹部61aは、加工ホーンを利
用して形成する他、芯材11の成形型の型面自体に、凸
部を設けておき、成形時に芯材11を形成すると同時に
凹部61aを形成しても良い。
【0037】また、切除部62aや凹部61aを形成す
る場合には、超音波ウエルダを利用する他、加熱したカ
ッタを利用したり、高周波を利用したカッタで、切除部
62aや凹部61aを形成しても良い。
【0038】さらに、インパネ8を製造したならば、車
両に装着した後、エアバッグ装置1と連結させる際に
は、各ボルト4bを利用して一体化したエアバッグ装置
1のケース5におけるインナーパネル5aとアウターパ
ネル5bとの間にブラケット11aを挿入して、各爪5
cを取付孔11bに挿入係止させ、インパネ8にエアバ
ッグ装置1を連結させるとともに、ブラケット7を各ボ
ルト4bにナット6止めし、ブラケット7の他端を図示
しないフレームに固定させれば、インパネ8と連結させ
てエアバッグ装置1を車両に装着することができる。な
お、インパネ8を車両に装着する際、所定の計器等を配
設させることとなる。
【0039】そして、所定時、インフレーター3からの
ガスが吐出されれば、そのガスがディフューザー4のガ
ス流通孔4aを経てエアバッグ2内に流入され、エアバ
ッグ2は、エアバッグカバー10を押し上げることとな
る。その際、エアバッグカバー10は、引張荷重が作用
して、破断予定部16において、芯材11の引張脆弱部
61では、裏面側に設けられた凹部61aの部位に応力
集中が生じて、芯材11が破断し、また、装飾シート1
2のバリア層15の引張脆弱部62では、切除部62a
が設けられて切除されており、かつ、スキン層13の引
張脆弱部63では、断面略V字状の湾曲部63aの中央
に、薄肉部63bが形成されており、引張荷重が作用す
れば、バリア層15の切除部62aが広がるとともに、
スキン層13の断面形状を変化させている薄肉部63b
に応力集中が生じ、その結果、薄肉部63bが破断し、
芯材11と装飾シート12との破断予定部16(引張脆
弱部61・62・63)がそれぞれ破断することとな
る。そのため、エアバッグ2は、エアバッグカバー10
の破断予定部16を破断させ、さらに、エアバッグカバ
ー10のヒンジ部19を回転中心として扉部17・18
を開かせ、大きくインパネ8から突出することとなる。
なお、発泡層14は、引張強度が低いため、芯材11等
の破断する部位で容易に破断することとなる。
【0040】ちなみに、実施形態の場合と、スキン層1
3を軟質塩化ビニル製としたもの(比較例)との破断比
較試験を行なった結果を述べると、つぎのようである。
なお、試験は、スキン層13の薄肉部63bの肉厚を種
々変えて、バリア層15を除いたスキン層13と発泡層
14との2層の装飾シート12だけでJIS2号ダンベ
ルの形状のテストピースを作成し、オートグラフ引張試
験機にて、200mm/min の速度で引っ張って行なっ
た。
【0041】雰囲気温度…常温(23℃)では、 実施形態(薄肉部63bの肉厚が0.15mm)…27N/
10mmで破断 実施形態(薄肉部63bの肉厚が0.25mm)…31N/
10mmで破断 実施形態(薄肉部63bの肉厚が0.30mm)…53N/
10mmで破断 比較例 (薄肉部63bの肉厚が0.15mm)…36N/
10mmで破断 比較例 (薄肉部63bの肉厚が0.20mm)…59N/
10mmで破断 比較例 (薄肉部63bの肉厚が0.25mm)…78N/
10mmで破断 比較例 (薄肉部63bの肉厚が0.30mm)…79N/
10mmで破断 となった。この試験より、実施形態の構造が、スキン層
13の引張脆弱部63の肉厚を厚くしても、破断荷重を
低減できることが理解できる。
【0042】また、スキン層13の単体での引張比較試
験を行なうと、つぎの表1のようになった。なお、引張
比較試験は、薄肉部63bを設けない0.7mmの均一の
肉厚のシートとして、実施形態のオレフィン系熱可塑性
エラストマーのスキン層(TPOスキン)と軟質塩化ビ
ニルのスキン層(PVCスキン)を準備し、さらに、J
IS2号ダンベルの形状のテストピースに形成し、それ
らのテストピースを、恒温槽付きテンシロン引張試験機
にて、200mm/min の速度で引っ張って行なった。
【0043】
【表1】
【0044】この表から解るように、実施形態のもの
は、−30℃の低温時でも、破断伸びが著しく低下せず
に破断しており、脆化が生じていないことが解る。その
ため、発泡層14に対して熱融着程度で簡単に接合させ
ても、低温破断時のスキン層13の飛散を防止できるこ
とが理解できる。
【0045】したがって、上記試験結果からも解るよう
に、実施形態のエアバッグカバー10では、スキン層1
3をオレフィン系熱可塑性エラストマー製としたことに
より、生産性を低下させることなく(不良品の発生率が
高くなり、かつ、肉厚管理が厳格となるようなスキン層
13の肉厚を小さくせずに)、破断荷重を低減でき、ま
た、熱融着程度の簡単な接合で、低温破断時のスキン層
13の飛散を防止することができる。
【0046】さらに、バリア層15と芯材11とが、共
に、オレフィン系熱可塑性エラストマーからなり、相互
に相溶性を有しているため、装飾シート12を芯材11
の射出成形型に単にセットして、キャビティ内に芯材1
1の成形材料を注入すれば、接着剤を利用することな
く、装飾シート12と芯材11とが強固に接合されて芯
材11を成形できる。そのため、エアバッグ2の膨張時
に、破断予定部16が破断する際、装飾シート12が芯
材11から剥れることを防止でき、エアバッグカバー1
0を円滑に破断予定部16で破断させることができ、既
述の発明の効果の欄で述べたと同様な作用・効果を得る
ことができる。
【0047】また、実施形態では、装飾シート12とし
て、スキン層13とバリア層15との間に発泡層14を
介在させていることから、エアバッグカバー10の感触
を良好にすることができる。
【0048】さらに、実施形態の場合、スキン層13・
バリア層15・芯材11がオレフィン系熱可塑性エラス
トマー製であり、発泡層14が発泡ポリプロピレン製、
基材9aがフィラー入りポリプロピレン製として、全
て、ポリプロピレン系で構成されているため、廃棄時
に、インパネ8ごと裁断して溶融させても、リサイクル
が可能となり、省資源的となる。
【0049】なお、実施形態では、装飾シート12と芯
材11とを一体的にする芯材11の射出成形前に、予
め、装飾シート12のバリア層15に切除部62aを形
成したものを示したが、他に、バリア層15に設ける切
除部62aを、芯材11を射出成形して装飾シート12
と一体的にした後に、超音波ウエルダの加工ホーン等を
利用して、芯材11の凹部61aを形成する際、加工ホ
ーン等を深く差し込むように操作して、凹部61aと切
除部62aとを同時に設けても良い。このような加工に
より製造したエアバッグカバー30としては、図5に示
すようになり、芯材11では、引張脆弱部61が切除部
62bとして構成されることとなる。
【0050】また、実施形態では、スキン層13に設け
る引張脆弱部63として、薄肉部63bを配設させた湾
曲部63aにより構成したものを示したが、図6に示す
エアバッグカバー40のように、スキン層13の引張脆
弱部63として、ピンホール若しくはスリット63cを
設けて構成しても良い。
【0051】この破断予定部16の形成は、図7の上段
に示すように、装飾シート12・9bを所定形状に真空
成形により賦形した後、所定位置に多数のピン若しくは
カッタ24を差し通し、断続的にピンホール若しくはス
リット63cを形成する。ついで、インパネ本体9の基
材9aを射出成形する成形型に、シート12・9bをセ
ットし、基材9aを形成する。その後、図7の中段に示
すように、芯材11の射出成形型にセットして、芯材1
1を形成する。そして、図7の下段に示すように、超音
波ウエルダの加工ホーン25を利用して、芯材11とバ
リア層15とに、破断予定部16に沿って連続的若しく
は断続的に、切除部61b・62aを設ければ、破断予
定部16を形成することができる。
【0052】このエアバッグカバー40でも、既述の実
施形態と同様な作用・効果を得ることができる。
【0053】さらに、ピン若しくはカッタ24を利用し
て、スキン層13にピンホール若しくはスリット63c
を設ける場合には、図8に示すエアバッグカバー50の
ようにしても良い。
【0054】このエアバッグカバー50では、装飾シー
ト12の所定位置にピン若しくはカッタ24を利用し
て、ピンホール若しくはスリット63cを設けた後、バ
リア層15に切除部62aを設け、芯材11の成形時に
型面により、若しくは芯材11の成形後に加工治具を利
用し、芯材11に凹部61aを設けて、引張脆弱部61
・62・63からなる破断予定部16を形成したもので
あり、既述の実施形態と同様な作用・効果を得ることが
できる。
【0055】さらに、実施形態のエアバッグカバー10
では、折り畳まれたエアバッグ2の上方に適確に破断予
定部16や扉部17・18を配置させるために、エアバ
ッグ装置1のケース5と連結させるブラケット11aを
芯材11に設けた場合を示したが、精度良く、エアバッ
グ2の上方にエアバッグカバーが配置されれば、図9に
示すエアバッグカバー60のように、ケース5に連結さ
せるブラケットを設けなくとも良い。
【0056】さらにまた、図9に示すエアバッグカバー
60のように、装飾シート12として、発泡層を設けず
に、オレフィン系熱可塑製エラストマー製のスキン層1
4と、オレフィン系熱可塑性エラストマー製若しくはス
チレン系熱可塑性エラストマー製のバリア層15と、の
相互に熱融着させた2層構造のものとしても良い。ちな
みに、この場合の破断予定部16を構成する引張脆弱部
は、芯材11に設けた切除部61bからなる引張脆弱部
61と、バリア層15に設けた切除部62aからなる引
張脆弱部62と、スキン層13に設けた薄肉部63bか
らなる引張脆弱部63と、から構成され、これらの引張
脆弱部61・62・63は、芯材11の射出成形後に、
超音波ウエルダの加工ホーンを利用して、芯材11・バ
リア層15を経て、スキン層13の一部に達するまで、
連続的若しくは断続的に、凹部64を設ければ、形成す
ることができる。なお、エアバッグカバー60の装飾シ
ート12では、スキン層13の薄肉部63bを除いた部
位の肉厚を0.4mm、薄肉部63bの肉厚を0.3mm、
バリア層15の肉厚を0.8mmとしている。
【0057】さらにまた、各実施形態では、エアバッグ
カバー10・30・40・50・60として、インパネ
8に利用されるものを示したが、インパネ以外のエアバ
ッグ装置のエアバッグを覆うように配置される内装部材
としてのドアトリム・シートバックやステアリングホイ
ールのパッド等に本発明を利用することができる。そし
て、内装部材に利用する場合には、エアバッグカバーを
ポリプロピレン系で形成し、また、エアバッグカバー部
位以外のインパネ本体9等の内装部材本体を、フィラー
等を適宜混入したポリプロピレンから形成すれば、既述
したように、リサイクルが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のエアバッグカバーの拡大
断面図である。
【図2】同エアバッグカバーの斜視図である。
【図3】同エアバッグカバーの使用態様を示す断面図で
ある。
【図4】同実施形態の製造工程を示す図である。
【図5】同実施形態のエアバッグカバーの変形例を示す
断面図である。
【図6】同実施形態のエアバッグカバーの他の変形例を
示す断面図である。
【図7】図6に示すエアバッグカバーの製造工程を示す
図である。
【図8】同実施形態のエアバッグカバーの他の変形例を
示す断面図である。
【図9】他の実施形態のエアバッグカバーの使用態様を
示す断面図である。
【符号の説明】
1…エアバッグ装置、 2…エアバッグ、 10・30・40・50・60…エアバッグカバー、 11…芯材、 12…装飾シート、 13…スキン層、 14…発泡層、 15…バリア層、 16…破断予定部、 61…引張脆弱部、 62…引張脆弱部、 63…引張脆弱部。
【手続補正書】
【提出日】平成7年8月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 哲也 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 古田 剣一 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 山崎 千穂 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 永野 昭義 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面側の装飾シートと、該装飾シートの
    裏面側に配置されて射出成形により形成される芯材と、
    から構成されて、エアバッグの膨張時に破断する破断予
    定部を備えたエアバッグカバーであって、 前記装飾シートが、外表面側のオレフィン系熱可塑性エ
    ラストマーからなるスキン層と、該スキン層の裏面側に
    配置されて、前記芯材の射出成形時に前記スキン層を保
    護するためのオレフィン系熱可塑製エラストマー若しく
    はスチレン系熱可塑性エラストマーからなる前記バリア
    層と、の少なくとも2層を備えて構成され、 前記芯材が、オレフィン系熱可塑製エラストマー若しく
    はスチレン系熱可塑性エラストマーから形成され、 前記破断予定部が、前記スキン層・バリア層・芯材にそ
    れぞれに形成される引張強度の低い引張脆弱部から構成
    されていることを特徴とするエアバッグカバー。
  2. 【請求項2】 前記装飾シートが、前記スキン層と前記
    バリア層との間に発泡層を介在させた3層構造としてい
    ることを特徴とするエアバッグカバー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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