JPH0948105A - 孔版印刷版およびその製造方法 - Google Patents

孔版印刷版およびその製造方法

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JPH0948105A
JPH0948105A JP22265595A JP22265595A JPH0948105A JP H0948105 A JPH0948105 A JP H0948105A JP 22265595 A JP22265595 A JP 22265595A JP 22265595 A JP22265595 A JP 22265595A JP H0948105 A JPH0948105 A JP H0948105A
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printing plate
stencil printing
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ink
plate material
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JP22265595A
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Masaaki Kafuku
公明 加福
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 デジタル製版が可能で且つ現像工程を必要と
せず、しかも、高品質の印刷物を多数枚印刷することが
可能な孔版印刷版およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 多孔質または粒子状形態を備えた孔版印
刷版材料層に、所定の版パターンでインクを浸透させた
目止め部分を有するように構成する孔版印刷版。多孔質
または粒子状形態を備えた孔版印刷版材料層に所定の版
パターンを形成する工程と、当該版パターンを定着させ
る工程とを含むように構成する孔版印刷版の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット方
式または熱転写方式を利用することにより所定パターン
の描画を行い得られる孔版印刷版およびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ワープロ、パソコン等の普及に伴
い、その出力として、発熱素子を用いた感熱転写方式、
トナー方式などの感熱記録方式が広く一般に知られてい
る。また、多数枚の出力を得る場合、印刷原稿(版下)
を、ワープロ、パソコン等で文書編集することによって
作成するDTP(ディスク・トップ・パブリッシング)
システムが進歩し、その出力にレーザープリンター等が
広く用いられている。
【0003】また、版下を作成せずに簡便に印刷するこ
とが出来る方式として、感熱性孔版印刷システムを用い
ることによって、オフィス内で用いられる印刷物や刊行
物等をオフィス内部で原稿作成から印刷まで行なえるシ
ステムが確立しつつある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、感熱記
録方式によるプリンターによって、同一の出力を多数枚
を必要とする場合には、高価なインクリボンやトナーの
消費量が大きくなり、多大のコストと長時間を要するの
で、好ましい印刷システムとは言い難い。
【0005】また、オフィスや文教機関内等でDTPシ
ステムを用いて、版下を作成し、それを軽オフセット印
刷等、外部委託して印刷する場合においては、数万枚以
上の大量印刷ではコストは軽微であるものの、社内印刷
やチラシ、ビラ等で最も要求される数十枚から数千枚程
度の印刷枚数では、必ずしもコスト及び時間の点では軽
微とは言い難い。
【0006】また、社内等で刷版機及び印刷機等を購入
して印刷すれば、ランニングコストの面ではメリットが
あるものの、装置導入費用や設置スペース等を考慮した
場合の経費や、オペレーティングの繁雑さを考慮した場
合、好ましい形態とは言えない。
【0007】また、版下を用いないで、ダイレクトに刷
版し、且つ印刷する一体型の感熱性孔版プリンターが出
現し、普及しつつあるものの、その簡便さや、低ランニ
ングコストの点では歓迎されるものの、印刷画質や、裏
抜け、裏移り等の印刷品質の点では全く満足されるもの
ではないのが現状である。
【0008】本発明は、このような実情のもとに創案さ
れたものであり、その目的は、デジタル製版が可能で且
つ現像工程を必要とせず、しかも高品質の印刷物を多数
枚印刷することが可能な孔版印刷版およびその製造方法
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために、本発明の孔版印刷版は、多孔質または粒子状
形態を備えた孔版印刷版材料層に、所定の版パターンで
インクを浸透させた目止め部分を有するように構成され
る。
【0010】また、本発明の孔版印刷版の製造方法は、
多孔質または粒子状形態を備えた孔版印刷版材料層に所
定の版パターンを形成する工程と、当該版パターンを定
着させる工程とを含むように構成される。
【0011】また、本発明の好適な態様として、版パタ
ーンを形成する工程は、インクジェット用インクを孔版
印刷版材料層の中に浸透せしめてなるものであって、当
該インクジェット用インクは、固体からなる熱溶融性物
質または高粘度液体からなる熱溶融性物質を、一旦、加
熱溶融して低粘度液体として射出されるように行われ
る。
【0012】また、本発明の好適な態様として、版パタ
ーンを形成させる工程は、所定の温度で液化され流動性
を発現する材料を転写することにより行われる。
【0013】また、本発明の好適な態様として、版パタ
ーンを定着させる工程は、版パターン形成中または版パ
ターン形成後に加熱処理してなるように構成される。
【0014】また、本発明の好適な態様として、版パタ
ーンを定着させる工程は、加熱処理後に、光または電子
線照射してなるように構成される。
【0015】このような本発明によれば、いわゆるイン
クジェット方式または熱転写方式を用いて孔版印刷版材
料層に形成されたインクパターンは、そのものを構成す
るインクが加熱によって粘度の低下をおこして孔版印刷
版材料層中の空隙内に取り込まれ、冷却されると同時に
固化される。従って従来のワックス、熱可塑性樹脂を転
写した版に見られるような転写部が突出した形状とはな
らず、ほとんど平面状で一体化された形状となるため
に、機械的強度不足による印刷中の転写部の剥離、尾引
き等は生じ難く、耐刷性に優れた印刷版が得られ、ま
た、使用材料のロスという問題もなくコストの低減が図
れる。
【0016】
【発明の実施の形態】まず最初に、本発明の孔版印刷版
の製造に用いられる孔版印刷版材料について説明する。
【0017】孔版印刷版材料は、例えば、図1に示され
るような多孔質または粒子状形態を備えた孔版印刷版材
料層20から構成される。孔版印刷版材料層20を多孔
質または粒子状形態に構成するためには、次のような手
段をとればよい。すなわち、少なくとも表面が無機お
よび/または有機の粒子と、結着剤樹脂とを主成分とし
て含有せしめて孔版印刷版材料層20を構成したり、あ
るいは多孔質の樹脂を主成分として孔版印刷版材料層
20を構成したりする。
【0018】孔版印刷版材料層20に含有される無機粒
子としては、ゼオライト、アルミナゾル、酸化チタン、
酸化亜鉛、クレー、ケイ素土、炭酸マグネシウム、硫酸
マグネシウム、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウ
ム、コロイダルシリカ、硫酸亜鉛、水酸化マグネシウ
ム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、珪酸白土、シ
ラスバルーン、リトポン、炭酸バリウム、金属酸化物、
金属粉等があげられる。これらの中でも特に、本発明に
は平均粒径30μm以下、特に、0.01〜30μmの
コロイダルシリカ、アルミナゾル、酸化チタン、および
酸化亜鉛が好適である。この平均粒径が30μmを超え
ると、印刷版としての解像力が低下し、得られる印刷物
の品質が不十分となるという不都合が生じ、またこの平
均粒径が0.01μm未満となると、印刷時にインキの
浸透が困難になるという不都合が生じる。
【0019】有機粒子は、その表面が無機顔料で被覆さ
れた粒子とそうでないものとがある。前者の無機顔料で
被覆された有機粒子は、コーティング法(表面修飾
法)、ヘテロ凝集法、高速気流中衝撃処理によって得る
ことができる。
【0020】コーティング法は、例えば、有機粒子の表
面上の水酸基と金属アルコキシドを先ず優先的に反応さ
せた後、水を加えて加水分解して有機粒子表面に被着さ
せる方法が一例として挙げられ、他にメタクリロキシシ
ランのような無機成分と有機成分を結合させる成分を添
加することによって、官能基を有しない有機粒子を無機
顔料で被覆してもよい。
【0021】ヘテロ凝集法は、粒子の表面電荷の符号や
粒子の大きさが違うと異粒子間の相互作用のエネルギー
が異なることを利用するもので、異粒子の表面電荷をあ
らかじめ正と負に調整したのち、静電引力により均一に
凝集させる方法である。
【0022】高速気流中衝撃処理は、大粒子表面に小粒
子を固定化(埋め込み)させる方法で、より具体的に
は、(1)奈良機械製作所のハイブリダイゼーション、
(2)川崎重工業のコスモシステム、(3)ホソカワミ
クロンのメカノフュージョン、(4)岡田精工のメカノ
ミル、(5)徳寿工作所のシータ・コンポーザ等の装置
を用いて行われる。
【0023】有機粒子(その表面が無機顔料で被覆され
ていないもの)は、用いる有機粒子の大きさおよび材料
によってその重合方法は異なるが一般的には、以下に示
すような分散重合、ソープフリー乳化重合、乳化重合、
シード重合、ミクロゲル重合、または逆ミセル重合等の
重合法および乳化分散によって得ることができる。
【0024】分散重合は、分散剤として両親媒性ポリマ
ー存在下で重合により粒子を生成する重合法である。
【0025】ソープフリー乳化重合は、イオン性重合開
始剤とモノマーから形成される水溶性で界面活性を有す
るオリゴマーが重合場と分散安定性を提供し乳化剤を用
いない重合法である。
【0026】乳化重合は、不均一系重合の一種であり、
モノマーの乳濁液を出発系としてポリマー微粒子の分散
液を作成する重合法で、典型的な乳化重合系はモノマ
ー、乳化剤、水溶性重合開始剤、水とからなる。ミクロ
ゲル重合および逆ミセル重合も乳化剤を使用する重合法
である。
【0027】シード重合は、粒子の生成過程を二分して
行う方法で核形成過程と成長過程からなる。核形成過程
は乳化重合プロセスと全く同じで、成長過程では核形成
過程で生成された粒子をシード粒子に用い、乳化剤濃度
を臨界ミセル濃度以下に保ち重合を行う方法である。
【0028】乳化分散は水に不溶の高分子を有機溶媒に
溶解しこれを高分子分散剤を用いて乳化分散し、溶媒を
除去することにより粒子を得る分散法である。
【0029】上述してきたような無機粒子、有機粒子、
および表面が無機で覆われている有機粒子等は、孔版印
刷版材料層20中に含有される結着剤樹脂によって結着
され、その結果、孔版印刷版材料層20の多孔質または
粒子状形態が形成される。なお、上記粒子の孔版印刷版
材料層20中の含有率は、40〜95wt%、特に、6
0〜90wt%が好ましい。
【0030】結着剤樹脂としては、水に対して水溶性の
ものが用いられる。
【0031】より具体的には、水酸基の残っているブチ
ラール樹脂、デンプンやその変性物、PVA(ポリビニ
ルアルコール)やアセトアセチル化合物などの変性物、
SBRラテックス、NBRラテックス、ヒドロキシセル
ロース、ポリビニルピロリドン、カゼイン、メチルセル
ロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、ポリアクリル酸ソーダ、アルギン酸ソー
ダ、アラビヤゴム、酢酸セルロースのアルカリケン化
物、エチレン−ビニルアルコール共重合体、カゼイン等
水溶性樹脂をメラミン架橋したもの、親水性モノマーを
含有する(メタ)アクリル系共重合体、特公昭59−1
74394号記載の親水性バインダー、スチレン無水マ
レイン酸共重合体、メチルビニルエーテル無水マレイン
酸共重合体等があげられる。
【0032】このような結着剤樹脂には耐水化剤を併用
する。併用する耐水化剤は、メラミンホルムアルデヒド
初期縮合物、尿素ホルムアルデヒド樹脂、変性ポリアミ
ドホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポ
リアミド樹脂、炭酸ジルコニウムアンモニウム、ピロア
ンチモン酸カリウム、硫酸アルミニウム、有機チタンキ
レートおよびグリオキザール等の架橋剤がある。
【0033】多孔質を形成するために用いられる親水性
樹脂としては、上記結着剤樹脂に使用されているものが
利用できる。親水性樹脂を多孔質に形成する場合には、
前記無機ないし有機の粒子は併用しても、しなくてもよ
い。
【0034】親水性樹脂の多孔質体を得る方法として
(1)可溶性物質の微粉末を高分子材料に分散させ、高
分子材料がゲル化してから適当な溶剤で可溶性物質を溶
出させて多孔体とする方法、(2)スピノダル分解をお
こす高分子材料を混合し、分解後適当な溶剤で可溶性物
質を溶出させて多孔体とする方法、(3)樹脂の融点よ
り高い分解温度をもつ発泡剤を用いて、最初に発泡剤の
分解温度以下で発泡させる方法、(4)蒸発型溶剤を樹
脂あるいは樹脂合成時の原料段階で添加混合しておき、
加熱や樹脂合成時の反応熱を利用して溶剤を気散発泡さ
せる方法等が挙げられる。
【0035】上記のごとく組成物を含有する孔版印刷版
材料層20は、平均径0.3〜30μm、より好ましく
は、1〜25μmの空隙を備えることが好ましい。この
値が30μmを越えると、印刷版としての解像力が低下
し、得られる印刷物の品質が不十分となるという不都合
が生じ、またこの値が0.3μm未満となると、印刷時
にインキの浸透が困難になるという不都合が生じる。
【0036】このような孔版印刷版材料層20の厚さ
は、通常、5〜200μm程度とされる。
【0037】このような孔版印刷版材料層20に向け
て、インクジェット方式によりインクジェット用インク
が所定の版パターンに射出されるか、あるいは熱転写方
式によって転写材料が所定の版パターンに熱転写されて
孔版印刷版が形成される。
【0038】最初にインクジェット方式により所定の版
パターンを作製する場合について説明する。
【0039】この場合、用いられるインクジェット用イ
ンク(以下、単に『インク材料』と称す)は、常温で、
固体からなる熱溶融性物質または高粘度液体からなる熱
溶融性物質であり、一旦、加熱溶融して低粘度液体とし
て射出されるものである。つまり、所定の温度、好適に
は35〜180℃で容易に軟化または溶融する熱溶融性
物質としてのバインダーを含んでいる。
【0040】このようなバインダー(熱溶融性物質)と
しては、従来より、インクジェット用熱溶融性インクと
して用いられている公知のものを使用することができ
る。例えば、熱可塑性樹脂、天然樹脂、ワックス、ゴム
類、高級脂肪酸、脂肪族アルコール、高級脂肪酸エステ
ルを含む脂肪酸エステル、アミド類、ラクトン類、ラク
タム類、芳香族アルコール類、エーテル類等が用いられ
る。
【0041】より具体的には、例えば、鯨ロウ、カルナ
バワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ミツロ
ウ、モンタンワックス、ラノリン等の天然ワックス、パ
ラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、エ
ステルワックス、酸化ワックス、低分子量ポリエチレン
ワックス、塩化パラフィン等の合成ワックス、ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、フロ
メン酸、ベヘニン酸等の高級脂肪酸、ステアリルアルコ
ール、ベヘニンアルコール等の脂肪酸アルコール類、シ
ョ糖の脂肪酸エステル、スルビタンの脂肪酸エステル等
の脂肪酸エステル類、ステアリンアミド、オレインアミ
ド等のアミド類、ラクトン類、ラクタム類、芳香族アル
コール類、エーテル類、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニ
リデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル等のビニル系樹
脂、塩化ビニル−ポリ酢酸ビニル共重合体、エチレン−
アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジ
エン−アクリロニトリル共重合体、エチレン−α−オレ
フィン共重合体エラストマー、エチレン−酢酸ビニル共
重合体ケン化物等の共重合体、エチルセルロース、セル
ロースアセテート等のセルロース系樹脂、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、酸変性ポリオレフィン、ポリスチ
レン、ポリビニルブチラール、ポリアクリロニトリル、
ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリア
セタール、ポリメチルメタクリレート、ポリフェニレン
オキシド、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブタジエンテレフタレート等の熱可塑性樹脂、
合成ゴム、塩化ゴム、天然ゴム、その他、エポキシ系樹
脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、石油系樹
脂、フェノール系樹脂、ポリエチレン系ワックス、モン
タン系ワックス、フィッシャトロプシュワックス、油類
系ワックス等があり、これらの物質を適宜混合してもよ
い。このようなバインダーは、インク材料中に、通常1
0〜70wt%程度の割合で含有される。
【0042】このようなインク材料中には、硬化性組成
物、すなわち、エネルギー線により硬化する硬化成分
(硬化性モノマーまたはオリゴマー)を含有することが
好ましい。エネルギー線とは、電子線、紫外線および熱
線等をいう。エネルギー線により硬化する硬化性成分と
しては、硬化性モノマーまたはオリゴマーなどを用いる
が、さらに具体的には光(紫外線)または電子線などで
硬化する性質を有する硬化材料、熱で硬化する性質を有
する熱硬化性材料を用いることができる。
【0043】光または電子線硬化性組成物としては、公
知の光・電子線材料が全て使用できる。たとえば、ネガ
型ジアゾ樹脂、アジド化合物とアジド化合物の光分解物
で架橋できる官能基を有する樹脂からなる光分解架橋性
感光材、桂皮酸型感光性樹脂、光・電子線重合性組成物
等が挙げられる。
【0044】この中で特に好ましいものは光・電子線重
合組成物である。このような光・電子線重合性組成物
は、インク材料中に、通常30〜90wt%程度の割合
で含有される。
【0045】光・電子線重合性組成物の具体例として
は、紫外線などの光で重合する光・電子線重合性モノマ
ーまたはオリゴマーと光重合開始剤の組成物である。こ
こで、電子線で重合する重合性モノマー、オリゴマーを
使用する場合は、光重合開始剤がなくてもよい。
【0046】光・電子線重合性モノマーまたはオリゴマ
ーとしては、多塩基酸と2価アルコールの結合で得られ
るエステルにアクリル酸またはメタアクリル酸を導入し
たエステルアクリレート、アルキレンオキサイドと多価
アルコールの結合で得られるエーテルにアクリル酸また
はメタアクリル酸を導入したエーテルアクリレート、エ
ポキシ樹脂にアクリル酸またはメタアクリル酸を導入し
たエポキシアクリレート、ウレタン結合をもったウレタ
ンアクリレート、アミノ樹脂アクリレート、アクリル樹
脂アクリレート、アルキッド樹脂アクリレート、スピラ
ン樹脂アクリレート、シリコーン樹脂アクリレート、不
飽和ポリエステルと前記光・電子線重合性モノマーの反
応生成物およびワックス類と前記重合性モノマーの反応
生成物等が用いられる。
【0047】また、ラジカル重合の光重合開始剤として
は芳香族ケトン類、過酸化物、ヨードニウム塩、アルキ
ルほう酸塩、鉄−アレーン錯体、ビスイミダゾール類、
チタノセン、その他の開始剤が用いられる。また、生成
ラジカルは大気中の酸素分子と結合して反応性が悪くな
ることから、3級アルキルアミン、ポリエーテル、アリ
ル基の構造が前記光・電子線重合性モノマー中に導入さ
れたものが好ましい。カチオン重合の光重合開始剤とし
てはジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリ
アリールスルホニウム塩、トリアリールセレノニウム
塩、シラノール/アルミニウム錯体、スルホン酸エステ
ルおよびイミドスルホネート類等が用いられる。光・電
子線重合性組成物の成分として、その他必要に応じて、
反応性希釈剤、連鎖移動剤、熱重合禁止剤等が用いられ
る。
【0048】熱硬化性材料としては、公知の樹脂と架橋
剤との組み合わせで使用できる。具体的には、メラミン
樹脂、水酸基含有ポリマー/メラミン樹脂、エポキシ樹
脂/レゾール型樹脂、エポキシ樹脂/アミン類、エポキ
シ樹脂/カルボン酸または酸無水物、エポキシ化合物/
等が用いられる。
【0049】熱硬化性材料および光・電子線重合性材料
は、併用してもよい。
【0050】前記『インク材料』中のバインダーの熱溶
融物質の成分としては、前述したように(固体のものに
代え)高粘度の液体状態の熱溶融物質を用いてもよい。
熱溶融物質を高粘度液体状態で用いる理由は、熱溶融物
質の中には、溶融温度近傍で分解が始まるものもあり、
適当な温度範囲内で低粘度化するために有効だからであ
る。しかし、溶剤量を増し、低粘度化したインクでは熱
溶融物質の割合が少なくなり、印刷版としての必要な性
能を所定量のインクで得ることは困難である。この場合
には、常温で液体の有機溶媒、例えば、1−ヘキサノー
ル、1−ヘプタノール、1−オクタノールなどのアルコ
ール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、
トリエチレングリコールなどの多価アルコール、その他
グリコールエステル類、ケトン類、ケトアルコール類、
アミド類、エーテル類、エステル類などの物質を含有さ
せてもよい。ただし、熱溶融物質が高粘度液体状態を維
持できるように前記有機溶剤の添加量は、熱溶融物質に
対して1〜30重量%とすることが必要である。
【0051】以上の他に、『インク材料』の成分とし
て、酸化防止剤、分散剤などの各種添加剤および転写さ
れたパターンの視認性を高めるためにカラーインデック
スに記載されているような色材で耐熱性があり、硬化性
を阻害しないものであれば使用することができる。一般
に直接染料、酸性染料、反応性染料および顔料などが好
ましく使用できる。具体例としては、パーマネントカー
ミン、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブル
ー、カーボンブラックなどが挙げられる。
【0052】次いで、熱転写方式によって所定の版パタ
ーンを作製する場合について説明する。
【0053】転写される材料は、所定の温度で液化され
流動性を発現する材料が用いられる。具体的には上記の
『インク材料』と同様な材料が用いられるが、熱転写の
場合、上記インク材料が基材上に塗布されたものが転写
用媒体として用いられる。
【0054】基材としては、透明プラスチックフィル
ム、セロハン、薄手の紙等を適用させることが出来る。
【0055】これらの中でも特にポリエステル等の薄手
の透明なプラスチックフィルムが好ましく、より具体的
には、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、スチレン−アクリロニト
リル共重合体、ポリビニルクロライド、ポリカーボネー
ト、ビニリデンクロライド等があげられる。このような
基材の厚さは、通常、3〜300μm程度とされる。
【0056】また、熱転写のインク材料中には、さら
に、吸熱または光−熱変換材料が含有される。これらの
材料はインク材料を、熱により容易に液化させことがで
きるように用いられる。
【0057】吸熱または光−熱変換材料としては、通常
各種の顔料、染料および色素が用いられる。好適な例と
しては、カーボンブラック、活性炭、硫化カドミウム、
硫黄、硫化亜鉛、スルホセレン化カドミウム、黄鉛、モ
リブデン赤、弁柄、フタロシアニンブルー、クリスタル
バイオレット、シアニン系色素、IR吸収色素等があげ
られる。
【0058】このような吸熱または光−熱変換材料は、
通常、0.1〜5wt%程度含有される。
【0059】次に、このような孔版印刷版材料(孔版印
刷版材料層20)を用いた孔版印刷版の製造方法につい
て説明する。本発明の孔版印刷版の製造方法は、多孔質
または粒子状形態を備えた孔版印刷版材料層20に所定
の版パターンを形成する工程と、当該版パターンを定着
させる工程とを含んで構成される。
【0060】まず、最初に、インクジェット方式の場合
について説明する。
【0061】最初に、孔版印刷版材料層20に向けて版
パターンを形成するようにインクジェット用インクを射
出させる(版パターンを形成する工程)。そして、この
版パターン形成中または版パターン形成後に、加熱処理
を行う(版パターンを定着させる工程)。加熱処理条件
は、用いるインクジェット用インクの物性によっても異
なるが、通常、温度70〜180℃、所要時間1〜60
分、程度の条件で行われる。この加熱処理によって、イ
ンクの粘度の低下が起こり、インクが孔版印刷版材料層
20の空隙内に熱溶融拡散によって取り込まれる。この
際、従来のワックス、熱可塑性樹脂を転写した版に見ら
れるような転写部が突出した形状とはならず、ほとんど
平面状で一体化された形状となる。この場合の孔版印刷
版材料層20中への熱溶融拡散は、孔版印刷版材料層2
0が多孔質または粒子状形態をなしているために容易に
行える。このような作用によって、いわゆる所定パター
ンの目止め作用が働き、印刷時に印刷インキの通る部分
と通らない部分とができる。つまり本発明の孔版印刷版
は、多孔質または粒子状形態を備えた孔版印刷版材料層
20に、所定の版パターンでインクを浸透させた目止め
部分を有する構成となっている。
【0062】なお、インクジェット用インクは、前述し
たように、常温で固体からなる熱溶融性物質または高粘
度液体からなる熱溶融性物質を、一旦、加熱溶融して低
粘度液体として射出される。
【0063】このような加熱処理後に、光または電子線
照射処理を行うことは好適な態様である。形成された版
パターンをより強固にするためである。なお、光または
電子線照射処理条件は、通常、使用されている条件のな
かで適宜選定して行えばよく、特に制限はない。
【0064】次に、熱転写方式の場合について、図2を
参照しつつ説明する。
【0065】熱転写方式の場合、図2(a)に示される
ように熱転写媒体7の転写材料60は別の基材50に塗
布されており、孔版印刷版材料層20の表面と密着させ
られ、所定パターンに熱または光が加えられる(図の場
合は、レーザが例示されている)。すると、転写材料6
0は軟化溶融し孔版印刷版材料層20中に熱溶融拡散
し、目止め部分21が形成される(図2(b))。なお
符号61は転写材料の消失部を示している。
【0066】ついで、転写媒体7を剥離し(図2
(c))、光(特に、紫外線(UV))または電子線を
照射させて、あるいは加熱処理することによって硬化さ
せ、本発明の孔版印刷版を得る(図2(d))。なお、
光(特に、紫外線(UV))または電子線の照射による
硬化処理と、加熱による硬化処理とは併用してもよい。
【0067】以上説明してきた製造方法からも分かるよ
うに、本発明の孔版印刷版においては、版パターンに対
応して前記インクジェット用インクまたは(熱)転写材
料が、前記孔版印刷版材料層20中に溶融拡散して存在
しているのである。この部分はいわゆる孔版印刷版の目
止め部分となり、印刷インキを透過させない。目止め部
分以外の残余の部分は、もともと多孔質または粒子状形
態を備えたものであるので印刷インキは透過される。こ
のような原理にもとづいて孔版印刷版を用いた印刷が行
われる。
【0068】なお、上記本発明に用いられるインクジッ
ト方式そのものについては、特に制限はなく、荷電制御
方式、電界制御方式、圧力パルス方式およびインクミス
ト方式など、適宜公知の方法を採用しうる。
【0069】
【実施例】以下に、本発明の具体的実施例を示し、本発
明をさらに詳細に説明する。
【0070】〔実施例1〕孔版印刷版材料層20を形成
するために、下記に示されるような孔版印刷版材料層組
成物1を準備した。
【0071】 孔版印刷版材料層組成物1 アエロジルTT600(日本アエロジル社製)… 10重量部(固形分) ポリビニルアルコール217(クラレ社製) … 2重量部(固形分) サイメル(三井サイアナミッド社製) …0.3重量部(固形分) および水からなる固形分約10%コート液を調整し、こ
のものをあらかじめ表面が離型処理されている厚さ10
0μmのPET基板上に、バーコーターにより乾燥時の
膜厚が40μmとなるように塗布し、その後、100
℃、30分の耐水化処理をして孔版印刷版材料層20を
形成した。しかる後、孔版印刷版材料層20と基板とを
剥離して、単体の孔版印刷版材料層20を得た。この場
合、孔版印刷版材料層20の平均空隙は、0.6μmで
あった。
【0072】次いで、下記に示されるような3種類のイ
ンクジェット用インク組成物(以下、単に『インク材料
組成物』を準備した。
【0073】 インク材料組成物1 カルナバワックス … 85重量部 ステアリン酸 … 10重量部 インク材料組成物2 エチレンカーボネート(融点39℃) … 45重量部 1,10−デカンジオール … 47重量部 メトキシポリエチレングリコールメタクリレート … 34重量部 インク材料組成物3 ブチルアクリレート/エチルアクリレート/メタクリル酸共重合体 (6/2/2) … 45重量部 ヘキサメチレンジイソシアネート/m−ニトロフェノール ブロックイソシアネート… 7重量部 このようなインク材料組成物を用いて上記孔版印刷版材
料層20に版パターンを形成し、180℃以下、30分
以内での加熱処理を行った。その後、インク材料組成物
2については、EB照射により印刷版を形成し、インク
材料組成物1および3については、そのまま、印刷に用
いた。でき上がった各孔版印刷版をそのまま孔版印刷機
にセットし、通常の印刷条件でインク材料組成物1、
2、および3の版について、それぞれ、1500枚、3
000枚、および2800枚まで印刷を行ったところ、
非画像部の膜落ちや版面の摩耗がなく、また画像部の各
ドットサイズがそろった鮮明な印刷物が得られることが
確認された。
【0074】〔実施例2〕孔版印刷版材料層20を形成
するために、下記に示されるような孔版印刷版材料層組
成物2を準備した。
【0075】 孔版印刷版材料層組成物2 シリカ粉体 …100重量部 ポリビニルアルコール 217(クラレ社製) … 25重量部 メラミン−ホルムアミド初期縮合物 … 6重量部 有機アミン塩酸塩 …0.7重量部 上記組成物の水溶液を、あらかじめ表面が離型処理され
ている厚さ100μmのPET基板上に、バーコーター
により乾燥時の膜厚が30μmとなるように塗布し、そ
の後、100℃、10分キュアーを行い耐水性を持たせ
た。しかる後、孔版印刷版材料層20と基板とを剥離し
て、単体の孔版印刷版材料層20を得た。なお、孔版印
刷版材料層20中に含有させた一次粒子の径は、2μm
であった。
【0076】次いで、上記実施例1で用いた3種類のイ
ンクジェット用インク組成物のうちインク組成物1を用
いて、上記実施例1と同様な要領で孔版印刷版材料層2
0に版パターンを形成し、2500枚まで印刷を行った
ところ、非画像部の膜落ちや版面の摩耗がなく、また画
像部の各ドットサイズがそろった鮮明な印刷物が得られ
ることが確認された。
【0077】〔実施例3〕孔版印刷版材料層20を形成
するために、下記に示されるような孔版印刷版材料層組
成物3を準備した。
【0078】 孔版印刷版材料層組成物3 ポリビニルアルコール 217(クラレ社製) … 5重量部 水/イソプロピルアルコール …170重量部 スチレンモノマー … 6重量部 4’,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸 …0.3重量部 からなる溶液を150rpmの速度で攪拌し、70℃、
8時間重合を行い、あらかじめ表面が離型処理されてい
る厚さ100μmのPET基板上に、バーコーターによ
り乾燥時の膜厚が40μmとなるように塗布し、80
℃、10分乾燥し、耐水化処理を行い孔版印刷版材料層
20を形成した。しかる後、孔版印刷版材料層20と基
板とを剥離して、単体の孔版印刷版材料層20を得た。
孔版印刷版材料層20中に含有される粒子の平均径は、
1.8μmであった。
【0079】次いで、上記実施例1で用いた3種類のイ
ンクジェット用インク組成物のうちインク組成物2を用
いて、上記実施例1と同様な要領で孔版印刷版材料層2
0に版パターンを形成し、同様な実験を行ったところ、
非画像部の膜落ちや版面の摩耗がなく、また画像部の各
ドットサイズがそろった鮮明な印刷物が得られることが
確認された。
【0080】〔実施例4〕孔版印刷版材料層20を形成
するために、下記に示されるような孔版印刷版材料層組
成物4を準備した。
【0081】 孔版印刷版材料層組成物4 ポリビニルアルコール 217(クラレ社製) … 7重量部 アエロジル200(日本アエロジル社製) … 4重量部 グリオキサール(40%品) … 15重量部 および水からなる固形分約10%のコート液を調整し、
あらかじめ表面が離型処理されている厚さ100μmの
PET基板上に、バーコーターにより乾燥時の膜厚が4
0μmとなるように塗布し、80℃、30分の耐水化処
理を行った後、アルカリ液を用いてシリカを溶解し、膜
厚38μmの孔版印刷版材料層20を形成した。しかる
後、孔版印刷版材料層20と基板とを剥離して、単体の
孔版印刷版材料層20を得た。孔版印刷版材料層20の
平均空隙は0.7μmであった。
【0082】次いで、上記実施例1で用いた3種類のイ
ンクジェット用インク組成物のうちインク組成物3を用
いて、上記実施例1と同様な要領で孔版印刷版材料層2
0に版パターンを形成し、2000枚までの印刷を行っ
たところ、非画像部の膜落ちや版面の摩耗がなく、また
画像部は鮮明であることが確認された。
【0083】〔実施例5〕下記の熱転写材料組成物1を
備える熱転写媒体を下記の要領で作製した。
【0084】 熱転写材料組成物1 EVA410 … 7.5重量部 カルナバワックス … 8.7重量部 パラフィンワックス … 32.5重量部 マイクロクリスタリンワックス … 32.5重量部 カーボンブラック … 3.0重量部 上記熱転写材料組成物を4μm厚さのポリエチレンテレ
フタレート(東レ社製)基材上に、バーコーターにより
乾燥時の膜厚が3μmとなるように塗布し、熱転写媒体
とした。
【0085】この熱転写媒体と上記実施例1の孔版印刷
版材料層20とを用いて、下記の要領で版パターンを形
成した。すなわち、孔版印刷版材料層20の表面と、熱
転写媒体の熱転写材料の表面とを密着させ、熱転写媒体
の基材側から孔版印刷版材料層20に向けて、半導体レ
ーザ(1W、780nm)で、テストパターンの印字を
行い、しかる後、熱転写媒体を除去し、孔版印刷版材料
層20に対して80℃、10分の熱処理を行って孔版印
刷版を得た。
【0086】この孔版印刷版を孔版印刷機にセットし
て、実際に印刷テストを行った。その結果、本発明の印
刷版の耐刷性は2700枚の印刷を行っても、非画像部
の膜落ちや版面の摩耗がなく、また画像部は各ドットサ
イズが均一で鮮明な印刷物が得られることが確認され
た。
【0087】〔実施例6〕下記の熱転写材料組成物2を
備える熱転写媒体を下記の要領で作製した。
【0088】 熱転写材料組成物2 ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 … 30重量部 テトラメチロールメタンテトラアクリレート … 30重量部 ビス(アクリロキシエチル)ビスフェノールA … 20重量部 2,4,6−トリス(トリクロロメチル) 1,3,5−トリアジン … 3.6重量部 p−メトキシフェノール … 2重量部 フタロシアニンブルー … 4.2重量部 上記組成物を溶剤に溶かし、4μm厚さのポリエチレン
テレフタレート(東レ社製)基材上に、バーコーターに
より乾燥時の膜厚が4μmとなるように塗布し、熱転写
媒体とした。
【0089】この熱転写媒体と上記実施例2の孔版印刷
版材料層20とを用いて、下記の要領で版パターンを形
成した。すなわち、孔版印刷版材料層20の表面と、熱
転写媒体の熱転写材料の表面とを密着させ、熱転写媒体
の基材側から孔版印刷版材料層20に向けて、半導体レ
ーザ(1W、780nm)で、テストパターンの印字を
行い、しかる後、熱転写媒体を除去し、孔版印刷版材料
層20に対して高圧水銀灯を用いてUV硬化処理を行っ
て孔版印刷版を得た。
【0090】この孔版印刷版を孔版印刷機にセットし
て、実際に印刷テストを行った。その結果、本発明の印
刷版の耐刷性は3800枚の印刷を行っても、非画像部
の膜落ちや版面の摩耗がなく、また画像部は各ドットサ
イズが均一で鮮明な印刷物が得られることが確認され
た。
【0091】〔実施例7〕上記実施例3の孔版印刷版材
料層20と、上記実施例5の熱転写媒体とを用いて、上
記実施例5の要領で孔版印刷版を作製した。
【0092】この孔版印刷版をそのまま孔版印刷機にセ
ットし、通常の印刷条件で2300枚の印刷を行ったと
ころ、非画像部の膜落ちや版面の摩耗がなく、また画像
部は各ドットサイズが均一で鮮明な印刷物が得られるこ
とが確認された。
【0093】〔実施例8〕上記実施例4の孔版印刷版材
料層20と、上記実施例6の熱転写媒体とを用いて、上
記実施例6の要領で孔版印刷版を作製した。
【0094】この孔版印刷版をそのまま孔版印刷機にセ
ットし、通常の印刷条件で2400枚の印刷を行ったと
ころ、非画像部の膜落ちや版面の摩耗がなく、また画像
部は各ドットサイズが均一で鮮明な印刷物が得られるこ
とが確認された。
【0095】
【発明の効果】本発明は上記のごとく構成しているの
で、デジタル製版が可能でありかつ現像工程を必要とせ
ず、しかも高品質の印刷物が多数枚印刷できるという効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】孔版印刷版材料層20の構造を模式的に示した
断面図である。
【図2】孔版印刷版の熱転写方式による製造方法を経時
的に示した図面である。
【符号の説明】
7…熱転写媒体 20…孔版印刷版材料層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質または粒子状形態を備えた孔版印
    刷版材料層に、所定の版パターンでインクを浸透させた
    目止め部分を有することを特徴とする孔版印刷版。
  2. 【請求項2】 多孔質または粒子状形態を備えた孔版印
    刷版材料層に所定の版パターンを形成する工程と、当該
    版パターンを定着させる工程とを含む孔版印刷版の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記版パターンを形成する工程が、イン
    クジェット用インクを孔版印刷版材料層の中に浸透せし
    めてなるものであって、当該インクジェット用インク
    は、固体からなる熱溶融性物質または高粘度液体からな
    る熱溶融性物質を、一旦、加熱溶融して低粘度液体とし
    て射出される請求項2記載の孔版印刷版の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記版パターンを形成させる工程が、所
    定の温度で液化され流動性を発現する材料を転写するこ
    とにより行われる請求項2記載の孔版印刷版の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記版パターンを定着させる工程が、版
    パターン形成中または版パターン形成後に加熱処理して
    なる請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の孔版印
    刷版の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記版パターンを定着させる工程が、加
    熱処理後に、光または電子線照射してなる請求項2ない
    し請求項4のいずれかに記載の孔版印刷版の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004528451A (ja) * 2001-05-02 2004-09-16 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー フルオロポリマーを製造するための無乳化剤水性乳化重合
JP2009028909A (ja) * 2007-07-24 2009-02-12 General Technology Kk スクリーン印刷版の製造方法

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