JPH0948093A - 機能性シート材とその製造法 - Google Patents

機能性シート材とその製造法

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JPH0948093A
JPH0948093A JP30697595A JP30697595A JPH0948093A JP H0948093 A JPH0948093 A JP H0948093A JP 30697595 A JP30697595 A JP 30697595A JP 30697595 A JP30697595 A JP 30697595A JP H0948093 A JPH0948093 A JP H0948093A
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resin
water
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JP30697595A
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Takeyuki Tonoki
健之 外木
Tatsuya Uchida
達也 内田
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Showa Denko Materials Co Ltd
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】通気性や成形性に優れた機能性シート材とその
製造法を提供すること。 【解決手段】吸着粒子と金属酸化物とから選択された機
能粒子と、結合剤としてのプラスチック粒子と、密度の
低いシート状基材と、その両面を覆うシート状繊維の層
からなる機能性シートと、吸着粒子と金属酸化物とから
選択された機能性粒子を、プラスチック粒子と吸水性樹
脂と所定量の水に加え、密度の低いシート状基材材料に
塗布含浸し、水分を乾燥し、その両面にシート状繊維の
層を形成する機能性シートの製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気中に含有され
ている悪臭を浄化脱臭分解したり、水中の有害物を吸着
分解して水を浄化する機能性シート材とその製造法に関
する。
【0002】
【従来の技術】空気中に含まれる悪臭を除去するには、
酸・アルカリ・硫酸アルミニウム等の化学反応によるも
の、活性炭やゼオライト等の物理的に吸着によるもの、
また微生物による分解や芳香によるマスキングする方法
及び悪臭成分を触媒を利用して酸化燃焼して脱臭する方
法がある。また、水の浄化には、オゾンによる殺菌分解
方法や微生物による分解及び活性炭やゼオライト等の物
理的に吸着して処理する方法があり、これら空気中及び
水の浄化には、通気性及び通水性を増やすために粒子を
バインダーを使用して、混合し押出し機で一定の粒状に
して再加熱と賦活を行い、粒状化を行って通気性を向上
させていた。
【0003】また、粒子及び粒状がこぼれないように不
織布等で覆った容器に入れて処理する場合と、空気清浄
機、マスク等に使用している活性炭やゼオライト等の脱
臭剤粒子は、不織布に分散させて、密度の高い不織布を
両面より挟み、脱臭剤粒子が落ちない構造としている。
また、熱可塑性プラスチックに機能性粒子を練り込み発
泡させて、脱臭剤粒子の構造体にしたものも市販されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
機能性粒子を構造体にするために、粒子を直接加圧成形
する方法を用いた場合、機能性粒子が密に充填されるた
め、通気性が得られない上に活性炭、ゼオライトのよう
に容易に崩壊してしまう粒子は、成形できないことが知
られている。一方焼結法を用いる場合、何らかのバイン
ダーを使用するため、焼結・硬化時に発生する不純物の
ため多孔質体の微細孔が塞がれてしまい、機能性粒子の
比表面積の低下を招くため、活性炭等の表面に対して焼
結するのは困難である。従って、機能性粒子を構造体と
して使用する方法に限界があった。
【0005】また、特開昭61−119269号公報や
特開平5−49850号公報に記載されているように、
ガス処理脱臭剤と熱可塑性樹脂粉末とを混合して、2枚
のシート間に塗布し、溶融させて固定する方法は、溶融
によるガス処理脱臭剤と熱可塑性樹脂との結合度が高
く、吸着速度が低いという課題があった。また、溶融条
件によっては、ガス処理脱臭剤の粉末がシート繊維から
剥落することもあるという課題があった。
【0006】本発明は、通気性や成形性に優れた機能性
シート材とその製造法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の機能性シート材
は、吸着粒子と金属酸化物とから選択された機能粒子
と、結合剤としてのプラスチック粒子と、密度の低いシ
ート状基材と、その両面を覆うシート状繊維の層からな
ることを特徴とする。
【0008】このような機能性シート材は、吸着粒子と
金属酸化物とから選択された機能性粒子を、プラスチッ
ク粒子と吸水性樹脂と所定量の水に加え、密度の低いシ
ート状基材材料に塗布含浸し、水分を乾燥し、その両面
にシート状繊維の層を形成することによって、製造する
ことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に用いる機能性粒子は、一
般的に気体中の悪臭や有害物を吸着するための物質であ
ると同時に、水等の浄化処理分解にも使用できるもので
あり、活性炭、ゼオライト、シリカゲル等の吸着物質を
用い、および、これらに、硫酸アルミニウム、ヨウ素、
硫酸第一鉄、燐酸カルシウム、炭酸ナトリウム、珪酸マ
グネシウム等の分解機能のある成分を担持させたものの
なかから選択して用いることができる。
【0010】金属酸化物は、マンガン酸化物、銅酸化
物、亜鉛酸化物、鉄酸化物、バナジウム酸化物、ニッケ
ル酸化物、マグネシウム酸化物、アルミニウム酸化物、
チタン酸化物のなかから選択して用いることができ、上
記機能性粒子と混合することによって、さらに吸着・分
解能力を高めることができる。
【0011】プラスチック粒子は、結合剤として作用
し、ポリカーボネート、ポリアミドABS樹脂、ポリイ
ミド、ポリ塩化ビニル、酢酸セルローズ、低中・高密度
ポリエチレン、超高分子ポリエチレン、ポリスルホン、
ポリスチレンフタレート、ポリプロピレンから選択して
用いることができる。このような熱可塑性樹脂を用いる
場合に、焼結の温度を、これら樹脂の溶融点以下に抑制
する必要がある。その理由は、溶融点以上で焼結する
と、機能性粒子の表面にまで流れ、その表面を覆うため
である。特に、モノマー成分の少ない超高分子ポリエチ
レンは、溶融点以下の温度での焼結温度範囲が広く、
酸、アルカリ、有機薬品に対して高い安定性を有してい
るので好ましく、コスト等を考慮する場合は、他の熱可
塑性樹脂と混合して用いることも可能である。
【0012】超高分子ポリエチレンの粒度は、20〜5
00μmの範囲が使用できるが、機能性粒子の粒度と必
要とされる通気性により選択でき、20〜150μmの
範囲が、さらに強度も高く好ましい。超高分子ポリエチ
レン等の粒子は、体積比で全体の10〜80%の範囲が
好ましい。通気性及びシートの強度等を考慮する場合
は、超高分子ポリエチレンの量を多くして、焼結温度を
高くして、加圧することにより調製できるが、通気性と
強度は相反するため、最適条件としては、超高分子ポリ
エチレン等のプラスチック粒子の量を20〜50%にし
て、成形温度を160〜180℃で、圧力は1960KP
a以下とすることが望ましい。この圧力は、490〜2
940KPaの範囲でも焼結出来るが、高い温度や高い圧
力では、超高分子ポリエチレン等のプラスチック粒子が
つぶれて、通気性が得られなくなるので好ましくない。
【0013】密度の低いシート状基材とシート状繊維に
は、紙繊維、ガラス繊維、プラスチック繊維等を用い、
ガラスマット、ガラスクロス、紙、不織布、発泡プラス
チック等、シート状にしたものを用いることができる。
ここで、コアに密度の低いものを用いる理由は、通気性
を高めることと、塗布含浸する機能粒子とバインダーの
混合物の濡れ性を高めるためであって、その密度は、塗
布したときにシート形状を保てる範囲となるように調整
する。また、使用する基材の厚みは、塗布時に切れない
強度で有れば問題ない。
【0014】吸水性樹脂は、分散剤として作用し、アク
リル酸・ビニルアルコール共重合体、デンプンクラフト
重合体、アクリル酸ソーダ重合体、ポリエチレンオキサ
イド変性物、ポリビニルアルコールから選択して使用す
ることができ、中でも、吸水量が大きく分子量の大きい
アクリル酸ソーダ重合体やアクリル酸・ビニルアルコー
ル共重合体は、機能性粒子を分散させるのに適してい
る。これらの吸水性樹脂は、水に溶けるときに、400
〜1000倍の水を吸水し、乾燥後には、その体積が、
1/400〜1/1000に成るため、機能性粒子を混
合して、基材に塗布し乾燥させれば、機能性粒子の表面
に損傷がない。また、吸水性樹脂は、水に溶かすと、機
能性粒子の粉体が沈降することなく、塗布含浸できる程
度の粘度が発生することから好ましい。
【0015】また、溶媒として水を使用するのは、機能
性粒子の特性を保持出来ることと、環境汚染等が無く、
機能性粒子の静電気による火災等の安全性の面で優れて
おり、更に、経済的である。吸水性樹脂と水との体積割
合は、吸水性樹脂によっても差が有るが、水に対して
0.01〜0.5%の範囲が好ましく、樹脂による差
は、吸水性樹脂を加えて10〜500CP/25℃の範囲
の粘度となるように調整することが好ましい。
【0016】このような機能性シート材は、吸着粒子と
金属酸化物とから選択された機能粒子と、結合剤として
のプラスチック粒子と、吸水性樹脂とを、一定量の水を
加えて液状の混合体とし、織布または不織布に塗布含浸
し、水分を乾燥により除去することによって製造するこ
ともできる。
【0017】さらにまた、吸着粒子と金属酸化物とから
選択された機能粒子と、結合剤としてのプラスチック粒
子と、吸水性樹脂とを、一定量の水を加えて液状の混合
体とし、密度の低いシート状基材に塗布含浸し、その含
浸させたシート状基材を1枚以上重ね、その両面にシー
ト状繊維を重ね、加熱加圧することによっても製造する
ことができる。このときのプレス条件は、温度130〜
180℃、圧力490〜2940KPaの範囲が好まし
い。
【0018】このようにして作成したシート材は、空気
清浄機のフィルター及び脱臭剤等として使用でき、強度
にも優れており、複雑な加工を行って平面板としての用
途の他、ハニカム構造体として水中のNH3・P等の除
去等の浄化材、高度のクリーン化材、道路・トンネル内
のCO2・NO2等の分解除去材として、幅広く地球環境
改善材料として使用出来る。
【0019】
【実施例】
実施例1 2リットルの容器に、水を1リットル入れ、吸水性樹脂
として、アクリル酸ソーダ重合体を1g添加し、撹拌し
た後に、機能性粒子として、 ・二酸化マンガン20g ・酸化銅25g ・150μm以下の粒度の活性炭55g をボールミル内に投入し、一定時間粉砕、混合してから
更に、粒度20〜150μmの超高分子ポリエチレン2
0gを加えて更に粉砕したものを加え、30g/m2
ガラス不織布に塗布し、160℃で乾燥し、塗布量55
重量%のシート材を作成した。このシート材の上下に、
30g/m2のガラス不織布であって厚さ65μmのも
のを重ね、2枚の鏡板の間にはさみ、プレス温度170
℃、圧力1960kPa、30分間の条件で加熱加圧し
て積層一体化した。積層成型したシート材を100mm×
150mmの大きさに切断し、2リットルの密閉容器内に
200ppmの濃度に調整したアンモニアガス内に投入
し、30分間後アンモニアガスは、5ppm以下になった
(測定はガス検知管法で測定した)。
【0020】実施例2 実施例1において、積層成型するときのシート材を2枚
にすること以外は、実施例1と同様にして作成した。こ
の機能性シート材を、2リットルの密閉容器内に200
ppmの濃度に調整したアンモニアガス内に投入し、15
分間後アンモニアガスは、10ppm以下になった(測定
はガス検知管法で測定した)。
【0021】比較例1 機能性粒子として、比表面積1500m2/gの活性炭
粒子を30gを採取し、2lの密閉容器内に200ppm
の濃度に調整したアンモニアガス内に投入し、60分間
後アンモニアガスは、10ppm以下になった(測定はガ
ス検知管法で測定した)。
【0022】
【発明の効果】本発明の機能性シート材は、有機溶剤を
使用しない水溶媒で塗布含浸させて製造出来るため、地
球環境安全の面で優れている。特定な繊維基材及び機能
性粒子を選択しなくても、機能性粒子を加担させた構造
体を製造することが出来るため、必要特性を自由に調整
出来るため、幅の広い用途に適したシート材が得られ
る。このシート材は、空気中の悪臭、排気ガス等の空気
清浄材として、吸着、化学反応、分解等を加味した複合
処理材として、また、水の汚染物質等の分解除去材とし
て、幅広い脱臭・吸着材として活用出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を説明するための、機能性粒
子とプラスチック粒子の結合の様子を示す概略図であ
る。
【図2】本発明の一実施例を示す概略図である。
【符号の説明】
1A.金属酸化物粒子1 1B.金属酸化物粒子2 2.機能性粒子 3.プラスチック粒子 4.機能性粒子とプラスチック粒子の焼結体シート 5.シート状基材 6.シート状繊維

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸着粒子と金属酸化物とから選択された機
    能性粒子と、プラスチック粒子と、吸水性樹脂と、密度
    の低いシート状基材とからなる機能性層と、その両面を
    覆うシート状繊維からなることを特徴とする機能性シー
    ト材。
  2. 【請求項2】吸着粒子が、活性炭、ゼオライト、シリカ
    ゲル等の吸着物質のなかから選択されたものであること
    を特徴とする請求項1に記載の機能性シート材。
  3. 【請求項3】金属酸化物が、マンガン酸化物、銅酸化
    物、亜鉛酸化物、鉄酸化物、バナジウム酸化物、ニッケ
    ル酸化物、マグネシウム酸化物、アルミニウム酸化物、
    チタン酸化物のなかから選択されたものであることを特
    徴とする請求項1または2に記載の機能性シート材。
  4. 【請求項4】プラスチック粒子が、ポリカーボネート樹
    脂、ポリアミド樹脂、ABS樹脂、ポリイミド樹脂、ポ
    リ塩化ビニル樹脂、酢酸セルローズ樹脂、低中・高密度
    ポリエチレン樹脂、超高分子ポリエチレン樹脂、ポリス
    ルホン樹脂、ポリスチレンフタレート樹脂、またはポリ
    プロピレン樹脂から選択されたものであることを特徴と
    する請求項1〜3のうちいずれかに記載の機能性シート
    材。
  5. 【請求項5】吸水性樹脂が、アクリル酸・ビニルアルコ
    ール共重合体、デンプングラフト重合体、アクリル酸ソ
    ーダ重合体から選択したものであることを特徴とする請
    求項1〜4のうちいずれかに記載の機能性シート材。
  6. 【請求項6】吸着粒子と金属酸化物とから選択された機
    能性粒子を、プラスチック粒子と吸水性樹脂と所定量の
    水に加え、密度の低いシート状基材材料に塗布含浸し、
    水分を乾燥し、その両面にシート状繊維の層を形成する
    ことを特徴とする機能性シート材の製造法。
  7. 【請求項7】吸着粒子と金属酸化物とから選択された機
    能性粒子を、プラスチック粒子と吸水性樹脂と所定量の
    水に加え、密度の低いシート状基材材料に塗布含浸した
    ものを、1枚以上重ね、その上下にシート状繊維を重
    ね、加熱加圧することを特徴とする請求項1に記載の機
    能性シート材の製造法。
JP30697595A 1995-05-26 1995-11-27 機能性シート材とその製造法 Pending JPH0948093A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10118488A (ja) * 1996-10-21 1998-05-12 Nagoya Yuka Kk 吸着材料
JP2000227273A (ja) * 1999-02-02 2000-08-15 Mitsubishi Electric Corp 貯蔵庫、ファン装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10118488A (ja) * 1996-10-21 1998-05-12 Nagoya Yuka Kk 吸着材料
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