JP2010125401A - アルデヒド除去材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも一種のヒドラゾン化合物を用いられるアルデヒド除去材。少なくとも一種のヒドラゾン化合物が多孔質の担体と共に用いられるアルデヒド除去材。このアルデヒド除去材は、常温固体のヒドラゾン化合物を、ヒドラゾン化合物の融点以上、分解湿度以下で多孔質体と接触させて担体に吸収させる方法により、廃溶剤を発生させずに製造される。
【選択図】図1
Description
1.少なくとも一種のヒドラゾン化合物を用いられるアルデヒド除去材。
2.少なくとも一種のヒドラゾン化合物が担体と共に用いられる上記1に記載のアルデヒド除去材。
3.担体が多孔質体である上記2に記載のアルデヒド除去材。
4.ヒドラゾン化合物の融点以上の雰囲気下で多孔質体と接触担持させるアルデヒド除去材の製造方法。
反応性が高い理由は明確ではないが、二個の窒素原子が隣接していることで孤立したアミノ基よりも反応性が高く、酸素原子が隣接していないために類似構造を有するヒドラジド化合物と比しても、求核反応性が高められていると考えられる。
とりわけ、多孔質体と組み合わせて用いる場合には、気体中からのアルデヒド除去に好適であり、通気性の箱、袋、網等の容器に充填し、静置もしくは通気させて用いることができる。通風性や取扱い性を向上させるため、繊維材料と組み合わせてシート形状に加工することも好ましい。
たとえば、(1)シート構成繊維と共に除去材粒子を水中に分散させ脱水することにより得られる湿式シート化法、(2)シート構成繊維と共に除去材粒子を気中分散させることにより得られるエアレイド法、(3)二層以上の不織布もしくは織布、ネット状物、フィルム、膜の層間に、熱接着により除去材を充填する方法、(4)エマルジョン接着剤、溶剤系接着剤を利用して不織布、織布、発泡ウレタンなどの通気性材料に結合担持させる方法、(5)基材、ホットメルト接着剤の熱可塑性等を利用して不織布、織布、発泡ウレタンなどの通気性材料に結合担持させる方法、(6)繊維もしくは樹脂に練りこむことにより混合一体化する方法、(7)多孔質体自身を繊維などの担体内部から結晶成長させる方法など用途に応じて適当な方法を用いることができる。薬剤の担持時期としては、前述の方法に適したシート加工前粒子、シート加工中、シート化後の好ましい時期を選ぶことが可能である。
この場合、配合される薬剤としてはアルデヒドとの反応性生物が対加水分解性に優れた化合物であることが好ましく、具体的にはアルデヒドと反応することにより脂環もしくは芳香環を形成し、安定化されることがより好ましい。このような作用を有する薬剤の一例としてはたとえばp−アミノベンゼンスルホン酸およびp−アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩を例示することが出来る。これら種類の異なる薬剤は、同一多孔質体に混合担持してもかまわないし、単一成分を担持した多孔質体を混合してもよい。
予め加熱減圧処理にて揮発分を除去したサンプルに関し、micromeritics社製自動比表面積測定装置ジェミニ(登録商標)2375を用い、相対圧0.02〜0.98まで77ケルビンにおける吸着等温線を取得し以下の解析を実施した。
(2)BET比表面積
上記の窒素吸着等温線からBET式(相対圧0.02〜0.3)にて比表面積を算出した。
(3)細孔容積
相対圧0.98時における窒素吸着量を77ケルビンにおける液体窒素体積に換算し細孔容積を算出した。
(4)細孔径
多孔質体の細孔径は、上記の窒素吸着等温線(吸着側)によりBJH法により得られるピーク直径を用いた。
(5)粒子径
JIS Z 8801にて定義される試験用ふるいを用い、ふるいわけ法により特定粒度をもつ粒子を選別した。
(6)臭気除去能力
アルデヒド類としてアセトアルデヒドを用い、各々の臭気除去能力を評価した。
平板状の除去シートを実験用のダクトに取り付け、温度25℃、湿度50%RHの空気を0.2m/secの速度で通風させ5ppmのアセトアルデヒド調整ガスを送風した。除去シートの上流側と下流側とにおいて濃度計測を行う事により(1−(下流側濃度÷上流濃度))×100=除去率[%]を算出するとともに、入り口と出口濃度が同一となるまで臭気負荷を実施した。
担体として250−500μmにふるいわけされたシリカゲル(富士シリシア株式会社製キャリアクトG−10:BET比表面積は288m2/g、BJH細孔直径は29.7nm)を準備し、予め100℃にて乾燥した。ベンゾフェノンヒドラゾン(東京化成工業株式会社製)を10重量%のトルエン溶液とし同重量をシリカゲルに吸収させ、100℃にて3時間乾燥させることで、担体100部に対しヒドラゾン化合物10部を担持させた吸着材を得た。得られた吸着材を275g/m2(担体換算で250g/m2)となるように不織布間に挟みこみ、蜘蛛の巣状ホットメルト樹脂シートと共に110℃で熱接着を行うことにより除去シートを得た。
実施例1と同じシリカゲルを100部に対し、乳鉢で粉砕されたベンゾフェノンヒドラゾン(東京化成工業株式会社製)10部を加えた。混合物を撹拌しながら120℃雰囲気にて15分間加熱処理を行った。得られた吸着材を275g/m2(担体換算で250g/m2)となるように不織布間に挟みこみ、蜘蛛の巣状ホットメルト樹脂シートと共に110℃で熱接着を行うことにより除去シートを得た。
溶媒として水を用い、アジピン酸ジヒドラジド(ナカライテスク株式会社製)を用いた他は実施例1と同様の方法にて除去シートを得た。
溶媒として水を用い、トリスヒドロキシメチルアミノメタン(ナカライテスク株式会社製)を用いた他は実施例1と同様の方法にて除去シートを得た。
未加工のシリカゲルを用いた他は実施例1と同様の方法にて、シリカゲル250g/m2の除去シートを得た。
図1より実施例1の吸着材を用いたシートは比較例1〜3に対してアセトアルデヒドの除去効率に優れる。図2より実施例2の吸着材を用いたシートは実施例1と同等の吸着特性を有していることがわかる。製造方法として乾燥時間を必要とせず、また廃溶剤の揮散が無いと言う点で優れた特徴を有する。
Claims (4)
- 少なくとも一種のヒドラゾン化合物を用いられるアルデヒド除去材。
- 少なくとも一種のヒドラゾン化合物が担体と共に用いられる請求項1に記載のアルデヒド除去材。
- 担体が多孔質体である請求項2に記載のアルデヒド除去材。
- ヒドラゾン化合物の融点以上の雰囲気下で多孔質体と接触担持させるアルデヒド除去材の製造方法。
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2008
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