JPH0947769A - 生物活性炭の逆洗方法 - Google Patents

生物活性炭の逆洗方法

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JPH0947769A
JPH0947769A JP7201999A JP20199995A JPH0947769A JP H0947769 A JPH0947769 A JP H0947769A JP 7201999 A JP7201999 A JP 7201999A JP 20199995 A JP20199995 A JP 20199995A JP H0947769 A JPH0947769 A JP H0947769A
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water
activated carbon
backwash
biological activated
suspension
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JP7201999A
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Masayoshi Kubota
昌良 久保田
Tetsuro Haga
鉄郎 芳賀
Shoji Watanabe
昭二 渡辺
Masamitsu Nakazawa
正光 中沢
Naoki Hara
直樹 原
Hidenori Nakayama
英則 中山
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Hitachi Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Systems Technology Co Ltd
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    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

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  • Biological Treatment Of Waste Water (AREA)
  • Water Treatment By Sorption (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】浄水用の生物活性炭層を備える生物活性炭塔に
逆洗水を流通させ、生物活性炭層に集積した堆積物を除
去して、生物活性炭を再生するのに、時間および水量の
削減を図れる逆洗方法を提供する。 【構成】粒状の生物活性炭を充填した生物活性炭層に、
浄水の際とは逆に下から上方向に洗浄水を逆洗水として
流通させ、生物活性炭層に集積した堆積物を洗い出して
懸濁物として水中に浮遊させ、それから逆洗水の水面ま
で浮上した懸濁物は塔の上部に設けた逆洗排水管から逆
洗水と共に流出させ、一方、逆洗水により生物活性炭粒
が流動して生物活性炭層が膨張して形成する膨張界面近
傍の水中に浮遊する懸濁物はこの膨張界面上に張り出し
た排出管で管壁に穴を設けた管から逆洗水とともに流出
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高度浄水処理として生
物活性炭を用いて上水を浄化処理する際に生物活性炭に
付着した懸濁物や増殖した生物膜を洗い出して、該生物
活性炭を再生するのに好適な生物活性炭の逆洗方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】オゾン処理と生物活性炭処理による高度
浄水処理システムの導入が急速に進みつつある。ここ
で、生物活性炭とは、活性炭の吸着作用とともに活性炭
層内の微生物による有機物の分解作用により水を処理す
る方法であって、微生物を用いることによって活性炭の
吸着機能をより長く持続させるものである。生物活性炭
処理では、通水する時間が経過するにつれて、該層内に
水中の懸濁物等が堆積したり、あるいは活性炭坦体に付
着している微生物が増殖して生物膜を形成し、これによ
り生物活性炭層が閉塞される。そしてこの閉塞により通
水抵抗が増加し、生物活性炭槽の水位の上昇及び処理水
量の低下あるいは水質の悪化、生物の漏出などが起き
る。このため、生物活性炭層を洗浄して処理性能を回復
させるための逆洗操作、即ち浄化処理される上水の流れ
方向とは逆に、洗浄水(逆洗水)を生物活性炭層の下から
上に流す操作が必要となる。逆洗の頻度は通水量及び水
質の性状、季節に伴う水温の変化から生物の増殖状態等
によるが、夏季には3〜4日に1回逆洗を行うと報告さ
れている。
【0003】生物活性炭は、その通水抵抗が増加し生物
活性炭層入口の水位が上昇するのを水位計で検出し、あ
るいは生物活性炭層の入口、出口の損失水頭差を検出し
て、その検出値を基に逆洗される。逆洗方法としては、
生物活性炭層の下方から逆洗水を上向きに流入させ、
懸濁物や生物増殖等の堆積物を系外に洗い出す全層逆洗
方式、機械的撹拌あるいはジェット噴流により生物活
性炭層表面を洗浄する表洗方式、空気を吹き込み、気
泡の剪断力を利用して堆積物を分離してから逆洗水で洗
浄する空気洗浄方式などがある。
【0004】高度浄水処理では空気洗浄方式が多く採用
されている。生物活性炭を逆洗する場合、生物活性炭層
に堆積し見掛け比重が小さい浮遊性の懸濁物や微細粒子
などは、逆洗水で洗い出すことが可能である。しかし、
(a)空気洗浄などの逆洗により破砕され細粒化した活性
炭や、(b)生物が増殖した生物膜とそれに取り込まれた
微細活性炭とからなる固化物、さらには(c)生物が増殖
して肥大化した塊が空気逆洗により剪断され、ある大き
さの形状に破砕された懸濁物塊は、活性炭との見掛け比
重差が少ないため、逆洗水で洗い出すことが困難であ
る。特に、夏季には生物増殖が著しいため、生物膜を形
成し活性炭と生物との塊状固化物いわゆるマッドボ−ル
が生成する。このため、空気洗浄の逆洗によりマッドボ
−ルを破砕しても、上記懸濁物塊や破砕されたマッドボ
−ルを逆洗水で洗い出すことは困難である。これらの懸
濁物塊や破砕されたマッドボ−ルは、逆洗後に粒状の生
物活性炭が沈下して充填層を形成する再充填時に、生物
活性炭層表層に堆積し、これが、後に起きる生物増殖と
相まって、通水抵抗上昇を早める要因となり逆洗頻度が
多くなる。このため、充填層表面をジェット噴流で生物
膜を破砕する方式を併用した空気洗浄が行われるが、固
化物生成を防止することはできない。
【0005】逆洗手段として次ぎの各案が提案されてい
る。公開特許公報平4-87688号、同平4-197484号に逆洗
時の活性炭層膨張界面を一定に保持するように逆洗水流
速を自動制御する方法、及び公開特許公報平6-170358
号、平6-170384号に水位変化率に応じて逆洗時間、洗浄
水量等の逆洗条件を制御する方法が公表されている。生
物増殖により生成する固化物に着目したものとしては、
逆洗水に空気過飽和水を用い微細気泡を発生させ、活性
炭に付着している懸濁物を微細気泡の浮力により排出す
る公開特許公報平6-233978号がある。なお、活性炭層膨
張界面とは、逆洗のため逆洗水を活性炭充填層下部から
流通した時、粒状の活性炭が逆洗水の流速により流動し
て浮き上がり、見かけ上、活性炭層が膨張している上部
界面である。流動して膨張した活性炭層表面を膨張界面
と定義する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、生物活性炭
において従来逆洗水で排出が困難な、固化物や懸濁物塊
を、簡便に除去できる生物活性炭の逆洗方法を提供する
ことにある。従来技術では以下の問題がある。
【0007】(1)ろ層の流動化の理論式を参考にして活
性炭層の膨張率に関する実験式が導かれ、逆洗水流速と
膨張率の関係は公知である。これに基づき、逆洗条件が
提案されている。通常、活性炭層膨張率が30〜40%にな
るように逆洗流量が設定されているが、活性炭層膨張率
は逆洗水流速だけでなく水温の影響も受けるため、逆洗
流量一定では膨張率が変化する。逆洗水流速を自動制御
あるいは水位変化率に応じて逆洗条件を制御する方法に
ついては、活性炭層膨張界面を一定に保持し、活性炭の
流出を防止できるので有効な手段である。しかし、本発
明の課題である生物増殖に起因する固化物等を除去する
ことはできない。
【0008】(2)逆洗水に空気過飽和水を用い、微細気
泡の浮力により固化物を排出する方法に関しては、余剰
空気あるいは微細気泡の合体により粗大気泡が発生しや
すく活性炭の膨張層が撹拌されて逆洗水とともに活性炭
が流出する。
【0009】本発明は上記状況に鑑みなされたもので、
逆洗時に、生物が増殖して形成された固化物や懸濁物塊
のうち比重の大きいものが逆洗水の流速では洗い出すこ
とができないこと、さらに活性炭膨張界面の近傍に浮遊
していることに着目し、逆洗排水管をこの領域に設置し
て流出を容易にすることにより、逆洗時間及び洗浄水量
を削減した効率的な生物活性炭の逆洗方法を提供するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の生物活性炭の逆洗方法は、生物を付着させ
た粒状の活性炭を充填した生物活性炭層を内部に備える
生物活性炭塔に、浄水処理の際とは逆に下から上方向に
洗浄水を逆洗水として流通させ、浄水処理の際に生物活
性炭層に集積した堆積物を洗い出して懸濁物として水中
に浮遊させ、この懸濁物を逆洗水とともに排出すること
により、生物活性炭を洗浄し再生する方法であって、逆
洗水の水面まで浮上した懸濁物は、塔の上部に設けた逆
洗排水管から逆洗水とともに流出させ、一方、逆洗水に
より生物活性炭粒が流動して生物活性炭層が膨張して形
成する膨張界面近傍の水中に浮遊する懸濁物は、この膨
張界面上に張り出し、管壁に穴を設けた排出管から逆洗
水とともに流出させることを特徴とする。
【0011】そして生物活性炭層の膨張界面の高さ検出
して、予め設定した界面になるように逆洗水の流量を制
御し、かつ排出管の管壁に設けた穴は、この排出管への
逆洗水の流入速度が生物活性炭層中での逆洗水流速より
大となるような開口面積を有するものにするのがよい。
【0012】本発明の生物活性炭の逆洗方法の手順は、
(1)浄水処理の際に生物活性炭層に集積した堆積物のた
め通水抵抗が増して第1レベルに上昇する水位を水位検
出手段により検出し、そのとき水位検出手段が発する逆
洗開始の指令に基づいて浄水処理を中止し、排水して水
位を第2レベルまで下げ、(2)生物活性炭層に逆洗水と
空気、または逆洗水を下方から送り込み、生物活性炭を
撹拌して、生物活性炭層に集積した堆積物を分離し、懸
濁物として水中に浮遊させ、(3)空気の送給を止めると
共に逆洗水を増量し、生物活性炭粒の膨張界面を界面検
出手段で検出して一定レベルになるように逆洗水流量を
制御し、(4)逆洗水の水面まで浮上した懸濁物を、生物
活性炭塔の上部に設けた逆洗排水管から逆洗水と共に流
出させ、(5)次いで生物活性炭層の膨張界面に浮上する
懸濁物を、該膨張界面上に張出した排出管から逆洗水と
ともに流出させる。
【0013】
【作用】本発明においては、逆洗水の流れに乗って水面
に浮上する懸濁物、すなわち生物膜に取り込まれた微細
活性炭からなる固化物や微生物からなる懸濁物塊のうち
軽いものは、生物活性炭塔の上部に設けた逆洗排水管を
通じて流出させることができる。一方、逆洗水の流速で
は流出させることができず、生物活性炭層の膨張界面の
近傍に浮遊している重い懸濁物に対しては、生物活性炭
層の膨張界面の領域に別の逆洗排水管、すなわち管壁に
穴を明けた逆洗排水管を設置し、逆洗水の水面から別の
逆洗排水管までの水頭差を利用して、別の逆洗排水管に
流入する逆洗水の流速を、生物活性炭層を洗浄するため
の逆洗水の流速より大きくし、この逆洗排水管への流入
速度を駆動力として、膨張界面の近傍に浮遊している懸
濁物を、容易に流出させることができる。その結果、従
来の逆洗条件を大幅に変化させることなく、逆洗時間及
び洗浄水量を削減した効率的な生物活性炭の逆洗を行う
ことができる。
【0014】
【実施例】本発明の実施例を以下、図面に従って詳細に
説明する。図1は、本発明の生物活性炭の逆洗方法を採
用した生物活性炭装置の構成を示す。本実施例におい
て、生物活性炭塔1は、粒状活性炭が支持部材3により
支持されて、部材3上に形成された生物活性炭層2を内
部に備えている。塔1上部には浄化処理すべき水を導入
する流入管11、塔1下部には処理した水を流出する処理
水管12が配管され、処理水管12から出た水は処理水槽8
に貯水される。逆洗では、処理水槽8から処理水を逆洗
ポンプ7により逆洗水として流入させる。支持部材3の
下部に逆洗用空気管21が配管されている。生物活性炭層
2の入口、出口の差圧を検出するために差圧検出計5が
設置されている。また生物活性炭塔1上部の任意位置に
逆洗排水がオ−バ−フロ−する逆洗排水管14が、さらに
生物活性炭層2の膨張界面の位置にもう一つの逆洗排水
管15がそれぞれ設置されている。ここで、逆洗水を排水
する塔1上部の逆洗排水管14と膨張界面の逆洗排水管15
とを区別するため、膨張界面の逆洗排水管15は排出管15
と呼称する。4aは逆洗による生物活性炭層2の膨張界
面を検出する界面計、4bは同界面検出変換器で、差圧
検出計5及び界面検出変換器4bや各配管の電磁弁の出
力は制御装置9に接続されている。
【0015】以下、本発明の動作について詳細に説明す
る。図2は通常の浄水処理を示し、これは逆洗前の状態
である。高度浄水処理としてオゾンで処理されたオゾン
処理水は、流入管11から生物活性炭塔1に流入し、生物
活性炭層2を流通して処理され、処理水管12から流出し
て、処理水槽8に貯水される。この時、流入管11に設け
られた電磁弁11Bと処理水管12に設けられた電磁弁12Bは
共に開である。通水初期の水位Hsが、通水の経過に伴
い懸濁物が堆積するあるいは生物が増殖することにより
生物活性炭層2が閉塞し通水抵抗が生じて、水位Hp
(第1レベル)に上昇する。水位HsとHpの差圧△pを
差圧検出計5で検出し、その信号を受けて制御装置9に
より浄水処理を中止し、次の逆洗操作に都合のよいレベ
ル(第2レベル)まで水位を下げる。水位が下がった時
点では、電磁弁11B、12Bは閉じている。なお、通水抵抗
を検出する手段として水位レベル検出計6bにより検出す
る方法も可能である。
【0016】次に逆洗の動作を図3で説明する。制御装
置9からの信号により、逆洗水管13の電磁弁13Bを開
き、逆洗ポンプ7を作動させて、まずは粒状の活性炭の
集合である生物活性炭層2が流動する最小流量の逆洗水
を流通して生物活性炭層2を流動状態にし、ブロア−20
から空気を逆洗用空気管21から吹き込み生物活性炭層2
中の活性炭粒を撹拌する。これにより懸濁物や生物の増
殖により形成した生物膜を気泡の剪断力で撹拌して活性
炭から分離する。一般的には最小流量の逆洗水と逆洗空
気を4分程度流通し、その後空気吹き込みを停止して、
逆洗水流量を生物活性炭層2の膨張率が30〜40%になる
ように10分程度通水して、空気撹拌で分離した懸濁物や
生物膜を生物活性炭塔1上部の逆洗排水管14から逆洗水
とともに排出する。本実施例では活性炭層膨張率40%に
予め設定し、膨張界面を界面計4aで検出しながら一定
になるように逆洗水流量を制御した。逆洗水流量は制御
装置9により逆洗ポンプ7の周波数をインバ−タ制御し
て流量調整を行う。膨張率40%の逆洗水流量により懸濁
物や生物膜の大部分を逆洗排水管14から流出させた後、
膨張界面の上部の近接する位置に設置した排出管15の電
磁弁15Bを開け、膨張界面近傍に浮遊する固化物等を排
出管15から流出させる。尤も、逆洗排水管14と排出管15
とからの流出作業を同時に行ったり、適宜いずれかによ
り作業することもあり得る。
【0017】図4に固化物及び生物膜塊を、膨張界面上
に設けた排出管15から流出させる原理の模式図を示す。
活性炭の比重と同程度の固化物及び生物膜塊は逆洗水流
速とバランスして膨張界面に浮遊する。その近接位置に
設けられた排出管15への流入速度を、生物活性炭塔1を
上昇する逆洗水流速より大きくすることにより膨張界面
に浮遊する固化物及び懸濁物塊を効率よく流出させるこ
とができる。実施例では、複数の排出管15それぞれの管
壁に適宜直径の穴を適宜数設けて、排出管15への流入速
度を逆洗水流速の10倍以上とした。これは排出管15の流
入断面積合計が生物活性炭塔断面積の1/10以下にすれば
容易に達成され、既設の生物活性炭塔の逆洗排水管14と
膨張界面近接の排出管15との水頭差が1m以上確保でき
ることから水頭差で排出管15への流入速度が充分確保で
きる。ちなみに東京都金町浄水場の生物活性炭塔を一例
とすると、幅9m、長さ14m、深さ6.5mの池が1
2池であり、上水の浄化処理のために生物活性炭塔が水
の流れ方向に並列に設置される。
【0018】上記実施例は、生物の増殖を加速して生物
活性炭化するため加速試験に行い、同時に最適な逆洗条
件を把握するための実験からなされたものである。図5
に夏季の凝集沈殿処理水を原水として水温28℃前後の生
物活性炭処理実験における通水時間と通水抵抗の関係を
示す。活性炭表層で生物の増殖が著しく、生物膜が生成
するため、図中で黒丸●で示すように通水抵抗が急激に
上昇する。逆洗は、通常の逆洗方式で空気を吹き込み、
気泡の剪断力により生物膜を分離してから逆洗水で洗い
出す空気洗浄方式で、実施した。その結果、活性炭層膨
張率40%の逆洗水流速では固化物や懸濁物塊が膨張界面
に浮遊し、逆洗水を停止して再充填する時、これらの固
化物等が活性炭層表層に積層することを見い出した。こ
のような状態で再通水すると初期圧損の増加及び通水抵
抗の上昇速度が増加することが分かった。逆洗で、これ
らの固化物や懸濁物塊を逆洗水流量を増加させ膨張率を
大きくすることにより大部分を流出させ除去することが
できるが、洗浄水を多量消費する。
【0019】そこで、逆洗排水管(図1に示す排出管1
5)を固化物及び懸濁物塊が浮遊する生物活性炭層膨張
界面の近接する位置に設置し、排出管15から排出する逆
洗水の排出流速を、生物活性炭層2を洗浄するための逆
洗水流速より大きくして、固化物や懸濁物塊を排出する
ための駆動力とすることにより、通常の逆洗水流速で容
易に流出させることができるようにした。図中で白丸○
が本実施例の結果を示すが、例えば圧損200mmAqまでの
到達時間が従来の逆洗方法であると48hであるが、本実
施例では75hに延長できた。参考に水温22℃の結果を併
記したが、通水抵抗の上昇は水温の影響と、これに生物
増殖度合いが加わる。水温28℃では、本実施例でも通水
抵抗の上昇は比較的急であるが、これは生物増殖による
影響が大きく作用している。
【0020】上記の実験結果をふまえて、次の実験を行
った。図6はカオリンフロックを懸濁物として模擬し、
8h流通試験を行った後の逆洗による洗浄特性を示す。
カオリン注入量は累計24gである。逆洗は最小逆洗水流
速(LV)10 m/hと逆洗空気の空塔速度(LV)50 m/hの条件で
4分洗浄し、その後空気吹き込みを停止して、逆洗水流
速(LV)30 m/hにして逆洗排水管14からオ−バ−フロ−さ
せて洗浄する。懸濁物濃度を濁度で表わし、逆洗排水管
14からオ−バ−フロ−した初濃度C0(約800〜900ppm)を
1.0として、洗浄時間毎に採取した時の濃度CをC/C
0(−)で縦軸に示した。実験結果から空気併用撹拌で分
離した懸濁物の大部分は洗浄時間4分で洗い出される。
その後、排出管15の電磁弁15Bを開き、膨張界面に浮遊
する固化物及び懸濁物塊を排出管15から除去する時間を
5分とすれば効率よく洗浄することができる。したがっ
て、通常の逆洗条件である最小流量と空気による洗浄4
分、逆洗水による洗浄時間4分、排出管15からの排水時
間5分となり逆洗時間が短縮できる。また、懸濁物を洗
い出す時、固化物及び懸濁物塊の比重差によって、生物
活性炭層膨張界面から逆洗排水管14の間に浮遊する懸濁
物の濃度勾配が生じるが、これらの懸濁物も排出管15か
ら効率よく流出させることができ、逆洗の洗浄効率が大
幅に向上する。必要に応じて逆洗ポンプ7の流量制御を
行い膨張レベルを増減させれば効率向上が図れる。
【0021】本実施例によれば、通水抵抗の上昇を早め
る原因となる固化物及び懸濁物塊等を、生物活性炭層2
の膨張界面近傍に排出管を追加設置する簡便な方法によ
り、容易に除去でき、生物活性炭の効率的な逆洗が可能
になる。なお且つ、逆洗水量を削減できる利点がある。
一方、逆洗ポンプ7の制御を要しない逆洗水流量を一定
とした場合、生物活性炭層2の膨張率は水温に依存し、
活性炭粒径により変化するが、その膨張界面の変化を界
面計4aで検出し、それに応じて排出管15の位置を移動
できる構成にすれば同様の効果が得られる。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、以下の効果がある。
【0023】1)生物活性炭層の膨張界面近傍に管壁に
穴を設けた排出管を設置することにより、膨張界面近傍
に浮遊する懸濁物を容易に除去できる。
【0024】2)逆洗水に乗って水面に浮上する懸濁物
は生物活性炭塔上部に設けた逆洗排水管から流出させ、
膨張界面近傍の水中に浮遊する懸濁物は膨張界面近傍に
設けた上記排出管を通じて流出させ、それぞれ得意の機
能を有する逆洗排水管と排出管を用いるので、逆洗時間
及び逆洗水量の削減が達成できる利点がある。
【0025】3)設備的には、従来の生物活性炭塔に加
えて、主として上記の排出管を設置するだけでよいの
で、従来の設備に本発明を容易に適用できる利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す生物活性炭処理塔の構
成図である。
【図2】本発明の実施例における逆洗前の作動原理図で
ある。
【図3】本発明の実施例における逆洗の作動原理図であ
る。
【図4】本発明の排出管からの流出原理の模式図を示
す。
【図5】本実施例による通水時間と圧損上昇の関係を示
す実験結果である。
【図6】逆洗洗浄特性の実験結果を示す。
【符号の説明】
1 生物活性炭塔 2 生物活性炭層 3 支持部材 4a 界面計 5 差圧検出計 6b 水位レベル検出計 7 逆洗ポンプ 7B 電磁弁 8 処理水槽 9 制御装置 11 流入管 11B 電磁弁 12 処理水管 12B 電磁弁 13 逆洗水管 14 逆洗排水管 15 排出管 15B 電磁弁 20 ブロアー 21 逆洗用空気管 21B 電磁弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 昭二 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 中沢 正光 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株式 会社日立製作所国分工場内 (72)発明者 原 直樹 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内 (72)発明者 中山 英則 茨城県日立市大みか町四丁目30番28号 株 式会社日立システムテクノロジー茨城セン ター内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生物を付着させた粒状の活性炭を充填し
    た生物活性炭層を内部に備える生物活性炭塔に、浄水処
    理の際とは逆に下から上方向に洗浄水を逆洗水として流
    通させ、浄水処理の際に生物活性炭層に集積した堆積物
    を洗い出して懸濁物として水中に浮遊させ、該懸濁物を
    逆洗水とともに排出することにより、生物活性炭を洗浄
    し再生する生物活性炭の逆洗方法において、 逆洗水の水面まで浮上した懸濁物を、塔の上部に設けた
    逆洗排水管から逆洗水と共に流出させ、一方、逆洗水に
    より生物活性炭粒が流動して生物活性炭層が膨張して形
    成する膨張界面近傍の水中に浮遊する懸濁物を、該膨張
    界面上に張り出し、管壁に穴を設けた排出管から逆洗水
    とともに流出させることを特徴とする生物活性炭の逆洗
    方法。
  2. 【請求項2】 生物活性炭層の膨張界面の高さ検出し
    て、予め設定した界面になるように逆洗水の流量を制御
    し、かつ排出管の管壁に設けた穴は、該排出管への逆洗
    水の流入速度が生物活性炭層中での逆洗水流速より大と
    なるような開口面積を有することを特徴とする請求項1
    記載の生物活性炭の逆洗方法。
  3. 【請求項3】 生物を付着させた粒状の活性炭を充填し
    た生物活性炭層を内部に備える生物活性炭塔に、浄水処
    理の際とは逆に下から上方向に洗浄水を逆洗水として流
    通させ、浄水処理の際に生物活性炭層に集積した堆積物
    を洗い出して懸濁物として水中に浮遊させ、該懸濁物を
    逆洗水とともに排出することにより、生物活性炭を洗浄
    し再生する生物活性炭の逆洗方法において、 浄水処理の際に生物活性炭層に集積した堆積物のため通
    水抵抗が増して第1レベルに上昇する水位を水位検出手
    段により検出し、そのとき水位検出手段が発する逆洗開
    始の指令に基づいて浄水処理を中止し、排水して水位を
    第2レベルまで下げるステップと、 生物活性炭層に逆洗水と空気、または逆洗水を下方から
    送り込み、生物活性炭を撹拌して、生物活性炭層に集積
    した堆積物を分離し、懸濁物として水中に浮遊させるス
    テップと、 空気の送給を止めると共に逆洗水を増量し、生物活性炭
    粒の上方への流動により生物活性炭層が膨張して形成す
    る膨張界面を界面検出手段で検出して一定レベルになる
    ように逆洗水流量を制御するステップと、 逆洗水の水面まで浮上した懸濁物を、生物活性炭塔の上
    部に設けた逆洗排水管から逆洗水と共に流出させるステ
    ップと、 次いで生物活性炭層の膨張界面に浮上する懸濁物を、該
    膨張界面上に張出し、管壁に穴を設けた排出管から逆洗
    水とともに流出させるステップと、からなることを特徴
    とする生物活性炭の逆洗方法。
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