JP2552493B2 - 加圧式上向流排水処理装置およびその使用法 - Google Patents

加圧式上向流排水処理装置およびその使用法

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    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は加圧式上向流排水処理装置及びそれを用いる
排水の処理方法に関するものである。
水資源の有効利用や環境の保全の必要性から、各種用
水、生活・産業排水等(以下排水と称す)の水処理の必
要性は近年益々増加してきている。通常、水処理は各種
の機能を持つ装置、例えば、水油分離装置、凝集沈殿装
置、接触酸化装置、濾過装置、逆浸透装置、イオン交換
装置等を組合せたトータルシステムで行なわれる。
本発明の加圧式上向流排水処理装置およびその使用法
は固定床方式の接触酸化と濾過の両方に関するものであ
る。詳しくは、本発明は、有機物あるいは有機物と浮遊
分(以下SS分と称す)を含む排水を空気と共に、微生物
を付着した充填物粒子を充填した加圧式上向流排水処理
装置に通し、接触酸化処理する方法およびSS分を含む排
水を充填物粒子を充填した該装置に通し濾過処理する方
法装置に関するものである。
〔従来の技術〕
排水中に含まれる有機物あるいはSS分を処理する方法
には種々あるが、従来、有機物を含むものには活性汚泥
法、接触酸化法などが主に使われている。また、SS分を
含むものについては凝集沈殿法清澄濾過法などが主に使
われている。本発明で対象とする技術は、有機物処理に
ついては接触酸化法でありSS除去処理については清澄濾
過法である。以下これらの方法について従来技術を詳細
に説明する。
〔接触酸化法〕 接触酸化法は微生物を付着した充填物粒子に有機物を
含む排水を空気と共に供給し好気的に処理する方法であ
る。ここで、微生物とは充填物粒子表面に存在する菌体
がコロニーを形成し、更にコロニーが発達したものであ
り、一般に生物膜と呼ばれている。この生物膜の生化学
的な作用で排水中の色や臭いもとになる微量の有機物質
はもちろんSS分、細菌類あるいは鉄・アンモニアなどの
溶解性物質までも処理、除去される。この微生物を用い
る方法は古くから排水の生物処理法として知られてお
り、接触酸化法の他、接触曝気法、浸漬濾床法、接触濾
床法、付着曝気法、接触加過法など多くの名称で呼ばれ
ている。
この接触酸化法は特殊な形状に加工したプラスチック
や表面積の大きな粒状充填物例えば活性炭、さんごの焼
結体、多孔性の焼結粘土、多孔質セラミックスなどを微
生物の保持担体として使用し、これらを排水中に完全に
浸漬した固定床状態に保つことで生物膜を常に水中の環
境に保ち、更に排水を空気による曝気によって容器内で
撹拌し、生物膜と排水および空気とを積極的に接触させ
酸素の供給を計り有機物を生物酸化するものである。こ
の方法と同様な方法として、生物膜を付着した充填物粒
子層の上部から排水を滴化し、排水が粒子表面を流下す
る過程で有機栄養物の吸収、酸素の生物膜への拡散など
を行なわせ、生物酸化によって汚染物質を分解する散水
濾床法がある。固定床方式の接触酸化法はこの散水濾床
法に比較して次の様な利点がある。
(1)微生物濃度が高くとれるので、装置の単位容積当
りの排水処理量が大きくなり、処理装置が小型になる。
(2)密閉構造のため臭気管理が容易である。
(4)有機物濃度が低い場合、処理された有機物による
SS分が充填層内で分離されるためそのまま放流可能な良
質な処理水が直接得られる。
(5)負荷の増減に対する対応性が大きい。
固定床方式の接触酸化法において、この様な利点を更
に高めるためには充填物粒子の粒子径を小さくし、その
比表面積を大きくすることが重要である。比表面積が大
きくなると、装置内の単位充填物容積当りの微生物濃度
が高くなり、排水の処理効率が高くなる上、排水及び空
気の分散も良くなり更に気泡の滞留時間が長くなり、排
水の微生物処理に重要な酸素の供給効率も高くなる。
しかし、固定床方式の接触酸化法で充填物粒子径を小
さくした場合、充填物粒子が浮上りあるいは流動化し排
水処理が効果的に行なえなくなる欠点がある。それは、
酸化処理によって発生した炭酸ガスが微生物に付着する
ことによって充填物粒子が系外に流出することや、微生
物が増殖し過剰に付着した状態では微生物自身の比重が
1に近いことから充填物粒子自身が浮上しやすくなるこ
と、あるいは排水処理に伴って増殖した微生物やSS分に
よって充填層が目詰りし、その結果が、偏流が起り充填
物粒子が流動化して付着した微生物が剥離し効率が低下
することなどである。この様な充填物粒子の浮上りや流
動化に対して、排水を下向流で流し、空気を上向流で流
す向流接触方式も行なわれているがあまり効果的ではな
い。また濾過操作で後述するグリッドを充填層に設け粒
子のブリッジング効果によって浮上りや流動化を防止す
る方法もあるが、接触酸化法では排水と共に空気を供給
するのでグリッドの効果はあまり認められない。従っ
て、やむおえず、ある程度大きな粒子を充填物として使
用しているのが現状である。
〔清澄濾過法〕
清澄濾過法には本発明が対象となる砂、アンスラサイ
トなどの粒状充填物を充填した充填層に排水を通し処理
する緩速あるいは急速濾過法の他、珪藻土、カーボンな
どの濾過助剤を布やその他の保持材にプレコートし、こ
のプレコート層によってSS分を濾過する助剤濾過法や多
孔質のセラミックス、焼結金属、網あるいは布などで直
接SS分を濾過する直接濾過法等がある。これらの清澄濾
過法の中で下記の様な理由から急速濾過法が最も多用さ
れている。
(1)大量処理に適している。
(2)負荷の増減に対し対応性が大きい。
(3)装置の維持管理が容易である。
急速濾過法は重力式(開放式)のものと加圧式(密閉
式)のものがある。
加圧式のものは重力式のものに比べ、濾過の処理速度
が大きくとれ、高性能でフレキシビリティーに富む利点
がある。
更に、この加圧式急速濾過も排水を濾過層に流す流れ
の方向によって、上向流方式、下向流方式、上下向流方
式に分類され、それぞれに特徴がある。本発明が対象と
する方法はこれらの中の加圧式の上向流濾過法である。
この上向流方式の濾過は下向流方式の濾過に比べ次の
利点がある。充填層の充填物粒子は小さな粒子が上層
に、大きな粒子が下層に存在している。この理由は、充
填層の再生操作に際し、充填層が流動化され、洗浄後、
充填層が落着く時に沈降速度の小さな細かな粒子は上層
にたまり、沈降速度の大きな粗い粒子は下層に沈積する
ためである。上向流方式の濾過では排水は充填層下部か
ら流入し、上に向って流れるためSS分は流入部に近い充
填層のみで捕捉されることなく、充填層全体で捕捉され
る。これによって、濾過抵抗が小さくなりSS分の捕捉量
が大きな濾過が可能となる。これに対し、下向流方式の
濾過では排水が粒子の細かい充填層から導入されるので
充填層入口部のみで濾過が行なわれSS分の捕捉量が少な
くなると共に濾過抵抗が急激に出やすくなる欠点があ
る。この上向方式濾過の欠点は上向流によって充填物粒
子が浮上がることや流動化することによって濾過速度に
制限が加えられることである。濾過速度の理論上の最大
値は充填層を構成する最も小さな充填物粒子の最少流動
化速度である。しかし、実用上の濾過速度は、最少充填
物粒子の最少流動化速度の1/2〜1/3程度の値となる。こ
れは充填層内の空隙が捕捉したSS分によって閉塞され狭
くなった場合に通液抵抗が増加し、ついには充填層がろ
液によって押上げられることや、偏流によって、濾過速
度が部分的に最少流動化速度以上になることによってSS
分が充填層から漏出し濾過液の清澄度を悪化させること
や、あるいは、実際に用いる充填物粒子径にはバらツキ
があることや摩耗により粒子径が小さくなることなどの
理由による。
このため、実用上の濾過速度を大きくするための工夫
が行なわれている。
米国特許第4053408号明細書によれば、充填層の浮上
がりを防止するために加圧式上向流濾過において、充填
層上部にグリッドを設けることが示されている。このグ
リッドは充填物粒子の架橋効果を利用して充填層の浮上
りを防止するもので、実際の使用にあたっては、グリッ
ドの形状、間隔等を濾過液の物性、濾過速度、充填物粒
子径等の条件によって選定する必要がある。しかし、こ
のグリッドの設置にも大きな欠点があり、例えば、グリ
ッドの間隔が大きすぎると架橋作用が不十分となるため
充填層浮き上がり防止効果が期待できず、逆に小さすぎ
ると充填層の洗浄終了後グリッド上に充填物粒子が逆ア
ーチを作ってしまうため、充填層が形成されなくなる。
また、静置操作においては充填物粒子をなるべく密充填
することが濾過性能向上のために重要であるが、前記グ
リッドの設置はその妨害ともなる他、洗浄開始時に充填
層破壊の抵抗ともなり、洗浄操作の妨害ともなる。その
上、このグリッドの設置によっても、濾過器内に充填し
た充填物粒子の最少流動化速度より大きな濾過速度を取
ることはできず、グリッドの設置によっても濾過速度を
大巾に改良することは出来ない。
もう一つの方法である上下向流方式の濾過は充填層の
浮上がりを防止し、濾過速度が大きくとれるという点に
おいて優れた方法である。上下向流方式の濾過は充填層
の中間から濾過液を抜き出しているため上向流と下向流
の圧力水頭は常に等しくなり、充填層の浮上は完全に防
止される。しかし、濾過の進行と共に下向流では閉塞に
より濾過速度が落ち、上向流ではそれだけ濾過速度が大
きくなり、常に濾過のバランスが一定に保てず、清澄度
管理等の運転管理が難かしくなる欠点がある。付加すれ
ば、上下向流方式では接触酸化処理のために、気・液を
一諸に流すことは困難である。
固定床方式の排水の接触酸化処理および加圧式急速濾
過においては、充填物粒子層の間隙に増殖した微生物や
SS分が時間と共に詰るので充填層を定期的に再生する必
要がある。この場合のキーポイントは再生操作によって
排出される微生物やSS分を高濃度に含む排水の量をでき
るだけ少なくして充填層を再生することである。
従来行なわれている再生、操作を基本的にみると、充
填物粒子に付着している微生物あるいはSS分を剥離する
操作および剥離した微生物あるいはSS分を系外に排出す
る操作の2つに分けることが出来る。
先ず、SS分等を剥離する方法として、 (1)排水の上昇流によって、充填層を膨張させ、充填
物粒子同士を衝突させることによって剥離させる方法
や、 (2)空気を充填物粒子層下部から流入させ、気泡が充
填層を上昇する際に振動を与える方法あるいは充填層を
膨張させ、充填物粒子同士を衝突させ剥離させる方法、
また、 (3)機械的に充填物粒子を混合し、充填物粒子同士の
衝突によりSS分等を剥離する方法、などがある。
SS分等を系外に排出する方法としては、 (1)洗浄水として排水あるいは処理水を最少流動化速
度以上で流し、充填層を膨張させSS分等を系外に流し出
す方法や、 (2)空気と洗浄水とを併用して流しSS分等を系外に流
し出す方法がある。
いずれの方法においても逆洗のために流す洗浄水の線
速度は濾過速度の数倍の速さが必要である。特に、洗浄
水で充填層を膨張させる場合には充填物粒子の最も大き
な粒径の最少流動化速度の数倍の線速度が必要となるた
めに逆洗に使用される洗浄水の量は非常に多いものとな
る。
通常、SS分等を高濃度に含んだ逆洗排水は逆洗排水貯
槽を経て、高速沈殿設備等で処理され、最終的にはスク
リュープレス等で脱水され産業廃棄物となる。従って、
逆洗排水量を少なくすることは経済性の面から見ても重
要なことである。
固定床の接触酸化法あるいは急速濾過法において、一
般に充填物粒子層を支える支持層が設けられている。通
常この支持層は3〜4層から構成されており、下層に向
って粒子径が大きくなっている。この支持層の粒子径
は、充填物粒子径より大きく再生操作によっても動くこ
となく固定化されている。従って、運転操作が長期的に
亘って行なわれた場合、この支持層に微生物やSSが詰
り、偏流などの原因となり接触酸化あるいは濾過の効率
や性能を著じるしく低下させてしまう。しかもこの場合
再生操作によってもこれらの詰りは除去することが出来
ないので運転操作を停止し洗浄作業を実施する必要があ
る。
〔目的〕
本発明は前記従来技術に見られる下記欠点を克明する
ことを目的とする。
(1)充填層の浮上りや流動化が起る。
(2)濾過速度が小さい。
(3)充填物粒子径が大きい。
(4)逆洗排水量が多い。
(5)支持層での詰りが心配される。
〔構成〕 本発明によれば、充填物粒子からなる充填層及びその
上部に洗浄濃縮排水補集部を含む空間部を内部に有する
密閉型容器と、該充填層下層部に通じる排水あるいは排
水と空気の供給管と、該充填層表層部に通じる処理水あ
るいは処理水と空気の抜出管とを備え、さらに、該空間
部に通じる吸排気管を各備えたことを特徴とする加圧上
向流排水処理装置が提供される。
次に本発明を図面に基づいて説明する。第1図は、本
発明の加圧式上向流排水処理装置の1つの実施例につい
ての説明断面図である。
第1図において、本体容器11の内部には充填物粒子層
が設けられており、細粒から構成される充填層21および
粗粒から構成される充填層22が配置されている。この充
填層は処理目的に応じて多層化される。これらの充填層
に用いられる充填物粒子は直径数ミリメートル以下のも
のが組合せて用いられる。本発明では充填層の粒子配列
は下層から上層に向って小さくなっており、これによっ
て排水の処理を効率的に行うことができる。
充填層の上方空間(A)は逆洗操作に際しての洗浄濃
縮排水捕集部A′および気・液分離部A″を形成し、B
は再生操作における水面を示す。
本発明においては、容器内における充填層の表層部に
は、充填層を通過した処理水あるいは処理水および空気
を充填層表層部において捕集するための、捕集部材30が
付設され、そしてこの捕集部材には捕集した処理水ある
いは処理水および空気を容器外部へ抜出すための抜出管
2が連結されている。この実施例で示した捕集部材30
は、第2図に示したように、下面に多数の細孔32を有す
る複数のパイプ31からなる。この場合、複数のパイプ31
は同一平面に付設される。
本発明で用いる捕集部材は、第2図で示したものに限
定されるものではなく、充填層表面部の処理水あるいは
処理水および空気を捕集し得る構造のものであればよ
く、放射方向に延びたパイプ構造のものの他、円形パイ
プ構造や、パイプを縦横に配設した格子構造等のものと
することができる。また、パイプに設ける細孔は、パイ
プの下面に限らず、パイプの上面及び/又は横面に配設
することもできる。この捕集部材の配設位置は、その細
孔が充填層の上面に密着する位置でよいが、実用上は、
再生操作終了後の充填層上面位置が若干変動するので、
充填層上面より幾分下方(約10〜100mm程度下方)に位
置するように設けるのが実用上好ましい。
また、前記容器には、その下部に処理操作中に使用さ
れる排水および空気供給管1が配設され、そしてこの供
給管には排水および空気を充填層に均一に分散させるた
めの気液分散部材40が連結されている。この実施例で示
した気液分散部材は第3図に示した様に、多数の分散用
細孔42を有する複数のパイプ41からなっている。本発明
で用いる気液の分散部材は、第3図に示したものに限定
されるものでなく、排水および空気を充填層に均一に分
散し得る構造のものであればよい。更に、容器上部に
は、充填層の再生操作のための洗浄濃縮排水抜出管3お
よび上方に吸・排気管4が配設されている。また、洗浄
濃縮排水抜出管は抜出管2で代用することもできる。
その他、必要に応じマンホール12、13が取付けられて
いる。
次に、前記した、本発明の装置を用いた接触酸化処
理、加圧式急速濾過および充填層再生操作について詳述
する。
〔接触酸化処理操作〕
本発明の好ましい態様によれば、充填物粒子に微生物
を担持させ、排水を、微生物処理と濾過処理を同時に行
うことができる。このような排水処理は、有機物濃度の
高い有機排水処理に好適である。第4図に、この場合の
フローシートを示す。
第4図において50は排水処理装置、51は洗浄濃度排水
処理装置、52は排水貯槽を示す。Fは微生物の担持され
た充填物粒子を示す。
接触酸化により排水処理を行うには、バルブ60、61、
63を開の状態にし、バルブ65、64、62を閉の状態にして
有機性物質を含む排水をポンプ70により排水貯槽52よ
り、気液分散部材40を介し、排水処理装置50の下部に導
入する、また、バルブ61を介して空気を排水中に圧入
し、排水と共に排水処理装置に導入する。
この様にして導入された排水と空気は充填層Fを上昇
し、捕集部材30により捕集され抜出管2より排水処理装
置系外に抜き出され、バルブ63を介して再び排水貯槽へ
戻される。この時、排水処理装置の逆洗濃縮排水補集用
空間部分Aはガス体(空気)で満たされている。また、
充填層Fの充填物粒子表面には菌体が付着し、更に発達
しコロニーを形成し次第に微生物膜を生成してゆく。処
理する排水に適した微生物膜が充填層に形成された後
に、バルブ62が開けられ、バルブ63が閉じられ通常の排
水処理操作が行なわれ、有機物が微生物の生物反応で炭
酸ガスと水に酸化され処理される。この様に処理された
排水は有機物、SS濃度が低い場合にはそのまま放流可能
なレベル迄浄化される。また、低レベルでの再生水例え
ば、洗浄用水、水洗便所用水などの場合には汚泥沈降槽
を介し、後述する濾過装置などを通すことによって、透
明度などが高められ再び循環使用される。更に高レベル
再生する場合には活性炭吸着槽、イオン交換塔、逆浸透
圧装置などへ導かれ処理される。
このような微生物排水処理では、微生物の増殖による
固形分が生成され、充填槽の目詰りが起るようになり、
そのため、充填槽の再生が必要になるが、この場合の充
填槽の再生操作については後で詳細に説明する。
本発明の特徴は、前記のような接触酸化操作において
処理負荷を上げるために排水あるいは空気の供給圧を高
くしても、それによって充填物粒子の流動化は実質上生
起しないことである。この理由は以下の通りである。
即ち、容器内部は前記したように排水と処理水とガス
体とからなる媒体によって全体的に充満された状態にあ
る。このような状態で排水あるいは空気の供給圧を上げ
ると、この圧力はその液媒体に伝達され、容器内の媒体
の静圧が上昇するだけで、この圧力上昇によって充填物
粒子が流動化されることはない。一方、充填層に加えら
れる圧力は、前記した静圧の他、充填層を上向きに流れ
る排水の流体圧であるが、この充填層を通る排水の流れ
は、前記したように、充填層表面部には処理水および空
気の捕集部材30が配置されていることから、充填層表面
部までの上向流であり、充填層表面部より上方に向う流
れはない。従って、充填層を上向きに押上げる液体圧
は、充填層を介し、その上部を密閉空間に充満されたガ
ス体に作用するが、この液体圧による充填層は押上げる
力はその静止水とガス体とによる反作用によってバラン
スされ、その結果、充填層が上方に向けて流動化される
ことはない。以上のことから、本発明の場合、排水の水
圧をいくら高めても、処理速度が増加するだけで、充填
層が流動化されるようになることはない。
〔濾過操作〕
本発明の装置を用いて排水の濾過操作を行う場合の状
態図を第4図に示す。この場合、操作開始に際してはバ
ルブ60、62のみ開けられ、バルブ61、63、64、65は閉じ
られる。そして、SS分を含む排水はポンプ70により排水
貯槽52より気液分散部材40を介し排水処理装置50の下部
に導入される。排水は充填槽Fを上昇し、SS分が充填物
粒子に捕捉され処理される。この時上部空間の逆洗濃縮
排水捕集用空間部Aは空気で満されており、この空気圧
力は捕集部材30の処理水の圧力に等しい。また、処理水
の負荷変動によって排水の供給圧が変動した場合、逆洗
濃縮排水捕集用空間部Aでの処理水の液面が変動し、空
気圧が変動し、自動的に圧力バランスが保たれる。
充填層でのSS分の除去状況について見てみると、充填
層は入口から出口に向って充填物粒子が粗粒から細粒へ
と配列されているので、除去されやすいSS分から充填層
に捕捉される。これによって充填層全体が有効に使わ
れ、捕捉されるSS分も多くなる。このような濾過操作に
よって充填層にSS分が捕捉されてゆくと、充填層での圧
力損失が大きくなってゆくと共に、濾過液中のSS分の濃
度が破過により増大するようになる。この様な状態にな
るか、あるいはその直前に濾過操作を中止し、充填層再
生操作を行う。
接触酸化操作および濾過操作における充填層洗操作に
ついて以下に詳細に説明する。
〔充填層の再生〕
(1)洗浄用液の導入操作 充填層の再生操作を行うには、第4図において、排水
処理を停止し、バルブ61、62、63、65を閉の状態にし、
バルブ60、64を開の状態にして、排水を供給し、逆洗濃
縮排水捕集用空間部Aにおける液面を吸排気管4と逆洗
濃縮排水抜出管3の中間の位置にする。この時、洗浄用
の液としては排水自身を利用する。
(2)充填層の空気撹拌操作 バルブ60、62、63、65を閉の状態にし、バルブ61、64
を開の状態にして、空気を排水および空気供給管1から
吸込む。この空気は、気液分散部材40を通って液中に分
散された後、充填層を上昇すると共にその間に充填層を
よく撹拌し、次いで排気管4を通って容器外部へ排出さ
れる。この際撹拌によって、充填層の充填物粒子は相互
に衝突し、充填物粒子表面に付着した余分な微生物ある
いはSS分は剥離され、充填物粒子の再生が達成される。
剥離した余分な微生物あるいはSS分は洗浄濃縮排水捕集
部Aに懸濁状態で集められる。
(3)充填物粒子の静置操作 バルブ61を閉じることによって、撹拌用空気の供給を
停止し、充填物粒子を静置させる。これによって余分な
微生物あるいはSS分と充填物粒子とが分離される。
(4)洗浄濃縮排水の抜出し操作 バルブ65を開き、濃縮排水捕集部Aに懸濁状態で捕集
されている物質を排出管3より抜出す。この抜出された
懸濁状物質を含む液は、別の処理装置51により、その懸
濁物質を分離除去処理する。
(5)液面調節操作 充填層内に存在する余分な微生物あるいは懸濁性固形
物質を更に除去する場合には、前記(1)〜(4)の操
作を繰返す。
(6)清水化操作 接触酸化処理においては、バルブ60、61、63を開の状
態にし、バルブ62、64、65を閉の状態にして、排水およ
び空気を供給し、リサイクル運転を行ない、清水化を行
う。清水化が行なわれた後に、バルブ62を開にし、バル
ブ63を閉の状態にし、通常の接触酸化処理を移行する。
濾過操作においては、清水化操作を行うには、バルブ
60、63を開の状態にし、バルブ61、62、64、65を閉の状
態にして、排水を排水供給管1から導入して、排水のリ
サイクル運転を若干行う。これによって、充填層の粒子
間に懸濁している物質を再び充填物粒子に捕集あるいは
付着させ、得られる処理水を清水状のものとする。
この清水化操作後、バルブ62を開、バルブ63を閉に
し、再び定常の排水処理を行う。
本発明の装置においては、種々の変更が可能であり、
例えば、空気供給管6と排水供給管5を別々にすること
も可能であるし、また充填層は、場合によっては同一程
度のものによって形成することも可能であるし、逆洗排
水捕集部中間に洗浄用液のレベル調節管を設置すること
も可能である。更に、バルブ62において接触酸化処理装
置内の逆圧力を調節することもできる。
〔効果〕
本発明の処理装置は、前記したような処理操作と充填
層再生操作を繰返し行うことによって運転されるが、本
発明の場合、排水原液および空気の供給速度に関係な
く、充填層の浮上り又は流動化が防止されるので、種々
の利点が得られる。次に、本発明の利点について具体的
に示す。
排水原液を充填層の粗粒子層から細粒子層に向って
流せるので理想的な状態で充填層全体が有効に使用され
る。
微生物あるいはSS分の捕捉量が大きくなるので処理
持続時間が長くなる。
処理速度が大きくとれる。
プロセル上の都合で、装置の処理速度以上でも一時的
には安定した処理が行える。
排水原液あるいは微生物処理によって充填物粒子に気
泡が付着しても充填層が動かないので安定した処理が行
える。
充填層が微生物あるいはSS分で詰まり、処理圧が上昇
した場合でも安定した処理が行う。
充填物粒子の選定は一種類の充填物粒子径を組合せ
ることによって容易におこなえる。
充填層あるいは濾過層を支えるための支持層を設け
ていないので、支持層に微生物やSS分が詰り性能を低下
させる心配がない。
充填層の再生を逆洗排水捕集部に導入した少量の排水
と空気による撹拌で行なうので、逆洗のために使用する
排水の量が非常に少ない。
充填層の洗浄を排水原液を用いて行なえることか
ら、洗浄用液の確保、逆洗ポンプ等が必要とならず、処
理システムが簡単になり、経済的である。
本発明の加圧式上向流排水処理装置は非常に高性能の
もので、従来のものに比して、以上のような数多くの利
点を有し、排水原液を大量に効率よく処理することがで
き、しかも得られる処理水の清澄度は高い。本発明の処
理装置は、各種排水からそれに含まれる懸濁物質の除去
に用いることができ、例えば、懸濁性質を含む工場排水
の処理、上下水の処理、工業用水の処理、反応液の処理
等を用いることができる。また、高有機含量の排水に対
しては、微生物を充填物粒子に担持させることにより、
濾過処理と微生物処理を同時に行うことができるので非
常に有利である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の処理装置の1つの実施例についての
説明断面図を示し、第2図は処理水捕集部材30の平面図
を示す。第3図は排水および空気の分散部材の平面図を
示す。第4図は、充填物粒子に微生物を担持させて、排
水の微生物処理を行なう場合のフローシートおよび排水
の濾過操作を行なう場合のフローシートならびに、充填
層の再生操作を行なう場合の状態説明図である。 1……空気・排水供給管、2……空気・処理水抜出管、
3……洗浄濃縮排水抜出管、4……吸排気管、5……排
水供給管、6……空気供給管、11……本体容器、12……
マンホール、13……マンホール、21……細粒から構成さ
れる充填層、22……粗粒から構成される充填層、30……
処理水あるいは処理水および空気の捕集部材、31……パ
イプ、32……細孔、40……気液分散部材、41……パイ
プ、42……分散用細孔、50……排水処理装置、51……洗
浄濃縮排水処理装置、52……排水貯槽、60……排水供給
バルブ、61……空気供給バルブ、62……空気・処理水抜
出バルブ、63……処理水循環バルブ、64……吸・排気バ
ルブ、65……洗浄濃縮排水抜出バルブ、70……排水供給
ポンプ、A……洗浄濃縮排水捕集用空間、A′……洗浄
濃縮排水捕集部、A″……気液分離部、F……再生操作
における水面、F……充填層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭54−135048(JP,U)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】充填物粒子からなる充填層及びその上部に
    洗浄濃縮排水捕集部を含む空間部を内部に有する密閉型
    容器と、該充填層下層部に通じる空気・排水供給管と、
    該充填層表層部に通じる空気・処理水抜出管と、該空間
    部に通じる吸・排気管を各備えたことを特徴とする加圧
    上向流排水処理装置。
  2. 【請求項2】該充填物粒子に微生物が付着されている特
    許請求の範囲第(1)項の装置。
  3. 【請求項3】充填物粒子からなる充填層及びその上部に
    洗浄濃縮排水捕集部を含む空間部を内部に有する密閉型
    容器と、該充填層下層部に通じる空気・排水供給管と、
    該充填層表層部に通じる空気・処理水抜出管と、該空間
    部に通じる吸排気管を各備えた装置を用いるとともに、
    該空気・排水供給管から有機物を含む排水と空気を供給
    し、該空気・処理水抜出管から処理水と共に空気を抜出
    することからなり、該充填層の上方にガス空間が形成さ
    れていることを特徴とする排水処理方法。
  4. 【請求項4】該充填粒子に微生物が付着されている特許
    請求の範囲第3項の方法。
  5. 【請求項5】充填物粒子からなる充填層及びその上部に
    洗浄濃縮排水捕集部を含む空間部を内部に有する密閉型
    容器と、該充填層下層部に通じる空気・排水供給管と、
    該充填層表面部に通じる空気・処理水抜出管と、該空間
    部に通じる吸・排気管を各備えた装置を用いるととも
    に、該空気・排水供給管から浮遊分を含む排水を供給
    し、該空気・処理水抜出管から処理水を抜出することか
    らなり、該充填層の上方にガス空間が形成されているこ
    ととを特徴とする排水の処理方法。
  6. 【請求項6】充填物粒子からなる充填層及びその上部に
    洗浄濃縮排水捕集部を含む空間部を内部に有する密閉型
    容器と、該充填層下層部に通じる空気・排水供給管と、
    該充填表面部に通じる空気・処理水抜出管と、該空間部
    に通じる吸・排気管を各備えた装置を用いて有機物及び
    又は浮遊分を含む排水を処理するに際し、該充填層に微
    生物及び又は浮遊分が大量に付着した時に、排水処理操
    作を中止し、該充填層の再生を以下の操作で行った後、
    再び排水処理操作を開始することを特徴とする排水の処
    理方法。 i)洗浄濃縮排水捕集用空間の中間迄、洗浄用の排水を
    導入する操作、 ii)空気供給管より空気を導入し、空気により充填層を
    撹拌する操作、 iii)空気の導入を中止し、充填物粒子を静置すること
    によって洗浄排水中に微生物及び/又は浮遊分を含む洗
    浄濃縮排水を充填層上部に捕集すると共に充填層を形成
    する操作、 iv)洗浄濃縮排水を抜き出す操作、 v)有機物を含む排水と空気あるいは浮遊分を含む排水
    を充填下層部へ供給し、処理水と空気あるいは処理水を
    空気・処理水抜出管より抜出し、排水貯槽に戻す清水化
    操作。
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