JP3836576B2 - 流動床式排水処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流動床式排水処理装置に関し、詳しくは、生物膜付着担体を用いた流動床によって下排水の処理を行う流動床式排水処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
流動床による排水処理法は、生物の保持量が多く、高い撹拌力が得られることから、処理効率が良好で、コンパクトな装置で十分な排水処理を行うことが可能である。このため、従来から多くの研究が行われているが、産業排水処理における小規模施設での実用化例はあるものの、公共の下水処理等の比較的大規模での実用例はほとんど無い。
【0003】
図8は、従来の生物膜付着担体を用いた流動床を示すもので、好気性処理を行う流動床の一例を示している。この流動床1は、処理槽2の底部に設けられた原水流入部3と、槽頂部に設けられた処理水流出部4と、槽下部に設けられた支持層5及び散気手段6と、槽上部の大径部2a内に設けられた担体流出防止用の分離筒7とにより形成されている。処理槽2内に投入された生物膜付着担体Cは、原水流入部3から処理水流出部4に向けて上昇する水流によって流動化し、生物反応による浄水処理を行う。
【0004】
上述のような従来の流動床においては、生物膜付着担体(以下、単に担体という)として、比重が1.4〜2.7程度で、直径が0.4〜1mm程度のケイ砂,粒状活性炭,アンスラサイト等が用いられている。このような比較的比重が大きい担体を用いる場合、流動化させるための動力を考慮すると、直径が0.5mm以下の微細なサイズのものを用いる必要があるが、この場合でも、流動化に必要な流速は、500〜800m/日程度と比較的高速となり、必ずしも反応速度と合致するものではなかった。例えば、流動床の有効高さを3m程度とすると、反応時間が2〜5分程度になってしまうため、循環処理を行ったり、多段階の処理を行ったりするなどの工夫が必要であった。さらに、槽内に流入する原水の上昇流速のみで比重の大きな担体を流動化させるため、スケールアップが難しく、処理規模の大きな下水処理場への適応が困難であった。
【0005】
また、微細なサイズの担体を用いると、剥離した生物膜や流入水中の懸濁成分と担体との分離が困難になるため、下水のように夾雑物を多く含む排水への適応は困難であり、特に、支持層を用いて担体を支持する装置の場合は、支持層の閉塞を招くおそれがあった。
【0006】
しかも、同じ担体を用い、一定の流速とした場合でも、担体の流動化率(膨張率)は、水温や担体への生物の付着量により大きく影響を受け、流動化率が低過ぎる場合には処理効率が低下し、高過ぎると担体が処理水と共に流出することがある。特に、高負荷で運転される流動床の場合は、生物膜が肥大化し易く、最適な流速範囲が大幅に変化し、例えば、生物が付着する前と比較して1/3〜1/10になることもある。
【0007】
したがって、従来の流動床では、流動化率がある程度高くなっても担体が流出しないようにするため、処理槽の上部に十分な余裕高を設けておく必要があり、しかも、装置上部に、処理水と担体とを分離するための大掛かりな分離装置を設ける必要もあった。特に、好気性処理を行うものでは、散気した空気等のガスも分離する必要があるため、上部の水面積を大きくしなければならなかった。このようなことから、従来の流動床式排水処理装置では、その設置面積が大きくなってしまうという欠点があった。
【0008】
そこで本発明は、担体の流動化を効率よく行うことができ、効率的な生物処理を行うことができる流動床式排水処理装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の流動床式排水処理装置は、槽下部に原水流入部を、槽上部に処理水流出部を、それぞれ有する処理槽内に生物膜付着担体を投入して下排水の処理を行う流動床式排水処理装置において、前記処理槽の上部に、処理水流出部から流出する処理水と生物膜付着担体とを分離するスクリーンをリング状に設置し、該リング状スクリーンの中心に配置した回転軸により回転してスクリーンに捕捉された生物膜付着担体を取除く担体除去手段を設けるとともに、前記回転軸に処理槽内の被処理水を撹拌する撹拌手段を装着したことを特徴としている。
【0010】
さらに、本発明の流動床式排水処理装置は、前記処理槽の底部を、上部が拡開した漏斗状に形成するとともに、前記原水流入部を、処理槽の底部に向けて原水を吐出するように配置したこと、前記生物膜付着担体の比重が0.9〜1.2であり、サイズが3〜20mmであること、前記生物膜付着担体の膨張率を検出する手段を設けるとともに、検出した膨張率によって前記撹拌手段の運転を制御する制御手段を設けること、さらに、前記原水流入部に、原水の逆流防止手段を備えていることを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1乃至図4は、本発明の流動床式排水処理装置の一形態例を示すもので、図1は流動床式排水処理装置の模式図、図2は同じく概略平面図、図3は要部の縦断面図、図4は原水流入部に設けた逆流防止手段の一例を示す縦断面図である。
【0012】
本形態例に示す流動床式排水処理装置は、下部に原水流入部11を、上部に処理水流出部12をそれぞれ有する有底角筒状の処理槽13からなるもので、該処理槽13の底部は、下部が収斂して上部が拡開した漏斗状(ホッパー状)に形成されている。原水流入部11は、漏斗状底部の下端収斂部に向けて原水を吐出するように配置されており、また、処理水流出部12には、リング状に形成された担体分離用のウェッジワイヤースクリーン14が設けられている。
【0013】
さらに、処理槽13の中心軸上には、モーター15により駆動される回転軸16が設けられており、この回転軸16に、前記ウェッジワイヤースクリーン14に捕捉された担体Cを取除くための担体除去手段であるスクレーパ17と、処理槽13内を撹拌して担体Cに付着する生物量を制御するための撹拌手段である撹拌翼18とが設けられている。
【0014】
ウェッジワイヤースクリーン14は、図3に示すように、リング状に形成した多数のウェッジ形ワイヤー14aを、その外周側に位置する複数本のサポートロッド14bにより所定間隔で保持したものであって、処理水や汚泥等は、ウェッジ形ワイヤー14a同士の間を通過して仕切板12a上に流れた後、処理水流出部12から流出する。このようなウェッジワイヤースクリーン14は、ウェッジ形ワイヤー14aの間隔を適当に設定することにより、目詰まりを抑えながら処理水及び汚泥を効率よく排出できるとともに、担体Cの流出を確実に防止することができる。
【0015】
また、回転軸16に支持腕17aを介して取付けられたスクレーパ17は、ウェッジワイヤースクリーン14の内周に沿って回転するものであって、ウェッジワイヤースクリーン14の内周面との間には、担体Cのサイズに応じた適宜な間隔が設けられており、連続的あるいは間欠的にスクレーパ17を作動させることにより、ウェッジワイヤースクリーン14が担体Cによって目詰まりすることを確実に防止できる。
【0016】
さらに、原水流入部11の先端(原水吐出端)には、図4に示すような原水の逆流防止手段が設けられている。この逆流防止手段は、上部に原水流入口19aを有するとともに、弁座19bを有する筒体19と、該筒体19の弁座19bの下方に上下動可能に収納されたフロート弁20と、筒体19の下半部外周を覆うように設けられたディフューザー21とからなるもので、筒体19の中段部には、ディフューザー21内に原水を噴出する噴出口19cが複数個設けられている。
【0017】
原水が流入しているときには、図4に示すように、原水の流入エネルギーによりフロート弁20が弁座19bから離れて下方に移動し、流入する原水は、筒体19内から噴出口19cを通ってディフューザー21内に噴出し、ディフューザー21にガイドされて槽底部に吐出する。したがって、噴出口19cの位置や大きさ、ディフューザー21の形状(拡がり角度等)を適当に設定することにより、原水を槽底部の任意の位置に、任意の流速で吐出させることができ、槽底部の形状によって図1に矢印Aで示すような、処理槽13の全体に渡る上昇流を形成することができる。これにより、担体Cを効果的に流動化させることができ、効率的な生物反応を行わせることができる。しかも、従来のような目詰まりが発生するおそれがある支持層を設ける必要がないので、下水のように夾雑物を多く含む排水の処理も容易に行うことができる。
【0018】
一方、原水の流入が停止すると、フロート弁20が浮力により上昇し、図4に想像線で示すように弁座19bに圧着して流路を閉塞するので、処理槽13内の水が原水流入部11に逆流することがなくなる。このようなフロート弁20による逆流防止手段を用いることにより、通常の弁体(逆止弁)に比べて簡単な構造で逆流を防止できるとともに、流入する原水中の夾雑物による目詰まりもなくなり、しかも、流入原水を効果的に分散させることができる。
【0019】
処理槽13内に投入される担体Cは、プラスチック、例えば、ポリプロピレン(比重約0.9)やポリエチレン(比重約0.92)に、比重調整用のシリカやカルシウム等の無機物,金属粉を添加したプラスチック製担体であって、シリカ等の添加量を調節することによって比重を任意に調整することが可能なものを用いている。この担体Cの形状は、球形,パイプ状等、成形可能な形状ならば任意であるが、その表面は、生物膜が付着し易い微細な凹凸を有する、ざらざらしたものが好ましい。さらに、微生物の生息に適した50〜300μm程度の空孔を有するものが特に好ましい。
【0020】
担体Cの比重や大きさは、流動床の形状,構成や処理条件に応じて最適な範囲に設定することができるが、比重は0.9〜1.2の範囲、サイズは3〜20mmの範囲にすることが好ましい。比重が小さ過ぎると、撹拌手段で槽内を撹拌したとしても、そのほとんどが水面近くに浮上してしまうため、生物膜付着担体として十分に機能せず、一方、比重が大き過ぎると、担体Cを流動化させるために流速を高くしなければならないため、流動床内の滞留時間を十分にとることが困難になるという不都合がある。すなわち、生物反応に必要な処理時間を考慮して流動床内の滞留時間を設定し、これにより処理速度(上昇流速)を求め、この速度域で十分な流動状態が得られるように担体Cの比重を設定すればよい。また、担体の大きさ(サイズ)は、比重や表面積等に応じて任意に選定することができるので、処理水との分離性や洗浄性を考慮して従来よりも大きな3〜20mm程度の大きさにすることができる。さらに、このようなプラスチック製担体は、前述のアンスラサイトや粒状活性炭等と比較して摩耗による損失も少ないという利点も有している。
【0021】
したがって、流入原水量に対応した比重及び大きさの担体Cを用いることが可能となるため、生物の保持量や撹拌力を最適な状態に設定することができ、処理効率を大幅に向上させることができる。さらに、比較的大きな担体Cを用いるとともに、処理水流出部12にウェッジワイヤースクリーン14を設けて担体を分離することにより、従来のように、槽上部の水面積を大きくしたり、散気に伴うガスの分離手段を設ける必要がなくなり、装置の簡略化やコンパクト化を図ることができる。
【0022】
なお、担体の大きさを3mm未満にすると、ウェッジワイヤースクリーン14の目を細かくしなければならず、ウェッジワイヤースクリーン自体の製造コストが上昇し、また、目詰りの可能性も高くなる。逆に、担体を20mmを超える大きさにすると、担体の比表面積(有効面積)が減少することになり、処理効率に悪影響を与えることになる。このように適当な大きさの担体Cを用いるとともに、ウェッジワイヤースクリーン14を用いて担体Cを物理的に分離することにより、流量変動等によって担体Cが流出することがなくなり、安定した処理を継続することができる。
【0023】
前記撹拌翼18は、処理槽13内を撹拌することによる水流エネルギーと撹拌翼18自体の機械的なエネルギーとによって担体Cに付着した生物膜を剥離し、担体Cの生物膜付着量を最適な状態に制御するものである。
【0024】
すなわち、流動床においては、一般的に、担体Cに生物膜が付着していない運転開始時に、20〜30%程度の流動化率となるように通水速度を設定するが、生物膜が形成されるのに伴って流動化率は増加してくる。効率的な処理を行うためには、流動化率を100〜200%程度に維持することが必要である。
【0025】
担体Cの流動化に必要なエネルギーは、50%程度の流動化率までは、流速の上昇に従って上昇するが、その後は略一定であり、流動化率は担体Cへの生物膜付着量によって左右されることになる。すなわち、100〜200%の流動化率においては、流速による流動化エネルギーは一定であり、流動化層の単位容積に対する投入エネルギーは、流動化率に逆比例するように減少することを意味している。したがって、原水流入部11から流入する原水の流速に伴う撹拌力のみによって生物膜付着量を制御することは困難であり、流動化率を所定範囲に維持することはできない。そして、生物膜が肥大化するのに伴って流動化率は更に増加し、ついには、処理水と共に担体Cが流出してしまうことになる。
【0026】
上述のように、担体Cは、生物膜付着量が多くなるのに伴って処理槽13の上部にまで上昇するようになるので、処理槽13の適当な位置に撹拌手翼18を設けて機械的な撹拌力を与えることにより、担体Cに付着した生物膜を適度に剥離することができ、生物膜を剥離した担体Cは、浮上力を失い沈降速度が増して流動床の下層部へ戻ることになる。特に、撹拌翼18を流動床の上層部に設置することにより、上層部の肥大化した生物膜のみを効率よく剥離することができる。このとき、過度の撹拌力を与えて生物膜を剥離し過ぎたとしても、上層部に上昇したものだけであるため、装置全体の生物保持量が大きく変化することはなく、処理水質への影響もほとんどない。また、従来行われていた担体の洗浄を行う必要がなくなるので、連続運転が可能となり、処理効率を更に向上させることができる。
【0027】
したがって、上記撹拌翼18の運転時間や撹拌力(回転数や翼の形状等)を適切に設定することにより、担体Cの生物膜付着量を制御することが可能となり、処理槽13内を、最も効果的な流動化率(膨張率)に管理することができ、例えば、流動化率を常に100〜200%の範囲に維持して高効率の処理を行うことができる。また、汚泥界面計等のように担体の膨張率を検出する手段を設けて槽内の流動化状態を測定し、検出した膨張率によって撹拌翼18の運転状態を制御する制御手段を設けることにより、更に効果的な運転を自動的に行うことができる。
【0028】
さらに、担体Cの生物膜付着量を適当な範囲に制御することにより、担体Cが処理水流出部12まで上昇することがほとんどなくなるので、従来のように、槽上部の水面積を大きくしたり、散気に伴うガスの分離手段を設けたりする必要がなくなり、装置の簡略化やコンパクト化を図ることができる。
【0029】
なお、処理槽13は円筒形でもよく、上述の流動床式排水処理装置で好気性処理を行う場合は、槽底部の適当な位置に散気装置を設ければよい。さらに、前記ウェッジワイヤースクリーン14は、部分的、例えば適当な高さの仕切壁の一部にウェッジワイヤースクリーンに設けることもでき、回転式のスクレーパ17に代えて他の担体除去手段、例えば空洗や逆洗等を使用すれば、任意の形状に形成することができる。また、一般的なスクリーンを使用してもよい。
【0030】
さらに、前記撹拌翼18を流動化層の上下全体にわたって設け、流動床全体を撹拌するようにしてもよい。この場合、上方の撹拌翼と下方の撹拌翼とにおける形状や枚数,上下の配置間隔等を変えることもでき、撹拌翼の形状としては、図1に示すようなパドルタイプの他、ピケットフェンス状のものなど、肥大した生物膜を剥離できるものならば任意の形状のものを用いることができる。また、撹拌手段としては、撹拌翼以外に循環ポンプ等を利用することも可能である。
【0031】
さらに、撹拌翼18のような撹拌手段で担体Cの過度の上昇を確実に防止できれば、前記担体分離用のウェッジワイヤースクリーン14を省略することもできる。逆に、曝気による担体Cの洗浄等を行うことによって生物膜付着量を適当な範囲に制御するようにしたときは、撹拌手段を省略するようにしてもよい。
【0032】
また、図5の模式図に示すように、処理槽13の容積(底面積)が大きい場合等には、底部を複数の漏斗状部分13aに分割し、各漏斗状部分13aに原水流入部11aをそれぞれ設けるようにすることができる。これにより、スケールアップを容易に行うことができ、処理規模の大きな下水処理場にも適応可能となる。同様に、処理水流出部12のウェッジワイヤースクリーン14や撹拌翼18を複数に分割して設けることもできる。なお、前記図1に示した形態例における構成要素と同一の構成要素には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0033】
図6は、本発明の流動床式排水処理装置を用いた排水処理設備の一例を示すものであって、前記図1に示した構造を有する処理槽13を脱窒槽(嫌気処理槽)として用い、その後段に浮遊型硝化槽31と最終沈殿池32とを設け、BOD,SSの処理に加えて窒素の処理も行うようにしたものである。
【0034】
流入下水(原水)は、最初沈殿池による沈殿処理等の前処理が行われた後、経路33を介して返送される浮遊型硝化槽31からの硝化液及び経路34を介して返送される最終沈殿池32からの返送汚泥と混合し、原水流入部11から処理槽13の底部に流入する。処理槽13に流入した原水は、担体Cに付着した生物膜(微生物)によって嫌気的浄化処理、主に脱窒処理された後、処理水流出部12から浮遊型硝化槽31に流入する。浮遊型硝化槽31には、硝化菌を包括固定化した担体が投入されており、槽底部に設けられた散気装置35からの散気により好気的浄化処理、主に硝化反応が行われ、原水中の窒素の硝化が行われる。
【0035】
浮遊型硝化槽31からの硝化処理水(硝化液)は、担体分離用スクリーン36を経て経路37に流出し、その一部(原水量に対して100〜300%)がポンプ38,経路33を介して処理槽13に戻され、残部が最終沈殿池32に流入する。この最終沈殿池32で汚泥を分離した処理水は、経路39から処理水槽等を経て河川等に放流される。また、最終沈殿池32で発生した汚泥は、一部が返送汚泥としてポンプ40,経路34を通って処理槽13に戻され、残部が余剰汚泥としてポンプ41,経路42により汚泥貯留槽に送られて処理される。
【0036】
このように硝化液を処理槽13に戻す場合は、流入下水の流量変動等によって原水の流量が少なくなった場合や原水の流入がなくなった場合でも、硝化液のみの流量で担体Cを流動化できるようにしておくことが好ましい。
【0037】
図7は、本発明の流動床式排水処理装置を用いた排水処理設備の他の構成例を示すものであって、前記図1に示した構造を有する処理槽13を、前記同様に脱窒槽(嫌気処理槽)として用い、その後段に無薬注加圧浮上分離装置51と好気性ろ床52とを設けたものである。
【0038】
原水は、経路53を介して返送される好気性ろ床52からの硝化液と混合して原水流入部11から処理槽13の底部に流入し、担体Cに付着した生物膜により嫌気的浄化処理(主に脱窒反応)が行われる。
【0039】
嫌気処理された処理水(嫌気処理水)は、処理槽13から処理水流出部12を経て経路54から供給される加圧空気溶解水と混合した後、加圧浮上分離装置51に流入する。加圧浮上分離装置51では、前記加圧空気溶解水から発生する微細気泡に前記嫌気処理水中の懸濁成分を付着させて見掛けの比重を小さくすることにより浮上させるもので、浮上した浮上汚泥(フロス)は、掻取機55により掻取られて経路56から汚泥貯留槽に送られる。また、底部に沈殿した汚泥も汚泥貯留槽に送られる。このときの汚泥濃度は3〜5%であり、従来の汚泥濃縮槽における重力濃縮に比較して高濃度である。
【0040】
加圧浮上分離装置51で固液分離処理された水(加圧浮上処理水)の一部は、出口側で経路57に抜取られて圧縮空気と混合した後、加圧空気溶解水として前記経路54から嫌気処理水に供給混合される。また、加圧浮上処理水の残部は、経路58から好気性ろ床52に流入する。
【0041】
好気性ろ床52は、好気性微生物を保持する槽上部の接触材充填部59と、ろ材を充填した槽下部のろ材充填部60と、槽底部の散気装置61等を有するもので、好気性ろ床52に流入した加圧浮上処理水は、散気装置61からの散気により好気状態に維持されている接触材充填部59及びろ材充填部60を通過することにより、好気的浄化処理(主に硝化反応)及びろ過処理が行われ、槽底部の処理水流出経路62に流出する。この処理水の一部は、ポンプ63,経路53を通り、硝化液として処理槽13に戻される。また、処理水の残部は、経路64から処理水槽等を経て河川等に放流される。
【0042】
前記加圧浮上分離装置51は、通常の沈殿処理に比べて懸濁成分の除去率が高いため、後段の好気性ろ床52への流入負荷を少なくでき、その分の容量を小さくすることが可能になる。また、浮上処理では、髪の毛、油分、スカム等の浮上し易い成分を、略完全に除去することができるため、好気性ろ床52の閉塞やスカムの発生が少なくなる。
【0043】
したがって、本発明の流動床式排水処理装置と無薬注加圧浮上分離装置とを組合わせることにより、排水処理設備の処理効率を大幅に向上させることができ、設備の小型化を図ることができる。さらに、好気性ろ床52の洗浄排水を原水に戻して混合し、再び加圧浮上分離処理を行うことにより、汚泥発生箇所の一本化と高濃度化とを図ることができ、汚泥発生量がランニングコストに大きく影響する比較的小規模な下排水処理施設では、そのランニングコストを大幅に低減させることができる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の流動床式排水処理装置によれば、流入原水による上昇流で効果的に担体を流動化させることができ、効率的な生物処理を行うことができる。特に、比較的小さな比重で、比較的大きなサイズの担体を用いることにより、流動床における処理効率を向上できるとともに、処理水と担体との分離を容易に行うことができる。さらに、処理水流出部にウェッジワイヤースクリーンを設置することにより、担体の分離を確実に行うことができる。また、撹拌手段を設けて担体に付着する生物量を制御することにより、最も効果的な流動化率で排水処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の流動床式排水処理装置の一形態例を示す模式図である。
【図2】 同じく概略平面図である。
【図3】 要部の縦断面図である。
【図4】 原水流入部に設けた逆流防止手段の一例を示す縦断面図である。
【図5】 流動床式排水処理装置の他の形態例を示す模式図である。
【図6】 本発明の流動床式排水処理装置を用いた排水処理設備の一例を示す系統図である。
【図7】 同じく排水処理設備の他の構成例を示す系統図である。
【図8】 従来の流動床式排水処理装置の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
11…原水流入部、12…処理水流出部、13…処理槽、14…ウェッジワイヤースクリーン、15…モーター、16…回転軸、17…スクレーパ、18…撹拌翼、19…筒体、19b…弁座、20…フロート弁、21…ディフューザー、31…浮遊型硝化槽、32…最終沈殿池、51…加圧浮上分離装置、52…好気性ろ床

Claims (5)

  1. 槽下部に原水流入部を、槽上部に処理水流出部を、それぞれ有する処理槽内に生物膜付着担体を投入して下排水の処理を行う流動床式排水処理装置において、前記処理槽の上部に、処理水流出部から流出する処理水と生物膜付着担体とを分離するスクリーンをリング状に設置し、該リング状スクリーンの中心に配置した回転軸により回転してスクリーンに捕捉された生物膜付着担体を取除く担体除去手段を設けるとともに、前記回転軸に処理槽内の被処理水を撹拌する撹拌手段を装着したことを特徴とする流動床式排水処理装置。
  2. 前記処理槽の底部を、上部が拡開した漏斗状に形成するとともに、前記原水流入部を、処理槽の底部に向けて原水を吐出するように配置したことを特徴とする請求項1記載の流動床式排水処理装置。
  3. 前記生物膜付着担体は、比重が0.9〜1.2であり、サイズが3〜20mmであることを特徴とする請求項1又は2記載の流動床式排水処理装置。
  4. 前記生物膜付着担体の膨張率を検出する手段を設けるとともに、検出した膨張率によって前記撹拌手段の運転を制御する制御手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の流動床式排水処理装置。
  5. 前記原水流入部は、原水の逆流防止手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の流動床式排水処理装置。
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