JPH0946706A6 - クロック再生装置 - Google Patents
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- JPH0946706A6 JPH0946706A6 JP1995212729A JP21272995A JPH0946706A6 JP H0946706 A6 JPH0946706 A6 JP H0946706A6 JP 1995212729 A JP1995212729 A JP 1995212729A JP 21272995 A JP21272995 A JP 21272995A JP H0946706 A6 JPH0946706 A6 JP H0946706A6
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Abstract
【目的】デジタルデータの送信方式において、ソフト及びハードウエアを簡素に構成できるクロック再生装置を提供する。
【構成】トランスポート・パケットにて伝送されてきたビット列の中から同期ビットを同期検出回路11が検出すると、この同期ビットとビット列をPCR検出回路12に供給する。PCR検出回路12は再生すべき番組のPCRを含むパケットである場合、CPU14からPCR検出の指令を受け、PCRのデータを比較回路23に供給する。また、同期検出回路11からカウンタ24に同期信号が供給されると、その時点でVCO28からの計数値をラッチし、この計数値を比較回路23に入力するが、PCRを含んだパケットの計数値の時のみ比較するようにCPU14から指令されるようにする。
【選択図】図1
【構成】トランスポート・パケットにて伝送されてきたビット列の中から同期ビットを同期検出回路11が検出すると、この同期ビットとビット列をPCR検出回路12に供給する。PCR検出回路12は再生すべき番組のPCRを含むパケットである場合、CPU14からPCR検出の指令を受け、PCRのデータを比較回路23に供給する。また、同期検出回路11からカウンタ24に同期信号が供給されると、その時点でVCO28からの計数値をラッチし、この計数値を比較回路23に入力するが、PCRを含んだパケットの計数値の時のみ比較するようにCPU14から指令されるようにする。
【選択図】図1
Description
【0001】
【0001】
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は、デジタルデータの送信方式において、送信側から送られる時刻基準値に基づいて受信側で再生用基準クロックを再生するためのクロック再生装置に関するものである。
【0003】
【0002】
【0004】
【従来の技術】従来のテレビジョン放送ではテレビカメラや記録媒体再生装置から出力されるリアルタイムの映像信号が伝送・送信され、受信機においては受信されたリアルタイムの映像信号を処理して表示している。また、上記の記録媒体の記録フォーマットも基本的にはVTRやVD(ビデオディスク)に代表されるようにリアルタイムでの再生に適するものであった。
【0005】近年、上記のような映像信号のリアルタイムの記録・再生、伝送・送信には大量の記録媒体を必要とすると共に、広帯域の周波数帯域を必要とすることから、これをデジタル技術を使って効率よく行う方法が研究されてきた。しかし、テレビジョン等の画像データ、特に動画の画像データは一般にデータ量が膨大であり、これをそのまま伝送すると高いビットレートのため広帯域が要求され、またこれをそのまま蓄積すると膨大な記録容量が必要となる。
【0006】
【0003】これらの問題を解決する方法としてデジタル画像符号化技術を応用した動画圧縮がある。動画圧縮の規格の一例として、高品質のデジタルビデオ/オーディオ信号を高能率で圧縮する符号化方式の一つとしてMPEG(Moving Picture Expert Group )により提唱されたMPEG2(国際規格ISO/IEC13818−1)がある。このMPEG2においては、画像の空間的な方向の情報量削減のためのDCT(Discrete Cosine Transfom:離散コサイン変換)による入力画像自身の符号化(フレーム内符号化)、入力画像と以前の再生画像との差分を符号化するフレーム間予測符号化、前後の画像から中間の画像を予測する双方向予測符号化、及びこれらの時間方向の予測誤差パワーを減少させるために有効な動き補償(MC:Motion Conpensation )等の技術が使用されて動画圧縮が行われる。
【0007】
【0004】一方、このようにデータ圧縮されたデジタルデータはパケット形式で伝送することが可能であり、これにより非同期伝送が可能となる。また、ビットレートを上げることで複数チャンネルの時分割多重化ができる。いずれの場合も、送信側と受信側でデータの過不足が生じず、即ち、送信されるデータ処理のスピードに対して受信側での復調のスピードが長期的にならして見たとき遅滞がなく、且つ所定周期のクロックに基づいて映像信号が出力されることが要求される。このような場合、受信側では再生の基準とすべき基準クロックを発生するための内部クロックを持ち、送信側から定期的に送信されるクロック基準データと内部クロックのカウント値を比較し、逐次誤差を補正するように内部クロックの周波数を補正する方法が取られる。
【0008】
【0005】図4はMPEG2による画像データを送信するトランスポート・パケットを模式的に示したものであり、紙面の左から右の順に送信されるものとする。このトランスポート・パケット1、2は、いずれも或る1つの番組についての画像データを担っているものとする。各トランスポート・パケット1、2には4バイトからなる固定長のヘッダ3が設けられていて、このヘッダ3の先頭にはトランスポート・パケットの先頭を検出するための同期信号である8ビット(0x47のデータ)の同期ビット4が配置され、また、ヘッダ3の所定位置には13ビットからなるPID(パケットアイデンティファイア)5が設けられ、当該トランスポート・パケットの個別ストリームの属性、即ちどの番組か、画像か音声か等、パケットの内容が示されている。
【0009】
【0006】更に、ヘッダ3にはアダプテーション・フィールド制御6が設けてあり、このアダプテーション・フィールド制御6に後続するオプショナル・フィールド7を含むか否かを2ビットで記述している。このオプショナル・フィールド7には画像と音声の復調器を含むMPEG2システム復調器において、時刻基準となるSTC(基準となる同期情報)の値を送信側で意図した値にセット・校正するための情報としてPCR(プログラム時刻基準参照値)8が設けられている。
【0010】アダプテーション・フィールド制御6の上位ビットがオプショナル・フィールド7の有無を示し、下位ビットが後述するペイロード9(実行データ)の有無を示している。
【0011】ペイロード9は実際の画像又は音声データが収納されている部分である。トランスポート・パケットにオプショナル・フィールド7が含まれない場合は拡張予備等の可変長のデータを設けることによってトランスポート・パケットを常に188バイトの固定長としている。また、PCRのデータ長は有効データ部分が33ビットで無効ビットも含めて6バイトと規定されており、ヘッダ3の先頭からPCRの先頭ビットまでの距離は一定(PCRの先頭ビットが49ビット目)に規定されている。このPCRは実際には各番組毎に例えば0.1秒毎に挿入される。また、MPEG2では、PCRの標準化位置をその有効データ部分(以下、PCRフィールドという)の最終ビットと規定しているため、復号器側ではPCRフィールドの最終ビットの到着の時点にそのPCRの示す値に従ってクロックを修正することが求められる。
【0012】
【0007】次に、トランスポート・パケットの復調方法について図5を用いて説明する。尚、簡略化のため1番組分のパケット受信装置のブロック図の説明にとどめる。図5において符号10は入力端子で、トランスポートパケットを含むデジタル信号は入力端子10から同期検出回路11に入力される。同期検出回路11の出力はバッファー回路13を経てCPU14に供給される。CPU14はPCR検出回路12に指令を送出するために接続されている。また、同期検出回路11の出力はPCR検出回路12に接続され、PCR検出回路12の出力はCPU14に設けられた比較回路23の一方の入力に接続されている。また、PCR検出回路12の出力はカウンタ24に後述のラッチ信号を送出するために接続されている。このカウンタ24の出力は比較回路23の他方の入力に接続されている。比較回路23の出力はPWM(パルス幅変調)波発生回路26に供給され、このPWM波発生回路26の出力をLPF(ローパスフィルタ)27で平滑し、得られた直流電圧でVCO(電圧制御発振器)28を制御するように接続されている。
【0013】上記のカウンタ24、比較回路23、PWM波発生回路26、LPF27及びVCO28により内部クロック回路が構成されており、VCO28の出力はカウンタ24、CPU14、映像信号デコーダ17に夫々接続されている。
【0014】
【0008】また、CPU14からの映像信号出力はバッファー回路15を経て映像信号デコーダ17に供給され、ここでVCO28からの27MHzの信号をクロック信号に用い、MPEG2方式に従って映像信号を復調する。復調出力はNTSCエンコーダ18によって標準テレビジョン信号とされ、出力端子19に出力される。一方、CPU14からの音声信号出力はバッファー回路16を経て音声信号デコーダ20に供給され、ここでVCO28からの信号から新たに設けたPLL回路29及びVCO28を用いて得られた24.5MHzの信号をクロック信号に用い、MPEG方式に従って音声信号を復調する。復調出力はDAC(デジタル/アナログ変換回路)21を介してアナログ信号とされ、出力端子22に出力される。
【0015】
【0009】かかる構成において、例えば1番組が4.713878Mbpsのプログラムストリーム4本が多重された21Mbpsのトランスポート・ストリームが伝送され、入力端子10に入力される。同期検出回路11は、到来するビット列の中からパケット同期信号である同期ビット4のデータ(0x47)を検出し、この同期ビット4をビット列と共にPCR検出回路12に供給する。また、同期検出回路11によって区切りが識別できた各パケットは一旦バッファー回路13に取り込まれた後、適宜CPU14に取り込まれる。同期検出回路11においては、実行データ等の他のデータ中にも偶然、同期ビット4と同一のデータ(0x47)が出現する可能性があることから、略所定の間隔で到来する同期ビット4のデ−タ(0x47)を多数回連続検出することによって、真のパケットの区切りを識別するようにしている。
【0016】
【0010】また、CPU14は取り込んだパケット中のPID5及びアダプテーション・フィールド制御6を検出する。検出したPID5及びアダプテーション・フィールド制御6の内容により、再生すべき番組の画像データ又は音声データを含むパケットであると判別したらそれらのデータを抽出し、画像データは一旦バッファ−回路15に蓄えた後、映像信号デコーダ17で復調し、NTSCエンコーダ18を経て出力端子19に送出する。また、音声データは一旦バッファー回路16に蓄えた後、音声信号デコーダ20で復調し、DAC21を経て出力端子22に送出する。
【0017】また、パケットが当該番組のPCR8を含むものである場合は、CPU14はPCR検出回路12にPCR8が記述されているPCRフィールドを検出するように指令する。PCR検出回路12は同期ビット4から所定の位置にあるPCRフィールドを検出し、PCR8のデータを抽出して解読し、その結果としてPCR8が示す数値(基準値)を比較回路23の一方の入力端に送出する。これと平行してPCR検出回路12はPCRフィールドの最終ビットの到来を検出し、この最終ビットが到来した時点でラッチ信号をカウンタ24に供給する。
【0018】
【0011】VCO28の出力は再生された基準クロックとしてCPU14及び映像復調回路17に出力される一方、カウンタ24に供給され波数が計数される。計数は常時継続して行われており、供給された上記ラッチ信号のタイミングでカウンタ24の計数値がラッチされ(計数自体は停止せず、その時の途中経過値が別に保持される)、比較回路23の他の入力端に入力される。比較回路23ではPCR検出回路12の出力とカウンタ24に出力の計数値を比較し、内部クロックの進み遅れを示す差分(誤差)を求め、これに応じた信号をPWM波発生回路26に送出する。PWM波発生回路26は、この信号により差分をパルス幅に反映させたPWM波を出力する。LPF27は、このPWM波の基本周波数成分やその高調波成分の他に、逐次得られる差分の比較的速い変動成分を除去し、直流電圧としてVCO28に出力し、VCO28の発振周波数をこの差分が縮まる方向に修正する。
【0019】前述のMPEG2の規格に沿うために、上記の比較及びPWM波の生成はVCO28の制御がPCRフィールドの最終ビット時点で行われるようにする。以上により、原画像データを過不足なく復調して再生するための基準クロックが再生される。
【0020】
【0012】
【0021】
【発明が解決しようとする課題】上述したようにMPEG2の規定通りにクロックを再生するための構成にはPCRフィールドの最終ビット時点を検出する検出手段が必要であり、且つ、それまでにPCRの解読を完了しなければならないので、構成が複雑になる。即ち、PCRが到来した時点で、そのPCRに基づいてクロックを修正することは、その時点までにそのPCRの解読が終了し、且つ比較が終了していなければならないということであり、技術的に困難がある。つまり、ハードウエアで実現するには高速の回路が必要となり、ソフトウエアで実現するためには極めて高速のCPUが必要になる。
【0022】本発明は上述した問題点に着目してなされたもので、ソフトウエアやハードウエアを簡素に構成できるクロック再生装置を提供することにある。
【0023】
【0013】
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の課題を解決するためになされたものであり、送信側からパケットで順次送信され基準クロックに基づいて再生すべきデータを受信側において再生するための基準クロックを受信側で再生するためのクロック再生装置であって、パケットは所定の同期ビットを有し、少なくとも一部のパケットにはそのパケットの所定ビット数目を標本化位置とした基準クロックの計数基準値に関する情報を記述するフィールドが有るものであり、クロック再生装置は、パケットの同期ビットを検出する同期検出手段と、フィールドを検出しこのフィールドに記述された情報に基づいて計数基準値を求める計数基準検出手段と、制御信号により発振周波数が制御されこの発振出力を再生基準クロックとする可変周波発振手段と、再生基準クロックを計数する計数手段と、同期ビットの検出時点の再生基準クロックの計数値を記憶する記憶手段と、フィールドが検出されたときのみ、そのフィールドに記述された計数基準値とフィールドが検出された少なくとも今回のパケットにおける計数値とに基づいて制御信号を出力する比較手段とを備えて構成する。
【0025】また、標本化位置がフィールドの最終ビットである場合、制御信号の出力時点がこのフィールドの最終ビットより後の所定時間内であることを特徴とする。
【0026】
【0014】
【0027】
【作用】本発明のクロック再生装置においては、可変周波数発振手段の発振出力を再生基準クロックとして用い、計数手段はこのクロックを計数する。同期検出手段がパケットの同期信号を検出すると記憶手段はこの時点の計数値を記憶する。一方、計数基準検出手段はパケット中の基準クロックに関する計数基準値を記述したフィールドを検出すると共に、そこに記述された計数基準値を求める。比較手段はこのフィールドが検出されたときのみ、計数基準値とクロックの計数値とに基づいて可変周波数発振手段の発振周波数を制御する制御信号を出力する。
【0028】これにより、可変周波数発振手段の発振周波数は、クロック波数の累計値が計数基準値に基づいた値にある一定の距離(時間差)分の偏倚をもって追従するようにフィードバック制御されるので、送信側に対して、長時間で見れば進み遅れのない基準クロックを再生することができる。
【0029】また、本発明においては、クロックの計数値記憶タイミングが計数基準値の標本化位置と一致していなくてよいことを利用しているから、可変周波数発信手段の制御タイミングもこれと一致させなくても良いことになり、所定時間内に制御するようにした。
【0030】これにより、かかる処理を行うハードウエアやソフトウエアの処理速度を遅くすることができる。
【0031】
【0015】
【0032】
【実施例】本発明の実施例を図1を用いて説明する。尚、図1において図5に示した従来例のブロックに相当する部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。ブロック図上異なる点は、従来例ではPCR検出回路12の出力がラッチ信号としてカウンタ24に接続されていたのに対し、本発明の実施例では同期検出回路11の出力がラッチ信号として直接カウンタ24に接続されている点である。
【0033】動作の詳細については以下に説明する。
【0034】先ず、トランスポート・パケットにて伝送されてきたビット列が入力端子10を経て同期検出手段としての同期検出回路11に入力される。同期検出回路11は到来するビット列の中からパケット同期信号である同期ビット4のデータ(0x47)を検出すると、この同期ビット4をビット列と共に計数基準検出手段としてのPCR検出回路12に供給する。
【0035】
【0016】また、同期検出回路11によって区切りが識別できた各パケットはバッファー回路13を介し、CPU14に取り込まれる。CPU14は取り込んだパケット中のPID5及びアダプテーション・フィールド制御6を検出し、再生すべき番組の画像データ又は音声データを含むパケットであることを判別した場合はそれらのデータを抽出して夫々バッファー回路15、16に送出する。これと同時にCPU14は当該番組のPCR8を含むパケットであるか判断し、パケットが当該番組のPCR8を含むものである場合はPCR検出回路12にPCR8が記述されているPCRフィールドを検出するように指令する。PCR検出回路12はCPU14からこの指令を受けるとPCRフィールドを検出し、そこに記述されているPCR8に関するデータを抽出して比較手段としての比較回路23に一方の入力として供給する。また、同期検出回路11は計数手段としてのカウンタ24に上記検出された同期ビット4をラッチ信号として供給する。カウンタ24は同期ビット4が入力された時点で、可変周波発振手段としてVCO28出力の計数値をラッチする。つまり、当該番組と関係のないパケットの時でも全てラッチし、その時の計数値(途中経過値)を比較回路23に他方の入力として供給する。しかし、CPU14によって当該番組のPCR8を含んだパケットの時の計数値の時のみ比較が行われるようにされている。
【0036】
【0017】(1)PCR値が増加値の場合
ここで、カウンタ24の計数値とPCR値の比較処理の方法を図2のフローチャートを用いて説明する。ここで用いられるPCR値は前回のPCR標準化位置からのクロックの進み(増加値)を示すものとする。また、パケット受信装置の電源が入るとカウンタ24はリセットされ、すぐに計数を開始し、所定の最大値(上記予測される増加値より十分大きければよい)まで達すると0に戻って再び計数を繰り返すようになされている。尚、フローチャート中に用いられる符号の意味は以下に示すものとする。
【0037】CC :カウンタ24の現在の計数値
CM :カウンタ24の途中経過値
CML:1回前の途中経過値
先ずステップS1において同期検出回路11は、同期信号(同期ビット4)の到来を監視し、同期信号が検出されない場合はステップS1に戻る。同期信号が検出されるとカウンタ24の現在の計数値CCを途中経過値CMとして記憶するためのラッチ信号をカウンタ24に出力する。即ち、ステップS2に移行して、カウンタ24は現在の計数値CCをラッチし、CPU14はこの値を途中経過値CMとして記憶する。次にCPU14はステップS3で取り込んだパケット中のPIDを検出する。そしてステップS4に移行し、検出したPIDにより、そのパケットが当該番組のPCRを含むかが判定される。
【0038】
【0018】PCRを含まない場合は、ステップS1に戻り、次の同期信号の到来を監視する。また、PCRを含んでいる場合は、次のステップS5に移行する。ステップS5でCPU14はステップS2で記憶したカウンタ24の途中経過値CMを次にPCRが到来したときの途中経過値CMに対する1回前の途中経過値CMLとして記憶する。尚、ここまでは電源投入以降、最初の当該番組のPCRを検出するまでの予備的な動作である。その後、ステップS6に移行し、同期信号の到来を監視する。検出されない場合はステップS6に戻る。同期信号が検出されるとカウンタ24の現在の計数値CCを途中経過値CMとして記憶するためのラッチ信号をカウンタ24に出力する。即ち、ステップS7に移行し、カウンタ24の現在の計数値CCをラッチし、CPU14はこの値を途中経過値CMとして記憶する。次にCPU14はステップS8で、取り込んだパケット中のPIDを検出する。そして、ステップS9に移行し、検出したPIDにより、そのパケットが当該番組のPCRを含むかを判定する。
【0039】
【0019】PCRを含まない場合は、ステップS6に戻り、次の同期信号の到来を監視する。PCRを含んでいる場合は、CPU14はPCR検出回路12にその値を読み取らせて比較回路23に入力させ、次のステップS10に移行する。ステップS10でCPU14はステップS7で記憶したカウンタ24の今回の途中経過値CMから1回前の途中経過値CMLを引き、増加値△CCとして比較回路23に入力する。
【0040】尚、この差が負となった場合は、計数中に最大値を越えたということであるから、この最大値を加算することで補正する。次に、ステップS11に移行して、CPU14は今回の途中経過値CMを次にPCRが到来したときの途中経過値CMに対する1回前の途中経過値CMLとして記憶する。その後、ステップS12に移行して、比較回路23は増加値△CCとステップS9で記憶したPCR値とを比較する。そして、ステップS13に移行して、比較回路23はステップS12の比較の結果に応じてクロック周波数修正のための制御信号を生成し、PWM波発生回路26に供給する。その後、ステップS6に戻り、次の同期信号の到来を監視する。
【0041】
【0020】(2)PCR値が累積値の場合
PCRが累積値であり、或る最大値を持って循環するような場合、例えば最大値を10000とし、PCR毎に1000、2000、・・・、10000(=0)、1000、・・・というように計数する方式の場合、カウンタ24もこの最大値を周期に循環的に計数するように設定する。この場合のフローチャートを図3に示した。
【0042】この場合においても、カウンタ24はパケット受信装置の電源が入るとリセットされ、すぐに計数を開始する。しかし、PCR値とは最大値を同一として同期して循環するとしても、数値自体が一致しているとは限らない。ステップS1からステップS5までは、電源投入後、初めて到来するPCRにより、この両者のずれCAを求めるためのものである。
【0043】先ず、ステップS1において同期検出回路11は同期信号の到来を監視し、同期信号が検出されない場合はステップS1に戻る。同期信号が検出されるとカウンタ24の現在の計数値CCを途中経過値CMとして記憶するためのラッチ信号をカウンタ24に出力する。即ち、ステップS2に移行して、カウンタ24は現在の計数値CCをラッチし、CPU14はこの値を途中経過値CMとして記憶する。次にCPU14はステップS3で取り込んだパケット中のPIDを検出する。そしてステップS4に移行し、検出したPIDにより、そのパケットが当該番組のPCRを含むかを判定する。
【0044】PCRを含まない場合は、ステップS1に戻り、次の同期信号の到来を監視する。また、PCRを含んでいる場合は、CPU14はPCR検出回路12をしてその値を読み取らせて記憶し、ステップS5に移行する。ステップS5でCPU14は、ステップS4で記憶したPCR値からステップS2で記憶した途中経過値CMを減算し、ずれCAとして記憶する。
【0045】その後、ステップS6に移行し、同期信号の到来を監視する。検出されない場合はステップS6に戻る。同期信号が検出されるとカウンタ24の現在の計数値CCを途中経過値CMとして記憶するためのラッチ信号をカウンタ24に出力する。
【0046】
【0021】即ち、ステップS7に移行し、カウンタ24の現在の計数値CCをラッチし、CPU14はこの値を途中経過値CMとして記憶する。次にCPU14はステップS8で、取り込んだパケット中のPIDを検出する。そして、ステップS9に移行し、検出したPIDにより、そのパケットが当該番組のPCRを含むかを判定する。PCRを含まない場合は、ステップS6に戻り、次の同期信号の到来を監視する。PCRを含んでいる場合は、CPU14はPCR検出回路12にその値を読み取らせて比較回路23に入力させ、次のステップS10に移行する。ステップS10において、CPU14はステップS7で記憶した途中経過値CMと、ステップS5で記憶したずれCAとを加算し、比較回路23に入力する。比較回路23はこの加算値とステップS9で入力されたPCR値とを比較する。そして、ステップS11に移行して、比較回路23はステップS10の比較の結果に応じてクロック周波数修正のための制御信号を生成し、PWM波発生回路26に供給する。その後、ステップS6に戻り、次の同期信号の到来を監視する。
【0047】尚、この方法では数値が最大値を持って循環しているので、常に同様な計算を行うと比較の結果が最大値分だけずれることが生じる。このような場合は、適宜最大値を加減することで比較結果を正しい範囲内に収めるように修正する。
【0048】
【0022】上記(1)、(2)のいずれにおいても、クロック波数累積値のPCRに基づく値に対する誤差が収束するようにVCO28の発振周波数がフィードバック制御される。
【0049】ここで、最終的にVCO28を制御するタイミングは、PCR標準化位置(MPEG2においてはPCRフィールドの最終ビット)である必要はなく、これより後であっても、タイミングのばらつきが無視できる程度であれば所定時間後でよいとすることができる。即ち、本発明においてはそもそも現在のクロックの計数値を読み込むタイミングを同期信号の時点とし、PCR標準化位置からずれた時点としても上記フィードバック制御が可能であることに着目してなされたものであるから、もはやVCO28の制御タイミングがPCR標準化位置である必要はないのである。
【0050】よって、上記のようなステップを実行するハードウエア若しくはソフトウエアの処理速度は格別に高速である必要がなく、汎用のものが使用でき、従って装置の構成を簡素化することができる。
【0051】
【0023】尚、本発明における実施例の説明では、デジタルデータの伝送方式をパケットとして説明してきたが、これに限定されず、またパケット形式であったとしても固定長である必要はない。即ち、少なくともクロック基準信号に関して何らかの識別情報や同期信号が存在し、これら識別情報や同期信号から一定距離(時間)の関係でクロック基準信号が送信される形式のものであれば良い。
【0052】また、送信すべきデジタルデータはMPEG等による圧縮画像データに限らず、例えば音声データ、MIDIデータ、ゲームソフト、コンピュータソフト等でも良い。即ち、送信されるクロック基準に基づいて受信側で所定の基準クロックを再生し、これに基づいてデータを再生するようにしたデータ通信全般に適用することができる。
【0053】
【0024】
【0054】
【発明の効果】以上述べたように、本発明においては再生基準クロックの計数時点をパケット同期信号の検出時点としたので、計数基準値の標本化位置を検出する手段が不要になり、装置を簡素化することができる。また、可変周波数発振手段の発振周波数制御タイミングを計数基準値の標本化位値より所定時間後としたので、ハードウエアやソフトウエアの処理速度を遅くすることができ、装置を更に簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるパケット受信装置のブロック図。
【図2】本発明におけるクロック再生装置のフローチャート図(実施例1)。
【図3】本発明におけるクロック再生装置のフローチャート図(実施例2)。
【図4】MPEG2による画像データを送信するトランスポート・パケットの模式図。
【図5】従来例のパケット受信装置のブロック図。
【符号の説明】
10・・・入力端子
11・・・同期検出回路
12・・・PCR検出回路
13・・・バッファー回路
14・・・CPU
23・・・比較回路
24・・・カウンタ
26・・・PWM波発生回路
27・・・LPF
28・・・VCO
【0001】
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は、デジタルデータの送信方式において、送信側から送られる時刻基準値に基づいて受信側で再生用基準クロックを再生するためのクロック再生装置に関するものである。
【0003】
【0002】
【0004】
【従来の技術】従来のテレビジョン放送ではテレビカメラや記録媒体再生装置から出力されるリアルタイムの映像信号が伝送・送信され、受信機においては受信されたリアルタイムの映像信号を処理して表示している。また、上記の記録媒体の記録フォーマットも基本的にはVTRやVD(ビデオディスク)に代表されるようにリアルタイムでの再生に適するものであった。
【0005】近年、上記のような映像信号のリアルタイムの記録・再生、伝送・送信には大量の記録媒体を必要とすると共に、広帯域の周波数帯域を必要とすることから、これをデジタル技術を使って効率よく行う方法が研究されてきた。しかし、テレビジョン等の画像データ、特に動画の画像データは一般にデータ量が膨大であり、これをそのまま伝送すると高いビットレートのため広帯域が要求され、またこれをそのまま蓄積すると膨大な記録容量が必要となる。
【0006】
【0003】これらの問題を解決する方法としてデジタル画像符号化技術を応用した動画圧縮がある。動画圧縮の規格の一例として、高品質のデジタルビデオ/オーディオ信号を高能率で圧縮する符号化方式の一つとしてMPEG(Moving Picture Expert Group )により提唱されたMPEG2(国際規格ISO/IEC13818−1)がある。このMPEG2においては、画像の空間的な方向の情報量削減のためのDCT(Discrete Cosine Transfom:離散コサイン変換)による入力画像自身の符号化(フレーム内符号化)、入力画像と以前の再生画像との差分を符号化するフレーム間予測符号化、前後の画像から中間の画像を予測する双方向予測符号化、及びこれらの時間方向の予測誤差パワーを減少させるために有効な動き補償(MC:Motion Conpensation )等の技術が使用されて動画圧縮が行われる。
【0007】
【0004】一方、このようにデータ圧縮されたデジタルデータはパケット形式で伝送することが可能であり、これにより非同期伝送が可能となる。また、ビットレートを上げることで複数チャンネルの時分割多重化ができる。いずれの場合も、送信側と受信側でデータの過不足が生じず、即ち、送信されるデータ処理のスピードに対して受信側での復調のスピードが長期的にならして見たとき遅滞がなく、且つ所定周期のクロックに基づいて映像信号が出力されることが要求される。このような場合、受信側では再生の基準とすべき基準クロックを発生するための内部クロックを持ち、送信側から定期的に送信されるクロック基準データと内部クロックのカウント値を比較し、逐次誤差を補正するように内部クロックの周波数を補正する方法が取られる。
【0008】
【0005】図4はMPEG2による画像データを送信するトランスポート・パケットを模式的に示したものであり、紙面の左から右の順に送信されるものとする。このトランスポート・パケット1、2は、いずれも或る1つの番組についての画像データを担っているものとする。各トランスポート・パケット1、2には4バイトからなる固定長のヘッダ3が設けられていて、このヘッダ3の先頭にはトランスポート・パケットの先頭を検出するための同期信号である8ビット(0x47のデータ)の同期ビット4が配置され、また、ヘッダ3の所定位置には13ビットからなるPID(パケットアイデンティファイア)5が設けられ、当該トランスポート・パケットの個別ストリームの属性、即ちどの番組か、画像か音声か等、パケットの内容が示されている。
【0009】
【0006】更に、ヘッダ3にはアダプテーション・フィールド制御6が設けてあり、このアダプテーション・フィールド制御6に後続するオプショナル・フィールド7を含むか否かを2ビットで記述している。このオプショナル・フィールド7には画像と音声の復調器を含むMPEG2システム復調器において、時刻基準となるSTC(基準となる同期情報)の値を送信側で意図した値にセット・校正するための情報としてPCR(プログラム時刻基準参照値)8が設けられている。
【0010】アダプテーション・フィールド制御6の上位ビットがオプショナル・フィールド7の有無を示し、下位ビットが後述するペイロード9(実行データ)の有無を示している。
【0011】ペイロード9は実際の画像又は音声データが収納されている部分である。トランスポート・パケットにオプショナル・フィールド7が含まれない場合は拡張予備等の可変長のデータを設けることによってトランスポート・パケットを常に188バイトの固定長としている。また、PCRのデータ長は有効データ部分が33ビットで無効ビットも含めて6バイトと規定されており、ヘッダ3の先頭からPCRの先頭ビットまでの距離は一定(PCRの先頭ビットが49ビット目)に規定されている。このPCRは実際には各番組毎に例えば0.1秒毎に挿入される。また、MPEG2では、PCRの標準化位置をその有効データ部分(以下、PCRフィールドという)の最終ビットと規定しているため、復号器側ではPCRフィールドの最終ビットの到着の時点にそのPCRの示す値に従ってクロックを修正することが求められる。
【0012】
【0007】次に、トランスポート・パケットの復調方法について図5を用いて説明する。尚、簡略化のため1番組分のパケット受信装置のブロック図の説明にとどめる。図5において符号10は入力端子で、トランスポートパケットを含むデジタル信号は入力端子10から同期検出回路11に入力される。同期検出回路11の出力はバッファー回路13を経てCPU14に供給される。CPU14はPCR検出回路12に指令を送出するために接続されている。また、同期検出回路11の出力はPCR検出回路12に接続され、PCR検出回路12の出力はCPU14に設けられた比較回路23の一方の入力に接続されている。また、PCR検出回路12の出力はカウンタ24に後述のラッチ信号を送出するために接続されている。このカウンタ24の出力は比較回路23の他方の入力に接続されている。比較回路23の出力はPWM(パルス幅変調)波発生回路26に供給され、このPWM波発生回路26の出力をLPF(ローパスフィルタ)27で平滑し、得られた直流電圧でVCO(電圧制御発振器)28を制御するように接続されている。
【0013】上記のカウンタ24、比較回路23、PWM波発生回路26、LPF27及びVCO28により内部クロック回路が構成されており、VCO28の出力はカウンタ24、CPU14、映像信号デコーダ17に夫々接続されている。
【0014】
【0008】また、CPU14からの映像信号出力はバッファー回路15を経て映像信号デコーダ17に供給され、ここでVCO28からの27MHzの信号をクロック信号に用い、MPEG2方式に従って映像信号を復調する。復調出力はNTSCエンコーダ18によって標準テレビジョン信号とされ、出力端子19に出力される。一方、CPU14からの音声信号出力はバッファー回路16を経て音声信号デコーダ20に供給され、ここでVCO28からの信号から新たに設けたPLL回路29及びVCO28を用いて得られた24.5MHzの信号をクロック信号に用い、MPEG方式に従って音声信号を復調する。復調出力はDAC(デジタル/アナログ変換回路)21を介してアナログ信号とされ、出力端子22に出力される。
【0015】
【0009】かかる構成において、例えば1番組が4.713878Mbpsのプログラムストリーム4本が多重された21Mbpsのトランスポート・ストリームが伝送され、入力端子10に入力される。同期検出回路11は、到来するビット列の中からパケット同期信号である同期ビット4のデータ(0x47)を検出し、この同期ビット4をビット列と共にPCR検出回路12に供給する。また、同期検出回路11によって区切りが識別できた各パケットは一旦バッファー回路13に取り込まれた後、適宜CPU14に取り込まれる。同期検出回路11においては、実行データ等の他のデータ中にも偶然、同期ビット4と同一のデータ(0x47)が出現する可能性があることから、略所定の間隔で到来する同期ビット4のデ−タ(0x47)を多数回連続検出することによって、真のパケットの区切りを識別するようにしている。
【0016】
【0010】また、CPU14は取り込んだパケット中のPID5及びアダプテーション・フィールド制御6を検出する。検出したPID5及びアダプテーション・フィールド制御6の内容により、再生すべき番組の画像データ又は音声データを含むパケットであると判別したらそれらのデータを抽出し、画像データは一旦バッファ−回路15に蓄えた後、映像信号デコーダ17で復調し、NTSCエンコーダ18を経て出力端子19に送出する。また、音声データは一旦バッファー回路16に蓄えた後、音声信号デコーダ20で復調し、DAC21を経て出力端子22に送出する。
【0017】また、パケットが当該番組のPCR8を含むものである場合は、CPU14はPCR検出回路12にPCR8が記述されているPCRフィールドを検出するように指令する。PCR検出回路12は同期ビット4から所定の位置にあるPCRフィールドを検出し、PCR8のデータを抽出して解読し、その結果としてPCR8が示す数値(基準値)を比較回路23の一方の入力端に送出する。これと平行してPCR検出回路12はPCRフィールドの最終ビットの到来を検出し、この最終ビットが到来した時点でラッチ信号をカウンタ24に供給する。
【0018】
【0011】VCO28の出力は再生された基準クロックとしてCPU14及び映像復調回路17に出力される一方、カウンタ24に供給され波数が計数される。計数は常時継続して行われており、供給された上記ラッチ信号のタイミングでカウンタ24の計数値がラッチされ(計数自体は停止せず、その時の途中経過値が別に保持される)、比較回路23の他の入力端に入力される。比較回路23ではPCR検出回路12の出力とカウンタ24に出力の計数値を比較し、内部クロックの進み遅れを示す差分(誤差)を求め、これに応じた信号をPWM波発生回路26に送出する。PWM波発生回路26は、この信号により差分をパルス幅に反映させたPWM波を出力する。LPF27は、このPWM波の基本周波数成分やその高調波成分の他に、逐次得られる差分の比較的速い変動成分を除去し、直流電圧としてVCO28に出力し、VCO28の発振周波数をこの差分が縮まる方向に修正する。
【0019】前述のMPEG2の規格に沿うために、上記の比較及びPWM波の生成はVCO28の制御がPCRフィールドの最終ビット時点で行われるようにする。以上により、原画像データを過不足なく復調して再生するための基準クロックが再生される。
【0020】
【0012】
【0021】
【発明が解決しようとする課題】上述したようにMPEG2の規定通りにクロックを再生するための構成にはPCRフィールドの最終ビット時点を検出する検出手段が必要であり、且つ、それまでにPCRの解読を完了しなければならないので、構成が複雑になる。即ち、PCRが到来した時点で、そのPCRに基づいてクロックを修正することは、その時点までにそのPCRの解読が終了し、且つ比較が終了していなければならないということであり、技術的に困難がある。つまり、ハードウエアで実現するには高速の回路が必要となり、ソフトウエアで実現するためには極めて高速のCPUが必要になる。
【0022】本発明は上述した問題点に着目してなされたもので、ソフトウエアやハードウエアを簡素に構成できるクロック再生装置を提供することにある。
【0023】
【0013】
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の課題を解決するためになされたものであり、送信側からパケットで順次送信され基準クロックに基づいて再生すべきデータを受信側において再生するための基準クロックを受信側で再生するためのクロック再生装置であって、パケットは所定の同期ビットを有し、少なくとも一部のパケットにはそのパケットの所定ビット数目を標本化位置とした基準クロックの計数基準値に関する情報を記述するフィールドが有るものであり、クロック再生装置は、パケットの同期ビットを検出する同期検出手段と、フィールドを検出しこのフィールドに記述された情報に基づいて計数基準値を求める計数基準検出手段と、制御信号により発振周波数が制御されこの発振出力を再生基準クロックとする可変周波発振手段と、再生基準クロックを計数する計数手段と、同期ビットの検出時点の再生基準クロックの計数値を記憶する記憶手段と、フィールドが検出されたときのみ、そのフィールドに記述された計数基準値とフィールドが検出された少なくとも今回のパケットにおける計数値とに基づいて制御信号を出力する比較手段とを備えて構成する。
【0025】また、標本化位置がフィールドの最終ビットである場合、制御信号の出力時点がこのフィールドの最終ビットより後の所定時間内であることを特徴とする。
【0026】
【0014】
【0027】
【作用】本発明のクロック再生装置においては、可変周波数発振手段の発振出力を再生基準クロックとして用い、計数手段はこのクロックを計数する。同期検出手段がパケットの同期信号を検出すると記憶手段はこの時点の計数値を記憶する。一方、計数基準検出手段はパケット中の基準クロックに関する計数基準値を記述したフィールドを検出すると共に、そこに記述された計数基準値を求める。比較手段はこのフィールドが検出されたときのみ、計数基準値とクロックの計数値とに基づいて可変周波数発振手段の発振周波数を制御する制御信号を出力する。
【0028】これにより、可変周波数発振手段の発振周波数は、クロック波数の累計値が計数基準値に基づいた値にある一定の距離(時間差)分の偏倚をもって追従するようにフィードバック制御されるので、送信側に対して、長時間で見れば進み遅れのない基準クロックを再生することができる。
【0029】また、本発明においては、クロックの計数値記憶タイミングが計数基準値の標本化位置と一致していなくてよいことを利用しているから、可変周波数発信手段の制御タイミングもこれと一致させなくても良いことになり、所定時間内に制御するようにした。
【0030】これにより、かかる処理を行うハードウエアやソフトウエアの処理速度を遅くすることができる。
【0031】
【0015】
【0032】
【実施例】本発明の実施例を図1を用いて説明する。尚、図1において図5に示した従来例のブロックに相当する部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。ブロック図上異なる点は、従来例ではPCR検出回路12の出力がラッチ信号としてカウンタ24に接続されていたのに対し、本発明の実施例では同期検出回路11の出力がラッチ信号として直接カウンタ24に接続されている点である。
【0033】動作の詳細については以下に説明する。
【0034】先ず、トランスポート・パケットにて伝送されてきたビット列が入力端子10を経て同期検出手段としての同期検出回路11に入力される。同期検出回路11は到来するビット列の中からパケット同期信号である同期ビット4のデータ(0x47)を検出すると、この同期ビット4をビット列と共に計数基準検出手段としてのPCR検出回路12に供給する。
【0035】
【0016】また、同期検出回路11によって区切りが識別できた各パケットはバッファー回路13を介し、CPU14に取り込まれる。CPU14は取り込んだパケット中のPID5及びアダプテーション・フィールド制御6を検出し、再生すべき番組の画像データ又は音声データを含むパケットであることを判別した場合はそれらのデータを抽出して夫々バッファー回路15、16に送出する。これと同時にCPU14は当該番組のPCR8を含むパケットであるか判断し、パケットが当該番組のPCR8を含むものである場合はPCR検出回路12にPCR8が記述されているPCRフィールドを検出するように指令する。PCR検出回路12はCPU14からこの指令を受けるとPCRフィールドを検出し、そこに記述されているPCR8に関するデータを抽出して比較手段としての比較回路23に一方の入力として供給する。また、同期検出回路11は計数手段としてのカウンタ24に上記検出された同期ビット4をラッチ信号として供給する。カウンタ24は同期ビット4が入力された時点で、可変周波発振手段としてVCO28出力の計数値をラッチする。つまり、当該番組と関係のないパケットの時でも全てラッチし、その時の計数値(途中経過値)を比較回路23に他方の入力として供給する。しかし、CPU14によって当該番組のPCR8を含んだパケットの時の計数値の時のみ比較が行われるようにされている。
【0036】
【0017】(1)PCR値が増加値の場合
ここで、カウンタ24の計数値とPCR値の比較処理の方法を図2のフローチャートを用いて説明する。ここで用いられるPCR値は前回のPCR標準化位置からのクロックの進み(増加値)を示すものとする。また、パケット受信装置の電源が入るとカウンタ24はリセットされ、すぐに計数を開始し、所定の最大値(上記予測される増加値より十分大きければよい)まで達すると0に戻って再び計数を繰り返すようになされている。尚、フローチャート中に用いられる符号の意味は以下に示すものとする。
【0037】CC :カウンタ24の現在の計数値
CM :カウンタ24の途中経過値
CML:1回前の途中経過値
先ずステップS1において同期検出回路11は、同期信号(同期ビット4)の到来を監視し、同期信号が検出されない場合はステップS1に戻る。同期信号が検出されるとカウンタ24の現在の計数値CCを途中経過値CMとして記憶するためのラッチ信号をカウンタ24に出力する。即ち、ステップS2に移行して、カウンタ24は現在の計数値CCをラッチし、CPU14はこの値を途中経過値CMとして記憶する。次にCPU14はステップS3で取り込んだパケット中のPIDを検出する。そしてステップS4に移行し、検出したPIDにより、そのパケットが当該番組のPCRを含むかが判定される。
【0038】
【0018】PCRを含まない場合は、ステップS1に戻り、次の同期信号の到来を監視する。また、PCRを含んでいる場合は、次のステップS5に移行する。ステップS5でCPU14はステップS2で記憶したカウンタ24の途中経過値CMを次にPCRが到来したときの途中経過値CMに対する1回前の途中経過値CMLとして記憶する。尚、ここまでは電源投入以降、最初の当該番組のPCRを検出するまでの予備的な動作である。その後、ステップS6に移行し、同期信号の到来を監視する。検出されない場合はステップS6に戻る。同期信号が検出されるとカウンタ24の現在の計数値CCを途中経過値CMとして記憶するためのラッチ信号をカウンタ24に出力する。即ち、ステップS7に移行し、カウンタ24の現在の計数値CCをラッチし、CPU14はこの値を途中経過値CMとして記憶する。次にCPU14はステップS8で、取り込んだパケット中のPIDを検出する。そして、ステップS9に移行し、検出したPIDにより、そのパケットが当該番組のPCRを含むかを判定する。
【0039】
【0019】PCRを含まない場合は、ステップS6に戻り、次の同期信号の到来を監視する。PCRを含んでいる場合は、CPU14はPCR検出回路12にその値を読み取らせて比較回路23に入力させ、次のステップS10に移行する。ステップS10でCPU14はステップS7で記憶したカウンタ24の今回の途中経過値CMから1回前の途中経過値CMLを引き、増加値△CCとして比較回路23に入力する。
【0040】尚、この差が負となった場合は、計数中に最大値を越えたということであるから、この最大値を加算することで補正する。次に、ステップS11に移行して、CPU14は今回の途中経過値CMを次にPCRが到来したときの途中経過値CMに対する1回前の途中経過値CMLとして記憶する。その後、ステップS12に移行して、比較回路23は増加値△CCとステップS9で記憶したPCR値とを比較する。そして、ステップS13に移行して、比較回路23はステップS12の比較の結果に応じてクロック周波数修正のための制御信号を生成し、PWM波発生回路26に供給する。その後、ステップS6に戻り、次の同期信号の到来を監視する。
【0041】
【0020】(2)PCR値が累積値の場合
PCRが累積値であり、或る最大値を持って循環するような場合、例えば最大値を10000とし、PCR毎に1000、2000、・・・、10000(=0)、1000、・・・というように計数する方式の場合、カウンタ24もこの最大値を周期に循環的に計数するように設定する。この場合のフローチャートを図3に示した。
【0042】この場合においても、カウンタ24はパケット受信装置の電源が入るとリセットされ、すぐに計数を開始する。しかし、PCR値とは最大値を同一として同期して循環するとしても、数値自体が一致しているとは限らない。ステップS1からステップS5までは、電源投入後、初めて到来するPCRにより、この両者のずれCAを求めるためのものである。
【0043】先ず、ステップS1において同期検出回路11は同期信号の到来を監視し、同期信号が検出されない場合はステップS1に戻る。同期信号が検出されるとカウンタ24の現在の計数値CCを途中経過値CMとして記憶するためのラッチ信号をカウンタ24に出力する。即ち、ステップS2に移行して、カウンタ24は現在の計数値CCをラッチし、CPU14はこの値を途中経過値CMとして記憶する。次にCPU14はステップS3で取り込んだパケット中のPIDを検出する。そしてステップS4に移行し、検出したPIDにより、そのパケットが当該番組のPCRを含むかを判定する。
【0044】PCRを含まない場合は、ステップS1に戻り、次の同期信号の到来を監視する。また、PCRを含んでいる場合は、CPU14はPCR検出回路12をしてその値を読み取らせて記憶し、ステップS5に移行する。ステップS5でCPU14は、ステップS4で記憶したPCR値からステップS2で記憶した途中経過値CMを減算し、ずれCAとして記憶する。
【0045】その後、ステップS6に移行し、同期信号の到来を監視する。検出されない場合はステップS6に戻る。同期信号が検出されるとカウンタ24の現在の計数値CCを途中経過値CMとして記憶するためのラッチ信号をカウンタ24に出力する。
【0046】
【0021】即ち、ステップS7に移行し、カウンタ24の現在の計数値CCをラッチし、CPU14はこの値を途中経過値CMとして記憶する。次にCPU14はステップS8で、取り込んだパケット中のPIDを検出する。そして、ステップS9に移行し、検出したPIDにより、そのパケットが当該番組のPCRを含むかを判定する。PCRを含まない場合は、ステップS6に戻り、次の同期信号の到来を監視する。PCRを含んでいる場合は、CPU14はPCR検出回路12にその値を読み取らせて比較回路23に入力させ、次のステップS10に移行する。ステップS10において、CPU14はステップS7で記憶した途中経過値CMと、ステップS5で記憶したずれCAとを加算し、比較回路23に入力する。比較回路23はこの加算値とステップS9で入力されたPCR値とを比較する。そして、ステップS11に移行して、比較回路23はステップS10の比較の結果に応じてクロック周波数修正のための制御信号を生成し、PWM波発生回路26に供給する。その後、ステップS6に戻り、次の同期信号の到来を監視する。
【0047】尚、この方法では数値が最大値を持って循環しているので、常に同様な計算を行うと比較の結果が最大値分だけずれることが生じる。このような場合は、適宜最大値を加減することで比較結果を正しい範囲内に収めるように修正する。
【0048】
【0022】上記(1)、(2)のいずれにおいても、クロック波数累積値のPCRに基づく値に対する誤差が収束するようにVCO28の発振周波数がフィードバック制御される。
【0049】ここで、最終的にVCO28を制御するタイミングは、PCR標準化位置(MPEG2においてはPCRフィールドの最終ビット)である必要はなく、これより後であっても、タイミングのばらつきが無視できる程度であれば所定時間後でよいとすることができる。即ち、本発明においてはそもそも現在のクロックの計数値を読み込むタイミングを同期信号の時点とし、PCR標準化位置からずれた時点としても上記フィードバック制御が可能であることに着目してなされたものであるから、もはやVCO28の制御タイミングがPCR標準化位置である必要はないのである。
【0050】よって、上記のようなステップを実行するハードウエア若しくはソフトウエアの処理速度は格別に高速である必要がなく、汎用のものが使用でき、従って装置の構成を簡素化することができる。
【0051】
【0023】尚、本発明における実施例の説明では、デジタルデータの伝送方式をパケットとして説明してきたが、これに限定されず、またパケット形式であったとしても固定長である必要はない。即ち、少なくともクロック基準信号に関して何らかの識別情報や同期信号が存在し、これら識別情報や同期信号から一定距離(時間)の関係でクロック基準信号が送信される形式のものであれば良い。
【0052】また、送信すべきデジタルデータはMPEG等による圧縮画像データに限らず、例えば音声データ、MIDIデータ、ゲームソフト、コンピュータソフト等でも良い。即ち、送信されるクロック基準に基づいて受信側で所定の基準クロックを再生し、これに基づいてデータを再生するようにしたデータ通信全般に適用することができる。
【0053】
【0024】
【0054】
【発明の効果】以上述べたように、本発明においては再生基準クロックの計数時点をパケット同期信号の検出時点としたので、計数基準値の標本化位置を検出する手段が不要になり、装置を簡素化することができる。また、可変周波数発振手段の発振周波数制御タイミングを計数基準値の標本化位値より所定時間後としたので、ハードウエアやソフトウエアの処理速度を遅くすることができ、装置を更に簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるパケット受信装置のブロック図。
【図2】本発明におけるクロック再生装置のフローチャート図(実施例1)。
【図3】本発明におけるクロック再生装置のフローチャート図(実施例2)。
【図4】MPEG2による画像データを送信するトランスポート・パケットの模式図。
【図5】従来例のパケット受信装置のブロック図。
【符号の説明】
10・・・入力端子
11・・・同期検出回路
12・・・PCR検出回路
13・・・バッファー回路
14・・・CPU
23・・・比較回路
24・・・カウンタ
26・・・PWM波発生回路
27・・・LPF
28・・・VCO
Claims (2)
- 送信側からパケットで順次送信され基準クロックに基づいて再生すべきデータを受信側において再生するための前記基準クロックを前記受信側で再生するためのクロック再生装置であって、
前記パケットは所定の同期ビットを有し、少なくとも一部の前記パケットにはそのパケットの所定ビット数目を標本化位置とした前記基準クロックの計数基準値に関する情報を記述するフィールドが有るものであり、
前記クロック再生装置は、
前記パケットの同期ビットを検出する同期検出手段と、
前記フィールドを検出しこのフィールドに記述された前記情報に基づいて前記計数基準値を求める計数基準検出手段と、
制御信号により発振周波数が制御されこの発振出力を前記再生基準クロックとする可変周波発振手段と、
前記再生基準クロックを計数する計数手段と、
前記同期ビットの検出時点の前記再生基準クロックの計数値を記憶する記憶手段と、
前記フィールドが検出されたときのみ、そのフィールドに記述された前記計数基準値と前記フィールドが検出された少なくとも今回のパケットにおける前記計数値とに基づいて前記制御信号を出力する比較手段とを備えたことを特徴とするクロック再生装置。 - 前記標本化位置は前記フィールドの最終ビットであり、
前記制御信号の出力時点が前記フィールドの最終ビットより後の所定時間内であることを特徴とする請求項1記載のクロック再生装置。
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