JPH0945448A - ケーブル用リール装置 - Google Patents

ケーブル用リール装置

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JPH0945448A
JPH0945448A JP19556095A JP19556095A JPH0945448A JP H0945448 A JPH0945448 A JP H0945448A JP 19556095 A JP19556095 A JP 19556095A JP 19556095 A JP19556095 A JP 19556095A JP H0945448 A JPH0945448 A JP H0945448A
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JP
Japan
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cable
flat cable
reel device
core wire
flat
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Application number
JP19556095A
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English (en)
Inventor
Akio Kawamoto
明生 川本
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Nihon Plast Co Ltd
Original Assignee
Nihon Plast Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きな電流への対応および耐久性の確保を可
能にする。 【解決手段】 自動車のステアリングホイールに備えた
エアバッグ装置に電力を供給するケーブル用リール装置
を構成する。ロータとステータとを回転自在に組み合わ
せて、ステアリングシャフトに嵌合するケースを構成す
る。ケースのケーブル収納部に収納したフラットケーブ
ル22により、ロータ側とステータ側とを電気的に接続す
る。ケーブル収納部に収納したスペーサにより、フラッ
トケーブル22が略U字状に反転するように案内する。フ
ラットケーブル22は、複数の膜状の芯線24を同一面上に
並設し、絶縁性を有する絶縁被膜26により覆って形成す
る。上側22a の芯線24は、他の芯線24よりも厚さ寸法を
大きくし、他の芯線24に比べて単位長さ当たりの抵抗率
が小さい低抵抗芯線27とする。低抵抗芯線27は、他の芯
線24に比べて柔軟性が低下し、反転部分での曲率半径が
大きくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、互いに相対的に回
転する部材間をフラットケーブルにて接続するケーブル
用リール装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車の車体側に設けられたバッ
テリなどの電気部品と、正逆方向に回転するステアリン
グホイール側に設けられたエアバッグ装置などの電気部
品との間を、いわゆるフラットケーブルにて電気的に接
続するケーブル用リール装置が知られている。
【0003】そして、このケーブル用リール装置は、例
えば、実開平5−19057号公報に記載されているよ
うに、ステアリングシャフトに嵌合する中空円環状のケ
ース体を備え、このケース体は、車体側の部材に固定さ
れる筒状の枠体と、この枠体の内側に設けられてステア
リングホイールとともに回転する筒状の軸体とを、互い
に回転自在に組み合わせて構成されている。そして、フ
ラットケーブルは、複数のテープ状の芯線を同一面上に
所定の間隔で並設したうえ、絶縁性を有する絶縁被覆に
よりラミネートして形成され、長手方向の一端部が枠体
に取り付けられ、他端部が軸体に取り付けられた状態
で、これらの枠体と軸体との間に形成されたケーブル収
納部に収納されている。
【0004】しかしながら、実開平5−19057号公
報記載の構成のように、軸体の周囲にフラットケーブル
を一方向に巻き付けた状態を保って、このフラットケー
ブルを巻き戻したり、巻き締めたりする、いわゆるクロ
ックスプリング型のケーブル用リール装置では、フラッ
トケーブルの長さ寸法が大きくなり、製造コストが上昇
する問題を有している。
【0005】この点、例えば、米国特許第376345
5号明細書に記載されたケーブル用リール装置が知られ
ている。このケーブル用リール装置では、ケーブル収納
部に、複数のローラからなる案内体が収納されており、
この案内体に沿ってフラットケーブルを略U字状に反転
させ、案内体の内周側と外周側とでフラットケーブルを
反対方向に巻回するようになっている。そして、このケ
ーブル用リール装置では、ステアリングホイールを一方
向に回転操作した状態で、フラットケーブルが案内体に
沿ってU字状に反転しながらこの案内体の内周側に引き
込まれ、軸体の外周部に巻き付けられるとともに、ステ
アリングホイールを反対方向に回転操作した状態で、巻
き戻されたフラットケーブルが案内体に沿って略U字状
に反転しながら案内体の外周側に押し出され、枠体の内
周部に巻き付けられるようになっている。そこで、上記
のクロックスプリング型のケーブル用リール装置に比べ
て、フラットケーブルの長さ寸法を短くすることができ
るようになっている。
【0006】しかしながら、この米国特許第37634
55号明細書記載のいわゆる反転型の構成では、フラッ
トケーブルが略U字状に反転しながら案内されるため、
フラットケーブルの厚さ寸法が大きいと、フラットケー
ブルの柔軟性が低下し、案内体などに対する摺動抵抗が
大きくなり、耐久性の向上なども困難になる問題を有し
ている。一方、フラットケーブルの厚さ寸法を小さくす
るために、各芯線の厚さ寸法を小さくすると、芯線の抵
抗率が上昇してしまうが、フラットケーブルには、エア
バッグ装置のガスを噴射するインフレータを作動させる
ための電流など、大きな電流を流す場合があり、必要な
抵抗率を確保しにくい問題を有している。
【0007】この点、フラットケーブルの柔軟性を確保
しつつ、芯線の抵抗率を低減するために、例えば、各芯
線の幅寸法すなわち並設方向に沿った寸法を一様に大き
くして、各芯線の断面積を大きくする構成が考えられ
る。
【0008】しかしながら、フラットケーブルの各芯線
の幅寸法を一様に大きくする構成では、フラットケーブ
ル全体の幅寸法が大きくなり、このフラットケーブルを
収納するケーブル用リール装置の厚さ寸法も大きくなる
問題を有しているとともに、薄くかつ幅の広い多数の芯
線を絶縁被覆でラミネートする作業は困難で、フラット
ケーブルの製造コストが上昇する問題を有している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、軸体の
周囲にフラットケーブルを一方向に巻き付けた状態を保
って、このフラットケーブルを巻き戻したり、巻き締め
たりする、いわゆるクロックスプリング型のケーブル用
リール装置では、フラットケーブルの長さ寸法が大きく
なり、製造コストが上昇する問題を有している。また、
いわゆる反転型の構成では、フラットケーブルが略U字
状に反転しながら案内されるため、フラットケーブルの
厚さ寸法が大きいと、フラットケーブルの柔軟性が低下
し、耐久性の向上なども困難になる問題を有している。
一方、フラットケーブルの柔軟性を向上するために、各
芯線の厚さ寸法を小さくすると、芯線の抵抗率が上昇し
てしまうため、エアバッグ装置のガスを噴射するインフ
レータを作動させるための必要な大きな電流を流す場
合、必要な抵抗率を確保しにくい問題を有している。さ
らに、フラットケーブルの各芯線の幅寸法を一様に大き
くする構成では、フラットケーブル全体の幅寸法が大き
くなり、このフラットケーブルを収納するケーブル用リ
ール装置の厚さ寸法も大きくなる問題を有しているとと
もに、薄くかつ幅の広い多数の芯線を絶縁被覆でラミネ
ートする作業は困難で、フラットケーブルの製造コスト
が上昇する問題を有している。
【0010】本発明は、このような点に鑑みなされたも
ので、大きな電流への対応および耐久性の確保が容易に
できるとともに、製造コストを低減できるケーブル用リ
ール装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のケーブル
用リール装置は、略筒状をなす枠部、およびこの枠部の
内側にこの枠部に対して相対的に正逆方向に回転可能に
設けられた軸部を有し、これら枠部と軸部との間にケー
ブル収納部を設けたケースと、前記ケーブル収納部に収
納され、長手方向の一端部が前記枠部に接続され、他端
部が前記軸部に接続されて、これら枠部および軸部の相
対的な正逆方向の回転に伴い前記軸部の外周部と前記枠
部の内周部とに互いに反対方向に巻回されるフラットケ
ーブルと、前記ケーブル収納部に収納され、前記軸部の
外周部に巻き付けられたフラットケーブルと前記枠部の
内周部に巻き付けられたフラットケーブルとの間に位置
してこのフラットケーブルを案内する案内体とを備え、
前記フラットケーブルは、互いに幅方向に沿って略同一
面状に並設された膜状をなし導電性を有する複数の芯線
と、これら芯線を覆う絶縁性を有する絶縁被覆とを備え
るとともに、少なくとも1個の芯線を、他の芯線に比べ
て単位長さ当たりの抵抗率が小さい低抵抗芯線としたも
のである。
【0012】そして、この構成では、相対的に正逆方向
に回転する部材間に、このケーブル用リール装置を配設
して、各部材にそれぞれ枠部と軸部とを接続することに
より、これらの部材が、枠部と軸部との間のケーブル収
納部に収納されたフラットケーブルにより接続され、こ
のフラットケーブルにより電力あるいは信号などが伝達
される。また、フラットケーブルに、他の芯線に比べて
単位長さ当たりの抵抗率が小さい低抵抗芯線を設けたの
で、この低抵抗芯線により、大電流への対応が可能にな
るとともに、通常柔軟性が乏しく形状が大きくなりやす
い低抵抗芯線をすべての芯線に用いる構成に比べて、フ
ラットケーブルの柔軟性が容易に確保され、あるいはフ
ラットケーブルの幅寸法が容易に小さくなる。
【0013】請求項2記載のケーブル用リール装置は、
請求項1記載のケーブル用リール装置において、低抵抗
芯線は、他の芯線より厚さ寸法が大きく形成されたもの
である。
【0014】そして、この構成では、低抵抗芯線が他の
芯線と同一の材料により容易に形成することが可能にな
る。また、低抵抗芯線を、幅寸法すなわち芯線の並設方
向の寸法を他の芯線より大きくすることにより形成する
構成に比べて、フラットケーブル全体の幅寸法が小さく
なり、ケーブル用リール装置が小型化されるとともに、
絶縁被覆の使用量も少なくなり、製造コストが低減され
る。さらに、一部の芯線より厚さ寸法を変えることによ
り、フラットケーブルの表面に凹凸が形成されるので、
案内体などに対する摺動抵抗が小さくなる。
【0015】請求項3記載のケーブル用リール装置は、
請求項1または2記載のケーブル用リール装置におい
て、フラットケーブルには、長手方向に沿った一側部に
低抵抗芯線が配置され、他側には、前記一側部より屈曲
性の高い他側部が配置され、軸部には、案内体の内周側
に位置して、前記フラットケーブルの長手方向に沿った
前記他側部が挿入される略環状の溝部が設けられ、前記
案内体は、前記軸部の周囲に回転自在に配設され、フラ
ットケーブルが挿通する反転用挿通部と、前記溝部に対
向するケーブル案内部とが設けられ、このケーブル案内
部には、前記反転用挿通部またはその近傍を除き、前記
フラットケーブルの一側部に対向してこのフラットケー
ブルの前記溝部からの離脱を阻止するケーブル押え部が
設けられたものである。そして、この構成では、軸部を
枠部に対して相対的に一方向に回転した状態で、フラッ
トケーブルは案内体の反転用挿通部を通ってU字状に反
転しながら案内体の内側に引き込まれ、軸部に設けられ
た溝部に長手方向に沿った他側部が挿入された状態で保
持される。また、軸部を反対方向に回転した状態では、
まず、フラットケーブルは溝部の内側で巻き戻され、U
字状に反転しつつ案内体の反転用挿通部を通って案内体
の外側に繰り出される。そして、案内体のケーブル案内
部には、反転用挿通部またはその近傍を除き、フラット
ケーブルの一側部に対向してこのフラットケーブルの溝
部からの離脱を阻止するケーブル押え部が設けられてい
るので、フラットケーブルが巻き戻される際には、反転
用挿通部またはその近傍のフラットケーブルのみが溝部
から外周側に離脱し、フラットケーブルの他の部分は、
軸部に設けた溝部に保持された状態になる。そこで、フ
ラットケーブルが案内体に摺接するのは、反転用挿通部
またはその近傍のみになり、フラットケーブルと案内体
との摩擦抵抗が低減され、フラットケーブルが案内体の
反転用挿通部から円滑に繰り出される。このとき、フラ
ットケーブルは、長手方向に沿って略U字状に湾曲され
るとともに、フラットケーブルの他側部が溝部から離脱
する方向すなわち幅方向に沿った方向に力を受けて湾曲
するが、フラットケーブルの一側部、すなわちケーブル
押え部に対向する部分には、低抵抗芯線が配置されてい
るので、溝部に挿入される他側部に比べて柔軟性が低下
して湾曲しにくくなり、曲率半径が大きくなり、案内体
などに対する摺動抵抗は小さくなる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明のケーブル用リール
装置の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0017】図2ないし図4において、11はケースで、
このケース11は、それぞれ例えば共重合ポリアセタール
などの合成樹脂にて一体形成したロータ12、案内体とし
てのスペーサ14、ドレインリング15、ステータ16、リテ
ーナリング17、ケーブルカバー18などを組み合わせて略
中空円環状に構成されている。そして、このケース11の
内側には、環状をなすケーブル収納部21が形成され、こ
のケーブル収納部21にフラットケーブル22が収納され
て、ケーブル用リール装置が構成されている。
【0018】そして、このケーブル用リール装置は、例
えば、自動車のステアリングシャフトに嵌合された状態
で、ステアリングホイール本体と、いわゆるコンビネー
ションスイッチとの間に装着されている。また、ステア
リングホイール本体は、ステアリングシャフトの先端部
に取り付けられ、ステアリングシャフトとともに回転す
るようになっている。一方、コンビネーションスイッチ
は、ステアリングシャフトの外側に設けられたステアリ
ングコラムに嵌合して車体側に取り付けられている。そ
して、このケーブル用リール装置のフラットケーブル22
により、ステアリングホイール本体に設けられたエアバ
ッグ装置、ホーンスイッチ、定速走行装置(ASCD)
の操作スイッチ、およびオーディオ装置の操作スイッチ
などの電気部品と、車体側に設けたバッテリー、衝撃セ
ンサ、ホーン装置、定速走行装置、およびオーディオ装
置などの電気部品とが、電気的に接続されるようになっ
ている。
【0019】また、このステアリングシャフトは、自動
車の操向伝導装置に接続されており、この操向伝導装置
のギア比などに応じて、例えば、中立位置から左右方向
にそれぞれ2回転から2.5回転ほど回転操作できる。
すなわち、いわゆるロックトゥロックで、最大4回転か
ら5回転ほど回転操作できるようになっている。
【0020】そして、フラットケーブル22は、図1ない
し図4に示すように、柔軟で、なおかつ若干の弾性を有
する帯状(テープ状)に形成されている。そして、この
フラットケーブル22は、断面略矩形状である帯状の導電
性を有する芯線24を、2本から9本などの複数本、本実
施の形態では5本備え、これら芯線24を、互いに幅方向
に沿って同一面上に平行に配置し、これら芯線24の両面
に、接着層25を介して、フィルム状で絶縁性の絶縁被膜
26,26を貼着して形成されている。
【0021】また、各芯線24は、図1に示すように、単
位長さ当たりの抵抗率と湾曲される部分の曲率半径とな
どに応じた種々の材質を用いて形成され、主に、抵抗率
が低く、屈曲性の低い純銅、または、抵抗率が高く、屈
曲性の高いクロム銅などの銅合金を用いて形成される。
そして、5本の芯線24は、それぞれ幅寸法(図1におけ
る上下方向の寸法)は例えば1mm程度で一定であるの
に対して、5本の芯線24のうち、一部側としての上側22
a に位置する2本の芯線24は、厚さ寸法が例えば65μ
m程度に形成され、他側部としての下側22b の3本の芯
線24は、厚さ寸法が30μm〜35μm程度に形成され
ている。すなわち、上側22a に位置する2本の芯線24
は、他の芯線24より断面積が大きく形成され、単位長さ
当たりの抵抗率が小さい低抵抗芯線27として形成されて
いる。
【0022】また、低抵抗芯線27の厚さ寸法が他の芯線
24の厚さ寸法より大きいため、フラットケーブル22は、
上側22a の厚さ寸法が、下側22b の厚さ寸法よりも大き
くなり、フラットケーブル22の外面の中間部には、段部
22c が形成されている。
【0023】さらに、抵抗率が小さい低抵抗芯線27は、
エアバッグ装置に電力を供給するために用いられ、5ア
ンペア程度の電流が流れるようになっているとともに、
他の芯線24は、ラジオのスイッチなどを備えたエレクト
リックスイッチに接続されるようになっている。
【0024】一方、各絶縁被膜26は、例えば、ポリエチ
レンテレフタレート(PET)などにて厚さ寸法30μ
m程度に形成され、これら絶縁被膜26には、接着層25を
構成する接着剤があらかじめ塗布されている。また、こ
の接着剤としては、主に、熱硬化性あるいは熱架橋性の
接着剤が用いられている。
【0025】そして、図2ないし図4に示すように、こ
のフラットケーブル22の両端部には、それぞれ合成樹脂
などにて形成された変換コネクタ28が接続されている。
そして、この変換コネクタ28には、複数のリード線29の
一端部が接続されている。さらに、このリード線29の他
端部に、それぞれステアリングホイール本体およびコン
ビネーションスイッチに設けた接続コネクタ30が接続さ
れるようになっている。
【0026】また、ロータ12には、略円板状をなす上板
部31と、この上板部31の中央部に形成された円孔32の縁
部から下側に突設された略円筒状をなす軸部33とが形成
されている。そして、この上板部31の上面には、一対の
係合爪35,35を有した上部ケーブル保持部36が形成され
ている。さらに、この上板部31の外周部からは、ステア
リングホイール本体の下部を覆うカバー体などに固定さ
れる上部取付部37,37,38,38が突設されている。さら
に、この上板部31には、放射状に配置された弾性変形可
能な舌片部41が複数形成され、各舌片部41からは、それ
ぞれ下側に向かってスペーサ案内突部42が突設されてい
る。また、この上板部31の外周部からは、ロータ側スト
ッパ取付部43が突設されている。
【0027】そして、軸部33には、板状をなす内周側ケ
ーブル導出部44が形成され、この内周側ケーブル導出部
44の一側部に、溝状をなす内周側挿通部45が形成されて
いる。また、軸部33の外周部の上部から、案内体支持部
46が複数放射状に突設されている。そして、これら案内
体支持部46は、それぞれ軸部33の周方向に沿った円弧状
をなし、外側下部の角部に傾斜面47が形成されている。
なお、各案内体支持部46の上方に位置して、上板部31に
は、金型を抜くための円弧状をなす開口部48が形成され
ている。さらに、この軸部33の外周部の下部には、内周
側に向かって凹設された嵌合段部49が形成されている。
そして、この軸部33の下端部からは、複数の係合爪50が
突設されている。
【0028】また、ドレインリング15は、略円環状をな
し、軸部33の嵌合段部49に嵌合するリング本体部53と、
このリング本体部53の外周側に形成されたリング外壁部
54と、これらリング本体部53とリング外壁部54との間に
位置する上側に開口した溝部55とが一体に形成されてい
る。そして、リング本体部53は、リング外壁部54よりも
高さ寸法が大きいとともに、内周側ケーブル導出部44が
係合する両側一対の切欠部56が形成されている。さら
に、これらリング本体部53とリング外壁部54との上端部
は、溝部55の底部に向かって傾斜するように形成されて
いる。
【0029】一方、ステータ16には、中央に円孔60を形
成した略円板状をなす下板部61と、この下板部61の外縁
部から上側に突設された略円筒状をなす枠部62とが一体
に形成されている。そして、下板部61には、底部64と、
この底部64の内周側の下部に連接するロータ接続部65と
が形成されている。そして、底部64の上面には、外周部
に、平面状をなす環状平面部66が形成されているととも
に、この環状平面部66の内周側に連接して、滑らかに上
側に向かって膨出するケーブル摺接部67が形成されてい
る。そして、このケーブル摺接部67の上端部は、溝部55
の底部55a よりも高い位置に形成され、さらに、溝部55
のリング外壁部54の上端部54a よりも高い位置に形成さ
れている。なお、この底部64の下面側には、補強用のリ
ブ68が放射状をなして複数形成されている。また、ロー
タ接続部65は、上面が平滑な平面状をなし、下面には同
心状をなす環状凹溝69が形成されている。
【0030】そして、ステータ16の枠部62の外周側に
は、外周側ケーブル導出部72が設けられている。そし
て、この外周側ケーブル導出部72には、平板状をなす上
側基部73と、この上側基部73の下側に形成された下側基
部74と、これら上側基部73および下側基部74の両側に形
成された一対の側板部75,75と、これら側板部75,75か
ら突設された相対向する係合爪76,76とが形成されてい
る。また、上側基部73の一側部には、外周側挿通部77が
開口形成されている。さらに、側板部75,75の外側部に
は、水平板状をなす両側一対の台座部78,78が形成さ
れ、各台座部78には、それぞれ上下に連通する角孔状の
係合孔79が形成されている。また、図2に示すように、
枠部62の一側には、外周側に向かってステータ側ストッ
パ取付部80が突設されている。
【0031】また、ケーブルカバー18は、断面略コの字
状をなすカバー本体81を備え、このカバー本体81には、
ステータ16の係合爪76,76に係合する両側一対の角孔状
をなす係合孔部82,82が形成されている。さらに、この
カバー本体81の上端部からは、両側に向かって水平板状
をなす取付片部84,84が形成されているとともに、各取
付片部84から上側に向かって、ステータ16の係合孔79に
係合する係合爪85,85が突設されている。また、カバー
本体81の上端部からは、板状をなすカバー板部86が突設
されている。
【0032】さらに、リテーナリング17には、略円環状
をなすリング本体91と、このリング本体91の中央部に形
成した円孔92の縁部から上側に突設された筒状部93とが
形成されている。そして、リング本体91の内周側には、
ロータ12から突設した係合爪50が係合する複数のロータ
取付溝95が形成されているとともに、ロータ12の内周側
ケーブル導出部44の内側に対向する略矩形板状の内周側
ケーブルカバー部96が立設されている。また、リング本
体91の外周側には、ステータ16のロータ接続部65の下面
に摺動自在に嵌合するステータ支持部97が形成されてい
る。そして、このステータ支持部97には、ロータ接続部
65の環状凹溝69に摺動自在に嵌合する円環状の環状突部
98が形成されている。
【0033】また、図2、図3、図5および図6に示す
ように、スペーサ14には、中央部に円孔101 を形成した
天板部102 が形成されている。そして、この天板部102
の下側には、略円筒状をなす内板部104 と、この内板部
104 の外周側に位置する外板部105 とが、同心状をなし
て形成されている。さらに、このスペーサ14には、これ
ら内板部104 の内周側と外板部105 の外周側を連通する
反転用挿通部106 が形成されている。そして、この反転
用挿通部106 は、周方向に相対向する突設面部107 と凹
設面部108 とに囲まれ、略円弧状に形成されている。ま
た、これら突設面部107 と凹設面部108 とは、それぞれ
内板部104 および外板部105 に連続する滑らかな曲面状
に形成されている。
【0034】さらに、天板部102 の下面には、内板部10
4 の内周側に沿って、ケーブル案内部111 が形成されて
いる。そして、このケーブル案内部111 には、反転用挿
通部106 の凹設面部108 側から全周の約3分の2にわた
って形成されたケーブル押え部112 と、このケーブル押
え部112 の先端部から反転用挿通部106 の突設面部107
側にわたって形成された傾斜面部114 とが形成されてい
る。そして、このケーブル押え部112 は、天板部102 の
下面から所定寸法だけ突設され、傾斜面部114は、この
ケーブル押え部112 の下面と天板部102 の下面とを滑ら
かに連接するようになっている。
【0035】また、このスペーサ14の内板部104 の内周
面の傾斜面部114 に隣接する部分、突設面部107 、およ
び外板部105 の全周には、スペーサ14の軸方向すなわち
上下方向を長手方向とする突部としての突条116 が、複
数所定間隔で形成されている。
【0036】さらに、天板部102 の外周縁部117 は、下
方に向かって屈曲されているとともに、天板部102 の上
面には、円孔101 と同心状の環状をなす環状凹溝118 が
形成されている。
【0037】次に、このケーブル用リール装置の組み立
て動作を説明する。
【0038】まず、ロータ12の軸部33に、下側からスペ
ーサ14を嵌合し、ロータ12の案内体支持部46の上側に、
スペーサ14の天板部102 の内周側の縁部を摺動自在に係
止して、スペーサ14をロータ12に回転自在に支持する。
この状態で、スペーサ案内突部42と環状凹溝118 とが摺
接し、あるいはわずかな間隔を介して対向し、スペーサ
14の径方向および軸方向のがたつきが抑制される。
【0039】次いで、ロータ12の上部ケーブル保持部36
の係合爪35,35間に、フラットケーブル22の変換コネク
タ28を係合して装着するとともに、この変換コネクタ28
から導出されているフラットケーブル22を軸部33の内周
側ケーブル導出部44に沿って下方に屈曲させ、さらに、
フラットケーブル22の幅方向に向かってほぼ直角に折り
曲げ、内周側挿通部45を通じて軸部33の外周側に導入す
る。
【0040】そして、このフラットケーブル22を、スペ
ーサ14の反転用挿通部106 に挿入した状態で、軸部33の
下部の嵌合段部49にドレインリング15を嵌合して取り付
ける。この状態で、スペーサ14に対してロータ12を回転
させると、フラットケーブル22は、スペーサ14の内周側
に引き込まれ、下部がドレインリング15の溝部55に挿入
された状態で、軸部33の周囲に巻き付けられる。
【0041】さらに、スペーサ14の外周側に残ったフラ
ットケーブル22を、ステータ16の外周側ケーブル導出部
72の外周側挿通部77に内周側から挿入する。そして、外
周側ケーブル導出部72の外周側に導出されたフラットケ
ーブル22を、フラットケーブル22の幅方向に向かってほ
ぼ直角に折り曲げ、変換コネクタ28を係合爪76,76間に
係合して保持する。
【0042】続いて、ステータ16をロータ12の下側から
組み合わせるとともに、ロータ12の軸部33の下端部にリ
テーナリング17を嵌合し、軸部33から突設した係合爪50
をリテーナリング17のロータ取付溝95に挿入係合して、
ロータ12にリテーナリング17を固定する。この状態で、
ステータ16は、それぞれロータ12に取り付けられたドレ
インリング15とリテーナリング17との間に摺動自在に挟
持され、ロータ12に対して回転自在に支持される。
【0043】最後に、ステータ16の外周側ケーブル導出
部72の外側に、ケーブルカバー18を係合して取り付け、
変換コネクタ28を覆うことにより、ケーブル用リール装
置の組み立て作業が終了する。
【0044】そして、この状態で、軸部33と枠部62との
間に形成されたケーブル収納部21に収納されたフラット
ケーブル22は、スペーサ14の反転用挿通部106 を挿通
し、この反転用挿通部106 に沿って略U字状に湾曲して
折り返された状態で、軸部33の外周面とスペーサ14の内
板部104 の内周面との間に捲回されているとともに、枠
部62の内周面と、スペーサ14の外板部105 の外周面との
間に捲回されている。
【0045】また、ドレインリング15のリング外壁部54
の内径寸法は、スペーサ14の内板部104 の内径寸法より
小さく、ロータ12の軸部33と一体に回転するドレインリ
ング15の溝部55に挿入されたフラットケーブル22は、ス
ペーサ14に摺接せず、スペーサ14とフラットケーブル22
との摩擦抵抗が軽減されている。
【0046】そして、フラットケーブル22の上下方向の
幅寸法は、リング外壁部54の上端部からケーブル押え部
112 までの離間寸法より大きく、かつ、リング外壁部54
の上端部から天板部102 までの離間寸法より小さく形成
され、フラットケーブル22は、スペーサ14の反転用挿通
部106 の近傍以外では、溝部55から外れて外周側に膨ら
まないため、フラットケーブル22がスペーサ14に摺接す
るのは、反転用挿通部106 の近傍のみになり、フラット
ケーブル22とスペーサ14との摩擦抵抗が軽減されてい
る。
【0047】さらに、スペーサ14の内板部104 および外
板部105 の上下方向の長さ寸法は、ケーブル収納部21の
上下方向の長さ寸法の半分程度であり、スペーサ14の内
板部104 および外板部105 の下端部が、ステータ16の底
部64に摺接しないようになっている。
【0048】そして、このように構成されたケーブル用
リール装置は、ステータ16を車体側のコンビネーション
スイッチに固定するとともに、ロータ12をステアリング
ホイールのボスプレートなどに固定した状態で、ステア
リング装置に機械的に設置されるようになっている。
【0049】なお、このケーブル用リール装置は、自動
車の所定の位置に装着される以前の輸送時などには、ロ
ータ12のロータ側ストッパ取付部43と、ステータ16のス
テータ側ストッパ取付部80とが、図2および図3に示す
ストッパフィルム119 により互いに連結され、ロータ12
とステータ16とが互いに回転しないように保持されてい
る。
【0050】次に、本実施の形態の動作を説明する。
【0051】まず、ステアリングホイールを、上側(乗
員側)から見て、時計回り方向に最大限回転操作した状
態では、フラットケーブル22は、ロータ12の軸部33に引
っ張られて、外周側から内周側に向かって時計回り方向
に巻き締められ、長さ方向の大部分が溝部55に挿入され
ている。
【0052】そして、この状態から、ステアリングホイ
ールを反時計回り方向に回転操作すると、まず、フラッ
トケーブル22は、ロータ12の軸部33の回転にともないス
ペーサ14の内側で巻き戻されて膨らみ、この軸部33と一
体に回転するドレインリング15のリング外壁部54の内周
面に押し付けられる。
【0053】さらに、ステアリングホイールを反時計回
り方向に回転操作すると、フラットケーブル22は、スペ
ーサ14の反転用挿通部106 を通ってこのスペーサ14の外
側に繰り出される。この際、フラットケーブル22は、反
転用挿通部106 の突設面部107 の近傍以外では、ケーブ
ル押え部112 により上下位置が規制されるため、溝部55
に挿入された状態で保持されるが、反転用挿通部106 の
突設面部107 の近傍では、傾斜面部114 に沿って上方へ
の移動が許容されているとともに、ステータ16の底部64
に下側22b の縁部が摺接してより上側に持ち上げられ、
幅方向に沿って湾曲された状態で、リング外壁部54を乗
り越える。
【0054】すなわち、フラットケーブル22が反転用挿
通部106 を通過する際には、このフラットケーブル22
は、図7に示すように、反転用挿通部106 に沿って長手
方向に略U字状に曲げる負荷を受けるとともに、図6に
示すように、ドレインリング15のリング外壁部54を乗り
越えるために幅方向に沿って曲げる負荷を受ける。そし
て、幅方向に沿って曲げる負荷は、フラットケーブル22
の上側22a の反転部分の基端部近傍(図6に示すA部
分)において、縮み方向の負荷となり、下側22b の反転
部分の基端部近傍(図6に示すB部分)において伸び方
向の負荷として加わる。そして、このような負荷を受け
たフラットケーブル22は、図7に示すように、反転部分
の上側22a で、曲率半径R1 が大きくなる一方、反転部
分の下側22bでは、曲率半径R2 は変わらないか、ある
いは小さくなる。そこで、フラットケーブル22は、反転
部分において、上側22a の曲率半径R1 が、下側22b の
曲率半径R2 より大きくなる。
【0055】そして、反転用挿通部106 にて略U字状に
湾曲されながらスペーサ14の外側に繰り出されたフラッ
トケーブル22は、自らの弾性により、ステータ16の枠部
62の内周側に押し付けられて巻き付けられる。なお、ス
ペーサ14は、ロータ12に吊り下げ支持されているため、
負荷を受けない限りロータ12とともに回転する。
【0056】さらに、ステアリングホイールを回転操作
して、反時計回り方向に最大限回転操作した状態では、
フラットケーブル22の大部分が、ステータ16の枠部62の
内周側に押し付けられ、外周側から内周側に向かって反
時計回り方向に巻き付けられる。
【0057】また、この状態から、ステアリングホイー
ルを時計回り方向に回転操作すると、フラットケーブル
22は、ロータ12の軸部33に引っ張られ、この軸部33の外
周部に巻き付けられていく。この際、フラットケーブル
22は、スペーサ14の外側に繰り出される際と同様に、ス
ペーサ14の反転用挿通部106 を通り、リング外壁部54を
乗り越えて、スペーサ14の内側に引き込まれ、傾斜面部
114 に沿って下方に押し下げられて、溝部55に挿入され
る。また、このフラットケーブル22は、この反転用挿通
部106 の凹設面部108 を押動して、スペーサ14を時計回
り方向に回転させる。
【0058】そして、ステアリングホイールを、時計回
り方向に最大限回転操作した状態では、フラットケーブ
ル22は、ロータ12の軸部33の外周部に大部分が巻き締め
られた状態に復帰する。
【0059】このように、本実施の形態のケーブル用リ
ール装置によれば、ステアリングホイールを正逆方向に
回転操作した状態で、フラットケーブル22をケーブル収
納部21の内部に正逆方向に捲回できるため、中心軸の周
囲にフラットケーブル22を一方向に巻き付けた状態で、
このフラットケーブル22を巻き締めたり、巻き戻したり
する構成のケーブル用リール装置に比べて、フラットケ
ーブル22の長さ寸法を大幅に短くして、製造コストを低
減することができる。
【0060】また、ケーブル収納部21に収納したスペー
サ14により、フラットケーブル22を、ロータ12の軸部33
の外周部と、ステータ16の枠部62の内周部とに分離して
巻き付けることができるため、フラットケーブル22を円
滑に移動させ、ケーブル用リール装置を安定して回転さ
せることができる。
【0061】そして、ロータ12の軸部33と一体に回転す
る溝部55を設け、スペーサ14の内周側に位置するフラッ
トケーブル22の下側22b をこの溝部55に挿入するととも
に、スペーサ14の外周側に位置するフラットケーブル22
の下側22b は、ステータ16に形成した底部64の環状平面
部66上に支持するようにしたため、通常の使用時におい
てロータ12を回転する際には、フラットケーブル22の下
側22b は反転用挿通部106 を挿通する反転部分の下側22
b が底部64に摺接するのみになり、フラットケーブル22
のロータ12およびステータ16への摺接を低減して、フラ
ットケーブル22を円滑に移動させ、巻き乱れを防止する
ことができる。
【0062】また、フラットケーブル22は、複数の芯線
24のうち、上側22a の2本の芯線24の断面積を大きく
し、他の芯線24に比べて単位長さ当たりの抵抗率が小さ
い低抵抗芯線27としたため、この低抵抗芯線27により、
エアバッグ装置に必要な大電流に対応することができ
る。
【0063】そして、低抵抗芯線27は、他の芯線27と同
一の材料で、他の芯線27より厚さ寸法を大きくして形成
したため、容易に安価に形成できるとともに、このよう
な低抵抗芯線を、幅寸法すなわち芯線の並設方向の寸法
を他の芯線より大きくすることにより形成する構成に比
べて、フラットケーブル22全体の幅寸法を小さくでき、
ケーブル用リール装置を小型化できる。加えて、絶縁被
膜26の使用量を削減できるとともに、薄く広い芯線を配
置する煩雑な作業が軽減され、製造コストを低減するこ
とができる。
【0064】さらに、一部の芯線24を他の芯線24より厚
さ寸法を大きくすることによって低抵抗芯線27を形成し
たため、通常柔軟性が乏しく形状が大きくなりやすい低
抵抗芯線をすべての芯線に用いる構成に比べて、フラッ
トケーブル22の柔軟性を容易に確保でき、ケーブル用リ
ール装置を円滑に回転させることができるとともに、フ
ラットケーブル22の幅寸法を容易に小さくして、ケーブ
ル用リール装置を小型化することができる。また、一部
の芯線24の厚さ寸法を変えることにより、フラットケー
ブル22の表面に段部22c が形成されるため、スペーサ14
などに対する摺動抵抗を小さくでき、ケーブル用リール
装置を円滑に回転させることができる。
【0065】また、スペーサ14の反転用挿通部106 を通
過するフラットケーブル22は、長手方向に沿って略U字
状に湾曲されるとともに、幅方向に沿って上方に湾曲す
るが、フラットケーブル22の上側22a には、厚さ寸法が
大きく柔軟性が低い低抵抗芯線27を配置したため、溝部
55に挿入される下側22b に比べて湾曲しにくくなり、曲
率半径R1 が大きくなる。そこで、柔軟性が低く回転耐
久性が低下しやすい低抵抗芯線27を配置した部分につい
ては、他の部分に対してスペーサ14などに対する摺動抵
抗を小さくでき、フラットケーブル22の回転耐久性を容
易に向上することができる。このようにして、大きな電
流に対応し得るフラットケーブル22の回転耐久性を、厚
さ寸法が大きい芯線を設けなかったフラットケーブルと
同程度にすることができた。
【0066】さらに、フラットケーブル22の反転部分の
下部が摺接する底部64には、弧状に膨出してリング外壁
部54の上側に突出するケーブル摺接部67を形成したた
め、溝部55から離脱するフラットケーブル22が溝部55の
外周側のエッジ部(角部)への摺接を軽減しフラットケ
ーブル22を溝部55から円滑に挿脱できるとともに、フラ
ットケーブル22のロータ12およびステータ16への摺接を
さらに低減して、フラットケーブル22を円滑に移動させ
ることができる。
【0067】そして、スペーサ14のケーブル案内部111
には、ケーブル押え部112 から反転用挿通部106 に向か
い、上方に傾斜する傾斜面部114 を設けたため、この傾
斜面部114 に沿ってケーブルを円滑に溝部55から挿脱で
き、ケーブル用リール装置を円滑に作動させることがで
きる。
【0068】また、スペーサ14には、フラットケーブル
22に摺接する部分である外板部105と、突設面部107
と、内板部104 の傾斜面部114 に摺接する部分とに、そ
れぞれ上下方向を長手方向とする突条116 を形成したた
め、フラットケーブル22をこの突条116 に摺接させ、フ
ラットケーブル22とスペーサ14との摩擦抵抗を低減し、
フラットケーブル22およびスペーサ14を円滑に移動させ
ることができる。そして、内側に突設した突条116 を、
溝部55のリング外壁部54上に重なるようにすることによ
り、ドレインリング15とステータ16の底部64との間にフ
ラットケーブル22が噛み込むことを防止することができ
る。
【0069】また、スペーサ14は、ロータ12の軸部33に
設けた案内体支持部46に係止して摺動自在に吊り下げ支
持したため、スペーサ14をステータ16の底部64から離間
させることができ、スペーサ14の摺動抵抗を容易に軽減
させることができる。さらに、このスペーサ14は、負荷
を受けない限りロータ12とともに回転するため、特に、
フラットケーブル22を巻き戻す際に、フラットケーブル
22がスペーサ14を押動する必要がなく、巻き乱れや座屈
などの発生を防止して、ケーブル用リール装置の作動を
円滑にすることができる。
【0070】そして、上記のように、スペーサ14などの
各部材を合成樹脂により形成した簡略な構造で、フラッ
トケーブル22およびスペーサ14を円滑に移動させること
ができるため、従来のように、案内体に複数のローラを
軸支し、あるいは、滑性シートなどを用いる必要がな
く、部品点数を削減できるとともに作業性を向上でき、
ケーブル用リール装置の製造コストを低減できるとも
に、ケーブル用リール装置を小型化することができる。
【0071】なお、上記の実施の形態では、フラットケ
ーブル22の上側22a の2本の芯線24の厚さ寸法を大きく
して、低抵抗芯線27を形成したが、例えば、中間部ある
いは下側22b の2本の芯線24の厚さ寸法を大きくして、
低抵抗芯線27を形成しても良く、あるいは、上側22a と
下側22b との芯線24を一本ずつ厚さ寸法を大きくして、
低抵抗芯線27を形成することもできる。そして、このよ
うな構成においても、フラットケーブル22全体の幅寸法
や厚さ寸法を大きくすることなく、大電流への対応が可
能になるとともに、表面に段部を形成することにより、
スペーサ14などへの摺動抵抗を低減して、回転動作を円
滑にすることができる。
【0072】また、上記の各実施の形態では、芯線24の
厚さ寸法を大きくして、低抵抗芯線27を形成したが、芯
線24を構成する導体の材質を変えることによっても、同
様の効果を得ることができる。例えば、図8に示すよう
に、各芯線24の断面形状を同一とし、上側22a の2本の
芯線24を、エアバッグ装置に接続される低抵抗芯線27と
する一方、下側22b の芯線24を、純銅よりも柔軟性(屈
曲性)が高く、かつ、単位長さ当たりの抵抗値が大きい
クロム銅、ジリコニウム銅などの合金とすることによ
り、大電流への対応が可能になるとともに、柔軟性の低
い低抵抗芯線27を設けた部分の摺動抵抗を軽減して耐久
性を向上することができる。
【0073】また、上記の各実施の形態では、溝部55を
形成したドレインリング15をロータ12の軸部33に嵌合
し、この溝部55がロータ12とともに回転するようにした
が、この溝部55は、ロータ12に一体に形成することもで
きる。さらに、上記の実施の形態では、フラットケーブ
ル22を案内する溝部55およびケーブル案内部111 をスペ
ーサ14の内周側にのみ形成したが、これらの溝部55およ
びケーブル案内部111 を、スペーサ14の外周側にも形成
することができる。
【0074】
【発明の効果】請求項1記載のケーブル用リール装置に
よれば、相対的に正逆方向に回転する部材間を、このケ
ーブル用リール装置のフラットケーブルにより接続し、
電力あるいは信号などを伝達することができる。また、
フラットケーブルの一部に、他の芯線に比べて単位長さ
当たりの抵抗率が小さい低抵抗芯線を設けたため、この
低抵抗芯線により、大電流への対応が可能になり、通常
柔軟性が乏しく形状が大きくなりやすい低抵抗芯線をす
べての芯線に用いる構成に比べて、フラットケーブルの
柔軟性を容易に確保でき、ケーブル用リール装置を円滑
に回転させることができるとともに、フラットケーブル
の幅寸法を容易に小さくして、ケーブル用リール装置を
小型化することができる。
【0075】請求項2記載のケーブル用リール装置によ
れば、請求項1記載の効果に加え、低抵抗芯線は、他の
芯線より厚さ寸法を大きくして形成したため、低抵抗芯
線を他の芯線と同一の材料により容易に形成できる。ま
た、低抵抗芯線を、幅寸法すなわち芯線の並設方向の寸
法を他の芯線より大きくすることにより形成する構成に
比べて、フラットケーブル全体の幅寸法を小さくでき、
ケーブル用リール装置を小型化できるとともに、絶縁被
覆の使用量も少なくして、製造コストを低減することが
できる。さらに、一部の芯線より厚さ寸法を変えること
により、フラットケーブルの表面に凹凸が形成されるた
め、案内体などに対する摺動抵抗を小さくでき、ケーブ
ル用リール装置を円滑に回転させることができる。
【0076】請求項3記載のケーブル用リール装置によ
れば、請求項1または2記載の効果に加え、軸部を枠部
に対して相対的に回転した状態で、フラットケーブル
は、U字状に反転しながら案内体の反転用挿通部を挿通
する。そして、案内体のケーブル案内部には、反転用挿
通部またはその近傍を除き、フラットケーブルの一側部
に対向してこのフラットケーブルの溝部からの離脱を阻
止するケーブル押え部を設けたため、フラットケーブル
が巻き戻される際には、反転用挿通部またはその近傍の
フラットケーブルのみが溝部から外周側に離脱し、フラ
ットケーブルの他の部分は、軸部に設けた溝部に保持さ
れた状態になる。そこで、フラットケーブルが案内体に
摺接するのは、反転用挿通部またはその近傍のみにな
り、フラットケーブルと案内体との摩擦抵抗を低減し、
フラットケーブルを案内体の反転用挿通部から円滑に繰
り出して、フラットケーブルの巻き乱れを防止し、ケー
ブル用リール装置を円滑に作動させることができる。こ
のとき、フラットケーブルは、長手方向に沿って略U字
状に湾曲されるとともに、フラットケーブルの他側部が
溝部から離脱する方向すなわち幅方向に沿った方向に力
を受けて湾曲するが、フラットケーブルの一側部、すな
わちケーブル押え部に対向する部分には、低抵抗芯線を
配置したため、溝部に挿入される他側部に比べて柔軟性
が低下して湾曲しにくくなり、曲率半径が大きくなっ
て、案内体などに対する摺動抵抗が小さくなり、フラッ
トケーブルの耐久性を容易に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のケーブル用リール装置の一実施の形態
を示すフラットケーブルの断面図である。
【図2】同上ケーブル用リール装置の断面図である。
【図3】同上ケーブル用リール装置の分解斜視図であ
る。
【図4】同上ケーブル用リール装置の斜視図である。
【図5】同上ケーブル用リール装置の案内体の斜視図で
ある。
【図6】同上ケーブル用リール装置の動作を説明する側
面図である。
【図7】同上ケーブル用リール装置の動作を説明する平
面図である。
【図8】本発明の他の実施の形態を示すフラットケーブ
ルの断面図である。
【符号の説明】
11 ケース 14 案内体としてのスペーサ 21 ケーブル収納部 22 フラットケーブル 22a 一側部としての上側 22b 他側部としての下側 24 芯線 33 軸部 55 溝部 62 枠部 106 反転用挿通部 111 ケーブル案内部 112 ケーブル押え部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略筒状をなす枠部、およびこの枠部の内
    側にこの枠部に対して相対的に正逆方向に回転可能に設
    けられた軸部を有し、これら枠部と軸部との間にケーブ
    ル収納部を設けたケースと、 前記ケーブル収納部に収納され、長手方向の一端部が前
    記枠部に接続され、他端部が前記軸部に接続されて、こ
    れら枠部および軸部の相対的な正逆方向の回転に伴い前
    記軸部の外周部と前記枠部の内周部とに互いに反対方向
    に巻回されるフラットケーブルと、 前記ケーブル収納部に収納され、前記軸部の外周部に巻
    き付けられたフラットケーブルと前記枠部の内周部に巻
    き付けられたフラットケーブルとの間に位置してこのフ
    ラットケーブルを案内する案内体とを備え、 前記フラットケーブルは、互いに幅方向に沿って略同一
    面状に並設された膜状をなし導電性を有する複数の芯線
    と、これら芯線を覆う絶縁性を有する絶縁被覆とを備え
    るとともに、少なくとも1個の芯線を、他の芯線に比べ
    て単位長さ当たりの抵抗率が小さい低抵抗芯線としたこ
    とを特徴とするケーブル用リール装置。
  2. 【請求項2】 低抵抗芯線は、他の芯線より厚さ寸法が
    大きく形成されたことを特徴とする請求項1記載のケー
    ブル用リール装置。
  3. 【請求項3】 フラットケーブルには、長手方向に沿っ
    た一側部に低抵抗芯線が配置され、他側には、前記一側
    部より屈曲性の高い他側部が配置され、 軸部には、案内体の内周側に位置して、前記フラットケ
    ーブルの長手方向に沿った前記他側部が挿入される略環
    状の溝部が設けられ、 前記案内体は、前記軸部の周囲に回転自在に配設され、
    フラットケーブルが挿通する反転用挿通部と、前記溝部
    に対向するケーブル案内部とが設けられ、このケーブル
    案内部には、前記反転用挿通部またはその近傍を除き、
    前記フラットケーブルの一側部に対向してこのフラット
    ケーブルの前記溝部からの離脱を阻止するケーブル押え
    部が設けられたことを特徴とする請求項1または2記載
    のケーブル用リール装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014041795A (ja) * 2012-08-23 2014-03-06 Alps Electric Co Ltd 回転コネクタ

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JP2014041795A (ja) * 2012-08-23 2014-03-06 Alps Electric Co Ltd 回転コネクタ

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