JPH0945224A - 電子源と画像形成装置 - Google Patents

電子源と画像形成装置

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JPH0945224A
JPH0945224A JP19497295A JP19497295A JPH0945224A JP H0945224 A JPH0945224 A JP H0945224A JP 19497295 A JP19497295 A JP 19497295A JP 19497295 A JP19497295 A JP 19497295A JP H0945224 A JPH0945224 A JP H0945224A
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JP
Japan
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electron
electrode
modulation
image forming
voltage
Prior art date
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JP19497295A
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English (en)
Inventor
Naohito Nakamura
尚人 中村
Ichiro Nomura
一郎 野村
Hidetoshi Suzuki
英俊 鱸
Yoshikazu Sakano
嘉和 坂野
Toshihiko Takeda
俊彦 武田
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子ビームの変調電圧を低減し、また、高密
度の電子ビーム出力を得ることが可能な電子源と、それ
を用いた画像形成装置の提供。 【解決手段】 複数の電子放出素子(15)が結線され
た素子列の複数と、複数の変調電極(6)とがマトリク
ス状に配置された構成を有する電子源において、前記複
数の変調電極(6)は、該複数の変調電極間のピッチよ
りも大きな幅を有することを特徴とする電子源。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子ビームの変調
電圧を低減し得る、又、高密度の電子ビーム出力を得る
ことが可能な電子源と、該電子源を用いた画像形成装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】複数の電子放出素子を有する電子源と、
この電子源からの電子ビームの照射を各々受ける蛍光体
ターゲットとを、各々相対向させた薄形の画像表示装置
が、特開昭58−1956号公報,特開昭60−225
342号公報等で開示されている。
【0003】これら電子線ディスプレイ装置は次のよう
な構造からなる。
【0004】図5は従来ディスプレイ装置の概要を示す
ものである。21はガラス基板、22は支持体、23は
配線電極、24は電子放出素子、25は電子通過孔、2
6は変調電極、27はガラス板、28は透明電極、29
は画像形成部材で、例えば蛍光体、レジスト材等電子が
衝突することにより発光,変色,帯電,変質等する部材
から成る。30はフェースプレート、31は蛍光体の輝
点である。電子放出素子24は薄膜技術により作成さ
れ、ガラス基板21とは接触することがない中空構造を
成すものである。配線電極23は電子放出部材と同一の
材料を用いて形成しても、別材料を用いても良く、一般
に融点が高く電気抵抗の小さいものが用いられる。支持
体22は絶縁体材料もしくは導電体材料で形成されてい
る。
【0005】これら電子線ディスプレイ装置は、配線電
極23に電圧を印加せしめ中空構造をなす電子放出素子
より電子を放出させ、これら電子流を情報信号に応じて
変調する変調電極26に電圧を印加することにより電子
を取り出し、取り出した電子を加速させ蛍光体29に衝
突させるものである。また、配線電極23と変調電極2
6でXYマトリックスを形成せしめ、画像形成部材29
上に画像表示を行うものである。
【0006】更に、複数の電子放出素子を用いた図5に
示すような画像形成装置の駆動方法を以下に詳しく述べ
る。X方向に配線された電子放出素子列に電圧を印加し
て各電子放出素子から電子を放出させる。放出された電
子は、Y方向に配線された変調電極に情報信号に応じた
電圧を印加することにより、画像形成部材へ到達する
(電子ビームオン状態)か到達しないか(カットオフ状
態)が制御される。オン状態の電子は、画像形成部材に
印加された加速電圧により加速され画像形成部材に衝突
し、画像形成部材は情報信号に応じて一ラインの表示を
行う。次にこの隣の電子放出素子列に電圧を印加し上述
した一ラインの表示を行う。これを順次行うことにより
一画面の画像表示を行う。上記の方法は駆動方法の一例
だが、X方向配線を走査線、Y方向配線を信号線とする
方法で、一般に広く用いられている。更に、カラーの画
像表示を行う場合は一般に画像形成部材として三原色
(通常、画像表示装置では赤,緑,青)が必要だが、上
記駆動方法にてカラー画像表示を行う場合は、X方向に
並んだ上記三原色の画像形成部材を一組として一画素を
構成することとし、各色の画像形成部材に対応する変調
電極には各色毎の情報信号に応じた変調電圧を印加すれ
ば良い。この場合、X方向の電子放出素子及び画像形成
部材の配列ピッチをY方向の1/3とし、各画素間の配
列ピッチはX,Y方向共同じにすることが多い。また、
電子放出素子列には順次電圧が印加されるため、Y方向
の画素間の分離は電圧を印加するタイミングの差で行わ
れるため画像形成部材自体をY方向に関し分離する必要
はない。従って画像形成部材はY方向につながってスト
ライプ状に作製するのが、製造の容易さ、高輝度を得易
いといった理由から通例である。
【0007】又、上述の従来の電子線ディスプレイにお
いて、電子放出素子として熱電子源を用いた場合、次の
ような問題点があった。
【0008】1.消費電力が高い。
【0009】2.変調スピードが遅い為大容量の表示が
できない。
【0010】3.各素子間のバラツキが生じ易い為大面
積化が難しい。
【0011】これらの問題点を解決する為に熱電子源に
代えて、冷陰極電子源を配置した画像形成装置が考えら
れる。
【0012】冷陰極電子源には電界放出型(以下、「F
E型」という。)、金属/絶縁層/金属型(以下、「M
IM型」という。)や表面伝導型電子放出素子等があ
る。
【0013】FE型の例としてはW.P.Dyke&
W.W.Dolan、“Fieldemissio
n”、Advance in Electron Ph
ysics、8、89(1956)あるいは、C.A.
Spindt,“PHYSICAL Properti
esof thin−film field emis
sion cathodes with molbde
num cones”,J.Appl.Phys.,4
7,5248(1976)等に開示されたものが知られ
ている。
【0014】MIM型の例としてはC.A.Mead、
“The tunnel−emission ampl
ifier、J.Appl.Phys.、32、646
(1961)等に開示されたものが知られている。
【0015】表面伝導型電子放出素子型の例としては、
M.I.Elinson、Radio Eug.Ele
ctron Pys.、10、(1965)等に開示さ
れたものがある。
【0016】表面伝導型電子放出素子は、基板上に形成
された小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことに
より、電子放出が生ずる現象を利用するものである。こ
の表面伝導型電子放出素子としては、前記エリンソン等
によるSnO2 薄膜を用いたもの、Au薄膜によるもの
[G.Dittmer:“Thin Solid Fi
lms”、9、317(1972)]、In23 /S
nO2 薄膜によるもの[M.Hartwell and
C.G.Fonstad:“IEEE Trans.
ED Conf.”、519(1975)]、カーボン
薄膜によるもの[荒木久 他:真空、第26巻、第1
号、22頁(1983)]等が報告されている。
【0017】これらの表面伝導型電子放出素子の典型的
な例として、前述のM.ハートウェルの素子構成を図1
2に模式的に示す。同図において201は基板、203
は導電性薄膜で、該導電性薄膜は、H型形状のパターン
にスパッタで形成された金属酸化物薄膜等からなり、ま
た、該導電性薄膜には、後述のフォーミングと呼ばれる
通電処理により電子放出部202が形成されている。
尚、図中の素子電極間隔L1は、0.5〜1mm、W1
は、0.1mmで設定されている。
【0018】従来、前記フォーミングは、前記導電性薄
膜103両端に直流電圧あるいは非常にゆっくりとした
昇電圧、例えば、1V/分程度を印加通電し、導電性薄
膜を局所的に破壊、変形もしくは変質せしめ、電気的に
高抵抗な状態にした電子放出部202を形成することで
ある。
【0019】例えば、電子放出部202は、導電性薄膜
203の一部に発生した亀裂であり、電子放出は、その
亀裂付近から行われる。
【0020】以上のような表面伝導型電子放出素子は、
前記導電性薄膜203に電圧を印加し、素子に電流を流
すことにより、前記電子放出部202より電子を放出せ
しめるものである。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】冷陰極電子源、特に表
面伝導型電子放出素子を用いた画像表示装置は、熱電子
源を用いた画像表示装置に比べて、多くの利点を有する
が、図1に示したような変調電極を有する構成の画像表
示装置において、電子ビームをカットオフするための変
調電圧が比較的大きいという問題があった。この点に付
き、本発明者らが行った実験に基づき、以下説明する。
【0022】本発明者らは、図7に示すような装置を用
いて表面伝導型電子放出素子の電子放出に関して実験を
行った。表面伝導型電子放出素子から、放出された電子
が画像形成部材上に形成するスポット形状を測定すると
図8に示すようであった。表面伝導型電子放出素子の電
子放出メカニズムに関して十分に解明されているわけで
はないが、図8のようにスポット形状がXY方向に広が
りを持っていることから考えて、表面伝導型電子放出素
子から放出される電子は図中X方向やY方向などいろい
ろな方向に初速度を持って、散乱されるように飛び出す
と本発明者らは考えている。熱電子源では、電子の初速
度は0であるため、電子を引き出すための電圧を与えな
いと電子は真空中に放出されない。従って、電子をカッ
トオフしたい時は電子ビーム引き出し用電極の電位を熱
陰極部より低くすれば良い。これと異なり表面伝導型電
子放出素子においては、上述したように電子が初速度を
持っているため、変調電極を用いて電子をカットオフす
るためには、変調電極に負電位を与え、該負電位と電子
放出させるために素子電極に与えられる電位との間に、
放出された電子が素子電極側に戻される方向の電界を形
成し、該電界にて、電子が変調電極上の電子通過孔を抜
け画像形成部材方向に出て行かないように閉じ込めなけ
ればならないと考えられる。そのように考えて計算機シ
ミュレーションを行うと、実験で得られるカットオフ電
圧と良く合っていた。上記理由により、表面伝導型電子
放出素子を用いた画像表示装置においては、変調電圧が
比較的高いという問題点を有すると考えられる。
【0023】更に発明者らの実験から、前述したように
初速度を持った電子が放出される冷陰極電子源では、電
子源上方に配置される変調電極の大きさが変調電圧の大
小に関係することがわかった。更に詳しく述べれば、例
えば表面伝導型電子放出素子のように、電子源が基板上
に設けられた対向する電極間に電子放出部を有し、該電
極間に電圧を印加することにより電子放出するような素
子においては、電子通過孔の大きさは同じ時、該対向す
る素子電極の電圧印加方向の変調電極の幅を大きくする
ことが変調電圧の低減には効果的であることがわかっ
た。
【0024】実際、図7に示すような素子を用いてカッ
トオフ電圧の測定実験を行った結果を以下に説明する。
【0025】図7では、素子基板61の上方10μmに
絶縁層(不図示)を介し変調電極66を配置し、また素
子基板61の上方4mmに、内面に蛍光体69が塗布さ
れたフェースプレート70を置き透明電極68を通じ5
kVの加速電圧(Va)を印加した。変調電極66は素
子電極61への電圧印加方向(図中X方向)に直交する
方向(Y方向)に配線され、変調電極66の電子通過孔
65のX方向、及びY方向の開口径を40μm(H
w)、200μm(H1)に固定し、変調電極66の全
体の幅Gwを200μm、400μmと変え、電子ビー
ムをカットオフする際の変調電圧を測定した。
【0026】実験の結果によると、Gw=400μmの
時のカットオフ電圧は約−30Vであった。しかし、G
w=200μmの時は、カットオフ電圧約−50Vで、
Gw=400μmの時に比べて50%程度上昇してい
る。この現象の理由について、本発明者らは次のように
考えている。前述したように、表面伝導型電子放出素子
では放出される電子が初速度を持っていると考えられる
が、例えばZ+方向に初速度V0 を持って射出した電子
でも、素子電極62間に印加される電圧Vfの影響を少
なくとも放出直後は受けるであろうから、電子放出部6
3から放出された電子は、図9に示すように、X+方向
の加速度を素子電極62間に印加される電圧Vfから受
け、電子放出部近傍においてその初速度は、素子電圧V
fの電場から受けるX+方向の成分をVf′とすると、
0 とVf′のベクトル和(図中V0 ′)になると考え
られる。
【0027】一方、Y方向に関しては電圧は印加されて
いないので、初速度のY方向成分は変化しないと考えら
れる。簡単にわかるようにV0 ′>V0 だから、放出さ
れた電子はX方向に関してY方向より大きな速度成分を
得て射出すると考えられ、従って変調電極66に与える
電圧により電子ビームをカットオフする際、X方向の変
調電極幅Gwが支配的に作用するのではないかと本発明
者らは考えている。
【0028】実際の画像表示装置では、カラー表示等を
行おうとする場合、赤、緑、青等の三原色が必要である
ため、通常、Y方向にストライプ状に赤、緑、青の画像
形成部材である蛍光体が繰り返し並べられ形成されてお
り、その配列ピッチは赤、緑、青の一組を一画素とする
と画素間のX方向の配列ピッチが画面対角サイズ20イ
ンチ程度の画像表示装置で0.6mm程度がTV受像機
等で一般的である。この場合、赤、緑、青各蛍光体の配
列ピッチ、及び電子放出素子の配列ピッチは、X方向で
その1/3であることが必要であるから、上述の画素間
0.6mmピッチの場合で、各色蛍光体及び電子放出素
子の配列ピッチは0.2mmであることが必要となって
くる。このように配列ピッチが小さい場合は、変調電極
66の幅Gwも十分に取ることができないから、変調電
圧VG が高くなり問題である。
【0029】本発明は前述の技術課題に鑑み画像形成装
置において、画素の密度を減少することなくカットオフ
するための変調電圧を減少させる構成を提供するために
成されたものである。
【0030】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明は、複数の電子放出素子が結線された素子列の複数
と、複数の変調電極とがマトリクス状に配置された構成
を有する電子源において、前記複数の変調電極は、該複
数の変調電極間のピッチよりも大きな幅を有することを
特徴とする電子源である。
【0031】更に本発明は、電子源と、該電子源からの
電子ビームの照射により画像を形成する画像形成部材と
を有する画像形成装置において、電子源が、前記電子源
であることを特徴とする画像形成装置である。
【0032】更に、本発明について、以下に詳述する。
【0033】図1に、本発明の電子源を用いた画像形成
装置の概略斜視図を示す。図を簡単にするため、図1で
は、素子電極2、変調電極6の厚さは省略した。図2
は、変調電極の配列を分かりやすく説明するため、図1
における変調電極6のみをZ+方向から見た平面図であ
る。また、図3は、従来の変調電極26の構成を示す平
面図である。図2において変調電極6の電子ビーム通過
孔5の中心が正三角形を成すように配置されている。
【0034】各電子ビーム通過孔間の配列ピッチ(P)
は、従来に比べて画面単位面積あたりの画素の密度が減
少しないために次のように決められている。
【0035】すなわち、従来の変調電極のX方向の配列
ピッチをaとするとき、
【0036】
【外1】 とすれば良い。
【0037】例えば、従来の変調電極26のX方向配列
ピッチa=200μmの時、P=300μmとし、各変
調電極6の電子ビーム通過孔5の中心が正三角形を成す
ように配置した。このようにすることにより、従来、変
調電極幅(Gw)180μmであったが、240μmに
広げることができた。素子電極2を作製した基板1の4
mm上方にフェースプレートを置き、5kV印加し、素
子電極〜変調電極間は絶縁層(図示せず)を介し10μ
mとして、実験したところ、従来、約−50V必要であ
ったカットオフ電圧が約−40Vで良くなり、20%の
改善効果があった。
【0038】以上のように、本発明によれば、X方向の
電子放出素子の配列ピッチより、変調電極の電子ビーム
通過孔中心を通るX方向の変調電極幅を大きくすること
により、電子ビームカットオフ時の変調電圧を低減する
効果がある。
【0039】又、以下に、本発明に係る表面伝導型電子
放出素子の基本的な構成について更に詳述する。
【0040】表面伝導型電子放出素子は、その基本的な
構成において、平面型と垂直型の2つに大別される。
【0041】まず、平面型の表面伝導型電子放出素子に
ついて説明する。
【0042】図10は、平面型の表面伝導型電子放出素
子の構成を示す模式図であり、図10の(a)は平面
図、図10の(b)は断面図である。
【0043】尚、図10において、101は基板、10
4と105は素子電極、103は導電性膜、102は電
子放出部である。
【0044】基板101としては、石英ガラス、Na等
の不純物含有量を減少したガラス、青板ガラス、青板ガ
ラスにスパッタ法等により形成したSiO2 を積層した
ガラス基板等及びアルミナ等のセラミックス等を用いる
ことができる。
【0045】また、対向する素子電極104、105の
材料としては、一般的な導体材料を用いることができ、
例えば、Ni,Cr,Au,Mo,W,Pt,Ti,A
l,Cu,Pd等の金属、或はこれらの合金、Pd,A
g,Au,RuO2 ,Pd−Ag等の金属或は金属酸化
物とガラス等から構成される印刷導体、In23 n−
SnO2 等の透明導電体及びポリシリコン等の半導体導
体材料等から適宜選択することができる。
【0046】素子電極間隔L1、素子電極長さW1、導
電性膜103の形状等は、応用される形態等を考慮して
設計されるが、素子電極間隔L1は、好ましくは、数千
オングストロームから数百マイクロメートルの範囲と
し、より好ましくは、素子電極間に印加する電圧等を考
慮して数マイクロメートルから数十マイクロメートルの
範囲とする。
【0047】また、素子電極長さW1は、電極の抵抗
値、電子放出特性を考慮して、好ましくは、数マイクロ
メートルから数百マイクロメートルの範囲とする。ま
た、素子電極104、105の膜厚dは、数百オングス
トロームから数マイクロメートルの範囲とすることが好
ましい。
【0048】尚、図10に示した構成だけでなく、基板
101上に、導電性膜103、対向する素子電極10
4、105の順に積層した構成とすることもできる。
【0049】導電性膜103には、良好な電子放出特性
を得るために、微粒子で構成された微粒子膜を用いるの
が好ましい。その膜厚は、素子電極104、105への
ステップカバレージ、素子段差形成部121は、真空蒸
着法、印刷法、スパッタ法等で形成されたSiO2 等の
絶縁性材料で構成することができ、その膜厚は、先に述
べた平面型の表面伝導型電子放出素子の素子電極間隔L
1に対応し、数千オングストロームから数十マイクロメ
ートル、より好ましくは、数百オングストロームから数
マイクロメートルの範囲とすることが望ましい。この段
差形成部121の膜厚は、その製法、及び、素子電極間
に印加する電圧等を考慮して設定される。
【0050】導電性膜103は、素子電極104、10
5と段差形成部121の作成後に、該素子電極104、
105上に積層される。また、図11においては、電子
放出部102は、段差形成部121に直線状に示されて
いるが、作成条件、フォーミング条件等に依存し、形
状、位置ともこれに限られるものでない。
【0051】
【発明の実施の形態】次に、実施例を用いて本発明を具
体的に説明する。
【0052】(実施例1)本実施例では、図1に示され
るような構成を有する画像形成装置を作製した。
【0053】同図において1は絶縁性基板、16は図1
0に示した表面伝導型電子放出素子で、電子電極2、電
子放出部3を有する。4は素子配線電極、7はガラス
板、8は透明電極、9は蛍光体、10は7,8,9から
構成されるフェースプレートである。また、6は変調電
極、5は電子ビーム通過孔であり、変調電極6は不図示
の絶縁層12を介し素子電極6上に配置されている。
【0054】先ず、本実施例の画像表示装置の作製方法
を説明する。
【0055】(1)絶縁性基板1を十分洗浄し、該基板
1上に通常良く用いられる蒸着技術とホトリソグラフィ
ー技術により素子配線電極4と素子電極2をNiを主成
分とする材料で1000Åの厚さにて作製した。かかる
素子配線電極4と素子電極2は、電気抵抗が十分低くな
るように作製しさえすればどのような材料を用いてもか
まわない。素子電極2は狭ギャップを挟んで対向して作
製するが、その電極ギャップは0.1μm〜10μmが
好適で本実施例では2μmに形成した。素子電極2のX
方向の幅は10μm、電圧印加方向(図中X方向)及び
それと垂直な方向(図中Y方向)の電子放出部3間の配
列ピッチはPH ,PV は300μmとし、電子放出部3
が正三角形を成すように配置した。
【0056】また、電子放出部3のY方向の長さLは4
00μmとした。
【0057】(2)次に、素子配線電極4の上にやはり
Niを主成分とする材料で1μmの厚さだけさらに蒸着
することで素子配線電極を厚くし抵抗を下げた。
【0058】(3)次に、有機金属化合物溶液を素子電
極上に塗布し、焼成し、更に前述の通電処理(フォーミ
ング)を施し、素子電極ギャップ間に、電子放出部を有
する導電性膜を設けた。前記導電性膜はPdOを主体と
する微粒子膜で、電子放出部は、該導電性膜の一部に形
成された亀裂である。
【0059】(4)次に、SiO2 からなる絶縁層12
(不図示)を全面に厚さ10μm蒸着した。更にその上
に、Niを主成分とする材料を厚さ約1μm蒸着し、ホ
トリソグラフィー技術によりY方向に電気的に接続され
るようにパターニングしまた電子ビーム通過孔5を設け
て、変調電極6を作製した。また、電子ビーム通過孔5
の部分にあるSiO2 をエッチングにより除き電子放出
部3まで貫通させた。
【0060】(5)以上のように表面伝導型電子放出素
子が作製された絶縁性基板1の上方に、内面に透明電極
8と蛍光体(画像形成部材)9が塗布されたフェースプ
レート10を支持枠(図示せず)を介し距離d=4mm
だけ離して配置し、基板、支持枠、フェースプレートの
接合部にフリットガラスを塗布、430℃で10分以上
焼成することで接着した。
【0061】(6)以上のようにして完成したガラス容
器内の雰囲気を真空ポンプにて排気し、十分な真空度に
達した後、素子配線電極4を通じ素子電極2に電圧を印
加し電子放出部3の微粒子膜に通電する。徐々に電圧を
上昇させ該微粒子膜に不可逆的な変形を生じせしめ、最
後にガラス容器の封止を行った。本画像表示装置におい
て一層安定な動作を得るために十分な真空度は10-6
10-7torrであった。
【0062】以上のようにして作製した画像形成装置に
おいて、電子放出素子列の第一列の素子電極2間に14
Vの駆動電圧Vfを印加して電子放出させ、それと直交
する変調電極6に情報信号に応じた電圧を印加すること
により、電子ビームのオン・オフの制御を行う。これを
電子放出素子列の第2列以降順次行うことにより、画像
を形成した。なお、画像形成部材である蛍光体9には、
透明電極8を通じ、電子ビーム加速用の電圧として5k
V印加した。
【0063】また、変調電極の各部のサイズを図2をも
とに説明すると、変調電極6の電子ビーム通過孔5の開
口部大きさはX方向40μm、Y方向180μmとし、
電子ビーム通過孔間の間隔Pは300μmとした。電子
ビーム通過孔5の配列は正三角形を形成するように並べ
られているので、X方向のピッチPH は150μm、Y
方向のピッチPV は260μmとした。また、各電極間
の絶縁を保つための間隔Sは各方向とも20μmとし
た。また、変調電極6をY方向に電気的に接続するため
の変調電極配線13の幅Wは20μmとしたが、変調電
極にはほとんど電流が流れないので配線抵抗はW=20
μmで問題なかった。以上のような構成により、各変調
電極の電子ビーム通過孔中心での水平方向幅GW は2P
H −60μmとなるから、240μmとできた。
【0064】本実施例で作製した画像形成装置におい
て、電子ビームカットオフのための変調電圧は前述した
ように約−40Vであった。従来、通常用いられた構成
で、本実施例と同じ画素密度を得るには、図3において
X方向の変調電極配列ピッチa=200μmとする必要
があり、絶縁間隔S=20μmとすると、変調電極の水
平方向幅GW は180μmとなり、電子ビームカットオ
フ電圧は上記と同条件にて約−50Vであった。
【0065】以上のように本実施例により電子ビームカ
ットオフのための変調電圧は従来より20%低減でき
た。
【0066】(実施例2)図4に、本発明の第2の実施
例で用いられる電子源が作製された基板の平面図(図4
の(a))と断面図(図4の(b))とを示す。本実施
例では、電子放出素子が作製される基板以外は第一実施
例と同じなので省略する。本実施例の素子基板の作製方
法は第一実施例とほぼ同様だが、本実施例においては、
素子配線電極4、素子電極2、及びそれらと変調電極6
とを絶縁するための絶縁層12を形成した後、まずY方
向に変調電極配線13のみパターニングして形成する。
次にSiO2 からなる絶縁層を厚さ2μm全面に蒸着に
より形成し、次に変調電極配線13と変調電極6とを電
気的に接続するため絶縁層上所望の位置にエッチングに
より、コンタクトホールを開けた。その上から所望の形
状の変調電極パターンをNiを主成分とする材料で厚さ
2μmで蒸着とホトリソグラフィー技術にて作製し、同
時に変調電極配線と変調電極との電気的導通も得た。な
お、コンタクトホールを作製するため、本実施例におけ
る変調電極の電子ビーム通過孔5の大きさは40μm
(X方向)×160μm(Y方向)とした。
【0067】本実施例においては、変調電極配線13
と、変調電極6とを絶縁層を介し、垂直方向に分離した
ので、変調電極幅等は第一実施例に比べ、更に大きくす
ることができた。具体的には本実施例では、電子ビーム
通過孔を正三角形状に300μmのピッチで配置する第
一実施例と同じ配列ピッチでも、変調電極の水平方向幅
W を、絶縁間隔S=20μmとしても、280μmと
することができ、変調電圧の更なる低減が可能であっ
た。本実施例の基板1の4mm上方に蛍光体を配置し、
5kVの加速電圧を印加した時の、電子ビームカットオ
フのための変調電圧は、約−35Vで良く、従来に比
べ、30%の低減が達成できた。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、電子放出素子と変
調電極とでXYマトリクスを達成し、画像を形成する画
像表示装置において、本発明の構成によれば、電子ビー
ム制御のための変調電圧が低減でき、駆動が容易にな
り、駆動IC等も低い耐圧のICが使用できる。
【0069】また、同じ変調電圧では、画像の高精細化
が可能であり、より高密度な画像表示が可能であるとい
った効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の概略構成を示す斜視図
である。
【図2】本発明の電子源の変調電極の構成を説明する平
面図である。
【図3】従来の電子源の変調電極の構成を説明する平面
図である。
【図4】本発明の実施例2で用いられた電子源の平面図
(a)及び断面図(b)である。
【図5】従来の画像形成装置の概略構成を示す斜視図で
ある。
【図6】従来の別の画像形成装置の概略構成を示す斜視
図である。
【図7】表面伝導型電子放出素子の電子放出実験につい
て説明するための概略図である。
【図8】画像形成部材面での電子ビームスポット形状に
ついて説明するための図である。
【図9】表面伝導型電子放出素子の電子放出について説
明するための図である。
【図10】表面伝導型電子放出素子の基本的な構造を説
明するための平面図(a)及び断面図(b)である。
【図11】表面伝導型電子放出素子の別の態様を説明す
るための断面図である。
【図12】表面伝導型電子放出素子の更に別の態様を説
明するための平面図である。
【符号の説明】
1,21,41,61,101,201 基板 2,43,62a,62b,104,105 素子電極 3,44,63,102,202 電子放出部 4,13,23,42 配線電極 5,25,45,65 電子ビーム通過孔 6,26,46,66 変調電極 7,27,47,67 ガラス板 8,28,48,68 透明電極 9,29,49,69 蛍光体 10,30,50 フェースプレート 11,31,71 蛍光体の輝点 12,15 絶縁層 14 コンタクトホール 16,24 電子放出素子 22 支持体 103,203 導電性膜 121 段差形成部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂野 嘉和 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 武田 俊彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の電子放出素子が結線された素子列
    の複数と、複数の変調電極とがマトリクス状に配置され
    た構成を有する電子源において、前記複数の変調電極
    は、該複数の変調電極間のピッチよりも大きな幅を有す
    ることを特徴とする電子源。
  2. 【請求項2】 前記電子放出素子は、冷陰極素子である
    請求項1に記載の電子源。
  3. 【請求項3】 前記電子放出素子は、基板面に平行に配
    置された電極間に電子放出部を有する電子放出素子であ
    る請求項1または2に記載の電子源。
  4. 【請求項4】 前記電子放出素子は、表面伝導型電子放
    出素子である請求項1〜3のいずれかに記載の電子源。
  5. 【請求項5】 電子源と、該電子源からの電子ビームの
    照射により画像を形成する画像形成部材とを有する画像
    形成装置において、前記電子源が、請求項1〜4のいず
    れかに記載の電子源であることを特徴とする画像形成装
    置。
  6. 【請求項6】 前記画像形成部材が、蛍光体である請求
    項5に記載の画像形成装置。
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